はてなキーワード: 粉飾決算とは
自分の勤務先は某地方都市を中心に展開する書店で、ピーク時の年商は300億円を超えていたので、国内でも大手の部類であったと思う
しかし、今年1月末に新会社への事業譲渡と大幅な規模縮小を発表し、自分もリストラされることとなってしまった
(今と同名の新会社を設立し、そこに事業と従業員の一部を引き継ぎ商号も従来のままなので、表向きは何も変わらない)
出版不況と大手ECサイトの台頭で町の個人書店が一掃され、大手書店も苦戦が続く中、当社は書籍販売からの脱却を進め、規模拡大と多角化経営を推し進めていった
「どこの本屋も苦境だけど、うちは書籍以外も手広くやっているからなんとか黒字が出せてるんだな」と当時は勘違いしてしまっていた しかし世の中そんなには甘くない
書店と併設してDVD・CDのレンタルをやっていたが当然そこではレンタル専業の大手などと競合する(サブスクの普及でレンタル業界も苦戦が続く)
本やゲームの買取等のリサイクル事業も展開していたが、規模でいけばブックオフに敵うわけがない
VRゲームがみんなで楽しめるネットカフェなんていうのも新規出店していたが、既にアミューズメント業界は飽和状態で利益など生み出せるわけがない
書籍販売以外にも収益源となる柱をつくる!と言いながら、いくつものレッドオーシャンに飛び込んでいき結果として甚大な被害を出してしまっていたのである
ではなぜ赤字を垂れ流しながらも事業規模の拡大を図ることが出来たのだろう 会社側は公式には認めていないが粉飾決算が行われていたことはほぼ間違いない
(色々な関係者から聞いた話を総合すると、粉飾は数十年以上に渡って行われており、規模も数十億円レベルなので非常に悪質な粉飾である)
ここからは自分の推測であるが、経営陣が事業規模の拡大を推し進めたのは「新事業による黒字化」ではなく「粉飾決算を隠すため」がメインの目的であったのだろうと思う
PL(利益計算書)の粉飾は比較的簡単で売上を水増しするか、経費を過少計上するかだけでいい 問題なのはBS(貸借対照表)の方だ
PLで利益を水増しすればBSの純資産の部の繰越利益剰余金が増えるので、左右をバランスさせるためには資産を増やすか負債を減らすかしかない
負債の部は銀行借入を過少計上(簿外債務)させるとして、資産の部で計数操作が可能な項目はどれか
現預金はすぐに銀行にバレるので論外、建物や土地の固定資産も固定資産台帳の提示を求められるとアウトなので、行きつくのは「売掛金」か「棚卸資産」となる
当社は書店なので基本的には現金商売で売掛金は発生しない そこで棚卸資産(在庫)を過大計上するわけだが、店舗数が一定なのに在庫だけが膨らめば当然怪しまれる
それを隠すため新規出店を続けたわけだ 更にいえばゲームの買取やトレーディングカードの買取をはじめたのも同じ理由だと考えている
在庫操作は粉飾決算で一番多い手口なので、銀行も念入りに分析する 銀行側から「一般的な書店と比較して月商対比で在庫が多くないですか」と聞かれた際に、
「新規出店したので在庫も増えた」「書籍だけじゃなくてゲームやトレカの在庫もあるから」「書籍の在庫はいつでも取次に返本可能だから不良化することはないよ」と逃げることが出来る
今までに出店したことがなかった他の地方に積極的に出店したのも、他のエリアの地方銀行からの資金調達を可能にするためという裏の目的もあったのだろう
そうこうして自転車操業を続けていたわけだが、粉飾にはいずれ限界がくる 当社にとっての限界点は2019年6月であった
全店舗において注文した書籍が納入されないというトラブルが発生
会社側は顧客に対して「平成から令和への元号切り替えがうまくいかず、発注システムが不安定となっている 正常化には時間がかかる」という説明を行ったが噴飯ものである
町の個人書店ならいざ知らず、年商数百億円規模の書店からの注文がゼロだったら当然のことながら出版取次から取い合わせが来る
会社の説明は全くの出鱈目で、「資金繰りに窮し出版取次への5月末の支払が遅延したため、当社の経営危機を察知した出版取次サイドが出荷を全て止めた」というのが事実である
