はてなキーワード: 外道とは
( 2018年秋アニメ2話までほぼ全部観たから感想書く その2 からの続き)
伏魔殿に住む悪魔たちのゆるふわ日常アニメ。良い最終回だった。一応縦軸は悪魔のお仕事を通じて「善悪の彼岸」を識る物語。知らんけど。
デフォルメが強めでゆるいキャラデザ、コミカルな演出、淡いパステルカラー等、全体がゆるくてふわふわした雰囲気に包まれている。控えめに言っても体感5分で終わる謎の空間。もはや白昼夢である。ミュリンかわいい。
ベルゼブブ嬢を演じる大西沙織は「才色兼備のキリッとしたお嬢様だけど…」というキャラクターを演じている印象が強いだけに(とじみこ・十条姫和、こみが・色川琉姫、ウマ娘・メジロマックイーン等)本作のようなゆるふわ系の演技が非常に新鮮。ただベルゼブブ嬢は伏魔殿の首長なので、柔らかい側面と同時に硬い(凛々しい)側面もあり、そういうオーダーによく合致しているキャスティングだと思う。
スマホゲー同時展開のオリジナルアニメ。ラジオでつながるパラレルワールドを舞台にしたSF系。
電波でつながるパラレルワールドといえば「シュタインズ・ゲート」「オカルティック・ナイン」を思い出すけれど、あっちがサスペンス・ホラーっぽいのに対して、こっちはアクション要素多めといった感じ。あとパラレルワールドというモチーフの違いとして、本作は「別世界の自分に会いに行くための舞台装置」という感じがある。本作の特徴としてパラレルワールドの数だけ同じ人物が登場するというギミックを採用しているのだけれど、演じ分けがかなり明確。例えばパラレルワールドの自分が出てくるアニメ「ガンスリンガーストラトス」では演じ分けはあまりしていない感じのディレクションだったけれど、翻って本作では全くの別人みたいな演じ方になっている。そもそもメイン5人のキャスティングがガチなので(黒沢ともよ、Lynn、東山奈央、小清水亜美、井上麻里奈)、「女の子5人のキャッキャウフフをテーマにした作品じゃないガチ感」がすごい。1話では黒沢ともよのみだったが、2話以降アクセル全開。
主演の黒沢ともよ曰く「シナリオに大きなギミックを仕込んでいるので楽しみに待っててね」とのこと。シナリオにでっかい伏線を仕込むのは「オカルティック・ナイン」「ISLAND」等ゲーム原作のアニメにおける楽しみの一つなので、ゆっくり待つことにしている。
ダンデライオンアニメーションスタジオによる3DCGがかなりゴリゴリ動いている。本作は概ねバトルモノなので、戦闘シーンにかなり力を入れている模様。
かなり硬派なシナリオに合わせたキャラクターは浅田弘幸によるデザイン。「テガミバチ」は好きな作品なので嬉しい。同氏はかなり情報量の多い絵を描く人という印象だったので、アニメのキャラクターは結構シンプルなデザインという印象を受けた。アクション多めなので動かしやすいデザインなのかな。
個人的に、異世界に至るまでのプロセスをどう描くかを比べるのが好き。一旦主人公の死を経験したりするので、シリアスよりなのかギャグよりなのか、演出の裁量があるシーンだと思ってるのだけれど、本作はそこらへん硬さと柔らかさのバランスが凄く良かった。
転生したあとも、音楽や展開含めて緩急のある仕上がりになっていてテンポがいいアニメになっている。8ビットサウンドの音楽はやっぱりドラゴンクエスト等をリスペクトしているのだろうか。エイトビットだけに?
