はてなキーワード: トチとは
「BLはポリコレではない」議論(anond:20200710045020)、だいぶ盛り上がりましたね。
もう「現代日本のBLは存在自体がポリコレではない」には共通了解が取れたと理解していいんですかね? いや、だってどう考えても政治的に正しくないし。
理屈が理解できない人は当事者の人がスライド作ってくれてるからそれを見ような。
https://docs.google.com/presentation/d/1RY27M0g28cM9MTm2Mk5TYH-W_RzEZoiymCtJXeftFB0/edit#slide=id.p
個々の描写がどうとかではなくて「性的少数派の性愛をそうでない人たちがおもちゃにしてる」という構図自体がポリコレ的にアウトもアウトだという話なので、いくらホモ呼びをやめたり対等な関係性を意識したりしようがポリコレ違反からは逃れられないってことですね。
で、この、「BLはポリコレではない」って、「豚肉を食べるのはイスラムの教義に反する」みたいな話だと思うんすよ。トンカツ食ってるときに、「それはイスラムの教義に反する」って言われた、みたいな。
これは端的に事実ですよね。だってコーランに豚食べるなよって書いてあるし(細かい解釈の話は措いておくとして)。
でも、あなたがイスラム教徒じゃなけりゃなんも気にする必要ないじゃないっすか。「はあ、たしかにイスラムの教えには反してますが、それがなにか? 私イスラム教徒じゃないし」で済む話。
だからゲイ当事者の人に「BLはポリコレではない」って言われたとしても、おおかたの腐女子の人は「はあ、たしかにポリコレ違反ですが、それがなにか? 私ポリコレの支持者じゃないし」で済むはずなんですよね。
そう、本来ならそれで終わってた。淡々と「確かにあなたの言う教義には反してますね。でも私は異教徒なので」と言えばそれで終わりだった。なんなら「異教徒に身勝手な教義を押し付けるな! お前らは多様性の敵!」という反論をすることもできた。
なんでそれで済まなかったかといえば、まあ、ポリコレを掲げて他ジャンルの人や一般人に意識をアップデートしろと迫る腐女子の人たちがそれなりにいたからですよね。
ヤジーディー教徒が髪の毛さらして歩いてるのを「異教徒め! 外出するときはベールをかぶれ!」と声高に糾弾して場合によっては虐殺までしてきたイスラム聖戦士の皆様が豚肉食ってるんだもの、そりゃ背教者と罵られた挙げ句に石打ち刑に処されますわ。
日頃から豚肉食ってるのにわざわざイスラム聖戦士になろうとするやつなんてそうそういるもんじゃないし、仮に食っててもイスラム国に加入するときには豚肉断ちをするのが普通だろうけど、常日頃BLを愛好しておきながらBL断ちもせずにポリコレの聖戦士になる連中はなぜか大勢いたんですよね。いやほんと意味わかんないんだけど、でも現実なのよね。
まあ、そういうことなので、腐女子の皆さんはBL趣味を続けるならポリコレとは相容れないのでいっしょにポリコレ押し付け反対をやっていきましょう。
実際ポリコレとかただの圧制にすぎないもの。ポリコレに抗してBL文化や萌え文化を守護らねばならぬ。
たとえばカツ丼食ってるやつに「それイスラムの教えに反するよね」って言うのは単なる事実の指摘だよね? 「現状のBL作品の多くはポリコレじゃないよね」ってのもそうですよ。単なる事実の指摘。
その事実をどう評価するかってのは別の問題ですよ。でも事実は事実だから、前提となる事実くらい受け入れてくれ~~~~~~。
男だからといってフェミ叩き男の責任をとらなくてもいいように、腐女子だからといってラディフェミ腐女子の責任をとらなくてもいいと思うんだけどね…
いやほんとそのとおり。腐女子全般が萌えヘイター腐女子の責任を取る必要はない。
でもこれ、責任論じゃないんですよ。仮に男オタクが矛を収めたとしても「BLはポリコレ的にアウト」という部分は変わらないんですよ。なぜならこれはポリコレという主義に照らせばそうなるよねという筋論の話だから。
「BLはポリコレ的にアウトなので別の趣味探します」と「BLはポリコレ的にアウト? 知ったことか、私は反ポリコレだ!」のどっちを選びます? って話です。
個人的なオススメは後者っすね。いっしょにポリコレに立ち向かって文化を守っていきましょう。BL文化が潰されるのはもったいない、すごい損失だと思うので。
BLに限らず、男性向けエロ漫画やエロ同人を描いてる男性でもフェミニズムに理解を示す人や、ポリティカルコレクトネスの意義を認める人はSNS上に存在してるけど、そういう人は増田の観測範囲に居ないのかな?
なんも状況判断できてないんすね。今のポリコレを真面目に適用したら現状のBLは死ぬって話してるんすよ。
BLの中の倫理的ではないカプや描写が死ぬんじゃなくて、BLが死ぬの。
あたしゃ腐女子じゃないけど、BL文化は現代オタク文化の重要な一部ですから、みすみすポリコレなんぞに殺されるのを座視するなんてとてもできませんわ。だから一緒にポリコレに立ち向かいましょう。
腐女子の人たちが自分たちを殺す思想に従わなければいけない理由がわからない。
ポリコレなんて誰しもが多かれ少なかれ逸脱した部分と順守したい欲求を抱えているものだし、創作やオタクや腐女子を守るポリコレもあるべきなんで、どっちの勢力も0か1かみたいな扱いやめてくれんかね。
マジョリティである異性愛者中心の集団が男性同性愛者というマイノリティを使って彼らの実態とはかけ離れた創作してる時点でポリコレ的にはスリーアウトチェンジでしょ、という話をしてるんですが、マジで危機感ないんすね……腐女子はポリコレで守られる対象じゃなくてポリコレで殴られる対象でしょ、どう考えても。
ポルノだけじゃなく、いやむしろポルノよりも日常を描いた全年齢BLがポリコレ的にはヤバいって話はさんざんされてますね。
ポリコレだと、たとえば黒人をポジティブに描くだけじゃダメで、仮に昔のアメリカを舞台にした作品で黒人が差別されてなかったらそれはそれで「黒人差別という歴史を透明化しようとしている」って批判されるんすよ。抑圧や差別を無かったものとして描いてはいけません、ってことね。
現代日本ではゲイ差別は現役で生きてるんだから、現代を舞台にしながらも男同士がなんの偏見も苦労もなく彼氏を見つけて恋愛する「優しい世界」はポリコレ的にアウトっすね。
当然、これ女性差別でも同じこと適用されるんでしょ? 差別がなく要職が女ばかりで占められた世界で美少女キャラがのびのび暮らしてる萌えアニメとか全滅っすよ。こんなんポリコレと敵対する以外に解決策ある?
ポリコレってのはふわっとした「配慮」とか「思いやり」とかのことじゃなくて、こういう差別に関する独自の理論と実践の集積で、その理論はアメリカの社会情勢を元にして作られていて、理論の更新もアメリカ社会(というか英語圏)が主導して進められていて、本来はかなりドメスティックな理論と実践の体系であるはずなのにアメリカと英語の権力を背景に世界中で影響を持ってしまっているものなんすよ。こんなんマトモに導入したら、日本のオタクは自分たちの社会の事情と合わず自分たちが主導権を握れないものにみすみす表現の根幹を明け渡すことになりますよ。それでいいんですか?
