はてなキーワード: ソファとは
ネットでは人をダメにするソファと呼ばれる、体にフィットするソファいうものを所有している。
言ってしまえば、ダメにするといわれるが、私はもとからダメだったようで、それほどそのソファにハマることはなかった。
昭和の映画などで、正座をして書見台に読書をするシーンに憧れる。
私の読書の基本はベッドで寝転んでだ。
寝転んで片手で見れるように、文庫本が好きだ。
電子書籍も、片手で操作できるとないという理由で、タブレットはもっていてもいつもスマホで読んでいる。
片手は便利だ。
読書に限ったことではない。
私の生活の基本はベッドにあると思う。
朝ごはんはブリトーのハムアンドチーズと森永アロエヨーグルトハンディスタイル、グリコカフェオーレと決めている。
なぜならベッドに寝転んだまま流し込めるから。
一応、このチョイスは栄養も考えている。
寝転んだままステーキや焼き魚を食べるのは技術的に難しく、結果的に糖質と脂質中心になってしまう。
アロエヨーグルトハンディスタイルも、これでいてウィダープロテインインよりもたん白質が含まれている。
そんなわけで選んだこの三つ、合わせるとCFPバランスは悪くない。
日本人はカルシウムが不足しやすいというので、朝この三つの乳製品を取るのもちょうどいいかなと思ってる。
野菜がないと言われるが、他の二食は普通だし、日中に一本ペプシスペシャルを飲むので繊維質も補えてるんじゃないかと自分では思ってる。
独身貴族ゆえに、1LDKなどを借りているが、生活空間はベッドで、それ以外の空間は物置と化している。
そんなわけで、体にフィットするソファは私をこれ以上ダメにはしなかった。
常にベッドで寝てる人間を、これ以上ダメにすることは原理的に無理だったのだ。
と聞かれ、「ベッドでゴロゴロしている」と答えると、うらやましいといわれる。
既婚者は妻や子供にたたき起こされるそうだ。
私はそれは違うと思う。
朝からベッドの中でオナニーをして、ベッドの中で着替え、電子レンジに向かった後にベッドに戻って朝ごはんを食べ、ベッドでスマホをいじってネットニュースと読書をして一日を過ごす人間は妻や子供を得られることはない。
小学校、中学校、高校、大学、いつもこたつかベッドで寝転んで、教科書を黙読することでなんとかやり過ごした。
家族の中でも浮いていた。
アトピーゾンビ君ほどではないにしろ、私も人に疎まれる才能があったように思う。
というより、私は放っておかれるほうが好きな人間と思われやすい。
基本寂しがりやなので、本当はみなと一緒に居たいという願望が強いのだが、いつも基本放置される。
「テストの点さえよければいいってわけじゃない!」
と説教された。
ヤンキーぶって反抗するわけでも、口答えしたわけではないのだけど、教師の目にはそう見えていたらしい。
と素直に返事を続けて、それに対してもいつも嫌な顔をされた。
大学の研究室でも先行研究と過去の卒論や過去の実験のノートを読み返して勝手に行えという指導方針を取られたし、就職しても同じように、前任者がない仕事を勝手にやれという指示ばかり与えられた。
私がコミュ障といえばその通りだが、家の中でさえそういう扱いを受けてきた。
私だけ残して、両親と弟たちが外食に行ったり、やはり私だけ残して家族旅行など、なぜか私は置いていかれることが多かった。
私は乳離れがすんなりだったらしい。
ダメと言われたら、もう吸わなくなったそうな。
我ながら、自分っぽいと思った。
両親とも話をしたいが、なにを話していいかわからず、年に一度か二度、帰省するときの時間連絡しか会話がない。
今年のGW、私は11連休なのだが、5日目の今日まで、いつものようにほぼベッドで過ごした。
目的地を決めずに何日かフラフラ知らない街をフラフラして、実家にも顔を出してから、自分のマンションに、というかベッドに帰ろう。
http://anond.hatelabo.jp/20160419143823
先週末、同僚の女に誘われて二人きりで飲みに行った。
と思いつつ知らないふりをしながらもどうでもいい話を続け、
二件目の店では二人とも酒が回ってきて薄暗い個室のゆったりとしたソファでイチャイチャしてすごした。
この女顔は中の下くらいだが体は中の上。
体だけの関係なら申し分ない。
だが、しかし、週末仕事終わりの開放感からかその晩に飲んだ酒の量はそんな理性を吹き飛ばすくらいには十分な量だった。
そのまま近くのホテルで一発やって女の方はまだまだ物足りなさそうだったが飲み過ぎたせいか二回戦まで突入する体力は残っていなかった。
昔はそんなことあり得なかったのに俺ももう歳だな。
次の週、会社で女と顔を合わせると俺に話しかける声のトーンがいままでと明らかに違う。
すれ違うときは周りに悟られないようなほんの一瞬の短さでほほえみかけてくる。
あぁなんだか既に面倒なことになりつつある。
仕事が終わりこれ以上面倒臭いことになる前にそそくさと帰ろうとしたら
案の定オフィスを出たところで呼び止められ、
「この間仕事手伝ってくれたお礼にゴハン奢るから」と言われたがいまいちどの件か思い出せない。
まあでもただ飯食えるならちょっとぐらい付き合うか。
二つ返事で承諾して店まで並んで歩き出したとたんいきなり手を繋いできた。
1回ヤっただけでこの女彼女気取りか?
