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はてなキーワード: 雑居ビルとは

2020-01-14

ストゼロカフェ

西暦2050年代、時の政府が、国民の退廃を防止するためにアルコール摂取量制限し始めた。2010年代から人気のあったストロングゼロ系の販売店もストゼロカフェなるを展開して、売上げの維持に努めていた。

 バーチャル体験が出来るアトラクションを併設させていた。少ないアルコール摂取量でも楽しんでもらいたい、というコンセプトではあったが、アルコール以外での売り上げを得たい店側の意図があったのだった。

 ストゼロカフェでは、要するに酔いを速く回すために、趣向をこらした。近隣のゲームセンターパチスロ店と提携するところもあったが、手軽で人気なのは、屋外にVR, AR体験をするために、ゴーグルを貸し出されてゲームをするものだった。

 タブレット端末や専用のスマートフォンタップをする単純なものがあった。店側は、酔いを回すために、軽いヘルメットと小型カメラをつけた専用のゴーグルを使い首を振ると10タップ分出来るシステムもあらわれた。クラブライブの首振りに着想を得て、ゲームの中で首を振り頭へのアルコールの回りを早くするのだ。運動不足になる若者が、古くなった雑居ビル建物の中や屋外にて歩き回る、この触れ込みでブームが作られていった。。

 初対面でも、ゴーグルを通じたアバター姿の仲間と意気投合してクエストクリアしていく。なかなか好評だった。行列が出来た。

 しかし、難点があった。やはり、酔いが速く回る分、悪酔いをしてしまうのだ。

「なんだよー、コレ聞いてねーし」新成人若者たち(20才を過ぎたばかりの)が叫びながら、排水溝へ向けて吐瀉物を出している(ゲロを吐いている..)。

 今年もストゼロカフェの餌食になっていた。

2020-01-04

あるバーで起きた一晩のこと

もう何年も前の話になる。仕事が忙しくストレスが溜まる生活を繰り返していた俺は、週に1、2度都内のあるバーで飲んで帰ることが習慣化していた。繁華街からは少し外れたところにある特徴のないショットバーで、特におもしろメニューも嗜好ももないが、質の悪い酔っぱらいも居らず、1時間滞在しても自分以外に客がいないことも珍しくないことが魅力のバーだった。

ある金曜日の夜、多分22時くらいだったと思う。流石にこの条件で他に客がいないことは珍しいのだが店は空っぽだった。半ば指定席と化しているカウンターの一番奥に私が座ると、店を一人で切り盛りするマスターは慣れた手つきで私におしぼりと灰皿を出しながら「タイミングが良かったですね。さっきまで戦場のようでしたよ。もう今日は静かだと良いのですが」と語っていた。

しかし、私の最初のオーダーが手元に届き煙草に火をつける時、もう一人客が入ってきた。大学生くらいの若い女性だった。派手さは感じないが華やかさを感じさせる美しい女性で、失礼ながらこんな小さな雑居ビルに入っているバーが似合うような女性ではなかった。おそらく恋人か何かと待ち合わせだろうと思いながら、私は驚きのあまり不躾にも凝視してしまった目線をバックバーに移した。カウンターしかない小さな店だから普通こういう状況ではマスターは私とは反対の、入り口に近い席を進めるはずだ。俺にできることは、後から来る連れが騒がしい男でないことを祈るだけだった。

ところが、どうやら驚いて一瞬固まっていたのはマスターも一緒だったらしい。なぜか一度俺と目を合わせたマスターが「いらっしゃいませ」と言い切るころには彼女は私と一席空けた隣に座ろうとしていた。奥から詰めたほうがいいだろうと考えたのだろうし、これだけならそれほどおかしいことでもないのだが、何だか少しドキドしたことを覚えている。

マスターもそれは同じようで、どこかぎこちない動きで彼女にお絞りを渡した。この店はマスターの気配りだけは一流と言って差し支えないため、一見若い女性が一人で入ってきたら、さも常にそうしていますという素振りメニューを渡しそうなものだが、マスター彼女にお絞りを渡したまま姿勢を正して硬直するようにオーダーを待っていた。妙なことになってきたぞ、とそう思った。

私とマスターがそうして硬直していると、彼女は小さな、それでいて良く通る声で「ザンシア」と呟き、私とマスターをもう一度硬直させた。居酒屋ダイニングバーで出るようなカクテルではないし、スタンダードであるかも怪しい。私もショートカクテルということ以外はどういうものかは記憶にないカクテルだった。流石のマスターは「はい」とだけ答え慣れた手付きでオーダーを作り始めたが、私は混乱し始めていた。彼女は確かに華美ではあるが水商売には見えないし、偏見だろうが女子大生がこんなカクテルに詳しいというのも不自然だ。見た目通りの年齢ではないのかもしれないと思いながらチラリと彼女を横目で見ると、バックバーを眺める彼女からはどこか幼さも感じ、余計に俺は混乱することになった。

彼女の正体について私が思いを巡らせながらマスターカクテルを作る様子を見ていると、ザンシアというのはかなり強いカクテルのようだった。シェイクする分を考えても、40度はあるかもしれない。それがカクテルグラスになみなみと継がれる様子を見ると、本当にあのあどけなさの残る女の子がこんなものを飲めるのだろうか、という余計なおせっかいを考えざるを得なかった。

しかし私の心配杞憂に終わったようで、横目で見ていると彼女は一息でカクテルグラスを半分ほど開けていた。私も酒に弱いわけではないが、真似できる気はしなかった。少なくとも試したところで酒を楽しめないだろうことは間違いなかった。ますます混乱する私がこの後彼女に声をかけられて、挙動不審にならなかったことは奇跡だと思う。