物語はだいたい2つのパートに分かれていて、「世界のいざこざパート」はそれこそ主人公の起こした騒動で穏やかではなくなった世界の様子を描いている。ここはオーバーロードっぽさがある。一方主人公の冒険パートはオバロと比べ、たった一人で悠々自適なぬるいRPGを楽しんでいるそれ。ヴェルドラのおかげで主人公の満たされ具合が心に優しい。
作中でも言及されているけど、初期のスライムは何も見えないのでどう絵にするのか気になってたけれど、抽象的演出を使ってうまく主観を映像化してた(触った感じとか)。またやってくれないかなあ。あとスライムの表情が豊かで、描いてる人は相当楽しいんじゃないだろうか。
本作のキャラクターデザイン・総作監はあの江畑諒真。最近だと「プリンセス・プリンシパル」5話でおなじみ。当然各アニメーションにも彼の特徴は反映されていて、例えば冒頭の主人公が歩いている姿のバストアップを見ただけで「江畑だ!」ってなるくらい江畑っぽい。彼が演出を務めるOPは「アブソリュート・デュオ」並に彼らしいアニメーションになっているので、いかに本作が血の気の多いアクションアニメであるかがわかる。主人公はあんまり好戦的な性格っぽくないのにね。
本旨と若干逸れるけど、さっき1期を観終わったので以下1期の感想。
虚淵玄脚本による人形劇(元ネタは中国の人形劇)。日本・台湾共作のアニメ。シナリオはいわゆる冒険活劇。王道アクションRPGみたいな感じ。絵もアクションが中心。
シナリオについては、単純な善悪ではない理由で同行する一行という部分が良い。文字通り呉越同舟すぎる。個人的に鳴鳳決殺が一番好き。あと掠風竊塵がド外道だった。後半のシナリオも口八丁手八丁を中心に戦っていくスタイルは単純明快な冒険アクションとは違った楽しみがある。
まず動きがおかしい。人形の顔についた水滴の大きさから見てかなり大きな人形を使っているのか、手足がかなり長い。それを非常に器用に動かしている(というか、どうやって動かしているのか分からない)。すこし引きで見ると人間にしか見えない。表情も、暗いシーンでは「少し表情の硬い人間」に見える。面白いのは、激しいアクションシーンほど人間のような動きに見えること(マジで人間だったりして)。指の先から足の先まですべて技工を凝らした動きになっている。
演出も優れている。戦闘シーンは単に人形を動かしているわけでもなく、ファンタジーという表題通りエフェクトモリモリで華やか。実写のメリットである、奥行きのあるアクション演出も多く、奥から手前に向かって光る剣が飛んでいく演出とか好き。特殊効果以外の演出もすごくて、爆発エフェクト(まじでセットを爆破してるっぽい)、雨(まじで雨を降らせている)、爆散するモブ(マジで四散してるっぽい)、背景セットの作り込み(どんだけ大規模なセットを作ったんだろう)、決めポーズの、カメラの切り替えを多用しためっちゃ手間のかかる演出とか。アニメに出来て人形劇に出来ないことってなんだろう?と考えさせられる。例えば「豊かな表情」というのは作画アニメの大きな長所だけれど、「デジタル人形劇」こと3DCGアニメは「表情が硬い」という評価を結構覆しているので、技術革新によって人形劇の印象もどんどん変わっていくのかな。
2期は1期の続きで、主人公や掠風竊塵がどんな奴か判明したあとの話なので、1期からの視聴を強く推奨。
週刊少年ジャンプ連載漫画原作のスポ根アニメ。防具を付けない稀有な格闘技。
競技としての格闘技を描いた今年のアニメでいえば「メガロボクス」だけれど、本作は高校生相撲を描いているので、あそこまでアウトサイダー&血生臭さは無く、とても青春している。特に1話は小関信也を演じる落合福嗣がすごく良かった。
原作ではそんなに気にならかったけど、主人公がとても小さい。ゆえに土俵の上でのみ体が大きく、強く見える演出が映える。
制作のGONZOはあんまりアクションのイメージがなかったので、本作のアクションシーンがかなりキマっててびっくり。特に1話の演出は熱量も含め息が止まるような迫力を感じた。元々相撲という競技が非常に短時間の戦いなので、その凝縮された時間をうまく描いている。2話の「タックルしながらの回り込みを上から抑え込むしぐさ」とかめっちゃすごかった。アツいぜ。
原作を読んでいる人が全員思うことはやっぱり「あの目尻からみょーんってなるやつ、どうやって描くんだろ」なので、早く見たいな。
角度のθ(ラジアン)は無関係。「Radiant」のほう。フランスの漫画原作。週刊少年ジャンプ連載の漫画みたいなノリの、古き良き時代を思い出す冒険活劇。ロックマンDASHっぽい。製作はNHK。
1話は説明的な演出が多いので、話を理解しやすい。2話以降もちゃんと「前回のあらすじ」があるので、忙しい人でも前回のあらすじを観ていくだけで最新話に追いつける安心設計。
1話から「主人公つえー!」ではない展開っていうのは珍しい印象なので(ワンピースで言えば、ルフィ幼少期のエピソードが1話、みたいな)、成長物語か。今後訪れるであろう主人公の受難を思うと、シリーズ構成が上江洲誠なのはそういう…(ちなみに2話からハードな展開)