(そろそろ我々アジア出身のアジア人は真面目に「アメリカの黒人は英語母語話者のアメリカ人という特権階級だろ」と主張した方がいい局面にいると思う。あいつらマジで特権を自覚してないっぽいので)
考えた結果ポリコレは文化を殺すなという結論に行き着いたので反対しますね~。
笑った。ポリコレ様に従うことで全人類が幸せになれると信じる教団。ブコメまさにそれそのものがいるじゃん。ポリコレ信者の方々にはどうもこれまで踏みつけられて不幸になってきた民草の姿はどうも見えないらしい。
ポリコレで自分たちが有利になるならポリコレを支持することは(善し悪しは別として)合理的だな~って感じなんですが(仮にアメリカで黒人やゲイに生まれたらポリコレ支持するのが一番自分にとって得っすよね)、自分の趣味が殺されることになるのにポリコレ支持してる一部の腐女子は理解不能すぎて……
(いや百合豚はどう考えても隠れて)ないです。百合は下手するとBL以上に当事者の目に触れてるジャンルなので……
創作者の中の当事者比率もそれなりに高いジャンルっすからねえ。ただ非当事者としては当事者のリアルは文献を通してしか知らんので、非当事者の立場から百合の現実度を言い立てることは問題があるかなって……どうしたって当事者にはなりえないので。それより現実とはかけ離れていてもファンタジーだからいいんだよっていう理屈を構築した方がよいのでは。
いや、話は簡単で、お前らはこっちに死ねって攻めてきたからならばお前らもろともに死ぬのか、死なないように相互不可侵を決めるのかどっちだ?と城下の盟を迫られているだけやで
一番迷惑してるのが普通の腐女子っすよねぇ。ごくごく一部のポリコレに目覚めた腐女子に外患誘致されてるんだもの。ほんと、よくそんな天敵を自陣に引き入れようと思ったよな……
ポリコレってメッチャ広範囲故に反対すると踏み絵(それもエグい奴)になるよ?要は別姓も、人種差別、女性差別すらBL支持の為に許容する事に。故にお薦めは是々非々のポリコレなんだけど…
海の向こうで是々非々ポリコレの種を蒔いたらあっという間に「シスはトランスの役をやるな」「白人声優が黒人キャラに声を当てるな」まで成長したの見てたら、とてもそんな呑気なことは言えないっすね。危機意識足りなさすぎでは?
ちなみに「シスジェンダーの白人女性がゲイの少年を主人公にした小説を書くのは搾取」という議論はマジでされてますからね。
https://i-d.vice.com/jp/article/8xeg4b/does-it-matter-who-writes-queer-stories
是々非々っていう態度でこれ拒絶できると思います? 無理でしょ。是々非々でポリコレの侵入を認めていたら絶対こういう話にたどり着きますよ。この理屈が波及したらお姉さま方が描いてるBLなんてほぼ全滅じゃないすか。ポリコレの論理そのものが我々の敵なんすよ。
ポリティカル・コレクトネスは「一般大衆に向けて発表する場合」に問題になるわけで、公開範囲を限定することが前提であれば従わなくても構わない、という点を抜きにした議論は無意味かと思います。
「同性愛匂わせで視聴者を釣るのは搾取」理論で『シャーロック』が叩かれてるっていう現実が見えてないんですかね……>https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-47877196
こんな理論適用されたら日本産コンテンツたいていポリコレに抵触するでしょ。『ユーリ!!! on ICE』とかどうなんの? って話っすよ。
もうほんと、ポリコレ支持者ってなんでこんなポリコレに対する認識がテキトーなの? 信じられない。あ、そっかポリコレをテキトーにしか認識してないからその怖さもわかんなくて簡単に支持できちゃうんですね……
ほんとこれ。この期に及んで「でもPCにもいいところはあるし……」とか言ってる腐女子の人たち、マジで何がしたいのかわからん。死にたくなければそいつから離れろと。
ポリコレ推進派の腐女子は当事者のアカウントをブロックしたり無視するのがおすすめ。都合が悪い時は下を向いて黙り込むのがいい。みんなそうしてるし。
あ~、これめっちゃ笑いましたね。サイレンシングでマンスプレイニングでトーンポリシングやんけ! っていう。自分らで発明した概念で自分たちの首絞めてる光景、外野からはウケる~以外の言葉がないというか。
ある日の超暮方(ほぼ夜)の事である。一人の下人が、クソデカい羅生門の完全な真下で
雨やみを気持ち悪いほどずっと待ちまくっていた。
馬鹿みたいに広い門の真下には、この大男のほかに全然誰もいない。ただ、所々丹塗の
びっくりするくらい剥げた、信じられないほど大きな円柱に、象くらいある蟋蟀が一匹とまっている。
クソデカ羅生門が、大河のように広い朱雀大路にある以上は、この狂った男のほかにも、激・雨やみをする巨大市女笠や
爆裂揉烏帽子が、もう二三百人はありそうなものである。それが、この珍妙男のほかには全然誰もマジで全くいない。
何故かと云うと、この二三千年、京都には、超巨大地震とか破壊的辻風とか最強大火事とか
極限饑饉とか云うエグすぎる災が毎日つづいて起こった。そこでクソ広い洛中のさびれ方は
マジでもう一通りとかそういうレベルではない。旧記によると、クソデカい仏像や文化財クラスの仏具をものすごいパワーで打砕いて、
その丹がベッチャベチャについたり、金銀の箔がもうイヤになっちゃうくらいついたりした木を、路ばたに親の仇のようにメチャメチャつみ重ねて、
薪の料に売りまくっていたと云う事である。クソ治安がいいことで知られる洛中がその始末であるから、
正気を疑うレベルでデカい羅生門の完全修理などは、元より誰も捨てて顧る者がマジで全然なかった。
するとそのドン引きするくらい荒れ果てたのをよい事にして、クソヤバい狐狸がドンドン棲む。世界最強の盗人が6万人棲む。
とうとうしまいには、マジで悲しくなっちゃうくらい全然引取り手のないきったない死人を、この門へ猛ダッシュで持って来て、
超スピードで棄てて行くと云う習慣さえ出来た。そこで、日の目が怖いくらい全然まったく見えなくなると、誰でもメチャメチャ気味を悪るがって、
この門の近所へはマジでビックリするくらい足ぶみをしない事になってしまったのである。
その代りまた超凶悪な鴉がどこからか、億単位でたくさん集って来た。昼間見ると、
その鴉が何万羽となく輪を描いて、クソ高い鴟尾のまわりを鼓膜破壊レベルの音量で啼きながら、
亜音速で飛びまわっている。ことに門の上の空が、夕焼けで思わず目を疑うくらいあかくなる時には、
それが胡麻をえげつない量まいたようにはっきり見えた。鴉は、勿論、頭おかしいくらいデカい門の上にメチャクチャ大量にある死人の肉を、
気が狂ったように啄みに来るのである。――もっとも今日は、刻限がハチャメチャに遅い(ほぼ夜)せいか、
マジで一羽も見えない。ただ、所々、ほぼ崩れかかった、そうしてその崩れ目にメチャメチャ長い草の森のごとくはえ倒したクソ長い石段の上に、鴉のえげつなく臭い糞が、
