2015-03-07

大塚家具の騒動が他人事ながら面白いワンマンあるある話が頻発。

現社長は元フロンティアマネジメントという事で、開示されている中期経営計画も非常に分かり易い構成である。簡単な財務分析と今後の展望お気楽に整理してみる。(関係者ではありませんし、間違ってても知りません)

順調にコスト削減進むも増税後の反動影響が大きい?

まずPLから。2008/12からの売上の推移は下記の通り。

(unit:Myen)08/1209/1210/1211/1212/1213/1214/12
売上66,80457,92556,91254,36754,52056,23155,502
成長率▲ 13.3%▲ 1.7%▲ 4.5%0.3%3.1%▲ 1.3%

社長交代したのは09年3月。08年6月リーマンブラザーズが破綻してから9カ月後だ。

家具嗜好品から、景気の変動影響を受けやすい。その為、リーマン前を契機に減収の一途である

12/12から前年トントンになり、13/12期に前年越え。14/12期は前年比マイナスであるが、上期は堅調だったと思われる。この二年間は消費税増税の駆込み、反動があるはず。

コストを見てみる。

(unit:Myen)08/1209/1210/1211/1212/1213/1214/12
売上原価31,57427,31925,84723,81523,67125,16124,903
 売上総利益率52.7%52.8%54.6%56.2%56.6%55.3%55.1%
販管費33,96132,05831,19729,40129,66530,22631,001
 うち人件費10,64110,51410,24310,15010,40310,68610,909
 うち賃料12,22911,96811,74310,73510,49210,175
 うち販促5,0213,8903,5243,0363,1383,4173,834
 うち運送料1,8461,6161,6361,5371,4781,5211,550
 その他4,2244,0704,0513,9434,1544,427

※14/12期の賃料はデータ取得できず

売上総利益率は09/12期を境に改善に向かう。減収しているのに増益しているので工場部門に関して相応の合理化実施したものと思われる。また、為替の上昇に伴い、輸入品価格が上昇しているものと思われ、13/12期より売上総利益率が減少している。

販管費も順調にコスト削減が進んでいる。11/12期より賃料が低減するのは不採算店舗の閉鎖の為。その一方で人件費は下がっておらず、店舗閉鎖→整理解雇という流れにはなっていない模様。この前の開示にもあった通り、14/12期下期の社長交代により、販促費が増加の傾向にある。去年と同水準の販促費投入すると仮定すると、半期で増加額は4億円。月にすると約70百万円となる。全国ネットCMだと2~3本、チラシだと700~800万枚相当である

非常にありがちなであるが、増税後の反動影響を受けて販促費を増やしてしまったが、砂漠に水を撒くがごとく反応が芳しくないというところであろう。

最後に段階利益特別損益

(unit:Myen)08/1209/1210/1211/1212/1213/1214/12
営業利益1,270▲ 1,452▲ 1331,1511,184844▲ 402
 営業利益1.9%▲ 2.5%▲ 0.2%2.1%2.2%1.5%▲ 0.7%
経常利益1,457▲ 1,337391,3041,3181,004242
 経常利益2.2%▲ 2.3%0.1%2.4%2.4%1.8%▲ 0.4%
 特別利益17314599175172,150
 特別損失96893326691510049955
当期利益▲ 530▲ 1,491▲ 256204640856473
 当期利益▲ 0.8%▲ 2.6%▲ 0.4%0.4%1.2%1.5%0.9%


国内生産しているはずなので、為替損益も特段無く、最終利益営業利益がほぼ連動している。

気になるのが、定期的に10ロットの特損がでているところ。

  ・08/12期は土地の減損2億、投資有価証券評価損が7億

  ・09/12期は腐った商品の低下法4億(輸入品の導入と関連か)、店の備品1億、投資有価証券評価損が3億

  ・11/12期は東日本大震災による災害損失3億、資産除去債務の計上による影響が4億

  ・14/12期は減損4億、年金基金解散損失引当金が5億

なお、14/12期は21億の株式の売却を実施しているが、これがなかった場合赤字額は考えるだけでも恐ろしい。増税後の反動影響が非常に大きかったものと思われる。

14/12期でこれだけ処分した結果大分減っているが、総資産の三割程度が有価証券であったという事で、あの社長バクチが好きなんだろうなーと勝手想像。笑 子会社株式も相応にあると思うけど。


