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はてなキーワード: 悪業とは

2024-06-16

anond:20240613203515

キャンセルカルチャー問題点は、「悪い・正しくない」と思う倫理が内発的なものではないことなんだろう。

どこかで知った聞きかじりの「教養」に発するものからキャンセルすることでなんとなく自分が「正しい側」にいることに内心満足してしまう。「正しい側」にいるというのは安全地帯なので、いくらでも無知な人を罵倒し、笑い飛ばせる。その教養は実際のところ、★のたくさんついたブコメかもしれない、その程度に知った教養でも安全地帯に入った感覚を得られる。

まり、「いーけないんだいけないんだー、センセにいってやろ」のアレと大差ない。

その程度の教養正義感で、MVを取り下げ、ミュージシャン謝罪に追い込む社会なわけだね。

かつて、なだいなだが、ケシカラニズムといって、理性的正義感情的正義区別し、自分のことでもないくせに感情的共感によって主語がでかくなるのが感情的正義の特徴だとした。そのことで人々がプロパガンダに流されやすくなる、という趣旨のことをどこかで書いていたのを思い出す。

もうひとつ思い出したのは、2年くらい前、

共感にあらがえ - 内田樹の研究室

のなかで、人権とかマルクス主義とか、外付けされた倫理は歯止めが効かず暴発する、ということを内田樹がいっていたこと。

増田へのレスなかに

コロンブスナポレオン他所に乗り込んでそこにいた猿を使役したり自分文化を教え込んだりする描写になんとも思わんのかお前はw

というのがあるね。

正直、なんとも思わないねというのが俺の感想だし、植民地主義への反省なんていっても、外付けの反省まり

俺の中では、このMVはたわいもなくみえている。そんな他愛のないもの批判したくなるほど自分のなかで植民地主義批判内面化されていないわ。

そんなことをいうと、すぐにいろいろな知識開陳して説教したくなるサヨクがぼうふらのようにわいてくるんだが。

しろMVのなかで、不快に思ったのはそこではなくて、ナポレオンなどの人物たちが「Monkey Attack」というビデオを鑑賞するシーン。負傷していまにも死にゆハチマキをした類人猿兵士を抱きかかえる類人猿兵士、その場面にビデオ鑑賞していた皆が涙する、という場面だが、このシーンは、旧日本軍兵士連想させられ、ビデオ鑑賞で感動ポルノを消費するという行動にはイラっとさせられた。

類人猿ベートーヴェン指導したり、人力車にひかせたりというのには何とも思わなかったのに、このシーンだけは嫌な気分にさせられた。

そう、まさに「つまり解釈余地があるんです。」という感じなんだな。モンキーアタックビデオへの不快感はあるものの、袋叩きにしてやり込めるほどのものではない。他愛もないMVだよ。



もっとも俺も若い頃、20年くらい前までは、人権歴史教科書通りに学んで、それを教養として広めていけば、外付けされた倫理共感を呼んで広まっていく、みたいに素朴に思っていた時期があった。

https://lady-joker.hatenadiary.jp/entry/2024/06/16/011301

みたいなことを素で思っていたというか、それこそ20年前のはてな草創期の「何とかidさんの日記」にはそういうのがあふれていたし、はてなにははてサと言われる人たちが多かったのだろう、そういう人ともつながった。

しかし、いつしか違和感を覚えるようになった。特に歴史修正主義というドイツで使われた文脈言葉安易日本南京虐殺否定文脈で使うことが一般的になり始めたころ、はてサという存在が疎ましくなっていった。

俺の違和感の正体は、結局のところ、歴史文脈のなかで生まれ言葉には、その歴史に紐づいた反省があり、過去への抗いがあるはずなのに、いつしか教養」として普遍化するなかで、その歴史固有性が失われ、あたかハンディ批判ツールになり下がることだった。

村上春樹2009年、イスラエル文学賞を受賞したときはてサは一斉に授賞式に出席しようとする村上を引き留めようとし、攻撃した。出席することは共犯意味するとまで言った人もいた。そのとき村上氏は自身への批判を受け、それらの情景を正論原理主義といった。パレスチナの人たちとの現実の接点をもたずに、パレスチナだ、ガザだ、人権だと漠然と騒いでいる、ごく普通のひとたち(私たち)の”寄り添い”は本当に軽いものだ。共犯という言葉も軽い。イスラエルに赴いて「高くて頑丈な壁と、それにぶつかって割れる卵の側では、私は常に卵の側に立つ」と現場で話をした村上春樹言葉のほうがよっぽど覚悟必要だ。それでも村上春樹攻撃する様子をみて、俺はだんだん嫌気がさして、ブログからフェイドアウトしていった。


お前、そんなこともわからないのか、そんなことも知らないのか、といって得意げに歴史知識開陳する態度。

てめえだって大して現実味のないことに対して義憤を抱いてるにすぎないくせに、この尊大な態度。

サヨクに対する嫌悪感は、ここに尽きる。キャンセルカルチャーは、無力なサヨクが得意げに知識開陳して自己満足する場になってるんだよ。


言葉の軽さはどこからくるのか。ヒントになるのは、前述の内田樹文章

そのなかで対談相手永井陽右氏は次のようにいう。

永井:それで言うと、私は本当に「人権」というものを外付けしたタイプだと思います大学1、2年の頃、大学平和学の授業を取ってたりしたのですが、そのときに、何が幸福なのか、他人が何を考えているのかなんてわからないと思ったんです。そして陳腐ですが、みんな正義も正しさも違うよねともやはり思いました。

じゃあ何を拠り所にしたらいいのだろうと考えた結果、「そうかそうか、人権というものがあるのか、みんな賛同してるし普遍性高いじゃん」となりました。普遍性が高いなら、「人権が著しく侵害されているのであれば、これは問題だ!」と堂々とみんなに言うことができる。そうして私は良くも悪くも人権というか権利しか見ない人になっていったわけですが、それは本当に「外付け」だったと思います