「ねぇ」彼女は俺のことを見て確かにそう言った。「煙草、分けて下さらいかしら」、と。一字一句間違いない。確かに彼女はそう時代がかった口調で私に煙草を求めたのだ。混乱に次ぐ混乱の中、重ねて言うが私がどもらなかったことは奇跡しかない。

「どうぞ」と言いながら私は彼女に箱を開けた煙草差し出した。彼女は慣れた手付きで私の持つ箱から煙草を一本取り出し「ありがとう、火もいいかしら」と答えた。またしても「かしら」だ彼女はいったいどこの世界からやってきたのだろう。

ごめん書くの飽きた

2019-12-19

anond:20191219124919

世界的に情報産業が隆盛を極める中で

日本は、世界でもトップクラス情弱国家情弱民族だもんなあ。

せっかく製造業では有能な人々が利益を生み出してるのに

若者さんたちは「21世紀にもなって工場勤務はちょっと・・」とか言っちゃって

渋谷とか六本木雑居ビルでグズグズとタムロしてる「IT企業(笑)」ばかり。

テストコードもろくに書けないくせに、意識だけは無駄に高そうに、SwiftiOS専用のゴミアプリばかり作っちゃってさ。

そんでMSGAFA・BATその他世界企業から食われてさ。

「なんで日本大企業GAFAレベル会社作ってくれないの?俺ら有能なエンジニアはずっと和製GAFAを待ってるのに」ってさ。

こんなんじゃ、自分らが妄想する「普通暮らし」に手が届かないのはしゃーない。

昭和に比べたらいい暮らしが出来ているが、それすら驚きだわ。

じーちゃんばーちゃん、どんだけ俺らのために高度経済成長期の富を貯めておいてくれたんだ、って思う。

2019-12-17

雑居ビルに住んでみたい

物件サイト漁っていたら、都心で8万の雑居ビル賃貸をみつけた。

どう考えても事務所用なんだけど、普通賃貸に混ざって掲載されていて住めそうに見える。

雑居ビル4F 30m2 エレベーター無し、洗濯機置場無し、風呂無しって物件、住んだらどういう生活になるのだろうか。

近くに銭湯はあったので風呂には困らなそう

2019-12-12

理想ショットバー

・6〜8席程度。マスター一人で営業

雑居ビルの地下または2階以上にある

音楽ジャズまたはブルース

フレッシュフルーツは常時一種あるかないか

お通しドライフルーツナッツ。たまに気まぐれで作ったものが出ると良い

マスター必要以上に話しかけてこない

常連客同士が変に馴れ合わず大声で話す客もいない

モルト等の品揃えはスタンダード以外はマスターの好みで少々。変にボトラーズを揃えない

チャージは500円以内

異論は認める

2019-11-13

これは合法だし、何が問題なのか分からない。。。

2019-11-05

秋葉原なでしこ寿司行ったことある

特に揶揄しようとかではなく、かなり前からあの雑居ビルにある割には、潰れたりしないから、一定ファンがいるんだろうなって思ってるが、実際食ったことある増田にいる?

2019-11-03

献血ルームの×型ピンチ表示

最近じゃデフォでどこもやってんのかな?

薬常時服用したりで10年近くいってなかった献血最近行ったんだけど、初めてみてびっくりした。

いつも行ってた近所にある献血ルームは小さな雑居ビルの5Fにあって、そんな表示してるの見たことなかったよ。潰れちゃったんだけどねそこ。

2019-10-28

anond:20191028141220

2019-10-19

イタ飯屋で、あまり筋の良くない客だった頃の話

昔々、横浜関内に住んでいた時のことだ。この関内、は文字通りであってJR(さすがにもう国鉄ではなかった)の駅から海側のエリアである。諸氏はそんなところに住居があるのかと驚くかもしれないが、当時は雑居ビルの上の方に思ったよりは多く転々と貸間があった。ただし、下の方からは常に酔客の声やカラオケのだみ声(後学のために申し上げると、カラオケ騒音で一番外に響くのはよりにも寄って音痴おっさんの胴間声であって、BGMは全く聞こえぬ)が常に聞こえ、よく言って華やか悪くいうとそりゃ真っ当な借り手はなかなかつかねぇよね、ということになる。

その時は-このシノギだけは真っ赤な嘘の話だが-、石化パイプライン屋の営業部隊に属して、港町には良くある怪しい中東商社から注文を取って糊口をしのいでいた。中東商社母国の都合で動く。つまり、朝は遅く夜は次の日が来るぐらいまでが仕事ピーである。こっちもそれに合わせて変則的労働時間で暮らす。それはいい。だが困るのは飯だ。飲み屋以外で食い物屋なぞない。コンビニ牛丼屋ぐらいはあるが、毎日ではつらい。トドメに、下戸である中東屋さんとしては問題ないのだが)。飲み屋の線はこの段階で選択肢としてはさすがに消える。

ある雨の日、所要があって珍しく海側から我が雑居ビルへと帰途を辿っていた。いつものように腹が減っていた。あの辺り一帯は、細長い区画が一応碁盤の目状に並んでいる。一回右に曲がって一回左に曲がれば、どの通りを選んでも貸間に帰りつけるのは、小学校でやった懐かし「場合の数」だ。ただし、客引きのおねぇちゃんがうるさい通りというのがあり、こいつは敬遠せざるを得ない。

考えもせずひょいっと辻を曲がった先にあったのが、未明なのになぜか営業していたイタ飯屋だった。外のケースに入れられていたメニューは、いつもの夕食よりはちょっと高めだが、出せないほどではない。いい加減雨にも追われている、パスタグリルを頼めばまあ恰好はつくだろう、たまには人がましいものが食いたい、そう思って扉を開ける。慇懃で痩せぎすのウエイターが案内したのは入り口近くの窓際の席だ。他に客はいないが、フリの怪しい安スーツに着られたような小僧っ子には、そんなもんだろう

