はてなキーワード: 中期経営計画とは
意識の高い若手社会人には、「将来は経営企画部に行って事業戦略を作りたい!」と考えてる方も一定数いると思う。
また、「ポストコンサルのキャリアとして、事業会社の経営企画部に行きたいです!」という疲れ気味のコンサルの方もいるかもしれない。
果たして、経営企画とは皆が憧れるようなエリートコース、バラ色のキャリアなんだろうか?
日系上場企業(JTC)を中心に何社か経験した、社会人歴15年超の現役の経営企画部員が疑問にお答えしようと思う。
1. 「〇〇企画部」は「〇〇調整部」
まず大前提として押さえておきたいことは、企画系の部署がやっていることの大半は社内調整ということだ。
これは特に日系大企業で顕著で、経営企画だけでなく商品企画や営業企画でも同じだ(外資やベンチャーはよく知らない)。
経営企画部の実情は「経営調整部」であり、商品企画部は「商品調整部」、営業企画部は「営業調整部」と捉えれば分かりやすい。
キラキラしたクリエイティブで頭のいい人達が企画を作って、現場はその企画を素直に実行するーそんな夢のような職場は少なくとも日本企業には存在しない。
考えた企画の役員報告はもちろんのこと、関係部署との数えきれないほどの会議、文句ばかり言って協力しないおじさんへの根回しなど、膨大な社内調整には3ヶ月や半年も要することになる。
この間、担当社員の仕事は、パワポの資料作成に加えて、会議のファシリテーションや議事録作成など地味な仕事ばかりだ。
渾身のアイディアを盛り込んだパワポも、上司からの「てにをは」の修正、偉い人からのよく分からん指摘、関係部署への忖度などから、次第にエッジは削がれていき、総花的でぐちゃぐちゃした代物に変貌していく。
https://www.env.go.jp/content/900513416.pdf
官僚はまさしく企画職だが、関係団体や政治家との調整業務が大半で、利害関係者の意見を盛り込んでいるうちに、全くMECEではないぐちゃぐちゃしたパワポが出来上がる。
日本企業の他の企画職も似たような仕事ぶりであり、日々社内調整に汗を流して、ぐちゃぐちゃしたパワポを作っている。
この資料を作るのは確かに経営企画部員だが、その仕事の大半は事業部から上がってくる情報を集約して体裁を整えることである。
経営企画部員がオリジナリティーを発揮できる領域は限られていると言える。
2. 何の権限もない
経営企画はあくまでコーポレート部門で、経理や人事と同じようなサポート部隊である。
つまり、「こういう事業をやるべきです」と主張するよりも、「事業部でお困りのことがあったらサポートします」という姿勢が好まれる。
会社の重要な経営戦略であるM&Aも、どんなに意識の高い経営企画部員が必要性を訴えたところで、事業部の受け皿がなければ何も進まない。
しかし、往々として事業部というのは目先の業務で手一杯であり、新しい事業に取り組む余裕はないし、そんな高い視座で長期的に事業を考えている偉い人も少ない。
結果的に、M&Aなどの新しい施策は、事業部間でたらい回しになり、何も決まらず、チャンスを逃して成就しないことがとても多い。
おそらく、半分正解で半分間違いだろう。
確かに、役員や部長が偉くなる過程で経営企画に立ち寄ることはよくある。
だが、担当レベルではたまたまポストが開いたから異動してくることが多く、皆がすべて優秀という訳ではなく、行き場のないおじさんが、地味な集計作業をしてたりすることもある。
その点では、社内の他の部署と大差はない。
そんな訳で、経営企画部は社内調整ばかりで権限もなく、必ずしも出世コースでもない平凡な部署であることはお分かりいただけたと思う。
それでも、個人的には経営企画の仕事は好きであり、役員の近くで仕事して会社組織の意思決定の仕組みを理解できたのは、社会人として貴重な経験となったと感じている。
経営企画部員として働くと、社長や役員が頭がキレキレではなく普通のおじさんたちの集団ということが分かる。
そうした現実を踏まえて、権限がない自分たちがいかに企画を通していくか、サラリーマンとしての鍛錬の場として、経営企画は適してるといえる。
朝日新聞社は6月30日、9月から11月にかけて45歳以上の社員を対象に「200人以上」の希望退職者を募る方針を労働組合に通告した。昨年(応募者111人)に続く希望退職者の募集で、これにより現行中期経営計画に基づく「2023年度末3800人態勢」の実現を目指す。同社の21年度決算(単体)は創業以来の大赤字となった前年度から、2年ぶりの最終黒字に転じた。しかし、年間40万部ペースの部数減少が続く中、売上高は1881億円と、14年度(2886億円)から7年間で約1千億円も落ち込むなど縮小サイクルが止まらない。赤字を避けるには人件費を中心とする経費削減に頼らざるを得ないのが実情だ。
遠出の道中、時間があったので数年前まで住んでた街に立ち寄ってみた。
ロードサイドの景色は結構変わってるが、まだいくつか見慣れたものが残っていた。
あのラウンドワンでボーリングが苦手な先輩と社内大会のために練習した。
あの駅前で夜飲むらしい課長を車送迎するため寒い朝に時折待っていた。
あの定食屋でストレスでイカれたのか毎日仕事終わりに晩飯3人前を食べて激太りした。
小腹が空いたので、その定食屋に寄ってみた。
やっぱり美味しい。
こんなに美味しいものを毎日3人前食べてたんだから、そりゃ太るよ。
でも、美味しいものを好きなだけ食べるって結構幸せだったかもしれない。痩せるのは大変だったけれど。
繰上で昇進した(元)課長達が実権を握り始めた頃に辞めた。
契約社員達は正社員登用できる規程年数の到達前で更新停止された。
中には1年間空白を開けて雇用されることを待っていた人もいたが、
繰り上がり昇進の(元)課長達は定時で上がっては、いつものメンツで酒を飲み、毎回ゲストとして部下を呼びだしていた。
筆頭の(元)課長が泥酔してゲストを詰める様を、取り巻きは止めもせずうんうん頷いて聞いていたらしい。そっち側の席は安全らしい。
取り巻きは「俺が引退する時にお前らを最年少で上げるから」と筆頭の(元)課長の口約束を信じている。
クソみたいな腰ぎんちゃく野郎が「どうだ、出世街道だぞ」といわんばかりに嬉しそうに話してきた。
きっとそうなるだろう。
筆頭(元)課長が交渉する場に立ち会ったことがあるが、相手に強く出られると途端にビビり、声が震える。
取り巻き達の無言の圧に耐えきれるわけがない。年功序列で昇進しているだけなのだから。
正社員では私以外にも同じ時期に辞めた者がいる。
10数年ぶりの定年以外の退職者が一挙に出た。
私が編成した中期経営計画の財務モデルは近い将来の厳しい状況を示していた。
今、どうなっているだろうか。
一瞬、寄ろうかと思ったけど、美味しかった定食の満腹感が打ち消した。
二十代の多くの時間を過ごし、良かった思い出もたくさんあるはずなのに
全てに砂を噛むような不快さがついてくる。
くたばれ、吹き飛べ、ぶっ壊れてしまえ。
ここは最悪の街だ。
もう二度と来ない。
本社の方角に背を向けて再び車を走らせた。
就活終えたのでまとめとして自分が何したかを書いてみたけど投げるところもないのでこちらへ。
IT系大企業の話なので他の業界だと違うかもしれません。あと就活開始当初からほぼITに絞っていたのでインターンの話は業界が決まってる人向けかもしれないです。
誰かの役に立つといいな。
長期ではなく1,2日くらいの短期間のやつでも早期選考に乗れることがあるので本命なら行っておくべきだし、本命と同業種のところもできれば参加しておきたい。そこで会った社員の方の名前やお話した内容は絶対にメモっておく。長期でやらかすと選考にも影響するって噂も聞くけど短期ならまあ大丈夫(だと思う)。グループワークで成果を上げるよりもその会社とのつながりを深めることを重視。
ESや適性検査、面接といった選考有りのインターンも受けとくだけで選考に慣れるのでおすすめ。本選考より倍率は高いので落ちても気にしない。
・ES
幼少期から今までの出来事やその時の気持ちを洗い出すってやつ、軽くでもやっておくと後々役立つ。ESでも面接でも"自分だけの体験+その場の感情や考えの変遷"をアピールできるとつよい。
ESを元に面接される場合がほとんどなので志望動機以外のエピソードはなるべく同じものに揃えておくと楽。同じ体験を使って会社の雰囲気によってちょっとだけ結論(その体験から得られたもの、とか)を変えるくらいで。同じエピソードを使いまわしておくと色んな面接で同じ体験を深掘りしてくれるので数をこなすごとに深掘りに耐えられるようになってくる。その会社のESには書いていなくてもふとした質問に対して具体的な体験談をぶつけていけるのでつよい。ESを書くために拾い出した過去の出来事達も想定外の質問の答えの役に立ったりするのでおすすめ。
結論ファーストで書くこと。きちんとした文になっているか、誤字脱字はなるべく日を置いて確認すること。(とはいえ自分も締切ギリギリに書き上げたのがほとんど)
文末の工夫として"考える"、"思う"以外の語彙を増やす。"確信している"とか"期待している"とかポジティブ感があるものがおすすめ。"強く"、"深く"、"心から"みたいな副詞も有効的に使うと論理的な文章の中にも熱意とか人間味とかが伝わる気がする。
あと提出するESはちゃんと記録しておくこと。自分は就活関係は全部Evernoteで管理していました。
・適性検査
がんばれ
・面接
緊張しやすい性格だったので最初の方の面接は全滅。緊張は仕方ないとはいえ場数を踏めば多少は慣れるのでやはり場数こなすべきかも。ここで本命のインターンしか行ってないと早期選考のせいで初めての面接が第一志望!ってことになりかねないので(自分はそれで死んだ)他社のインターンも行っておくことを改めておすすめしたい。それか外資とか選考が早いところで慣れておく。
→準備
〇ンキャリ辺りで過去の質問やその傾向を拾い上げてくる。自己PR、志望動機+過去の質問パターン+逆質問の準備で大体なんとかなる(ならないこともあるけど)。
そして想定される質問文に対してどう答えるかを提出したESも踏まえて考えてひたすらEvernoteに書き出す。どうゆう答えをしてその理由にどの体験を持ってくるか、さらにその体験でどう考えていたかを台本を書くつもりで全部文章にする。そしてそれをひたすら音読する。
緊張しがちで頭回らなくなるタイプなので準備は(面接当日の1時とかからだけど)きっちりやりましたがこの辺の必要性は人による気がする。あと軽く吃音があって緊張するとそれが出てしまうことがあるので音読で口を慣らすのはマストでした。会社に行く電車の中でも書いた文章読み返しながら小声でモゴモゴしてたのでマスクしていたとはいえ怪しい人だったかもしれないけど人生がかかってるから許してほしい。
面接に向けた企業研究は会社HPから社長メッセージ、中期経営計画、決算報告、新しめのプレスリリース辺りを見てました。
