はてなキーワード: 緊急事態とは
仏「すばらしい日だわ。我らが共和国大統領がようやく痛い目に遭ったわよ」
仏「胸がすく思いね!日本はなぜスガの横っ面を引っ叩かないの?だから日本は遅れてるのよ!hihihi!
まあ冗談は置いといて、私はマクロンは大嫌いだけど、テロにも繋がる危険なアクシデントなので、手放しでは容認できないわね。
増「言いたいことはわかるよ」
仏「ところで日本のミュズルマンが土葬を請願したっていうニュースをあなたは知ってる?」
増「さあ」
「はえ~、そんなことがあるんやな。都道府県に1施設って随分欲張りね」
仏「気をつけてよ。モスクができるまで秒読みよ?」
増「まあ日本はラシスト(笑)だからミュズルマンだろうとそうでなかろうとまず突っぱねるだろうね」
仏「それは賢明ね。かれらは自分の宗教の要求は最大化させるし、キリスト教その他の文化は最小化させる。
メリークリスマスすら言えないのになぜブルカを容認しなくちゃいけないのか理解に苦しむわ。
増「・・・ま、まあポリティカル・コレクトネスの時代だしね」
仏「増田ね、これはポリティカル・コレクトネスではないの。宗教的正しさよ。
宗教的正しさは絶対だから、自分の宗教は最大化し、そうでない宗教は最小化させるの。
増「お、おう」
仏「まあジャポンは狭いからね、棺を入れるような墓場なんてつくるスペースないだろうけど」
増「そうか、土葬は火葬に比べて場所取るんだね。気づかなかったな」
仏「棺桶高いのよ」
仏「火葬ね。まあ衛生的で合理的だとは思うけど、ダンナの親戚の不幸で葬式に出たけど、あれは衝撃的だったなあ。
遺体と面会して、しばらくしたら灰と骨になってる。で、骨をバゲットで拾うわけ。随分酷いなと思ったよ」
増「そうか、酷いって感じるもんなんだな」
増「でもgoogleやヤフーのニュース見てたけど、そのニュースは目につかなかったな。
日本ではイスラム教の影響力はさほどでないってことじゃないかな」
仏「それが一番。もちろん宗教的差別は絶対に許してはいけないけど、
異郷の地で自分の流儀を100%押し通そうというのは異郷の文化へのリスペクトの欠如よ。
あとワクチンの話
仏「イギリスではワクチン接種率が順調に高まっているのに、感染はむしろ増えている。
フランスはイギリスの後追いをよくするので、我が国もいずれそうなるだろうね」
増「へえ。こないだ動画見せてもらったけど、ロックダウン解除とかワクチン普及とかグッドニュースがあるたび、
仏「それはそうだけど、そもそもワクチンの効果自体をもう少し疑った方が良いよ。
増「というと?」
増「ワクチン接種は増えてほしいけど、私は打ちたくないなあ」
仏「Très Bien。打ちたくないというのがまともな判断。ただ緊急事態に限ってまともな判断も再検討されて良いでしょう。
欧米は感染爆発したので、リスクを取ってでもワクチンを打つという選択肢は仕方がない側面はある。
私もフランスに居たら、家族のためにも打つ必要を検討したわね。
増「ん?」
仏「考えても見て。”ワクチンは副作用があります。でも安心して下さい。副作用の確率は限りなく低いです”
こう説明されるはずでしょ。
”コロナは感染力の強いウイルスです。でも重症化する確率は限りなく低いです”
コロナに罹るのはどうしようもない。でもワクチンは選択できる。選択できるなら、リスクを回避するのが当たり前でしょ?」
増「???ごめんよくわかんない」
仏「感染者数もコロナ死亡数も"他に比べて"(entre guillemets)圧倒的に低い日本では、リスクは均衡しているってことよ。
欧米では感染リスクの方が圧倒的に高いからワクチンを受け入れざるを得ない。
でも日本はコロナのリスクが”欧米に比べて”大したこと無いんだから、ワクチンのリスクを恐れて拒否することは当然の合理的な選択ということよ。
ワクチンを打ちたい人は打てばいい。でもワクチンにリスクが有ると思うのなら、そのリスクを回避するのは合理的でしょ」
増「そのりくつはおかしい。コロナが重症化するリスクは限りなく低いってことはないでしょ」
仏「だったらワクチン打ちなよ。コロナのリスクがワクチンのリスクより遥かに高いって判断するならね。
でも考えようによってはワクチンのリスクとコロナのリスクは同じか、むしろワクチンのリスクが高いって見方もあるでしょ?ってこと」
増「おぅ・・・」
仏「コロナのリスクがワクチンより高いならワクチンを打ちなよ。リスクがイーブンなら、感染症対策バッチリした上でのワクチン拒否も合理的。
でもコロナリスクよりワクチンリスクが高いならワクチンを打つ方がバカでしょ。増田はどう考える?」
ワクチン摂取増えろ増えろ、でも私はギリギリまで打たないぞー、ってスタンスだったからあんま考えてなかったや」
仏「合理的だろうと非合理的だろうと人にはそれぞれ考えがあるし、それは認める(Je le constate)。
でも私は理屈に合わない話を受け入れるつもりはないな」
増「なるほど」
mont-joie:マクロン襲撃者が言ったらしい言葉。解説聞いたけどよくわからんかった。
avoir failli~:危うく~するところだった
avoir pour objectif de:~する目的で
déficit:不足。manqueとどう違うんだろう。
cercueil:棺
crémation:火葬。incinérationとも言う。
constater:確認する、認める。同意ではないがその意図はわかる、的ニュアンス。
「 Je ne suis pas d’accord avec ce que vous dites, mais je me battrai jusqu’à la mort pour que vous ayez le droit de le dire」的なヤツ?
