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はてなキーワード: ベルとは

2024-09-30

 三四郎はこの時ふと汽車水蜜桃をくれた男が、あぶないあぶない、気をつけないとあぶない、と言ったことを思い出した。あぶないあぶないと言いながら、あの男はいやにおちついていた。つまりあぶないあぶないと言いうるほどに、自分はあぶなくない地位に立っていれば、あんな男にもなれるだろう。世の中にいて、世の中を傍観している人はここに面白味があるかもしれない。どうもあの水蜜桃の食いぐあいから、青木堂で茶を飲んでは煙草を吸い、煙草を吸っては茶を飲んで、じっと正面を見ていた様子は、まさにこの種の人物である。――批評家である。――三四郎は妙な意味批評家という字を使ってみた。使ってみて自分うまいと感心した。のみならず自分批評家として、未来存在しようかとまで考えだした。あのすごい死顔を見るとこんな気も起こる。  三四郎は部屋のすみにあるテーブルと、テーブルの前にある椅子と、椅子の横にある本箱と、その本箱の中に行儀よく並べてある洋書を見回して、この静かな書斎の主人は、あの批評家と同じく無事で幸福であると思った。――光線の圧力研究するために、女を轢死させることはあるまい。主人の妹は病気である。けれども兄の作った病気ではない。みずからかかった病気である。などとそれからそれへと頭が移ってゆくうちに、十一時になった。中野行の電車はもう来ない。あるいは病気が悪いので帰らないのかしらと、また心配になる。ところへ野々宮から電報が来た。妹無事、あす朝帰るとあった。  安心して床にはいったが、三四郎の夢はすこぶる危険であった。――轢死を企てた女は、野々宮に関係のある女で、野々宮はそれと知って家へ帰って来ない。ただ三四郎安心させるために電報だけ掛けた。妹無事とあるのは偽りで、今夜轢死のあった時刻に妹も死んでしまった。そうしてその妹はすなわち三四郎が池の端で会った女である。……  三四郎はあくる日例になく早く起きた。  寝つけない所に寝た床のあとをながめて、煙草を一本のんだが、ゆうべの事は、すべて夢のようである。椽側へ出て、低い廂の外にある空を仰ぐと、きょうはいい天気だ。世界が今朗らかになったばかりの色をしている。飯を済まして茶を飲んで、椽側に椅子を持ち出して新聞を読んでいると、約束どおり野々宮君が帰って来た。 「昨夜、そこに轢死があったそうですね」と言う。停車場か何かで聞いたものらしい。三四郎自分経験を残らず話した。 「それは珍しい。めったに会えないことだ。ぼくも家におればよかった。死骸はもう片づけたろうな。行っても見られないだろうな」 「もうだめでしょう」と一口答えたが、野々宮君ののん気なのには驚いた。三四郎はこの無神経をまったく夜と昼の差別から起こるものと断定した。光線の圧力試験する人の性癖が、こういう場合にも、同じ態度で表われてくるのだとはまるで気がつかなかった。年が若いからだろう。  三四郎は話を転じて、病人のことを尋ねた。野々宮君の返事によると、はたして自分の推測どおり病人に異状はなかった。ただ五、六日以来行ってやらなかったものから、それを物足りなく思って、退屈紛れに兄を釣り寄せたのである。きょうは日曜だのに来てくれないのはひどいと言って怒っていたそうである。それで野々宮君は妹をばかだと言っている。本当にばかだと思っているらしい。この忙しいものに大切な時間を浪費させるのは愚だというのである。けれども三四郎にはその意味ほとんどわからなかった。わざわざ電報を掛けてまで会いたがる妹なら、日曜の一晩や二晩をつぶしたって惜しくはないはずである。そういう人に会って過ごす時間が、本当の時間で、穴倉で光線の試験をして暮らす月日はむしろ人生に遠い閑生涯というべきものである自分が野々宮君であったならば、この妹のために勉強妨害をされるのをかえってうれしく思うだろう。くらいに感じたが、その時は轢死の事を忘れていた。  野々宮君は昨夜よく寝られなかったものからぼんやりしていけないと言いだした。きょうはさいわい昼から早稲田学校へ行く日で、大学のほうは休みから、それまで寝ようと言っている。「だいぶおそくまで起きていたんですか」と三四郎が聞くと、じつは偶然、高等学校で教わったもとの先生広田という人が妹の見舞いに来てくれて、みんなで話をしているうちに、電車時間に遅れて、つい泊ることにした。広田の家へ泊るべきのを、また妹がだだをこねて、ぜひ病院に泊れと言って聞かないから、やむをえず狭い所へ寝たら、なんだか苦しくって寝つかれなかった。どうも妹は愚物だ。とまた妹を攻撃する。三四郎おかしくなった。少し妹のために弁護しようかと思ったが、なんだか言いにくいのでやめにした。  その代り広田さんの事を聞いた。三四郎広田さんの名前をこれで三、四へん耳にしている。そうして、水蜜桃先生青木堂の先生に、ひそかに広田さんの名をつけている。それから正門内で意地の悪い馬に苦しめられて、喜多床の職人に笑われたのもやはり広田先生にしてある。ところが今承ってみると、馬の件ははたして広田先生であった。それで水蜜桃も必ず同先生に違いないと決めた。考えると、少し無理のようでもある。  帰る時に、ついでだから、午前中に届けてもらいたいと言って、袷を一枚病院まで頼まれた。三四郎は大いにうれしかった。  三四郎は新しい四角な帽子かぶっている。この帽子かぶって病院に行けるのがちょっと得意である。さえざえしい顔をして野々宮君の家を出た。  御茶の水で電車を降りて、すぐ俥に乗った。いつもの三四郎に似合わぬ所作である。威勢よく赤門を引き込ませた時、法文科のベルが鳴り出した。いつもならノートインキ壺を持って、八番の教室はいる時分である。一、二時間講義ぐらい聞きそくなってもかまわないという気で、まっすぐに青山内科玄関まで乗りつけた。  上がり口を奥へ、二つ目の角を右へ切れて、突当たりを左へ曲がると東側の部屋だと教わったとおり歩いて行くと、はたしてあった。黒塗りの札に野々宮よし子と仮名で書いて、戸口に掛けてある。三四郎はこの名前を読んだまま、しばらく戸口の所でたたずんでいた。いなか物だからノックするなぞという気の利いた事はやらない。「この中にいる人が、野々宮君の妹で、よし子という女である」  三四郎はこう思って立っていた。戸をあけて顔が見たくもあるし、見て失望するのがいやでもある。自分の頭の中に往来する女の顔は、どうも野々宮宗八さんに似ていないのだから困る。  うしろから看護婦草履の音をたてて近づいて来た。三四郎は思い切って戸を半分ほどあけた。そうして中にいる女と顔を見合わせた。(片手にハンドルをもったまま)  目の大きな、鼻の細い、唇の薄い、鉢が開いたと思うくらいに、額が広くって顎がこけた女であった。造作はそれだけである。けれども三四郎は、こういう顔だちから出る、この時にひらめいた咄嗟の表情を生まれてはじめて見た。青白い額のうしろに、自然のままにたれた濃い髪が、肩まで見える。それへ東窓をもれる朝日の光が、うしろからさすので、髪と日光の触れ合う境のところが菫色に燃えて、生きた暈をしょってる。それでいて、顔も額もはなはだ暗い。暗くて青白い。そのなかに遠い心持ちのする目がある。高い雲が空の奥にいて容易に動かない。けれども動かずにもいられない。ただなだれるように動く。女が三四郎を見た時は、こういう目つきであった。  三四郎はこの表情のうちにものうい憂鬱と、隠さざる快活との統一を見いだした。その統一の感じは三四郎にとって、最も尊き人生の一片である。そうして一大発見である三四郎ハンドルをもったまま、――顔を戸の影から分部屋の中に差し出したままこの刹那の感に自らを放下し去った。 「おはいりなさい」  女は三四郎を待ち設けたように言う。その調子には初対面の女には見いだすことのできない、安らかな音色があった。純粋の子供か、あらゆる男児に接しつくし婦人でなければ、こうは出られない。なれなれしいのとは違う。初めから古い知り合いなのである。同時に女は肉の豊かでない頬を動かしてにこりと笑った。青白いうちに、なつかしい暖かみができた。三四郎の足はしぜんと部屋の内へはいった。その時青年の頭のうちには遠い故郷にある母の影がひらめいた。  戸のうしろへ回って、はじめて正面に向いた時、五十あまり婦人三四郎挨拶をした。この婦人三四郎からだがまだ扉の陰を出ないまえから席を立って待っていたものみえる。 「小川さんですか」と向こうから尋ねてくれた。顔は野々宮君に似ている。娘にも似ている。しかしただ似ているというだけである。頼まれ風呂敷包みを出すと、受け取って、礼を述べて、 「どうぞ」と言いながら椅子をすすめたまま、自分は寝台の向こう側へ回った。  寝台の上に敷いた蒲団を見るとまっ白である。上へ掛けるものもまっ白である。それを半分ほど斜にはぐって、裾のほうが厚く見えるところを、よけるように、女は窓を背にして腰をかけた。足は床に届かない。手に編針を持っている。毛糸のたまが寝台の下に転がった。女の手から長い赤い糸が筋を引いている。三四郎は寝台の下から毛糸のたまを取り出してやろうかと思った、けれども、女が毛糸にはまるで無頓着でいるので控えた。  おっかさんが向こう側から、しきりに昨夜の礼を述べる。お忙しいところをなどと言う。三四郎は、いいえ、どうせ遊んでいますからと言う。二人が話をしているあいだ、よし子は黙っていた。二人の話が切れた時、突然、 「ゆうべの轢死を御覧になって」と聞いた。見ると部屋のすみに新聞がある。三四郎が、 「ええ」と言う。 「こわかったでしょう」と言いながら、少し首を横に曲げて、三四郎を見た。兄に似て首の長い女である三四郎はこわいともこわくないとも答えずに、女の首の曲がりぐあいをながめていた。半分は質問があまり単純なので、答に窮したのである。半分は答えるのを忘れたのである。女は気がついたとみえて、すぐ首をまっすぐにした。そうして青白い頬の奥を少し赤くした。三四郎はもう帰るべき時間だと考えた。  挨拶をして、部屋を出て、玄関正面へ来て、向こうを見ると、長い廊下のはずれが四角に切れて、ぱっと明るく、表の緑が映る上がり口に、池の女が立っている。はっと驚いた三四郎の足は、さっそく歩調に狂いができた。その時透明な空気の画布の中に暗く描かれた女の影は一足前へ動いた。三四郎も誘われたように前へ動いた。二人は一筋道廊下のどこかですれ違わねばならぬ運命をもって互いに近づいて来た。すると女が振り返った。明るい表の空気の中には、初秋の緑が浮いているばかりである。振り返った女の目に応じて、四角の中に、現われたものもなければ、これを待ち受けていたものもない。三四郎はそのあいだに女の姿勢服装を頭の中へ入れた。  着物の色はなんという名かわからない。大学の池の水へ、曇った常磐木の影が映る時のようである。それはあざやかな縞が、上から下へ貫いている。そうしてその縞が貫きながら波を打って、互いに寄ったり離れたり、重なって太くなったり、割れて二筋になったりする。不規則だけれども乱れない。上から三分一のところを、広い帯で横に仕切った。帯の感じには暖かみがある。黄を含んでいるためだろう。  うしろを振り向いた時、右の肩が、あとへ引けて、左の手が腰に添ったまま前へ出た。ハンケチを持っている。そのハンケチの指に余ったところが、さらりと開いている。絹のためだろう。――腰から下は正しい姿勢にある。  女はやがてもとのとおりに向き直った。目を伏せて二足ばかり三四郎に近づいた時、突然首を少しうしろに引いて、まともに男を見た。二重瞼の切長のおちついた恰好である。目立って黒い眉毛の下に生きている。同時にきれいな歯があらわれた。この歯とこの顔色とは三四郎にとって忘るべからざる対照であった。  きょうは白いものを薄く塗っている。けれども本来の地を隠すほどに無趣味ではなかった。こまやかな肉が、ほどよく色づいて、強い日光にめげないように見える上を、きわめて薄く粉が吹いている。てらてら照る顔ではない。  肉は頬といわず顎といわずきちりと締まっている。骨の上に余ったものはたんとないくらいである。それでいて、顔全体が柔かい。肉が柔かいのではない骨そのものが柔かいように思われる。奥行きの長い感じを起こさせる顔である。  女は腰をかがめた。三四郎は知らぬ人に礼をされて驚いたというよりも、むしろのしかたの巧みなのに驚いた。腰から上が、風に乗る紙のようにふわりと前に落ちた。しかも早い。それで、ある角度まで来て苦もなくはっきりととまった。むろん習って覚えたものではない。 「ちょっと伺いますが……」と言う声が白い歯のあいから出た。きりりとしている。しかし鷹揚である。ただ夏のさかりに椎の実がなっているかと人に聞きそうには思われなかった。三四郎はそんな事に気のつく余裕はない。 「はあ」と言って立ち止まった。 「十五号室はどの辺になりましょう」  十五号は三四郎が今出て来た部屋である。 「野々宮さんの部屋ですか」  今度は女のほうが「はあ」と言う。 「野々宮さんの部屋はね、その角を曲がって突き当って、また左へ曲がって、二番目の右側です」 「その角を……」と言いながら女は細い指を前へ出した。 「ええ、ついその先の角です」 「どうもありがとう」  女は行き過ぎた。三四郎は立ったまま、女の後姿を見守っている。女は角へ来た。曲がろうとするとたんに振り返った。三四郎赤面するばかりに狼狽した。女はにこりと笑って、この角ですかというようなあいずを顔でした。三四郎は思わずうなずいた。女の影は右へ切れて白い壁の中へ隠れた。  三四郎はぶらりと玄関を出た。医科大学生と間違えて部屋の番号を聞いたのかしらんと思って、五、六歩あるいたが、急に気がついた。女に十五号を聞かれた時、もう一ぺんよし子の部屋へあともどりをして、案内すればよかった。残念なことをした。  三四郎はいさらとって帰す勇気は出なかった。やむをえずまた五、六歩あるいたが、今度はぴたりととまった。三四郎の頭の中に、女の結んでいたリボンの色が映った。そのリボンの色も質も、たしかに野々宮君が兼安で買ったものと同じであると考え出した時、三四郎は急に足が重くなった。図書館の横をのたくるように正門の方へ出ると、どこからたか与次郎が突然声をかけた。 「おいなぜ休んだ。きょうはイタリー人がマカロニーをいかにして食うかという講義を聞いた」と言いながら、そばへ寄って来て三四郎の肩をたたいた。  二人は少しいっしょに歩いた。正門のそばへ来た時、三四郎は、 「君、今ごろでも薄いリボンをかけるものかな。あれは極暑に限るんじゃないか」と聞いた。与次郎はアハハハと笑って、 「○○教授に聞くがいい。なんでも知ってる男だから」と言って取り合わなかった。  正門の所で三四郎はぐあいが悪いからきょうは学校を休むと言い出した。与次郎はいっしょについて来て損をしたといわぬばかりに教室の方へ帰って行った。