しかし、ここで邪険に扱ってディナーに与れなくなっても困るのでそこは笑顔で対応。
食事が終わって、明日は仕事があるし今日は直ぐに解散する・・・・・・はずだったが
帰り際女がいきなり抱きついてきた。
やばい、今日こそは直ぐ帰らなくてはと思いつつ背中に押しつけられた胸の感触を楽しむために
さすがに女の方もこれ以上はまずいと思ったらしく自分からヒモの彼氏がまつ我が家に帰っていった。
あぁこれ以上深入りして面倒臭いことにはなりたくない。
こころと命の相談室 https://www.city.chiba.jp/hokenfukushi/chiikifukushi/jishisoudan.html#面接で相談したいとき
予約時間より少し早く着いたのだが、相談する部屋には鍵がかかっていて入れなかった。
予約時間10分前になってようやく若い兄ちゃん2人がヘラヘラ談笑しながらやって来た。
私を見ても何も言わないどころか、無視するようにくっちゃべってる。
2人は部屋の鍵を開けると、「そこのソファに座って待っててください」と私に言い、隣の事務机についた。
私が深刻な表情でソファに腰を埋めている間もお喋り。
面談時間ギリギリになって相談員(5,60代と思しきオバちゃん)が到着。兄ちゃん2人はやっと黙る。
大学では何を学んだか、どんな会社に就職したのか、転職先はどんな会社だったか、今の精神状態は?
もう聞く態度が舐めきっている。
そうですか、そうですかと退屈そうに適当な相槌を打って、紙にメモするフリ。
目の前の机に広げた、チラシの裏紙のような白紙に書くのだけれど、話の要点をメモるわけじゃない。
頭に来た私はすぐに帰った。オバちゃんと兄ちゃんの行動は把握していない。私のほかに面談を受ける人は見なかった。
2回目の面談も同じオバちゃんと兄ちゃん。
状況は1回目と同じ。私を無視して私語にふける兄ちゃんにかったるそうなオバちゃん。
オバちゃんは1回目の面談で私が言ったことを忘れていて、何度も同じことを聞く。
頭に来たから「こないだのメモは?」と尋ねると、「持ってきていない」と言う。
人を馬鹿にするのもいい加減にしてほしい。しかも相手は希死念慮を抱く者だ。自殺の相談が引き金で死ぬ恐れもある。冗談じゃない。
訳あってたくさんのお金が入ってきたから、週5の仕事を辞めた。
もちろん会社には「病気がちな親の面倒を見るため時間を作りたい」なんてウソの理由をついて退職した。
今はフリーランスで月に10万くらい稼いで、あとは投資をしている。
お金を持っていることがバレると人がたかってくるから、お金に関わる話になるとウソをついている。
住所はお金が入る前に住んでいた4万8千円のアパートに設定している。
友達と本屋に行った時に、投資の本と漫画を一緒に買った時にツッコまれたけど、
「いやーFXで一攫千金狙おうと思ってw」なんてウソをついた。
お金を減らさないように勉強をしなくちゃいけないから、投資の本を買ったり
それもそれで楽しいというか、ある意味仕事みたいになっている気がする。
例えば自分が芸能人やスポーツ選手で、自分の力でお金を稼いでいたらウソをつく必要はないだろうけど、
本当は友達とか親とかにパーッとおごってあげたいんだけど、隠したほうがいいって言われたから隠してる。
お金があることを言ってもたかってきたり、人にそのことを広めないようにする友達だとは思う。
でも隠している。心の何処かで信用出来ないと思ってるんだろう。
だからお金の勉強と投資を続けて、ある程度お金を増やしたらバラそうと思った。
「自分でこれだけお金を増やした」って感じで、自分の努力の成果をアピールすれば、たかってくる人はいないかもしれない。
一人で飲む高いお酒もおいしいんだけど、友達と安居酒屋で飲むハイボールもうまいから、
友達といい感じに付き合っていきたい。
軽く炎上していたので読んでいた人も多いだろうが大学生が凄い間取りを提案して、教授もそれを咎めないよくわからん話だった。
★母の部屋を作らない。
リビングにだれもいないとなると、結局はだれとも会わないため、強いて母の部屋を作らずにリビングにいてもらいます(寝るときも)
この部分が特にひどい、しかも間取りには家具が書き込まれていたのだが、リビングにベッドはなく布団を敷く場所もないので母親にはソファで寝起きしてもらうつもりらしく酷さを増していた。
まぁこれだけでもオカルトなのだが、これを見てうわーひでーと思った私の家も十年前くらいまで母親がリビングで寝起きしていた事をさっきまで忘れていた事に気がついて戦慄が走った。
私の家は小さいのだが、父親が一人じゃないと眠れないと一部屋占領してしまい、しかも掃除をさせないのでごみ部屋と化していた。
仕方がないので狭い部屋に母と子供二人で眠っていたのだが、私が小学生になる頃に手狭で私が押し入れで眠るようになり、中学生になる頃に母がリビングに移動して私と姉の部屋になった。
母がヒステリックな人だったので部屋が離れてホッとしただけで、皆が居なくなるまで眠れないとか誰かが起きると強制的に起きる母のしんどさを考えたこともなかった。
父は外面はいいが家族をないがしろにして、母は「私はこれくらいの苦労は当たり前なんだからお前もこれくらいの苦労は当たり前だ!」としんどさを子供に押し付ける人で、勿論家族仲は最悪だった。
男だけどおおむね納得できたよ。
ただ、「女の性欲は、経済的に支えてもらいたいという気持ち」みたいなくだりがあるけど、少し違う気がする。
脳科学の本で読んだことがあるけど、
男の性欲は射精することで、女の性欲は、安心できる状況にいることで、満たされる。とあった。
だから、女性はたとえば「恋人とソファで肩を寄せ合ってまったりお喋りしてる」ようなシチュエーションでも
性欲は満たされてる。
だからそれ以上の、キスとかセックスをしようとしてくる男性に対して、え?私はもう十分気持ちいいよ?なんでそんなことしてくるの?