と聞いたらまあそんな感じかしらとのこと。
今日は全力でバリラNo.3(茹で時間5分)を薦めたい。スーパーで普通に売られているパスタだ。
私はこれまで「パスタといえばディチェコ」と信じてせっせと買っていたが、去年の緊急事態宣言の時にパスタ麺がスーパーの棚から消えた時、ネットで検索して「バリラ」に出会った。
私はそれまでバリラを知らなかったのだが、イタリア最大の食品会社で、パスタ麺には麺の太さに応じてナンバーが振られている。私は失敗したくなかったのでネット口コミを見てNo.5(茹で時間9分)を購入して十分満足していたし、これからも私一人ではNo.3(茹で時間5分)に挑戦しようと思わなかったと思う。
スーパーでの欠品により、バリラNo.3のパスタ麺を買ってきてくれた同居人に全力で御礼を言わねばなるまい。ありがとう。
バリラNo.3の美味しさを綴ろうと思う。
まず、バリラNo.3は、細いのにコシがある。これは驚くべきことだ。というのも、こういう細いパスタはコシが比較的弱いため、得てして冷静パスタに使われがちだ。冷たい水でしめることで、麺がプリプリ感と美味しさを取り戻すのである。もしわかりにくい場合は素麺を想像して欲しい。素麺は(温かくして食べることもあるが)氷水でしめて食すことが好まれる。逆に言うと、こういう細い麺は温かい料理には向かないのだ。ところがこのバリラNo.3はどうだろう。細いのにも関わらずコシがあり、このコシはパスタを食べ終える頃も健在だ。そう、細いのにコシがある、この一点のみ取り上げても卓越した麺なのだ。
次に、ソースの絡みが抜群だ。これは細い麺に共通にして言えることだが、麺と麺の隙間が狭いためそこにしっかりとソースが入り込む。麺とソースが絡み合い、1足す1が2以上になる。私は今日はトマトベースのパスタを作ったが、まさにお店の味がした。
最後に、味といえば、そう、このバリラNo.3からはしっかりと小麦の香りがする。ここまで素晴らしいと、もはやバリラNo.3はNo.3ではなく、No.1に名称を変更すべきではないか。
緊急事態宣言でアルコール提供がNGになった。10年近く夕飯は基本的に一人で外食だったので、
まあ黙々と食べるなら良いだろうということで、大きくは生活スタイルは変えずに送っていた。
お酒飲んで食べてる時は週1で通ってたようなお店のご飯もダメだ。
あまりにも味覚の落差に愕然としたので、酒がないとマズくなるものを勝手にランキングしてみる。
第3位 刺身
日本酒飲みながら白身、ビールとマグロなど、和食系の居酒屋や割烹行ったら、間違いなく刺し盛りを頼んでいた。これが酒が無いと途端に不味くなる。
1切れ目は良いが、3切れ目くらいになってくるとムニムニとした食感も飽きてくるし、
醤油の味も辛くなってくる。帆立や赤貝などの貝類が特に好きだったのだが、
磯臭さがどうにも鼻について、気分が悪くなってしまった。
醤油味がダメなのかなと思って、ユッケ的なものやカルパッチョ、
ヌタや胡麻和えなどバリエーションを変えた刺身も試してみたがやはりダメ。
ビストロ系の料理は、もう全部ダメだった。とにかく味が濃くてしょっぱい。
アヒージョ、フリット、カジョス、ロースト、煮込み・・・etc
ワインと合わせて食べた時はめちゃめちゃ美味しいバルだったのに、
普段だったら3〜4皿頼むのだが、2皿も食べたら塩味が強すぎて食べられなくなった。