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バーベルストレートなのは昔の製造技術問題であって、人体の構造とは何の関係もない。

海外ジムはヘックスバーやSSBが普及している。

三  学年は九月十一日に始まった。三四郎は正直に午前十時半ごろ学校へ行ってみたが、玄関前の掲示場に講義時間割りがあるばかりで学生は一人もいない。自分の聞くべき分だけを手帳に書きとめて、それから事務室へ寄ったら、さすがに事務員だけは出ていた。講義はいからまりますかと聞くと、九月十一日から始まると言っている。すましたものである。でも、どの部屋を見ても講義がないようですがと尋ねると、それは先生がいないからだと答えた。三四郎はなるほどと思って事務室を出た。裏へ回って、大きな欅の下から高い空をのぞいたら、普通の空よりも明らかに見えた。熊笹の中を水ぎわへおりて、例の椎の木の所まで来て、またしゃがんだ。あの女がもう一ぺん通ればいいくらいに考えて、たびたび丘の上をながめたが、丘の上には人影もしなかった。三四郎はそれが当然だと考えた。けれどもやはりしゃがんでいた。すると、午砲が鳴ったんで驚いて下宿へ帰った。  翌日は正八時に学校へ行った。正門をはいると、とっつきの大通りの左右に植えてある銀杏並木が目についた。銀杏が向こうの方で尽きるあたりから、だらだら坂に下がって、正門のきわに立った三四郎から見ると、坂の向こうにある理科大学は二階の一部しか出ていない。その屋根のうしろ朝日を受けた上野の森が遠く輝いている。日は正面にある。三四郎はこの奥行のある景色を愉快に感じた。  銀杏並木こちら側で尽きる右手には法文科大学がある。左手には少しさがって博物の教室がある。建築は双方ともに同じで、細長い窓の上に、三角にとがった屋根突き出している。その三角の縁に当る赤煉瓦と黒い屋根のつぎめの所が細い石の直線でできている。そうしてその石の色が少し青味を帯びて、すぐ下にくるはでな赤煉瓦一種の趣を添えている。そうしてこの長い窓と、高い三角が横にいくつも続いている。三四郎はこのあいだ野々宮君の説を聞いてから以来、急にこの建物をありがたく思っていたが、けさは、この意見が野々宮君の意見でなくって、初手から自分の持説であるような気がしだした。ことに博物室が法文科と一直線に並んでいないで、少し奥へ引っ込んでいるところが不規則で妙だと思った。こんど野々宮君に会ったら自分発明としてこの説を持ち出そうと考えた。  法文科の右のはずれから半町ほど前へ突き出している図書館にも感服した。よくわからないがなんでも同じ建築だろうと考えられる。その赤い壁につけて、大きな棕櫚の木を五、六本植えたところが大いにいい。左手のずっと奥にある工科大学封建時代西洋のお城から割り出したように見えた。まっ四角にできあがっている。窓も四角である。ただ四すみと入口が丸い。これは櫓を形取ったんだろう。お城だけにしっかりしている。法文科みたように倒れそうでない。なんだか背の低い相撲取りに似ている。  三四郎は見渡すかぎり見渡して、このほかにもまだ目に入らない建物がたくさんあることを勘定に入れて、どことな雄大な感じを起こした。「学問の府はこうなくってはならない。こういう構えがあればこそ研究もできる。えらいものだ」――三四郎大学者になったような心持ちがした。  けれども教室はいってみたら、鐘は鳴っても先生は来なかった。その代り学生も出て来ない。次の時間もそのとおりであった。三四郎は癇癪を起こして教場を出た。そうして念のために池の周囲を二へんばかり回って下宿へ帰った。  それから約十日ばかりたってから、ようやく講義が始まった。三四郎がはじめて教室はいって、ほかの学生といっしょに先生の来るのを待っていた時の心持ちはじつに殊勝なものであった。神主が装束を着けて、これから祭典でも行なおうとするまぎわには、こういう気分がするだろうと、三四郎自分自分の了見を推定した。じっさい学問の威厳に打たれたに違いない。それのみならず、先生ベルが鳴って十五分立っても出て来ないのでますます予期から生ずる敬畏の念を増した。そのうち人品のいいおじいさんの西洋人が戸をあけてはいってきて、流暢な英語講義を始めた。三四郎はその時 answer という字はアングロ・サクソン語の and-swaru から出たんだということを覚えた。それからスコットの通った小学校の村の名を覚えた。いずれも大切に筆記帳にしるしておいた。その次には文学論の講義に出た。この先生教室はいって、ちょっと黒板をながめていたが、黒板の上に書いてある Geschehen という字と Nachbild という字を見て、はあドイツ語かと言って、笑いながらさっさと消してしまった。三四郎はこれがためにドイツ語に対する敬意を少し失ったように感じた。先生は、それから古来文学者が文学に対して下した定義をおよそ二十ばかり並べた。三四郎はこれも大事手帳に筆記しておいた。午後は大教室に出た。その教室には約七、八十人ほどの聴講者がいた。したがって先生演説口調であった。砲声一発浦賀の夢を破ってという冒頭であったから、三四郎おもしろがって聞いていると、しまいにはドイツ哲学者の名がたくさん出てきてはなはだ解しにくくなった。机の上を見ると、落第という字がみごとに彫ってある。よほど暇に任せて仕上げたものみえて、堅い樫の板をきれいに切り込んだてぎわは素人とは思われない。深刻のできである。隣の男は感心に根気よく筆記をつづけている。のぞいて見ると筆記ではない。遠くから先生の似顔をポンチにかいていたのである三四郎のぞくやいなや隣の男はノート三四郎の方に出して見せた。絵はうまくできているが、そばに久方の雲井の空の子規と書いてあるのは、なんのことだか判じかねた。  講義が終ってから三四郎はなんとなく疲労したような気味で、二階の窓から頬杖を突いて、正門内の庭を見おろしていた。ただ大きな松や桜を植えてそのあいだに砂利を敷いた広い道をつけたばかりであるが、手を入れすぎていないだけに、見ていて心持ちがいい。野々宮君の話によるとここは昔はこうきれいではなかった。野々宮君の先生のなんとかいう人が、学生の時分馬に乗って、ここを乗り回すうち、馬がいうことを聞かないで、意地を悪くわざと木の下を通るので、帽子が松の枝に引っかかる。下駄の歯が鐙にはさまる。先生はたいへん困っていると、正門前喜多床という髪結床の職人がおおぜい出てきて、おもしろがって笑っていたそうである。その時分には有志の者が醵金して構内に厩をこしらえて、三頭の馬と、馬の先生とを飼っておいた。ところが先生がたいへんな酒飲みで、とうとう三頭のうちのいちばんいい白い馬を売って飲んでしまった。それはナポレオン三世時代の老馬であったそうだ。まさかナポレオン三世時代でもなかろう。しかのん気な時代もあったものだと考えていると、さっきポンチ絵かいた男が来て、 「大学講義はつまらんなあ」と言った。三四郎はいいかげんな返事をした。じつはつまるかつまらいか三四郎にはちっとも判断ができないのであるしかしこの時からこの男と口をきくようになった。  その日はなんとなく気が鬱して、おもしろくなかったので、池の周囲を回ることは見合わせて家へ帰った。晩食後筆記を繰り返して読んでみたが、べつに愉快にも不愉快にもならなかった。母に言文一致手紙を書いた。――学校は始まった。これから毎日出る。学校はたいへん広いいい場所で、建物もたいへん美しい。まん中に池がある。池の周囲を散歩するのが楽しみだ。電車には近ごろようやく乗り馴れた。何か買ってあげたいが、何がいいかからいから、買ってあげない。ほしければそっちから言ってきてくれ。今年の米はいまに価が出るから、売らずにおくほうが得だろう。三輪田のお光さんにはあまり愛想よくしないほうがよかろう。東京へ来てみると人はいくらでもいる。男も多いが女も多い。というような事をごたごた並べたものであった。  手紙を書いて、英語の本を六、七ページ読んだらいやになった。こんな本を一冊ぐらい読んでもだめだと思いだした。床を取って寝ることにしたが、寝つかれない。不眠症になったらはやく病院に行って見てもらおうなどと考えているうちに寝てしまった。  あくる日も例刻に学校へ行って講義を聞いた。講義あいだに今年の卒業生がどこそこへいくらで売れたという話を耳にした。だれとだれがまだ残っていて、それがある官立学校地位競争している噂だなどと話している者があった。三四郎漠然と、未来が遠くから眼前に押し寄せるようなにぶい圧迫を感じたが、それはすぐ忘れてしまった。