借金経営で現預金も潤沢

次にBS。

(unit:Myen)08/1209/1210/1211/1212/1213/1214/12
流動資産28,76525,35523,86725,39325,33526,59530,312
預金9,3577,1136,2717,1247,3217,43111,520
売掛金2,3322,2572,8403,5112,9563,2422,486
 対売上高回転月数0.420.470.600.770.650.690.54
棚卸資産15,44714,67313,25313,04513,57114,80215,010
 対売上高回転月数2.773.042.792.882.993.163.25
固定資産17,86018,35318,84716,35816,39021,06216,398
 うち投資有価証券6,0036,1936,7495,5307,03911,7677,153
総資産46,62543,70842,71441,75241,72547,65746,711
流動負債9,2188,2867,9838,0697,8498,4349,518
 うち買掛金4,6494,1403,7963,7443,5183,5883,923
 対売上原価回転月数1.771.821.761.891.781.711.89
 うち前受金1,9351,6321,5731,8011,7922,2232,168
固定負債8127667111,0161,0772,9732,527
負債合計10,0309,0528,6949,0858,92611,40712,046
純資産36,59534,65634,02032,66732,79936,25034,665
負債純資産46,62543,70842,71441,75241,72547,65746,711

驚くのは、売上500億を超える会社でありながら借入ゼロ自己資本比率も高く、BSは非常に綺麗である

保有株式の売却もあって、現預金は足許で100億を超えている。気になるのが、09/12期の輸入品導入のタイミングで増加した棚卸資産回転月数を超えて、足許の在庫水準が増加基調にあるということ。どういう内容の在庫なのかわからないが、買掛金も増加基調にあることから勝負を掛けに来ているなという印象。

資産サイドでは、投資有価証券の占める比率に驚く。14/12期に売却した株式がどういった銘柄なのかわからないが、足許の株価水準は高すぎだろうと考えているので、個人的には売却に賛成。13/12期に大幅増加しているのは取得などしたわけではなく評価替だろう。

また、土地保有は少なく、殆ど賃貸である

ダメ会社の特徴

ここで唐突自分の話。財務的にダメ会社ばかり働いてきたのだが、共通しているのは下記の点。

  ・男女差別が激しい(思い込みが激しい)

  ・意思決定できない(又は、意思決定が誤った情報に基づき即決される)

まず、これまでの会社で共通していたのは、女性社員のことを「事務員」と呼ぶ輩があまりにも多かった。当然、「事務員」以外の工場ワーカーや営業もいるはずなのだが、「事務員」呼ばわり。しかもそれが年を食ったおっさんだけではなく、若手の男もそういう呼び方になる。 逆に、女性差別だけでなく男性差別というパターンもある。

また、意思決定できない(又は、意思決定が誤った情報に基づき即決される)のも共通項としてあった。経験と勘に基づき判断がなされ、合理的な決定がなされない。

ダメ会社になりかけている

創業社長リーダーシップにおいてここまで成長してきたのは素晴らしい。BSは今のところ超健全である。但し、この先に従来と同じスタイルでの経営において、損益確保するのはやや難しいのではないかと考える。

  (外部環境

  ・家具を購入するキッカケが喪失している

  ・円安による輸入品価格の高騰が継続する

  (内部環境

  ・元社長の提案している取締役陣が男ばかりの凝り固まった人材

家具の購入は1.転居、2.結婚トリガーになると思われるが、日本においては双方ともに減少傾向にあり今後も回復見立てが無い。また、円安はいつまで継続するか分からない。旧弊にまみれた経営陣。これを踏まえてどう対応するかであるが、このままだと売上がシュリンクする一方になる為、個人的には「外国人社員比率を徐々に増やしながら、豊富な余剰資金活用して順次国内生産設備を増強し、輸出販売を行う」ことが外部から数値だけ見ている限りのベスト策ではないかと思う。転居も結婚も、これから伸びる国においてはたっぷり発生するだろうから

留意点としては家具ローカル色受けやすいと考えられる為、販売先における市場調査による文化理解を十分に行うことと、日本における優良素材を確保することだろうか。

売先の宛てもないのに安易販促費を増やすのははっきり言って愚策である(営業会社ではよくあることだが)。思い込み排除し、冷静な頭で判断できるようにならなければ早晩先が見えてしまうだろう。

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