「これは問題だ!」と深く自分のこととして考えもせずに簡単にいえてしまう、ここにこそ問題がある。

そういう義憤の正体って何だろう。

最近朝日新聞人生相談に回答した野沢直子に対して、それを朝日新聞記者コメントともに、冷笑と受け取って批判している記事があった。

[B! 報道] 読者を小馬鹿にする記者の態度にビックリ…野沢直子(61)の「悩み相談」騒動に見る“朝日新聞の冷笑主義” | 文春オンライン

元の人生相談とその回答はこちら。

https://digital.asahi.com/articles/ASS5K30WGS5KUCVL02MM.html?ptoken=01J0FYBDAZQF5YH5MPNMCJH3QA

不正義や理不尽な行動を伝える新聞報道を見るたび、怒りに燃えて困っています」とかいう50代の男性相談

個人は、野沢直子の回答の感覚に近い。現地に行ってみろと。行けば当事者意識を持てるから

これは冷笑でもなんでもない。正直、野沢直子の回答を冷笑と捉える文春の批判のほうが今の時代の病を表現していると思った。

新聞で得た世界出来事いか正義言葉で嘆いても、その切実さは現場の人の感覚とは何も通じ合っていないかもしれない。

現場にくると世界は反対側からみえることもある。

かつて、北アフリカスーダンで、ダルフール紛争と呼ばれる、政府系の集団による虐殺国際問題となったことがある。

日本ブロガーも反応し、かつてFinalvent氏がこの知名度の低いこの問題を何度も取り上げ、意識を高めようとするべく、記事をお書きになられていた。

最初は、自分の啓発もかねて弁当氏の言説に注目していたのだが、しかし、その後、私自身が北アフリカ地域仕事上関与するようになってからスーダン人とも仕事をしたし数多く知り合いになった。自分なりに関心をもって現地で情報を集めてみると、国際的に展開されているセーブダルフールキャンペーンは次第に異なる運動に映じるようになっていった。

それは当時のバシール大統領断罪をはじめ、現地武装組織悪業を過剰に喧伝する国際NGO特にアメリカNGOキャンペーンのやり方に対する違和感だった。紛争実態はもう終わっているにも関わらず紛争継続しているかのような言説が多く、過剰かつ単純な演出によって集められた資金は、NGO広告費に回っているという話まで聞いた。

正しい、とみんなに思い込まされていることでも、プロパガンダが功を奏しているだけかもしれないということだ。

弁当氏がその後、一貫してスーダンに注目していたかどうかは知らないが、やがて同氏の記事の傾向が変わり、国際問題にはほとんど言及されなくなっていった。

今、現在スーダンの置かれている状況はというと、2023年に始まった国軍準軍事組織「迅速支援部隊(RSF)」による内戦により、ダルフール紛争の比ではない、深刻な国内避難民が発生している。2023年末時点で国内避難民が905万2822人。これはスーダン人口の2割に相当。2003年の世界最悪レベルの人道危機と言われたダルフール紛争ときですら国内避難民は100~200万人というオーダーだったので、それをはるかにしのぐ難民が発生している今の状況がいか危機的かがわかる。

しかし、俺は思う。当時、弁当氏のスーダン記事を読み、義憤を抱いた人の何割くらいが、現在進行形の危機を憂いているだろうかと。エジプトトルコスーダン国軍支援アラブ首長国連邦はRSF支援、このように中東の中堅国らは、自分たちに好意的顧客武装させながらも、和平を口にする、いわば代理戦争様相を呈している。





ただ、一方で、外付けの教養には意味がない、とは思わない。しかし、植民地主義歴史を知るとか、外付けの倫理いか理解しているかという意味ではない。

普遍的な価値として、人権を外付け実装してきた日本である自分自身いかに受容してきたのか、それを踏まえて自分の生きる社会をどうしたいのかを知ること。

そのルール規範の成り立ちといった背景をもう少し知る必要があると思っている。

表現の自由ひとつとってもそう。表現の自由って大切じゃないか?と少しでも思ったら、それを所与の普遍価値から、と思考停止しないでよくよく考えてもらいたい。

なぜアメリカ判事歴史的な判決のなかで、空気が濁っているほうが社会健全だといったのか。なぜフランスでは神を冒涜することが権利なのか。

なぜドイツではホロコースト否定表現の自由に当たらないのか。日本公共の福祉解釈としてそれらをどのように受容したのか。表現の自由が失われると何が恐ろしいのか、それはそれぞれの社会文脈がある。少なくとも自分社会ではそれは何なのか、それを知ること、それこそが教養というものだと思っているし、理性的共感というものだと思う。

少なくとも俺が思うに、日本社会においては、冒頭のケシカラニズムが政府にとって都合よく操れる心情だろう。

表現の自由が失われることによって立ち現れる社会では、こういう感情的正義ますます膨れ上がるだろう。

表現の自由が失われることによって立ち現れる社会は、「これが正義だ!」とみせられるとすぐに無教養な人々を煽り立てることでき、簡単プロパガンダ誘導することのできる、政府にとって都合の良い社会ということになろうかね。

MV叩いて知識開陳してマウントとってるサヨクもそれで満足ですかね。まあそういう奴はそういう時代がくれば体制寄りになってるかもしれないけどね。

世界中、世の中でいろいろと深刻で理不尽なことが起きているなか、そういう諸々には無関心で当事者意識もないくせに、「教養ある人」が突然ポリコレし始め、他愛もないMV植民地主義的な傾向にかみついて、そうだそうだとみんなして一斉に同調した結果、MVの発表取り下げに至る、という構図は学級会のつるし上げそのものだ。