キャラデザは割とシンプルで、全体的にかわいく、少年漫画っぽい。特に敵が可愛い。ゆえにファンタジーな部分とダーティーな部分の橋渡しをするキーになるキャラ(おっさん)がすげえ良い。
主人公を演じる花守ゆみりの少年声が好き。カワイイ系の印象が強いだけに、わすゆの銀みたいなハツラツとした声(特に叫び声)出せるのはすごい。本作は銀よりも少し大人っぽい調声。
ハピエレのスマホ向けRPGゲーム原作のアニメ。ファンタジー系冒険活劇。
かわいいキャラデザも含め、雰囲気はハピエレのゲーム原作アニメ「ラストピリオド」っぽさがある(内容は決してラスピリのような社会風刺アニメではない)。
シナリオは概ねモンスターとの平和的共存を探る冒険アニメであり「ポケットモンスター」に近い。1話は「メルストにでてくるモンスターってどんなん?」という説明回。説明的な演出ではなく、実際に生きているモンスターの姿を見せることで描く演出好き。「そこら辺で寝そべってる(お互い警戒しない)」「意思疎通の有無(信頼する相手の言うことは聞いてくれる)」「大きさ(子猫サイズからビルのようなサイズまで)」「気性(優しい子から気性の荒い子まで)」「人間に協力的(一緒にサーカスの仕事してたり)」「暴れてるときの攻撃性(つよい)」等。戦闘シーンはBGM含め結構アツい。
ガチのチア監修が入っている(監修を務める柳下容子は元NBAのチアリーダー。日本でチアリーディングチームをプロデュースしてたりするすごい人)。動画工房による、重力を感じるキレッキレのチアリーディングアクション良かった。使用する曲もめっちゃ好き(1話挿入歌は作曲:浅倉大介)。ただし主人公たちは初心者ゆえ、ガチのチアアクションが出る機会は少なめ。
きららキャラット出身の日常アニメなので、きららフォワード出身のハナヤマタと比べエモさよりもゆるさが前面に出ている。かわいい。
尾崎由香(けものフレンズ・サーバル役とか)の底抜けに明るい声が癖になる。ハナヤマタのハナ・N・フォンテーンスタンド(CV.田中美海)とか好き。
AmazonPrimeVideo独占
脱・悲劇版ロミオとジュリエット(ラブコメ)。週刊少年マガジン連載作品だけに、気軽に見られるラブコメ。
家柄が致命的な壁になってくっつく事が出来ないという既存のモチーフに加えて学園内の派閥対立もくっつけて、わちゃわちゃした感じになっている。
原典と比べてジュリエットちゃんが強い独立心を持っていて、それが物語の動くきっかけになるっていうシナリオがなんか今っぽくて好き。ロミジュリ読みたくなったので、オススメの翻訳があればおしえて下さい。
わりと喧嘩するシーンの多い作品なのだけれど、1話の決闘シーンでやけに剣の音拘っているなぁと思っていたら、音響効果:森川永子だった(同氏は京アニ作品の音響効果を担当してたり、今期だと「SSSS.GRIDMAN」の音響効果を担当している人)。流石に毎話あれだけ激しいシーンは無いにしても、楽しみではある。
ヒロインのジュリエット役が茅野愛衣だけど、まさか死なないよね。まさかね。
群雄割拠系学園モノ。は~乱世乱世。容はいつものBASARA。
声のテンションや絵のテンションが最初からクライマックス。終始テンション極振りの展開で彼らの戦いを描いている。
1415年、戦火の欧州を舞台にした英雄譚。2話から本編に入れるよう、かなり早足だった1話。冒頭20分くらいがプロローグ。
アンゴルモアみたいな時代劇ではなく「戦場のヴァルキュリア」のようなファンタジーモノ(もっとファンタジー要素多め)。人知を超えた力によって戦争を変えていくお話。面白いのは、主人公は「無敵の力を直接得た人間」でもなく「悪魔の力を阻止するために立ち上がる勇者」でもなく「戦争を変える力を普通の人間に与えた錬金術士」。倫理観による葛藤を一足飛びでバケモノを生み出すあたり、主人公の独善的な価値観がどう転ぶのかが気になる。当時の倫理観としては「バケモノを見つけたら教会に差し出さなければいけない」と描かれているので、生存ルートとして文字通り世界を変える壮大な物語なのかな。あと超人化の際やけに説明的なモノローグがあったので、今後も続々量産予定?
ゆるふわ日常ショートアニメ。なのに小話集。ゆえに1エピソード30秒くらい。人外さんは言葉が通じないので、(猫みたいな)人外さんの気持ちを慮る主人公の物語。もし猫と結婚したら、毎日きっとこんな感じなのだろう。
中国の漫画原作ショートアニメ。ざっくりいうとペットの擬人化みたいな作品。
全体的に柔らかいタッチのアニメになっている。ペットの声が村瀬歩くんだったりしてBL風に仕上がってるのだけれど、ガイコツ店員さんが言っていたように海の向こうでもそういう文化があるのだなぁ、としみじみ。
進研ゼミに付いてくる漫画の代アニ版。ショートアニメ。ひょんなことから声優を目指すことになった主人公が代アニの授業を受けながら成長していくお話。