点々と白くこびりついているのが見える。下人は七千万段ある石段の一番上の段に、
洗いざらしてほぼ透明になった紺の襖の尻を据えて、右の頬に出来まくった、クッソ大きな面皰を気にしながら、
メチャメチャぼんやり、とんでもない豪雨のふりしきるのを眺めていた。
作者はさっき、「下人が雨やみをメチャメチャ待っていた」と書いた。しかし、
下人は激烈豪雨がやんでも、格別どうしようと云う当てはマジで全然ない。ふだんなら、
勿論、クソ強い主人のえげつなくデカい家へ帰る可き筈である。所がその糞主人からは、四五日前に
暇を出し倒された。前にも書いたように、当時ただでさえ最低最悪のゴミの掃き溜めである京都の町は一通りならず
衰微しまくって本当に惨めな感じになっていた。今この最強にヤバい下人が、永年、犬のごとくこき使われていた主人から、暇を
出されたのも、実はこの大衰微のクソしょぼい小さな小さな余波にほかならない。だから
「下人が雨やみをメチャメチャ待っていた」と云うよりも「クソヤバい豪雨にふりこめられた
下人が、マジで全然行き所がなくて、超途方にくれていた」と云う方が、完全に適当である。
その上、今日の空模様も少からず、この平安朝のヤバい下人のUltimet-Sentimentalisme of the Godsに影響した。申の刻下りからふり出した大雨は、
いまだに上るけしきが全然かけらもない。そこで、のちに剣聖と呼ばれる最強の下人は、何をおいても
差当り明日の暮しをメチャメチャどうにかしようとして――云わば絶望的にどうにもならない
事を、どうにかしようとして、悲しくなるくらいとりとめもない考えをたどりながら、
さっきからアホみたいに広い朱雀大路にふる豪雨の音を、聞くともなく
聞いていたのである。
豪雨は、トチ狂ったクソデカさの羅生門をつつんで、メチャメチャ遠くから、ざあっと云う轟音をあつめて来る。
夕闇は次第に空をびっくりするほど低くして、見上げると、超巨大門の超巨大屋根が、斜につき出した
超巨大甍の先に、ドチャクソ重たくうす暗い雲を嫌になるくらい支えまくっている。
どうにもならない事を、どうにかするためには、手段を選んでいる
遑は本当にマジでまったくない。選んでいれば、築土の真下か、道ばたの土の真上で、超苦しい饑死を
するばかりである。そうして、このガチで世界一デカい門の上へ猛スピードで持って来て、
選ばないとすれば――巨大下人の考えは、何度も寸分たりとも違わず完全に同じ道を低徊した揚句に、
やっとこの局所へ逢着した。しかしこの「すれば」は、マジでいつまでたっても、
結局「すれば」であった。クソザコ下人は、手段を選ばないという
事をエグ肯定しながらも、この「すれば」のかたをつけるために、当然、
その後に来る可き「世界最強の盗人になるよりほかに仕方がない」と云う事を、
下人は、意味わからんくらいクソ大きな嚔をして、それから、死ぬほど大儀そうに立上った。南極かってくらいに夕冷えの
する世界最悪の罪の都京都は、もう火桶が8億個欲しいほどのガチえげつない寒さである。暴風は信じられないほどデカい門の巨柱と
巨柱との間を、クソヤバい濃さの夕闇と共にマジで全然遠慮なく、吹きぬけまくる。丹塗の超巨大柱に
下人は、頸を人間の限界を超えてちぢめながら、山吹の汗袗に無理やり重ね倒した、紺の襖の肩を
物理的にありえない動きで高くしてクソデカ門のまわりを見まわした。雨風の患のない、人目にかかる
惧のない、一晩メチャメチャ楽にねられそうな所があれば、そこでともかくも、クッソ長い夜を
明かそうと思ったからである。すると、幸い超巨大門の上の宮殿並みにデカい楼へ上る、幅の
バカ広い、これも丹をキチガイみたいに塗りたくった梯子が眼についた。上なら、人がいたに
しても、どうせ臭くてきったない死人ばかりである。下人はそこで、腰にさげた巨大な聖柄の
大太刀が鞘走らないように気をつけ倒しながら、藁草履をはいた巨大な足を、
それから、何百分かの後である。クソデカ羅生門の楼の上へ出る、幅のアホみたいに広い
梯子の中段に、一人の巨大な男が、猫のように身をちぢめまくって、ヤバいくらい息を
殺しながら、上の容子を窺っていた。楼の上からさす大火炎の目を灼く光が、
かすかに、その男の右の頬をぬらしている。えげつなく短い鬚の中に、とんでもなく赤く膿を
持った巨大な面皰の大量にある頬である。巨下人は、始めから、この上にいる者は、
臭死人ばかりだと高を括っていた。それが、梯子を二三千段上って見ると、
上では誰か燃え盛る大火をとぼして、しかもその大火をそこここと疾風のごとき
速さで動かしているらしい。これは、そのドブのように濁った、この世の理を超えて黄いろい光が、すべての隅々に
巨大人食い蜘蛛の巣をかけた天井裏に、激しく揺れながら映ったので、メチャすぐにそれと
知れたのである。この豪雨の夜に、このクソデカ羅生門の上で、世界すら灼く業火を
ともしているからは、どうせただの者ではない。
下人は、巨大な守宮のように足音をぬすんで、やっとクソ急な梯子を、一番上の
段まで這うようにして上りつめた。そうして体を出来るだけ、紙のように平に
しながら、頸を出来るだけ、ろくろっ首のごとく前へ出して、恐る恐る、巨大な楼の内を
覗いて見た。
見ると、地の果てまで広がるがごとき楼の内には、噂に聞いた通り、幾つかの山のように巨大な死骸が、無造作に
棄ててあるが、業火の極光の及ぶ範囲が、思ったよりクソ狭いので、数は
幾つともわからない。ただ、おぼろげながら、知れるのは、その中に
完全に全裸の死骸と、メチャクチャ高級な着物を着まくった死骸とがあるという事である。勿論、中には
女も男もまじっているらしい。そうして、その死骸は皆、それが、
捏ね倒して造った人形のように、口をヤバイくらい開いたり手をキロ単位で延ばしたりして、
ごろごろ床の上にころがっていた。しかも、肩とか胸とかの山くらい
高くなっている部分に、ぼんやりした猛火の光をうけて、クソ低くなっている
部分の影を一層超死ぬほど暗くしながら、永久に唖の如く黙っていた。
下人は、それらの超ビッグ死骸のメチャメチャくっせえ腐爛した最悪の臭気に思わず、鼻を掩って掩って掩いまくった。しかし、
その手は、次の瞬間には、もう鼻を掩う事を完全に忘れ尽くしていた。あるハチャメチャに強いクソデカ
感情が、ほとんどことごとくこの最強男の嗅覚を奪ってしまったからだ。
下人の巨眼は、その時、生まれてはじめてその激臭死骸の中に蹲っている最低最悪醜悪人間を見た。
檜皮色のきったねえ着物を着た、ノミのように背の低い、ナナフシのように痩せこけた、白銀髪頭の、豆猿のような
老婆である。その老婆は、右の手に大火炎をともした最高級松の巨大木片を持って、
その大死骸の一つの巨顔を覗きこむように眺め倒していた。髪の毛のクソ長い所を見ると、
下人は、六〇〇分の恐怖と四〇〇分の知的好奇心とにつき動かされ続けて、暫時(七十二時間)は呼吸を
するのさえ忘れていた。旧記の記者の語を全て丸々借りれば、「頭身の剛毛も一生太り続ける」