あとはアピールの方法として"御社と自分との関わり"を押し出していく。インターンでも面接でも、"御社の〇〇さんに座談会でこういう事を聞いた"、"1次面接の△△さんのこういう考え方に共感した"みたいな具体的なアピールをしておくと志望度が高く見えるし、面接官がその人を知っていると共通点として盛り上がれる。製品を知っている事を求められそうなら調べておく。何か小さい頃に使ってたとか最近思わぬところで社名を見たみたいなエピソードはそこそこ使える。
→面接中
なるべく笑顔、とはいえニヤニヤしてても気持ち悪い気がしたので自分はひたすら期待の眼差しを向けていたつもり。
答えに詰まった時は"一旦落ち着かせてください"って言って時間をもらったり、それでも頭が真っ白になったままの時はとりあえず話し慣れているエピソードを話し始めてその途中で"質問なんでしたっけ?"みたいに聞き返ししてから無理やり結論をそこに着地させたり(今思えば論理性皆無)。詰まってもこれで切り抜けられた事はあります。(もちろん容赦なく落とされることもある。)
面接官と共通の話題を見つけて盛り上がられると楽しく面接を終えられて気が楽です。大抵最後は逆質問なのでそれがうまくいくと印象が上がる気がするので前半詰められてもなんとか挽回できます。
逆質問は事業内容について聞くと下調べが甘いのがバレるので面接官の方の働く上での心持ちだとか将来期待していることとかそういう個人的な事を聞いていました。あとは自分が他社にもらった負のフィードバックや悩みに関して改善の方法を聞いてみたりしました。この辺は居酒屋で上司に相談するくらいの気持ちで。
→面接後
面接官の名前は絶対覚えておいて面接終わったら即メモ。帰りの電車で聞かれた内容とそれに対してどう答えたかをひたすら書き出す。これをやっておくととりあえず反省点が見つかるのと次の面接でも答えが矛盾しなくなる。面接増えてくるとどこで何の話したのかわからなくなるので必須。次の面接に進めたらこのメモも見返してまた準備を、の繰り返し。
・まとめ
和やかな面接に当たることが多かったので就活中結果を見るのは辛かったけどそれ以外は大体楽しかった。色んな企業の本社見れてラッキー!って思ってたし逆にべ〇サールとかで説明会する会社クソって思ってた。本社入れてくれや。
基本Evernoteでタスク管理やES、面接準備をしていました。会社ごとにノートブック作ってそこにtodoとかESとか面接内容とか全部ぶちこんでました。todoリストにはタグつけてtodoリストだけ一覧表示できるようにしてたりtodoリストの題名に会社名と次の日程と用事(【4/2ES締切】〇〇社)入れておくと一覧で見た時に各社次にやることがすぐわかって楽でした(伝われ)。Evernoteの良いところは家でも電車でも色々書けるところと企業のwebページをそのままクリップできるところ、不便なところはES書くにあたって文字数が数えられないのと文章校正機能がないところ。
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平成26年 6月定例会(第3回) - 06月12日-04号
P.145
○議長(関口孫一郎君) 4番、針谷育造議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.145
◆4番(針谷育造君) 栃木新風会、4番、針谷育造でございます。通告に従い一般質問をいたします。質問の要旨は、1番といたしまして、栃木市総合計画への岩舟地域の位置づけについて、2番、小野寺北小学校旧校舎の保存と活用について、3番、岩舟地域の獣害対策について質問をしたいと思います。
それでは最初に、栃木市総合計画等への岩舟地域の位置づけについて伺いたいと思います。私は、今回の市議会選挙に当たり、大岩藤の発展なくして栃木市の未来は語れない。そのためには、発展の可能性が高いこの地域が将来の栃木市の鍵を握っていること、つまり栃木市の南西部、大平、岩舟、藤岡地域で連携したまちづくりが必要であると訴えてきました。その理由は、地形、地勢的にも発展可能性の地域として最適のところであり、さらに交通の要衝であることであります。群馬県、茨城県を東西に結び、両毛地区の主要都市をつなぐ国道50号線、さらに50号線に並行する県道小山岩舟線、桐生岩舟線の幹線道路が走っております。南北には、栃木市内を走る県道栃木藤岡線、さらには高速道路東北自動車道、佐野藤岡インターがございます。さらに、鉄道では、JR両毛線、東京と栃木市内をくまなく結ぶ東武日光宇都宮線の有機的結合による開発を進めるべきだと訴えてまいりました。交通の要衝であるこの地が、なぜ開発されなかったのかと考えてまいりました。幸い、手つかずの広大な平地林がこの地域にはございます。一方、市長の岩舟地域マニフェストでも、佐野藤岡インター周辺の産業団地の整備の推進、そして岩舟町・藤岡町大規模開発計画を再スタートさせ、地域産業の振興を図ります等とあります。
そこで、このような状況を踏まえ、栃木市総合計画等に岩舟地域をどのように位置づけるのか伺いたいと思います。
P.146
◎市長(鈴木俊美君) 栃木市総合計画への岩舟地域の位置づけについてでありますが、4月5日の岩舟町との合併に伴い、合併協議会で策定をいたしました新市まちづくり計画を踏まえ、新しい総合計画の策定に向けて現在改定作業を進めているところであります。主な作業といたしましては、岩舟町合併に伴う各種数値、数字の見直しに加え、岩舟地域のまちづくりの方向性を地域の姿としてまとめていくものであります。特に、地域の姿につきましては、岩舟地域におきましても、既存の総合計画と同様に、地域協議会の協力を得ながら策定をしてまいります。岩舟地域の地域の姿策定に際しましては、岩舟地域の資源や特性を生かしつつ、市町村合併のメリットであります広域的視点に立ったまちづくりが進むよう、まちづくりの方向性を描いてまいりたいと考えております。その上で、旧岩舟町時代に推進が図られなかった事業、例えば市域、市の領域の東西を走る国道50号線沿線、南北を走る県道栃木藤岡線沿線などは、大平地域、藤岡地域並びに岩舟地域を一体的に結びつけ、各地域の個性や特色を生かした土地利用構想をつくり上げ、栃木市南部、ひいては市域全体の発展へとつなげてまいりたいと考えております。なお、岩舟地域の施策の一部、具体的には岩藤大規模開発は、既存の総合計画における藤岡地域の地域の姿の中で、既にインターチェンジ周辺活用エリアとして位置づけております。さらに、私の今回のマニフェストの施策として具体的に織り込み済みでもありますので、現在改定作業を進めている総合計画の策定に当たりましても反映されておりますし、さらに追加して反映をしていく所存でございます。
以上であります。
P.146
○議長(関口孫一郎君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.146
◆4番(針谷育造君) 大変前向きに、そして建設的な市長の答弁、ありがとうございました。それでは、この計画策定に当たりまして、今後の日程、方法も若干述べられましたけれども、どのような手順でなるのかをお伺いしたいと思います。
P.146
◎総合政策部長(赤羽根正夫君) 具体的な今後の岩藤大規模開発の手順ということでよろしいでしょうか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
P.146
◎総合政策部長(赤羽根正夫君) そこまでの具体的な、現在の段階では、そこまでは至っておりませんが、まずは総合計画を今年度岩舟地域を中心として改定いたしますので、その中で、地域計画の中で十分、既に藤岡地域の中でもインター周辺ということでの位置づけはされておりますけれども、岩舟地域を含めた中での整合を図った中で、エリアどり的なものも含めて概要は詰めていきます。その後に具体的なエリアとか、既に現在も協議会等はございますが、休止状態というようなこともありますので、その協議会をどういうふうに立ち上げていくかということも含めて、詳細を詰めていく形になろうかと思います。
以上です。
P.146
○議長(関口孫一郎君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.146
◆4番(針谷育造君) ありがとうございました。それでは、ちょっと角度を変えまして、再質問になりますけれども、ご承知のように、4月5日に合併を果たしました。この合併によるメリットは、まさに市長の答弁のようにはかり知れないものが私はあるのではないか。栃木市の総合計画の基本構想や土地の骨格、土地利用構想の完成度は、大幅にアップをするのではないでしょうか。今まですっぽりと抜け落ちておりました岩舟地域が埋まることにより、岩舟地域は栃木市の南部の中心に位置することになります。栃木市は、将来的には大きな財産を得たと思う、私はそのように考えております。たびたび申しわけありませんが、このことについての市長のお考えを聞かせてください。
P.147
◎市長(鈴木俊美君) まず、今回岩舟地域が栃木市と一緒になることによって、栃木市の全体の形としては大変成形、縦長といいますか、長方形の形になったところでありまして、形の上でも、まず岩舟地域が加わっていただいたということは、栃木市にとって大変大きな意義がございます。それから、岩舟地域の持っておられる、いわゆるポテンシャル、将来への可能性あるいは魅力、こういうものについても議員がおっしゃるとおりではないかと思います。これからは、栃木市の、とりわけ南の地域の一角を占める岩舟地域としてのさまざまな発展が考えられるところでありますので、このことについても議員がおっしゃられるとおりかと思います。ただ、栃木市にとりましては、失礼ながら岩舟地域だけではなくて、他の地域も全て魅力的なところでございます。そういう意味においては、これからは栃木市の一角を占める岩舟地域の持てるポテンシャルを十分に引き出していくことができるように、そしてそれが栃木市にとって魅力となっていくように、いろんなことを手がけていかなければいけないというふうに思います。その手がけていく中では、まだまだ地域としてやり残している課題あるいはこれから充実させていかなければならない施設や、いわゆるインフラの整備などもやっていかないといけないこともありますので、これらについても他の地域と同様、これから内容の充実に努めていくことが大変必要だろうというふうに思っております。そのようなことを通して、何度も申しますが、栃木市にとっての全体の発展に、岩舟地域のポテンシャルが貢献してもらえるように、そして岩舟地域そのものがこれまでやり残していたものをきっちりとやり遂げていくことが、これからは大切になっていくだろうというふうに思っております。
P.147
○議長(関口孫一郎君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.147
◆4番(針谷育造君) ありがとうございました。それでは、少し具体論に入りまして、2番目の質問に入らせていただきたいと思います。岩舟・藤岡地域住民にとって、大規模開発計画は、まさに悲願50年の課題であります。この大規模開発計画の経過をお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いします。