このままでは書籍の入荷が出来ず営業が続けられない、万策が尽きた経営陣はついに取引銀行を集めたバンクミーティングで全てを白状…という流れとなった
地元エリアを中心に数十店舗を展開する書店がいきなり倒産し全店舗閉鎖するのでは、地域に対する影響が大きすぎるので、会社側は私的整理による事業再生を目指した
しかしながら、単なる経営悪化ならまだしも長年に渡る悪質な粉飾決算が行われていたのは事実なので、銀行側も容易には応じない
私的整理は銀行借入のみに限定した債務カットが可能なので、納入業者等に迷惑をかけることがありません そのため事業価値を毀損せず再生を図ることが可能です
但し法的整理と異なって法的な拘束力がないため、全債権者(ここでは全取引銀行)の同意が必要となります(同意を得られないまま法的整理に移行するケースも有る)
一方で法的整理は裁判所が手続きを進めるため、債権者の過半数から同意を得られれば再生手続が可能となります
但し銀行借入だけでなく、商品仕入先に対する買掛金など一般的な商事債権も債権カットの対象となるため、事業継続に支障が出る場合があります(現金先払いでないと仕入が出来なくなるなど)
当社の場合は、最終的に国内最大手のレンタルチェーン店や大手家電量販店がスポンサーとして新会社に出資し経営参加することとなったので、なんとか全銀行の承諾が得られた
しかし新たに策定された再生計画には不採算店舗を中心とした店舗の閉鎖と人員の削減が当然のように織り込まれていた
自分が勤めていた店舗も残念ながら閉鎖対象となり、そして面談の中で自分が削減対象人員となっていることも伝えられた
「このまま会社が倒産すれば全社員が路頭に迷うことになる 大変申し訳ないが事業存続のためなので理解して欲しい」と言われてしまうと、承諾せざるを得なかった
会社として生き残るため多少の出血は止む無しという判断をするのは当然のことだろう
最終出社日に退職にかかる色々な手続きを終えると私は定時に会社を出た
私と同様に本日付で退職する同僚と個人的に送別飲み会を開いて会社の愚痴でも言い合いたい気分ではあったが、新型コロナが流行る中で居酒屋に行くことはやはり抵抗がある
まっすぐに帰宅し一人で晩酌を済ませた私は気晴らしにデリヘルを呼んでみることにした
過去に何度か呼んだことがあるお店のサイトをチェックすると、好みのタイプの女の子が居たのですぐに電話で連絡をした
先客が居たので待つこと約2時間、とても明るくてかわいい女の子がやってきた
普段は関西の店舗型風俗店に勤務しているが、今はコロナの影響で客足が激減しており、コロナの影響があまりない地方都市へ出稼ぎに来ているのだという
シャワーを浴びて照明を暗くし、私と彼女は布団の上で楽しいひとときを共有した
「ごめん 布団汚しちゃった 予定日はまだ先だったのに ほんとにごめんね」 見ると敷き布団に少しだけ血が付いている
業務時間中の暇潰しに増田でもやってみるかと思い立ったのが2020年2月中旬
「ブコメって何?」という状況からスタートしてほぼ1年経過したので、書いたやつの中からお気に入りを自選して自分で解説する
ttps://anond.hatelabo.jp/20200303074729
初めてブクマがついたエントリ オチから逆算して作った典型的なやつ
増田を書くときにオチありきで考えるのが習性になってしまっている気がする
ttps://anond.hatelabo.jp/20200416170021
ttps://anond.hatelabo.jp/20200420103142
曹操ネタだと気づいた人とただの女性蔑視ネタだと思った人でブコメの反応が真っ二つに割れてたのが面白かった
ttps://anond.hatelabo.jp/20200522140236
ttps://anond.hatelabo.jp/20200617093201
自分はBL知識はほぼないので「攻め=男役、受け=女役」なんだろうと思い「上司が受けなのかよ」と書いたところトラバでBL議論が始まってしまいドン引き
「攻めフェラNG」とか生きていくうえで一生役に立たなそうな知識を得られましたよ、ええ
ttps://anond.hatelabo.jp/20200714081644