サヨク知識マウントできて満足だし、日ごろのストレス発散になったことだろう。

朝日新聞人生相談をした「不正義や理不尽な行動を伝える新聞報道を見るたび、怒りに燃えて困っています」という50代の男性も、MVをぼこぼこに叩いて満足するくちかもしれない。新聞を読んで中途半端ポリコレ意識をもてあましている、という輩に対する処方箋としては、野沢直子の回答はこれ以上ない的を射たものだと思った。

2024-05-22

アムロに比べれば水瀬いのり悪業かわいいもんだったな

えみつんは…まあアレだけど

2024-04-05

幸せに生きるために働いてるのに毎日悪業が降り積もっていくのはなんでだろー

2024-02-14

anond:20240214184126

本屋バイト

彼女さんはきっと興味をもってくれる

が、実態斜陽産業で取次書店に振り回されてギスギスした職場しかないイメージとは裏腹の最悪業種だ

すぐやめることになるが、良い経験になると思う

2023-12-17

anond:20231216204656

暇空はColabo自身が公開したColabo自身データとColabo自身が都に提出したColabo自身データが一致しない。おかしい。と言うColabo発の根拠を持って告発し、それは住民監査請求が通ってしまレベル公文書の不備だった訳なんだが。

お前のスタンスはこのレベルの指摘をただの悪業のように批判して大丈夫なのか?

で、フェミニストが起こした草津の件がなんだって

これと同列レベルとするだけの根拠を聞かせてくれよ。

2023-12-07

anond:20231207211136

だってこの1020年でちゃんとした中華企業が粗悪業者塗り潰す勢いで普通に力をつけて

同時進行で国内メーカーが弱くなってるんだもの、そりゃそうなるよな

探せば昔懐かしい粗悪品量産中華メーカーごまんと生き残ってるんだけど、普通に優秀なメーカーのが目立つ時代になってしまったな

2023-10-15

ブラック企業跋扈する日本は軽い戦争状態と同じようなもん

ブラックで働いてたら入って勤務半年くらいでありえないくら顔面が老けて、辞めてから治るまで3年位はかかった

当時30代前半だったけど、新しく入ってきた新人再雇用の方ですか?って聞かれる位老けてた

給料も安かったか貯金ほとんど貯まらなかったし、本当にろくなもんじゃなかった

氷河期以降何十年もブラック企業は野放しで、この状態じゃ子供も生まれないし経済も良くなるわけないよなあ

戦争状態でも人生うまくいく人はいるし、戦争よりはマシではあるけど、やっぱり本質的に同じようなもんだと思う

今の日本の様に、悪いことの結果と言うのはけっこう時間がかかってから現れる場合も多い

仏教でも、悪業も良業も石に水が滴って穴が開くように、結果が出るまでは時間がかかるというけれど、それは本当だと思う

例えばアホみたいな例だけど、安価不自由なくAVが観られるようになると現実パートナーを見つける欲が減って結婚できる可能性が減る、とか。

まあそれなら、十年結果が出なくてもコツコツ良業を死ぬまで積み続ける甲斐もあるかもしれない

2023-09-18

anond:20230918123500

土人の集まる企業だな

弊社も同じですが……

ちなみに増田に言っておくが、苛めてる当人達よりはよほどマシだけど傍観も立派な悪業から

anond:20230918120306

弊社も同じだが、土人の集まる企業だな


ちなみに増田に言っておくが、苛めてる当人達よりはよほどマシだけど傍観も立派な悪業から

2023-08-10

anond:20230810041335

仏教に関するデマの流布は重めの悪業なのでやめとこうね

2023-04-22

自分悪業俯瞰してみる

ポルノ毎日見て反社勢力お金を渡している

・食べ過ぎて余分に生物の命を奪っている

ブラック企業で無理やり頑張ってしまって他の普通ホワイト企業邪魔をしている

あとなんだろ

2023-04-17

anond:20230416235609

メリー女衒的なことをやっていたのは森光子晩年を見れば分かっていたんじゃないか?明らかにおかしかった。

ジャニー悪業けが今は表沙汰になっているけどメリージュリーも善人ではないでしょう。

それを含めて無視を決め込んでて共犯者じゃ無いなんて虫が良すぎるでしょう。さらフェミニストですか。意味不明

2023-01-29

anond:20230129143241

むかーしの『悪い血脈』ってマンガおもいだした、オチは「冒険はじまったばかりだぜ!」でオワってないマンガだった

(元サーカス団員の夫婦が一女一男の実子らと悪業して団を再興する資金を貯めようとするストーリー

2023-01-20

不動産屋はあてにならないのか(追記修正した)

追記しました(1.21)

https://anond.hatelabo.jp/20230121161927

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/twitter.com/DS_uraura/status/1615652971647500293

ここのブコメに、「不動産屋があてにならないならどうやって良い物件を見つけろというのか」というのがあったので少し。

本当に「不動産屋はあてにならない」と簡単に言い切れるかというとそうでもなく、あてにならない不動産屋も残念ながら結構たくさんいるし、一方で客の側がぼんやりしているか不動産屋が困ってるケースもあるのだ。

新しい洗濯機を買いに行くのに、乾燥機付きがいいし斜めドラムが良いけど予算は2万円という客である可能性。または、深く考えずに携帯キャリアショップに行き超オーバースペック回線契約させられてきていたりする可能性。そういうことはおそらく家探しについてもそこそこ起きてる不幸だと思う。

これが携帯回線だったらインターネッツどもは「この情弱が」の大合唱だろう。「これだから携帯ショップはろくでもない」と嘆息する奴も出てくるだろうが、これは不動産における「不動産屋は詐欺師ぞろいだ」と言うのと同じだ。携帯回線場合ならインターネッツの奴らはSIMがうんたら衛星から云々とかそういう情報を得る努力をするだろう。家も同じで、情報知識契約者側にも必要になる。バカキャリアショップに行って高い回線契約する、賢いやつは情報仕入れ自分にとって一番良い回線を選んで契約できる。そして物のわかってないやつに適当に売りつける宜しくない輩は不動産屋には確かに多いが、ほかの業界だってそこそこ多い。そして不動産屋にもちゃんとしているところもいくらでもある。選べ、選ぶための情報を得ろ!