P.147
◎総合政策部長(赤羽根正夫君) ご質問の岩舟町・藤岡町大規模開発の経過についてお答えを申し上げます。
本開発は、針谷議員もご承知のとおり、旧岩舟町、旧藤岡町にまたがる地域における大規模な住宅地開発と同開発に伴う東武日光線の藤岡駅、静和駅間に新駅を整備するというものであります。本開発の経過でありますが、今から48年前の昭和41年に、東武鉄道株式会社より東武日光沿線開発に関して旧岩舟町、旧藤岡町への意思表明がなされたことが始まりでございます。しかし、同年10月に勃発した第4次中東戦争に端を発した第1次オイルショックの影響を受けて、東武鉄道株式会社による開発計画は、一時後退を余儀なくされました。その後、昭和50年には、開発手法として土地区画整理事業が検討され、東武鉄道株式会社より計画工程表が示されるとともに、昭和59年には同社から合計274ヘクタールの開発計画が提示され、地元説明会が開催されました。これを受けて同年、旧岩舟町の地元、御門地区において、岩舟御門土地区画整理準備委員会が発足され、委員会から町に対して技術支援の要請がございました。昭和63年には、行政側の事業化推進の母体として、県、旧岩舟町、旧藤岡町の関係者をメンバーとした岩舟町・藤岡町大規模開発連絡協議会が発足し、開発の推進に向けて、旧岩舟、旧藤岡両町の協力体制を整えてまいりました。
また、翌年の平成元年3月には、栃木市、小山市など当時の2市7町1村圏域を範囲として、栃木・小山定住圏計画、いわゆるトナンプランが策定され、岩舟町・藤岡町大規模開発区域については、豊かな自然環境のもと、産業と居住機能が複合的に整備される地域として位置づけられました。そのほか平成6年には、栃木県南部地方拠点都市地域の指定を受け、翌年3月に策定された栃木県南部地方拠点都市地域整備基本計画においては、この大規模開発を市町別の整備方針の中で、緑豊かな自然環境を生かし、居住機能を軸に「産・緑・住」の機能からなる複合都市開発を推進し、住宅・宅地と新たな産業集積による就業機会を提供していくものとして位置づけ、開発面積を旧岩舟町、旧藤岡町合わせて137ヘクタールと定められました。このような中、岩舟町・藤岡町大規模開発連絡協議会では、協議会が主体となって各種の調査を実施するとともに、地域内への説明会、関係者向けパンフレット配付、アンケート調査、先進地視察、東武鉄道株式会社との事業推進打ち合わせを実施するなどの活動を独自に推進してまいりました。しかし、1986年代から始まった好景気も、4年後の1990年代にはバブル崩壊により景気の後退を迎え、景気の悪化とともに活動が低下し、平成12年3月に協議会が主体となって実施した岩舟・藤岡大規模開発産緑住複合都市開発推進事業調査が完了すると、翌年3月29日開催の協議会総会及び推進事業調査報告会を最後に、現在まで協議会の活動は休止状態となっております。
以上が現在までの経過でございます。
P.148
○議長(関口孫一郎君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.148
◆4番(針谷育造君) 大変詳しい経過をありがとうございました。ここで、次に移りますけれども、今の状況で岩舟町・藤岡町大規模開発計画の見通しについてお伺いすることも極めて困難かなと思いますけれども、とりあえず上げておりますので、ご回答をお願いしたいと思います。
P.148
◎総合政策部長(赤羽根正夫君) ご質問の岩舟町・藤岡町大規模開発計画の見通しについてお答えを申し上げます。
本開発計画は、先ほどの開発の経過に関する答弁の中でお答えいたしましたとおり、1990年代のバブル崩壊による景気後退や社会情勢の変化等により、平成13年3月の岩舟町・藤岡町大規模開発連絡協議会総会を最後に、協議会の活動は休止状態にあります。活動休止から13年が経過した現在、現行の栃木市総合計画においては、針谷議員の言われる大規模開発を藤岡地域の地域の姿の中でインターチェンジ周辺開発エリアにおける産業基盤整備地域として位置づけ、大規模開発の当初の目的である居住機能を中心とした複合都市の開発の趣旨からは方向転換をいたしました。少子高齢化が進む中、社会情勢の変化に伴い、交通の要衝である佐野藤岡インター周辺や国道50号線に隣接しているという地理的好条件を生かし、企業誘致を推進することは雇用の確保による若い世代の定住や新たな人口流入の促進及び市の財政基盤強化など、多様な効果を担うことから、事業推進に当たっては、製造業や物流関係の産業団地の整備なども今後視野に入れる必要がございます。今後は、当該地区の地理的条件等を考慮すれば、産業団地開発への可能性はあると考えられますので、具体的な整備区域や方針等を周辺地域最大の地権者である東武鉄道株式会社との折衝を踏まえ、地域の皆様や関係機関と協議しながら検討してまいりたいと考えております。
以上です。
P.148
○議長(関口孫一郎君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.148
◆4番(針谷育造君) 大変ありがたい、産業団地の可能性は十分にある、そのようなことを聞きまして、非常に地域の皆さんも喜ぶ回答であったというふうに思います。私は、この産業団地等の雇用の確保の場の開発について、いささか角度を変えてお伺いをしたいと思います。よろしいでしょうか、議長。
P.149
○議長(関口孫一郎君) 再質問ということですか。
P.149
◆4番(針谷育造君) はい。
P.149
○議長(関口孫一郎君) はい。
P.149
◆4番(針谷育造君) 私は、この大規模開発計画を達成するために、実は栃木市役所1階へ東武宇都宮百貨店をテナントとして市長の英断で入れたということを聞いたときに、これは何かの布石ではないのかなと感じました。私が勝手に思っていることでございますけれども。承知のように東武鉄道は、資本金1,021億円、明治30年設立され、地元密着でその業績を伸ばし、現在は関連グループ93社を有する大企業であります。幸い栃木市内には、地域ごとにそれぞれ駅があり、多くの市民の足として利用し、親しまれております。この岩舟・藤岡大規模開発に栃木市の命運がかかっていると思ってもいいのかなと私は勝手に思っております。この計画は、先ほど赤羽根部長から言われましたように、137ヘクタールのうち、東武鉄道所有地55.3ヘクタール、内訳は山林が40.46ヘクタール、原野14.7ヘクタール、全体の40%を占めております。残りは岩舟、藤岡地域の地元地権者の所有あるいは町外の方、あるいは市外の方もいらっしゃると思いますけれども、81.67ヘクタール、これは山林と農地であります。東武鉄道は、平成25年6月、7月に、農業委員会の許可を得て農地を原野に変更いたしました。つまり農地が14.7ヘクタールだったものを原野に地目変更いたしました。東武の準備態勢は整ってきたのかなと思います。この開発は、東武鉄道抜きには前へ進まないと思います。たびたびで申しわけありませんけれども、市長のお考えを、簡単で結構でございますからお考えを聞かせてください。
P.149
◎市長(鈴木俊美君) まず、東武鉄道との連携という点に関し、議員からご指摘をいただきました本庁舎1階に東武宇都宮百貨店栃木店が入店をしていることについてでありますが、まずは栃木市の魅力を高めるには、どんな商業施設がよろしいかという観点から、あくまでそれを中心として選考した結果、東武宇都宮百貨店栃木店さんが入店をしていただけるということになりまして、このようないわゆるデパートの様相を呈する商業施設が1階にあるということは、栃木市にとっての魅力を必ずや高めていくであろう、かつまた中心市街地の活性化への、必ず少なからぬ好影響を与えてくれるだろうという思いであります。と同時に、東武鉄道というのは、我が栃木市を南北に貫く大動脈としての鉄道でありますから、かつその鉄道の存在を通して栃木市の観光の面でも、それから多くの人に来ていただくことをこれから考えていかなければならない上でも東武鉄道の協力は必要不可欠でありますから、そうした東武鉄道グループとのよりよき関係を築いていくことができるなら、それにこしたことはないということでございます。
一方、いわゆる岩藤開発における東武鉄道様の存在意義ということになりますが、まず第一は、何といっても対象となる面積の4割を占める大地主であります。したがって、これから開発計画を栃木市が本格的に進めていこうとするならば、まずはこの大地主の東武鉄道さんの協力がなければ、これは立ち行かないことであります。と同時に、他の地主、地権者の皆さんの協力もいただかなければならないのは、これはもう当然でございますので、その中でもとりわけ大地主としての東武鉄道さんにはご理解をいただくとともに、ご理解というのは従来の住宅地を中心とした整備開発ではなくて、産業団地等の造成を中心とした開発へと進めていく上でのご理解、そしてご協力が得られるかということが大切になります。この点、従来の岩藤開発で目標としていました新駅の設置、そして住宅地を中心とした緑の環境豊かな一大エリアをつくっていくということについては、恐らくこれからは無理だというふうに思います。新駅の設置ということに関しましては、東武鉄道さんはその後、板倉東洋大前駅をおつくりになりました。そして、住宅地等の造成についても、これまた板倉東洋大駅前に広大な住宅地をつくっておられます。失礼ながら、しかしその現状については、ご案内のような状況でありますから、経済状況等も考慮すれば、東武鉄道さんが再びこの地において、そうした計画をみずから実行していくという可能性は極めて低いだろうなと思わざるを得ません。
したがいまして、これからはやはり地元行政あるいは他の企業などの協力をいただかないと、なかなか厳しいだろうというふうに思っております。その点からも、東武鉄道さんにはご協力をいただくということは、ぜひともこれから求めていかなければならないところだろうなというふうに思っております。ちなみに、東武鉄道様が持っておられたこの地の一部が今は東武藤が丘カントリーになっているわけですね。ゴルフ場へと一部は変えておられたりしているわけでございます。そうした地域であることのご理解と、そしてそれには何度も申し上げますが、東武鉄道の協力なくしては、いずれにしてもなし得ないであろう計画になることは間違いのない事実でございます。東武鉄道とのよりよき関係を構築していく中で、そうしたことへのご理解とご支持、ご支援をいただけるようなことを目指していかないといけないだろうというふうに思っております。
P.150
○議長(関口孫一郎君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.150
◆4番(針谷育造君) ありがとうございました。
P.150
○副議長(海老原恵子君) 一般質問を続けます。
針谷育造議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.150