あまりブクマは伸びなかったけど個人的に好きなエントリ のちの「とんち嫁」の原型みたいな感じ
ttps://anond.hatelabo.jp/20200803171613
仕事柄毎朝東証の適時開示をチェックしてるので、その中で面白そうな調査報告書をピックアップして読むのが日課
創作ネタの宝庫でもあるので、時間があるときに是非読んで頂きたい
ttps://anond.hatelabo.jp/20200826164820
当初は別のラストだったんだけどあまりに暗い終わり方で救いが無いしそもそもオチが無い増田は如何なものかという気がしてきたので一生懸命考えて最後のオチを無理やりくっつけて完成
「義兄業務妨害って言うためだけにこんな長文書いたのかよ」との指摘が多数あったがそんな暇人いるわけねーだろ
ttps://anond.hatelabo.jp/20200902104134
みんなブコメで韻を踏みまくってて笑った ブクマカは意外と優しいよね
ttps://anond.hatelabo.jp/20200908135711
「ANA兄弟」と言うためだけに全文書いた このときは暇だったんだな多分
ちなみにほぼ創作ベースだけど槍田さんはモデルとなった実在人物が居ます 槍ちゃん社内でやりまくりだったからなあ…
ttps://anond.hatelabo.jp/20201002170746
「毎回オチから逆算したネタでは作風の幅が広がらない」「一人前の増田になるためには色々なジャンルを書かないと」という反省から、正統派増田文学に挑戦してみたやつ
「今回はダジャレも入れてないしおもしろ要素は皆無 不器用な若者たちの青春群像が描けたぞ 我ながら良い出来だ」と思ってたんだけどそう受け止めてくれた人はごくごく僅か
大半の人には不条理ギャグだと認識されたっぽい 自分の表現力不足が原因なのかブクマカの読解力不足が原因なのか…
このエントリが入試に出題されたとして、「主人公である増田が彼女に本当に伝えたかったことは何か 本文中の表現を使って述べよ」って問いがあったら
答えは当然「がんばれ!がんばれ!」なんだけど、下手すると半数くらいのブクマカが「孕むと負けよ~アッぷるぷる」って誤答してしまうのではないかと不安になった
ttps://anond.hatelabo.jp/20201022091003
前回同様に新たな作風にチャレンジするため、これまで書いたことがない光属性ものに挑戦
「闇無効」の耐性持ちのはてなーたちが溶け去ってしまうくらいの光属性ものを書いてやろうと挑んだものの出来上がったのはなぞなぞ嫁というかただの面倒くさいとんち嫁でした
ttps://anond.hatelabo.jp/20201028172038
毎回悲惨な目にあうんだけどそれでも最後くだらない駄洒落を言うことで「こんなひどい目にあったけど駄洒落を言うくらいの元気はあるぞ まだまだ人生諦めないよ」
という救いを表現しようとしてるんだけど誰にも伝わってないようで何より
ttps://anond.hatelabo.jp/20201105153515
朝から晩までアツギのタイツネタでフェミさんが大暴れしててはてなが殺伐としていたのでとりあえず何か笑いを供給しなければと思い急いで適当に書いたやつ
ttps://anond.hatelabo.jp/20201118170546
いつも真面目な金融経済ネタを書いてるのにも関わらず、なぜか毎回「おもしろ」やら「世の中」カテゴリに分類される自分のエントリ
「はてなのカテゴリ分類はぶっ壊れてるんじゃないの!」と腹が立ったので、なんとしてでも「政治と経済」カテゴリに分類させてやろうと思い書いたやつ
とりあえずオチをダジャレにしたり、デリヘルを呼んだりしなければ「政治と経済」カテゴリに分類されるということが分かりました
ちなみにこれを書くために、仕事をサボってネットカフェで「なぜか笑介」「だから笑介」を全巻読み返した
ttps://anond.hatelabo.jp/20201210171619
仕事柄取引先の倒産事例を嫌というほど目にしているので倒産ネタとか粉飾決算ネタとかには事欠かない
最後にデリヘルを呼ぶのはちょっと安易だったかなと反省している
(追加)