むしろ昇之助がなんとかしたというほうの話がおもしろかった。そこで廊下熊本出の同級生をつかまえて、昇之助とはなんだと聞いたら、寄席へ出る娘義太夫だと教えてくれた。それから寄席看板はこんなもので、本郷のどこにあるということまで言って聞かせたうえ、今度の土曜にいっしょに行こうと誘ってくれた。よく知ってると思ったら、この男はゆうべはじめて、寄席へ、はいったのだそうだ。三四郎はなんだか寄席へ行って昇之助が見たくなった。  昼飯を食いに下宿へ帰ろうと思ったら、きのうポンチ絵かいた男が来て、おいおいと言いながら、本郷の通りの淀見軒という所に引っ張って行って、ライスカレーを食わした。淀見軒という所は店で果物を売っている。新しい普請であった。ポンチ絵かいた男はこの建築の表を指さして、これがヌーボー式だと教えた。三四郎建築にもヌーボー式があるものとはじめて悟った。帰り道に青木堂も教わった。やはり大学生のよく行く所だそうである赤門はいって、二人で池の周囲を散歩した。その時ポンチ絵の男は、死んだ小泉八雲先生教員控室へはいるのがきらいで講義がすむといつでもこの周囲をぐるぐる回って歩いたんだと、あたか小泉先生に教わったようなことを言った。なぜ控室へはいらなかったのだろうかと三四郎が尋ねたら、 「そりゃあたりまえださ。第一彼らの講義を聞いてもわかるじゃないか。話せるものは一人もいやしない」と手ひどいことを平気で言ったには三四郎も驚いた。この男は佐々木与次郎といって、専門学校卒業して、今年また選科へはいったのだそうだ。東片町の五番地の広田という家にいるから、遊びに来いと言う。下宿かと聞くと、なに高等学校先生の家だと答えた。  それから当分のあい三四郎毎日学校へ通って、律義に講義を聞いた。必修課目以外のものへも時々出席してみた。それでも、まだもの足りない。そこでついには専攻課目にまるで縁故のないものまでへもおりおりは顔を出した。しかしたいていは二度か三度でやめてしまった。一か月と続いたのは少しもなかった。それでも平均一週に約四十時間ほどになる。いかな勤勉な三四郎にも四十時間はちと多すぎる。三四郎はたえず一種の圧迫を感じていた。しかるにもの足りない。三四郎は楽しまなくなった。  ある日佐々木与次郎に会ってその話をすると、与次郎は四十時間と聞いて、目を丸くして、「ばかばか」と言ったが、「下宿屋のまずい飯を一日に十ぺん食ったらもの足りるようになるか考えてみろ」といきなり警句でもって三四郎をどやしつけた。三四郎はすぐさま恐れ入って、「どうしたらよかろう」と相談をかけた。 「電車に乗るがいい」と与次郎が言った。三四郎は何か寓意でもあることと思って、しばらく考えてみたが、べつにこれという思案も浮かばないので、 「本当の電車か」と聞き直した。その時与次郎はげらげら笑って、 「電車に乗って、東京を十五、六ぺん乗り回しているうちにはおのずからもの足りるようになるさ」と言う。 「なぜ」 「なぜって、そう、生きてる頭を、死んだ講義で封じ込めちゃ、助からない。外へ出て風を入れるさ。その上にもの足りる工夫はいくらでもあるが、まあ電車が一番の初歩でかつもっとも軽便だ」  その日の夕方与次郎三四郎を拉して、四丁目から電車に乗って、新橋へ行って、新橋からまた引き返して、日本橋へ来て、そこで降りて、 「どうだ」と聞いた。  次に大通りから細い横町へ曲がって、平の家という看板のある料理屋へ上がって、晩飯を食って酒を飲んだ。そこの下女はみんな京都弁を使う。はなはだ纏綿している。表へ出た与次郎は赤い顔をして、また 「どうだ」と聞いた。  次に本場の寄席へ連れて行ってやると言って、また細い横町はいって、木原店という寄席を上がった。ここで小さんという落語家を聞いた。十時過ぎ通りへ出た与次郎は、また 「どうだ」と聞いた。  三四郎は物足りたとは答えなかった。しかしまんざらもの足りない心持ちもしなかった。すると与次郎は大いに小さん論を始めた。  小さんは天才であるあん芸術家はめったに出るものじゃない。いつでも聞けると思うから安っぽい感じがして、はなはだ気の毒だ。じつは彼と時を同じゅうして生きている我々はたいへんなしあわせである。今からしまえに生まれても小さんは聞けない。少しおくれても同様だ。――円遊もうまいしかし小さんとは趣が違っている。円遊のふんした太鼓持は、太鼓持になった円遊だからおもしろいので、小さんのやる太鼓持は、小さんを離れた太鼓持だからおもしろい。円遊の演ずる人物から円遊を隠せば、人物がまるで消滅してしまう。小さんの演ずる人物からいくら小さんを隠したって、人物は活発溌地に躍動するばかりだ。そこがえらい。  与次郎はこんなことを言って、また 「どうだ」と聞いた。実をいうと三四郎には小さんの味わいがよくわからなかった。そのうえ円遊なるものはいまだかつて聞いたことがない。したがって与次郎の説の当否は判定しにくい。しかしその比較ほとんど文学的といいうるほどに要領を得たには感服した。  高等学校の前で別れる時、三四郎は、 「ありがとう、大いにもの足りた」と礼を述べた。すると与次郎は、 「これからさきは図書館でなくっちゃもの足りない」と言って片町の方へ曲がってしまった。この一言三四郎ははじめて図書館はいることを知った。  その翌日から三四郎は四十時間講義ほとんど半分に減らしてしまった。そうして図書館はいった。広く、長く、天井が高く、左右に窓のたくさんある建物であった。書庫入口しか見えない。こっちの正面からのぞくと奥には、書物いくらでも備えつけてあるように思われる。立って見ていると、書庫の中から、厚い本を二、三冊かかえて、出口へ来て左へ折れて行く者がある。職員閲覧室へ行く人であるなかに必要の本を書棚からとりおろして、胸いっぱいにひろげて、立ちながら調べている人もある。三四郎はうらやましくなった。奥まで行って二階へ上がって、それから三階へ上がって、本郷より高い所で、生きたものを近づけずに、紙のにおいをかぎながら、――読んでみたい。けれども何を読むかにいたっては、べつにはっきりした考えがない。読んでみなければわからないが、何かあの奥にたくさんありそうに思う。  三四郎一年生だから書庫はい権利がない。しかたなしに、大きな箱入りの札目録を、こごんで一枚一枚調べてゆくと、いくらめくってもあとから新しい本の名が出てくる。しまいに肩が痛くなった。顔を上げて、中休みに、館内を見回すと、さすがに図書館だけあって静かなものであるしかも人がたくさんいる。そうして向こうのはずれにいる人の頭が黒く見える。目口ははっきりしない。高い窓の外から所々に木が見える。空も少し見える。遠くから町の音がする。三四郎は立ちながら、学者生活は静かで深いものだと考えた。それでその日はそのまま帰った。  次の日は空想をやめて、はいるとさっそく本を借りた。しかし借りそくなったので、すぐ返した。あとから借りた本はむずかしすぎて読めなかったからまた返した。三四郎はこういうふうにして毎日本を八、九冊ずつは必ず借りた。もっともたまにはすこし読んだのもある。三四郎が驚いたのは、どんな本を借りても、きっとだれか一度は目を通しているという事実発見した時であった。それは書中ここかしこに見える鉛筆のあとでたしかである。ある時三四郎は念のため、アフラベーンという作家小説を借りてみた。あけるまでは、よもやと思ったが、見るとやはり鉛筆で丁寧にしるしがつけてあった。この時三四郎はこれはとうていやりきれないと思った。ところへ窓の外を楽隊が通ったんで、つい散歩に出る気になって、通りへ出て、とうとう青木堂へはいった。  はいってみると客が二組あって、いずれも学生であったが、向こうのすみにたった一人離れて茶を飲んでいた男がある。三四郎がふとその横顔を見ると、どうも上京の節汽車の中で水蜜桃をたくさん食った人のようである。向こうは気がつかない。茶を一口飲んでは煙草を一吸いすって、たいへんゆっくり構えている。きょうは白地の浴衣をやめて、背広を着ている。しかしけっしてりっぱなものじゃない。光線の圧力の野々宮君より白シャツけがましなくらいなものである三四郎は様子を見ているうちにたしか水蜜桃だと物色した。大学講義を聞いてから以来、汽車の中でこの男の話したことがなんだか急に意義のあるように思われだしたところなので、三四郎そばへ行って挨拶をしようかと思った。けれども先方は正面を見たなり、茶を飲んでは煙草をふかし、煙草をふかしては茶を飲んでいる。手の出しようがない。