◆4番(針谷育造君) それでは、栃木市総合計画等への岩舟地域の位置づけについての最後の質問でございますけれども、トナンプラン等の経過と現状について、先ほど回答をいただいたというふうに理解をしておりますので、今後精いっぱいの努力と、そして全市的な合意を得ながらやっていただくことをお願いをしたいというふうに思っておりますので、この質問については割愛をさせていただきたいと思います。
最後に、要望ということで、栃木市総合計画に岩舟・藤岡大規模開発計画を含め、地域協議会、地元地権者の皆さんの意見を反映させ、16万4,000人の栃木市民の将来のためにも、揺るぎない計画を策定することを要望したいと思います。悲願50年の課題に明るい兆しが見えてきたと私は感じました。きのうの市長の答弁ではございませんけれども、死に物狂いで頑張るとは私は言いません。政治生命をかけて、ともに汗をかく覚悟でございますので、確実な歩みの一歩をお願いをしたいというふうに思います。
それでは、2番の小野寺北小学校校舎の保存と活用についてに質問を移らせていただきたいと思います。小野寺北小学校の保存について、栃木市の考え方を伺いたいと思います。最初に、小野寺北小旧校舎の沿革と保存運動の経過について申し上げ、議員各位の皆様にもご理解をぜひいただきたいというふうに思います。小野寺北小旧校舎の場所は、県道栃木佐野藤岡線の西側に隣接し、村檜神社、大慈寺の南約1キロ、小野寺地区の上耕地というところにございます。その歴史は古く、明治6年、大慈寺を仮校舎として開校、明治27年、ちょうど日清戦争の時代でありましたけれども、ここに旧校舎が建てられ、明治33年には南校舎を増築、明治41年には玄関と2階建ての校舎がつくられ、現存するのは明治27年と明治41年の校舎でございます。平成元年、新校舎の完成により、学童保育、地域の研修所、高齢者のふれあい館として地域に開放して現在までやってまいりました。この旧校舎は、県内では現存するものでは最も古いものでございます。120年の時を超え、6,000人の卒業生を送り出しました。
次に、保存運動の経過を若干述べたいと思います。平成21年、この周辺の山側が土砂災害特別警戒区域等に指定されました。当時の町長は、建物の老朽化等を理由に、平成24年12月議会で解体を明言し、平成25年度予算に新研修所の新築予算、同時に旧校舎の解体費を計上しました。旧小野寺北小校舎を保存する会は、このときに結成され、運動を始めました。旧校舎の学区内の90%を超える867人の署名をつけて陳情し、その活動状況が新聞各紙で報道されました。しかし、町は文化財的価値がないと解体の方針を変えませんでした。何度かの交渉を重ねましたが、意見は食い違い、そのまま経過が過ぎました。この新聞報道を見た宇都宮大学、梶原教育学部教授が現地を調査したことから、多くの専門家が強い関心を示しました。平成25年の10月3日には、東京芸術大学大学院教授、上野勝久氏、これは栃木県文化財保護審議委員会、この先生が足利の鑁阿寺を国宝にしたときのリーダーでございました。その先生が現地を調査し、文化財的価値を認め、メモという形で町長に提出されました。さらに、10月30日、小山高専の苅谷勇雅校長が、永峰助教と学生50人で現地調査を実施し、このような立派な報告書をつくっていただきました。さらに、小山高専苅谷校長は、12月8日、栃木市文化大使にもなっておりますけれども、講演会を開き、歴史的建造物を生かすことの重要性を、そして必要性を保存する会の皆さんは学んだと思っております。さらに、年が明けた平成26年の2月2日、東京芸術大学大学院教授の上野勝久氏の講演会を実施し、今やらねばいつやるの、今でしょうと保存する会のメンバーは、文化財的価値を再確認し、運動への成功をこのとき確信しました。私はそのように思っております。その後、小山高専名誉教授の河東義之氏、栃木県文化財保護審議委員並びに栃木市の文化大使を兼ねております。の現地調査と文化財的価値についての意見をいただき、このような中で、ついに町も解体しないことを決断いたしました。この間、全国の建築士会、文化財専門家から保存要望等が町に多数寄せられ、その結果、解体しないで栃木市に対応を委ねるということになりました。
そこで、この旧校舎保存の栃木市としての考え方を伺いたいと思います。
P.151
◎市長(鈴木俊美君) 旧校舎保存の考え方についてでありますが、4月、岩舟町の栃木市への合併に伴いまして、小野寺北小学校の旧校舎も当然ながら栃木市の所有と現在ではなったわけであります。旧小野寺北小校舎を保存する会の皆様からは、文化財の価値判断といたしまして、建築がご専門の先生方が調査した資料を提供いただきました。先ほど議員もお示しになったようなものであります。また、一方では、建物が土砂災害特別警戒区域に位置しており、利用者の安全確保の面からは、使用を控えなければならない状況であることも事実であります。引き継ぎました栃木市としては、まず改めて市として建築関係の専門家等に依頼をして調査を実施していくことから始まっていきたいと考えております。何分旧岩舟町からは、栃木市に対応を委ねるということになっておりますので、委ねられた栃木市としては、改めて栃木市としての認識を持つことから始めていかないといけないというふうに思っております。
具体的には、専門家による第三者的な調査を実施をし、建物の調査だけではなくて、その重要性や具体的な保存の方向性なども検証、検討していただくことになろうかと思います。その後において、その調査の結果報告等に基づきまして、残すべきかどうなのか、残す場合はその残し方はどうすべきなのか。つまり、現場に今のままで残していくのか。ただ、その場合は何度も申し上げますが、土砂災害の警戒区域ということもありますので、それらとの整合性をどう図っていくのか、あるいは財政的な負担は市にとってどのくらいになっていく可能性があるのか等々、栃木市の例といたしましては、旧栃木駅舎を、その部材などを残して、従来の駅と異なる場所に部材を利用して復元をし、現在に至っているという例もありますので、そういうふうな可能性なども含めて、要はもう一度全ての問題を検証するための調査をしていきたいということでございますので、少し時間をいただいて、今のような調査から実施していくことを始めたいというふうに考えております。
P.152
○副議長(海老原恵子君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.152
◆4番(針谷育造君) 全てはその調査にかかっていると思いますし、私は非常に文化財的価値が高いということは、専門家も申しておりますので、その調査に委ねるということで、私も了解をしたいというふうに思います。それらのこととは若干異なりますけれども、次の質問に移らせていただきたいと思います。
栃木県の文化財指定をお願いしたい、このことでございます。文化財価値については、建造物が専門の東京芸大の上野勝久氏は、県内で確認された明治期の小学校は、佐野市にあります三好小学校旧校舎、小野寺北小旧校舎、那珂川町にあります小口小学校旧校舎、これは希少な明治期の木造校舎として歴史的価値があり、この3校を栃木県文化財指定も考えてもよい、このような評価をしていただいております。ちなみに、建造物専門の河東義之小山高専名誉教授、同じく建造物で、那須烏山市にお住まいの文化財保護審議委員の斎藤弘江氏も同様の意見でございまして、県の文化財保護審議委員の中の4人の建造物の先生がいらっしゃいますけれども、そのうちの3名の方はこのようなことで意見は一致している、このようなことも心強いお話をされておりますので、ぜひともその専門家の皆さんにもぜひ入っていただきながら調査をしていただきたい。そして、あわよくば、私はなると思いますけれども、県の文化財としての指定をお願いしたいことをここでお願いをしたいと思います。
P.152
◎教育副部長(小林敏恭君) ご質問の栃木県指定の文化財登録についてお答えを申し上げます。
栃木県の指定文化財となる場合、所有者からの申請に基づき、県も調査を行い、その後、県の文化財保護審議会の審議と答申を経た上で、栃木県教育委員会が指定を判断いたします。指定された建物は、復元修理を基本として保存し、内部も復元し、保存することが原則になってまいります。県指定文化財の修理には、県の補助金が交付されることとなりますが、建物の利活用は限られたものとなります。一方、国の登録有形文化財という登録制度がございます。ご質問の県指定文化財に比べると、建物の外観の保存をメーンとする制度であり、外部についてもその4分の1が変更可能であり、内部については改装が自由で幅広い利活用が可能なものとなっています。ただし、文化財としての修理に対する補助金の制度はないことから、景観などの補助制度の活用の検討が必要となってきます。
小野寺北小学校旧校舎の文化財としての指定や登録についてでありますが、先ほど市長が答弁いたしましたとおり、少し時間をいただき、市の考え方がまとまった時点で、今後の利活用や建物の文化財としての価値を踏まえて、市や県の指定文化財がよいのか、国の登録有形文化財がよいのかは、適宜判断してまいりたいと考えております。
以上でございます。
P.152
○副議長(海老原恵子君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.152
◆4番(針谷育造君) 大変適切な答弁いただいたというふうに思っております。
3番の明治の小野寺北小校舎、これは私とすれば、地域の人もそうでありますけれども、活用して初めて生きるというふうに考えております。調査の結果がどうなるかわかりませんけれども、今のお答えの中では、解体するという話は出なかったものですから、次に移らせていただきながら、(仮称)歴史と文化の道ということで、観光、地域活性化の目玉になるのではないか、そんなところで意見を申し上げたいと思います。
ご承知のように、この地域は、慈覚大師円仁を生んだ地でございます。慈覚大師円仁は、794年、「鳴くよウグイス平安京」と覚えましたけれども、平安初期に下野の都賀郡で生まれたとされています。私は岩舟、つまりこの栃木市で生まれたことは、歴史的にも文献的にも確認できると考えております。9歳から15歳まで大慈寺で修行し、その後比叡山に登り、最澄の弟子になりました。42歳のとき、最後の遣唐使として唐に渡り、10年に及ぶ困難な旅を続け、その時代の国際情勢、政治経済、宗教、文化、風俗、人々の暮らしを自分の目と足で、旅をしながら書き続けた日記がございます。現在は国宝に指定されておりますけれども、「入唐求法巡礼行記」、膨大な、文庫本でしか私は読みませんでしたけれども、大変な10年間の唐の時代の生活や今言ったことが、元駐日大使のライシャワー博士により翻訳され、世界に発信をされました。ご承知のように、世界三大紀行文、マルコ・ポーロの「東方見聞録」、玄奘三蔵の「大唐西域記」の三大紀行文の一つとして紹介をされました。帰国後は、比叡山の3代座主となり、天台宗の中興の祖とも言われておる円仁でございます。また、大慈寺に隣接して村檜神社がございます。三間社春日づくりの社殿は、国の重要文化財に指定されております。また、全国に住んでいる小野寺氏を名乗っている人たちの発祥の地としても、小野寺は有名でございます。その小野寺氏の菩提寺の住林寺には、県指定文化財の平安期の阿弥陀如来座像が指定をされております。このように小野寺は歴史の宝庫でもあります。