ttps://anond.hatelabo.jp/20201229162144
脳内で全体の構成は出来上がっていたので「正月休み明けの暇な時間つかって職場で書き起こそう」と思っていたのだが
年末あまりにやることがなくて暇だったのでついつい書き上げてしまった
色々な太陽光発電プロジェクトに携わらせてもらったけど、あの界隈は怪しい人物が多すぎて本当にやばい
これまでの増田は多少ぼやかしながらノンフィクション形式で書いてきたけど、太陽光案件でそれをやると特定されて
太陽光パネルの架台の下に人柱として埋められてしまう危険性があるので、やむなくぐりぐらフォーマットに致しました
以上です
https://anond.hatelabo.jp/20200813115920
https://anond.hatelabo.jp/20200813164528
久々に日記を書きたくなったので、今回は方向性を変えて年代記風の記事を投下してみます。
私自身は業界の全盛期である80年代~90年代前半を経験しておらず、当時の状況を記述するのに十分な知識がないため、その時代については省いています。
ということで、私がこの業界に入ることになる少し前の90年代半ばから物語を開始します。
※工場の呼び名は企業の再編によって変わる事が多々あるので、原則立地で表記している。
80年代後半に栄華を極めた日本半導体産業であったが、日米貿易摩擦の影響で一時に比べて勢いを失っていた。
また、韓国企業の台頭により得意分野のDRAMの雲行きが怪しくなり始めたのもこの時期である。
(余談だが、日本の半導体衰退の原因としてよく話題に上がる韓国での週末技術者バイトはさらに昔の話である。このころにはすでに強力な競合に育っていた。)
とはいえ世界的にみると日本の電機メーカーは資金力・技術力ともに上位であり、一時的な不況を乗り越えさえすれば再び繁栄が訪れると誰もが信じていた。
そんな時代背景の元、日本企業は貿易摩擦に対抗しつつ、さらなる勢力拡大を図るため、自動車産業の成功例に倣い世界各地で現地生産を進めることで変化に対応しようとしていた。
企業名 | 進出先 | 設立 |
NEC | カリフォルニア州ローズビル | 1981 |
富士通 | オレゴン州グラシャム | 1988 |
三菱 | ノースカロライナ州ダーラム | 1989 |
日立 | テキサス州アービング | 1990 |
松下 | ワシントン州ピュアラップ(National Semiconductorより買収) | 1991 |
東芝 | ヴァージニア州マナサス(IBMとの合弁でドミニオンセミコンダクタ設立) | 1996 |
企業名 | 進出先 | 設立 |
NEC | 英 リビングストン | 1982 |
日立 | 独 ランツフルト | 1990 |
三菱 | 独 アーヘン | 1990 |
富士通 | 英 ダーラム | 1991 |
企業名 | 進出先 | 設立 |
NEC | 中国首鋼集団と合弁工場設立 | 1991 |
三菱 | 台湾力晶半導体(Power Chip)と提携しDRAM技術供与 | 1994 |
東芝 | 台湾華邦電子(Winbond)と提携しDRAM技術供与 | 1995 |
沖電気 | 台湾南亜科技(NANYA)と提携しDRAM技術供与 | 1995 |
日立 | 新日本製鉄及びシンガポール開発庁と共同出資でシンガポールに工場建設 | 1996 |
Windows95ブームの終焉による半導体のだふつき、アジア通貨危機後の韓国メーカーのなりふり構わぬ安値攻勢、ITバブル崩壊による半導体需要の激減と、短期間で何度も悪化する半導体市況。
次第に半導体産業は将来性を危ぶまれるようになり、成長分野から社内の『お荷物』とみなされるようになっていった。
かつて半導体事業の中核だったDRAMは、優位性を失い韓国企業に覇権を譲り渡してしまった。
資金面でも徐々に脱落するメーカーが現れ始める。はじめについていけなくなったのは、バブル期に事業の多角化を進めて半導体に新規参入した鉄鋼メーカーだった。
続いて総合電機各社も規模縮小に向かう。世界中に作った半導体工場は投資の回収ができないまま次々と閉鎖されていった...