出されたメニューから慎重に安めのパスタグリルを頼む。グリルは肉、シンプルに塩だ。呑むのはお冷。酒は頼まないし、ソフトドリンクに金を払うのは当時としては、ばかばかしく感じられていた。人心地ついて、水をすすりながらぼうっと薄暗い店内を見渡すに、どうもややちゃんとしたリストランテなようだ。しかし客は他にない。いればどんな店かも推量が利くというのに。そもそもちゃんとしたリストランテ酔狂にもかくも深夜まで空けているのか、さすがにいぶかしんだが尋ねるほどの気安さもない。ウエイターはほぼ厨房入り口あたりの定位置に戻って、こちらには目もくれない。

ほどなくして出てきたパスタ、そしてグリルは確かに旨かった。これこそ久々のちゃんとした食事という奴だ。しかしただの大喰らいの悲しさ、昔の料理を思い出して論評するなどということは出来ない。しかいくらなんでもちゃん仕事をしてある2皿だ、ということ位は判る。悪くない。遅い晩餐の唯一の欠点は、こちらがやたらと水を飲むことだ。端から置いてあったグラスにサーブされたお冷は数回おかわりした。そしてさすがにリストランテ、見ていないようでウエイターは、こちらの水が切れると音もなくお代わりをちゃんと入れていく。それはちゃんと冷えていて、薄手のグラスに汗をかかせる。全く悪くない。

少なくとも追い出されはしなかった、塩を撒かれるほどの醜態でもなかったはずだ。そう思って、月に一回ぐらいは帰りがけに足を延ばした。向こうからすれば余程奇矯な客なんだろう、二回目からは、パスタと一緒に銀の水差しサーブされてきた。嫌味かもしれないし、サービスかもしれない。お互いそっちの方が楽だもんな、それも悪くない(というとさすがに上から目線過ぎるか)。ウエイターは今度こそこっちの方を見ないで済んだはずだ。

佳き日は往々、突然に終わりを迎える。ある日、また人がましいものを食おうと思って店の前にたどり着くと、レストランは深夜営業をやめていた。そりゃそうだ、通った間、一度として他の客なぞ見たことはなかった。店としては、同伴とかお仕事帰りのお姐ぇ様方が使う心づもりだったんだろうが、どうしたって来たのは貧乏神めいた小僧だけだったのだから。さすがに空気よりはましだった、とは思いたいが、そんな細っちい客は切って捨てるのが当然の経営判断だ。

今にして思えば、どう考えたって利幅の薄い立派な不良顧客である。あのウエイターだってその奥にいるシェフだって、態々残業してきたのがあんなのだった、というのは落胆した事だろう。しかし、出てきた料理は真っ当だったし、ウエイターもあからさまに追い立てるそぶりはかけらも見せなかった。あの当時なら少なくとも匿名世間様に晒されるようなことはなかった。もっとも晒されたとしたところで、こっちの低いアンテナに引っかかるものかは疑問が残るが。

ほどなくしてこちらも横浜を引き払った。まだあの店があったとして、出世払いに赴けるほどの立身は遂にしなかった。或いはケチって水ばかり飲んでいたツケかもしれない。そして時々人がましいものを食いたい時、まだ入る店には迷うのである

2019-09-19

便所の落書って見なくなったよね?

かつての公衆便所とか、駅とか雑居ビル便所なんて、ひどいもんだった。

最近は滅多にみない。

みんな、ああいうのはネットに書き込むようになったのかな?

便所の落書きって見なくなったよね?

かつての公衆便所とか、駅とか雑居ビル便所なんて、ひどいもんだった。

最近は滅多にみない。

みんな、ああいうのはネットに書き込むようになったのかな?

2019-09-18

エルフ風俗に行ってきた

ツイッターフォロワーから教えてもらったエルフ風俗、といってもエルフがいるわけではない(そんなのUNPOが許すはずがない)。実際には耳をエルフ風に整形した人間女性(男性も稀にいるらしいが)が相手をしてくれるというだけだ。

という話だけを聞いて、大した下調べもなしに予約した。指名なしというギャンブルが出来たのも、この紹介してくれた友人があまりに「エルフはいいぞ」と激推ししてきた事、エルフ風俗普通風俗よりも安い事が理由だ。

この安さはまあ、こちらに精通している方ならご存知だろうが、なんとエルフ風俗異人種保護協会支援対象になっているからだ。その支援実態についてはホームページ支援対象一覧に小さな記述があるのみで詳しくは明かされていない。だが、エルフ風俗嬢の整形費用も、給金も半分以上が異保協から出されているという説さえあるほどである


数世紀前から数を減らし続けているエルフであるが、その減少の一因となったのが、エルフの気位の高さである事はご存知だろうか?エルフと接した事のあるものはわかるだろうが、彼らのほとんどは我々人間のことを見下している。相手にする事はないし、ましてや性行為相手に選ぶ事はない(文献を紐解けば例外もいるようだが)。だから、他の異種族と比べて人間との交配が進みづらく(全くと言っていいほど進んでいない)純潔かつ高潔エルフの血を保ててきた。

だがそんな純血の血にも問題が出てきた。純度が高すぎたのだ。もともと人口の少ないエルフの中で、エルフ同士のみの交配を繰り返せばどうなるかは想像がつくだろう。気の遠くなるほど長い年月を欠損を抱えて生きる事、子にそんな人生を与える事をあのエルフ達が許せるはずもない。産声を上げるより先に首を、という行為が繰り返され、エルフ出生率は更に低下した。高慢エルフ達もとうとう外部の血を求めるようになった。