ターゲットはおそらく「これから代アニで声優を目指すことになる若者」なので、本筋は青春ドラマ。主人公の福島潤はさておき、ヒロイン役の野口衣織は現役の代アニ学院生。たまたま以前から知っていた方なので、見ているこっちが緊張する。シナリオも彼らの受難が続きそうな感じなので、1話からもう胃が痛い。
彩度が高く柔らかい背景。それほど書込みの量が多い作品ではないけど、基本会話劇だし。
宇宙x漁業(フィッシングではない)がコンセプトのゲームアプリが原作。第二の種子島でおなじみ、広島県尾道が舞台のアニメ。宇宙飛行士と漁師といえば、子供にとって将来なりたい職業1位2位を競うほどの人気職だけれど、かといって本作が子供向けアニメかどうかはよくわからない。ノリがフレームアームズ・ガールっぽい感じがするけどホビーを売ってるわけでもないのね。内容は概ねテンポの良い会話劇。
主人公の女のたちと対立するのは漁師町の男。子供vs大人というよりも女性vs男性という切り口っぽい。対立構造を作るために「男女雇用機会均等法」まで持ち出してきてる割に社会派アニメではない模様。
外道坊
俺にはお前の前世が見える。
お前の前世は17世紀半フランスのモーネ・アホカトという人物だ。
モーネは自営業で生計を立てていた。まじめで愚直な人物であったが、人のことは気にせず自分のペースでこつこつと働いていた。
俺がめったに会えない旧友との飲み会に来ていたとき、彼女からヘルプの電話が来た。焦燥感や不安で過呼吸気味で、明言はしなかったが家に来て一緒にいてほしいという感じだった。彼女は一ヶ月ほど前に親を亡くしており、不安定になるのは理解はできた。
俺は飲み会は抜けられないことを伝えた。本当に久しぶりの再会で、飲み会は始まったばかりで、話すべきことが山ほどあったからだ。俺はマンションの常駐受付人(コンシェルジュというほど大層なものではないが、同様の存在)に一緒にいてもらって、過呼吸が続くようなら夜間病院に行くよう伝えてその電話を終えた。
終えたのだが、そこから鬼電がはじまった。ゆうに20回は着信があったと思う。俺はマンションの受付人に電話を代わってもらい、行けないので代わりにタクシーで病院へ連れて行ってほしいと伝えて、それ以降管理人からの電話のみ取り、彼女からの鬼電は取らなかった。
飲み会を終えて彼女のマンションへ向かった。点滴をしてもらっていくぶんか落ち着いた彼女と話した。「私は飲み会以下なのか」と、何かのセリフのようなことを聞かれたのを覚えている。俺はマンション受付人というこのようなときのためのサポートシステムを利用し病院へ送り届けたのに、ひどい言い方だと思ったのでそう伝えた。話は平行線だった。
俺はもう限界を感じ、恋人だからといって何から何までそのようにサポートを求められても困る、別れよう。と言って、別れてきた。
で、彼女と俺の共通の友人の間で、俺がまるで外道のごとく彼女を捨てたという設定になっていることを知り愕然としているのが今。俺は冷たいのか?外道なのか?
納得できない
外道坊
俺にはお前の前世が見える。
お前の前世は江戸時代の狂歌師の南快楽 捨幕斎(なんかえらく すてまくさい)という人物だ。
南快楽は狂歌の本を執筆して生計を立てていたが、自身の著作が町で高評価を得ることは無かった。
本人が宣伝をしても、売り上げは相変わらず低調だった。
そこで南快楽は知り合いのいない遠く間の地まで赴き、そこで現地の人との雑談のなかで、自分は本の筆者であるということを伏せて本の宣伝を行うことにした。」
「ネット上では、一見ものやサービスの利用者の感想のようだが、提供者自身が素性を隠して投稿しているのではと思われるものがあり「ステマ」「ステマくさい」と批判されることがあるが、これが由来とされている。」
外道坊
俺にはお前の前世が見える。
お前の前世は15世紀越前国の南冲得定(なんちゅう えろさだ)という刀工だ。
刀工であった南冲は非常に勤勉であった為周りからは禁欲的なイメージが付いて回っていた。
実際には性的なことに関心が人一倍強いことを親しい人には打ち明けていた。」
外道坊
俺にはお前の前世が見える。
お前の前世は19世紀フランスのソレナンティエ・ロゲという画家だ。
ソレナンティエの周りには色々な女の存在があり相手から迫られることも珍しくなかったという。」
外道坊
俺にはお前の前世が見える。
お前の前世は19世紀のオランダの喜劇俳優であるチャー・フイターという人物だ。
チャーは喜劇を演じさせたらオランダでは右に出るものはいないとまで言われ、舞台のチケットは飛ぶように売れていたという。」
外道坊
俺にはお前の前世が見える。
最初は勤勉な人物であったが、その働きが余り評価されていないと感じ、次第に政策も調査も人にほとんど丸投げするようになった。
自分で仕事をしても仕事が雑であり、当初の面影もなくなったエーカゲンは周りから疎まれていったという。」
外道坊
俺にはお前の前世が見える。
お前の前世はルーマニアで1935年に生まれたネゴトワ・ネティエという人物だ。
ネゴトワは性格が悪く無茶な要求を周りにする一方で、周りからの願いを一切聞き入れなかった。