工場の現地化の試みは失敗に終わり、10年程度という短い期間での工場立ち上げ・閉鎖はマンパワーと資金の浪費に終わった。
こうして各社は体力を削られ、余力を失っていくのだった。
NEC、日立、DRAM事業の統合を決定。エルピーダメモリ設立。
神戸製鋼、米TIと合弁の西脇の半導体工場を米Micronに売却
日立、台湾UMCと合同で初の300mmェハ(従来の主力の直径200mmのウェハから2.25倍の面積になり、ざっくりいえば同じ工程数で2倍程度のChipが取れてコストを削減可能。現在に至るまで主流のウェハサイズ。)を使用する工場、トレセンティテクノロジを常陸那珂に設立
東芝、DRAM撤退。北米拠点のドミニオンセミコンダクタを米Micronに売却。
NEC、非メモリー半導体事業を分社化、NECエレクトロニクスを設立。
繰り返す半導体市況の激しい変動も落ち着きを取り戻し、待ち望んだ好景気がやってきた。
90年代後半からの不況で体力を消耗した日本企業だが、いまだ技術力は健在。
折からブームとなっていた『選択と集中』を合言葉に、各社の得意分野に集中投資だ!
パソコンではアメリカ企業に後れを取ってシェアを失ったが、液晶・プラズマをはじめとするテレビ、DVDレコーダーにデジカメ等、日本のお家芸である家電のデジタル化が進展する今こそ最大のチャンス!
さらに、世界中で規格が共通化された第三世代携帯電話が普及すれば、圧倒的な先進性を誇る日本の携帯電話が天下を取れるのだ!半導体復活の時はついに来た!!!
製造業の国内回帰の波に乗り、生産性に優れる300mmウェハの工場をどんどん建てて再起をねらうのだ!
日立と三菱がロジック半導体事業を統合、世界三位の半導体メーカールネサステクノロジ誕生。
富士通、米AMDとNOR型Flashメモリ事業を統合、Spansion設立。
エルピーダ、三菱電機からDRAM事業を譲渡。日本の残存DRAM事業が集約。新社長を外部招聘し、反転攻勢開始
東芝、四日市に300mm対応のNAND型Flash工場、四日市第3工場建設開始
Spansion、会津若松に300mm対応のNOR型Flash工場建設を発表
ルネサス、UMCからトレセンティテクノロジの持ち株を買収。完全子会社化
東芝、四日市に300mm対応のNAND型Flash第4工場を建設開始
2000年代の日本企業の反転攻勢は、リーマンショックで終わってしまった。
日本の電機業界が成功を夢見たデジタル家電は韓国勢との競争に敗れ、携帯電話でも海外展開に失敗した。
90年代から繰り返し計上してきた赤字と、2000年代の大規模投資を経た今、半導体工場への投資を継続する資金的余力はもはや残っていなかった。
不採算部門とみなされるようになった半導体事業は設備投資が止まり、建設されてからわずか数年で時代遅れとなってしまった。
これ以降は、東芝のNAND型Flashメモリや、ソニーのイメージセンサーといった競争力を維持している分野、また旧エルピーダのDRAM工場といった外資の資金を得た分野のみが投資を継続されることになる。
ルネサス、日立時代からの欧州拠点、ランツフルト工場をLファウンドリーに売却
日立、シンガポールの工場をシンガポールのチャータードセミコンダクタに売却
ルネサスとNECエレが合併。世界第三位の半導体メーカー、ルネサスエレクトロニクス発足。フィンランドのノキアからモデム部門を買収。
ルネサスエレ、NEC時代からの北米拠点、ローズビル工場を独テレフンケンに売却
米オン・セミコンダクター、三洋電機の半導体事業を買収
ルネサスエレ、ノキアから買収したモデム事業から撤退、さらに2300人リストラ。またNEC時代の中国の合弁を解消し撤退。
富士通、マイコン・アナログ事業を再建したSpansionに売却
東芝、四日市の300mm第5工場2期分稼働。200mmの第2工場を300mmに建て替え
Panasonic、半導体工場をまとめてイスラエルのTower Jazzに売却
富士通とPanasonic、SoC設計部門を統合、ソシオネクスト設立
この時期に至ってようやく主要半導体メーカーの工場再編が一通り完了し、現在につながる枠組みがほぼ出来上がった。
リーマンショック後の大規模再編で日本企業の世界的地位はかつてないまでに低下し、国内の工場においても外資系の傘下に入るところが増えた。
現在半導体の先端工場に継続投資できる日本企業は、イメージセンサーに強いソニーと東芝のメモリ事業を引き継いだキオクシアだけである。
はたして日本の半導体産業は今後どうなるのだろうか?再び世界に飛躍する日はやってくるのだろうか?