という事で、エルフ達は今異人種交配をしようと躍起になっている。特に繁殖力の強い人間と。「異人種保護協会はいっても役員ほとんどは寿命の長いエルフで占められており(俗に言うアージェンタムオキュペイションである)、「エルフ保護協会となっているのが実情である。その権力を振りかざしての風俗支援である。無論、UNPOや全亜連は「公的機関人間の性を売り物している」とこれに反対しているが、権力のないUNPOや短命種族の多い全亜連の声にエルフ聞く耳も持たない様子で協議は続いている。(ここまでは世界史先生の下世話な余談として聞いた事があるものいるかもしれない)

面白いのは、本当に下世話なのはここからである。なぜ異種交配を求めるはずのエルフ人間エルフ嬢に身体を売らせるのか。それはエルフ生殖活動特殊さが一番の理由であるエルフ儀式地味た前戯(エルフ通はこれをもじって前儀と呼ぶ)と、特殊性器構造、(そしてこれは異種族にのみに適用されるのだが)あまりに高圧的な態度でのセックスであるエルフ人間の男に不躾態度で中出しされることを望まない。「郷に入っては郷に従え、膣に入っては膣に従え」とエルフ流の性行法を人間に身につけさせようとしているのだ。


ーーーと、ここまでがエルフ風俗の裏話であるのだが、前述の通り俺は全くと入っていいほど下調べせずに行った。だから、その時の俺は「エルフ嬢は耳が長い」ぐらいの情報しか知らなかったのである

とは言え、フォロワーのべた褒めを常日頃聞いていたので、これと入った不安もなく意気揚々と店へ向かった。店といっても、歓楽街にあるような汚い雑居ビルではない。場所は伏せるが、高級住宅街とされている街の豪邸の一室が店である。こうも、6時間1万2000円という低価格で遊ばせていただいて良いのかと戸惑うかもしれないが、更に驚くことに最寄駅まで車で迎えが手配されていた。はじめての高級車、はじめての豪邸、はじめての吹き抜けシャンデリアにたじろぎながらも、重厚なドアを開け、部屋に入ると彼女がいた。エルフである。誰だ、耳が長いだけの人間と言ったのは?白く細っそり長い手足、透けるような銀に近い金髪。吸い寄せられるように顔を見れば、切れ長な目に長い睫毛、零れ落ちそうな翡翠色の瞳、上品な唇にすっきりとした小さな顎。いつしか教科書の隅で見つけ、何度も見返したあのエルフがそこにいた。子供の頃に一度だけ、動物園日傘をさしたエルフにすれ違ったことがある。あの時に嗅いだ忘れ得ぬ澄んだ花の香りエルフ香りが漂っていた。茫然とする俺に、少女のようでそれでいてエロティックな小さな唇が言った。「近寄るでない。跪け」

そこから先を詳しく書くのは気がひける。俺のように「耳が長いだけ」と騙されたままホイホイと行って衝撃を受けるのもまた一興だと思うから。でも、レポを書く以上きちんと書くべきことは書いておこうか。

はじめの1時間は、講義だった。まさかとは思うが講義だ。あの、女教師ものの序盤のx+5=10なんて代物ではない。エルフへの声のかけかた、身体に触れて良い順番、前儀の執り行い、ピロートークならぬピロー主祈文の暗唱、正しい腰の振り方なんてものもあった。みっちり1時間、大急ぎの1時間であった。(なんでも本物の男エルフはこれを80年かけて習得し、本番に臨むというのだ。そりゃ少子化になるわけだ。)さっきはエルフらしく「跪け」なんて言ったお姉さんだったが、ここにかけては手取り足取り優しく教えてくれ、「心配ならベッドの前に貼ってありますからカンニングしちゃっても大丈夫ですよ〜」と言ってくれて、やっとの事でベッドに移れた(シャワーは入室前に済ませるシステムである)。

で、

そこから3時間の前儀(舌がつるかと思った)。手順はラミネートされたポスターが壁に貼ってあったとはいえ、なんともややこしく、間違えるたびにお姉さんにこっぴどくなじられた(エルフ口調で)。はじめは講義が終わった、やったぜ!やるぜ!と意気込んでいた俺の息子も、しぼみ始め、とうとうピクリともしなくなったため、途中お姉さんの口淫を受けた(あ〜大丈夫ですよ、はじめはよくあることです、と人間に戻ってくれてどれほど安心したことか)。残りの1時間で本番行為をし、これは腰の振り方の指導が厳しかったが前儀に比べると普通であった。とはいえエルフお姉さんとのセックスがめちゃくちゃ興奮したのはいうまでもない。マゾ気質の奴はハマると思う。ちょっとなじられながら、でもよしよしされながらエルフを抱く、いや抱かせていただく。絶世の美女なんて生易しい、絶世のエルフだった。正直この先生きていてお姉さん以上の人間女性に会うことはないだろうと思った。耳が長いだけなんて軽々しくいうが、長い耳はエロい。長い耳はエロいぞ。

んで、残りの時間で終わりの儀をテキトーにやって(人間モードのお姉さんがテキトーでいいよ〜初心者だし疲れたでしょ〜って言ってくれたのだ。お姉さん、惚れる)。30分ぐらい余ったので、お姉さんと和気藹々と雑談。耳だけ整形なんか大嘘で、全身3年かけて工事済みらしい。人間でも美人を引き抜いて、さら大金渡して整形手術を施し、エルフに仕立て上げる、らしい……お姉さんパネエ。お姉さんはスカウト(大学入学式直後に声をかけられ1ヶ月とただずに辞めてエルフ嬢になったらしい)だが、もともとエルフに憧れて入店する娘もおおいとか(意外にも選定基準は顔よりも髪重視らしい、エルフらしい細い直毛は手術では作れないから)。講義は2回目以降は30分で済ましてくれると聞いた。80年が30分だ。んで、ちょっといちゃいちゃしたり、さっきのエルフ店の裏話とかも聞いたりして、帰ってきた。