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 ふと目を上げると、左手の丘の上に女が二人立っている。女のすぐ下が池で、向こう側が高い崖の木立で、その後がはでな赤煉瓦ゴシック風の建築である。そうして落ちかかった日が、すべての向こうから横に光をとおしてくる。女はこの夕日に向いて立っていた。三四郎のしゃがんでいる低い陰から見ると丘の上はたいへん明るい。女の一人はまぼしいとみえて、団扇を額のところにかざしている。顔はよくわからない。けれども着物の色、帯の色はあざやかにわかった。白い足袋の色も目についた。鼻緒の色はとにかく草履はいていることもわかった。もう一人はまっしろである。これは団扇もなにも持っていない。ただ額に少し皺を寄せて、向こう岸からいかぶさりそうに、高く池の面に枝を伸ばした古木の奥をながめていた。団扇を持った女は少し前へ出ている。白いほうは一足土堤の縁からさがっている。三四郎が見ると、二人の姿が筋かいに見える。  この時三四郎の受けた感じはただきれいな色彩だということであった。けれどもいなか者だから、この色彩がどういうふうにきれいなのだか、口にも言えず、筆にも書けない。ただ白いほうが看護婦だと思ったばかりである。  三四郎はまたみとれていた。すると白いほうが動きだした。用事のあるような動き方ではなかった。自分の足がいつのまにか動いたというふうであった。見ると団扇を持った女もいつのまにかまた動いている。二人は申し合わせたように用のない歩き方をして、坂を降りて来る。三四郎はやっぱり見ていた。  坂の下に石橋がある。渡らなければまっすぐに理科大学の方へ出る。渡れば水ぎわを伝ってこっちへ来る。二人は石橋を渡った。  団扇はもうかざしていない。左の手に白い小さな花を持って、それをかぎながら来る。かぎながら、鼻の下にあてがった花を見ながら、歩くので、目は伏せている。それで三四郎から一間ばかりの所へ来てひょいととまった。 「これはなんでしょう」と言って、仰向いた。頭の上には大きな椎の木が、日の目のもらないほど厚い葉を茂らして、丸い形に、水ぎわまで張り出していた。 「これは椎」と看護婦が言った。まるで子供に物を教えるようであった。 「そう。実はなっていないの」と言いながら、仰向いた顔をもとへもどす、その拍子に三四郎を一目見た。三四郎はたしかに女の黒目の動く刹那意識した。その時色彩の感じはことごとく消えて、なんともいえぬある物に出会った。そのある物は汽車の女に「あなたは度胸のないかたですね」と言われた時の感じとどこか似通っている。三四郎は恐ろしくなった。  二人の女は三四郎の前を通り過ぎる。若いほうが今までかいでいた白い花を三四郎の前へ落として行った。三四郎は二人の後姿をじっと見つめていた。看護婦は先へ行く。若いほうがあとから行く。はなやかな色のなかに、白い薄を染め抜いた帯が見える。頭にもまっ白な薔薇を一つさしている。その薔薇が椎の木陰の下の、黒い髪のなかできわだって光っていた。  三四郎ぼんやりしていた。やがて、小さな声で「矛盾だ」と言った。大学空気とあの女が矛盾なのだか、あの色彩とあの目つきが矛盾なのだか、あの女を見て汽車の女を思い出したのが矛盾なのだか、それとも未来に対する自分方針が二道に矛盾しているのか、または非常にうれしいものに対して恐れをいだくところが矛盾しているのか、――このいなか出の青年には、すべてわからなかった。ただなんだか矛盾であった。  三四郎は女の落として行った花を拾った。そうしてかいでみた。けれどもべつだんのにおいもなかった。三四郎はこの花を池の中へ投げ込んだ。花は浮いている。すると突然向こうで自分の名を呼んだ者がある。  三四郎は花から目を放した。見ると野々宮君が石橋の向こうに長く立っている。 「君まだいたんですか」と言う。三四郎は答をするまえに、立ってのそのそ歩いて行った。石橋の上まで来て、 「ええ」と言った。なんとなくまが抜けている。けれども野々宮君は、少しも驚かない。 「涼しいですか」と聞いた。三四郎はまた、 「ええ」と言った。  野々宮君はしばらく池の水をながめていたが、右の手をポケットへ入れて何か捜しだした。ポケットから半分封筒がはみ出している。その上に書いてある字が女の手跡らしい。野々宮君は思う物を捜しあてなかったとみえて、もとのとおりの手を出してぶらりと下げた。そうして、こう言った。 「きょうは少し装置が狂ったので晩の実験はやめだ。これから本郷の方を散歩して帰ろうと思うが、君どうです、いっしょに歩きませんか」  三四郎は快く応じた。二人で坂を上がって、丘の上へ出た。野々宮君はさっき女の立っていたあたりでちょっととまって、向こうの青い木立のあいから見える赤い建物と、崖の高いわりに、水の落ちた池をいちめんに見渡して、 「ちょっといい景色でしょう。あの建築の角度のところだけが少し出ている。木のあいから。ね。いいでしょう。君気がついていますか。あの建物はなかなかうまくできていますよ。工科もよくできてるがこのほうがうまいですね」  三四郎は野々宮君の鑑賞力に少々驚いた。実をいうと自分にはどっちがいいかまるでわからないのである。そこで今度は三四郎のほうが、はあ、はあと言い出した。 「それから、この木と水の感じがね。――たいしたものじゃないが、なにしろ東京のまん中にあるんだから――静かでしょう。こういう所でないと学問をやるにはいけませんね。近ごろは東京があまりかましくなりすぎて困る。これが御殿」と歩きだしながら、左手建物をさしてみせる。「教授会をやる所です。うむなに、ぼくなんか出ないでいいのです。ぼくは穴倉生活をやっていればすむのです。近ごろの学問は非常な勢いで動いているので、少しゆだんすると、すぐ取り残されてしまう。人が見ると穴倉の中で冗談をしているようだが、これでもやっている当人の頭の中は劇烈に働いているんですよ。電車よりよっぽど激しく働いているかもしれない。だから夏でも旅行をするのが惜しくってね」と言いながら仰向いて大きな空を見た。空にはもう日の光が乏しい。  青い空の静まり返った、上皮に白い薄雲が刷毛先でかき払ったあとのように、筋かいに長く浮いている。 「あれを知ってますか」と言う。三四郎は仰いで半透明の雲を見た。 「あれは、みんな雪の粉ですよ。こうやって下から見ると、ちっとも動いていない。しかしあれで地上に起こる颶風以上の速力で動いているんですよ。――君ラスキンを読みましたか」  三四郎憮然として読まないと答えた。野々宮君はただ 「そうですか」と言ったばかりである。しばらくしてから、 「この空を写生したらおもしろいですね。――原口にでも話してやろうかしら」と言った。三四郎はむろん原口という画工の名前を知らなかった。  二人はベルツの銅像の前から枳殻寺の横を電車の通りへ出た。銅像の前で、この銅像はどうですかと聞かれて三四郎はまた弱った。表はたいへんにぎやかである電車がしきりなしに通る。 「君電車はうるさくはないですか」とまた聞かれた。三四郎はうるさいよりすさまじいくらいである。しかしただ「ええ」と答えておいた。すると野々宮君は「ぼくもうるさい」と言った。しかしいっこううるさいようにもみえなかった。 「ぼくは車掌に教わらないと、一人で乗換えが自由にできない。この二、三年むやみにふえたのでね。便利になってかえって困る。ぼくの学問と同じことだ」と言って笑った。  学期の始まりぎわなので新しい高等学校帽子かぶった生徒がだいぶ通る。野々宮君は愉快そうに、この連中を見ている。 「だいぶ新しいのが来ましたね」と言う。「若い人は活気があっていい。ときに君はいくつですか」と聞いた。三四郎は宿帳へ書いたとおりを答えた。すると、 「それじゃぼくより七つばかり若い。七年もあると、人間はたいていの事ができる。しかし月日はたちやすものでね。七年ぐらいじきですよ」と言う。どっちが本当なんだか、三四郎にはわからなかった。  四角近くへ来ると左右に本屋雑誌屋がたくさんある。そのうちの二、三軒には人が黒山のようにたかっている、そうして雑誌を読んでいる。そうして買わずに行ってしまう。野々宮君は、 「みんなずるいなあ」と言って笑っている。もっと当人もちょいと太陽をあけてみた。  四角へ出ると、左手こちら側に西洋小間物屋があって、向こう側に日本小間物屋がある。そのあいだを電車がぐるっと曲がって、非常な勢いで通る。ベルちんちんちんちんいう。渡りにくいほど雑踏する。野々宮君は、向こうの小間物屋をさして、 「あすこでちょいと買物をしまからね」と言って、ちりんちりんと鳴るあいだを駆け抜けた。三四郎もくっついて、向こうへ渡った。野々宮君はさっそく店へはいった。表に待っていた三四郎が、気がついて見ると、店先のガラス張りの棚に櫛だの花簪だのが並べてある。三四郎は妙に思った。野々宮君が何を買っているのかしらと、不審を起こして、店の中へはいってみると、蝉の羽根のようなリボンをぶら下げて、 「どうですか」と聞かれた。三四郎はこの時自分も何か買って、鮎のお礼に三輪田のお光さんに送ってやろうかと思った。けれどもお光さんが、それをもらって、鮎のお礼と思わずに、きっとなんだかんだと手前がっての理屈をつけるに違いないと考えたからやめにした。  それから真砂町で野々宮君に西洋料理のごちそうになった。野々宮君の話では本郷いちばんうまい家だそうだ。けれども三四郎にはただ西洋料理の味がするだけであった。しかし食べることはみんな食べた。  西洋料理屋の前で野々宮君に別れて、追分に帰るところを丁寧にもとの四角まで出て、左へ折れた。下駄を買おうと思って、下駄屋をのぞきこんだら、白熱ガスの下に、まっ白に塗り立てた娘が、石膏の化物のようにすわっていたので、急にいやになってやめた。それから家へ帰るあいだ、大学の池の縁で会った女の、顔の色ばかり考えていた。――その色は薄く餅をこがしたような狐色であった。そうして肌理が非常に細かであった。三四郎は、女の色は、どうしてもあれでなくってはだめだと断定した。