東芝、四日市の第2工場建て替え完了。大分と岩手の200mm工場を分社化、ジャパンセミコンダクターを設立。
東芝、本体の粉飾決算のあおりを受けてメモリ事業を分社化。東芝メモリ設立。四日市に300mmの第6工場建設開始。さらに北上市に300mm新工場を建設
ルネサスエレ、米intersilを買収
東芝メモリ、四日市の第6工場が稼働。多国籍連合のファンド、パンゲアから出資を受ける。
富士通、桑名の300mm工場を台湾UMCに売却。また、会津若松の200mm工場も米オン・セミコンダクターに売却。
Panasonic、残ったマイコン等の事業を台湾Nuvotonに売却して半導体から撤退
自分が担当していた大口取引先の会長から、「友人が起業することになったので相談にのってあげて欲しい」と持ち掛けられた
創業関連の融資というのは銀行はあまりやりたがらない 計画があてにならずリスクも高いからだ
通常なら「起業資金だったら政策金融公庫ならすぐに出してくれますよ」と受け流すところなのだが、会長直々の相談なのでとりあえずその友人と面談することになった
銀行の応接で面談し話を聞くと、今既に和菓子店を複数店舗展開しており、今回そこを辞めて新たに会社を設立するので資金を出して欲しいという
その和菓子店は地元で人気の店であり私も知っていた 地元の果物を使ったフルーツ大福やフルーツ葛饅頭などが人気でいつも行列が出来ている
ただそうなるとなぜ上手くいっている会社を辞める必要があるのかという疑問が出てきた
「今の会社ではやりたいことが出来ないので、一から新しくやり直すことにした」というが、自分が社長なのにやりたいことが出来ないというのはやはり納得がいかない
「今の会社のメインバンクはどこなんですか」「A銀行だけど」「喧嘩別れとかでないのであれば、A銀行に相談するのが一番手っ取り早いと思いますが」と私が問い詰めたところで、社長はようやく白状した
社長は新商品などの開発は非常に得意で仕事は出来るのだが、その分夜遊びも酷くほぼ毎日のように他社の社長友達たちと飲み歩いていたという
キャバクラの女の子と平日にゴルフに行くなど散々遊びまくった結果、副社長である妻がついにキレて社長を解任され会社から追い出されてしまったということだった
会社設立の際に妻の父親に一部出資してもらっていたため、株式保有割合が社長40%、妻40%、妻側の父20%となっており、実質的に株式の過半数を握っている妻に追い出されてしまったわけだ
「とはいえ社長だったんだから退職金は貰えたんでしょう それに株式だって40%持ってるわけだからそれを買い取ってもらえるんじゃないんですか」と聞くと社長は項垂れながら答えてくれた
「退職金として2000万円、株式は税理士に評価してもらって4000万円で買い取ってもらったよ だけどこれまでに会社の金を流用して個人的な飲み食い等に使っていた分を穴埋めさせられた
それから離婚時の慰謝料も払わされたので手元に残ったのは1000万円足らずしかない」
銀行は決算書上で会社側から役員個人に対する貸付金があるケースを酷く嫌う 会社に融資したはずの運転資金が社長個人に流用されてしまっては困るからだ
そんな状況では内情を良く知るA銀行が社長に対して融資をOKするはずがない
ただこの社長には商品開発力はある デパートのバイヤーとも繋がりがあるので、商品を取り扱ってもらうことも恐らく可能だろう
私自身新規取引先開拓のノルマがあり、あと1件増やせばノルマ達成だったこともあり、この融資案件について採り上げ方向で検討することとした
支店内での稟議は金額が融資金額が1000万円と少額であったこともあり、比較的すんなりと決裁になった
社長が有名和菓子店を経営していたことも一つの材料になったのだと思う(社長が追い出された件はただの夫婦喧嘩という説明に留めておいた)
稟議承認の際、私は支店長に「増田君、中小企業は会社=社長だよ 増田君が面談して信用出来ると思ったのであればやってみればいい」と言われた