のが5ヶ月前な。それから月2で通ってる。1回目の後はちょっとどうかな、長すぎるし疲れるしwとか思ってたけど、一度行けばわかる。いいから行け。ちなみに通い詰めると、エルフ膣に工事済みのお姉さんも指名できるようになる。それはもう、オナホかめじゃないぞ(はじめはめちゃくちゃ痛いけど)。俺のオキニダークエルフ嬢お姉さん、意外にも沖縄出身w。といっても肌の色は地ではなく、薬剤で変えてるらしい。ダークエルフらしい絹のような銀髪、高圧的なエルフ口調、蔑む時の冷たい目、踏みつける時の容赦のない脚、に、対比して事後の砕けた沖縄弁がたまらない。あと初心者バイアグラ必須。途中で萎える。店で薬も出してもらえるけど(法律いいのか?)効き目がやばすぎる、成分が不明依存性がある(?)らしくて界隈では、シャブ堕ちしたら終わり、と黒い噂の絶えないので、服用は自己責任で。

って感じでエルフ種付け要員としてすっかり調教されちゃってるわけだけどさ、この指導の賜物が本番、本物のエルフ相手に発揮出来ることはないの。なんでかって?この種付け要員養成プロジェクト(仮)って400年後にやっと第1段階完了らしいよwそりゃ、少子化になるわけだ。

男性エルフに抱かれる女性の方はそれほど教育がいらないそうなので、こちらのプロジェクトも同時進行中らしいが、不浄な人間の腹からまれた子をエルフとは呼べない、と反発の声も多いそうで難航しているようだ。

長くなったが最後一言、「エルフはいいぞ」

2019-08-24

[]カレーを食べたかった

いつもとは違う道で帰ろうとしたら

ごみごみとした路地

めちゃくちゃたくさん店が入ってる雑居ビルがあって

そのいちばん上に吉野家看板が見えた。

こんなところにあったんだと思って入ってみた。

壊れそうなエレベーターに乗って最上階に着いてみると

吉野家よりも店名も聞いたことがないカレー屋が気になった。

そこは半セルフサービスみたいなところで

ボーッと突っ立っていたら常連みたいな人が教えてくれたのだが

金属製の平皿に自分ライスといくつかのトッピング(揚げニンニクがあった気がする)と黒ごまペーストを乗せて

それを店主に渡すとルーを入れて返してくれるというシステムらしい。

ところが店主に渡してもなかなかカレーが返ってこないので待つことになる。

他の客もそれぞれに待っているので渋滞しているようだ。

店の壁をぼんやりと見ていると「隣のハンバーグ屋でハンバーグトッピングできる」とか書いてあって

いちど店を出てもいいのか、どういう仕組みなんだろう、などと考えているうちに

そういえばカレーを店主に預けた状況では誰が誰のカレーか分からなくなっているのではないかと思い至り

店主はちゃんと覚えているのか不安だなあと思ったところで目が覚めた。

2019-08-23

anond:20190822170940

数年前、自分子どもができるまで歌舞伎町からちょっと行った花園あたりの雑居ビルに入っていた増田みたいなバーテンのいるバーに入り浸ってた。気楽な感じがよかったな~。

ひとりでも行けたし、行けば誰かしらいたし、バーテンっていうか店主が気さくでよかった。そうそう、店主はべらぼうに酒が強くて店やりながらテキーラちびちび飲んでたのが印象的だった。そこの店主も雇われだったけど奥さん子どももいたな。

いまはそこが閉店して店主がいる店の場所は変わったし自分子どもがいて気楽にふらっとバーに入ったりできないけどあの頃のあの感じをふと思い出してあの頃は体力あったなあ…と増田を読んで感慨深くなりました。

またいつかふらっとバーに行けるようになったら行きたいな。

2019-08-22

職業バーテンダー

私の職業バーテンダー

バーテンダーつったって

別にホテルバーで働いてるわけじゃない

歌舞伎町に何百とある雑居ビルの中にあるようなバーで間借りしてるだけだ。

雇われなんで、基本歩合。客来なきゃ何時間居ようと給料はない。電車代でマイナス

カクテルステアカクテルしかしらねーし難しいの言うなそんなに酒置くスペースねーよ。

難しいカクテル専門家ちゃんお金を払って頼もう。

一杯500円のカクテルクォリティを求めるな。

もし本当に美味しいカクテルが飲みたいならちゃんと飲ませてくれるバーも紹介するよ!!!!!!

でもうちは違うの!!!!!!!!!

そして給料歩合だと超絶暇な日が続くとテンション低いよ!!!!!!!!

台風が2連続とかで来たらもう何も太刀打ち出来ないよ!!!!!!!!!!!!!!

そこで来てくれた人には自分なりのかなりの感謝を込めて接客するけど毎回来るたびに一杯で2時間ぐらいいる人を超楽しませられる自信無いか!!!!!!!!!

お酒が弱いなら自分は飲まなくてもいい、せめて「一杯飲む?」とか言ってくれ!!!!!!!小躍りするから!!!!!!!!!

あと、「なんだよ、一杯飲んでいいって聞いてくれよ~」ってよく言われるけど、流石に初めて来た人に言えねえから!!!!!!!!!!!!!超常連さんとかならまだしも!!!!!!!!!!!!

あと一杯しか飲まなきゃ会計1000円~どんなにチャージが高い店でも2000円ぐらいなんだから1万円札崩してきて!!!!!!!!!!!!

