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はてなキーワード: 楽譜とは

2023-08-17

anond:20230816181423

ピアノ以外の楽器を薦める人は、ピアノ楽譜がどれほど充実してるか分かってないのよな。特に新曲

紙で出版されるものだけでも相当多い上に、ダウンロード販売がめちゃくちゃ発達しててコンビニプリントで直接買ってA3用紙に印刷したりできちゃう

大抵のアニメ主題歌楽譜出るからアニオタはめちゃくちゃ捗る原作再現っつーか音楽コスプレっつーか音楽聖地巡礼っつーか、そんな感じ。人気作だと紙の楽譜も出るからファングッズとしても良い。

あと、ピアノ打弦楽器主旋律コードリズム全部1台でできて楽譜もそういう風にアレンジされてるから一人で楽しいぼっち向き。

ぼっちアニオタピアノやれ。

anond:20220626101611

ソバイスで申し訳ないってかこんなんわかってると思うけど、趣味カラオケレベルで歌を上手くしたいなら、

の3つしか基本的にやることはないよ。

楽譜どおりってのは必ずしもそうは言えないというかガチで上手い人はアドリブ入れるもんだけど、それは楽譜どおりに歌おうと思えば正確に歌える前提のことだからね。

ほんで、この3つはテキトーに歌ってても量こなせばある程度までは上達する。増田は今このレベルなんだと思われる。

今以上にやれるようになりたいなら、改めてこの3つを地味にトレーニングしないといけないんだけど、それはどうしても訓練感が半端なくて、歌ってて楽しいって感じの作業ではなくなるので、増田のやる気次第というのが正直なところ。

2023-08-16

anond:20230816181423

小さい時7年習ったけど今楽譜見ても弾けねーよ

趣味がねえヤツは電子ピアノ買え

anond:20230816095430

その通り。

じゃ何やればいいんだよ、という人は電子ピアノおすすめ

電子ピアノ趣味の良いところは次のとおり。

・金がかからない。最初10万円程度の出費はあるがその後は電気代くらいで一生遊べる。楽譜無料ダウンロードできるものだけで結構あるしYouTubeに入門者向けのピアノ講座がたくさんある。(※1)

・誰でも「1000時間練習すれば必ずある程度は初級曲なら弾けるようになるといわれている。ピアノってのは自転車と同じで才能は必要なく「訓練」さえすればある程度までは必ず誰でも上達するのだ。才能どころか音感も一切いらない。(※2)

・家でできる。インドア派も運動オンチ友達ゼロでも安心安全

・誰にも迷惑が掛からない。ヘッドホンでできるので誰にも知られずにひっそりと練習できる。

・一人でできる。誰かの許可を得る必要もない。ピアノ練習とは自己との戦いであるのだ。

・一生続けられる。

・老後のボケ防止に最適! 指先から足先まで全身を使ううえにピアノを弾く動作ってのはめちゃくちゃ頭を使うのだ。楽譜も覚えないと弾けないし。

・上達してきたらストリートピアノ披露しよう、ヒーローになれるよ!ストリートピアノマップ検索すると全国に結構あります

ピアノ教室で若くてきれいなお嬢様のような先生と仲良くなれる(爆)なお若い女性の先生ちょっかい出す中年男性が多すぎてピアノ教室では成人男性お断り教室も実は多いです。先生に変なことしちゃだめ!!本気で上達したい人だけピアノ教室に通ってください!!

ピアノ教室では同年代の人も多くて、発表会などで友達もできるよ!

<注>

(※1)ただしワイみたいに沼りだすと最低30万円以上のグランドピアノ鍵盤を搭載した高級電子ピアノが欲しくなるし、楽譜ダウンロードサービス(たくさんあるよ!)にサブスクやりだすのでそこそこお金はかかる。しか趣味=車みたいなのを考えたら誤差みたいな金額だぞ。税金保険駐車場代の1年分で最高級電子ピアノが購入できます!!

(※2)もちろん訓練で何とかなるのは初級レベルの話で、中上級レベルに達するにはもちろん才能が必要。なお「入門レベル」を脱するのに1000時間、初級レベルを脱するのに3000時間、中級レベルを脱する(音大受験するレベル)に1万時間の「訓練」が必要と言われている。毎日1時間練習して3年で1000時間(入門レベル卒業)、10年で3000時間(初級レベル卒業)。音大進学には毎日4時間以上の訓練を10年続ける必要があるといわれている。ピアノってのは果てしなく長い訓練が必要だということ。えっそんなにかかるの?と思った方、人生死ぬまで楽しめる趣味としては3年や10年なんてたいした時間じゃないでしょ?(笑)

2023-08-15

実家帰省中台風来たる。

新幹線運休につき、一日滞在を伸ばす。

それにしても、大きな目をした台風だ。

まだ台風が通過したわけでもなのにピタと雨が降り止む。

もうすぐまた風雨激しさを増す予報。

こういうとき雨雲レーダーは正確だ。

降って止んで降って止んでリズム楽譜のように教えてくれる。

でも、スマホ雨雲レーダーを見れない時代って、どういう感覚だったっけ?

これから雨がふるのか、やむのか、そんなこともわからずにいた時代のことはもう思い出せない。

2023-07-23

着信音って変えてる?

スマホになってからデフォルトの音しか使ってない

本を見ながらポチポチ楽譜入力したい

2023-07-20

鋏がどこかに行った増田ペン立て単ペ野田素真タッイに過去度がミサは(回文

おはようございます

ここのところ忙しいでお馴染みの私なんだけど、

私のこぢんまりとした事務所も人の出入りが激しくありーの

背中が気になってろくに増田も書けやしない事態なのはあいいとして。

出入りが人の数が多くなってきた分

私のデスクペン立てからハサミとか勝手に持っていちゃう人がいて

しかも返却されないモヤモヤさ加減はどこにぶつけたら良いのかしら山脈に向かってヤッホー!って叫びたいところなのよ。

ハサミ1本でケチって金額とかそんなのはどうでもいいんだけど

私が気に入っているハサミを持って行っちゃうのが悲しいのよね。

そんで

2本ペン立てに刺さって備えてあるハサミを

パフィーの蟹食べたいときに歌う曲と思ってデンモクで曲を予約したら「アジアの純真」だったときの悲しいとき

両手でハサミを持ってチョキチョキってカニさんのジェスチャーをして悲しさを紛らせないじゃない!

パフィーさんの曲の楽譜の「愛のしるし最初ティンパニーをでんでんでんでんでんでんでんでんって叩くところに

楽譜ティンパニーに頭から突っ込む!指示が書いてあったら

もはや違う曲になっちゃうわよね。

ティンパニーとパフィーって曲になるわ。

パフィーさんの2人ならやってくれそうじゃない?

そんなことより、

私が蟹さんのジェスチャーが出来なくなったハサミが1本どこかに借り出されて持って行かれちゃったのが悲しいわ。

ハサミ1本にケチってるんじゃなくて、

お気に入りのハサミがなくなったって事に焦点を当てて朝まで討論して欲しいのよ。

もうさー

蟹さんジェスチャーが出来ないぐらいなそんな世の中にポイズンよ。

ちょっと反町隆史さん入っちゃったけど、

略せば反ワクこと反町隆史クワディナーショーがあったらちょっと興味あるわよね。

まあ仕方ないわ。

ハサミが返ってきたらまた報告するわね。

うふふ。


今日朝ご飯

今日はヒーコーにミルクたっぷり牛乳を入れる二重表現で美味さが冴えるミルクヒーコーのみね。

お腹が変な感じだったので、

食べるのやめておいたのよ。

不調ではないか安心して吐いてませんから

なんちゃって

デトックスウォーター

素の浄水器越しの水道水ウォーラーが冷たくて一番フレーバーなくとも

ごくごくなんかややこしくない喉ごしがもはや

プレーンウォーラーデトックスウォーラーでいいのかしら?ってもはや概念意識高いデトックスウォーターの人たちは

きっとプレーンウォーラーが究極の!ってなってるのかしら?

よく分からないけど、

要は忙しくて何も作ってないって証拠よ。


すいすいすいようび~

今日も頑張りましょう!