と思ってしまう。
行き過ぎると、嫌悪感さえ抱くようになる。
そうやって女性がセックスを拒むようになると、今度は男性のほうが、
自分は利用されてるだけなのか?などと感じてしまい、そういう女性に不信感を募らせる。
そうやって、すれ違いが決定的なものになっていく。
大事なのは、お互いの脳の仕組みが違うってことを理解して、つまり異なる性欲を持っていることを受け入れるというか、
それは性が違う以上当たり前のことであると認め合い、歩み寄ることじゃないか。
ちゃんと話し合う。どちらか一方の意見にただ従うんじゃなくて、お互いを尊重し歩み寄る。
お互いの人間性を丸ごと愛していればできると、俺は思う。
あと、仲のいい夫婦はセックスなしでも常に幸せ、みたいなブコメがあって、これもわかる。
人を好きになる理由は、性的な魅力だけなじゃいし、もともと性欲が薄い(女性的な性欲を持つ)男性もいるし。
上ほど本格的で、下に行くほど簡単に実現できる
=======================越えられない壁==============================
というのは、見たくもないものが見えたり感じたりすることが多かったからだ。
幽霊を信じてるというよりは、信じたくないといったほうが正しい。
ただ、先日とあるきっかけで信じなくてもいいかもしれないようになった。
それは、人間が霊的なものを感じる時というのは、自らの動物的な警戒心が発揮されている時だという話を聞いてからだ。
例えば暗闇では、どこから襲われるかわからないという警戒心が働く。
これは野生の動物にとってみれば生死に直結する重要な能力といっていい。
それ以外にも、狭く込み入ったところでは身体の自由が効かなくなることで警戒心が働き、騒音が激しい場所、逆に外の音が遮断された場所でも、警戒心によって聴覚がいつも以上に発揮されることになる。
夜に浴びるシャワーなんてほとんどの要素を満たしていると言ってもいい。そりゃ恐いはずだ。
丸いものが2つ並んでいれば目だと認識してしまうのも、言ってみれば自分以外の生物をいち早く発見しようとする警戒心だ。
それを考えると、自分が今までこの部屋で幽霊といったものに遭遇した経験を振り返ってみれば、ほぼすべてがそうした状況だった。
イヤホンで音楽を聞きながら掃除機をかけている時に叩かれた肩も、ソファの後ろ側におちたリップを拾おうとした時に握られた手も、深夜にだけ突然開かなくなる鍵の掛かっていないトイレのドアも、全てが動物的な警戒心によるものなのだ。
品目 | ポイント | 現状または希望 |
---|---|---|
テレビ | 小さすぎず大きすぎない26インチで | 東芝レグザ |
パソコン | 一度置いたらまず持ち運ばない。デスクトップで。 | iMac21.5 |
プリンタ | いらないよ…… | コンビニのネットプリント |
スマホ | iPhoneで十分 | iPhone |
冷蔵庫 | 本当は大きいのがいいけど天板の上にレンジを載せなきゃ | 150リットル前後の適当なやつ |
洗濯機 | 全自動。ドラム式だと引越し先の防水パンに収まらない恐怖 | 簡易乾燥機能付きがいいかも。 |
オーブン | 自炊erならともかくオーブンって使うか? | オーブンレンジに集約 |
電子レンジ | オーブンレンジに集約する | サンヨーのやつ使ってる |
電気ポット | オール電化でないなら必要な量をヤカンで沸かすべき | ガスコンロがあるからヤカンで沸かす |
炊飯器 | 元増田と同意見 | 象印の豪熱沸騰とかいうやつ |
テーブルORこたつ | コタツがあると埃が増えるのでテーブルのみ | 引越しでテーブル捨てたらやっぱり不便 |
ガスレンジ | 引越し先にビルトインコンロがあった | コメントなし |
敷布団 | 高反発マットレスいいよ | マニフレックス |
掛け布団 | 羽毛布団ならダウン比率が90%以上を目安に | ただし最近は羽毛のアレルギーを心配して新素材を物色 |
カバー | 無印 | コメントなし |
ホットカーペット | コタツあるならホカペいらないが | 現在椅子生活のため不要 |
PS4 | (ゲームする時間あるのか?) | XBOX360が押入れをふさいでいる |
ルーター | 何に使うんだっけ?(小声) | コメントなし |
掃除機 | とにかく音が小さいもの | 日立のサイクロンで音が小さいやつ欲しい |
布団乾燥機 | マニフレックスをベランダで干すことはできないので必須 | Amazonで5,000円くらいのやつ |
照明 | リモコンは便利だがすぐなくすので結局壁のスイッチを使う | リモコンが壁の定位置にある |
髭剃り | 自動洗浄機能つき | ブラウンのどれか |
電動歯ブラシ | 替え歯ブラシが安いパナソニック製 | ドルツ |
以下勝手に追加 | ||
PCデスク | 家の中の定位置なので重要。飯も食う。 | ホームエレクタで組んだがそろそろ普通のテーブルに替えたい |
チェア | 家の中の定位置なので重要 | 2万円くらいのリクライニング機能つきのやつ |
ソファ | 彼女が来た時座ってもらう場所として重要 | ウレタン製のやつを引っ越しのたびに買い替える |
テレビ台 | 元増田は40インチのテレビをどこに置いているのか | ダークブラウン7,220円埃が目立つorz |
カーテン | とにかく遮光遮熱カーテン | 楽天で検索 |
※最も大事なこと
お母さんの「うちにあるから(使ってないから)これ持って行きなさい」というものは
また、必要な時に必要なものを吟味して買ってください。安物とか半額とかに惑わされてはいけません。
それはあと何年使うものですか?使用1回当たりのコストがそんなに違いますか?