家探しの厄介なところは、つい広大な砂丘の中1カラットダイヤモンドを探そうとしてしまうところだが、そんな幸運は降ってくることは普通ない。「自分が満足できる家で、家賃もお得」な物件他人が探すのは簡単ではない。ヘアサロンに行って、短く!良い感じでお願いします、で実際に良い感じ仕上がるのは元々美形な人である

これを家に置き換えれば、お金があるならそれは可能だ(月に50万円でアタクシが初めての一人暮らしをする家を探してほしいの、港区でね)。

だが、「少しでも安い家賃で」とエコノミーなことを考えている場合はうまくいかない。ちゃん情報仕入れ、仕組みを理解してはじめて「いい物件」を自分自覚できるし、自覚して初めて人に「こういう家を探してほしい」と伝えたりもできる。

家賃ほとんどの場合市場原理に基づいて平準化されていてお得物件なんてそうそうない。皆インターネットを使えるだろうと思うが、Yahoo不動産ホームズスーモレベルの巨大な不動産ポータルサイトでは膨大な情報が得られる。各サイトともに駅やエリアごとに平均家賃を出しているし、物件情報は山ほど掲載されている。自分の気になる条件を設定して月に2回ぐらい定点観測しているだけでも、良くも悪くも、かなりの情報を貯め込める。

が、大量の物件情報を前に茫漠としないために「自分いくらぐらい家に金を使えるか、どんな家に住みたいか」を先に整理しておくことが大事だ。山ほどの情報の中から自分にとって大事情報フォーカスするための己の整理である

実は、「あった!自分の探してた部屋はこれだ!」と確信できるほど、どういう家に住みたいのかを言語化できてる人間はあまり多くない。逆にこれが整理できていれば、最近ではかなり楽にインターネット物件を見つけられる。ちなみにレインズ見られないのずるい言ってるのは「分かってない馬鹿」だ。レインズとは仲介業者業界団体の仲介情報の共有プラットフォーム業界団体に加入している不動産しか見られない。「見られない」からただ悔しがっているだけだ。これは賃貸についてはあん関係ないので気にすんな(詳細は割愛するが、賃貸で探してる人にとってはyahoo不動産などとあまり変わらない。逆に言えば購入の場合レインズを見られると有利なことはそこそこある。ただ一方で購入は賃貸とは全然違う深いフェーズ物件の目利きをする専門性必要なので素直にプロ(まともな不動産屋)に任せて、これから説明する方法で「己の家への希望」を研ぎ澄ませたうえでそれを伝えて探してもらえばよいだけである)。


レインズ見れないと斜め下の訳知り顔をする前に、まずは、自分が払える家賃範囲で選べる最上級の家はどんなものか、について自分希望を整理せよ。初めての場合には、一般的には以下の順序で「俺、こんな家がいいな」を言語化していくのがよいと思う。

  1. 自分が「いくら家賃に出せそうか」を広めのレンジで設定しておく(一般的には手取りの3割以下。若い人は4割(追記:間違えた25%以下です。すまん)以下で考えるのが無難だが、上限について少し広めに考えておく方がいい。家賃交渉が通ることもあるので)。
  2. 色んな条件のうち、「駅」と「駅から距離」の許容範囲を設定しておく。場所は取り換えようがないので優先順位が高いのだ。住みたい沿線地域が分からない、土地勘がない場合などは取りあえずは後回しでもいいが、就職進学で初めての土地場合でも沿線ぐらいなら絞れるのではと思う。沿線も絞れないのなら、まぁ後回しでもいいが通勤・通学先に乗り換えナシで行ける沿線、で考えるのが無難
  3. 部屋の広さ、間取り風呂の有無や風呂トイレ別、などの条件のうち、「どうしても譲れねぇ!」というものを2、3決めておく。不動産サイトを見るとずらっと条件が並んでいるのでそれを参考に。
  4. その他もろもろの条件を「比較的優先したい」「妥協してもよい」などにうっすら分類。

どの条件の優先順位が高いかは己の情念でもあるが、客観的に考える場合は「取り換えようがない」条件の優先順を高くしておく方が良い。具体的に言えば、家賃大家との交渉可能だが、風呂がない物件風呂をつけてくれというのは現実的には不可能なので、可変性が低そうな条件ほど優先順位を高くしておくのがセオリーウォシュレットとかどうとでもなるのは無視で。逆に自分情念で「どうしてもベランダが広くなければしんでしまう」と思う場合優先順位を上げておく。この「どうしても優先したい」を条件を数個に絞る作業が、己の部屋への情念と向き合うことになる。

条件の優先順位をつけておき、上記で決めた条件で物件サイト検索する。

検索して物件が引っかからない場合は、家賃と部屋の大きさのバランスがばかになっていることがほとんどなので、不動産ポータルの「駅別の賃料」みたいなのを見て(例えばこれとかhttps://www.homes.co.jp/chintai/price/)己の貪欲さを恥じて条件を変える。条件を変える時も上記で整理した優先順位レンジを変える(=妥協する)。

逆に検索結果が何十件も、何百件も出てきてしま場合は、己の条件のストライクゾーンを狭める。中野駅から徒歩15分以内、家賃50万円までなら出せる!だと死ぬほど出てくるが、これを徒歩10分、家賃10万まで狭めればぐっと少なくなる。この「検索条件のストライクゾーンを探す」作業を行うことで、己の望みが研磨され磨かれてくるのだ。