2023-07-07

追記ネタバレONE PIECE FILM RED

一年前にあまりのクソさに腹が立って

https://anond.hatelabo.jp/20220818173512

を書いた所、それが今になって妻にばれ、お前は体育祭文化祭嫌いのぼっちからあの映画で感動出来ないんだと喧嘩になった。


妻曰く、FILM RED映画館の一体感込みで面白いそうだ。俺はマジで意味分からんが、体育祭文化祭の周囲と一緒に感じる興奮みたいなもんらしい。

俺がクソみたいな尺を使うなとしか思わないライブはウタのMMDライブを見ているみたいで大盛り上がりするらしいし、あれがこの映画スタートでウタの歌がこの話を一本の映画にまとめているのだと力説された。FILM RED映画音楽と会場と一体になって勢いを楽しむもんだそうだ。

シャンクスとウタの話も感動するらしいが、別に俺はそこに異論など持ってない。ただそれがどう考えても時間内に収まるような背景じゃない事と、その背景を特典漫画に丸投げしたあげく、特典第○弾とやっている厚かましさがクソだと言っているだけだ。と言ったら40億巻の補完は、あのシーンでキャラがどんな気持ちでいたのか本編を見ただけでは分からない心情の裏が見れる漫画の番外編みたいなもんで、お前は今後どんな漫画の番外編も読むなと言われた。どう考えても番外編よりMMDのほうがいらんだろ。


ちなみに夏のUSJに命と10万以上をささげている程妻はサンジが好きなので、当然一番好きなのはサンジ衣装らしい。俺からすれば膝上20cmの赤パンなんかはいている20を超えた男なんてただのハイファッションかぶれの自分をおしゃれだと思い込んでいる道端で浮きまくったギャル男しか見えない。妻はあれがかっこいいと可愛いハイブリッドだと熱弁していた。

あんなしばらく楽譜に張り付いているだけで満足出来るなんて、つくづく製作サイドのカモだと思う。


人は死ぬぞとビビに言っておきながらエースが死んた事で阿呆みたいになったり、またウタが死んだら人は死ぬぞみたいな性格になるルフィはどう説明するんだと言ったら、話を盛り上げる演出分からんのか馬鹿みたいな扱いを受けたが、俺はその演出の為にキャラクターの性格が二転三転するのがクソだと思っている。


シャンクスに興味がない俺の妻は別として、このシャンクスOK出す母親はいんのか?どう見ても育児のうわべだけすくったイクメンシャンクスが書きたかっただだろ。

で、子供を置きざって別の子供に八つ当たりした上に「子供っぽいところがあるんですよ」じゃねえんだよ。子供っぽいところがあるだけで育児放棄して子供に当たんなや。こっちは一話からガキのルフィ喧嘩するような子供っぽいシャンクスを知ってんだよ。でもいざという時にはルフィを守る大人になるところがかっこよかったんだろうが。

頂上決戦にも遅刻したシャンクスがまた遅刻して、今度は自分の娘を救えないなんてシャンクス馬鹿にしてんのかとしか思えないが、ワンピ結婚からFILM RED離婚になるのはクソすぎるのでここまでにしておく。


コメントやなんかで古参ジジイとか世界観を楽しめず作者disるならファン辞めろとか言ってる奴は頭大丈夫なのか?作品は好きだがこの映画くそみたいな事なんてあるに決まってんだろ。作品全部神!神が作ったんだから神!文句言うやつはファン辞めろって奴はマジでこの映画観たのか?ウタの歌は好きだが思想にはついていけず帰りたがっていた奴らをどんな目で見てたんだ?こういう奴が赤の他人ツイートにわけわからん斜め上のリプとか送ってハイ論破みたいなドヤ顔披露してんのか。

原作文句言うな漫画家は神!ってやつ、まじで読んでる漫画に一回でもこの展開ねーわwとか言ったことないのか。

もう対象年齢じゃねーよいつまで読んでんだよとか言ってるやつは、まず公式大人に向けたプロモーションを止めさせろ。この映画200億近く行った内訳はほぼ繰り返し観に行った大人の金だ。子供の金だけで200億いくわけないだろ。大人に見向きもされなくなったら困るのは公式に決まってんだろ。


あと俺が尾田になりたいと思っている奴はまじでなんなんだ?俺は尾田栄一郎ワンピースのシャンクスの謎やこれからルフィを楽しみにしてたんだよ。それが作者の特典冊子ありきの映画しか作れないような監督脚本に、こんな中途半端に出された事が腹立つって話で、いつ俺が「尾田栄一郎に俺はなる!」とか言ったんだよ。読まなくていいからクソみたいなコメントすんな。

俺の予定ではジャンプシャンクスがフィガーランド家で天竜人の末裔だったと知ってうおー!まじかよ!尾田っちすげー!!て言う予定だったんだわ。それを待ってたんだよ。それがfFILM REDのせいであー知ってる。ここで出てくんだ。になったんだよ。公式が早バレすんなや。


ただ作品が合わなくなったら離れるべきってコメントには、その通りとしか言えない。

若いやつにはオタクおっさんきっしょと言われるだけだろうが、俺は生まれからほとんどをワンピースと過ごしてきている。小学生の頃に長定規をくわえて三刀流の真似をして海賊王に俺はなるとか言って階段飛び降りて遊んでた頃からワンピースと育っている。こうなると俺にとっては友人みたいなもんで、多少こいつ変だわと思ってもそれだけで友人を止めたりしない。変だと思わないわけじゃないが、長年の付き合いででもいい所もあるしなと目を瞑る。


俺は最近ジェンダー論にはあまりついていっていない。ギリ昭和の男でその価値観で生きているが、会社ジェンダーダイバーシティインクルージョンにうるさく、毎度強制的にあらゆる講習やセミナーを受けさせられるおかげで、理解は出来ないが俺の価値観時代に合っていない事は理解している。そんな俺が見てもワンピースはそういう意味で遅れまくっている。

女のファンが多いのは事実なので男の俺になにも言う資格はないのかもしれないが、カマバッカやばいし、最近ではワノ国でヤマトが男風呂に入る描写がきしょかった。カラーでは女メンバーに混ざって登場するのもきしょいし、ONE PIECE magazine花魁になっているのもきしょい。どう見ても男に都合よく裸を見せてくれる女にしか見えないのに、それをジェンダー配慮したキャラだと言われているのがやばすぎる。どこが配慮してんだよ。ギャルゲーによく出てくる男に都合のいい僕っ子の女だろ。

FILM REDで敵に捕まってんのにナミのパンツを気にしたブルックがあまりにきしょすぎて映画館でキッショと言いかけた。誰だよあんなシーン考えたのは。あれをギャグシーンだと思ってるのが終わってんだよ。

もうとっくに俺と作品価値観はあっていないにも拘らず、それでも一緒に育ってきたものを捨てれなかった俺が悪いのだとどこの誰かも知らん人達コメントで気付いた。


永年勤続休暇を取れというわりに子供夏休みの時期は繁忙期だからやめてくれとか言われたおかげで、暇でにかまけて阿呆日記をまた書いてしまった。

どうせならもう一回映画アマプラで観て真面目な感想でも書こうかと思ったが、公式がFILM RED正史で、観客は楽しむ努力しろとか言っているというのを読んでやめた。


なにが正史だ。どう考えても一話のルフィシャンクスの間にウタがいたら変だろうが。

どうせならウタをシャンクス初恋だった美魔女歌姫かにしろよ。ガキのシャンクス適当知識こいてウタウタの実を教えたせいで、探して食ってトットムジカに呪われてシャンクスの事を恨んでる美魔女歌姫とかどうよ。浜崎あゆみに歌ってもらえ。

意図的恋愛要素を抜いていると昔語っていたが、もうとっくに不殺もなかった事になってるんだしいい歳こいたおっさん初恋くらい別によくないか?おもろいかは知らんけど、出来ない子育てよりマシだろ。


映画を観る観客がするべき楽しむ努力ってのは

・上映中にスマホを見ない

・前の座席を蹴らない

・上映中に喋らない

・静かなシーンでポップコーンをむさぼらない

他人の肘掛けを横取りしない

等であって、マジでおもんなくて辻褄の合わないストーリーの辻褄を無理矢理合わせて面白い解釈する事じゃねえんだよ。どこまで観客におんぶに抱っこしてんだよ。


楽しめるやつだけついてこいと原作者が言うのなら、もう俺は無理だろうと思う。

自分で言った一番読んで欲しい読者層ではない大人と女の信者に支えられている事をどう思っているのかは知らんが、FILM REDは昔俺が毎週ワンピースを楽しみにしていた子供で、ルフィ冒険の終わりと夢の果てを待ち望んでいた読者層だったというのを最後に思い出させてくれた。余計な事すんな。

赤髪が導く終焉まさかこんな終わりだと思ってなかった。意味わからんキャッチコピーだと思ったが、ほん怖の類だったのか。

久々にピアノ触ってみると、最初和音ちゃんと思い出せないのに手が勝手に動く。逆にちょっとつっかえた所を頭で思い出そうとすると弾けなくなっておもしれーなって思う。

覚える時はまず楽譜を頭で覚えて、頭で弾きながら少しずつ手に覚えさせていくのに。

手は頭より物覚えが悪い分、記憶力は良い。

メルロ・ポンティ身体図式だっけ。チャリの乗り方をいくら言葉説明しても、身体を使わなきゃ覚えられないってやつ。あんな感じだ。

教本なりを見ながら頭で楽器を鳴らしてみて、自分音楽をやっているという楽しさがズブの素人から初心者へ引き上げてくれる。

頭で分かってても身体が追いつかないもどかしさが中級者の壁として立ちはばかる。

最初の楽しさっていうのは中級者の壁を超える大きな原動力になると思う。経験者が久々に楽器をやろうって時にまた新しく別の楽器を始めがちなのは、この最初の楽しさが薄れた状態、むしろ今まで出来たことが出来ないもどかしさすらある中で中級者の壁を超えるのがキツいからだと思う。元々かなりのレベルに行ってたらまた話は違うかも知れない。