・あと何年なんて分かるわけがない→そんなもの買うなすぐ飽きる
・どうせ1回だけだから→1回なら我慢しろ他のもので代用できないのか
パート先で好きかもしれない人が出来た。
彼の真面目に取り組む仕事の姿勢と、細やかな所に気付く優しさに私は久しぶりのトキメキを感じた。欠点があるとすれば、それは口数の少なさだろう。
周りから彼の話を聞くと、真面目だとか、無口だとか同じものばかりで。そんなある日に彼が既婚者だと知った。彼の乗る車には確かに子供が同乗している事を示すステッカーが貼ってあった。事実だ。
けれど私は我慢が出来なかった。脳内で流れるback numberのクリスマスソングに乗せて彼の事を延々と飽きもせずに考えた。歌詞にあるとおり、あれ、なんで恋なんかしてんだろう、とも思った。けど募り募る想いは萎む素振りなんて一切見せずに、まるで限界を知らない風船のようにぐんぐんぐんぐんと膨らんでいくばかりだ。
もう無理だ、と悟った私は思いきって踏み出してはいけない一歩を踏み出した。無口で真面目な彼に連絡先を聞いたのだ。このご時世LINEと言う簡単に繋がれて簡単に切れる便利なツールがある。それを利用した。
一瞬躊躇った彼だったが、私の「仕事で聞きたい事とかある時やお休みの連絡をする時に困ってしまうので」と言う言葉に渋々教えてくれた。
連絡先を手に入れてしまえばこちらの物だ。
それからというもの事ある毎にLINEを送った。返事のスパンも上々だ。私は更に踏み出した。
もしよかったら今度お休みの日にお会い出来ませんか?
震える手で打つ言葉に、こんな風にドキドキして誰かと連絡を取るなんていつぶりだろうと考えた。きっと主人と付き合っていた頃だろう。
そして家事なんて手につかず上の空で過ごしていた数分に返信が来る。
心の中でガッツポーズをした。私は飛び上がるくらいに嬉しくてそれからの家事は素晴らしい早さで終わった。なんて単純なのだろうか。
約束の日は割とすぐにやって来た。久しぶりにメイクに力を入れて、洋服選びにも余念がない。あれでもない、これでもないと、数少ない洋服の中からこれだ!と思うものを選択する。果たして彼は気に入ってくれるだろうか。
約束の時間。指定された場所に到着する。スマートフォンを鏡代わりにセットした髪型を再チェックする。よし、大丈夫。スマートフォンをバッグにしまった途端彼の姿が目に入る。初めて見る私服、こちらに歩み寄ってくる姿、そのどれもが私をドキドキとさせた。
待ちましたか?と申し訳なさそうにする彼に、いえ!さっき着いたところです。と笑うと大好きな笑顔が彼から放たれ、ならよかったです、と笑う。相変わらずその笑顔は反則だ。
特に何をするか決まっていなかったあの日。私達はとりあえず食欲を満たそうと、たまたま目に入った洋食屋さんに行った。そこのお店では二人共日替りを食べ、ライスを大盛りで注文した彼に内心でよく食べるんだなぁ、とホッコリした。
そこでは他愛もない話を沢山した。相変わらず無口な彼は私の話に乗ってきてくれるだけだが、それでも十分だ。家族の事を聞いても嫌な顔せずに話してくれる。彼が家族の話をする度に、胸にチク、と針で刺されたような痛みが走るがそれもまた愛嬌なのではないか。
食欲が満たされた頃、彼の方から次に行く場所はどうしようかと聞かれた。私は答えを決めていた。今日の目的は最初からこれだ。
彼を手招きでチョイチョイ、と呼ぶ。身を乗り出して来てくれた彼の耳元で周りに聞こえないように、囁く。
ホテルに行きませんか?
途端色白の彼の顔が真っ赤に染まった。ガタタ、と椅子が後ろに下がる音もした。
嫌、ですか?