anond:20240930171536

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プラスチックでも油汚れがついたもの燃えるゴミと聞いたので、ラベルの有無に関わらず燃えるゴミに捨ててるな

日本ドローンショーレベル低過ぎ

せいぜい平面のピカチュウを浮かばせるぐらいなもんじゃ

しっかり日本後進国だって分かんだよね

これがお前らが馬鹿にしてる中国ドローンショーだよ

少しは中国に学べよ

https://x.com/MarioNawfal/status/1840466077785923952?t=RqaoyPCfeCUL_2Gbj0nLVA&s=19

個人輸入海外からアロマオイル買ったが液漏れ。今回で2回目。

以前ひどい状態で届いたが、返金申請して受領された。ちゃんと返金処理されたことで、安心してた。

その後に何回か購入したけど無事だったことで安心してた。

が、今回また漏れて届いた。

2度あると、さすがに疑う。開封済みの返品された品を確認しないでそのまま出荷してんじゃないかと。

しかし今回の液漏れは前回ほどではなかった。

前回は3割ほど漏れ出てラベルは油びたしでブヨブヨになり剥がれており、見るからにだめな感じだったが。今回は油まみれベタベタとはいえ、残量は満量に近い。これが初期量と言われてもおかしくない量だ。

漏れた油にまみれた品のほうは、容量は減っておらず、だけどラベルの端っこが黄ばんでいるような感じ。漏れたほうの瓶のラベルほとんど影響ないので、まみれた油のせいなのか、ラベル劣化した品なのか。