水飲みながら何とか食べきったけど、寝るときも体が火照ったような気持ち悪さが抜けなかった。
第1位 焼き肉
好きな食べ物を聞かれたら焼肉と答えてたほど焼肉が好きだったのだが、
これが見事なまでに酒が無いと美味しく無い。
美味しいホルモンを求めて都内中を探したり、安全に食べられるユッケがあると聞けば
神奈川や埼玉に足伸ばしてでも食べにいくほど好きだったのにだ。
サシが入るような肉は脂っぽく、赤身の肉もしょっぱい。
ホルモンも脂の多い部位はグニグニと気持ち悪く、コリコリした部位も顎が疲れるだけ。
キムチやセンマイ刺しも一口で十分で、シメで食べてた冷麺やクッパも味が強すぎるように感じた。
あまりの衝撃に店の味が落ちたと思って、別のお気に入りの店に行ったんだけど
そこも同じ。俺が美味しい美味しいと食べてたものは何だったんだろうか。
こんなに楽しく無い外食をしてたのかと思うと結構びっくりした。
追加:
思ったよりみんな色々おもうことあるんだなw
コメント少し返してみる。
○米と一緒に食べたら?
糖質制限的なのやってるのもあって、炭水化物は夜は控えてるんだよなー。
○酒飲んで味覚バカになってるだけ。
飲まないで食べたら、美味しくなった!
ってならそうだと思うんだけど、実際逆なので驚いてるのよ。
飲食店が酒呑みのバカ舌に合わせてるっていうなら、そうなのかもしれないけど、
それならマジで酒飲まない人にとって外食は辛いだろうなと思ったんだよ。
○身体どっか悪いんじゃ無い?
今年の健康診断の限りだと大丈夫そうではある。緊急事態前までは普通に飯美味かったし。
○俺は酒飲まないけど、それら全部美味いぞ!
まあそうなんだろうけど、不思議だよなぁと思うわ。
ノンアルビールは一杯目は「お!いけるやん?」って思うんだけど2杯目から急激に不味くならん?
炭酸水もまぁ良いけど、美味しくは無いよなぁ。
たぶん俺のエンゲル係数聴いたら引くよ。
早くまた、行きつけの店で美味しく食べたいだけなんだよ!
戸建てばかりが立ち並ぶ住宅街のど真ん中。昼は学校、後に仕事で基本的に家にいなかったし(家族も昼は仕事で家に誰もいないことが多かった)、何より自分も住宅街の幼稚園に通っていた身だから、そこまで悪い印象は抱いていなかった。
しかしコロナ禍、断続的に緊急事態宣言が出されるようになり、週のほとんどがテレワーク勤務になってから、気付いた。
ガキのギャーギャー泣き喚く声もクソうるさいし、先生がどいつもこいつもクッソ口が悪くて園児への最早暴言スレスレの叫びも、声量もキツイけどその内容がキッツい!!!毎朝始業時間頃に嫌がらせのように宗教じみた訓示を園児に暗唱させるのもキモすぎて吐き気がする!!
何よりこのご時世だからか、お歌と楽器の時間も窓全開だから、鼓膜にどストライクに響くレベルの騒音が30分〜1時間くらい鳴り続けるのが堪え難い!!メロディオンの音ってマジで発狂しそうなくらいうるさいの知ってる?しかも先生がピアノど下手くそで伴奏だけでも聴くに耐えないレベルなんだわ。イヤホンつけて会議やってても上司の声より耳に突き刺さる園児の大合唱とクソピアノ。この前AirPods買ったばかりだけど、1万円ケチらずにproにしておくべきだったわ。天下のApple様ですらキャンセルできるか怪しいレベルのノイズだけど。
正直仕事にならないレベルなんだけど、子どもは地域の宝でいかなる騒音も許容しなきゃいけないから苦情入れちゃダメなの?苦情いれたらあたおかクレーマー扱いされる?