希望条件を調整して、10件台程度まで減らせたらそれが「割と住んでもよさそうな家」になる。注意したいのは「同じ物件複数業者登録しているいわゆるダブり物件は1物件」、「おとり物件可能性もあるからこの時点で夢を膨らませすぎるな」である。おとり物件については後述。

そう、家探しは妥協である理想の家が欲しいなら自分土地を買って自分設計して建てるしかない。が、設計士の友人がこれをやったが「理想の家って難しいなまじで」と言ってた。それにそういうことをしていたら予算青天井である。結局、家探しは妥協なのだ

妥協というと嫌な言い方になるが、「そこにすでに実存する家と、己を調和させる行為」が家探しである。アイツ(家)だって、もって生まれた駅徒歩分数や築年数は変わりようがないし、お前にだって譲れないところがある。数多ある「家」から自分にとってちょうどいい背伸びせずに付き合える相手を探す妥協の積み重ねという営為が家探しだ。妥協を楽しめ。そのための条件整理である

「お得物件」についてだが、無い、と言い切れるわけではなく実はたまにある。だが、「お得だ!」に出会うためには、これまでに延べてきた「妥協を楽しめるまでに己の欲求を突き詰めたか」にかかっている。それが出来ていないなら「お得な物件」は絶対に見つからない。哲学問答のような言い草になるが、市場価格に比して「お得」ってそういうものだろうそもそも。

極端な話になるが、別の友人は10年以上「山手線西側の某駅の徒歩3分の古いビルの上の(おそらく違法ペントハウス」に住んでいた。かなりおんぼろ、無理やり住居にした怪しい部屋でワンルームといえば聞こえはいいが飯場プレハブトイレは一旦部屋の外に出る必要があり風呂は後付けでバランス釜とグラグラ揺れる小さい浴槽、プレハブから夏熱くて冬寒いエアコンなんて何の役にも立たない、そんな家で家賃10万円台前半だったのだが、とにかく見晴らしが良く広大なバルコニー(というかビル屋上)があり、そこで夜でもギター練習がし放題だったり野菜を育てたりしていて、奴にとっては「俺ここに一生住む」というぐらいお得物件だったらしい。建て替えで引っ越す羽目になった時にはとても惜しんでいた。奴はどうやってその物件を見つけたか、というとインターネットで見つけた。奴にとっての優先順は、場所家賃絶対条件でそれ以外はどうでもよく、ギリギリ内角低めの家賃で探したときに一つだけヒットした物件だったのだそうだ(ただしあからさまに違法感の漂う物件場合ポータルサイトに出さないこともあるので、奴のはラッキーケースかもしんない)。

自分にとっての条件を見つめることは、このように大切である

最後に、「悪い不動産屋」について。前述した「ダブり物件」を内見したくなった時にどの不動産屋にコンタクトを取るのがマシかということ。繰り返すが不動産屋はすべてがクズなわけではなく、こちらが選べばいいだけのことである

見分け方のもっとも雑でかつイージーなのは業者会社概要から宅建免許番号を見ることだ。これは業者コンタクトをとる前に必ず見ることをお勧めする。

宅建番号は例えば「東京都知事(n)第99999号」みたいになっている。かっこの中の数字(n)が大事不動産屋は免許がないと出来ず、5年に一度免許更新をする必要があるのだが、このカッコの中の数字免許更新の回数を示している。つまり(n)×5=事務所が続いている年数である。この数字が大きいほどその場所で長く事務所を開き続けているということになるので、一般的には信頼度が高いと考えてよいと思う(あくまでも一般論だけど)。次に述べるが、悪徳不動産屋は割と頻繁におとりつぶしになったり、つぶれたりで結構新陳代謝をする。知らない名前不動産屋で(1)のところは取りあえず避ける、ぐらいでも良いかもしれない。またその不動産屋の名前検索しておくと更に精度が増すね。行政処分を受けている業者かどうかを調べることもできやすhttps://www.fudousan.or.jp/gyoseiinfo/#a03

また、有名どころの不動産屋だったとしても、賃貸仲介をメインでやっている業者は、他に選択肢があるのなら避けてもいいかもしれない。その理由としては、賃貸仲介をメインでやってる業者は薄利多売な傾向があるからだ。薄利多売の店から良いサービスを期待するのは、まぁ現実問題としてはあまり良い方法ではない。

不動産仲介屋の仕事は大きく二つで、売買仲介賃貸仲介である。売買の場合は何千万円の取引で、取引額の3%が「貰っていい手数料」の上限金額であるが、賃貸場合は「家賃の1か月分」が手数料の上限となる。賃貸仲介は1件を取り扱う労力に比して得られる金額が低い。そして責任も小さいし業務量も売買仲介と比べて少ないので、まぁ、こう、あまり知識経験がなく倫理的ではない社員結構混じってきてしまうのだ。また賃貸専門業者の中には宅建免許(がないと仲介ができない)の名義貸し状態になっている店もある。内見案内をしてる人は宅建免許を持ってないアホで、少し込み入ったことを聞いても答えられん…みたいな不幸が起こることもある(免許がなくては出来ないのは契約業務なので内見をしても違反じゃないので)。口がうまいホスト崩れみたいなのが営業担当で出てくることがあるのはこういう理由。まぁ口がうまいホスト崩れみたいなやつでも物件情報にはガチで詳しくて近所の良い感じの飲み屋情報とか教えてくれる頼りになるやつ、ということもあるので、必ずしも人は見かけには寄らないが。

よく言われている「おとり物件商法」が多いのは確かだが、おとり商法はやっちゃダメなやつなので色々強く出ていい。

内見前に「空いているか、見られるか先に確認してほしい」「見られないなら行かない」とはっきり言う。それでも、会った後に内見時に希望した物件を見せてもらえなかったら「じゃあいいです」とそのまま帰ってこよう。何ならここまでくる時間交通費が…ぐらい言ってもいいし、血の気が多いタイプを自負してるのなら「通報しますよ」ぐらい言ってもいい(まぁ険悪にはなると思うが)。