どちらにせよ、品物を使うという観点ではさほど問題もなかったので、返金処理するほどではない。

だいたい写真に撮ってみたところでなんの問題もなく見えるだろうし。

だけど、漏れたということは伝えておかないと。なんの問題もなく円満に受け取れたわけではないから。

今回は別に返金処理はしないけど、内部の確認はしてほしい。

そうチャットで連絡したところ、漏れ商品とまみれた商品の2品の返金処理連絡がきてた。

早くて驚いたし、まみれた方は中身には一切問題なく瓶を拭けば普通に使えるので、こちらまで返金してくれなくともとちょっと申し訳ない気分になった

2回あったが開封品を送ってきてるのか、の質問には、新品のみの取り扱いだが空輸のため気圧で漏れることがあるとの回答だった

自分自身の今後の振る舞いとしては2パターンある

2度あることは3度あるだろう、利用をやめる

一定確率でハズレがありうる事を承知の上で使う

実際は一定期間は買い控えるも、喉元過ぎてまたそのうちにセールだなんだと買いそうな気はする

今回がまさにそうだった、1年ほど前に経験してたのに

まあ、何かあってもきちんと返金はしてくれるので、その辺は安心感ある

けど、今後は国内で買うだけにしたいとは思ってる

趣味の品で、わざわざ個人輸入してまで買うほどでもないもんだろうし

空輸の気圧が問題というならなおさら適切に管理された上での国内代理店で買うのが安心ではある

2024-09-29

生成AI切り貼りコラージュである

未だにこの主張をしている人たちが居て呆れるが、一周回って彼らがどんな思考をしているのか気になってきた

そもそも切り貼りコラージュ」と簡単に言うが、これをシステムで実現するのは相当難しい

具体的には以下の様な工程必要になる

コラージュ元の全ての画像システムに保存する

→膨大な保存領域必要になるがこれが無ければコラージュが出来ない。その都度ネット検索する方法も考えられるが、相当数のダウンロードと②の工程必要になり時間がかかる

②全ての画像の全ての要素を区分けし、ラベル付けする

→各画像の各要素を区分けし(この時点でかなり難しい)、その要素が何かをラベル付けできなければ「切り貼り」の切る工程すら実現できない

③ラベル付けした各要素を1枚の画像違和感なく合成する

プロンプトに従い良い感じの要素を抽出し、それらを良い感じの位置に配置しいい感じに繋ぎ合わせなくてはならない。曖昧な書き方になったがどう実現すればよいのか分からないのでしょうがない。

正直言ってこれを実現出来たら生成AIどころの話ではない、②だけでもあらゆる分野に応用できる。完全自動運転も今すぐに実現するだろう。

上記は私が適当に考えたコラージュシステムだが、彼らの脳内ではどうなっているのか気になる

2024-09-28

anond:20240928092054

え? ちがうの? (リベルたん)

追記おっぱい世界は嘘ばかり

――――【追記】――――

たくさんの有益コメント感謝。多くの知見を得られた。

Aカップのブラが売れない点について、そもそも小胸さんはブラを買わない、ブラトップ等で十分だと思っている、というのがあるらしい。なるほど。

そして、実測のサイズと合っているブラのサイズ全然異なるというのはよくあることだそう。

骨格やおっぱいの形、ボリューム等の影響を強く受ける上、メーカーによっても変わってくるので、単純に実測値だけでは一概には言えない、といったところだろう。姉妹サイズというものもある。

Aカップ1つとっても、とても慎ましくて可愛らしいAカップもあれば、これでAなの!?というAカップもあるというわけだ。

結局のところ、実測のサイズというのは、自分にあったブラを探すための参考値に過ぎない(しかもあまり当てにならない)、ということだと思った。

ただ、ブラのサイズJISで定められているが、測り方のレギュレーションは定められていない。

ここは改善余地があるように思う。

直立で測る、お辞儀で測る、直立で持ち上げて測るなど、正しい測り方には諸説ある。上裸でもプロに測ってもらうと基本はサイズアップするそうだ。

どれでもいいとは思うが、参考値である以上、どれかに定めるべきではないだろうか。

再現性を考えれば、直立かお辞儀あたりが良いと思うが、どうだろうか。

今回色々なご意見を伺ったが、総じて感じたのは「おっぱいは難しい」ということ。

なんせ個人差がとても大きい。前述したように体型等の影響を強く受け、それにより受ける印象も全く異なってくる。

まり、「おっぱいアルファベット1つでは言い表せない」ということなのだ。これは忘れずに生きていきたい。

(まあAAAAAはアルファベット1つではないのだが。)

――――【追記終わり】――――

私はおっぱいが好きだ。これはほとんどの男性がそうだろう。圧倒的多数派と言える。

しかし私は同時に少数派でもある。

どういうことか。私は貧乳が好きなのである

好きなカップAAA、次点AA、A…と続く。Bぐらいからはもはや巨乳なんじゃないかと思っている。

そう、私は真の貧乳好きなのだ。そこらのエセ貧乳好きとはわけが違う。

よく聞くのが、「貧乳の方がやせててカワイイ子が多いから」「貧乳の方が感度が良さそうだから」「貧乳のものというより、貧乳を恥じらう姿が好き」等の言葉であるが、言語道断である

私はこのような輩とは違う。貧乳(あるいは無乳)そのものを愛しているのだ。さらに付け加えておくと、私はロリコンでもないしゲイでもない。「スレンダー貧乳お姉さん」が一番好きだ。

さて、自分語りもほどほどにして、いよいよ本題に入りたい。

今回私が話したいのは、「おっぱいサイズに関する民衆認識には、大きな誤りがある」ということである

みんな巨乳しか見てない

まず、ここまで読んでこう思った方もいるのではないだろうか。「Aカップでもまな板なのにAAAとかえぐれてるのか?」「Aカップが最小じゃないの?」

もちろんこれらは誤りなのだが、こういった認識をしてしまうのも無理はない。なぜならほとんどの男性個人体感だと9割以上)が巨乳好きだからである貧乳ことなんか考えてもいない。

しかし私は、もっと大きな原因があると考えている。

それは、「AAカップ以下が透明化され過ぎている」という問題である

透明化されるAAカップ以下たち

まず男女共に、「Aカップはほぼ無乳」のような"誤った"認識があるように思う。ここから順番に、「微妙な膨らみがあるのがB」、「膨らみはあるけど小ぶりなのがC」、のようなイメージをしているのではないだろうか。

しかし違うのだ。カップ定義とは単にアンダーバストトップバストの差であり、これが5cmならAAA、7.5cmならAA、といった具合に、2.5cm刻みで大きくなっていく。つまりAカップトップとアンダーの差は10cmである

ここで男性諸君に一つ試してほしいことがある。自分のアンダーを測って、そこから10cm大きくメジャーを取り、Aカップがどのくらいの膨らみなのかをイメージしてみてほしいのだ。

やってみるとわかると思うが、小さめではあるが決してまな板ではない。下から3番目くらいかなといった気がしないだろうか?これが(ある程度)リアルAカップである

じゃあ今までイメージしてたAカップは…?と思うだろうが、ここで透明化されていたAAカップ以下が出てくる。

今まで想像していたAカップ実態AAAカップBカップAAカップCカップAカップといった具合に、およそ2サイズほどズラして考えてみるのだ。

するとどうだろう?妙にしっくりくる結果になるとは思わないだろうか?

女性Aカップ相当をCカップだと言い張るせいで、男性は「Cって思ってたより小さいな…」と思うわけである

実際のCカップトップとアンダーの差が15cmなわけなのだが、これがそんなに小さいことはない。実際にアンダー67、トップ83の女性に測らせてもらったが、私が貧乳好きだから普通にかい美乳といった感じ。もちろん巨乳好きからしたら全然物足りないのだろうが、がっかりするほどのサイズ感では決してないはずである

ではなぜAAカップ以下はこんなにも透明化され、サイズ感が巧妙に偽られているのか。その理由はいくつかあるだろうが、下着メーカーの非が大きいのではと私は考察している。

下着メーカー戦略現場

下着を買う際、お店のスタッフに採寸して貰うことがあるだろう。このときに正しく測れていないのではないか、と私は考えている。

私は男なので、当然バストを測ってもらったことはない。しかし、話を聞いたりネットで調べたりした限りでは、採寸は着衣のまま、あるいはブラの上からすることが多いらしい。

本当にフィットしていてパッドも入ってないブラを着けているなら良いが、多くの場合そんなことはないはずであるほとんどのブラはパッドがデフォルトで入っているし、そもそも実際のサイズがわからいから採寸しているんじゃないのか。

仮に男の私がCカップスカスカのブラを着けて採寸したらどうなるか。恐らくA〜Cカップ程度になってしまうだろう。痩せ型の男である私のバストサイズAAA〜AAカップ程度のはずなのだが、大幅にサイズアップしてしまっている。

まり、こんな測り方をしてもなんの意味もないのだ。しかし、「専門のスタッフに測ってもらった」ということから結果を盲信してしまい、自分本来サイズを少し大きめに誤認してしまうというわけだ。

これではいかんという気がするが、とはいえ、着衣で測るのにも理由があるはずである。そこを考察していく。

まず、女同士とはいえ裸を見せるのは恥ずかしいという方も多いだろう。これは仕方ない理由と言える。

しかもっと大きな理由がある。ここで再度透明化されたAAカップ以下の話が出てくる。

前述の通り、Aカップ普通に膨らみがあるので、痩せ型の女性ならわりと普通に存在する。それどころかAAカップもわりといる。AAAカップまでいくと流石に少数派だろうが、恐らく全体の数パーセントぐらいはいる。

これは私の推測だが、AAA〜Aカップは全体の25〜35%程度は存在すると考えている。少なくともこの3サイズ20前後はいるだろう。

まり、裸でサイズを測ってしまうとそれなりの割合Aカップ以下を告げなければならないケースが出てくる。

これもネット調べで恐縮なのだが、下着店での取り扱いはB〜Dカップボリュームゾーンらしく、Aカップはそんなに置いていないらしい。AAカップ以下については皆無な店もあるだろう。

もし採寸の結果がAA以下だった場合、「お客様AAなのですが、そのサイズはうちには置いてないんですよね」なんて言えるだろうか?