このような地域の中で、小野寺地区を、小野寺地区に限らなくても構いませんけれども、歴史と文化の道としての観光地域活性化の方策を私はお願いしたい、そのように考えておるものですから、お考えを伺いたいと思います。
P.153
◎産業振興部長(早乙女洋君) ご質問の小野寺地区の歴史、文化の道として、観光活性化についてお答えを申し上げます。
議員ご指摘のとおり、岩舟地域小野寺地区につきましては、慈覚大師円仁が修行をしたと言われる大慈寺を初め、国指定重要文化財に指定されている村檜神社など、歴史、文化的観光資源が集積している地区でありまして、合併前の岩舟町におきましても、これらの資源を活用した観光振興を図るための施策を進めてきたところであります。このような中、市では旧岩舟町を含めた新しい栃木市全体のさらなる観光振興を図るため、本年3月に栃木市観光基本計画を策定したところであります。この計画の中では、岩舟地域における具体的な施策の一つとして、小野寺地区を中心に慈覚大師円仁を初めとする地域の歴史、文化を伝え、観光情報を発信していくことを掲げております。このほか、この計画では、周遊観光モデルルートづくりを今後3年以内に優先的に着手するスタートアップ事業と位置づけておりまして、各地域が有する観光資源の特徴を物語としてつなぎ、周遊観光モデルルートとして設定してまいりたいと考えております。小野寺地区が有する歴史、文化的観光資源もこの重要な素材の一つと考えられますので、観光による地域活性化の取り組みとして、周遊観光モデルルートに組み込んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
P.153
○副議長(海老原恵子君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.153
◆4番(針谷育造君) ご答弁ありがとうございました。周遊観光ということで、実は夕べ私のところにファクスが入ってきまして、地域協議会の委員の中から、ふれあいバスを使いながらこのことをぜひ地域の発信網、そして地域との、あるいはその地域外の人たちとの交流の場としてのふれあいのバスをぜひ利用したらどうだろうという提案を、夕べ協議会があったようでありますけれども、メールで私のところにいただいていることも申し伝えておきたいと思います。
最後の、非常に現実的な問題でありまして、早急にお願いしたい。4番の雨漏り等の修繕を早急にお願いしたい。保存するには調査が必要だ。しかし、現在の建物には雨漏り等修繕が早急にしなければならない必要性がございます。特に玄関等々、校舎の間の谷間、谷の部分であります。さらに、教室の雨漏り数点、校舎西側の堀ざらいと排水、校舎南側の雨水排水、雨どいの設置等、早急にお願いをしたい。また、地元には保存する会や地元老人会の皆さんが既に敷地の管理等に積極的に協力を申し出ており、除草や草刈り、清掃等も既に実施をしております。そのためにも、早急な修繕をお願いしたいと思いますので、ご回答をお願いしたいと思います。
P.154
◎岩舟総合支所長(大島純一君) ご質問の雨漏り等の修繕についてお答えを申し上げます。
小野寺北小旧校舎につきましては、これまで学童保育館、高齢者福祉施設、小野寺ふれあい館や地域公民館として利用をしてまいりました。しかし、土砂災害特別警戒区域内に位置し、老朽化も進み、利用者の安心、安全を確保するために、代替施設として近隣に小野寺地区公民館が整備されたことによりまして、現在は閉鎖をしている状況でございます。雨漏り等の修繕につきましては、雨漏り等の状況を早急に調査し、小規模な修繕等は早急に対応させていただき、大規模な修繕等が必要な場合は、先ほどの市長答弁で旧校舎保存の考え方についてお答えしましたとおり、市としての方向性が決まり次第、対応していきたいと考えております。
P.154
○副議長(海老原恵子君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.154
◆4番(針谷育造君) とにかく雨漏り等、家屋そのもの、校舎そのものが壊れるようなことのないようなことを早急に実施することをお願いしたいと思います。
それでは、次の質問に移らせていただきます。岩舟地域の獣害対策についてであります。まず最初に、岩舟地域と栃木市の実態について伺います。岩舟地域の実情を述べたいと思います。ご承知のように、岩舟の地域は、小野寺、岩舟、静和の旧村に分かれ、主に山間地帯の小野寺地区に被害が集中しています。主な被害は、稲、野菜等の農作物だけでなく、水田の掘り起こしを初め、畦畔、畑の土手等、被害は甚大であります。農地は、メッシュ状の金網で囲われ、電気牧柵等で囲われ、その費用は1戸当たり20万円を下らない、そのように申しておりました。何よりつらいのは、丹精込めた作物の無残な姿を見ることであります。近い将来は、イノシシの数が上回り、イノシシにじゅうりんされる様子が目に浮かび、人間がおりの中で生活する、そんな逆転が起きるのではないかと地元では大変嘆いております。岩舟地域と栃木市の実態についてお伺いしたいと思います。
P.154
◎産業振興部長(早乙女洋君) ご質問の岩舟地域の獣害対策についてお答えを申し上げます。
岩舟地域と栃木市の実態についてでありますが、市内でのイノシシ、ニホンジカ、ニホンザルなどによる農作物被害につきましては、猟友会の駆除従事者の方から四半期ごとに提出される報告書や農業共済組合で把握されている被害状況等についても確認いたしまして、それらのデータと地元からの情報を加え、被害を把握しているところであります。平成25年度の具体的な被害につきましては、岩舟地域では、ただいま議員がおっしゃられたように水稲の被害が多く、特にイノシシの被害が拡大しておりまして、ニホンジカ、ハクビシンの被害も増加しており、面積では約2ヘクタールの被害となっております。
次に、栃木地域や都賀地域、西方地域では、水稲や芋類などの被害があり、面積は約26ヘクタールで、前年度に比べまして19ヘクタール急増しており、そのほとんどがイノシシの被害となっております。
また、捕獲頭数につきましては、岩舟地域分で、イノシシが162頭で前年度比81頭の増、ニホンジカにつきましては9頭でございまして、前年度の捕獲はありませんでした。岩舟地域以外の栃木市分につきましては、イノシシが504頭で前年度比81頭の増、ニホンジカが105頭で51頭の増、ニホンザルにつきましては、捕獲はありませんでした。全体を通してイノシシの捕獲が大幅に増えている状況であります。
次に、有害鳥獣対策としまして、岩舟地域では捕獲用の箱わなを設置し、地元猟友会へ駆除の業務委託を行ってきております。合併前の栃木市では、個体数を減らすための捕獲駆除のほか、荒廃した里山の手入れによる生息地域の環境の整備、それから被害農地を守るための侵入防止柵設置による被害防除の3つの対策を基本として実施してきているところであります。
以上でございます。
P.155
○副議長(海老原恵子君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.155
◆4番(針谷育造君) ありがとうございました。
それでは、次に移らせていただきたいと思います。鳥獣保護法改正案等をどのように考えておるのかを伺いたいと思います。佐野市葛生地区の例を若干申し上げたいと思います。山からイノシシが出られないように周囲を金網で囲っています。金網は市が負担し、住民の手で設置しているようでございます。小野寺地区とは違い、農地の囲いはありませんでした。イノシシの行動は制限されているようですが、金網の設置できないところから時々出没するようですが、大きな被害はない、このように申しておりました。新聞報道によれば、2011年度現在、全国で鹿が323万頭、イノシシも88万頭に上ると推定され、農産物被害は200億円を超え、そのためにはこれらの数を管理せざるを得ないのが現実だと新聞は報道しております。そこで、2008年から市町村が中心に、銃やわなを使った集中的な捕獲や侵入防止柵が中心だったが、被害を減らすまでには至らなかった。そこで、国は2013年12月、鹿、イノシシ等の生息数を10年後までに半減するとした目標を設定し、鳥獣保護法改正案も国会で審議されているようであります。現在のところ、これは可決をして法案ができたようでございますけれども、保護するだけでなく、鳥獣の生息数を適正な水準まで減少させる管理の政策も導入するという大改正のようでございます。対策の柱は、市町村の境界を超えた広域的な捕獲事業を集中的に実施するとした。実施主体は猟友会、自然保護を行うNPO法人、警備会社等と書かれおりました。被害防止には、捕獲以外にも柵の設置や見回り等も述べられておるようでございます。さらに、補助金は、自治体実情に応じた頭数管理が進められるように一括して任せる等も必要であると提案されております。この改正案をどのように考えるのか、お伺いしたいと思います。
P.155
◎産業振興部長(早乙女洋君) ご質問の鳥獣保護法改正案についてお答えを申し上げます。
まず、今回の鳥獣保護法改正は、農作物に深刻な被害を与えている鹿やイノシシなど、有害鳥獣を捕獲することにより、鳥獣の数を適正な水準に減少させ、生息地を適正な範囲に縮小させるために必要な措置を講じることとされ、従来の保護政策から管理へと大きく方針を転換するものであります。ただいま議員がご紹介いただいたとおりでございます。具体的な施策といたしましては、国や都道府県が鳥獣の管理に関する計画を定め、鹿やイノシシなど、その数が著しく増加し、またはその生息地が拡大している鳥獣の捕獲事業を直接実施できるようになります。また、一定の技能を持ち、適切な安全管理ができる捕獲の専門業者、例えば株式会社などもこれに含まれるというようなことでございますけれども、それを都道府県知事が認定する制度も創設され、その認定事業者は自治体の委託を受けて捕獲事業を実施することができることになります。さらに、法改正とともに、国の鳥獣捕獲目標として、10年後までに鹿、イノシシの数を現在の半分に減少させることが示されました。このように、今回の法改正によりまして、国、県が直接有害鳥獣の捕獲を行うことができることになりますので、現在市町村で行っている事業と相まって大きな効果を上げるものと期待をしているところでございます。
以上でございます。
P.156
○副議長(海老原恵子君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.156
◆4番(針谷育造君) ありがとうございました。頭数管理の方法ということで、国、県が有効な、そして政策あるいは責任を持ってやっいてくということでございまして、まさに今そのことを実施していただきたい。そして、地域の方々も協力しながら頭数管理に邁進していって、農作物等が被害に遭わない農村や山村をつくっていただきたいというふうに思っております。