子どもの遊ぶ声とかはもういいよ、うるさいけど、子どもは元気に遊ぶのが一番だからと思って我慢する。でもせめて演奏の時間だけは窓閉めてほしいですって言いに行っていい?コロナだから無理?部屋の中で何十人の園児がわーわーお歌を歌ってる時点で、もし誰かしら感染してたら、例え窓開けてても普通にうつるよね?
引っ越し、というか実家を出ることも考えた。でも職場へのアクセスも良いし、職場の近くは家賃が高すぎるし、何よりあと1〜2年で転勤になる可能性が高いから、契約年数とかも考えるとなるべく引っ越したくないんだよ。なんで後からやってきた保育園のために無駄に金かけて家出なきゃいけないのか分からんし。
今日夕方新橋を歩いてたら、閉めてる店もあったけど、4割ぐらいは開けてて普通に酒出してた。
路行く連中の中で明らかに出来上がってる奴らもいたし、
結婚式の帰りっぽい奴らも出来上がってたので披露宴でも酒出してたんだろう。
ってのはまあそうなんだろうけれど、
こうやってなし崩し的に酒のんで騒いでマスク外してどんちゃん騒ぎやってたらそりゃ東京は感染者が毎日でるわな。
さっさとコロナで滅べば良いと思った。
中野区中央は狭い敷地に同じような家が同じように建ち、みっしりと並んだ区画が続く。歩いているうちに自分がどこへ向かっているのかわからなくなる。東京の住宅地はそんなものだといえばそうだが、中央と名乗るからには、もうすこし街らしい華やかさがあってもよさそうなものではないか? 中野区中央は、その種のにぎわいとは無縁な場所だった。
べつに好き好んで中央まで歩いて来たわけではない。職場の寺元さんがこの1週間ほど出勤せず、連絡もとれない。社長に渡された住所のメモと住宅地図のコピーを頼りに寺元さんの居所を探し、様子を探るよう、依頼を受けて来た。他に社員は私しかいなかったからそうなったわけだ。
ファート商会という会社が私たちの職場だった。本社は中野にあり、放屁の気体用保存容器を製造販売している。このシリンダー状の容器に放屁を閉じこめておくと、どれほど時間が経っても、栓を開けさえすれば、気体が肛門を通って出てきた瞬間のフレッシュな臭気を嗅ぐことができる。このような器具にどれほどの需要があるものかと、最初私は半信半疑だった。が、細々と着実に注文が入り、会社は今まで生き延びてきた。
中野では誰もがその日を生き延びるのに精一杯だった。いちど中野駅で電車が止まれば、もう中野を出て行くことはできなかったからだ。
もう何年も前の話だ。夕方、私は仕事を終えて秋葉原から総武線に乗り、荻窪のアパートへ帰ろうとしていた。電車は中野で停まり、ドアが開いた。もともと中野での停車時間は不自然に長かった。新たに乗り込んでくる人はおらず、車内に放置された乗客は、列車が再び動き出すまで忍耐強く黙っているのが常だった。だがその日の停車時間は長すぎた。15分を過ぎた頃から、いらいらと外の様子をうかがったり、ホームへ降りたりする乗客が出はじめた。それでも列車は動く気配がなかった。30分が経過した頃、当駅で列車は運行を終了する旨のアナウンスが流れ、乗客は全員が外に出された。それ以来、私たちは中野で暮らしている。
中野は孤絶している。東京の他の区からも、日本の他の地域からも隔離されたままだ。新宿よりも西に向かう列車を選択的にブロックするよう、政府からJR東日本へ命令があったとかいう噂だ。感染症の拡散を防ぎ、テレワークの普及を急ぐためらしかった。通勤を控えるようにこれまでさんざん忠告したのだから、都心へ通勤した輩はもう帰宅させなくてもよろしいというわけだ。だが噂は噂で、なぜ中野以西への鉄道運行が突然終了したのか、本当のことを知る人はいない。少なくとも中野にはいないと思う。
中野で足止めされたら、人生を中野でやり直すしかなかった(生き続けていくのであれば)。テレワークをしていなかった乗客は一瞬で路頭に迷った。中野で住みかを見つけ、仕事を見つけ、生活の糧を得ていくしかなかった。
練馬、杉並、新宿と中野の境界には有刺鉄線を張ったバリケードが設置され、高いコンクリート壁の建設が始まっていた。20式小銃を抱えた警備隊が昼も夜もバリケードの前を行き来していた。こうした措置に抗議したり、やけを起こしたりして境界へ突入する人はときどきいたが、その場で「管理」され、戻ってくることはなかった。「管理」されたくなければ、望んで降りたわけでもない中野で生きていく他はなかった。