中級者を超えて、音楽理論の知識でも借りて即興でそれなりにチャラチャラと弾けるようになればかなり楽しいんだろうな。おれはまだその領域に行った事がないな。

さらにそこを超えて、自分意見言葉にするみたく頭の中身を音にして取り出せるようになれば、それはもうさぞや楽しいんだろうなって思う。それが他人を唸らせるようにもなればもうプロか。

2023-06-26

若い頃はフルート吹きになりたかった

中高、吹奏楽をやっていた。

フルート以外に興味がなくて、授業中もずっと音楽楽器のことしか頭になかった。

楽器を吹いていないときは常に楽譜を書いていたし、

楽譜を書いていないときは常に楽器を吹いていた。

となりのトトロのような、人間より猪の方が多いレベルのクソ田舎のオンボロ公立中学フルート出会い高校は親に無理を言って県内強豪校に進学した。

通学には1時間半かかった。

必死練習して、人数が多いフルートパートの中では一年で唯一コンクールメンバーに選ばれた。

大学音大に行った。毎日フルートが吹きたい。ずっとフルートプレイヤーでいたい。そう思っていた。

 

就職先は県外の警察音楽隊だった。憧れだったオケマンにはなれなかったが、音大四年間で現実を見たわたしからすれば上々の結果だと思った。

県境を2つ跨ぐほど遠くの県へ。

これを機に、中学から付き合っていた幼馴染の恋人と別れることになった。

小学校から一緒だった。中学に入ってすぐ付き合い始めた。高校は別々だったけど地元が一緒なので電車時間を合わせて一緒に帰るのが日課だった。

大学生になって電車の方向が反対になって、会う頻度は減っていた。

なんとなく、大人になったらこの人と結婚するんだと思っていたのに、目の前に「県外の警察フルートを吹く」という道が現れた瞬間、この人と結婚する未来を選びとれなくなった。

フルートをずっと続けてきたんだから。親に無理言って私立高校大学に行ったんだから県内警察には空きがないから。フルートを吹かなきゃならないから。

 

警察就職して2年経った春、異動でやってきた上司と恋に落ちた。

彼は、わたしフルートの音がすてきだと、褒めてくれた。

幼馴染の元彼とずっと付き合っていたわたしとしては、恋する感覚というのを長年忘れていたと言うか、ままごとみたいな初恋の延長でしか恋愛したことがなかったわたしにとって、この経験は衝撃的だった。

抗いようもなく惹かれる。心が持っていかれる。好きな人の一挙手一投足、声、言葉、全てが、わたしの心を揺さぶる。

元彼に対しては抱いたことがない感情だった。

フルート一筋で生きてきたわたしにとって、上司存在猛毒だった。

上司上司で、同じように恋に落ちていた。

出会った年の冬のさしかかり、こっそり2人で飲んでいた時、酔いに身を任せた彼は、「駆け落ちしようか、もう」と言った。

そう、上司は既婚者だった。

わたし音楽隊の訓練やフルート練習もそこそこに、既婚者である彼との逢瀬やメッセージのやり取りに夢中になった。

彼の奥さんが家にいない夜は、電話をするのが日課だった。

奥さん帰宅した途端ぶつ切りにされる電話

不安、悲しみ、嫉妬絶望

会えた時の幸福希望

不倫の沼にズブズブと沈んでいった。

彼に愛されるのは幸せで切なくて極上だった。

フルートの楽しさ、音楽葛藤の数倍のアドレナリンだったと思う。

いつまでも2人の世界に住んでいたいと思った。

フルート音楽警察倫理もどうでもよかった。

一緒にいたくて、隣にいて欲しくて仕方がなかった。

 

翌年、わたし退職届を書くことになる。

奥さんにバレた。

奥さんは、わたしに、「監察官室にバラされるか、慰謝料払って退職するか、選んでほしい」と。

監察官バラされたら、彼のキャリアにも悪影響になると思った。

わたし慰謝料を支払い退職を選んだ。

 

警察寮に住んでいたため、退職引越しが同時に発生しとても忙しかった。

実家に帰りたかったが、兄が結婚した時に、両親と兄夫婦が同居の家を建てたため、わたし実家はもうなかった。

両親と兄夫婦の家に転がり込むのも気が引けて、ひとまずは就職先の県で新しく住居を探した。

それに、上司は「どんなに時間がかかっても必ず離婚する。待っていてほしい」と言っていた。

はいともいいえとも言えなかったが、この地に留まる理由の一つにはなった。

 

貯蓄を切り崩して生活しながら、市役所の職についた。

警察寮より狭いアパートで、もちろん壁は薄いしフルートは吹けない。

警察退職してからしばらくは休みの日なんかにスタジオを借りて吹いたりしていたが、別に誰に聞かせるでもないアクティティとしてのフルートはつまらなくなり、その頻度は減っていって、今はもう半年ほど吹いていない。

上司とは接触禁止命令が出ていたから、退職後は一度も会ってないし連絡もとっていない。

本名でやってる奥さんのインスタアカウントをたまに覗いて、上司の動向を探るくらいしか、接点はなかった。

先週見てみたら、待望の第一子を授かったと報告していた。

 

あんなに恋したのが、愛し合ったのが嘘のように、当時の記憶俯瞰して思い返すわたしがいた。

中学の時わたしの隣でクラリネットを吹いていた友人からラインが来た。コロナも落ち着いたし同窓会がしたいって。帰ってこないかって。

その流れで聞いたけど、元彼結婚してて、2人目が生まれるらしい。

 

わたしは、生まれた街から離れ、フルート吹きになるという夢も潰えて、何をしてるんだろうなぁ。

どこで間違ったんだろう。

フルートを始めたこと?警察就職したこと元彼と別れたこと?既婚者と関係を持ったこと?既婚者の言葉を信じたこと?

上司が「いつかまた会えるように」と贈ってくれた、内側にふたり名前刻印されたプラチナペアリングのかたわれは、今日も虚しく輝いている。

2023-06-17

下書き

書き直し。

ダラダラと、曲への思いを書きました。谷川俊太郎の詩による合唱曲ふたつ…曲:三善晃「生きる」と曲:木下牧子ネロ」についてのとても個人的な感慨。最初の方、書けなくて意図的主語を拔いてるので読みにくくてすみません。ていうか、無駄に長いので読まなくていいですごめんなさい。

 

全部谷川俊太郎って演奏会明日やるんだけど、中の2曲が自分経験に強く結びついててちょっとだけ抱えるのがしんどい

「生きる」と「ネロ」。

 

去年の夏、子供誕生日にお祝いを頂いたのでお礼の電話をした。子供からもお礼を言って、その時に「また遊びに行くね、今家族で音取りしてる曲があるんだ、遊びに行ったらみんなで歌うから聴いてね」なんて言っていた。

 

数日後、会社仕事をしていたら人事から電話があった。なんだろうと出てみたら配偶者から代表電話にかかったのを取り次いでくれたのだった。

数日前に電話したばかりなのに、亡くなったのだと聞かされた。家事支援ヘルパーさんが発見してくれたということだった。電話を切ってから自分携帯を見ると配偶者からたくさん着信があったとわかった。

会社は早退して駆けつけた。

 

病院ではなく自宅でだったので、そのあと警察署手続きやら葬儀社の互助会書類探しやらで、気がついたらその日にあった合唱団練習は無断欠席していた。

 

 

諸々落ち着くまで合唱団練習は一ヶ月ほどお休みした。

復帰してはじめての練習に行ったら、新曲が始まっていた。

「生きる」だった。

ちゃんと予習してなかったのでぶっつけでの参加だったけど、タイトルからして親しい身内を亡くしたばかりの自分には重そうだなあ、そんなことを思いながら歌い始めた。

 

うちの団はパート練習はなくて、音取りは自力でできるのが前提なのだけど、実は私にはそこまでの力はない。♯や♭が多くなりリズムが複雑になるとキーボードを叩くのもたどたどしく実用性がない。その代わり楽譜を見ながらの耳コピは割と速いので、既に歌えている周囲を聴きながら声を出していった。

曲は「生きる」。まあ、三善晃だし、ソプラノはそんな難しくはない(難しいけど)。 

 