すんなり決裁が得られると思っていなかった私は、支店長の言葉で逆に不安になってしまった
悩んだ私は最悪この案件が流れても仕方ないという覚悟で社長に対して最終の条件提示を行った
融資金額や金利、融資期間については当初の提案通り、但し不動産担保として社長の実父が住んでいる実家を取らせてもらうことを条件として出した
実家は築50年以上経っており建物の価値はほぼゼロだ しかし立地が良いので更地にして売却しても相応の金額にはなるだろう
社長は担保提供について抵抗したが「嫌なら他の銀行で相談して頂きます 当行では対応出来ません」と突っぱねたところ最終的に社長が折れた
さすがに実父の自宅を人質にとれば社長は夜遊びを多少は控えるだろう、そう考えての対応だったのだが、結果としてこのときの私の判断は甘かった
融資実行後、工場兼店舗となる物件を契約し2ヶ月ほどの準備期間をおいて店はオープンした
社長が開発した新商品は地元のTV局の情報番組で取り上げられたことなどもあり、開店当初から売上は順調に推移した
とはいえやはり不安が拭いきれなかった私は社長に対し「決算書は税務署に提出する前に必ず私に見せて欲しい」と何度も念押しをした
そして決算期を迎え、社長の飲み友達である税理士から渡された決算書のドラフトを見て私は愕然とした
確かに黒字にはなっている 数十万円程度のお情け程度の黒字 しかし問題はそこではない
「決算日に店舗の金庫の中に現金が800万円あることになってるんですけど」
「社長は忙しいから毎日銀行に入金に行けないんだと思うよ ある程度まとまってから行くんじゃないかな」
「800万円って何日分の売上に該当すると思います?先生は現金があるのを確認しました?」
「…」
預金残高をいじればさすがにすぐに銀行に見抜かれる だからといって現金を膨らませるとかもう小学生並みの発想だ
恐らく毎日の店舗の売上現金はそのまま社長の遊興費で消えてしまっているのだろう
「こんなバレバレの粉飾に手を貸したという話が広まったら困るのは先生でしょう、うちの銀行出入り禁止になりたいですか!」
と税理士に罵声を浴びせ、現金項目について原材料や前払金等の適当な項目に振り分けるよう指示した
クリスマスケーキ用に前もって大量の原材料を発注した 保管はメーカー側の倉庫でしているとでもいえばなんとかなるだろう
翌日社長と面談し、「これ以上はお付き合いできないので、すぐに他の銀行で肩代わりして頂きたい 出来なければ担保である実家を処分する」と通告した
その後税理士が新たな決算書を作成し、その決算書を持って近隣の信用金庫へと相談へいってもらった
事前のうち合わせ通り「今の銀行から大幅な金利引き上げを通告された、なんとか借り換えさせて欲しい」と社長は信金の窓口担当者に泣きついた
そして3週間ほどたち、粉飾決算を見抜くことが出来なかった信用金庫は融資を肩代わりすることとなった
他行で借り換えされることになった旨を支店長と上司に伝えると「自分の担当先だろ しっかりグリップしておけよ」と怒鳴られてしまったのだが
下手をすれば融資先の粉飾決算で信用事故に巻き込まれるハメになっていたわけなので、それに比べれば上司からの叱責など軽いものだった
信用金庫からの振込入金を確認し、借入返済手続きを終えた私は返却書類一式を持って和菓子店を訪れた
営業時間中は忙しいだろうということで、閉店間際に行ったのだが店内にいるのはバイト店員だけであった
「社長は外出中なのでお預かりしておきます あと銀行さんが来たらこれをお渡しするようにと言われてましたので」と和菓子の箱を渡された
外出といってもどうせ飲みに出ているだけだろう まあ最後にお礼の菓子を渡すくらいの常識は持ち合わせているのか…
私は菓子箱を受け取り銀行へと戻った 箱の中身は葛饅頭だったので残業している同僚たちと食べることにした
「あーこれは美味しいわ 売れるはずだよ」と同僚たちが言う
その他関連ツイート
観客動員を水増しするのって、株価を偽造するのと構造は一緒だからね。