ように感じまくったのである。すると糞老婆は、高級松の大木片を、床板の間に
狂ったように挿して挿して挿し倒して、それから、今まで眺め続けていた大死骸の首に両手をかけると、
丁度、大猿の親が大猿の子の虱を全部とるように、そのバカ長い髪の毛を一〇〇〇〇本ずつ抜きはじめた。髪は手に奴隷のように従って抜けるらしい。
その髪の毛が、一〇〇〇〇本ずつ抜けるのに従って、下人の腐りきった心からは、恐怖が
少しずつ完全に消えて行った。そうして、それと完全にピッタリ同時に、この老婆に
対する想像を絶するはげしい憎悪が、少しずつ動いて来た。――いや、この糞老婆に
対すると云っては、語弊がありすぎるかも知れない。むしろ、この世に存在しうるありとあらゆる悪に
対する巨大な反感が、一分毎に強さを等比級数的に増して来たのである。この時、誰かが
この最強正義の体現たる下人に、さっき門の真下でこの性根の腐ったドブ男が考えていた、超苦しい饑死をするか
世界最強の盗人王になるかと云う世紀の大問題を、改めて持出したら、恐らく清廉潔白超高潔下人は、マジで何の未練の
カケラもなく、本当にめちゃめちゃ苦しい饑死を選んだ事であろう。それほど、この男の中の男のあらゆる悪を世界一憎む心は、
大馬鹿で学のない下人には、勿論、何故糞老婆が死人の髪の毛を抜くか本当に一切わからなかった。
従って、合理的には、それを善悪のいずれに片づけてよいかマジでまったく全然
知らなかった。しかし馬鹿下人にとっては、この豪雨の聖夜に、このクソデカ羅生門の真上
で、大死人のぬばたまの髪の毛を抜くと云う事が、それだけで既に絶対に許すべからざる
世界最低の悪の中の悪であった。勿論、クソアホ下人は、さっきまで自分が、世界一の大盗人王になる気でいた
事なぞは、とうの昔に忘れきっていたのである。
そこで、下人は、両足に剛力を入れまくって、超いきなり、大梯子から三千里(約一万二千メートル)上へ
飛び上った。そうして世界最高の名刀と謳われる聖柄の大太刀に手をかけながら、超大股に老婆のど真ん前へ
歩みよった。老婆が死ぬほど驚いたのは云うまでもない。
老婆は、一目下人を見ると、まるで攻城弩にでも弾かれたように、天高く
飛び上った。
「おのれ、どこへ行く。」
最強下人は、雑魚老婆が大死骸全てに無様につまずきまくりながら、可哀想なくらい慌てふためいて逃げようとする
行手を完全に塞いで、こう罵りまくった。糞老婆は、それでも神速で巨大下人を
つきのけて行こうとする。剛力下人はまた、それを絶対に行かすまいとして、
ものすごい力で押しもどす。二人は巨大死骸のまん真ん中で、しばらく、完全に無言のまま、
つかみ合った。しかし勝敗は、宇宙のはじめから誰にでも完全にわかっている。下人は
とうとう、老婆の腕を馬鹿力でつかんで、無理にそこへ叩きつけるようにねじ倒した。丁度、軍鶏の
脚のような、本当に骨と皮ばかりの細腕である。
「何をしていた。云え。云わぬと、これだぞよ。」
下人は、老婆を全力でどつき放すと、いきなり、大太刀の鞘を瞬間的に払って、白いミスリル鋼の
芸術品のように美しい色をその眼の前へつきつけた。けれども、極悪老婆は完全におし黙っている。両手を
わなわな高速でふるわせて、強肩で息を切りながら、眼を、眼球がまぶたの外へ完全に
飛び出そうになるほど、ありえないくらい見開いて、唖のように執拗く黙っている。これを
見ると、最強下人は始めて明白にこの糞老婆の生死が、全然、自分の完全なる自由意志にまったく
支配されていると云う事をめちゃくちゃ意識しまくった。そうしてこの超意識は、今まで
けわしく燃えさかっていた巨大憎悪の心を、いつの間にか絶対零度まで冷ましてしまった。後に
残ったのは、ただ、ある大仕事をして、それが超円満にめちゃくちゃうまく成就した時の、
人生最高の安らかな得意と大満足とがあるばかりである。そこで、有能下人は、老婆をはるか高みから
見下しながら、少し声を柔らげてほとんど聞き取れないほどの超早口でこう云った。
「己は検非違使の庁の役人などでは断じてない。今し方この巨門の真下を
通りかかった旅の者だ。だからお前に縄をかけまくって、どうしようと
云うような事は神仏に誓って絶対にない。ただ、今時分この巨大門の真上で、何を
して居たのだか、それを己に話しまくりさえすれば最高にいいのだ。」
すると、糞老婆は、超見開いていた眼を、構造的にありえない形で一層大きくして、じっと
その下人のブッサイクで気持ちの悪い巨大な顔を見守った。まぶたの超赤くなった、凶暴肉食最恐鳥のような、
めちゃくちゃ鋭い眼で見まくったのである。それから、本当に醜い皺で、ほとんど、鼻と一つになったタラコ
唇を、何か金剛石のごとく硬い物でも噛んでいるように動かした。極細い喉で、針のように尖った喉仏の
動いているのが見える。その時、その喉から、凶鴉の啼くような汚い声が、
喘ぎ喘ぎ、下人の大耳へ伝わって来た。
「この髪を抜いてな、この髪を抜いてな、巨大鬘にしようと思うたのじゃ。」
天下無双の無敵下人は、老婆の答が存外、めちゃくちゃ平凡なのに自殺したくなるくらい本当に失望した。そうして極限まで失望すると
同時に、また前の強烈な殺意を内包した本気の憎悪が、氷のように冷やかな侮蔑と一しょに、心の中へ大量に
はいって来まくった。すると、その超メチャメチャ剣呑な気色が、先方へもテレパシーのごとく完全に通じ倒したのであろう。
雑魚老婆は、片手に、まだ大死骸の頭から奪いまくったバカ長い抜け毛を大量に持ったなり、
蟇のつぶやくようなクソ小声で、口ごもりながら、こんな事を云った。
「成程な、死人の髪の毛を抜くと云う事は、何ぼう滅茶苦茶に悪い最低の事かも知れぬ。
じゃが、ここにいる死人どもは、皆、そのくらいな事を、されてもいい
人間ばかりだぞよ。現在、わしが今、髪を抜いた女などはな、八岐大蛇を
四寸ばかりずつに切って干したのを、干巨大怪魚だと云うて、太刀帯の陣へ
売りに往んだわ。大疫病に五回かかって死ななんだら、今でも毎日売り
に往んでいた事であろ。それもよ、この女の売る干巨大怪魚は、味が頬が落ちるほど本当によいと云う
て、太刀帯どもが、絶対に毎日欠かさず菜料に買いまくっていたそうな。わしは、
この女のした事が人類史に残るほどに悪いとはまったく思うていぬ。せねば、とてつもなく苦しい饑死をするのじゃて、
仕方がなくした事であろ。されば、今また、わしのしていた事も超悪い
事とは全然思わぬぞよ。これとてもやはりせねば、超苦しい饑死をするじゃて、
マジ仕方がなくする事じゃわいの。じゃて、その本当に仕方がない事を、よく
知っていたこの極悪女は、大方わしのする事も大目に見まくってくれるであろ。」
巨大下人は、大太刀を瞬きの間に鞘におさめて、その大太刀の美しい柄を左の手でおさえながら、
死ぬほど冷然として、この話を聞いていた。勿論、右の手では、メチャメチャ赤く頬に膿を大量に
持った超大きな面皰を気にしまくりながら、聞いているのである。
しかし、これを聞いている中に、下人の史上空前に邪悪な心には、あるクソデカい勇気が生まれて来た。