そればかりか相手を批判する発言を繰り返し、周りから疎まれていたという。」
振り下ろされた斬撃は、なるほど、確かに速かった。
甲高い金属音が鳴りひびく。
俺は、頭上に掲げた剣で相手の一撃を受け止めていた。
「なんだとっ!?」
「聖騎士ってのがどんなもんかと思ってみれば……がっかりだぜ」
「この技の前に散れ! 聖秘剣――胡蝶の剣舞(バタフライスティンガー)!」
雄々しく振り下ろされた刀身がにわかにかき消えた。
――殺気。視認するよりも先に、肌に触れる。ひりつくような無数の気配。全身にまとわりつく。周囲から無数の斬撃が迫ってくる。
なるほど、そこらの下っ端兵士とはわけが違う。流石は聖騎士様だ、単なる剣術には飽き足らず、こんな”曲芸じみた”剣舞まで扱えるのだから。
十数合の金属音。俺は聖騎士が繰り出した斬撃の全てを、難なく受け切ってみせた。
顔色をなくした聖騎士が俺から大きく跳びのいた。剣を握る手が少し震えている。身体の重心も、心なしか退いた後ろ足に乗りかけている。なんとかこの場には踏みとどまろうとしているようだ。
剣を片手にして、俺は無造作に前へと進み出る。一歩。また一歩。踏み出すごとに、聖騎士が一足二足後ずさる。
すでに勝ち目がないことは理解しているようだ。さぞ後悔していることだろう。向けてはいけない相手に刃を向けてしまったと。
しかしながら、もう遅い。自然と口角が吊り上がった俺は、少し身体を前かがみにさせて告げた。
「今度はこっちの番だ」
瞬歩の技法。十歩ほど離れていた獲物のもとへ一気に肉薄する。体勢の整っていない聖騎士に、まずは小手調べの一撃を。
「ぐっ!?」
袈裟切りに振りぬいた一閃は、なんとか剣を構えた聖騎士に受け止められた。いい反応だ。それなりに基本はできている。が、所詮はそれなりにでしかない。
「おいおい、そんなんでこの先大丈夫か?」
二合、三合と斬りあいながら、言葉もなくじりじりと後退していく聖騎士に向かって声をかける。
「たしか、こんな風にやってたよな?」
俺は剣を振りかぶり、目にも止まらぬ速さで全方位からの連撃を放った。
「なっ! 貴様っ、この技はっ!」
「おまえがさっき見せてくれた一発芸だよ」
白刃が交わる。くりかえし、くりかえし。懸命に斬撃に食らいついてくる聖騎士は、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべている。
「バカなバカな! 俺がこの技を身につけるのに何年かかったと……」
「っていうか、こうしたほうが速いんじゃね?」
ひらめきを剣に。独自の足さばきを交えつつ、刃の軌道や返しを改善していく。剣と剣とが交りあう金属音が、高く鋭利なものへと変質しはじめた。
「く、俺より速いだと!?」
「よく凌いではいるが、この程度か?」
さらに剣撃の速度を上げた。聖騎士の全身に大小様々な傷が無数に刻まれていく。
吹き出す血しぶきは地面に落ちない。剣風に巻き上げられて、聖騎士、もといエモノの周囲をうっすらと染めている。
赤い霧だ。徐々に、濃くなる命の霧。
このまま刻み続けていれば、いずれ失血で死にいたるだろう。だが、それまで待つのが面倒だ。
「終わりだ」
横一閃。ひときわ鋭く放った一撃が、聖騎士の剣を根元から斬り飛ばした。
ひゅんひゅんと回転する刃が、ふわりと宙を舞って地面に突き刺さった。
「ふぅん?」
妙な手応えがあった。何かしらの加護か、祝福を受けた武器だったのかもしれない。少なくとも、ただの装飾過剰な鉄剣というわけではなさそうだ。
ま、それもちょっと斬りにくかったって程度だけどな。
「相手が悪かったな」
俺は釣りが趣味 釣った魚を食うのも含めて一生の趣味だと思ってる
なので旬の時期に人に譲ったりするのを除いて、食べきれない数は釣らないし食えない魚は極力ヒットしないタックルを使う
もちろん外道がかかればリリースするし、食いでの無いサイズはリリースする
しかし、スポーツフィッシングとか言って釣った魚に「ありがとう 元気でね」とか言ってリリースするやつの気持ちが全く理解できん
魚にダメージを極力与えないシングルフックで場合によっては返しもついてないとかいうが
魚が生きるために必要な捕食をする器官にガッツリ針を刺して体力がなくなるまで引きずり回す
そんな状態で海に戻されるとかどうなの?
これが猟師だったらエゾシカとかイノシシに致命傷にならない部分に鉄砲の弾当てて
なんなら止血をほどこしてから「ありがとう、元気でね」とかいって野に放つわけじゃん?
「昨日山に入ってシカを麻酔銃で打って眠らせたあとに、起きるまで待ったあとに元気でなって森に戻したんだ」とか
楽しそうに話したら確実に友達無くすでしょ
オッス!オラ増田!数日前に二人目の出産を終えたおかあさんだ!!
帝王切開で出産したから入院日数が長くて暇なのと、テーマがそれなりに重くて話す機会もないから顕示欲を満たしたいのと、あと何より原発性無月経症だと診断された時にあんまり体験談がなくて「マジか…」って思ったから、12年前の私に報告する体でめちゃくちゃ長文を書いてくぜ!