……谷川俊太郎の詩によって、「生きているということ」がどんなことか、語られていく。

それはのどがかわくということ

木もれ日がまぶしいということ

ふっと或るメロディを思い出すということ

くしゃみをすること

孤独を感じる曲に影響されてか、詩の内容が全部亡くなった人を思い出させる。のどの渇きも、木漏れ日の眩しさと、くしゃみが出そうなムズムも、亡くなってしまった人は感じないことだ。だけどほんの少し前には感じていたのだ。あの人も。

本来の詩とは少し違うが、合唱歌詞としては

くしゃみをすること、手をつなぐこと

あなたと、あなたと手を…あなたと、あなた

と続く。

くしゃみをすること」までは生きていること一般の話だったのが、急に、自分の手と存命中のあの人の手をつなぐイメージにおそわれて、───しかし私は一度も手をつないだことはなかった、これからも、もう決して手をつなぐことはないのだ……。

 

これから介護があるのだろうとぼんやり思っていた。長生きの家系から、私の今後15年程は、あの家で、あの人と身体をふれあわせて暮らすのだろうと思っていた。

そうはならなかった。

寂しがりなところがある人だったから、一緒に住みたいとおそらく願っていたと思う。

そうはならなかった。

私が選ばなかったからだ。選ばないまま、亡くなってしまたからだ。

私は亡くなった人と手をつないだことがない。

 

曲はまた、「生きるということ」のいろいろな姿を歌っていく。自然科学芸術や…歌詩に出てくるミニスカートは何かな、生命力?若々しさ?を歌う。

それら美しいもの出会うということ。

あの人はもう、新しく美しいもの出会うことはできない。最後電話で話した、子供たちの歌にも出会ってもらえないままになってしまった。

 

「生きる」というタイトルなのに、谷川俊太郎の詩は死が匂う。

いまどこかで産声があがるということ

いまどこかで兵士が傷つくということ

いまぶらんこが揺れている、揺れているということ

いま、いまが過ぎてゆくこと

不穏な曲調で産声や兵士の傷が突きつけられ、それをぶらんこの往復運動が包み込み、ただ時間が過ぎる静けさに着地する。

生も死も同じ時間の中にある。

 

鳥ははばたくということ

海はとどろくということ

かたつむりははうということ

人は愛するということ

生き物の、自然の、あるがままの姿を歌った流れで「人は愛する」なんて、谷川俊太郎ずるいよね。あぁそうなんだと思わされる。

もちろん、愛さない人もいる。羽ばたかない鳥も轟かない海も這わないカタツムリ存在する。けれどできてない個体のことは今は措く。

それができている個体はなんと尊いことか。生きるということの意味を、「人は愛するということ」ととらえられる、かもしれない。もし私が愛さな人間でも、愛する可能性がある希望

 

そして曲はまた、

あなたの手の

あなたの手のぬくみ

いのちといういのちということ

生きるという生きるということ

あなたの手」に戻ってきて、命とはなにか、生きるとはなにか問いかけるように終わる。

 

私が繋がなかった手のぬくみ。

永遠に失われ、想像上にしか存在しない温かさ。

 

 

一人暮らしだった家は空き家になった。夏のことで、風を通したり、植木鉢やあとから頂いた供養の花に水やりをしなければならず数日おきに通った。

空き家にはピアノがあり、風通ししている間の時間で音取りをした。難しい音階を苦労して弾いた。

子供が小さい頃みんなで遊びに行くと、いつも初見でなんでも伴奏を弾いてくれたあの人がいたときのままの部屋で。ピアノには練習していたらしい楽譜が開きっぱなしだ。胸が苦しい。

  

亡くなった直後のショックや悲しみは今は薄れている。

でも練習で歌うたびに、空き家に風通しに行くたびに、拙く練習したのが思い出される。

去年の夏の、古い家特有の湿り気のある空気やあまりワット数の高くない蛍光灯の薄暗さ。

今日リハーサル明日が本番だから、終わったらしばらく歌うことはなくなる。

もう去年の夏を思い出すこともなくなるのか、いや曲を聴くたび一生思い出すのか…。

 

 

ネロ」も練習復帰後すぐに始めた曲だ。

これはまた、ストレートな死の歌で、主人公の「ぼく」が子犬の「ネロ」を亡くした経験を歌っている。

しか

ネロ

もうじきまた夏がやってくる

(中略)

おまえはたった2回ほど夏を知っただけだった

と、「夏に親しい者を亡くす」という、私の経験ととてもリンクするシチュエーションなのだ

 

主人公は「もう十八回の夏をしっている」とあるから若者だ。それは私とは違うけれど、私の子供たちとはとても近い。

何でもかんでも自分関係があるように捉えるのは無理筋ではあるけれど、私にはこの曲はうちの子たちが別れをどう受け止めたのか、の追体験のif…みたいに感じられる。

 

今、6月だ。もうすぐ本格的な夏が来る。

ネロ

もうじき又夏がやってくる

しかしそれはお前のいた夏ではない

又別の夏

全く別の夏なのだ

去年の演奏会には来てくれた人が、今年はもういない。

お盆あたりには親戚が集まっていたあの家で、今年は新盆をどうしようか、コロナもまだ猛威をふるっているから集まるのは無理だろうか。

去年の夏、せっせと通って水やりをした植木鉢も、一年草はみんな枯れて、鉢から抜いてゴミに出して、鉢も片付けてしまった。

 

曲は、しか喪失を嘆くものではない。疾走感とともに「新しい夏」の到来、「新しいいろいろのことを知ってゆく」ことを歌う。

たびたび出てくる「知る」という営為

そして僕は質問する

いったい何だろう

いったい何故だろう

いったいどうするべきなのだろうと

主人公は何を知りたいのだろう?

なぜネロは死んだのかを?

なぜ生あるもの死ぬ定めなのかを?

私にはそんな凡庸な問いしか想像できないが、案外それも全くの的外れでもない気もしている。

 

詩のなかで飛び飛びに3連に渡って繰り返しネロを思い起こし、

ネロの声や「気持ちまでも」が「はっきりとよみがえる」。

それは死せるネロとともにあるようだけれど、決して停滞ではない。ネロを胸に抱いたまま、

しかネロ

もうじき又夏がやってくる

新しい無限に広い夏がやってくる

そして僕はやっぱり歩いてゆくだろう

新しい夏を迎え 秋を迎え 冬を迎え

春を迎え 更に新しい夏を期待して

そこには若さがある。喪失を抱えていても新しいもの貪欲に取り込む力強さ。

(願わくはうちの子たちもそうあれかしと思うけれどそれは親のエゴというもの、彼らには彼らの受け止めかた、歩みかたがあろう…)

 

私自身は、「全く別の夏」というところからまだ身動きできないでいる。

冬場からこち空き家に通う頻度も減ったが、また雑草の伸びる季節になって、草を引くたびに「この家を高齢でよく維持していたものだ」と感慨にふける。

家の中はまだ手つかずで存命の頃と何も変わらない。カレンダー書き込みもそのまま。去年、子供誕生日のお祝いを送るためのメモ書きも、電話の横のメモ帳にそのままある。ただ留守を預かっているだけ、という感覚から動けない。

それなのに全く別の夏が来てしまう。記憶が上書きされてしまうのが切ない。感傷だ。感傷だが、血縁ではない私とあの人は、客観的に見ればけっこう長い年月、長い時間を一緒に過ごしていたわけだ。

まだもやもやと引きずってはいくけれど、そういうものなんだろう(ああ、しょうもないまとめになってしまった)。

 

 

(「あの人」と書いているのは配偶者の母ですが、普通に表記するとちょっと生々しくて書けなかったので…表記距離を置かないと吐き出しにくい)

 

引用の詩は曲のために繰り返しなどの改変があり、オリジナルと少し違っています

2023-05-07

ギターうまくなりたい

ギターがうまくなりたくてとりあえず楽譜買ってみてとりあえず簡単な曲が1曲弾けるようにはなったのだが、このあと何をやっていけばわからん

単純にまた楽譜を買って繰り返していけばうまくなるのかな

2023-05-01

anond:20230501101800

作曲した」とは言えるんでないかい?楽譜書いてるのと一緒だから

演奏は実行したときだろうけど。

2023-04-30

ギターコードを並べて音鳴らすだけのサイトとかソフトってないのかな

がっつり楽譜とかじゃなくていいしリズム適当でいいか

コード進行耳コピ確認で使いたいんだよなー

ギター本物もってないか

コード単体の確認ならいくらでもあるけど、ならべて確認できるのってなかなかない

2023-04-14

anond:20230414214235

何がつまらなかったかによると思います

楽譜通りに弾くだけで、即興でチャラチャラ弾いたりできないのが面白くなかったのか。

ピアノサウンドに合う曲が趣味に合わないのか。

一人で孤独に弾くのが虚しかったのか。

チヤホヤされる機会がなかったからか。

ギターに求めるものがあれば良いんじゃないかって思います

楽器特性的にエレキではバッキングメロディラインを同時にこなせないので、一人だと少し物足りないかもしれません。多重録音という手もありますが。

一人でという点だとクラシックギターが合ってるように思いますが、ジャカジャカ弾きたいのなら楽しくないかもしれません。

2023-03-15

ピアノを始めた

上司「お前、責任あるポジションを早く経験したいとかって言ってたな。」

自分はい!」

上司「よし!わかった!」

こんなやり取りの結果、同期で最も高いポジション就任社員2人(2人とも派遣)の地方営業所責任者となり人口約15000人の町で一人暮らしをしているアラサー男。

メンバー派遣採用している地元女性社員2人、営業所内に登記がある下請け会社親方社長、その息子さんの4人。全員俺より一回りか二回り歳上だ。責任を取る場面などなく、暇つぶし喫茶店代わりに来店する地元建設会社工務店社長さん、農家さんと世間話をして、ついでに機械の修理や購入の見積もりを出す。9時出勤で5時には確実に退勤。人との交流親方とその息子さん、農家さんや建設会社社長工務店社長などと飲みに行くか、或いはたまの土日に同じメンバーゴルフ麻雀に行くかだ。