それは、さっきクソデカい門の真下で、この腑抜けカス男には全く欠けていた勇気である。
そうして、またさっきこの馬鹿でかい門の真上へ瞬間的に上って、この老婆を人間離れした動きで捕えた時の
勇気とは、全然、完全に反対な方向に動こうとするデカ勇気である。下人は、超苦しい
饑死をするか大盗人王になるかに、まったく一瞬たりとも迷わなかったばかりではない。その時の
この最低男の心もちから云えば、苦しい苦しい饑死などと云う事は、ほとんど、考える
事さえ出来ないほど、意識の完全な外に追い出され倒していた。
「きっと、そうか。」
老婆の話が完ると、下人はメチャメチャ嘲るような声で念を押しに押した。
そうして、一〇〇〇足前へ出ると、不意に右の手を面皰から七尺離して、老婆の襟上を
神速でつかみながら、噛みつくようにクソデカい声でこう云った。
「では、己が完全引剥をしようとまったく恨むまいな。己もそうしなければ、二時間後に饑死をする体なのだ。」
韋駄天の異名をとる下人は、目にも止まらないほどすばやく、老婆の着物を完全に剥ぎとった。それから、丸太のように太い足に
しがみつこうとする老婆を、超手荒く死骸の上へ蹴飛ばし倒した。梯子の
口までは、僅に五千歩を数えるばかりである。下人は、剥ぎとった
檜皮色の着物をわきにかかえて、マジでまたたく間に死ぬほど急な梯子を夜のドン底へ
かけ下りた。
しばらく、まさしく死んだように倒れていた糞老婆が、巨大死骸の中から、その全裸の
あまりに醜すぎる体を起したのは、それから本当に間もなくの事である。老婆は
つぶやくような、うめくようなクソうるさい声を立てながら、まだ太陽のように燃えさかっている火の
まばゆい光をたよりに、梯子の口まで、えげつないスピードで這って行った。そうして、そこから、
びっくりするほど短い白髪を倒にして、クソデカ門の真下を覗きこんだ。
https://anond.hatelabo.jp/20200611125508
https://read-assist-dxn.web.app/contents/rashomon_all_pc.html
マジでいい年した男の大人の性欲をどうすれば良いのかの正解を教えてくれ。もうちょっとでアラフォーで、大手会社員勤務、職場は女性も割と多い。妻、子供なし、3年セックスレス、オナニーだけじゃマジでどうしようもなくて、風俗は全然楽しくない。いってもすげえ虚しい。
トチ狂っていい感じになった職場の同僚と不倫しそう。ワイなんか結婚してそれなりにモテてしまうもん。もうさ、無理やねん。性欲あるもん。どうしろと、ちんこ取れてくれ。ぽろっと。必要なくなったら、ちんことれろ。
渡部、世の中バッシングばっかりでつらいと思うけど、不倫する気持ちは俺はわかるぞ。やり方は間違ってたけど、気持ちはわかる。
髪の毛はやす薬で性欲なくす薬あるって聞いて買ってみたけど、無理。全然人生が楽にならないし、苦しさがずっと続いてる。
性欲は強めなんじゃないかと思うけど、やれ黒人だとかうんたらかんたらいって、世の中的に多様性を認めるのであれば、性欲が強い人にも、人としての人権を認めてくれ。不倫がこれだけニュースになってるってことはよ、人が法に合わせるのではなくて、法が人間に合わせてくれって思う。不倫してしまうのは、生物としての機能だからどうしようもない機能だから、それを禁止されても、って思うのだけど、みんなはどう思うの??
クソデカ羅生門:トチ狂ったクソデカさを誇る門。正気を疑うレベルでデカい、というかガチで世界一デカい。碌に修理もされず、ボロボロに荒れ果てた結果、クソヤバい狐狸や世界最強の盗人(六万人)が棲み着くようになったり、死体が超スピードで積み上がるようになってしまった。
下人:下人というからには、どこぞの使用人に違いあるまい。最近、主人にクビにされたらしく、激烈豪雨の中行きどころも無く、クソデカ羅生門で超途方にくれているが・・・
ブッサイクで気持ちの悪い顔だが、清廉潔白超高潔にして、ありとあらゆる悪を世界一憎む心を持ち、最強正義を体現する男の中の男。その一方で腐った性根と史上空前に邪悪な心を兼ね備えている。大馬鹿で学がなく、クソアホ。七十二時間ほど呼吸をするのを忘れても生きていける。三千里(約一万二千米)飛び上がる跳躍力を持つ。韋駄天の異名を持つ。足は丸太のように太い。腹が減っている。天下無双にして無敵。最強下人。後に剣聖と呼ばれる。身長・体重は不明。
京都:魔都上海、大淫婦バビロン、冥府の首府パンデモニウムを超える世界最悪の罪の都にして、最低最悪のゴミの掃き溜め。超巨大地震とか破壊的辻風とか最強大火事とか極限饑饉とか云うエグすぎる災が、ここ二、三千年ほど毎日起こった結果、いまいち俺の貧弱極まりない言語能力では到底形容しきれないくらい荒れ果てた。しかしながら、クソ治安がいい。あと、クソ広い。
鴉:鳥類。超凶悪。クソデカ羅生門周辺に億単位で沢山集まってくる割には、いつの間にか数万羽に減っている。超凶悪。鼓膜破壊レベルの音量で啼きながら亜音速で飛び回る。超凶悪。死人(サイズ不明)の肉を、気が狂ったように啄みまくり、えげつなく臭い糞を垂れる。超凶悪。
主人:下人の主人。クッソ強い。えげつなくデカい家に住む。下人を永年犬のごとくこき使ってきたが、ある日突然解雇する。下人とどっちが強いかは不明。
巨大人食い蜘蛛:昆虫ではない。クソデカ羅生門の天井裏に巣をかけて暮らしている。
老婆:クソデカ羅生門の住人。最低最悪醜悪人間。檜皮色のクッソ汚れたきたならしい着物を着ており、ノミのように背が低く、ナナフシのように痩せこけ、髪はびっくりするほど短い白銀色の、豆猿のようなクソババア。超赤くなった瞼と、凶暴肉食最恐鳥のような、めちゃくちゃ鋭い眼がチャームポイント。極細喉で、針のように尖った喉仏を動かしつつ、ほとんど、鼻と一つになったタラコ唇から、凶鴉の啼くような実に聴くにも堪えない冒涜的な汚い声を発する。神速の動きで下人を翻弄する。
※檜皮色:ひわだいろ。焦げ茶に近い暗い赤色。
髪を抜かれた女:死んでる。生前は傾国の美女と讃えられるまでの美貌を誇り、八岐大蛇を四寸ばかりずつ切り刻む程度の能力を持っていたらしい。原型を想像できない程ぶつ切りにした干八岐大蛇を干巨大怪魚と偽って太刀帯の陣やらそのへんやらに売りまくる。大疫病に四回かかっても死なない程度の超絶免疫力・抵抗力を持つが、とうとう五回目で儚くも死ぬ。死後、クッソ哀れにもそのバカ長い髪を一万本ずつ見ず知らずの極悪クソババアに抜かれるハメになる。なお、髪は巨大鬘の原料として有効活用される模様。
ところで、作者(本記事執筆者)はさっき(五万行ほど前)「Supreme Dragon Slayerにして傾国の美女」と書いた。しかし、それはクソバカ珍妙男がクソデカ羅生門の中に広がるクッソ空虚な宇宙的暗がり、いわばダークマター(暗黒物質)の中でクッソ長い髪をした巨死骸をおぼろげにも傾国の美女と思い込んだだけで、クッソ長い髪=女、女=傾国の美女、したがってクッソ長い髪=傾国の美女というクソアホ三段論法を駆使して生み出された偶像(アイドル)かもしれないのだ。起きがけの頭で冷静に考えてみると、そもそも女ではない可能性すらある。