そんな人が3人続いたらもうお釣りなくなるんだよ!!!!!!!3万円分のお釣り用意してて「用意が悪い」って文句言われたら凹むから!!!!!!!!!!!

もちろんもう10年以上こういう仕事をしてるわけだからプロとして最低限どんなに売上が低い日でも台風の日でも大地震の日でも楽しく働いてるよ!!!!!!!!

お通しだってちゃん毎日作ってるよ!嫌いなものだったらごめんね!!!

22時ぐらいに開店して、盛り上がって12時ぐらいに閉店することもあるよ!!!!!!

帰りの電車で「酒臭い」って言わないで!!!!!!!!!

!!!!!!仕事帰りなの!!!!!!!!!!!週末稼ぎ時なの!!!!!

そして朝仕事が終わって自分だって一杯飲みたいときもあるよ。

結構そういう人を狙って朝5時6時から開店する飲み屋とかもたくさんあるよ。

そんなんでお昼まで飲んでるからって廃人扱いしないで!!!!!!!!!社会クズ扱いしないで!!!!!!

だって皆と12時間違うだけだよ!!!!!!!!!

遊んでお金もらえていいね~とかって言う人未だにいるけど、本気で凹むからやめて。

真剣にやってるよ。会社に行くだけが仕事じゃないよ。どうやったら自分生活できるのかってのに向き合って毎日仕事してるし、ちゃんとこの仕事家族を養ってる人だって居るよ。嬉しそうに「子供大学卒業してさ~」なんて言うマスターとかも居るよ。

人間からどんなにプロでも機嫌がわるかったり、調子が悪い日もあるよ。

それでも皆いつも来てくれてありがとう

本当にありがとうあなた達のおかげで、私は今でも楽しく仕事をして生きていけます

2019-07-19

anond:20190719013052

人の死は数ですよ

数が問題じゃないというのは311矮小化であり冒涜です

今でも仮設住宅で暮らすことを余儀なくされる方々がいらっしゃることを思えばたか雑居ビルの二桁放火殺人なんて屁ですよ、屁。

放火現実的対応

anond:20190718235516

入館管理

→んなもんガソリン撒く奴は突破する。

適当な住所氏名を書いて身分証明書を偽造した場合,窓口担当者がそれを見抜ける?

 確認が取れるまで待たせるという対応が出来る?

スプリンクラーだの防火扉だのの改修

→全国にうん万とある雑居ビルオーナー全てがやるわけねーよ。カネねーんだし。

 罰則を設ける?実際に検挙される確率どんだけだよ。

 今だって消防署の指摘なんてガン無視されまくりだよ。絶対機能しない。

ガソリン販売厳格化

→携行缶の全面禁止とかは一定の効果あるだろうね。

 ただしこれができないと仕事にならない業界があるかもしれない。

車両ガソリンスタンドの大改修

ガソリンスタンド据え付けのごっつい電子キーが無いと車の給油口が開けられないようにする。

 なおかつスタンドからオンライン認証車両所有者の中国ばりの信用情報審査必要

 スタンドの設置業者以外は物理的にガソリンを得ることができない仕組みにする。

 現実性?無いよ。

ガソリンぶちまける前に阻止

→いやー無理だね。

 ポリタンク持ってるいかにも怪しい男がいたって、こっちが先に飛び掛かって制圧するっていう判断ができるか?

 ぶちまけて着火するまでの間なら?できねーよ。

 普通は着火後にしか動けないだろうね。



結論としては、1部屋1個ぐらいしかない消火器ガンガンやすしかない。

1本1万円もしないぞ。ガンガン買え。

2019-07-18

2001年の新宿歌舞伎町雑居ビル火災事故って、あのあとどうなったんだろう。

50人くらいが死んで、犯人はまだ捕まっていなかったよね。

ビル火災は、犠牲者簡単に多くなるから怖い。

正直そこまで自分生活関係ないのかもしれないけど

可哀想すぎてだめだ

 

何でだろ

他の大量殺人とかって、雑居ビルだったり一家だったり通り魔だったり病院だったりするけど

今回はまじめに働いてるとこの話だから感情移入ちゃうんだろうな

あと火事想像すると怖くてダメだ、刺される方がまだ現実感がない

職場放火殺人事件って辛すぎない?

放火殺人事件って、まあ定期的にあるけど

https://ja.wikipedia.org/w/index.php?search=%E6%94%BE%E7%81%AB%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6&title=%E7%89%B9%E5%88%A5%3A%E6%A4%9C%E7%B4%A2&go=%E8%A1%A8%E7%A4%BA&ns0=1

 

自暴自棄系だとパチンコ店とか雑居ビルとか

あとは自宅とか宿舎とか?

 

職場でってのあまり無い気がするんだけど

これこの後仕事で笑いを産まなきゃならんのでしょ?

変な話だけど、自宅が現場とかなら出社しちゃえば仕事はできると思う

職場だと同じ体験が皆の脳内にあるからきつい

俺ならムリだわ、転職する

2019-07-07

もしも童話「おおきなカブ」がITデスマプロジェクトだったら

渋谷雑居ビル

ホワイトボード前に置かれたパイプ椅子イヌネコネズミ一触即発雰囲気で座っている。

扉が開き、慌てた様子の青年が入ってくる。

孫「お疲れ様です、すいませ――」

ネズミ「遅えよッ!!」

ネコ「!!」

イヌ「……ネズミさん、怒鳴るのはやめましょうって……」

ネズミ「……チッ」

孫「あの、本当、すいません。11からって、皆さんにお約束してたのに……」

イヌ「ま、まぁ。とりあえず、ミーティングの報告をお願いします。もう2時間も押してるんで」

孫「は、はい! すいません、ではこちらの資料を…… あっ」

イヌ「どうかしましたか?」

孫「印刷した資料が1部たりなくて。……じゃあ、はい! 僕のは大丈夫なんで、業務委託の皆さんで、どうぞ!」

ネズミ「ッ……!」

イヌネコ「……」

孫「はい、では皆さんお手元に資料ありますかね、お疲れ様です!」

ネズミ「……」

イヌネコ「……お疲れ様です」

孫「えー、先ほど今回の、【大きなカブ引っこ抜きプロジェクト】の遅延に関しまして、業務委託の皆さんからいただいたご意見も踏まえて、事業責任者であるお爺さんお婆さんと、今後の打ち手について協議してきました」