役職手当もあり同期より貰っているが、ゴルフ相手持ち、飲み代は親方下請け会社の経費であり、車を1時間半以上走らせた先にショッピングモールがある位なので金は貯まる一方である。先週の土曜、服を買いにショッピングモールに行った。服を購入し家族連れに囲まれながらフードコートマクドを食い、さあ帰ろうと思った時に目に留まった楽器店に立ち寄った。

髭男が好きなため「俺もピアノでもやってみようかな」と思いながら眺めていると店員さんがやってきた。話をしているうちにやりたくなったので住んでいる部屋、弾いてみたい曲、予算などを伝えた結果、YAMAHAクラビノーバを薦められた。しかし、これから先も転勤があり都市部の単身社宅には大きすぎたためP-125を購入した。3本ペダルスタンドヘッドホンなど言われるままに購入し合計9万円ちょっと

次の日に早速組み立てて音を出してみた。ピアノ初心者向けのサイトを見ながら4番目のCを2番の指で押してみた。感動。小さい頃、学校の授業でおそらく人差し指だけで弾いたかえるの合唱を、番号通りの指で弾いてみると思ったより難しかった。

色々なサイトYouTube動画を見ながら姿勢、指の動かし方、楽譜の読み方を勉強し、ちょうちょ練習した。右手左手とそれぞれ練習夕方頃にぶきっちょではあるが両手で弾けた。久しぶりに充実感のある土日だった。

月曜からは朝1時間早起きし、片手ずつ、指の番号や姿勢確認しながらであるためとてもゆっくりではあるがバッハの「メヌエット ト長調」を練習している。

2023-03-14

漠然とした。多分私の人生の話。

急に昔の話をしたくなったので衝動ではてぶに登録した。

多分春だからだと思う。これは花粉症の症状の一つ。

そもそも、真夜中にこのブログを開設するあたり、私はもう正気じゃない。

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漠然とした。多分私の人生の話。

5歳の頃、家族旅行アメリカへ行った。国外旅行へ行くのはこの20数年間でこの一度だけ。知らない言語に囲まれて、知らない文化に触れた、初めての経験

私はそれまで、父親よりも背の高い人間がこの地球にいるなんて知らなかった。

幼稚園キリスト教系だった。でも園の中に十字架とかそういう「偶像」がなかったので、私が日々の中に神の存在を感じる機会は非常に限られていた。お弁当を食べる時になると手を合わせて祈りを捧げた。「神よ、日々の糧に感謝いたします。アーメン」。この時間くらいじゃないだろうか。

先生たちは定期的に聖書の話をしてくれたけれど、当時の私には理解できなかった。そして多分先生たちも私たち理解することを求めていなかった。卒園式で綺麗に装丁された聖書記念品にもらった。字が読めるようになり、心に哲学概念が沸いた年齢になった時に初めて読み返した。そしてようやく何かしらは理解できたと思う。多分。…。時間差があるね。

でもこれだけは覚えているのがある。園長先生という方は非常に柔らかいお話の仕方をなさる方だった。わかるようなわからないような、でもそれはそれとして言葉がスーッと染み込んでいくようなお話をなさっていた。

先生はいつもこうおっしゃっていた。唇に歌を忘れずに。光の子として歩みなさい。

前半は知らない。でも後半は聖書の一節だ。「あなたがたは、以前には暗闇でしたが、今は主に結ばれて、光となっています。光の子として歩みなさい。光から、あらゆる善意正義真実とが生じるのです」

小学校の頃は全く覚えてない。

中学時代勉強はできるような、できないような子供だった。

英語音楽国語だけできた。でも国語担当教師と年がら年中喧嘩してたので評定に定期テストの点数が反映された記憶がない。

英語は楽しかった。小さい頃漠然定型分だけ覚えて旅行に行ったあの「英語」が、形ある理論知識として目の前に再び現れた。いうなれば、旧友との再会のような。互いに少し成長していたけれど。

音楽は、心の拠り所を得るために気まぐれで合唱部に入ったら急に歌えるようになった経緯がある。何それって話なんだけど、私もよくわからない。ただ、ある日ある時急に突然「声の出し方、響かせ方」が分かった。2年生の時、ソプラノソロパート担当させてもらった。嬉しかった。あれは、私が自分の実力だけで勝ち得たもので、そして私にもできるものがあるのだという証明になったから。音楽先生卒業式の日私の母をとっ捕まえて手を握ってこう言ったそうな。

お嬢さん音大に行きたいと言ったら、どうか止めないで入れてあげてください」と。

周りの子供たちは「自由」が増え、レンタルショップビデオを借りた。麓の街に行って、友達同士で服を選び合った。私にもそんな自由が欲しかった。漫画の貸し借りをしてみたかった。アニメ情報を共有してみたかった。

ある日、一緒にピアノを習っていた友人から楽譜を借りた。

彼女は「あなたが弾きたい曲が入ってる楽譜、家にあるから貸してあげる。家まで来て」と言った。彼女の家は私の家とは少し離れていた。やや逆方向寄りなのだ。でも私は彼女について行った。そして楽譜を借りた。

家に帰ると母は非常に機嫌が悪かった。ただいま、という挨拶に対して返ってきたのは「どこほっつき歩いてたわけ?」だった。確かに帰宅時間は通常より20分ほど遅かった。

正直に話した。友人の家に寄って楽譜を借りてきた、と。楽譜没収された。

ちなみにその友人は時々漫画も貸してくれていた。しかし母はそれを目敏く見つけて隠した(母はよく私が学校にいる間に私の部屋に入って物を漁っていた)。そして3週間ほど経った頃にクロゼットから出してきて「あの子に返してきなさい、今すぐに」と言ったのだ。

少し考えればわかること。この家は、何かが少しずつ狂ってる。

私にも自由が欲しいとゴネた事がある。他の女の子みたいにガーリーな服(当時は少し露出があるのが流行っていた記憶がある)が着たい。髪を伸ばしたい。休日友達とお出かけをしたい。バレンタイン友達チョコレートの交換をしたい。

ことごとく跳ね除けられた。

おしゃれがしたいなら家でやらないで外で自己主張して頂戴。学校お菓子を持ち込むのは校則違反でしょ?(それをバレンタインの日だけは黙認されてるから私にもやらせてくれと言ったのだが。)お出かけして遊ぶ暇があるならピアノ練習して勉強したらどう?アンタは目の前の遊びを取って将来を失うつもり?それに私たちがアンタのピアノ習い事にどれだけの月謝を払ってると思ってるの?その分ちゃん練習してよ。

そんな言葉で私の心はポッキリだった。でもその時はまだ幼かったので「高校生になったらきっと変わる」と思っていた。

ちなみに上記言葉を言われた後で私は一度だけ地域お祭りに友人と行ったことがある。

一言で言えば、つまらなかった。目に映る何もかもがくだらなく見えて、そんなくだらないものにはしゃげる友人たちが寧ろ一周回って羨ましく思った。その日の私はピアノ練習もしなかったから、鍵盤が恋しかった。結局皆より一足早く帰宅したはずだ。

…そんな私の感想に、母は非常に満足げだった。こればかりは癪にさわる。

高校私立女子校入学した。良い大学に行くことだけが目標だった。それさえ達成できたなら、きっと私の人生は報われると思った。おしゃれらしいおしゃれをしなかったことも、友人と行ったお祭りを楽しめなかったのも、バレンタインの日にお菓子作りをしなかったのも、全部全部。

周りの友人は有名らしいアイドルにどっぷりとハマっていた。週末になれば電車に乗って遠くへ行き、グッズを買い、ブロマイドを買い、皆で見せ合って楽しんでいた。

街のお祭りを楽しめなかった女は、アイドルの良さもわからなかった。女の子たちが「ねえねえ、このひとカッコいいと思わない?」と見せてくるのを適当に「ほんとだ、カッコいいね」と返した。