仮にAだったとしても、「お客様はAですね」なんて伝えられるだろうか?「私はまな板じゃないからAじゃない!」と怒りだす女性もいるだろう。

どうしてこうなったのか。それは、それなりにいるはずのAAA〜Aカップ商品を作らないメーカーサイドに問題があると考える。なぜ作らないのかは単に「売れないから」である。大半の女性自分Aカップ以下であることを絶対に認めないため、どれだけ貧乳でもBカップを着用する。

ちなみに、トリンプの売上データが以下。

https://jp.triumph.com/topics/cate01/mune-ookisa-heikin.html

Aカップが2.1%とのこと。やはりほとんどの人はAカップを買わない。これは大変歪な結果である

なお、上記データから、「日本人の平均はCカップ!」などと言われたりするが、売上なのでそんなことはないはずである

実際のサイズデータ

では実際のサイズはどうなのか。以下のような記事がある。

https://re1wa018.com/bust-size-average/

日本人の平均カップはCでなくAだ!という記事である

まあ確かに私も平均Cはないと思っているが、上記記事は少し考慮が足りていないように思う。

それは「測り方」だ。

恐らくこのデータは、直立した状態普通に測って取っている。しかし正しいトップの測り方(これは諸説ある)は、お辞儀をして上半身を90度傾けた状態で測るのだ。

こうすると恐らく数センチぐらいはアップする。垂れてきていれば尚更だ。

よって実際の平均サイズは、もう少し上がると思っている。どの程度かは不明だが、まあワンサイズぐらいかなということで、私はなんとなくBぐらいなんじゃないかと思っている。しかし当然ここに根拠はないので、より正確なデータを待ちたい。大手下着メーカーの大規模調査に期待である

男のカンチガイサイズ

ネットで、「男のカンチガイサイズ」と「実際のサイズ」を比べたイラストを見たことがあるだろうか?この画像検索すればすぐ出てくる。

これについては、私は両方とも正しくないように思える。理由はもちろん、AAカップ以下が透明化されているからだ。

女性Aカップカテゴライズされることを極端に嫌がるので、どうしてもAカップ無乳ということにしたいのである。この画像AAカップAAAカップを足そうとしたらどうなってしまうのだろうか。確実にえぐれてくる。

私のイメージだと、カンチガイサイズと実際のサイズを全て小さい順に並べて、AAAからベル付けしたものが一番近いように思う。ただし、Dより大きいぐらいまでいってしまうと、私は門外漢なのでイメージできない。そこは皆さんに任せたい。

実際見てみないとわからないよ!

なんやかんや書いたが、実際に見てみないとイメージし辛いものである

であれば、実際に見てみれば良い。

東京には貧乳専門の風俗店がある。在籍はほぼAAA〜A。風俗店サイズ表記なんて本来ならば全く信用できないものだろうが、ここは貧乳をウリにしているので、恐らくリアルカップ数が書いてあると思われる。

別に利用する必要はない。在籍一覧を見るだけでいい。ここの表記を信用するなら、サイズ感はなんとなく把握できるだろう。

最後

異論反論は大いに受け付けたい。

私は男なので想像で書いている部分が多々あるし、この件については盛んな議論がしたいからだ。

このトピックについて、みんなで認識を深めあっていきたい。

2024-09-27

大阪万博キャラクターグッズ

ミャクミャクさまグッズがすごい。

前に公式サイトぬいぐるみを見に訪問したのだが、はてぶで話題に上がっていたことをきっかけに久しぶりに訪問

・EXPO2025 ミャクミャク ボディケアガン

https://expo2025shop.jp/item/4948731026981.html

ミャクミャクさまの眼差しがボディに刺さる一般

・ミャクミャク えだまめ

https://expo2025shop.jp/item/4582769707636.html

ミャクミャク分身こんにちは!(なんのグッズ???

・ミャクミャク ボルレッチ

https://expo2025shop.jp/item/4571548380023.html

ミャクミャクの顔を持ってトレーニング!!

・ミャクミャク 京コマ

https://expo2025shop.jp/item/4595055975046.html

マワシテ…マワシテ…

・ミャクミャクベル

https://expo2025shop.jp/item/4969260490555.html

急に印字だけ!?

・ミャクミャク ぬいぐるみ

https://expo2025shop.jp/category/200/4905610606696.html

これが本体だった…??

顔につけてミャクミャクさんごっこできそう。

なんかほか、おもしろいのあったらおしえて。

量子論ビデオを一枚のBDバーンしやう

れいにラベル張りして例のバインダーにかたづける

統計の2回分のところ見飽きたか

そこは量子論ビデオを上映しやう

2024-09-26

マジンガーZの地下帝国

グレートマジンガーのミケーネ帝国

ゲッターロボ恐竜帝国

勇者ライディーンの妖魔帝国

ゲッターロボGの百鬼帝国

かようにロボットアニメ最初期の敵軍団帝国ばかりなんですな

この後はベガ連合軍邪魔大王国、暗黒ホラー軍団

キャンベル星人、ダザーン軍団、地底軍団ガイラー帝国

海底帝国、イザール星人、コンギスター軍団、ドップラ軍団

サゾリオン帝国ボアザン帝国シャイザック、ガイゾック以下略

帝国割合は減っていくんですな

これは地球内部に敵がいるのではなく、外宇宙から侵略に来るようにブームが移ったのが一つの要因なんですかな

2024-09-25

客の前で怒るのは半分ぐらい客に向かって怒りを発することと心得て欲しい

昨日、スーパーレジに長蛇の列ができていた

レジが一個空いていて、レジ打ちをしてる兄ちゃんヘルプベルを鳴らすのだけど他の店員が誰も来ない

しまいにはその兄ちゃん、顔を真っ赤にし怒気を漲らせながらベルドムドムッと叩いた

「鐘を大きく鳴らすコツは、ハンマーで鐘を叩いた瞬間にハンマーを鐘から離すことだよ~」

と内心でクソバイスしつつ、他のお客の顔を見たら案の定、怯え顔・呆れ顔・反感が見て取れて「あーあ」と思った

誰かが叱責されるとその場にいる自分ストレスを感じるのと同じメカニズムで、怒りの矛先を同僚に向けているつもりでも他の人間を切りつけている場合があるのだ

2024-09-23

可愛い服を着る資格がない

中高生のころ逆張ってファッション無頓着でいた反動なのか、今すごく服に惹かれている。……特に、若年層ターゲットジャンルに。

サブカル系かわいい地雷系もいいし、水色界隈とかも好き。サブカルジャージ特に好き。シルエットの大きいものを着て四角くなった胴体からスッと足が伸びてゴツいスニーカーに繋がるのが本当に可愛いY2Kかわいいし、子供の頃を思い出す。ちょっと令和な感じに味付けされた感じがまたかわいくて、懐かしいだけじゃない良さがある。フレンチガーリーも好き。これは若年層に限らないかもしれないが、ロリィタも大好きだ。

でも、私は着るべきではない。

自分はいいやと思ってるうちに、気づいたらアラサーになってしまった。「アラサー 服装」で検索すると、自分琴線にはかすりもしない服ばかりが出てくる。

れいめと評される、私はもう弁えてますからとでも言いたげでシンプルコンパクト服装。そこにリボンフリルはなく、あっても申し訳程度だ。色合いもくすんだものばかりで、そういう路線好きな人には悪いが私にはつまらない。十分の一もときめかない。しか世間的には、そういう形になることを期待される世代だ。そういう世代になってしまった。

それでも好きに年齢は関係ない、好きに着たらいい。そうだね。そうかもしれない

でも、あなたはくしゃくしゃの頭にノーメイクボロボロの肌の女にも同じことが言えるか?