ファート商会は、中野へ流れ着いた人間で始めた会社だった。偶然に同じ場所に居合わせた三人、空き家になっていた蔦だらけの木造家屋を見つけて寝泊まりしていた三人だった。私たちは手持ちの金を出し合って米を炊き、駅前の広場で獲った鳩を焼いて共同生活を送った。放屁を保存するシリンダー型容器というアイディアを出したのは、社長の鬼澤さんだった。本人の話では、食品の品質検査に使う精密機器の会社に勤めていたそうで、その方面の知識は豊富だった。最初は中国から大量に取り寄せたシリンダーを小箱に詰め替えて転売していた(中野から移動はできなかったが郵便物は届いた)。仕入元と取引を重ねるうちに、小ロットでも自社ロゴマーク入りの製品を作ってもらえるようになった。
その頃には空き家の相続人を名乗る人物から弁護士経由で文書が届いて、私たちは追い出された(急激な人口増加のため中野の地価は上がったらしい)。駅近くの雑居ビルにたまたま空きがあったのでそこに移り、事務所で共同生活をしながら放屁の保存容器を日本中に送り続けた。事務所とは名ばかりで、中国から届いた段ボール箱が積み重なる室内には洗濯物が下がり、夕食の豚肉を焼くにおいが漂っていた。
三人がそれぞれに部屋を借りて事務所から引越したのは、それからさらに一年ほど経ってからだ。そうするだけの資金がようやくできた、そろそろ仕事とプライベートを分けたい、当面は中野から出られる見込みがなさそうだ、といった思惑や妥協が交差した結果、私たちはそろって職住同一から職住近接の体制へ移行したのだった。
鬼澤さんに渡された地図のコピーを見ても、寺元さんの住みかはさっぱりわからない。どの角を曲がっても同じような家並みばかりで、ときおり家の塀に貼ってある番地表示板だけが現在地を知る手がかりだった。ひと昔前までは、スマートフォンで地図アプリを見れば迷わずにいろいろなところへ行けた。中野に閉じこめられてから、その類のアプリはなぜかいっさい起動しなくなった。だから中野で住宅地図は貴重品になっていた。
何度も同じ所を行ったり来たりして、ようやく見つけた寺元さんの居宅は、路地の奥にあった。旗竿地というのか、家と家の間を通って行くと不意に現れる隙間がある。そこへはまりこむようにして古アパートが建っていた。鉄柵にかかるプラ板に、かすれた文字で「シャトーひまわり」と書いてある。柵のペンキはささくれ立った指の皮のように、いたるところから剥けて、露出した地金から赤錆が吹き出していた。一階の通路には落ち葉が吹き溜まり、繰り返し人が通った箇所では砕けて粉になっていた。各戸の前に置かれた洗濯機のカバーは、もとは水色だったらしいが、雨と埃をかぶり続けて黒くなっていた。
103号室には表札も呼び鈴もついていない。寺元さんの居所はここらしいが、本当にそうであることを示す手がかりはない。ドアをノックしたら全く無関係な他人が出てきて、警戒心に満ちた視線を向けてくるかもしれない。そういう可能性を考えると、ドアをコツコツとやる力が自然に弱々しくなる。返事はない。中に人の気配があるのかどうかも分からない。洗濯機の上にはすりガラスの小窓がついているが、その奥で人影が動く様子もない。小声で名前を呼びながら再びノックしてもやはり返事はなかった。
寺元さんは出かけているのだろうか。あるいは先週あたりに部屋の中で倒れて誰にも気づかれず……不意にそんな想念にとりつかれたが、辺りは埃っぽい臭いがするだけだ。やはり出かけているのだろう。
その場を離れようとして歩き始めた瞬間、背後で音がした。振り返ると、寺元さんがドアの隙間から半分だけ身を乗り出し、こちらを見ていた。禿げ上がった丸顔はいつもより青白く、無精ひげの生えた頬がこけて見えた。「田村さん、なんで……ああ、そうか……まあ、ここじゃなんなので、どうぞ……」
「散らかってるけど」
といいながら寺元さんは私を部屋に招き入れたが、中は私の部屋よりもきれいに片づいていた。ローテーブルの上にはA4サイズのポスターみたいなものが散らばっていた。猫の写真の下に黄色い枠が印刷してあり、「さがしています」という文字が見えた。
「先週から急にいなくなっちゃってね、ずっと探してたんだけど……」