ちなみにミュージカルをやる部活に入ったが、言わずもがな母は私がそこに入部するのを死ぬほど嫌がったし、門限は昔よりもシビアになった。当然遊べなくなったし、部活も毎回早退していた。それは舞台本番の1週間前でも変わらなかった。先輩も同期も私の家の事を理解してくれていたことだけがいである。あの人たちは皆優しかった。でもその優しさに永遠に甘えるわけにもいかなかった。当時私はスマホを持っていなかったから「今日だけは門限を伸ばして」と公衆電話から家に電話をかけた。「それなら家に入れてやらない」とだけ返されて電話を切られた。私は職員室の前で泣きながら「どうしろって言うんだよ!」と叫んだ。

その部活は1年生の冬に廃部になった。まあ色々あったのだ。晴れて私は本当に勉強しかすることの無い暇人になったのである

英語にのめり込んだ。きっと海の向こうの人たちが喋ってる言語は私の住む世界を広げてくれると思った。

音楽は私の心の拠り所だった。親には「私たちがアンタのピアノ習い事にどれだけの月謝を払ってると思ってるの?その分ちゃん練習してよ」と言われていて、それでよくピアノが嫌いにならなかったな、と思わないでもないが、それはひとえにピアノ先生の教え方が非常に上手かったからだ。あの先生は一生の恩師と言っても良いだろう。ピアノ技術だけでなく、音楽を体全体で楽しむことの大切さを教えて下さった。

必死勉強して、そこそこ良い大学に受かった。当時は大学入試の定員規定が厳しくなったばかりだったか絶対浪人すると思ってたけど、受かった。第0志望、希望希望通りの学科

高校生の頃(というか小学校中学から)ずっと母は私に「アンタみたいに頭の悪いやつは、私の時代なら商業高校に行ってたよ。今はいいね、アンタみたいなバカでも人並みに高校に入れて受験できるんだからさ」と言っていた。

何度も娘をバカだと言わなくて良い。言われなくても本人がちゃんと分かってる。

大学は色々な地域から色んな人たちが入学していた。

同じ地域に住み、同じ景色を見ていた小中、その延長線上にあった高校とはまるで違っていた。私のような実家住まいもいれば、一人暮らしで頑張る人もいた。

でもこれだけは断言したいが「明日屋根心配しなければならない人」は私以外あの空間には存在しなかった。

大学講義は遅くて6時に終わっていた。母は言った。

「7時半には返って来れるでしょ」

まり、7時半が門限だということだ。大学生の、門限が、7時半。

あんまりだよ、と泣いた。父を説得しようとし、父方の祖母を説得しようとした。大学生なんだよ、大人だよ?と。でも父は母のイエスマンだったし、祖母(と叔母)は如何せん価値観が若干古かった。「7時半は十分遅いよ、お母さんは譲歩してる方だと思う」と言って譲らなかった。

遊ぶことはなかった。化粧もしなかった。ファンデーションだけだった。化粧なんてね、若いうちは要らないの。それが母がいつも言うことだった。

少し考えれば分かること。あの時の母は、私を完全にコントロールたかったのだ。

大学2年生の時、母に内緒彼氏を作った。

その年の秋、私はこれまた突然、手首を痛めた。関節炎だった。ピアノの弾きすぎ、PCの打ちすぎで利き手ではない左手に過度の負担がかかったらしい。もうピアノは弾かないでください。と言われた。

あの時の絶望といったら。私は身近な人を突然亡くした経験はないけど、多分親友がある朝突然死んだらこういう気分なんだろう、と思った。うまく使えない左手、もう弾けないピアノ。虚無感、なんて言葉じゃ補いきれないものだった。

私にとってピアノはそれほど大きな存在だった。嬉しい時も辛い時も一緒にいたのが、ピアノであり、音楽だったから。

その時急に現れたのが昔の知り合いだった「彼氏」だった。

少しずつお互いのことを話す中で私は小さな打ち明け話をした。休日が大嫌いなんだ、と。

当時母は土日のたびに癇癪を起こしていた。やれ私の歩き方が気に食わない、やれ私の話し声が気に入らない。どうしてアンタは私の気に入るように振る舞わないの?と。当時私は土日の早朝6時〜9時でコンビニアルバイトをしていたので、その早朝勤務の後に母の喚き声を聞くと言うのはどうにも「来る」ものがあった。

さて話を戻すと、私の打ち明け話を聞いた彼は私を週末のお出かけに誘った。電車の向こうの街でかれこれこういう催し物があるらしい、行ってみようよ。気分転換にさ。と。そういう具合に。そして私はその誘いに乗った。

母には「友達と出かけてくる」とだけ言った。情報は不足しているかもしれないが、嘘はついていない。少なくとも当時は彼はまだ「友達」だった。

そしてその友人は彼氏になった。

から告白された時、私は一種のチャンスを感じた。きっと私は自分証明できるとお思った。私の人生は私のもので、私の人生の決定権は私が握っているのだと。

しかも、当時の私が心から欲していたのは「絶対的な安全」だった。そして痛めた手首によって失われた「心の拠り所」だった。

きっと彼ならそれらをくれるだろうと思ったので、私は彼の告白同意した。

まりにも、身勝手


彼はそれ以来ちょくちょく私を外へ連れ出した。

その度に私はまるで世間一般に溶け込んだ気分になっていた。世間一般の「普通の子」になれたように思った。そしてその時私は心から喜んだ。「生きてる!」と無邪気に思えた。

私が勝手に出かけ、挙句彼氏まで作ったので、母は怒った。最初父は「別にいいんじゃないか?」と言っていたが、母があまりにも怒るので父も手のひらクルリと返した。

彼の名前学歴を言わされた。ひどく侮辱された。

母は私から家の鍵と財布の金、銀行カード没収した。お前に鍵と金を渡すと碌なことにならない、と言いながら。(ちなみにこの銀行カード、取り返したら今度は月に3万、家に入れる事を要求された。当然今度は私の生活費が足りなくなってバイトを増やしたら、要求される金額がまた増えた)

母は、アンタがどこへ行ったか全部わかってるんだからね!と怒鳴った。最初意味がわからなかったが、どうやらあの時の母は私をスマホGPS機能で追跡していたらしい。それが判明した時、私は泣いて彼氏に詫びた。どうしようもないものに巻き込んでしまったと思った。ざっくり言えば、母のやったことは犯罪に近いのだ。

彼は「気にしてないよ」と言った。

私は「いや、そこは気にしてくれ」と思った。というか、そう言った。

彼は「お前がかわいそうだ、どうにかして救いたい」と言った。

その心はありがたかったが、ありがたがると同時に私はそれを拒絶した。

「かわいそう」と軽々しく言えた彼はどこまでも温室育ちだった。4人家族ペット付き、平均的かそれよりも幾許か上の環境で、ぬくぬくと、二親に愛されて育ち我らが王子様のような扱いを受けてきた彼が言ったのは、永遠に「かわいそう」な立場にはならないであろう人間の、無意識傲慢だった。

「救いたい」と言った彼は、きっと人間人間を救えると信じていたのだろう。確かに信じるものは救われるとは言うけれども、彼氏とはいえ第三者立場人間他人を救えるのなら、今頃イエスキリスト聖母マリアもこの世から用済みだろうし、仏典聖典も要らない。でも世界にはそういうもの存在するのだ…。彼はそれをちゃんとは理解していなかった。

私の状況も、世界の状況も、「聞いて知ってはいる」けど「理解」はしていなかった。

彼氏母親という人は、息子から私の家の状況を聞いて、こうコメントした。

「あそこの大学の子だと聞いて安心していたのに。それじゃあ全く、訳アリのお嬢さんを拾ってきたってこと?」

…ってうちの母がいうんだ、面白いよな、訳アリだなんて。と彼は笑いながら言った。少なくとも彼の中で「訳アリ」という言葉一種ネタとして消費されたらしい。

私は彼氏ができた、とか勝手に出かけた、とかそういう「罪」で度々家を追い出された。そんな時私を匿ってくれたのは大学の友人たちだった。

追い出されるたびに顔色が悪くなる私を見て友人は私の目を閉じさせ耳を塞がせ、その間に家中刃物という刃物を知らない場所に隠した。彼女曰く「今のアンタに刃物を見せたらすぐさま死んでしまいそうで怖い」。当時の私は一体どんな顔をしていたのだろう。

結局、私は彼と別れた。

彼は普通の家で育った普通人間だった。そんな温室の彼を「私」という人間に巻き込み、異常なものを見せ、その一部だけでも経験させてしまたことは、私が負うべき「罪」のように思った。そして、そんな異常な場所から彼を一刻でも早く遠ざけようと思った。「かわいそう」という言葉も「訳アリ」という言葉も、ネタとして理解できる世界に戻そうとした。