イヌネコネズミ「……」

孫「そこで、えー、結論ですが、カブロンチ期日は絶対死守したいということで、8名の派遣社員の増員が決まりました!」

ネズミ「は?」

孫「海外からオカメインコが8羽、パスポート関連の手続きが終了次第、このプロジェクトジョイします!」

ネコ「え、えぇ……!?

イヌ「あ、あの、それって……確認なんですけど、そのオカメインコたち当然、GIT(ぐいっと抜く)操作や大作物収穫の経験はあるんですよね!?

孫「いえ、実務レベルでは無いそうですが……ただ全員、野菜チップスをついばんだ経験があると聞いています!」

ネズミ「……は?」

孫「ついばんできたのは、レンコンニンジンカボチャサツマイモなど、かなり多くの根菜だそうです! そういった経験があるのでこの現場でも――」

ネコちょっと、いいですか!? これって、大きなカブの葉を真横に引っ張って抜くことを目的としたプロジェクトですよね? 根菜の扱いは関係ないですし、そもそも鳥類の方では私たちの引っ張り方と全く噛み合いませんよ!?

孫「まぁ、それはそれで……」

イヌ「あの! 孫さん、僕らの報告書ちゃんと読んでました!? 人員を増やしたところで意味がないどころか、全くの逆効果ですよ!?

ネコGIT(ぐいっと抜く)操作に慣れないお爺さんやお婆さんが不用意なプッシュプルを繰り返したせいで、コンフリクト解消に無駄時間を取られたのが遅延の主たる原因って……私、書きましたよね!?

イヌふたり現場から離れてやっと作業がまともに進み始めたところだったのに……! 孫さん、今からでも増員を中止できないんですか!?

孫「それは、CTO(超とんでもないお偉いさん)であるお婆さんが判断したことなので、私ではどうにも……」

ネコ「そんな!」

孫「CEO(超えげつないお偉いさん)であるお爺さんもすでにアグリーなんですよね。ですのでここからは、増員を前提とした話し合いを――」

ネズミ「お前マジで……いいかげんにしろよなッ!!!

孫「!!」

イヌネコ「……!」

ネズミ「お前ら上の奴らの無能な指示で、俺はもう何週間も嫁や子供たちに会えてねえんだよ! どうしてくれんだよ、アアッ!?

孫「そ、それは、本当に申し訳ないと思って……」

ネズミ「もうあんたの心の込もってない謝罪は聞き飽きたんだよッ! 何度も何度も気分で方針変更してきてよぉ! 一度たりとも、上手くコトが運んだ試しがねえじゃねえか!?

ネコ「……」

イヌネズミさん、落ち着いて……」

ネズミイヌネコも覚えてるだろ!? 爺さんがウォーターホール方式(水をかけてから引っ張る)でいきたいって言ってたのに、しばらくしたら『必要な水量の見通しが立たず、そもそも濡らしても抜きやすくならないと判明した』とか言い出したよな!?

孫「それは……」

ネズミ「そしたら今度はアジャイル方式とか言いだして、通りすがりの奴らつかまえて1人ずつ引っ張っらせては感想聞いてたよな!? 一体ありゃぁどういう了見だ!? 全員で引っ張っても無理なのにちょっとずつ引っ張って抜けるはずがねぇだろ! アホか!?

孫「あれは……」

イヌそもそもあの時、プロジェクトの誰ひとりとしてアジャイルを正しく理解してなかったですからね……」

ネズミ「そんで挙げ句の果てにティー組織でいくとか言って、プロジェクト完全に停止させて、うすら寒い理念研修ばっかり増やしてよぉっ!? そのくせ納期は死守しろ死守しろって、頭イかれてんのかよ!?

ネコネズミさん、と、とにかくいちど落ち着いてください……!」

孫「……確かに方針の変更は何度もありました、ですがすべてお爺さん、お婆さんと時間をかけて議論した上で、学術的にもエビデンスがある方式への、理論的なピボットで――」

ネズミ現場が誰ひとりその理屈理解できてねえんだよ!!」

孫「り、理解できないなら勉強していただかないと……私は大学院で専門的にデザイン思考組織論、統計学を学び、その知識を前提としてお爺さんとお婆さんと協議した上で……」

ネズミ「お前みたいなのが一番タチが悪いんだよ!! 上司屁理屈洗脳されやす純粋まっすぐバカ傀儡になって中間管理やってるから、いつまで経っても末端を使いつぶすデスマがなくならねぇ!!」

孫「そ、そんな……!」

ネズミ「お前のゴールは現場のご機嫌とってさっさとカブ抜いて、その成果を持って別プロジェクトか他社へ異動することだもんな!? 本心普段言動から透けて見えてんだよ!! お前、そんなんで本気でこのプロジェクト成功させる気あるのかよ!?

孫「そんなつもりは、毛頭……!」

ネズミ「あーあ。やってらんね。もうこんなプロジェクト今日で終わりだ。これ以上の契約更新なんかするかよ! な、イヌネコもそうだろ!?