猫を飼いはじめたと寺元さんが言ったのは半年ぐらい前だったか。ランチの時に写真を見せてきたのを覚えている。たしか、ニティンとかいう名前だった。額の毛が富士山のような形に、白と黒に分かれている猫だ。
「この近所では、見つからない感じ?」
「毎日そこらじゅうの路地に入って見て、電柱にポスターも貼ったんだけどね。今のところ手がかりはなくて……」
寺元さんは俯いたままTVのリモコンをいじくり回していた。目の下にできた隈が濃かった。
中野では孤独死が増えているらしい。突然にそれまでの生活、人間関係から切り離され、中野に閉じこめられた人々が、生き残りをかけてあがき続け、一息ついたあとに待っていたものは、容赦のない孤絶だったというわけだ。
職場への連絡も忘れ、一週間にわたって捜索を続けていた寺元さんと猫との個人的な結びつきは、どれほどのものだったのだろう。そして突然に去られたと知ったときの衝撃は……いや、仕事を忘れていたのではなくて、猫を探すために休むと言えなかったから、連絡できなかったのかもしれない。猫の存在が、どれほど寺元さんの柔らかいところに入り込んでいたか、誰にも知られたくなかったから、中野ではそれなりに気心が知れているはずの私たちにも、失踪事件とそれがもたらした内面の緊急事態について、口を閉ざしていたのではないだろうか……
「鬼澤さんには、寺元さんが体調崩して寝込んでたとか言っておくので、ニティンの捜索、続けてください」
「気遣わせちゃって、ごめん。僕の方からも、後で連絡入れておこうと思うから……」
寺元さんはアルミサッシを静かに開け、冷蔵庫から麦茶を出した。梅雨時の空気で蒸し暑くなり始めた部屋にかすかな風が入ってきた。窓の外に見えるのは隣家の壁ばかりで、申し訳程度についたコンクリート製のバルコニーの下には、古い落ち葉が厚く積もっていた。その隙間に何か、木の根か、古い革製品のような、黒に近い焦げ茶色のものが突き出ている。表面には緑の苔か黴のようなものが吹いて、時折、びくり、びくりと脈動しているように見える。
「寺元さん、そこに、何かいるみたいなんだけど」
「ああ、それ、引っ越してきたときからずっとそこにあって……え、動いてる?」
その「何か」の動きはしだいに大きくなり、周辺の落ち葉がめくれて露出した土には蚯蚓や百足が這っていた。そこに埋まっていた朽木のようなものは、地表面に見えていた一部分よりもはるかに大きかった。それは蛹のように蠕動しながら室内へどたりと入ってきた。麦茶のグラスが倒れ、中身がフローリングの上に広がった。
その「何か」は動き続けるうちに表皮が剥がれて、琥珀色をしたカブトムシの蛹的なものが姿を現した。痙攣的な動きはしだいにゆっくりと、動物らしい所作が読みとれるようなものになってきた。やがて内側から被膜が裂け、現れたのは肌だった。真白なその表面へしだいに赤みが差してきた。寝袋のように床へ残された被膜から、人型をしたものが起きあがる。
それは姉だった。間違いなく姉だった。17歳の夏の夕方、高校の帰り道、自転車ごと、農道のどこかで消えた姉。警察が公開捜査に踏み切り、全国の交番に写真が貼り出されても、けっして戻ってくることのなかった姉。落ち着いたピンク色のフレンチスリーブワンピースを着て、薔薇色の頬に薄い唇と切れ長の眼が微笑み、当時の面影はそのままに、だが記憶の中の姉よりもはるかに大人びた姉が私を見ていた。
「背、伸びたじゃん」
といいながら姉が私の腕に触れた瞬間、思わず涙がこぼれた。
「そうか、田村さんのお姉さんだったのか。だからずっとそこに……」
寺元さんは何か遠く、眩しいものを見るような目で、姉と私を見ていた。
姉は寺元さんに微笑みかけながらも決然と言った。寺元さんは照れくささと寂しさの入り交じったような顔で笑った。が、不意に真顔に戻った。
かすかに、猫の鳴き声のような音が聞こえる。涼しい夕方の空気が窓から入ってくる。
どこか遠いところを見ながら姉が言う。
「もうそんな季節か」
中野ディオニューシアまつりは毎年初夏に行われる。今年もたくさんの供物を捧げた行列が、狂乱状態の男女が、鍋屋横町を練り歩くのだろう。中野で過ごす何度目の夏になるだろう。いつの間にか、夏の風物詩を繰り返す季節の一部として、中野で受け入れつつある私がいた。
の3本を表に出して4月あたりに選挙に打って出ておけば、勝機があったよね?というか、4月あたりの選挙が唯一の勝機だったんじゃないの?