親切心がもしあるなら消費者庁通報もできる(https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/contact/disobey_form/通報されるとその業者ペナルティを受ける。不動産仲介業界免許商売で、業界団体が機能しているので、通報されるとちゃん行政処分を受けるよ(まぁそれだけ悪業者がいるということでもあるが…)。

あとは「おとり物件」の見分け方だが、不動産ポータルサイトから「あ、おとり物件だ」を見抜くのは、かなり難しいのが現実だ。まぁ一番確度が高いのは相場より1割以上安い、間取りも良さそうな物件は、おとりかも?まぁ空いてればラッキーぐらいに思っておくのは精神安定程度にはなると思う。

相場よりも1割以上安いというのは、特に都市部ではまずないと思っておいてよい。仮に相場より1割ぐらい安く貸してもいいかなと大家が思っている場合でも、出し値をはじめから1割引きしておくバカはいいからだ。つまり家賃は実は結構値引き交渉可能なことが多い。なので、前にも述べたが、家賃上限の検索レンジを広めにしておくのは「結果気に入った物件」に出会える可能性は高くなるよ。砂漠ダイヤモンド出会うには。

あと、「1割ぐらい安いな…」と気づくために、ちょっと手間ではあるが1㎡当たりの家賃相場、というのを都度、確かめておくととても捗る不動産ポータルサイト提示されている家賃相場間取り別になっていて、例えば中野駅の1Kなら9万円、といった感じで提示されている。だが1Kにも20から50㎡ぐらいまで広さの差があるので、20㎡で9万円だと4,500円だし、50㎡で9万円だと1,800円で、めちゃ安い!となる。

なので検索している時に「よさそう」と思う物件の1㎡あたり家賃計算して、だいたい覚えておくと、自分が探している家の相場家賃より得そうか、そうでもないかがすぐ分かるよ。

おまけで。

仲介手数料無料!」をうたってる業者がいる。これは何か。

多くの場合は、大家から営業用の仲介手数料をもらっているから入居者からは貰わんでええわ、という場合と、大家が直接募集をしている場合である。これは「あたり」の部類であると言える。手数料払わんでよいのだからして。

一方で実はこの「仲介手数料無料!」業者は「微悪業者」である場合も増えている。本来しかった仲介手数料1か月分を、2年間(契約年数)の家賃に分割して乗っけてるだけ、というからくりで、嘘をついて、意思決定時でお得感を醸し出している場合もあるので、一応注意が必要である。まぁうっすら家賃に乗っけてても「この家賃なら納得」と思うなら関係ないっちゃ関係ないわけだが。まあ、乗っけてる分だけ市場よりはお高いかもしれないし、逆に、契約期間前に引っ越す可能性があるのなら、その分乗っかってた月割りの仲介手数料分の金を払わないですんだ、となることもある。なので極悪ではなく微悪。

2022-11-30

anond:20221130134809

たまに正気に戻るとめっちゃ不安になるけど、何もしなくても何かの病気には罹って死ぬのだからええわの精神

金を払って病気リスクまで背負わないと異性と会えないなんて前世で一体どんな悪業をしたんだろうな

2022-09-01

anond:20220831210705

ビジネス取引があって内々に開示するなんてことは絶対ないよ。

開示されたユーザプロバイダ訴えたら負けるし、雑にユーザ情報開示したら最悪業務停止もあり得るわけだし。

ちょっと馴染みのホストについてる女客の悪口書いちゃいましたみたいなちいかわだったら別として、企業内部告発ちゃうユーザなんて後々うるさいに決まってんだし、申し立ててきた企業とのビジネス取引() と業務停止リスクもある社会的信用と天秤にかけたらそんな判断にはなりえない。

ちなみに、プロバイダ責任制限法の手続きと、裁判での仮処分請求とはまったく連続してない手続きであることに注意な。

プロバイダ馬鹿正直に開示請求せずに、最初から裁判所に対して「こいつ訴えたいかプロバイダ情報開示仮処分出してくれ」って直接訴える手法普通にある。金があって弁護士に頼めるならそっちのほうがお手軽だし、合法意見照会なしでダマで開示されることはあり得るよ。

プロバイダ責任法に基づく手続きじゃないか意見照会の義務はないし、訴えたい企業プロバイダとが裁判所で戦って裁判官が結論を出す。そこで開示決定がでたら開示しないといけない。

まあ、プロバイダがどこまで頑張って戦うかはその会社次第ではあるけど、だいたい大手ちゃん弁護士たてて戦ってると思う。

でも、弁護士費用プロバイダの持ち出しだから個人運営とか中小サービスだったら裁判所行かずにわざと放置して負けるとかもあり得るかもね。

2021-11-08

街の電気屋派遣するのはやめてくれ

空調の調子が悪くなったので買い替えたが、電源が入らないという初期不良を掴んでしまい交換になった。

そこまでは良かったが、その後が悪い。

サポートから委託している業者が家に来ると言う案内を受けた。

訪問前に電話をしてくると言うので待っていたが電話は来ず、

突然やってきて、速攻言い放ってきたのが「使い方が悪いんじゃないですか?」と言う。

使い方も何も設置してから初めて使おうと思ったら電源が入らなかったので交換になったのだ。

なんとなく怪しかったのでスマホボイスレコーダーをオンにしておいた。

(我が家では防犯対策にこうしている)