最後に、非常に難問でありますけれども、法改正を踏まえた抜本的な今後のイノシシ対策、今のお話で大分イメージはわかりますけれども、具体的にどのような状況になるのか、もしわかっておりましたらご回答をお願いしたい。以上です。
P.156
◎産業振興部長(早乙女洋君) ご質問の抜本的な今後のイノシシ対策についてお答えを申し上げます。
現在岩舟地域では、猟友会2団体により、有害鳥獣の捕獲を実施しておりまして、捕獲要の箱わなをイノシシ用に24カ所、鹿用に2カ所設置しております。また、岩舟地域以外の栃木市におきましても、先ほど述べましたように、捕獲、駆除、これはわなを合計で87基設置しておりますが、とあわせまして、生息地域環境の整備、それから侵入防止柵の設置等によりまして対策を講じてきているところであります。しかしながら、イノシシなどの有害鳥獣による農作物被害は増加傾向で、なおかつ広域化しており、抜本的な対策とはなっていないものと考えております。抜本的な対策といたしましては、先ほど議員からの質問にありました鳥獣保護法の改正による個体数調整が最も効果的ではないかと考えるところであります。この改正法が施行されますと、国や県の新たな施策である捕獲事業者の認定制度や、わな猟の免許取得年齢の引き下げなどによる捕獲従事者の育成、確保が期待できますことから、市といたしましても、国や県、猟友会などと連携をしながら対策を強化してまいりたいと考えております。
以上でございます。
P.156
○副議長(海老原恵子君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.156
◆4番(針谷育造君) それでは、再質問というか、希望も含めて再質問したいと思います。
確かに先ほど言いましたように、この対策のために農家1戸当たり20万円前後のお金を使いながらやっているということになりまして、新しい法改正ができた後に農家の負担、個人負担というのはどのようになるのか、その辺のことがわかりましたら、あるいは今年度の栃木市の予算事業等がありましたら、お伺いをさせていただきたいと思いますので、ご答弁をお願いします。
P.156
◎産業振興部長(早乙女洋君) ただいまの再質問にお答え申し上げます。
農家の負担ということでございますけれども、現在行っている制度につきましては、市の制度であります獣害対策設備設置費補助金というものがございます。これにつきましては、イノシシの被害防止柵設置の場合は2分の1の補助ということでございまして、ただし上限が5万円というようなことでやらせていただいております。また、これとは別に国の制度で鳥獣被害防止総合対策事業費補助金というものがございます。これにつきましては、野生獣侵入防止柵を設置するというものでありまして、国の補助金、これが10分の10の補助でございますけれども、これにつきましては資材費のみの補助となりますので、施行については地元の方々にお願いするということになるものでございます。
以上でございます。
P.157
○副議長(海老原恵子君) 針谷議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.157
◆4番(針谷育造君) 確かに農家負担というものは莫大になってきておりますので、ぜひこれらの制度を使いながら、そして地域の皆さんと市役所の担当者あるいはその関係者の皆さんで、よりよい対策を最後にお願いをし、私の一般質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
◇ 広 瀬 昌 子 君
平成26年 9月定例会(第4回) - 09月03日-03号
P.83
○議長(関口孫一郎君) 一般質問を続けます。
4番、針谷育造議員。
〔4番 針谷育造君登壇〕
P.83
◆4番(針谷育造君) 栃木新風会、針谷育造、通告に従い一般質問をいたします。1番、非核平和都市宣言について、2番、県内への指定廃棄物の最終処分場について、3番、下野新聞の集団的自衛権アンケートについて、4番、地方教育行政法の改正について、4点を伺いたいと思います。
私は今回の質問に当たり、大人の責任とは何かについて考えました。将来の子供や孫たちのために今私たちがやらなければならないことは、平和な社会を残し、子供たちに引き継ぐことであると思います。この議場にいる皆さんはそれぞれ親であり、お父さん、お母さんであり、おじいさん、おばあさんの方もいると思います。普通のこととして、当たり前のこととして平和についての質問をただいまより始めたいと思います。
1つ、非核平和都市宣言について。私は1945年、昭和20年の終戦のときに生まれ、69年間戦争のない時代を生きてきました。国民への平和への強い意思と戦争は二度とするべきではないとの理念で大人たちが憲法9条を守ってきた結果であると思います。平成24年3月1日、本市は Permalink | 記事への反応(1) | 00:26
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各種プラント・施設に関するコンサルテーションなどを手掛ける日揮株式会社(神奈川県横浜市)は、中期経営計画で掲げるインフラ分野でのEPC(設計・機材調達・建設工事)事業の強化・拡大施策の一環として、医薬分野における海外プロジェクト受注を目指した活動を積極的に展開している。
この中で、ベトナムにおいては医薬品工場建設プロジェクトの受注体制強化を目的として、同社現地法人JGCベトナム社が4月にホーチミン市に営業事務所を開設する予定。今後は同事務所を拠点に、JGCベトナム社と連携し、現地に進出する日系製薬会社や欧米外資製薬会社、ベトナム製薬会社に対する営業活動を推し進め、2017年度中にベトナムでのプロジェクトの受注を目指す。
更に、今後医薬分野の市場規模拡大が見込まれるカンボジア、ラオス、ミャンマーなどの近隣諸国についても、ベトナムの営業事務所を拠点として、同社横浜本社やJGCベトナム社、ASEAN諸国の日揮グループ各社(JGCシンガポール社、JGCマレーシア社、JGCフィリピン社、JGCインドネシア社)で連携し、顧客開拓および案件発掘を進めていく。
今、大企業や銀行などでベンチャーキャピタル(VC)が続々と設立されており、ベンチャーやスタートアップへのリスクマネーの供給は加熱してきているように思われる。
※ベンチャーキャピタルとは何か、はこちらを参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%94%E3%82%BF%E3%83%AB
しかし、結論から言うと大半のVC(CVCや銀行系VC)の実態は「リスクマネー供給という名の、頭でっかちなサラリーマンが悪趣味的に行っている投資活動である」ことを断言しよう。
その理由を詳細にわけて説明していこう。ちなみに筆者は、VCから資金調達を実際にしている一スタートアップの起業家であることを注記しておく。従って、客観的に論じているつもりであっても、これはあくまで起業家から見た目線に過ぎないことにご留意いただきたい。
1つは、自社でやれることに限界を感じていること。
一言で言うと、ほとんどの大企業の新規事業は失敗する。あれだけ、ヒト、モノ、カネが揃っている大企業であっても、特にIT業界であるとベンチャーやスタートアップのスピード感に(大企業の仕組み上)勝てないからである。
もちろん、DMM.comのような大企業であっても新規事業を片っ端からどんどん仕掛けて、成功、失敗を繰り返す会社もある。
しかし、そのように自社内のリソースを使ってPDCAを高速に回して成功、失敗を繰り返すことはほとんどの大企業の仕組み上(稟議等)難しい上、上場企業であればIRというガバナンスの問題からも自社内で積極的に動いてリスクを取ることが難しいからだ。だから、自社内でそれができるDMM.comのような会社は、そもそもベンチャー投資など滅多にしない。ベンチャーやスタートアップに投資などしなくても、自社内で同じことができるからである。
だから、大企業はそれをVCという形でベンチャー投資をすることにより、なるべくリスクを抑えた上でイノベーションを起こさせ、シナジーという名の”囲い込み”を行うのである。
もう1つは、「ベンチャーキャピタル」というワード自体がバズワードであること。
これは、例えば中期経営計画等を発表している会社の資料を見るとよくあることであるが、会社として更に大きくしていくためには当然ながら何かしらに投資をする必要があるわけで、その中で最もわかりやすいのがベンチャー投資をすることによりシナジーを高めていく、というストーリ自体が今トレンドなのである。故に、中経を発表している企業には、よくアクセンチュアやボスコンといったコンサル会社から「ベンチャーキャピタルモデルで展開しましょう!」とコンサルティングを受け、ベンチャー投資に右も左もわからない状態でとりあえずVCを作ったりするわけである。
他にもいくつか理由はあるが、こういったところから大企業VC、銀行系VCがどんどんできていくわけである。
こういう理由で作られたVCというのは、だいたい子会社としてVC運用会社を設立、自社のお金で運用して投資活動を行っていくわけであるが、そもそもVCとして本気でベンチャー投資をしていくつもりがないのは、上記のような理由を見ると明白であるだろう。自社でこれ以上事業に投資して大きなリターンを狙うことができない状況だからこそ、ベンチャー投資というブラックボックスに外見上依存するしかないのである。
故に、とりあえずVCとして活動しておけば、それで一旦OKで目的の大半は達成されるのである。
独立系のVCというのは、ベンチャーキャピタルという業種で「起業」しているのである。例えば、IVPやインキュベイトファンド、East Ventures、ANRI、等といったVCは、全て「ベンチャーキャピタル業を行っていく」という目的の元、有志たちが事業として立ち上げて、人様からお金を預かって運用しているので、彼ら自身がベンチャーキャピタル業でスタートアップしている、一種の起業家でもあるわけである。
故にベンチャーキャピタル業として行っていく熱量は、大企業や銀行のVCにおけるそれとはかなり違うことが明白だろう。なぜ独立系VCの熱量は半端ないかというと、理由は簡単で、VCとして結果を出せないと、会社の売上や自分たちの成果にダイレクトに響いてしまうからである。従って、彼らが掛ける熱量というのは、スタートアップの起業家のそれと同等もしくはそれ以上くらい、本気なのである。
しかし、大企業系のVCや銀行系のVCはどうだろう。サラリーマンであるが故に、目先の自分の評価ばかりを気にしているので、大きなリスクなんて取れないし、ベンチャーキャピタル業自体が最悪失敗しても、「残念でしたね」となって親会社や本体に戻れるので、大きなリスクなんて尚更取る必要もないのである。だから、わざわざ大きなリスクを取ってまで投資する意義なんてそもそもないし、自分たちで目利きもできないので他社が出しているところに相乗りだけで出すVCがほとんどなのである。