首を傾げ尋ねる私に、彼はまだ頬を赤く染めたまま
嫌じゃ、ありません
と返事をくれた。
そこから洋食屋さんの会計を済ませ、歩いて行ける距離のホテルに向かった。
相変わらず毒々しい外見と下衆さに上品さを絶妙に交えた店名にドキドキとしていた心臓が逆に落ち着きを取り戻す。
久しぶりのホテルに戸惑いながらも気に入った部屋のボタンを押し、まだ曖昧な距離感が二人を包んだまま部屋へと向かった。
部屋に入った途端今まで落ち着いていた心臓がまたバクバクと早鐘を打ち出した。自分から提案した事なのに、あまりの罪悪感とあまりのドキドキに目眩がした。しかしもう後には戻れないのだ。数時間前までの普通の私にはもう、戻れないのだ。
いよいよだ。頭の中で私が私に指令を出す。ソワソワと落ち着きがなくなる。深呼吸を何度もした。
次どうぞ
そうこうしている内に彼がシャワーから上がってきた。備え付けのバスローブを身につけた彼は身長が高くバスローブの裾が足りなくなっている。そんな姿にも可愛さを見出してしまい、胸がキュン、とした。
シャワーに向かうため席を立つ。彼が使用した後の濡れたバスルームへと足を踏み入れる。勢いよくシャワーを出し、体に浴びる。体の隅々まで入念に泡立てたボディーソープで洗う。
下着を身に着け、身に纏う洋服に悩む。先程まで着ていた服を着るのか備え付けのバスローブを着るのか。
悩んだ挙句にバスローブを身に纏った。そして彼の待つ部屋へと戻った。
普段着慣れないバスローブに違和感を覚えながら、震える手で脱衣所の扉を開く。
キィ、という扉の音に反応してか彼がこちらを振り返った。
こういう時になんて言えばいいか分からなかった私は、少し笑って戯けてみせた。
途端少し硬い表情をしていた彼が私の言葉でふふふ、と笑い
お待ちしてました
と言った。その笑顔に胸がキュンとした。そういう所が大好きなのだ。
シャワーを浴びた後ソファに座っていたらしい彼の隣に人一人分空けて座る。微妙な距離感は縮まらない。そして心臓の高鳴りはさっきからずっと止まらない。
その空気を一掃しようと、なぜか私はリモコンを手にテレビを付けた。
するとその場に流れる大音量の喘ぎ声。しまった、ホテルには所謂そういう映像が普通に流れる場所だった。随分来ていなかったのですっかり失念していたのだ。
何にかは分からないが、謝りながら慌ててテレビを消そうとするが、上手く手が動かず床にリモコンを落としてしまった。
一人慌てている私を尻目に彼は快活に笑ってこう言った。
焦りすぎだから
恥ずかしいやら居た堪れないやらで、小さくなってしまった私はとりあえず落ち着いてテレビを消そうとした。
床に手を伸ばそうと上半身を折り曲げた時だった。ソファが一瞬軋んだ気がして、リモコンを取ってから音の方へと振り返る。
すると、さっきまで人一人分空いていたはずのスペースがなくなり目の前には彼の顔。至近距離で見る彼の顔に一瞬息が出来なくなった。
あ、いや、あのっ……
言葉にならない言葉を紡ごうとした時、彼が私の唇を見つめている事に気付き黙った。途端彼の顔が更に近付き、キスをした。
もっとしてもいい?
軽い口づけの後、唇を離した彼が私の耳元でそう囁いた。私は小さくコクン、と頷く。後悔も罪悪感もこの頃にはとうになくなっていた。この時は二人を包んでいるこの空気だけが現実だったのだ。
彼に手を引かれベッドに移動する。ふかふかとしたそこに寝転んだ。
彼が私の上に跨り見下ろして来る。その行為が堪らなく恥ずかしい。私は顔を掌で隠した。すると彼に掌を退かされ手を押さえつけられた。またしても顔が近付いて来て、キスをされる……と身構えた瞬間彼が私の耳元で囁く。
何も言えなかった。ただ顔を赤くする事しか出来ずに固まった。そんな私を見て彼はまた柔らかく笑い、さっきのとは違う長いキスをした。
久しぶりの感覚に背筋が粟立つ。主人としかした事のない行為はこの時に初めて人によって違うものなのだと知らされた。
優しい彼からの優しくも激しいキスに私はもう夢中になるしかなかった。ふと脳内に、いつもこんなキスをしてもらっている彼の奥さんが羨ましいなぁ、との考えが過ぎったがそれすらも今の私には自身を燃え上がらせるスパイスでしかなかった。
彼の首に手を回す。もっと、と強請るようにこちらも舌を絡ませれば、彼のキスがもっと激しくなった。
キスが徐々に下へ降りていく。いくら照明を落としているとはいえ、裸を彼に見られてしまう事には抵抗があった。しかし彼は構わずバスローブの紐を解き、私の裸を露わにした。
慣れた手つきでブラジャーを外され、彼に裸が晒される。恥ずかしいと言う暇を与えられず、彼は愛撫を続けた。
主人とは全く違う愛撫に翻弄され、喘がされる。彼は時折柔らかく笑いながらも真剣な表情で続けた。
ショーツの中にまで手が浸入して来て身を捩る。しかしそんな些細な抵抗は彼には通用しない。彼の綺麗な白い少し太い指が私の陰部を触っている。そう思うだけで絶頂しそうになった。
彼の巧みな手淫に私の体はとろとろに溶かされていた。
彼の指が引き抜かれた頃、私は息を整えて今度は私が、と彼を座らせた。