あんまりにも対応おかしいので「メーカーから何も聞いてないの?」と確認すると「交換してきて」としか言われてないという。

何じゃそりゃ・・・と思ったが、さっさと交換していなくなってくれた方が良いと終わるのを待っていたら

なぜかカバーを取り始める。

交換なのになんで?と疑問。さすがにおかしいので聞いてみると、直るかもしれないからなどと言う。

「いや、交換の約束なので交換して下さい」と伝えると「直せるかもしれないって言ってんでしょ!」と逆ギレ

もう我慢ならなかったのでサポート電話して事情を話して電話を代わってもらうと

途端にへこへこしだす。

サポートにあれこれ言い訳を5分くらいされて、ようやく交換作業開始。

不貞腐れた態度で荒っぽく取り付けされたので、丁寧にお願いしますと伝えるが言う事を聞かない。

挙句に「メーカーに連絡する必要ないんじゃないですかねぇ!!」とまた逆ギレ

サポートとの会話が終わったら終わったで悪態ばかりつくので

取り付けが終わって、帰る際に「今日作業会話内容保存してあるのでメーカーに送っておきます」と伝えて終了。

報復されそうだけど、悪業者は淘汰されるべきだと思うしやらないと改善できないと思ってるから、これは正解だと思ってる。


本当にね、街の電気屋派遣するやり方はやめてほしい。

態度は悪いし、取り扱いは乱暴だし、指示されたことはできないし。

メーカーから言われた事をやって帰るだけで金になるんだから、言われた事をやればいいんだよって思う。

ほんとムカつく電気屋だった。

2021-09-24

ジョニーデップ主演『MINAMATA-ミナマタ-』を観てきた

テーマは深刻なんだけど、ジョニーデップの持ち味の出た、面白い映画だった。


どうでもいいことだけど、昔からなぜか、

ジョニー・デップのことをしょっちゅうジョニーディップと言い間違えてきた。

これは、バングラデシュのことを、バングラディッシュと言い間違えるより恥ずかしいことだと思っている。

そのジョニーデップが写真家ユージン・スミスを演じる?というのが、

パイレーツオブカリビアンイメージがこびり付いた身には全く想像がつかない。

興味本位で観に行ったら、本人としか思えないユージン・スミスぶりに、おお、と感動してしまった(あったことはないけど)。

ユージン・スミスのことは、というと

この映画を見るまでほとんど何も知らなかったので、どういう背景があって、あの写真が生まれたのか、垣間見られてちょっと感銘を受けたりもした。

映画で描かれているユージン・スミスは、アル中で薬中。過去のいろいろで、メンタルをやられて写真家としてのモチベーションどん底にあった頃のユージン・スミスだ。

一方、フォトジャーナリズムを標ぼうしたものの、売上が上がらず、次第に、魂を売るかのような大衆迎合的な記事広告を載せ始めた、落ち目写真「ライフ」が背景として描かれている。

ピューリッツァ賞を夢見て起死回生を図るべく、次の目標に選んだテーマが、当時、世界のあちこち問題化し始めた公害だった。

当時、すでにMINAMATAの名は世界でも、

日本辺境の地で奇病だの猫踊り病だのと言われ、長い間、対応がなされず蓋をされ続けてきた公害として知られていた。

この映画は、写真家として再起を図るユージン・スミスと逆転ホームランを狙う写真誌が、水俣病に目を付けるところから始まる。

いやー、こういう不純な動機、構図。なかなか良いと思う。

水俣の記録ドキュメンタリは、これまでも土本典昭NHK、いくつかみたことがあったけれども、この目線はいままでなかった。

外国人制作するとこうなのか。

この映画の見どころはなんといっても、ユージン・スミス写真家として、親としての葛藤を描くジョニーデップの演技。

日本にきたものの、途中でやる気をなくして投げ出してしまい、大切なはずのカメラまで現地の少年にあげてしまうシーンとか。

ジョニーデップは、本当にクズっぽいシーンがよく似合う。

ただ、残念でならないのは、ロケ地

違和感があったのでググったら、なんと日本ではない。観終わったあとに読んだ町山智浩コメントによると、セルビア・モンテネグロなのだという。

どうりで、海のシーンが逆光でぼんやりしているものが多かったわけだ。

漁民も、漁民たちが扱う魚も、明らかに違和感ありまくりで、端的に貧相だった。違うだろ。。もっと豊かな海を描いてほしかった。

あと、土本作品へのリスペクト、というのもひそかに注目していたのだけど、

まあ特にないのかな、という印象だった。

映画のなかで、アコーディオン少年が出てきた。

過去記録映画を観ていれば、モデルが誰なのか、すぐにピンとくる。

ここはやはり、あれだろう、船頭小唄だろう、と思ったのだけど

アコーディオン少年交流するシーンはなかった。

そのかわり、ユージン・スミスなついて、カメラに興味を示し、撮って遊ぶ天真爛漫な少年が描かれている。

しかし、考えてみれば、船頭小唄なんぞ奏でようものなら、そのメッセージ性が強烈すぎて、

物語邪魔してしまうだろうから日本の観客向けにはむしろないほうがいい、ということかもしれない。






映画クライマックスは、水俣病歴史で欠かすことのできない、大きな事件であるチッソ株主総会

そこからの流れはとてもテンポがよく、裁判によりチッソ補償を決定するまでの激動の動きが、

ユージン・スミスもっとも有名な写真である、「入浴する智子と母」の撮影シーンを織り込んで進んでゆく。

國村隼演じるチッソ社長人間味があって、いい味を出していた。土本作品など過去のドキュメンタリ映画ではなかなか見ることのできなかった加害者視点被害者と向き合い補償決断するチッソ社長の描かれ方は映画ならではであり、圧巻と言わざるを得ない。