はっきり言って、リードとしてリスクも張らず、相乗りでしか出さないようなVCは、リスクマネーじゃないのでさっさと滅びたほうがいい。起業家にとっては、話す時間ですら無駄になることも多いし、余計に疲弊してしまうのである。
ベンチャーキャピタル業を始めます!と言った際、言ったものはいいものの、誰が査定してバリエーションやその他諸条件と言ったタームシートを決めるのか、という問題が今度は発生する。普通なら、ベンチャーキャピタリストとして経験したことのある人材を採用したいところであるが、ベンチャーキャピタリスト自体がそもそもまだ少ないので、引き抜きをしてまで採用するのは難しい。従って、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーといった投資銀行でM&Aやらを経験したことのある人材を引き抜いて来て、彼らをベンチャーキャピタリストとして即戦力になってもらうわけである。
当然、知識的な面では彼らのスキルはベンチャー投資のそれに十分資するものであろう。未上場株のバリエーションの査定も、難なくこなすことができる。しかし、彼らのようなエリートくん達が査定する際に最も問題となるのが、「彼らは会社の現在価値を査定することはできても、未来に対しての価値は査定できない」ことである。理由は明白で、彼らはエクセル上ではじき出される数字のみを信用し、事業自体の実態や事業を行う起業家や経営陣という人の部分では成長性を判断しないのである。それはある意味、前職の職業柄エクセル上の数字(結果、ファクト)のみで査定すること自体は正しいことでもあるが、ベンチャー投資はエクセル上の世界とはまったく別物なわけであって、浪花節的に起業家を信じて投資しないと、ベンチャー投資なぞ絶対できるはずもない。エクセル上の数字のみで信用できる会社は、それはもうベンチャーやスタートアップでもない、ただの中小企業である。ベンチャーやスタートアップはまだ華が開いていない状態からこそ、水をやって信じ続けて、華が開くのを待つのが投資家の役目なのではないだろうか。
故に、優良はベンチャーやスタートアップに投資が至らないケースも多々あるし、投資したベンチャーやスタートアップがうまくいかないことも多い。
これが、私が「リスクマネー供給という名の、頭でっかちなサラリーマンが悪趣味的に行っている投資活動である」と断言する理由である。もちろん、全ての大企業CVCや銀行系VCがこれだとは限らないが、ほとんど大半のVCがこういう現状である。
これでは、日本からは残念ながらアメリカのような新しいイノベーションはより起きづらくなるだろう。リスクマネーという名の、悪趣味な投資であるのだから。
生半可な気持ちでVCなんて始めるくらいであれば、最初から無い方がましである。頭でっかりなサラリーマンが悪趣味的に行う投資活動は、今すぐやめたほうがいい。
大塚家具の騒動が他人事ながら面白い。ワンマンあるある話が頻発。
現社長は元フロンティアマネジメントという事で、開示されている中期経営計画も非常に分かり易い構成である。簡単な財務分析と今後の展望をお気楽に整理してみる。(関係者ではありませんし、間違ってても知りません)
まずPLから。2008/12期からの売上の推移は下記の通り。
(unit:Myen) | 08/12期 | 09/12期 | 10/12期 | 11/12期 | 12/12期 | 13/12期 | 14/12期 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
売上 | 66,804 | 57,925 | 56,912 | 54,367 | 54,520 | 56,231 | 55,502 |
成長率 | ▲ 13.3% | ▲ 1.7% | ▲ 4.5% | 0.3% | 3.1% | ▲ 1.3% |
社長交代したのは09年3月。08年6月にリーマンブラザーズが破綻してから9カ月後だ。
家具は嗜好品だから、景気の変動影響を受けやすい。その為、リーマン前を契機に減収の一途である。
12/12期から前年トントンになり、13/12期に前年越え。14/12期は前年比マイナスであるが、上期は堅調だったと思われる。この二年間は消費税増税の駆込み、反動があるはず。
コストを見てみる。
(unit:Myen) | 08/12期 | 09/12期 | 10/12期 | 11/12期 | 12/12期 | 13/12期 | 14/12期 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
売上原価 | 31,574 | 27,319 | 25,847 | 23,815 | 23,671 | 25,161 | 24,903 |
売上総利益率 | 52.7% | 52.8% | 54.6% | 56.2% | 56.6% | 55.3% | 55.1% |
販管費 | 33,961 | 32,058 | 31,197 | 29,401 | 29,665 | 30,226 | 31,001 |
うち人件費 | 10,641 | 10,514 | 10,243 | 10,150 | 10,403 | 10,686 | 10,909 |
うち賃料 | 12,229 | 11,968 | 11,743 | 10,735 | 10,492 | 10,175 | |
うち販促費 | 5,021 | 3,890 | 3,524 | 3,036 | 3,138 | 3,417 | 3,834 |
うち運送料 | 1,846 | 1,616 | 1,636 | 1,537 | 1,478 | 1,521 | 1,550 |
その他 | 4,224 | 4,070 | 4,051 | 3,943 | 4,154 | 4,427 |
売上総利益率は09/12期を境に改善に向かう。減収しているのに増益しているので工場部門に関して相応の合理化を実施したものと思われる。また、為替の上昇に伴い、輸入品価格が上昇しているものと思われ、13/12期より売上総利益率が減少している。
販管費も順調にコスト削減が進んでいる。11/12期より賃料が低減するのは不採算店舗の閉鎖の為。その一方で人件費は下がっておらず、店舗閉鎖→整理解雇という流れにはなっていない模様。この前の開示にもあった通り、14/12期下期の社長交代により、販促費が増加の傾向にある。去年と同水準の販促費投入すると仮定すると、半期で増加額は4億円。月にすると約70百万円となる。全国ネットのCMだと2~3本、チラシだと700~800万枚相当である。
非常にありがちなのであるが、増税後の反動影響を受けて販促費を増やしてしまったが、砂漠に水を撒くがごとく反応が芳しくないというところであろう。
(unit:Myen) | 08/12期 | 09/12期 | 10/12期 | 11/12期 | 12/12期 | 13/12期 | 14/12期 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
営業利益 | 1,270 | ▲ 1,452 | ▲ 133 | 1,151 | 1,184 | 844 | ▲ 402 |
営業利益率 | 1.9% | ▲ 2.5% | ▲ 0.2% | 2.1% | 2.2% | 1.5% | ▲ 0.7% |
経常利益 | 1,457 | ▲ 1,337 | 39 | 1,304 | 1,318 | 1,004 | ▲ 242 |
経常利益率 | 2.2% | ▲ 2.3% | 0.1% | 2.4% | 2.4% | 1.8% | ▲ 0.4% |
特別利益 | 173 | 14 | 59 | 9 | 17 | 517 | 2,150 |
特別損失 | 968 | 933 | 266 | 915 | 100 | 49 | 955 |
当期利益 | ▲ 530 | ▲ 1,491 | ▲ 256 | 204 | 640 | 856 | 473 |
当期利益率 | ▲ 0.8% | ▲ 2.6% | ▲ 0.4% | 0.4% | 1.2% | 1.5% | 0.9% |
国内で生産しているはずなので、為替差損益も特段無く、最終利益と営業利益がほぼ連動している。
・09/12期は腐った商品の低下法4億(輸入品の導入と関連か)、店の備品1億、投資有価証券評価損が3億
・11/12期は東日本大震災による災害損失3億、資産除去債務の計上による影響が4億
なお、14/12期は21億の株式の売却を実施しているが、これがなかった場合の赤字額は考えるだけでも恐ろしい。増税後の反動影響が非常に大きかったものと思われる。
次にBS。
(unit:Myen) | 08/12期 | 09/12期 | 10/12期 | 11/12期 | 12/12期 | 13/12期 | 14/12期 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
流動資産 | 28,765 | 25,355 | 23,867 | 25,393 | 25,335 | 26,595 | 30,312 |
現預金 | 9,357 | 7,113 | 6,271 | 7,124 | 7,321 | 7,431 | 11,520 |
売掛金 | 2,332 | 2,257 | 2,840 | 3,511 | 2,956 | 3,242 | 2,486 |
対売上高回転月数 | 0.42 | 0.47 | 0.60 | 0.77 | 0.65 | 0.69 | 0.54 |
棚卸資産 | 15,447 | 14,673 | 13,253 | 13,045 | 13,571 | 14,802 | 15,010 |
対売上高回転月数 | 2.77 | 3.04 | 2.79 | 2.88 | 2.99 | 3.16 | 3.25 |
固定資産 | 17,860 | 18,353 | 18,847 | 16,358 | 16,390 | 21,062 | 16,398 |
うち投資有価証券 | 6,003 | 6,193 | 6,749 | 5,530 | 7,039 | 11,767 | 7,153 |
総資産 | 46,625 | 43,708 | 42,714 | 41,752 | 41,725 | 47,657 | 46,711 |
流動負債 | 9,218 | 8,286 | 7,983 | 8,069 | 7,849 | 8,434 | 9,518 |
うち買掛金 | 4,649 | 4,140 | 3,796 | 3,744 | 3,518 | 3,588 | 3,923 |
対売上原価回転月数 | 1.77 | 1.82 | 1.76 | 1.89 | 1.78 | 1.71 | 1.89 |
うち前受金 | 1,935 | 1,632 | 1,573 | 1,801 | 1,792 | 2,223 | 2,168 |
固定負債 | 812 | 766 | 711 | 1,016 | 1,077 | 2,973 | 2,527 |