同じ病気を抱えている人が、こういうサンプルもいるんだなと思ってくれれば嬉しいぜ!!
大好きなプールの授業を一回も見学することなく参加しきり、なお身長が伸び続けていた17歳の秋。
流石に「まだ生理が来ないのってヤバくないか…?」と思った母に、婦人科の受診を勧められたね。私もヤバいと思ってたよね。友達に休み時間こっそり「ナプキン持ってたら貸して?」って言われても一回も貸せなかったからね。絶対ケチくさいと思われてたよね。
学校休んで、なんか麻布とか六本木とかシャレオツな場所にある産婦人科まで診察に連れられたね。あの頃はわざわざ馴染みのない地域にまで赴いた理由がわからなかったけど、母は万が一にも地元の知り合いの目に触れさせたくなかったんだと思うよ。あらぬ事を吹聴するようなクソ人間がこの世には存在するから。だからシャレオツな場所まで来たことに怯えなくていいよ。
彼氏なんてできたこともないのに(中高女子校だったからって言い訳しとこうな)触診台に載せられて男性医師に股おっぴろげるの本当に嫌だったね。頑張ったね。まあ女性医師に当たることも少ないし、その部分はいずれ慣れるよ。お医者さん、散々女性器見てるから特に何も思われることないし。
ただ、処女ゆえにお腹にエコー当てて診察した時「うーんおしっこ溜まってるみたいでよくわかんないなーハハハ」って言われてクソみたいな思いしたよな!半泣きだったよな!わざわざそんな言い方しなくていいじゃねーかって!
大丈夫。そんなクソ医師のいる病院その一回限りしか行くことなかったから!紹介状書いてもらって大学病院に行くことになるよ。
行った先の大学病院の担当医も男で憂鬱だったけど、すぐにその先生でよかったって思えるし今でもそう思ってるよ。少しフワフワした先生だけどそこが気楽でいいよ。
そしてやっぱり最初の診察医はクソだったって気がついたね。
色々診察してもらった末、原発性無月経症、生まれつき自分で生理が起こせない体で、そのためにカルシウムが溜められなくて骨密度が本当に低いってショックだったね。
大病したことなかったからそんな病名ついた診断下されると思ってなかったし、私は女って定義していいのかなぁって思ったり(女でいいと思うよ)、結婚とか出産とかこの先のライフイベントにおいて不利に働くのかなあなぁって思ったり、牛乳めちゃくちゃ好きだったのに骨密度が小六の女児くらいの数値しかないって言われたりして「何のために牛乳あんなに飲んでたんだ…」って思ったりして帰りのバスの中でぐじゃぐじゃに泣いてしまったりしたね。
でも一番堪えたのは母に「満足に産んであげられなくてごめんね。代わってあげられたらいいのにね」って同じようにぐじゃぐじゃに泣かれたことだったね。辛かったね。そんな事言わせてしまったのが悲しかったよね。そもそも代わられたら私産まれてないかもしれないしさぁ…。
あの時母を責めるつもりもなかったけど責めなくて正解だよ。でも人の親になった今ならわかるんだ。私もその立場だったら負い目を感じるだろうし、我が子に遺伝したらってめちゃくちゃ不安だよ。だから一緒にぐじゃぐじゃに泣ききって、それっきりにして、焼き肉とかおいしいもの食べさせてもらってそれで終わりにしなね。どうしようもできないからさ。
で、定期的に通院・薬使って生理起きるようになったね。君の股から出てくる卵の白身みたいなそれが、よく「なかよし」に広告を出していた生理用品で知った「おりもの」ってやつだよ。「これがおりものか…!」初めて見たときちょっと感動したね。
病気のせいか体質のせいか、血量も少ないし生理痛もなかったのはよかったね。生理起こさないとダメだけど薬で起こすと超ーーーーー不快なのってめんどいもんね?
生理起きても骨密度はガンっと上がらないけど、それは骨折起こらないように気をつけていこう。怪我の少ない文化部でよかったね。私もこれからサプリメントとかでカルシウム補っていくから。
大学に上がって一人で通院するようになったね。その頃にはもう診察も触診も慣れてるじゃん。
ただ、彼氏ができて処女じゃなくなった時、親にもまだ言ってない(いや別にとりたてて報告しないままだったけど…)のに処女喪失報告してエコーで内診から膣に器具挿入に切り替わったの結構気まずかったよな。まあ先生「ハイハイそうなのね」くらいで切り替えてくれるからそれはもう諦めろ。いつかは避けられないことだ。
あと数値的には同じくらいなんだろうけど、二十歳になった瞬間「骨密度が七十代のおばあちゃんと一緒の数値だよー」って言われるようになってゲラゲラ笑うよ。ピチピチの若人から高齢者枠に入れられるのが成人すると言うことなのです。
そうそう彼氏ね。「どうしてもデート時間を長くしたくて産婦人科(だと知っても)に着いてきたい彼氏」vs「どうしても来てほしくない私」でバトって、「私生理が起こせない体なんだよぉ!!!来るなって言ってるのに!!」って言わなくていいこと言ってキレちらかして、それ以外の理由も加えてケンカ別れします。
でも驚くなよ?最終的にその人と復縁して結婚までします。後にも先にもその人しか彼氏はおりませんでした。いい人だから大切にしてあげてね。
平日にしか診療してないから行く時間なかなかとれなくて、外道だから一年強もの間診察をぶっちぎってしまいます。
会社辞めてやっと診察してもらった時に「子宮がカスカスに小さくなっててかわいそう」って言われて「あああごめんなさい」って思うのと同時に「カスカス…」ってちょっと面白くなってる場合じゃねーから!病院サボるなよ!