それが正しいかどうかは本当にわからない。でも身勝手だったとは思えど、あの時の私にできた「最善」の判断は、それだった。

どうか彼には「普通」の彼女ができていてほしいと思う。そして、私の視界に入らないところで幸せになってほしい。

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大学3年生になり、2つの喪失、「普通」の概念について考える日々、加えてコロナ禍。最悪だった。それでも秋までは保った。そして秋になって体調を崩した。

感情がわからなくなった。楽しいとか、嬉しいとか、悲しいとか。

指先から血の気がひいた。四六時中まるで体全体が後ろから引っ張られているような感覚だった。

ほんの少し正気に戻ったその瞬間に病院に行き、うつの診断を貰った。ついでに精神安定剤も貰った。(本来抗うつ剤をもらう予定だったが、そういう精神に効くタイプの薬を飲んだことがなく不安だったため、安定剤からスタートになった)

家族はまるでお手本のような否定言葉をぶつけてきた。

仮病だ、とか、考えすぎだ、とか、甘えだ、とか。診断をした医者はヤブだ、とも言った。そして私から保険証現金没収した。よって私は途中で治療が止まっている。


正直、大学3年4年をどう過ごしたか記憶がない。

ちなみにかの「原神」を始めたのは4年の最初だったか、それくらいだったはずである。(タブレットデバイス様様で、こういうゲーム自分スマホに入っていれば「実体」が無いので、両親は私が流行りのゲームを始めただなんて夢にも思っていない)





うつの診断を受ける前だったか後だったか、とにかくその辺りの時期に私は数回手首を切った。そのうちの一つだけ、鮮明に覚えている。

衝動に任せて切って、うっすらと血を滲ませた。最悪だったのはそれが金曜日で翌日にはバイトがあったということだ。(※この時は体調の限界やらシフトの都合やら色々なものが重なって、私のシフトは早朝6時〜9時ではなく、9時〜12時に移っていた。そこには私の幼馴染の男の子も一緒に働いていたので、早朝から働いていた時よりは幾分気が楽ではあった)

さて左手首を切って血を見て1時間、なんとなく冷静になった時に気が付く「待てよ、明日バイトじゃん」は本当に最悪だ。急いで薬をぬり(強めのステロイドだった気がする)、ガーゼを乗せて包帯を巻いた。

翌朝幼馴染の彼は「それ、どうしたんです」と聞いてきたので、私は笑って言った。

「関節炎の湿布


この幼馴染、私が怪我をしたとなるとまるで問診か何かのように問い詰めるのである。どこで怪我をしたの、どうして怪我をしたの。その時何があったの、いつもと変わったことでもあったの。

手首は数回掠った。そしてもし、もう一度でも金曜日にそれをやった上で「どこで、どうして怪我をしたの」と問い詰められたら、私は誤魔化せる自信がなかった。

そもそもコンビニアルバイトなんて、いつヘルプ要請が入るかもわからないものなので、それが金曜日じゃなくても、手首を切るのは普通にアウトだった。いつか誤魔化せない日が来ると思ったし、その調子で切ってたら取り返しのつかない事になるのは目に見えていた。

それ以来、手首を切るのは自制している。少しばかり、褒めてほしい。

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先日、この幼馴染と少しばかりの遠出をした。

出かける予定を作ったことを正直に母親に白状し、許可を得た(これがまたハードルが高かった。)母は私たち電車で行ったと思っているが。

私は彼が運転する車に乗って遠出した。





帰りの移動だった。彼は、夜の暗闇が一番好きだと言った。

私も夜が好きだと返した。夜は良いなと思う。あの暗闇も、程よい明るさも好きだ。

その日すっかり疲れてしまっていた私はぼんやりと、彼に少しばかりの昔話をした。

まだ私が早朝6時のバイトシフトに入っていた頃、5時に起きて支度をしていたから冬の早朝は真夜中みたいに真っ暗だったのだと。そして少し季節が春に近づくにつれて日の出時間も早くなり、西の空は暗く、東の空は明るくて、私はその真ん中に立っているような錯覚を覚えたのだと。まるで、昨日と明日の境目にいるような気分だったと。

ある時私は親に家を追い出されて、月曜火曜ならまだしも金曜日に追い出されたのなら翌朝のバイトは始発電車に乗らないと間に合わなかった。まだ空が真っ暗な時間にそっと友人の家を出て、電車の窓の外がうっすらと明るくなるのを見ていた。

そう言った。話し終えてからようやく自分が一体なんの話をしたのか、一体彼に何を聞かせていたのか気がついた。

変な話してごめん。私の家の騒動を知ってて私を家に泊めてくれた友人くらいしか知らない話だ、多分他人に初めて話した、幼馴染の女の子ですら知らない話だ…。と途方に暮れながら謝罪したところ、彼は「そうだろうね」と言い、こう続けた。

「よく、怪我しませんでしたね。危ないでしょう、色々と」





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今も私は「普通ってなんだろう」と考えている。

家では相変わらず母がつまらないことで喚き散らしているし、私の髪の一本一本にすら執着し干渉している。そして相変わらず父は母のイエスマンだ。


幸せになりたいな、と思う。

でもまず私は「幸せってなんだろうな」から思考を巡らせなければならい

そもそもはいまだに感情の生成についての問題解決していない。

たぶん私という人間も私の家族も、私の家の一族も何かしらが「おかしい」のだ。皆が皆で、それぞれ違うベクトルで狂ってるから、その異常性に気がつきにくい。

でも気がついた人が気がついた時に「終わらせなければならない」。母は自分自分母親と絶縁した。もしかしたらそれはいつか来る自分未来だと思う。

それはそれとして、もし誰かが私の幸運をほんの少しでも願ってくれているのなら、多分、私はまだ幸せだ。

2023-03-10

Dorico SE 4 なんだこれ

Cubase とか作ってる Steinberg 社の楽譜作成ソフト。なんだこれ。

無料楽譜作成ソフトは Finale Notepad とか Notion Mobile とかを

「一長一短あるし、どれもかゆいところに手が届かないな~」

とか思いながらヒイコラ使ってたんだけど、いやいや。いやいや。

Dorico SE 4。

なんだこれ。

PDFマニュアル1174ページもある。

異次元の高機能

なんだこれ。

ルオーケストラのスコアから、どマイナー楽器臨時記号まで、なんでも書ける、書けるぞ。

尋常じゃない。

2023-02-03

不倫してしまうかもしれない(たぶんしないけど)

増田は既婚者で二児の母親でもある

夫は人格者だしルックスもいいし普通に恋愛結婚だったしお互いの実家含めて大きなトラブルもなく、別に今の生活に不満があるわけじゃない

しか自分がともすればそれらを全部捨てて逃げてしまいそうな恐怖に今怯えている

というのも最近大学部活動ひとつ上だった先輩に再会した

昨年のはじめぐらいかとある趣味にハマっていて、それ関連の社会人サークルに加入したんだ

そしたら先月そこに先輩が新人として入ってきた

懐かしさから話も盛り上がり、一気に時間が戻ったような気がした

サークル活動が終わった後、まだ話足りなくてこちから誘って飲みに行った

当時の部員が今何人くらい結婚してるとか、地味だったあの人が業界活躍してて〜みたいな話を二時間くらいしていると

ラストオーダーの時間になって店を追い出された

私の終電はまだまだ先だったし先輩は車で来ていたから、駅までのんびり歩きながら送ってもらった

でもその途中でふっと話題が途切れて、ふたりとも黙ってしまって変な感じになった

そしてその感じには憶えがあった

大学文化祭の前、部のメンバー終電すぎまでキャンパスで準備作業してて

でも学内宿泊する許可をとってなかったため追い出されて、その現場にいた6人で先輩のアパートで朝まで寝させてもらうことになった

実を言うとそのときの私は隣駅のアパートに住んでたから帰ろうと思えば帰れたんだけど、他のメンバーが気を使って誘ってくれた

私は先輩のことが好きで、それがみんなにバレバレだったのだ

六畳間に先輩の布団と来客用のダブルの布団を並べて敷いて、そこに男女六人が雑魚寝する形になった

先輩が左端で、その隣が私だった

みんながそう仕向けたのだ

私と先輩以外の四人はすでにカップルで私達は「お前らも早く付き合っちゃえよ」みたいなノリでよくいじられていた

もちろん私はそう言われるのがまんざらではなく、「え〜ちょっと〜」とかいいながら気持ち悪くニヤニヤしてしまっていたが、先輩がどう思っていたかはわからない、怖くて顔を見られなかったか

その夜は結局眠らずに朝方まで駄弁って、カップル2組は始発に合わせて「増田ちゃんは校門開くまで寝かせてもらいな! ね!!」と私を残して出ていった

その意図はもう明白で、先輩も私も変に意識してしまい、

「まあ、じゃあ寝るか・・・

「あっはい

みたいな感じで布団に戻った

先輩はさっきまでとは逆側の、ダブルの方の布団に入ってこちらに背を向けた

今思うと、私の方はさっきまで寝ていた場所に戻るだろうという想定で、距離を開けたんだと思う

それを私は何故か「えっ? えっ?! ダブルの方に?? これって誘ってるんだよね? 来いってことだよね??」と解釈して、心臓バクバクさせながらすっと先輩の隣に潜り込んだ