彼のバスローブに手をかけ紐を解く。するすると脱がせて彼のトランクスが露わになった。
トランクスの上からゆっくりと、触れる。彼自身がトランクスの中でぱんぱんに膨張していて、私との行為で興奮してくれたのだろうか、と思い凄く嬉しくなった。
恐る恐る脱がすと、勢いよく彼自身がトランクスから飛び出した。毎回毎回比べてしまうがやっぱり彼自身も、主人のものとは形が違う。大きさも違う。今まで主人とAVでしか見た事のなかったそれに少したじろぐ。
しかし先ほどまでのお返し!と言わんばかりに私は彼自身を躊躇いもせず口淫した。
最初は少し慌てた様子だった彼だが次第に目を閉じたり、顔をしかめたりしていて私がしている行為で感じてくれているのだと分かり、先ほどより嬉しさが倍増した。
彼の股関に顔を埋め、必死になっていると彼が私を制止した。
も、もう…
その一言で彼自身から口を離すと先ほどと同じように優しく押し倒された。
脚を開くように促され、言われた通りにすると私の脚の間に彼が割り込んだ。初めてする格好ではないのに極端な恥ずかしさに思わず目を閉じた。すると彼が近付いて来た気配がして薄く目を開けると
いれるよ
と彼が囁いた。
途端下半身が圧迫感でいっぱいになる。あまりの質量に思わず彼の首に腕を回した。
私の上で切なげな表情で行為に耽る彼の顔に胸がドキドキとした。私で感じてくれているのだと、より一層思えて胸が暖かくなった。
これ程生産性のない行為にここまで魅力を感じた事は今までにないと思えた程だった。
彼が吐精して、行為が終わる。なんとも言えない沈黙がまた私達を包んだ。
脱ぎ捨てた下着を身につけ、バスローブを羽織りシャワーを浴びに行こうとした時、私の腕を引き再びベッドに座らせると彼が沈黙を破った。
また、今日みたいに…
口下手で無口な彼の精一杯だろう。行為が終わって落ち着きを取り戻した彼の赤い頬がまた赤く染まり出す。
断る理由も嫌がる理由も私には一つもなかった。答えは勿論決まっている。
えぇ、是非。お願いします。
そう言って笑うと彼も大好きな笑顔で返してくれた。
あの日以来、彼との関係は続いているが体を重ねる以外に進展はない。お互いが好きだと言う事もなければ、好きだと言われる事もないのだ。けれど、それがいい。それでいいとすら思っている。
愛の言葉は私なんかじゃなく、彼の奥さんに伝えられるべきだと思っているからだ。
なんて、これは全てフィクションなのですけどね。
さぁ、そこでして。絵画は文字記号以外の本質も山ほど持っているんじゃないでしょうか。
文字を読むだけでしたらモリサワフォントを上質紙に打ち出したものを読んでも、死ぬ間際に床に書かれた血文字を読んでも、「リンゴ」という文字は「リンゴ」です。
◇◇◇
で、絵画はそうした「手前に描かれている人物は誰々という人で、背景に対してこういう構図にあるから、こういう意味を持っている」という文字的な読み方以外に、
「ちょっとここの絵具がざらついてるのが、超かっけぇ」とか「下地の麻布を消し切らない石膏地がいい」とか「画布の張り方が超几帳面」とかそういう箇所も面白がるやり方もあるのです。
『それは本質じゃない、そんなものは描かれた意味とは別の話だ』という意見もあるかもしれませんが、こうした「物自体の質感」も絵画の本質の一つです。
◇◇◇
簡単に言うと、コンビニでもらうレシートが血文字で書かれてたら怖いでしょ。記述されてる「代金とお釣り」という記述内容が合ってても、血文字だとさすがにちょっとそれ以外の色んなこと考えてしまう。このコンビニ大丈夫か、とか。普通に刑事事件じゃねぇか、とか。
たしかにこれは、「文字的な記述内容」とは別の次元の要素かもしれませんが、古今つうじて絵画のプロは、本気で全力であらゆる手段を使って、何かを表現しようと試みています。それが本質だろうと外道だろうとお構いなしです。
こうした場外乱闘的な工夫はさすがに写真だけでは読み取りにくいです。
◇◇◇
あるいは部屋とも言い換えられるかもしれません。
「ちょっと部屋でも飾りたいな。この棚置いたら、ソファはさすがに革はないな。ヤクザの事務所じゃねぇんだし。カーペットは、あえてなしで行くか」
いうなれば画家はそんな感じの試行錯誤を続けて、いい感じに飾った部屋にお客を招くわけです。
「どう?」と
「いいねぇ。わかってるねぇ。でも俺だったらここに革張りのソファ置いてヤクザの事務所っぽくするけどな!」
ここには文字的な記号のやりとり以外のコミュニケーションがあります。ここではソファの質感や、棚の色、床板の素材、といった要素それ自体が本質です。
◇◇◇
だから、まぁあれです。引っ越しの部屋決めを写真だけで済ますと思わぬ見落としがあったりするものです。実際に現場に足を運ぶと、写真に写ってないものが見えたりするもんです。そして住んでみるとまた違う。
絵画や美術も、きっと似たようなものなのです。そういう需要があるから、美術館てのが存在してるんでしょう。
俺はあんま行かんけどな。