見事な演出だと思う。

NHKアーカイブスでも視聴できる有名なチッソ株主総会は、1970年

スミス乱闘に巻き込まれて負傷した事件は翌年の東京本社での事件なので史実とはちょっと違うが、

そのようなリミックスにさして大きな違和感はなかった。


映画は、1973年チッソ補償決断し、川本輝夫映画では真田広之演じるミツオ)が裁判での勝訴をかみしめるところで終わる。

その後の水俣病の動きはわずかにエンドロールで触れられているに過ぎない。


この映画は、ベースの設定が雑誌ライフの復活とユージン・スミスの再起というテーマを背負っていたため、

チッソ責任を認め、補償に応じる、という、ここで終わりになるのは、それはそれでエンタメ的な収まりどころ、なのかもしれない。


しかし、現実水俣病歴史は、ある意味、まさにこの裁判勝訴と、それに続くチッソ補償協定とを契機に、

チッソVS被害者団体という構図から経済優先で被害を黙認する行政VS被害者という構図に大きく変化してゆく。

この映画が第2幕の終わりだとすれば、第3幕はスーパーヒーロー不在の、果てしなき国との闘いだ。

チッソ社長が除去された水をコップで飲んで見せたことで有名な、有機水銀除去サーキュレーター

効果がないのを知りつつ黙認してきた通産省を筆頭に、高度経済成長を錦の御旗に被害に蓋をし続けてきた行政悪業が明らかにされてゆく。

最終的に国の規制権限行使しなかった責任最高裁で認められたのは、それから四半世紀後の2004年


さらに一方で、1973年被害者の勝訴判決は、チッソ患者への補償の契機となったものの、その補償協定のものが、地域社会の新たな分断の出発点ともなった。

補償をするためには、患者が症状によって定義される必要があるのは自明の理だが、補償協定の1600万円を受け取るに値する症状という形で定義・整理されてしまったのだ。

当然、要件を満たない被害者足切りが始まるわけだ。

そして、さらに、さらに、さら問題は複雑化する。

そこに絡んでくるのが厚生省と当時の環境庁だ。国の定める、公健法上の患者認定基準が、チッソ患者団体との補償協定要件に連動してしまったのだ。

どういうことかというと、国は広範囲患者認定を推進するため、公害健康被害補償法により水俣病被害者認定制度を創設したが、

そこで認定された被害者は、73年に本来は一部の患者団体と締結した補償協定適用を受けることが認められ、1600万円を受け取ることができるようになる、という仕組みだった。

しかし、1600万という高額の補償が、結果的に、チッソ補償能力を超え、被害者認定の足かせとなってしまう。取りこぼされた多くの被害者今日に至るまで苦しんでいる、というのが、

映画のその後の世界なのだ2004年最高裁被害者要件を国の認定基準より緩く認定した、にもかかわらず、だ。

そして国の重要産業である化学工業、そしてチッソ賠償破産を食い止めるため国や県が金融支援をし続ける、という構図がこの映画の後に待ち構えている世界だ。

国は当然、実態調査疫学調査消極的で、というか一度もなされたことがない。

その意味では、映画エンディングシーンである勝訴判決は、実は新たな闘いの出発点ともいえるのが水俣病歴史だ。


そのことを思い返しながら、映画の話に戻ると、この映画の残念なところは、以下の点。

風景日本でない、不知火海が見えない、漁民がいまひとつリアリティがない

写真家出版社、一部の被害者闘争リーダーという限られた構図で、実態解明に尽力した熊大や問題放置した行政が出てこない

・だから、なぜ原因企業が折れて補償に応じたのに問題解決しないかみえてこない→多分世界中の公害類似のことが起きているだろう。

エンドロールで見せている世界公害リアリティを与えるためにはやはり行政視点をどこかに織り込まなければならなかったのでは。

ただ、だからといってつまらない映画では決してなかったし、満足感は高かった。みようによっては、セルビア・モンテネグロにしちゃあ頑張って日本漁村を描いた、ともいえる。

ジョニーデップのクズっぽいキャラは最高に楽しめたし、撮影に至るまでの信頼関係の醸成など背景がみえたのは、この映画の見どころだ。

(追記

https://anond.hatelabo.jp/20210929124437

2021-07-21

anond:20210721111537

ナカソネとちがってスキャニングしても悪業が読み取れない密度だが

2021-07-16

anond:20210716125834

発狂してんだよ

結婚できないならしなくてもいいと周りが思うくらいの事情立ち位置固めとくのが普通大人なんだよ

そんなこともできねえで平日の昼間っからはてな屁理屈にすらなってない屁理屈捏ねてるとか

前世でどんな悪業積んだらそんな底辺に落ちぶれられんの?

前世キリスト裏切って引き渡したとか?

2021-04-30

弱者男性の女をあてがえ論って

なんの努力もしないでいるけどありのまま自分を認めて受け入れてほしい

って女さんに対して訴えてるんだよな

なんか、情けないね

可哀想っていうか

哀れ

前世でどういう悪業積んだらそんなんになれんの?

2021-04-25

繋がりにくいネットショップにお宅のサイト見えないですって連絡入れるのって迷惑

ずっと探してたものが売ってるネットショップを見つけた。他にも同じような商品があるみたいだから写真で見比べてから選んで買いたいんだけど、リンククリックしてもめちゃくちゃ重くて、ページが表示されるのに何分もかかる。

やっとこさ見れたページも不完全で、レイアウトが崩れてるし画像の代わりにWarningとかfilename cannot be emptyとか表示されてる。奇跡的に爆速で繋がる時もあるけど、やったーと思った次の瞬間また繋がりにくくなる。

一応別の回線デバイス確認したけど、全部結果は同じで繋がりにくい。

最近Webサイトでこんな経験滅多にないから戸惑ってるんだけど、こんなんで店に連絡して良いのかな。PC関係知識がなさすぎて、うまく説明できるかも分からないし言ったところでおま環って一蹴されて終わりかも。最悪業妨害とかクレーマーみたいに思われたら嫌だなーと思って半年以上直るのを心待ちにしてるんだけど、一向に改善される気配がない。

商品が定まってれば電話注文で一発なんだけど、偶然見れたページのものしか見てなくて、他にもいろいろありそうで電話注文に踏み切れずにいる。遠方の店なので直接見比べに行くこともできない。早く直ってほしい。

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