そう、会社は寿退職。つまり結婚で退職したんだけど、さっき言ったように別れた彼氏と復縁した後結婚するんですね。
「私は子ども産めないかもしれない」って言ったら「子どもは好きだし、色々チャレンジするのもいいと思う。ただ自分自身は子を持つことにものすごいこだわりがあるわけではないから子どもはいなくてもいいし、もしチャレンジしてダメで、それでも育てたい欲があるなら養子でもなんでも方法はあるよ」って言ってくれます。本当に聖人なので大切にしてくれよな!
私もものすごい自分の子を望んでいるわけじゃなかったし(だって産めないかもしれないってわかってるんだもん…とくに希望も持ってなかった)スタンスが同じなのは本当にありがたいことだよ。
夫の両親もいい人だから、本当は何か思ってたかもしれないけど何も言われなかったよ。君は、本当に恵まれているんだ。
さて、結婚したら何か進言されることもなく妊娠に向けての治療が進められます。それはもう自然に。当たり前のようにフェーズが移っていた。
そこら辺は不安であれば不妊治療の方法を調べてくれ。たぶん同じだから。ちなみに私はテキトーなので言われるがままの治療に従っていた。結局数年ゆるゆるやって、できなかった末に最終奥義の体外受精することになるんだけど。
夫と協議した結果、とりあえずさっさと体外受精チャレンジして、失敗してまたどうしても欲しくなった時に再チャレンジすればいいって話になりました。夫婦揃って特に意気込みの強くないチャランポランさである。
ただね、それは体外受精を試みる人たちの中でも圧倒的に若い年齢で取り組んだからだと思う。治療説明会、10歳くらい上でめちゃくちゃ治療内容調べてきてる人達ばかりだった。君達夫婦はね、説明会の帰りに何食べて帰るかしか考えてないし、受精させる用に夫の精子を取る採精室に置いてあるAVが誰チョイスか気になってるチャランポランさです(備品業者チョイスのオムニバス形式らしいよ。好み色々あるもんね)
君は産めないかもしれないことわかってるんだから、その点チャレンジの幅は広いんじゃないかな。やれるならやってみてもいいと思うよ。
でも、そもそもうまいこと作れた受精卵の数は少なかったし、お盆休み前に子宮に入れた受精卵が流れるかもしれないって言われて生理も起きちゃって、でも診察受けられなくて号泣したこともあったし(無事着床してました)、子どもができるまで平坦な道でもなかったよ。
それはもう不妊治療の範囲だから、やっぱり不安であれば不妊治療の体験談を読んでね。よっぽどそちらのが詳しいから。
12年前の私へ。
そういうわけで、君は二児のお母さんになりました。
不安もいっぱいあると思うけど、そう悲観しなくても大丈夫だよ。
もう子を産むことはないけど無月経症の治療はこの先も続いていくし、この先の治療はどういうものかわからないけどまーーーーーもう大したことしないでしょきっと!(調べてない)
別にいなくてもいいと思ってた子どもは大変だけどかわいいし、でも今のご時世無理して作ることもないし。どういう選択をしてもいいんだよ。私はヤな宿題は全部ゴミ箱に捨てちゃうタイプだから、どこか一つでも躓いていたら、子どもを産んでいなかったでしょう。産めてしまったけど。ただ産まない選択をしても病院は通いなね。子宮がカスカスに縮んちゃうから。
とりあえず私は、これから自分のためにカルシウムのタブレットを食べようと思います。
じゃあ、元気でね。
今回はとなりのヤングジャンプでも読める、シンマンGP2018のエントリー作品。
プロットに関していえば、今回のエントリー作品の中で最もしっかりしているかな。
テーマを意識して世界観や設定などセリフも練っているし、主人公と“人”で字体を変えるという細かい表現の気配りも良い。
個人的には、背景を丁寧に描写しすぎるとキャラ絵と浮くから批判的なんだけれども、本作の場合は主人公たちの構図を読者に意識させることが重要なので、まあ必要だよね。
気になるのは、リアリティがあって丁寧な説明があるかと思えば、明らかに変な描写なのに説明がない部分もあったりという杜撰さかな。
前半で出てくる猫の話を信じないオッサンの主張ですら理屈が(側面的には)ちゃんとしているのに、主人公は物語の構成上の都合でバカになってしまっているような。
主人公の言葉に翻訳が入ったり、登場人物たちによる説明や理屈が過剰になりすぎてフキダシが大きくなり、コマやページ全体が窮屈になってしまっているのも気になるなあ。