負債合計 | 10,030 | 9,052 | 8,694 | 9,085 | 8,926 | 11,407 | 12,046 |
純資産 | 36,595 | 34,656 | 34,020 | 32,667 | 32,799 | 36,250 | 34,665 |
負債・純資産計 | 46,625 | 43,708 | 42,714 | 41,752 | 41,725 | 47,657 | 46,711 |
驚くのは、売上500億を超える会社でありながら借入ゼロ。自己資本比率も高く、BSは非常に綺麗である。
保有株式の売却もあって、現預金は足許で100億を超えている。気になるのが、09/12期の輸入品導入のタイミングで増加した棚卸資産回転月数を超えて、足許の在庫水準が増加基調にあるということ。どういう内容の在庫なのかわからないが、買掛金も増加基調にあることから、勝負を掛けに来ているなという印象。
資産サイドでは、投資有価証券の占める比率に驚く。14/12期に売却した株式がどういった銘柄なのかわからないが、足許の株価水準は高すぎだろうと考えているので、個人的には売却に賛成。13/12期に大幅増加しているのは取得などしたわけではなく評価替だろう。
ここで唐突に自分の話。財務的にダメな会社ばかり働いてきたのだが、共通しているのは下記の点。
・意思決定できない(又は、意思決定が誤った情報に基づき即決される)
まず、これまでの会社で共通していたのは、女性社員のことを「事務員」と呼ぶ輩があまりにも多かった。当然、「事務員」以外の工場ワーカーや営業もいるはずなのだが、「事務員」呼ばわり。しかもそれが年を食ったおっさんだけではなく、若手の男もそういう呼び方になる。 逆に、女性差別だけでなく男性差別というパターンもある。
また、意思決定できない(又は、意思決定が誤った情報に基づき即決される)のも共通項としてあった。経験と勘に基づき判断がなされ、合理的な決定がなされない。
創業社長のリーダーシップにおいてここまで成長してきたのは素晴らしい。BSは今のところ超健全である。但し、この先に従来と同じスタイルでの経営において、損益確保するのはやや難しいのではないかと考える。
(外部環境)
(体制面)
家具の購入は1.転居、2.結婚がトリガーになると思われるが、日本においては双方ともに減少傾向にあり今後も回復の見立てが無い。また、円安はいつまで継続するか分からない。旧弊にまみれた経営陣。これを踏まえてどう対応するかであるが、このままだと売上がシュリンクする一方になる為、個人的には「外国人の社員比率を徐々に増やしながら、豊富な余剰資金を活用して順次国内の生産設備を増強し、輸出販売を行う」ことが外部から数値だけ見ている限りのベスト策ではないかと思う。転居も結婚も、これから伸びる国においてはたっぷり発生するだろうから。
留意点としては家具はローカル色受けやすいと考えられる為、販売先における市場調査による文化理解を十分に行うことと、日本における優良素材を確保することだろうか。
売先の宛てもないのに安易に販促費を増やすのははっきり言って愚策である(営業会社ではよくあることだが)。思い込みを排除し、冷静な頭で判断できるようにならなければ早晩先が見えてしまうだろう。
前回の「ペプチのこと。」に思いのほかのご好評をいただき、作者としても大変嬉しいです。ありがとう。
ただ残念なことに、あの記事を「ペプチドリーム(以下「ペプチ」)擁護」と受取る向きが予想外に多かった。
おそらく、
こういう前提知識を持った上で、ペプチの開示をぜひ読み返してほしい。と書いたのが、「ぱっと見た感じほどの大きなニュースじゃないんだよ。説明が下手なだけ。大丈夫だ問題ない」と単純に言っているように受け取られたんだと思う。
おそらく、受け取る印象が多少なりとも(ひょっとしたら大きく)変わるはず。
既存: アライアンス事業 【これまでのステージ】と明記されている。
新規: 自社創薬研究開発の推進 【これからのステージ】
ペプチの仕事を思いっきりカンタンに大雑把に言うと、この(1)(2)をめでたく生き延びたら、いよいよその化合物は(相手方がそう意思決定してくれれば)リード化合物として臨床試験に向かうことになり、ペプチには(3)の「創薬開発権利金」以降の売上計上がはじまる。
(1)契約先から指定されたターゲット蛋白などに結合する特殊ペプチドやライブラリを作って納入する、
(2)納入した特殊ペプチドを契約先と一緒に検討する(契約先がラボで試験とか動物実験とか)、
(3)契約先がその特殊ペプチドを薬として本格的に開発する(そして運が良ければ薬として承認される)、
の3段階。
※誤解のおそれのある表現があったため(3)を一部書き換えました。
(1)(2)(3)をパッケージにした契約を最初に締結してる。という点だったはずだ。
あらかじめ書いておくけど、ペプチを擁護しようとかそういうのはまったくない。
製薬創薬業界ではわりと当り前になってることについてペプチがあまりに舌足らずでお粗末でときにミスリーディングな説明をしてるせいで、たくさんの人が誤解してるみたいなので、それを少しでも解こうと思って書く。
好意的に「舌足らず」と書いたけど、そう決めつけるつもりもない。ひょっとしたら「わからないだろうと高をくくって喋らない」「喋ってしまうとただの受託屋さんに見えて魅力が大幅に減ってしまうのを怖れて喋っていない」のかもしれない。
ペプチドリーム(4587)(以下「ペプチ」)の仕事を思いっきりカンタンに大雑把に言うと、
(1)契約先から指定されたターゲット蛋白などに結合する特殊ペプチドを作って納入する、
(2)納入した特殊ペプチドを契約先と一緒に検討する(契約先がラボで試験とか動物実験とか)、
(3)契約先がその特殊ペプチドを創薬アイディアの元にする(あるいはそれ自体が薬になる)、
の3段階。
それぞれのスタートでおカネを貰える。
めでたく(3)になった場合には進捗に応じた報酬、さらに運良く臨床試験も成功して薬になった場合にはロイヤリティを貰える。
(思いっきり大雑把に書いてる。ホントはもう少し細かいので、正確には同社の開示を参照してほしい)
この(1)(2)(3)をパッケージにした契約を最初に締結してる。
今回のファイザー(以下「P社」)の場合は、P社(が買収したCovX)が創出済み(といっても未だせいぜい動物実験などを繰り返して最適化検討を進めてる段階)のペプチド型化合物を改善する仕事なのでちょっと違うかもしれないけど、基本形は同じ。
ここでちょっと別の話。
あまり知られてないけど、製薬の初期段階(創薬)は、「研究」と「開発」にくっきり分かれてる。
動物実験や外注やラボワークを行ったり来たりしながら、どの化合物を開発するか考えるのが「研究」。
化合物を決めてからが「開発」。こっちになると、カネやヒトや時間など大量のリソースを注ぎ込むことになる。
ほとんどの製薬会社で「研究」と「開発」は管掌役員レベルで分かれているし、もちろんチームメンバーも全然異なる。
さっきの(1)(2)(3)でいうと、(1)(2)は製薬会社の「研究」チームと組む仕事。
(2)の成果のうちどれを(3)に進めるかを決めるのは製薬会社の「開発」チームの専決事項。
(3)は「開発」チームと組む仕事。
本題に戻る。
ペプチの公表資料を読む限り、P社とは(2)の段階の終了直前まで行っていたようで、そこに折悪しくP社が「CovX絡みの『研究』を辞める」と意思決定・発表した。
そのため、ある意味、宙ぶらりんな薬剤候補化合物(もしくはそのプロトタイプかな)が存在することになった。
P社ではおそらく、(3)に進めるかどうかの検討を既に始めていたはず。
「研究」を辞めたからといって、せっかく創出した(あるいはされかけている)候補化合物も同時に捨てるとは限らない。捨てるかどうかは「開発」のチームが決める。
ペプチの開示にある
「引き続きP社の他の部門においてその評価が続けられました」
「新しいプロジェクトとして継承・継続されるものと考えていました」
は、そのことを言ってるはず。
完璧に「や〜めた。これまでに掛けたコストも全部サンクコストでいいや」と割り切ったときに初めて、ペプチとの契約を終了することになる。
その結論に至るのに半年っていうのは決して(この業界的には)長くない。
むしろ短いほうかもしれない。
延々と伸ばしてても特段の違約金はかからないし。
今回の件では、P社は「開発」品としての継承もしないことにした。
(1)でペプチに出した技術情報、(2)の過程で共同で作ってきたノウハウや実験データなど、ひょっとしたらカネをさらに突っ込めば薬になるかもしれないような無形の財産はあるけど、そこはトラブルを避けるためか、すべてペプチにあげちゃうことも決めた。
そのへんはさすがに大企業、しっかりしてる。
一方ペプチとしては、(1)(2)の開始時に既にそのためのおカネを受け取っているから、契約を継承されないとしてもそれまでに出した無形の財産さえ返って来れば(将来の収益計画が変わってくることを除けば)無問題。
共同で構築したノウハウも引続き利用出来ればなお良し。
今回はP社から「途中の知財もぜんぶあげるよ」ということになったから、ペプチとしては儲けもの。
その感覚があるから、あの「謝罪」開示の途中のような書きぶりになってる。
(まあ、だからといってそれを得たからそのまま何かできるってわけでもないけど。)
こういう前提知識を持った上で、ペプチの開示をぜひ読み返してほしい。
おそらく、受け取る印象が多少なりとも(ひょっとしたら大きく)変わるはず。
そのあとでIPO資料を読み返したら、今回のような契約終了が今後も頻繁に起こり得るペプチの業態の本当の姿や弱点も透けて見えて、フェアバリューも自ずから見えてくるんじゃないかな。
ペプチの中の人(読んでるよね?)には、そういう事業モデルをもっと正しく投資家に伝えていく努力を望む。
インベスターリレーションっていうのは、株価上昇策でも維持策でもなく、会社の姿を「正しく」理解して貰うためのものなんだから。
それを通じて結果として株を買う人が増えて株価が上がったら万々歳だけど、それはあくまでも余録。
カネを払ってこんな不正確な記事を書いて貰ってる場合じゃない。
【参考資料】
有価証券届出書(新規公開時)
http://contents.xj-storage.jp/xcontents/45870/cdefa6ae/2ea8/453c/9321/767095420fbd/S000DCA3.pdf
http://contents.xj-storage.jp/contents/45870/T/PDF-GENERAL/140120130610064622.pdf
「Pfizer社との共同研究開発の解消に関するお知らせ」6月25日
http://contents.xj-storage.jp/contents/45870/T/PDF-GENERAL/140120130625076189.pdf
http://contents.xj-storage.jp/contents/45870/T/PDF-GENERAL/140120130626078085.pdf