口内発射だのスパンキングでイクなんてエロゲーと二次ドリの世界だけの話だろ、膣内とクリトリス、妥協しても乳首を刺激でもしなきゃ女性がアクメするなんてありえないよね、実際に業界でエロテキスト書いて飯食ってる友人知人(男性も女性もいる)もだいたいそんなことをいう。
しかし…ラピュタは本当にあるんだよ。結局性的興奮を感じるのは女性の脳であって、物理的刺激には限りがありまするが、実に無限にして無尽蔵なのは人間の想像力なのであります。信じてもらえないかもしれないけれど俺が出会った最小限の物理的刺激でイッちゃった女性のお話をしよう。以下の文章において女性のアイデンティティその他については嘘をついてる可能性があるけれど起こったことは正真正銘の事実です。
①
30歳バイオリン奏者
アイマスクで視覚を奪い、ボディストッキングだけを身に着けた女性をラブホのベッドに大の字に縛り付け、触ってと懇願する声を無視してしばらくクネクネする彼女を放置して視姦を楽しむ。おもむろに近づいとボディストッキングをあちこち破くそれだけでビクビクと体を震わせる彼女、そして仕上げとばかりに力を込めて太ももから足の指先まで一気に引き裂いたら…ヒーッヒーッと叫び声をあげて背中を反らせ10秒ほど激しく痙攣。え…もしかしてストッキング破いてるだけでイッちゃったのかよ。一人取り残された俺茫然。ほぼ肌に触れていないのに音の刺激だけでそこまで深い快感を味わうのか。音楽家の耳ってすごい(違うぞ)。
②
セーラー服姿で緊縛。後ろ手に縛って拘束したうえでアイマスクとボールギャグを装着、ソファの前に立たせる。カメラを取り出すとどこをどう写しているのか実況しながらシャッターを切る。するとAFの合焦音とシャッター音が響くたびに身体をよじらせるうえに股間には大きなシミが。おおだいぶ盛り上がってるなもうひと押ししてやるか、と連射モードに切り替えストロボの調光をプラス1段にしてより刺激を強くしたら…あれ、なんか反応が変だぞ、撮るたびに釣り上げられた魚みたいに痙攣してる。そして6回目か7回目の連射の直後、彼女はギャグにふさがれた口からくぐもった叫びをあげると足の先から頭まで激しく震わせながらソファに倒れこんだ。あの、俺触るどころか1メートル以内に近づいてすらいないんだけどな…。シャッター音とストロボの光の刺激だけでイッちまったぞ。
ええ、彼女は強烈な露出性癖持ちでAVで成功しなかったのは撮られていると思うだけで頭が真っ白になって演技もセリフも全部飛んじゃうからだそうです。監督さん、大変でしたね。
その瞬間に感じたのは性的興奮よりも人間の想像力の偉大さに対する尊敬の念とほんの少しの敗北感でした。もしかしてこの人たちには俺のちんちん、必要ないんじゃないかという、みみっちい敗北感。いちおう、どちらのケースもそのあと活用は、させていただきました、けれども。
2012年12月、私は21歳だった。私は失恋して、一人でクリスマス休暇中にニューヨークに来た。ギザギザした気持ちで、寒い街をくまなく歩く。人はきっとこれを傷心旅行と呼ぶんだろうな、と思った。
バラク・オバマ大統領が再選が確定して、世の中はひと段落し、クリスマス休暇で街中がウキウキしていたのをよく覚えている。
ニューヨークはその年暖冬だった。街に雪は降っておらず、大学のトレーナーと、ZARAのダッフルコート、リーバイスのジーパンを履いて街をうろうろしていた。それで十分な寒さで、ニューヨーカーに良い時に来たね、と言われた。
ニューヨーカーはみんな洗練して見えた。少し、日本に似ている。少なくとも私が長くいたカルフォルニアよりずっと。太っている人が少ない気がする、とタクシーの運転手と話した。みんな歩くからね、と彼は話す。ニューヨークは交通の便が良いようで悪いから。
MoMAにムンクの絵が来ていた。それから、グッゲンハイム美術館にはビカソ。芸術の面では世界で一番恵まれた街の一つだろう。美術館には少しドレスアップして行かないといけないのに、私はトレーナーできて少しばつの悪い思いをした。ダッフルコートがあったら、少しましだっただろうに、クロークに預けてしまった。MoMAのゴッホの絵は、荒々しい筆致でところどころに筆の毛が油絵の波の中にまじっていた。本でしか見たことのない絵に私は興奮したけれど、元恋人と一緒に見た気のする絵だったので寂しくなる。横にいるはずの人の不在が私を虚しくした。
本当は、彼と一緒に来るはずだった。私はその気持ちを振りきってにピカソの白黒の絵の前を通り過ぎる。グッゲンハイム美術館は、らせん状の作りになっていて、ピカソのデッサンや下書きばかり仰々しく飾ってあって私は不満に思った。
夜は一人でホットドッグを食べた。一人旅なのだから、無理してお洒落な店に入る必要もないし、お腹を少し満たせるならそれで良かった。一緒にいる人がいないと、人は自分を粗末にする。夜のニューヨークは一際しんと、寒かった。眠らない街と言うけれど、意外と夜は静かだった。