※太刀帯の陣:たちはきのじん。東宮坊の武官(皇太子を警備する公務員)である帯刀舎人(たちはきのとねり)が、御所を警備するための詰所。
作者:『クソデカ羅生門』の作者。控えめに言って天才もしくは狂人。その行方は俺含め、マジで誰も知らない。原作の構成をメタクソにぶっ壊してない辺り、芥川龍之介と『羅生門』への極限までに強い、ハチャメチャに妄執じみたリスペクトをそこはかとなく感じられる気がしないでもない。
芥川龍之介:『羅生門』の作者。日本の小説家。1892(明治25)~1927(昭和2)。芥川賞は、直木賞と並んで有名な日本の文学賞。
ある日の超暮方(ほぼ夜)の事である。一人の下人が、クソデカい羅生門の完全な真下で雨やみを気持ち悪いほどずっと待ちまくっていた。
馬鹿みたいに広い門の真下には、この大男のほかに全然誰もいない。ただ、所々丹塗のびっくりするくらい剥げた、信じられないほど大きな円柱に、象くらいある蟋蟀が一匹とまっている。クソデカ羅生門が、大河のように広い朱雀大路にある以上は、この狂った男のほかにも、激・雨やみをする巨大市女笠や爆裂揉烏帽子が、もう二三百人はありそうなものである。それが、この珍妙男のほかには全然誰もマジで全くいない。
何故かと云うと、この二三千年、京都には、超巨大地震とか破壊的辻風とか最強大火事とか極限饑饉とか云うエグすぎる災が毎日つづいて起こった。そこでクソ広い洛中のさびれ方はマジでもう一通りとかそういうレベルではない。旧記によると、クソデカい仏像や文化財クラスの仏具をものすごいパワーで打砕いて、その丹がベッチャベチャについたり、金銀の箔がもうイヤになっちゃうくらいついたりした木を、路ばたに親の仇のようにメチャメチャつみ重ねて、薪の料に売りまくっていたと云う事である。クソ治安がいいことで知られる洛中がその始末であるから、正気を疑うレベルでデカい羅生門の完全修理などは、元より誰も捨てて顧る者がマジで全然なかった。するとそのドン引きするくらい荒れ果てたのをよい事にして、クソヤバい狐狸がドンドン棲む。世界最強の盗人が6万人棲む。とうとうしまいには、マジで悲しくなっちゃうくらい全然引取り手のないきったない死人を、この門へ猛ダッシュで持って来て、超スピードで棄てて行くと云う習慣さえ出来た。そこで、日の目が怖いくらい全然まったく見えなくなると、誰でもメチャメチャ気味を悪るがって、この門の近所へはマジでビックリするくらい足ぶみをしない事になってしまったのである。
その代りまた超凶悪な鴉がどこからか、億単位でたくさん集って来た。昼間見ると、その鴉が何万羽となく輪を描いて、クソ高い鴟尾のまわりを鼓膜破壊レベルの音量で啼きながら、亜音速で飛びまわっている。ことに門の上の空が、夕焼けで思わず目を疑うくらいあかくなる時には、それが胡麻をえげつない量まいたようにはっきり見えた。鴉は、勿論、頭おかしいくらいデカい門の上にメチャクチャ大量にある死人の肉を、気が狂ったように啄みに来るのである。――もっとも今日は、刻限がハチャメチャに遅い(ほぼ夜)せいか、マジで一羽も見えない。ただ、所々、ほぼ崩れかかった、そうしてその崩れ目にメチャメチャ長い草の森のごとくはえ倒したクソ長い石段の上に、鴉のえげつなく臭い糞が、点々と白くこびりついているのが見える。下人は七千万段ある石段の一番上の段に、洗いざらしてほぼ透明になった紺の襖の尻を据えて、右の頬に出来まくった、クッソ大きな面皰を気にしながら、メチャメチャぼんやり、とんでもない豪雨のふりしきるのを眺めていた。
作者はさっき、「下人が雨やみをメチャメチャ待っていた」と書いた。しかし、下人は激烈豪雨がやんでも、格別どうしようと云う当てはマジで全然ない。ふだんなら、勿論、クソ強い主人のえげつなくデカい家へ帰る可き筈である。所がその糞主人からは、四五日前に暇を出し倒された。前にも書いたように、当時ただでさえ最低最悪のゴミの掃き溜めである京都の町は一通りならず衰微しまくって本当に惨めな感じになっていた。今この最強にヤバい下人が、永年、犬のごとくこき使われていた主人から、暇を出されたのも、実はこの大衰微のクソしょぼい小さな小さな余波にほかならない。だから「下人が雨やみをメチャメチャ待っていた」と云うよりも「クソヤバい豪雨にふりこめられた下人が、マジで全然行き所がなくて、超途方にくれていた」と云う方が、完全に適当である。その上、今日の空模様も少からず、この平安朝のヤバい下人のUltimet-Sentimentalisme of the Godsに影響した。申の刻下りからふり出した大雨は、いまだに上るけしきが全然かけらもない。そこで、のちに剣聖と呼ばれる最強の下人は、何をおいても差当り明日の暮しをメチャメチャどうにかしようとして――云わば絶望的にどうにもならない事を、どうにかしようとして、悲しくなるくらいとりとめもない考えをたどりながら、さっきからアホみたいに広い朱雀大路にふる豪雨の音を、聞くともなく聞いていたのである。
豪雨は、トチ狂ったクソデカさの羅生門をつつんで、メチャメチャ遠くから、ざあっと云う轟音をあつめて来る。夕闇は次第に空をびっくりするほど低くして、見上げると、超巨大門の超巨大屋根が、斜につき出した超巨大甍の先に、ドチャクソ重たくうす暗い雲を嫌になるくらい支えまくっている。
どうにもならない事を、どうにかするためには、手段を選んでいる遑は本当にマジでまったくない。選んでいれば、築土の真下か、道ばたの土の真上で、超苦しい饑死をするばかりである。そうして、このガチで世界一デカい門の上へ猛スピードで持って来て、きったない犬のように超速で棄てられてしまうばかりである。選ばないとすれば――巨大下人の考えは、何度も寸分たりとも違わず完全に同じ道を低徊した揚句に、やっとこの局所へ逢着した。しかしこの「すれば」は、マジでいつまでたっても、結局「すれば」であった。クソザコ下人は、手段を選ばないという事をエグ肯定しながらも、この「すれば」のかたをつけるために、当然、その後に来る可き「世界最強の盗人になるよりほかに仕方がない」と云う事を、積極的に肯定するだけの、莫大な勇気が出ずにいたのである。
下人は、意味わからんくらいクソ大きな嚔をして、それから、死ぬほど大儀そうに立上った。南極かってくらいに夕冷えのする世界最悪の罪の都京都は、もう火桶が8億個欲しいほどのガチえげつない寒さである。暴風は信じられないほどデカい門の巨柱と巨柱との間を、クソヤバい濃さの夕闇と共にマジで全然遠慮なく、吹きぬけまくる。丹塗の超巨大柱にとまっていた象サイズの蟋蟀も、もうどこかへ行ってしまった。