イヌネコ「……」

ネズミ「……? どうした、お前らもこの際、本音を――」

イヌ「……勝手に、僕の本音を知ってるかのようなこと、言わないでもらえますか?」

ネズミ「え」

ネコ「孫さん、オカメインコさんたちが来るまでに座席表が必要ですよね? 私が作っておきますね!」

孫「……え。いいんですか?」

ネズミネコ!? お前……!」

イヌ「そういえば孫さん、さっきいただいたこ資料、すごく綺麗にまとまってて素晴らしいですね。後半からほぼ空白なのも、余白を活かした高度なデザイン性を感じます

孫「え、意図してなかったけど、ありがとうございます! 実は学生の頃は、デザイナースペシャリスト志望で……」

ネズミイヌ……!?

孫「……あ! すみませんそういえば!」

イヌ「? どうかされましたか?」

孫「本当にすいません……実はこのあと、合コンがありまして……」

ネズミ「……は!? お前、俺の話を――」

ネコ「まぁまぁ、この話の続きは後日、ってことで!」

ネズミ「ちょ!?

イヌ「そうですね、次のミーティングカレンダー入れときますね!」

ネズミ「お、俺の話を……」

孫「それじゃ、本気でやばいんでそろそろ失礼します! ……あ、ネズミさん、契約更新必要ないということなので、デスクの清掃だけよろしくお願いします〜、お疲れ様です!」

イヌネコお疲れ様で〜っす!」

孫、あわてて部屋を去る。

ネズミ、怒りに震えてイヌネコにらむ。

ネズミ「……お前ら、こんだけひどい目に合わされても、組織側につく気なのかよ!?

イヌ「何か勘違いしているみたいだけど…最初から僕は、この組織や進め方に一切、不満はありませんよ」

ネコ「ええ、私も」

ネズミ「は……? こんなグダグダの遅延プロジェクトに、不満がないわけないだろ!?

イヌ「いや、大規模な遅延プロジェクトからこそ、ですよ。このプロジェクトロンチが伸びれば伸びるほど、僕らは飯が食える期間が約束されて、面倒な転職活動をしなくていいんだから

ネズミ「……!」

ネコ「あらゆるトレンドが2、3年単位でガラッと様変わりする、雇用形態も入り乱れてるこんな現場で、マネジメントや進行管理、正当な評価なんて不可能だって、この業界に数年いる頭のいい人なら誰でもわかってるんですよ。だったら、それを利用する思考にならないと」

イヌ「僕は別のスタートアップでも働いてる。ネコさんは個人経営喫茶店を始める準備中。……ここでの業務は、あくまで飯の種、ライスワークなんです。新人の孫さんが上の都合に踊らされておかしな指示を持ってくるのも織り込み済みで仕事を請けてるんです。……腹立ててるのは、組織論理を知らない、ネズミさん、あなただけだよ」

ネズミ「! そんな……」

イヌ「……それと、この際だからぜんぶ言わせてもらうけど。正直、ネズミときの力じゃカブを引っ張っても一ミリたりとも影響がないんだよ。無駄なプッシュとプルを繰り返して、僕やネコさんの尻尾にぶら下がってるだけで」

ネズミ「……そ、それは……」

イヌ「何も言わなかったのは、落ちこぼれがいると僕に批判の矛先が向かないのと、あなたが嫁と子供を食わせるために必死なんだろうって同情してたからです。 ……でも孫さんに噛み付いたら、もう、かばえないかな。僕に得が無さすぎるし」

ネズミ「…………」

ネコ「私も言わせてもらうけど、正直、いまの私にとっての邪魔者は飯の種をくれるお爺さんたちじゃなくて、暴力的言動を繰り返して職場雰囲気を悪くしているネズミあんたなんだよ。……そもそもあんたお婆さんに『ドブ臭い』って毛嫌いされてたから、近いうちに切られる話は出てたんだけどね」

ネズミ「……………………」

ネコあんた、このプロジェクトには正直、向いてないと思うよ。転職のいい機会だったんじゃない?」

ネズミ「お、俺は、ただ」

ネズミ、震える手でデスクに飾っていた家族写真を手に取る。

ネズミ「……家族に、誇れる仕事がしたくて……」

写真カバンに入れ、よろよろと部屋から出て行くネズミ

ネズミが出て行った扉を見つめるイヌネコ

ネコ「……ねえ、イヌさん。知ってました?」

イヌ「……ん?」

ネコ「あの巨大なカブ、抜けたとして食用にも、観賞用にもならないらしいです。……むしろ中が腐ってて、処理するのにまた莫大な費用がかかる、って」

イヌ!? だったら、なんでここまでして……?」

ネコカブを分けて欲しい人たちが前金を積んで、カブ価格がつり上がってるらしいんです。前金に手をつけてしまったお爺さんは、腐ってるとわかっててもこのプロジェクトを止めるわけにはいかない」

イヌ「……」

ネコ最近はお爺さんも開き直って、カブを買ってスープにして売れば大金持ちになれるぞって、IRインチキレシピ)を配り歩いてるらしいですよ」

イヌ、深く息を吐き、何も書かれていないホワイトボードをじっと見つめる。

イヌ「(何か適当時事ネタを入れてください)」

暗転、幕。

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完全版はここ↓

http://kibou-to-kibou.hatenablog.com/entry/2019/09/07/

2019-06-27

anond:20190627081348

雑居ってことはだれか隠れ民泊もやっているの?

このまえとあるお客さんの入っている雑居ビルからゴロゴロスーツケースを引っ張りながら出てくる韓国人がぞろぞろ出てきてビビった

あいつら何故か声がバカかいんだよな

難聴が多いのかな? そんなに大声出さなくても聞こえてるだろ

そしてそのあとエレベーターに乗ったら本当にキムチ臭くてワロタ

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