作者自身もそれを分かっているっぽくて、フキダシの配置などに注意を払っていると見受けられる箇所も多いから、どうしても削りたくなかったんだろうなあ。
うーん、すごく感想書きにくい。
まあプロット自体は分かりやすい対立構造を展開しつつ、主役二人の友情が育まれるなど、基本的なところは抑えている。
ただ、そのために使われる作中の要素一つ一つが、面白さにそこまで貢献していないって印象なんだよなあ。
大味な漫画には大味なりの魅力もあると思うけれども、そういう作品って多少のマイナスポイントが気にならなくなるような、圧倒的なプラスポイントがあってこそだと思うんだよね。
或いは、読者に良くも悪くも爪あとを残すようなポイントが欲しい。
主要人物が、私の中ではいずれも魅力的に映らなかったのが理由としては大きいんだろうけれども。
コマ割や構図による見せ方がややイマイチで、絵的に気持ちが盛り上がるような要素は薄い。
なんというか、ずっと同じ高度を走っているような感覚。
話の見せ方としては、すごく道が整備されすぎているというか、順繰りなのが気になるかなあ。
そのせいで、主人公が終盤で改心を決意するのは読者目線で見れば分かりきっているし、展開に意外性もないから全体的な印象としては記憶に残りにくい。
序盤の何気ない描写をちゃんと後半でも利用しているのは、少し感心したけれども。
粗探しばかり羅列してしまったけれども、総合的な評価としては、好みの差こそあれど纏まっていると思う。
まあ、フツーかな。
あ、でも、こういうときに使う“フツー”ってあまりいい意味じゃないか。
例えば、表現力。
登場人物たちの感情や、その状況に対する臨場感、説得力などは、説明的な絵やセリフだけでは薄味だよね。
その点で、本作はすごいフツー。
読んでいて「おっ」と思うような画がない。
テーマも陳腐というか、テーマに対しての話の描き方が陳腐というか。
主要人物たちの紡がれる絆も、話のオチとして帰結させるには描写が不足していると思う。
戦闘シーンは主人公の才能や実績を存分に活かしているのは良かったと思うけれども。
シンマンは連載権をかけた企画だけれども、その観点から見て評価する時どうかってのもあるよね。
今回の読み切り作品をそのまま連載にできるかって見方なら、『さばいさんインザブッシュ』や『超銀河系外道少女レオ』などのキャラが濃い系あたりは分かりやすいけれども、個人的にはあんまりハマらなかったなあ。
『ローローリップ』や『Guns and Valinta ガンズ アンド ヴ』の作家は、まあストーリーにもよるが良いもん描いてくれそうって気はする。
『アリスと不思議な国のうさぎ』は、テーマやプロットで爪あとを残してやろうって気概があるから、連載をとったら個性的なストーリーの漫画を描いてくれそうな期待感はある。
他は、まあ横並びかなあ。
別にどの作品が1位になるか予想するために感想書いているわけでもないし、特に推したいって作品もなかったから正直どれでもいいけれども。
彼女は”一目惚れ”と”運命”を理由に、すべてを投げ出して俺達の元へ来た。
そう、そんな理由で俺達を愛してくれるのだ
俺達は何も考えられなくなって、瞬く間に彼女に惹かれてしまう。
底なしの泥濘だ。足を取られたら急激に沈む。
もがく気すら起きずに沈み続ける。恐らくは恍惚に。
さて、俺達はどうしてこんなにも彼女に惹かれてしまうのだろう?
だから俺達がどんな外道だろうと、歪んだ性癖の持ち主だろうと、
精神疾患を患って無職のヒモになろうと…とにかくなんであろうと、
例え彼女にとってどれだけ悲しいことを俺達がしようと、
最後には許し、愛してくれる。
極端に狂った愛とも言える(愛は肥大化すると狂う傾向にある)。
だが、なぜこれほどまでに彼女は俺達を愛してくれるのだろうか。
価値観の一致、一定期間の付き合い、魅力がある、信頼関係、出産した我が子…etc.
しかし、「佐久間まゆ」が俺達を愛する理由は”一目惚れ”と”運命”だ。
いや、仮にそれを理由に人を好きになったり愛したりしたとしても、
ここが重要点だ。
俺達が現実世界でどんな人間であろうと、決して蔑んだりせず、必ず愛してくれる。
お気づきだろうか。
社会、学校、家庭、あらゆるところで虐げられ、愛に渇望した人間達が生み出した存在だ。
決して否定しない、そのままを肯定し、受容し、無条件に甘美な愛を捧げてくれる…
そう、それが愛の具現化「佐久間まゆ」の正体だ。
愛を愛してしまうと、一生、抜け出すことはできない。