世代に限らず、身だしなみに気を使うひと達はちゃんと日頃からセルフケアをしている。愛する服に相応しいものであろうとしている。輝く自分でいることを諦めない。

私にはそんなことできない。なんとか生きていようとするだけで疲れて、これ以上日々のタスクを増やすなんて考えられない。それでも就活中は多少気を遣おうと寝癖も直してナチュラルメイク勉強したりしていたが、どうすれば人間らしい見た目になれるかあれこれ悩むほど疲弊してちっとも楽しくなかった。あれを出かける度にやるなんて耐えられない。

結局のところ、無頓着でいるのは楽なのだ。やはり身なりを整えてる人の多いところにいたりすると肩身の狭さは感じずにいられないのだが、それでもとりあえず梳かしてまとめただけの頭・保湿も追いついてないすっぴん適当な服の三種の神器が揃うことで、自動で「そういう人」のラベルけが人々の脳内で行われる。

これが服だけ整っているとそうはいかない。しばしば起こるノーメイクアクシーズ貶しがその例で、ガチャガチャした人体に整った服を纏っている人間は身の程知らずと罵られるかもっと素敵になれるという名目で己にかけるコストを増やそうと提案されるかだ。

結局うつくしい服というのは、それでも自分は着たいと主張できる強くたくましい心の持ち主と自分を労ることを怠らずにいられる豊かな心の持ち主だけに許されている。自分のような半端者は一生無地で白黒のTシャツパンツに身を押しこめて生きるのだ。

からこの話はおしまい。この気持ちは一生外に出すことも無く、いつかトップページから流れて埋もれるこの文章とともに、ネットの海に閉じ込めておこう。

最後に、これが今踏み出すことを戸惑っている人達への呪いになっていたら本当に申し訳ない。私以外はみんな美しい。どうかあなたたちはこんな風にならず、どんなあなたでも存在を許して生きていて欲しい。

追記

書いてすぐ付いた反応にちょっと返して、そのまま放置している間になんだかすごく見られていたようで驚いた。

優しい意見も厳しい意見も色々ある。ありがとうございます時間はかかると思うけど、ゆっくり目を通していきたい。流石に返信までは量が多すぎて出来ないと思うけど……

それからシンプル服装好きな人、本当にすみません。ああいうのが本当に好きで着ている人がいるのもわかっているし、結局のところ自分がそういう嫌な気持ちを抱いているのって「そのようになれという圧力」であって着ている人たちにはなんの罪もないのだが、やっぱり書き方に変な悪意があったと思う。こちらの推敲不足です。

万一知り合いにバレたら嫌なので自分容姿にはあんまり言及してなかったけど、正直顔にもコンプレックスはある。詳しく書くと本当にバレそうなくらい、色々。少なくとも二重ではない。それに男みたいな骨格してるのも嫌だし、こうして書き出すとそもそもけっこう自分自身のことが好きじゃないっぽい。

小学校の頃くらいまで遡るとけっこう自分の服も好きな物好きなように着ていたな。紫が好きなので上下とも紫にしちゃって笑われたりしてた。

多分中学生くらいから地味なの着るようになったと思うんだけど、その辺ってみんなが他人から見た自分について意識しだしてた記憶がある。ダイエットとか、体毛とか、こういうの似合う似合わない、うちの制服ダサい……その流れで増田ちゃんは○○だよねって勝手物差しを向けられるのも今思うとすごく嫌だった。こんなに前から自分って他人の目を感じてたんだ。今から見ると中学生なんて何着ててもかわいいのにね。

まあ変な話は置いておいて、拙い文章に目を通してくれた人も最初だけ読んだ人もありがとうございました。これが何かあなたの足しになったなら幸いです。不快にさせてしまっていたらごめんなさい。美味しいものでも食べて、こんな増田のことは忘れて過ごして

2024-09-22

宮崎駿キャラ大甲子園アニメ映画みたいよね

ルパンが、クラリスが、コナンが、ラナが、ナウシカが、アスベルが、パズーが、シータが、さつきが、メイが、トトロが、キキが、猫も、豚も、イケメンも、サギも、宮崎駿も全部全部ぜんぶのキャラがでる大甲子園アニメがみんな見たいよね!?

[]テイルズオブアライズ クリア

26.5時間

最近やったやつランク付けするなら、

ゼスティリア<アライズ<<ヴェスペリアベルセリアシンフォニア

って感じかなー

スターオーシャン6やったとき感覚めっちゃ似てた

昔のゲームが今風にグラフィックめっちゃあがってるけど、

キャラとかストーリーが悪い意味JRPGやってる感じ

クエストは2割くらいやったか

いろいろマップすみっことか探しにいくので時間かけちゃったからそれなかったら20時間いけたんじゃないかなーと思う

ヴェスペリアあたりから戦闘システムが複雑になってきて秘奥義とか一度も出さずに終わるとか増えてきたし、

戦闘システム全然使いこなせてない感がすごい 自分がね

中途半端アクション性ましててでも攻撃途中でキャンセルしたりもできないし、

妨害する技もタイムリーに使えないしでストレスたまるゲームだったわ

ふたつ世界があって属性ごとの国とかめぐって最後は大ボス倒して世界すくうっていうテイルズテンプレ

敵がHPけずりきってるのにナンチャラっていう必殺技じゃないと倒しきれないのがすげーストレスだった

その状態だと秘奥義あててもダメージゼロとかマジでイミフ

トドメのさしかたを強要するな

普通にダメージあたえたら殺せるようにしろ

あとスーパーアーマーでこっちの攻撃にひるまなくてヒットストップ感もないから爽快感がまじでないんだよな

一番むかついたのはバトルんとき戦場をぐるぐる突進しまくるやつ

突進とめたくてもゲージたまってねーし、魔法となえてるときだとよけれねーしですぐ死ぬからマジでうざかった

キャラ

ちぐはぐ感すごかった

衣装もほぼ変更できるのないし、やたら鼻眼鏡的なアクセサリーは手に入るけど世界観とあわなすぎてつけるきになんなかった

エロいキャラもおらんし キサラのケツくらい

シオンパンツっぽいの見れるけどケツ側ロンスカで見えにくいからつまらんしそもそもエロいと思わない

ストーリー

部会話で説明しようとしてて専門用語だらけでほんまつまらんかった

バトル

アクション性増してる割にプレイヤー側にストレスかけるのが強くて楽しくなかった

ひとまずこれでカタログにあるテイルズは全部クリアできたから、テイルズ地獄からは抜けられるー

2024-09-20

anond:20240920145149

社会生活が困難な人間サポートを与えるのが精神医療であり、病名のラベルをつけるのは本来仕事ではない

anond:20240919111348

よくよく調べると、実際にはフリウェル=ルナベルもそれなりに避妊効果はあるかもしれませんね。

不確かな事を言ってしますみません

ただ避妊効果という薬効で保険申請をしていないらしく(国内治験していないため?)

実際に病院で処方されるとき避妊効果には否定的意見を言われることも多いようです。

また、他の避妊効果があるピルより実際効果は劣りはするようで、私も避妊目的には別の薬を勧められました。

ルナベルULDLD (医薬品医療機器情報提供ホームページ)

https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2482009F1031_2_18/

4の効能または効果には、月経困難症とはあります避妊とは書いてありません。

さらに8の重要基本的注意で「本品を避妊目的使用しないこと」とあります

 

https://news.curon.co/terms/0055/

こちらにも概要部分に避妊目的には使用できないとあります

 

なので実際の効果にかかわらず、フリウェルかルナベル彼女に処方されていた場合は、避妊効果について否定的意見を聞いている可能性があり

ピル避妊が繋がらなくなるとは思います

2024-09-18

人生投げやり

40歳超えてなんかいろいろどうでもよくなってきたので

物欲のままに物を買っている

ゲーミングPC買い換えて、Pixel9買って、iPhone買って、買いたい冷凍ピザ買って、毎週ネットスーパー使って食費月8万使って

マラソンシューズ買い換えて、テニスラケット買い換えて、ホームジム作るためにパワーラックバーベルを用意し、

家の中で有酸素運動やりたいからローイングエルゴマシンを買い、美少女フィギュアを毎月6万ぐらい買う

 

貯金はジリジリ減り続けてるけど、なんかもうどうでもいいや

つまんない人間なので人生まらないです

[]テイルズオブアライズ終盤

んー楽しくないなー

ベルセリアストーリーはともかくキャラ萌えあったからまだ楽しかったしなあ

こっちはストーリーキャラも楽しくない

萌えられるキャラとかエロいキャラがほぼいない

キサラをプレイヤーキャラにして移動中にひたすらケツながめることくらいしか楽しみがない

シオンパンツも見にくいし見れてもあんまうれしくないし、

リンウェルはパンツみえねーし

水着は有料DLCだしさあ・・・

フクロウみつけたら衣装がちょいちょい手に入るけどゴミみたいなアクセサリーばっかで付ける気にならんし

あーはよクリアして解放されたい

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