そりゃ緊急事態宣言を出せ出せ言って感染拡大の責任を問うことを主軸にしていた時期に、感染拡大の理由になりかねない選挙をさせるのは敗因にはなるだろうと思うけど
このまま自民党に任せておいていいのか?日本がダメになる!って叫んでいけば、最も勝機があった時期だったと思うよ。
この後8月か10月の総選挙になれば、ワクチン接種率の急速な上昇(既に64歳未満も接種しつつあるし、高齢者は接種済みで平常を取り戻してる)と、五輪開催効果で
自民党への支持を立憲民主党が崩すことは不可能だろうと思う。立憲民主党には、自民党と戦える功績もないし、自民党が加点した直後でもあるからな。
4月に選挙してれば政権交代だったのにな・・・・惜しい・・・てか執行部にセンスがなさすぎる。
不信任案を出せば即座に解散と二階が宣言してる以上は、野党は不信任案さえ出せば最も有利な時期を選べたはずなのに
もう勝ち目が消えた今になって不信任案を出す出さないで右往左往してるのをみると情けなくなってしまうんだよ、何故、不信任案を出すタイミングを間違えてしまったんだろう?
土曜日、通院のために久しぶりに都内に向かったら、電車がもう緊急事態宣言解除されたんだっけ?という雰囲気で嫌な気持ちになったので愚痴を聞いてほしい。
一人暮らし、仕事はフルリモートなので、この一年まともに人に会っていない。たまに出社して、同僚に久しぶり、と声をかけるくらい。ランチも当然一人。
普段は最寄り駅にある範囲でしか行動していない。外食はするけど、すき家、松屋みたいな基本お一人様がさっさと食べて出る店くらい。たまに、ソーシャルディスタンスをちゃんととってるファミレスに行く。
今回の宣言が出たばかりのときは、都内の商業施設が休業してたせいか、上り電車はかろうじて座れる程度にはすいていた。が、今日はまあまあの混雑で、あと喋ってる集団があまりに多いのが気になった。
窓は開けてあるはずだが、雨なので誰かが閉じたのかもしれない。
黙って座っている人も、観察するとマスクの付け方がまともじゃない。鼻マスクは論外で、不織布のワイヤーを曲げていなくて横ががら空き。この一年以上、この人らは何を見てきたのか。
きれいにおしゃれをして、おしゃべりしている女性たちはどこに行くのか?友人と会うのも、もし自分がうつしてもうつされても後悔するので我慢している。
頼むから、家にいてくれないかと思う。2週間、最初の宣言の時みたいに人が街からいなくなる状態になってほしい。
自分はテレワークができる職種で、恵まれていると思う。だから、なるべく出歩かないでいる。
混んだ電車に乗っていた人たちは、仕事や、家にいられないやむを得ない事情なのかな?だとしたら苛立ってしまって申し訳無い。ただ、やむを得ない事情の人が多すぎないかと思った。
自粛疲れ?
言うほど自粛してないだろ!
数万人規模で行う臨床試験(治験)の最終段階が課題になってる。
通常のプロセスでは最終段階の治験がカギとなる。欧米などに比べて感染者が少ない日本で数万人の治験者を集め、安全性や効果が証明できるかは不明だ。治験では偽薬も使用するが「すでにワクチンがある状況なのに、偽薬を使うことに倫理的な問題が出る可能性もある」(業界関係者)。また、塩野義の年内の実用化見通しは、特例的に早期に承認を受けることも前提にしており、さらに不透明感が増している。
1日に閣議決定された国家戦略でも薬事承認の迅速化が盛り込まれており、緊急事態で特別にワクチン使用を認める制度に関し「本年中に方向性について結論を出す」とした。
承認までのスピードが実用化を左右するのは、ほかの製薬企業でも同様で、第一三共は「早期承認制度が実現すれば令和4年の実用化が目標」とする。
3月に治験を始めたKMバイオロジクスは、令和5年度の実用化を目標としている。早期承認制度ができれば、前倒しできる可能性がある。
その惨状を見る限りでのオリンピックに客入れようとるす事のバカらしさについて書く。
球場のそばを通ったのは開場の1時間前くらいで、人自体は多いとはいえない状況ではあったのだが
早めに来て待ってるような人がいる状態だ。
球場は中に入ってないので正確には分からないが、酒類の持ち込み禁止となっていたので球場内自体の感染対策はしっかりしているのだろう。
飲食店は5月の緊急事態宣言中で概ね酒類の提供を行っていないようだった。
しかし、早めに来た人は当然、飲食店に入店して時間を潰している。
酒こそ飲んでいないはずだが、テーブル越しに会話を行っている。まさに会食だ。
スポーツ観戦なんて同居してない友人・恋人などの関係性でいくパターンも多いので、
人流増加で本当に防ぎたいことである、マスク無しで至近距離の人と人の対面で会話を行う接触行為でしかない。