翌日も、前日と同じくらいの気温だった。メトロポリタンミュージアムの前で、イタリア系の画家と少し話した。絵を書いてるんだ、僕のアトリエに来ないかい。私は頷いた。マンハッタンを出て、クイーンズに行く。私の英語が訛っているのをからかわれた。あまり綺麗な英語を使えている自信はない。アトリエは沢山の絵があった。マチスに影響を受けていると彼は話す。家と隣接していて、君の絵を書きたいなと言われたけど私はかぶりを振る。あまり長く、ニューヨークにはいない。彼はそれでも私を椅子に座らせて、素早くスケッチをした。彼のノートの上に寂しそうな顔をした私の顔がのっている。似てる、と笑ったら、君を描いたからね、と真剣に答えられて辟易した。
彼の家でお菓子をごちそうになる。甘いチョコレートケーキだった。赤いソファに腰かけた。ピカソの絵の赤いソファは、安らぎを意味する、という話をした。ふと、彼が急に怒りだした。君は今、君の元彼氏のことを考えているんだろう。私は、違うと言おうとしたけれど、止めた。
赤ワインを飲んで、私は彼と別れた。駅まで送ってもらった。また来てね、と言われて私は手を振る。携帯番号を教えたけれど、多分きっと、彼にもう会うことはない。
マンハッタンのホテルに戻って、倒れこむように寝た。思ったより疲れていた。
翌日はふらふらとミュージカルを見に行った。タイムズスクェアは騒々しく、買えたチケットはミュージカル版スパイダーマンだった。一人で見る、とチケットブースのおばさんに行ったら、一人なら良い席があると言われて、格安でその席のチケットを買うことができた。開幕まで時間があったので、トイザラスの2階のガラス窓に寄りかかってタイムズスクェアを眺めていた。クリスマスが近いからか、トイザラスは人でごった返していた。
手元の携帯のプリペイドが、もう少しできれてしまう。私は更新しようと思ったけれど、やっぱりやめた。どうせなら買い直して、新しい番号にしようと思った。ミュージカル版のスパイダーマンは思ったより良かった。
翌日、私はニューヨークを去った。ロサンゼルスで熱を出して、ボーっとした頭のまま、ニューヨークにいた時間のことを考えた。携帯は鳴らず、最後に母に電話して、ゴミ箱に捨てた。
ちょうど引っ越しの時期だったので、掃除、空調、寝具(敷ふとん)、PCと小さい本棚以外は一切ドンシャリして新しい部屋に移った。
最初はうさぎ小屋のような部屋が広々と使えて快適だった。しかしそのうちそれすら窮屈に感じてきた。
部屋を見渡しては「まだ削れるのではないか」とリストラ対象を探す。
靴を捨てた、服を捨てた。丸いシルエットがノイズのように思えてきて、なるべく角ばったもので部屋を統一したくなった。
引っ越して半年経つ頃には、扇風機やドラム洗濯機も捨ててしまった。自分のなかで、いつのまにか独自の美意識が「便利」を上回るようになっていた。
私はこの八畳半の空間に宇宙を再現したい。私が価値を、至高を創るのです。
好きだったムーミンの大きなぬいぐるみまで捨ててしまった。悲しいが、所詮フィンランドのカバと日の本の侘び数寄の両立は不可能なのである。なあに、焼却処理施設とて心地よい場所でござるよゲヒヒヒヒ。
ついには敷布団の惰弱な質感が気に入らなくなり、朝イチのゴミに出してしまった。
さすがに硬いフローリングの床では寝られない。翌日から同僚というか、友人の家に泊まらせてもらうことになった。恋人ができた。六十時間ほど宗匠モードから解放され、自分を見つめなおした。リフレッシュしてハッピー。がんばれる私にまたこんにちわ。
そうして、三日ぶりに我が家へ帰ってきた。
そこに宇宙はなく、ただ荒涼とした私の心だけが現実化されていた。
翌日、無印で例のカウチソファを買って、そこで寝るようになった。さらに半年が経つと、マットレスで寝るようになった。恋人とは別れた。ネコを飼い始めた。
ネコのためにさまざまな道具が入用となり、本が増え、服が増え、生来の怠け癖から床にゴミが溢れるようになった。
最近では、また引っ越そうかな、と考えはじめている。
それと、ゲームセンターのクレーンキャッチャーで、ムーミンの大きなぬいぐるみを見かけるたびに五百円浪費する癖がついた。まだ一度もキャッチできていない。
大の方をする時に何かぷっくりしたものが覗く感覚と、時々切れて出血することがあったので勇気を出してこの前痔専門の病院に行ってきた。
さっくり述べると全然痛くなかった。
ズボンと下着を下ろして、横向けになって、医者がローションとクスコ?をちょっとぐにぐにっとやって3分ほどで終了。
違和感こそあるものの、すごいどろどろしてそうなローションを塗りたくられてるせいなのか、全然痛くはなかった。
痔があまり酷い状態じゃなかったのもあると思うけど。
痔専門の病院なんだけど、かなりでかくて入院患者とかも受け入れている感じの病院。
ソファにはところどころ痔用と思われるクッションが置いてある。
ここにいる人全員が痔で悩んでる人なんだな…と思うとなぜか笑えてすらくる。
という訳で、痔で悩んでる人は早めに病院に行くことおすすめしておく。
ほんとに全然痛くもないしささっと終わるので恥ずかしくもない。
追記:
自分の結果は軽いイボ痔だった。
1日使いきり型の軟膏と便を柔らかくする・大腸の働きをよくするための薬が2週間分で1000円くらい。