「えっ」

と先輩が言ったその響きを今でも覚えてる

その時はなにが「えっ」なんだろう、寝ぼけてるのかなかわいいと思ったけど、まあせっかく開けた距離を秒で詰められたらえってなるよね

でも先輩は私を追い出したり恥をかかせたりせず、そのまま背を向けて寝続けていた

私はと言えば完全に「そういうことなんだよね??私今から処女捨てるんだよね?!」って思ってたのんだけど、何しろ経験がないのでどうするべきかわからない

先輩はずっと背を向けてるし…

先輩がゴム持ってなかったら困るなとか、いやその前にシャワーじゃない?とか、先輩の後頭部をガン見しながら悶々と考えた

ただ考えてもどうにもならなくて、でもせっかくのこの時間意味あるものにしたくて

めちゃくちゃ、本当にめちゃくちゃ勇気を出して、おでこちょっとだけ先輩の背中にくっつけた

汗のにおいがした

ペンキとスプレー糊のにおいがした

隣の部室のアジア文化研究会が漬けているキムチのにおいも少しだけした

これでいいや、これでけっこう幸せだ、と思った

そう思うと眠気が来て意識が遠のいた

目を覚ますと先輩はもう起きていて、簡単な朝食を作ってくれていた

食パン目玉焼き 飲み物は水だけ

私達はそれを無言で平らげて、文化祭の準備の続きをするためにキャンパスまで歩いた

何を話してもすぐに話題が途切れてしまった

私が、同衾した(文字通り同衾しただけ)昨夜のことを思い出して真っ赤になってキョドってしまうから

起きてからも額がずっと熱いような気がしていた

先輩はいつもどおり飄々としてたけど、やはりどこか意識しているのは見てとれた

私は本当にこの人のことが好きなんだなと思った

っていう、こういうことを子持ちのアラサーおばさん増田が書いていると思うと怖くないですか?

でもそれが現実なんですよね

とにかくこのときの、朝日の中をぷらぷら歩いた数十分とその前の数時間のことを、久しぶりに再会した先輩と駅まで歩いたことで明瞭に思い出してしまった

若い頃の恋ってなんであんなに激しかったんだろうって思うことありませんか?

先輩が他の女と話しているだけで嫉妬に狂いそうになったり、同じ時間に同じ店にいるためにめちゃくちゃ努力したり、文房具拾ってもらっただけでその日は一日中幸せだったり・・・

あのあと私は先輩と付き合うこともなく、処女のまま就職して職場で今の夫と出会うんですけど

そこには学生時代みたいな燃える恋はなかった

お互い徐々に信頼感を積み上げていって、お付き合いしましょうなんて言うこともなく、いつの間にか休日の予定を合わせるようになっていた

はじめて泊りがけの温泉旅行に誘われたとき、そして旅先での夜・・・

緊張したけど、たしかにすごく緊張はしたけど、ボロアパートで先輩のせなかにおでこをくっつけたときのような死にそうな、体ごと命ごと爆発しそうなドキドキはなかった

もっとどこか冷静で、また一歩結婚に近づいたんだなぁみたいな感じが強かった

あんなドキドキは若い限定なんでしょうね・・・

そう思っていた時代が私にもありました

社会人サークル活動は週に2回

恥ずべきことだと思うけど、今の私は先輩に会うのが楽しみで他のことが手に付かないくらいになっている

私が好きになった先輩の魅力は今もそのままだ

これはフェイク設定なんだけど大学の頃入ってたのはギター部で、いまいるのはウクレレサークル

まあそんな感じで地続きなジャンルなんだけど

かつての先輩は本当にギターが上手かった

ものすごく努力して技術が高いとかではなく、生来のものにすら見えるセンスと発想がぶっ飛んでた

先輩の演奏する姿に私は惚れていた

そして十何年たった今も、先輩のウクレレは素晴らしい

すでに講師代理をするという話も持ち上がっているのに「でも俺は楽譜通りには弾けないか・・・」みたいなことを言って断ってる

はぁ、カッコいいよねもう

おっさんでも乗ってる車がタントでも靴がクロックスでも全然気にならないくらいかっこいい

最近は「当時の話」のストックが尽きてきて、先輩との二次会ではついに「あの日の話」が俎上に上がった

「あのときあんなだったけど、あの後どこかのタイミング告白されるかって思ってずっと待機してたんだよ俺」

ほんとですかぁ?怪しい〜なんて返したけど、もう脳内では快楽物質バドバよ

「え、じゃ、じゃ、じゃあ、今からでも?」

平静を装いながらも心臓ポンプ車になる

増田ちゃんもう人妻でしょ」

先輩がフリーなのはすでに確認済みだった

「じゃあじゃあじゃあもし人妻じゃなかったら?」

「そしたら考えるよ」

考えて〜〜〜〜!!もっと私のこと考えて欲しい〜〜〜〜😭

まあでも最愛の子供たちもいますし夫のことも本当に愛してるので変なことはするつもりないです

からやっぱりさ、陳腐な言い方になっちゃうけど恋と愛ってぜんぜん別物なんだよね

いっとき恋愛感情に踊らされて行動を起こすのは動物ですよ

まともな現代人のやることではない

でも恋の熾火はどんな場所にでもくすぶってるんだなって・・・

           〜 fin

2023-01-23

世の中いい曲多すぎない?

最近教室に通ってジャズピアノ習ってる

教本的な、いろんな有名曲コードを集めてる楽譜通称黒本)みながら、ジャズ理論を「こういう展開は〜」みたいに交えながら先生が色々弾いてくれるんだけど、知らない曲もあるんだけど、みんないい曲である

黒本以外に課題曲用の楽譜も使ってるけどそちらもみんないい曲である

世の中まだまだ楽譜はあるわけで、どれだけいい曲があるのか…

全部聴けたら人類史上最も幸せものになるのではないか?全部聴きたい

2023-01-20

FILM REDで苦しんでいるワンピースファンへ、ODYSSEYをやってくれ

(※ODYSSEYネタバレ有)

ONE PIECEのことが大好きで

からこそ映画の 内容・売り方・副音声 が受け入れられず原作を降りる決意をしながら今も苦しんでいる人たちへ

どうか連載25周年記念作品ONE PIECE ODYSSEY」をプレイしてほしい

FILM REDが切り捨てた今までのONE PIECEを、ODYSSEYは丁寧に描いているからだ

◾ 麦わらの一味全員に活躍の場があり、”一味の冒険”が描かれている

◾ 島でたった一人生きてきた海賊嫌いの少女リムは、一味の思い出の世界を共に冒険し成長してゆく

 (海賊嫌いの理由も唯一の友達海賊に殺されたから、誤解とかではない)

◾ 空島を思わせる遺跡やカルガラのようなデザインゲストキャラディオは本当に空島と関係がある

◾ 島の歴史解明にロビンが作中通して活躍する

◾ 島で見つけたキノコ物語進行上で役に立つことをサンジが見抜く

楽譜が関わる謎解きにブルック音楽家として活躍する

◾ 数年の付き合いだが親代わりと言うアディオリムは大切に思い、案じる姿が描かれる

敵対する相手理解できる目的や信念がある

◾ この物語はこのゲームの中できちんと完結する


ところでREDを想起させるような設定がいくつか見られるが

このゲームのメインストリー映画制作が始まる頃には既に固まっていたか、あるいは大筋が決まっていたと思われる。

https://www.4gamer.net/games/624/G062483/20220908163/

>尾田イラスト内「キャラデザ頼まれたの3年くらい前じゃない?笑」

都築氏:尾田先生キャラクターデザインのお願させていただいたのは,まさにメインストリーが固まった段階

映画2019年から制作イラストインタビュー2022年のもの

何も決まっていない段階でキャラデザを依頼したREDとは違うことが分かるはずだ。

共通した設定の使い方に対して言いたいことはあるが別件なので割愛する)


決して崩壊してしまったルフィシャンクス関係と第1話も、ルフィ音楽家を欲しがる理由がウタになってしまたことも

原作者や出版社に対する不信感も無くなるわけではないが

少なからずODYSSEYには映画で負った苦しみへの救いが描かれていると思う。


個人的な願いだが、共通した設定が見られる以上

今までのONE PIECE破壊して作られたFILM RED否定するならば

今までのONE PIECE踏襲して作られたODYSSEYも評価してみてほしい。


REDが描かなかったONE PIECE”らしさ”を追求し開発されたこゲームに触れて、

どうか終わることのない苦しみの日々の中に、僅かでも心安らぐ時間が生まれることを願ってやまない。

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