2022-02-07

オープンレター東京大学

オープンレター問題は「人文学」という主語で語られがちだが、オープンレターの発起人の出身大学が非常に偏っていることが気になる。

現在残っている発起人のうち、「人文学者」と呼べそうな大学教員研究者ピックアップして、その出身大学を記すと、以下のようになる。

隠岐さや香氏→東京大学卒、同大学院修了

金田淳子氏→ 東京大学卒、同大学院修了

北村紗衣氏→東京大学卒、同大学院修了

河野太郎氏→一橋大学卒、東京大学大学院修了

小宮友根氏→早稲田大学卒、東京都立大学大学院修了

清水晶子氏→東京大学/ウェールズ大学卒、ウェールズ大学大学院修了

八谷舞氏→東京大学卒、同大学院修了

三木那由他氏→京都大学卒、同大学院修了

山口智美氏→国際基督教大学卒、ミシガン大学修了

 ※上記はresearchmapおよびWikipediaを参照して作成している。

小宮氏、三木氏、山口氏を除いて、全員が東京大学学部か院を出ている。

そして、三木氏を除いて、全員東京大学出身だ。

このような偏りは、東京大学が最も偏差値の高い日本大学であるからして、東京大学出身研究者の母数が多い、という話では説明できない。

多いと言ったって、東大は1つ、その他に研究者を輩出してきた大学20や30はある。40や50くらいあるかもしれない。これらの大学出身者がほとんど含まれないのは、多様性グローバル化を率先して推進してきた人々のコミュニティ形態としては極めて不自然である

オープンレター発起人の中には、グローバルな視野を強調する研究者もいるが、オープンレター発起人のメンバーからは、そのようなグローバルさは感じられないし、むしろ内輪の狭いコミュニティですべてがまわっている印象を受けざるをえない。

(ちなみに、オープンレター名前の挙がっている呉座勇一氏も東京大学出身であり、この度の騒動の中心人物はみな東京大学関係者だったりする。)

東京大学出身研究者がやや特別地位にあることは、特に根拠を示す必要を感じないので示さないが、人文学系学界では周知のことと言える。

東京大学は、「植民地」と呼ばれる非常勤先や就職先を多数確保しており、東大出身者を、研究能力とは別の力学で、優先してそこに就職させてきた。

京都大学も当然同様の要素があるが、やっぱり「強い」のは東大だ。ただ、この強弱は分野によって違うかもしれない。)

そして、そのような天下りともいえるポストをゲットしても、それを天下り既得権益、つまり特権とは思わず、私は東大出身で優秀だからポストを獲得できたんだ、という思考回路に陥る大学教員がたくさんいるのである。彼らの中には、東大が最も優れた大学であり、東大以外の大学出身者は「東大に入れなかった人である」、と信じている者もまれではない。そして、自分たちは偉いと信じている。このことはまったく証明する必要を感じない、周知の事実である

東京大学出身研究者は多く、当然のことながら、非常に尊敬できる、素晴らしい人格を持った大学教員はもちろんたくさんいる。

しかし、このような素晴らしい人格をもった東大出身大学教員は、上記のような現状を決して否定しないであろう。

このような現状は、女性差別的なアカデミズムの慣例と同じくらい、負の影響をアカデミズムにもたらしている、このことも周知の事実だろう。

しかし、このような、誰の目にも明らかな問題構造については、誰も批判しないし、できないのである

オープンレターが掲げた志は理解できるが、東大集団にいわれてもシラける、というのがオープンレターを読んだ初見感想だ。

理系の状況はわからないが、おそらく似たような構造があるのではないだろうか。

まりオープンレターで明らかになった大学教員醜態は、人文学者の醜態というより、東大をめぐるアカデミズム権威主義という、文理問わず共通の、醜い醜い構造があらわになったものなのではないだろうか。

人文学ではなく、東京大学をめぐる力学を、ほかならぬ東大出身者が自省して自浄してほしい。

大学出身者は、それこそハラスメントや今後の不利益考慮すると、それを成すのにあなたたちの100倍勇気必要なのだから

  • 呉座さんが身をもって示してくれとるわけやね 東大卒でもヘマすると切られるって

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