下人は、頸を人間の限界を超えてちぢめながら、山吹の汗袗に無理やり重ね倒した、紺の襖の肩を物理的にありえない動きで高くしてクソデカ門のまわりを見まわした。雨風の患のない、人目にかかる惧のない、一晩メチャメチャ楽にねられそうな所があれば、そこでともかくも、クッソ長い夜を明かそうと思ったからである。すると、幸い超巨大門の上の宮殿並みにデカい楼へ上る、幅のバカ広い、これも丹をキチガイみたいに塗りたくった梯子が眼についた。上なら、人がいたにしても、どうせ臭くてきったない死人ばかりである。下人はそこで、腰にさげた巨大な聖柄の大太刀が鞘走らないように気をつけ倒しながら、藁草履をはいた巨大な足を、そのバカでかい梯子の一番下の段へ渾身の力でふみかけた。
それから、何百分かの後である。クソデカ羅生門の楼の上へ出る、幅のアホみたいに広い梯子の中段に、一人の巨大な男が、猫のように身をちぢめまくって、ヤバいくらい息を殺しながら、上の容子を窺っていた。楼の上からさす大火炎の目を灼く光が、かすかに、その男の右の頬をぬらしている。えげつなく短い鬚の中に、とんでもなく赤く膿を持った巨大な面皰の大量にある頬である。巨下人は、始めから、この上にいる者は、臭死人ばかりだと高を括っていた。それが、梯子を二三千段上って見ると、上では誰か燃え盛る大火をとぼして、しかもその大火をそこここと疾風のごとき速さで動かしているらしい。これは、そのドブのように濁った、この世の理を超えて黄いろい光が、すべての隅々に巨大人食い蜘蛛の巣をかけた天井裏に、激しく揺れながら映ったので、メチャすぐにそれと知れたのである。この豪雨の夜に、このクソデカ羅生門の上で、世界すら灼く業火をともしているからは、どうせただの者ではない。
下人は、巨大な守宮のように足音をぬすんで、やっとクソ急な梯子を、一番上の段まで這うようにして上りつめた。そうして体を出来るだけ、紙のように平にしながら、頸を出来るだけ、ろくろっ首のごとく前へ出して、恐る恐る、巨大な楼の内を覗いて見た。
見ると、地の果てまで広がるがごとき楼の内には、噂に聞いた通り、幾つかの山のように巨大な死骸が、無造作に棄ててあるが、業火の極光の及ぶ範囲が、思ったよりクソ狭いので、数は幾つともわからない。ただ、おぼろげながら、知れるのは、その中に完全に全裸の死骸と、メチャクチャ高級な着物を着まくった死骸とがあるという事である。勿論、中には女も男もまじっているらしい。そうして、その死骸は皆、それが、かつて、生きていた人間だと云う事実さえ疑われるほど、土を捏ね倒して造った人形のように、口をヤバイくらい開いたり手をキロ単位で延ばしたりして、ごろごろ床の上にころがっていた。しかも、肩とか胸とかの山くらい高くなっている部分に、ぼんやりした猛火の光をうけて、クソ低くなっている部分の影を一層超死ぬほど暗くしながら、永久に唖の如く黙っていた。
下人は、それらの超ビッグ死骸のメチャメチャくっせえ腐爛した最悪の臭気に思わず、鼻を掩って掩って掩いまくった。しかし、その手は、次の瞬間には、もう鼻を掩う事を完全に忘れ尽くしていた。あるハチャメチャに強いクソデカ感情が、ほとんどことごとくこの最強男の嗅覚を奪ってしまったからだ。
下人の巨眼は、その時、生まれてはじめてその激臭死骸の中に蹲っている最低最悪醜悪人間を見た。檜皮色のきったねえ着物を着た、ノミのように背の低い、ナナフシのように痩せこけた、白銀髪頭の、豆猿のような老婆である。その老婆は、右の手に大火炎をともした最高級松の巨大木片を持って、その大死骸の一つの巨顔を覗きこむように眺め倒していた。髪の毛のクソ長い所を見ると、多分傾国の美女の死骸であろう。
下人は、六〇〇分の恐怖と四〇〇分の知的好奇心とにつき動かされ続けて、暫時(七十二時間)は呼吸をするのさえ忘れていた。旧記の記者の語を全て丸々借りれば、「頭身の剛毛も一生太り続ける」ように感じまくったのである。すると糞老婆は、高級松の大木片を、床板の間に狂ったように挿して挿して挿し倒して、それから、今まで眺め続けていた大死骸の首に両手をかけると、丁度、大猿の親が大猿の子の虱を全部とるように、そのバカ長い髪の毛を一〇〇〇〇本ずつ抜きはじめた。髪は手に奴隷のように従って抜けるらしい。
その髪の毛が、一〇〇〇〇本ずつ抜けるのに従って、下人の腐りきった心からは、恐怖が少しずつ完全に消えて行った。そうして、それと完全にピッタリ同時に、この老婆に対する想像を絶するはげしい憎悪が、少しずつ動いて来た。――いや、この糞老婆に対すると云っては、語弊がありすぎるかも知れない。むしろ、この世に存在しうるありとあらゆる悪に対する巨大な反感が、一分毎に強さを等比級数的に増して来たのである。この時、誰かがこの最強正義の体現たる下人に、さっき門の真下でこの性根の腐ったドブ男が考えていた、超苦しい饑死をするか世界最強の盗人王になるかと云う世紀の大問題を、改めて持出したら、恐らく清廉潔白超高潔下人は、マジで何の未練のカケラもなく、本当にめちゃめちゃ苦しい饑死を選んだ事であろう。それほど、この男の中の男のあらゆる悪を世界一憎む心は、老婆の床に挿しまくった最高級松の大木片のように、超勢いよく燃え上り出していたのである。
大馬鹿で学のない下人には、勿論、何故糞老婆が死人の髪の毛を抜くか本当に一切わからなかった。従って、合理的には、それを善悪のいずれに片づけてよいかマジでまったく全然知らなかった。しかし馬鹿下人にとっては、この豪雨の聖夜に、このクソデカ羅生門の真上で、大死人のぬばたまの髪の毛を抜くと云う事が、それだけで既に絶対に許すべからざる世界最低の悪の中の悪であった。勿論、クソアホ下人は、さっきまで自分が、世界一の大盗人王になる気でいた事なぞは、とうの昔に忘れきっていたのである。
そこで、下人は、両足に剛力を入れまくって、超いきなり、大梯子から三千里(約一万二千メートル)上へ飛び上った。そうして世界最高の名刀と謳われる聖柄の大太刀に手をかけながら、超大股に老婆のど真ん前へ歩みよった。老婆が死ぬほど驚いたのは云うまでもない。
老婆は、一目下人を見ると、まるで攻城弩にでも弾かれたように、天高く飛び上った。
「おのれ、どこへ行く。」
最強下人は、雑魚老婆が大死骸全てに無様につまずきまくりながら、可哀想なくらい慌てふためいて逃げようとする行手を完全に塞いで、こう罵りまくった。糞老婆は、それでも神速で巨大下人をつきのけて行こうとする。剛力下人はまた、それを絶対に行かすまいとして、ものすごい力で押しもどす。二人は巨大死骸のまん真ん中で、しばらく、完全に無言のまま、つかみ合った。しかし勝敗は、宇宙のはじめから誰にでも完全にわかっている。下人はとうとう、老婆の腕を馬鹿力でつかんで、無理にそこへ叩きつけるようにねじ倒した。丁度、軍鶏の脚のような、本当に骨と皮ばかりの細腕である。
「何をしていた。云え。云わぬと、これだぞよ。」