オリンピックも競技場内で感染するケースはまれだと思うが、実際問題として(飲酒の有無に関係なく)事前、事後の会食
といった濃厚接触行為がイベント後に行われるのが一番の感染源だ。
だからこそ、東大の先生のシミュレーションでは人流の増加(がもたらす会食等の行動)だけが感染拡大の影響要因とシミュレーションの結果に出ているのである。
ちなみに現状と同じ飲食店の酒類提供禁止を行っていても対策は完璧ではなく、
近場のコンビニで買った酒とツマミをベンチで広げて飲み食いしてる連中までいた。
別にサラリーマンが自分の利益のために五輪の中止や緊急事態宣言を求めるのは自由なんだよ。
ただ別に他者がそれとは異なる自分の利益のために反する意見を言ったり、意見を表明しないことも自由で、あとは政治の場で調整するしかない。
ニッポンについて書く増田(NP増田)の、この1年間のエントリと思われるものをざっくり拾い出してみた。1件2件は別人のものも紛れ込んでるかもしれないが、論調的にも、ほぼ同一人物の手になるものだろう。
ttps://anond.hatelabo.jp/29990604053428 ニッポンにおける教育について
ttps://anond.hatelabo.jp/29990603091511 ニッポンは家を買うことができない
ttps://anond.hatelabo.jp/29990602062904 ニッポンに見る政府主導による最低賃金の上昇がいかに社会を破壊するかの実例
ttps://anond.hatelabo.jp/29990601083142 ニッポンの難民に対するヘイトがひどい
ttps://anond.hatelabo.jp/29990528105012 ニッポンにおけるジェンダーギャップの解消が貧困問題を深刻化させる
ttps://anond.hatelabo.jp/29990525091250 ニッポンの難民制度が今後どう変わっていきそれがニッポンの経済にどういう打撃を与えるのか
ttps://anond.hatelabo.jp/29990521143904 ニッポンは外国人から全て奪い取る国になった
ttps://anond.hatelabo.jp/29990521051247 ニッポンの緊急事態宣言について
ttps://anond.hatelabo.jp/29990520184111 ニッポンでは更に貧富の差が広がることが確定した
ttps://anond.hatelabo.jp/29990520100204 ニッポンの難民システムが完膚なきまでにぶっ壊れた
ttps://anond.hatelabo.jp/29990507083023 オリンピックに見る差別主義者は自分を普通と思っているという話
ttps://anond.hatelabo.jp/29990331153426 今ニッポンが難民に求めるものは純粋に国外退去になったのと人権が崩壊するかもしれない
ttps://anond.hatelabo.jp/20201218081509 ニッポンに移住するなら搾取されることを覚悟しなくてはならない
ttps://anond.hatelabo.jp/20200929181232 ニッポンではセクハラはきちんと定義されている
ttps://anond.hatelabo.jp/20200923090305 ニッポンのコロナ第二波は果たして本当に第二波だったのか
ttps://anond.hatelabo.jp/20200916110059 ニッポンの家は人間が住むものではない
ttps://anond.hatelabo.jp/20200903174251 ニッポンでは若者の自殺率が結構高い
ttps://anond.hatelabo.jp/20200829174554 ニッポンのコロナ対応は失敗だったかもしれない
ttps://anond.hatelabo.jp/20200825192900 ジェンダーギャップが解消されるとどうなるか
ttps://anond.hatelabo.jp/20200815203342 CHとNP
ttps://anond.hatelabo.jp/20200809204235 ニッポンは移住先に選んではいけない
ttps://anond.hatelabo.jp/20200509144906 コロナに勝利したっていってるNP、今でも中国よりずっと厳しい
というテーマをずっと循環している。で、そこからしばしば「だから日本死ね!!!!」という結論に向かう。事実関係や論理には結論ありきというか我田引水で怪しい部分も感じるので、今はむしろ、彼(or彼女)のこういう情念がどこから来ているのかのほうが興味がある。
なお、anond:20210604085923のパクリのようだ。