一定の動員基準を満たすことでJリーグが参入を認め、クラブの冠にJがつくことで、出資者が集まる。
本当は地元で全然関心を持たれていないのに、あたかも人気があるように欺く行為に未来があるのか? #奈良クラブ— 毛利 龍 @ラーテル (@ratel_net) 2019年11月29日
この試合、ロック側で観に行ってたんですよ。
『開幕戦やのに少ないなぁ』思てたんです。
そしたら発表が千人越えてたから、他の面子と「えっ?そんなおる?」ってなったんですよ。— 大光坊 天恵@天恵軍曹(KFG) (@taikobotenkei) 2019年11月30日
写真だけでは証拠としては弱いかも知れません。表にもいる、出入りがあるなど言い訳されると思うので。
ただボランティアがもぎった半券の数と新規入場者に配った選手カードの配布数の枚数が2人で数えて約630で同じくらいになってることと写真を合わせれば信憑性は高くなりますよね。 #奈良クラブ— こすけ⚽奈良県フットボールサポ フットサル部 (@nc_s_futsal) 2019年11月30日
Jリーグのサッカークラブは、地元の人が誇りに思えるようなクラブじゃなきゃダメなんだよ。
生まれ育った土地のクラブを恥ずかしいと思わせないでくれ。奈良の名をつけたクラブの意味を考えろよ。めちゃくちゃムカついてるよ。 #奈良クラブ— MATSUMEGANE (@J7massanI) 2019年11月30日
そんなん言ったら匿名の内部告発で、週刊誌に会社の粉飾決算をリークするのはどうなのよ。
その会社は社会的、場合によっては刑事罰も受ける。
世間は内部告発者を叩きます? #奈良クラブ #JFL https://t.co/aNLpeDXVmh— ダルビッシュまさ (@DarvishMasashi) 2019年11月30日
ホーム全試合行ってれば、嫌でも体感と発表数の違いは分かるよ😑 5000の時も「あ~やっぱり全然無理じゃん」ってみんなで言ってたら、発表越えてて違う意味でザワついたからねw #奈良クラブ #naraclub — ひろ (@sagahiro4649) 2019年11月29日
キヤノン ホワイトカラーエグゼンプション 法人税減税運動 などで勇名をはせる御手洗冨士夫氏(経団連元会長)が長らく 会長をつとめる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/偽装請負#キヤノン
https://ja.wikipedia.org/wiki/偽装請負#ニコン
https://ja.wikipedia.org/wiki/偽装請負#パナソニックグループ
https://ja.wikipedia.org/wiki/パナソニック#不祥事・事件
2017年3月15日、富山県の工場の従業員に労使協定の上限を超える違法な時間外労働をさせていたとして、富山労働局砺波労働基準監督署から労働基準法違反の疑いで、法人としてのパナソニックと工場で労務管理を担当していた幹部2人が書類送検された。これを受け同月18日、大阪労働局から厚生労働省による税制上の優遇制度プラチナくるみんの認定を取り消された。
オリンパス https://ja.wikipedia.org/wiki/オリンパス事件
巨額の損失を「飛ばし」という手法で、損益を10年以上の長期にわたって隠し続けた末に、負債を粉飾決算で処理していた。
同社の内部告発窓口を利用した社員を不当に配置転換したりしたパワーハラスメントでも有名。
SONY https://www.asahi.com/articles/ASL4N4DN7L4NULFA00L.html
ソニーエンジニアリング経営陣による不適切な交際費や出張費の支出が見つかってか、たんなる偶然か、その後社長辞任
リコー https://b.hatena.ne.jp/entry/s/biz-journal.jp/2014/01/post_3969.html