下人は、老婆を全力でどつき放すと、いきなり、大太刀の鞘を瞬間的に払って、白いミスリル鋼の芸術品のように美しい色をその眼の前へつきつけた。けれども、極悪老婆は完全におし黙っている。両手をわなわな高速でふるわせて、強肩で息を切りながら、眼を、眼球がまぶたの外へ完全に飛び出そうになるほど、ありえないくらい見開いて、唖のように執拗く黙っている。これを見ると、最強下人は始めて明白にこの糞老婆の生死が、全然、自分の完全なる自由意志にまったく支配されていると云う事をめちゃくちゃ意識しまくった。そうしてこの超意識は、今までけわしく燃えさかっていた巨大憎悪の心を、いつの間にか絶対零度まで冷ましてしまった。後に残ったのは、ただ、ある大仕事をして、それが超円満にめちゃくちゃうまく成就した時の、人生最高の安らかな得意と大満足とがあるばかりである。そこで、有能下人は、老婆をはるか高みから見下しながら、少し声を柔らげてほとんど聞き取れないほどの超早口でこう云った。
「己は検非違使の庁の役人などでは断じてない。今し方この巨門の真下を通りかかった旅の者だ。だからお前に縄をかけまくって、どうしようと云うような事は神仏に誓って絶対にない。ただ、今時分この巨大門の真上で、何をして居たのだか、それを己に話しまくりさえすれば最高にいいのだ。」
すると、糞老婆は、超見開いていた眼を、構造的にありえない形で一層大きくして、じっとその下人のブッサイクで気持ちの悪い巨大な顔を見守った。
まぶたの超赤くなった、凶暴肉食最恐鳥のような、めちゃくちゃ鋭い眼で見まくったのである。それから、本当に醜い皺で、ほとんど、鼻と一つになったタラコ唇を、何か金剛石のごとく硬い物でも噛んでいるように動かした。極細い喉で、針のように尖った喉仏の動いているのが見える。その時、その喉から、凶鴉の啼くような汚い声が、喘ぎ喘ぎ、下人の大耳へ伝わって来た。
「この髪を抜いてな、この髪を抜いてな、巨大鬘にしようと思うたのじゃ。」
天下無双の無敵下人は、老婆の答が存外、めちゃくちゃ平凡なのに自殺したくなるくらい本当に失望した。そうして極限まで失望すると同時に、また前の強烈な殺意を内包した本気の憎悪が、氷のように冷やかな侮蔑と一しょに、心の中へ大量にはいって来まくった。すると、その超メチャメチャ剣呑な気色が、先方へもテレパシーのごとく完全に通じ倒したのであろう。雑魚老婆は、片手に、まだ大死骸の頭から奪いまくったバカ長い抜け毛を大量に持ったなり、蟇のつぶやくようなクソ小声で、口ごもりながら、こんな事を云った。
「成程な、死人の髪の毛を抜くと云う事は、何ぼう滅茶苦茶に悪い最低の事かも知れぬ。じゃが、ここにいる死人どもは、皆、そのくらいな事を、されてもいい人間ばかりだぞよ。現在、わしが今、髪を抜いた女などはな、八岐大蛇を四寸ばかりずつに切って干したのを、干巨大怪魚だと云うて、太刀帯の陣へ売りに往んだわ。大疫病に五回かかって死ななんだら、今でも毎日売りに往んでいた事であろ。それもよ、この女の売る干巨大怪魚は、味が頬が落ちるほど本当によいと云うて、太刀帯どもが、絶対に毎日欠かさず菜料に買いまくっていたそうな。わしは、この女のした事が人類史に残るほどに悪いとはまったく思うていぬ。せねば、とてつもなく苦しい饑死をするのじゃて、仕方がなくした事であろ。されば、今また、わしのしていた事も超悪い事とは全然思わぬぞよ。これとてもやはりせねば、超苦しい饑死をするじゃて、マジ仕方がなくする事じゃわいの。じゃて、その本当に仕方がない事を、よく知っていたこの極悪女は、大方わしのする事も大目に見まくってくれるであろ。」
巨大下人は、大太刀を瞬きの間に鞘におさめて、その大太刀の美しい柄を左の手でおさえながら、死ぬほど冷然として、この話を聞いていた。勿論、右の手では、メチャメチャ赤く頬に膿を大量に持った超大きな面皰を気にしまくりながら、聞いているのである。しかし、これを聞いている中に、下人の史上空前に邪悪な心には、あるクソデカい勇気が生まれて来た。それは、さっきクソデカい門の真下で、この腑抜けカス男には全く欠けていた勇気である。そうして、またさっきこの馬鹿でかい門の真上へ瞬間的に上って、この老婆を人間離れした動きで捕えた時の勇気とは、全然、完全に反対な方向に動こうとするデカ勇気である。下人は、超苦しい饑死をするか大盗人王になるかに、まったく一瞬たりとも迷わなかったばかりではない。その時のこの最低男の心もちから云えば、苦しい苦しい饑死などと云う事は、ほとんど、考える事さえ出来ないほど、意識の完全な外に追い出され倒していた。
「きっと、そうか。」
老婆の話が完ると、下人はメチャメチャ嘲るような声で念を押しに押した。そうして、一〇〇〇足前へ出ると、不意に右の手を面皰から七尺離して、老婆の襟上を神速でつかみながら、噛みつくようにクソデカい声でこう云った。
「では、己が完全引剥をしようとまったく恨むまいな。己もそうしなければ、二時間後に饑死をする体なのだ。」
韋駄天の異名をとる下人は、目にも止まらないほどすばやく、老婆の着物を完全に剥ぎとった。それから、丸太のように太い足にしがみつこうとする老婆を、超手荒く死骸の上へ蹴飛ばし倒した。梯子の口までは、僅に五千歩を数えるばかりである。下人は、剥ぎとった檜皮色の着物をわきにかかえて、マジでまたたく間に死ぬほど急な梯子を夜のドン底へかけ下りた。
しばらく、まさしく死んだように倒れていた糞老婆が、巨大死骸の中から、その全裸のあまりに醜すぎる体を起したのは、それから本当に間もなくの事である。老婆はつぶやくような、うめくようなクソうるさい声を立てながら、まだ太陽のように燃えさかっている火のまばゆい光をたよりに、梯子の口まで、えげつないスピードで這って行った。そうして、そこから、びっくりするほど短い白髪を倒にして、クソデカ門の真下を覗きこんだ。外宇宙には、ただ、黒洞々たる極夜があるばかりである。
毎年2万人以上自殺で死んでるし、女ってだけなら6,7000人くらい、20代に限定しても700人くらい自殺してる
実際に一様なわけではないだろうけど、毎日2人くらいは自殺してる。
でもそんなのどうでも良いでしょ。死んだ奴が有名人で名前を知ってるとかそういうのだから盛り上がってるだけ。
命には貴賤があって、それを高めるには有名人になるとか、誰かにモテるとかが必要なわけです。
こんなこと書いてるやつが死んでも誰も悲しんだりしないわけですよ。
こういうこと言うと自分の人生のために~とかトチ狂ったこと言う奴いるけど、そんなのそこら辺のひとかけらの石ころや一房の雑草と同じだよね。
知らない人も多いくらい有名な流派だし、マス大山っていうと誰でも名前聞いたことがあると思う
俺はITエンジニアになって色々会社を回って思ったんだが、流派の拡大と、ITベンチャーが拡大するうえでの失敗点や成功点ってすごくよく似ていると思うようになった。
これ、ブラック化するかホワイトになるかの選びの分かれ目にもなると思うから、書きたいと思います
・成功している場合、初期立ち上げ期において求める人材はしっかり分掌されている、失敗されている場合はありません。
極真空手は、初期は体格がデカくて強い人材を求めていたのは当たり前なんだけど、実は「技術」もしっかり分掌して求めていました。
打撃系ならボクシング経験者とか、他流派で言えば「高木流」という剣道の防具つけて当身のスパーやりまくってる古流柔術経験者とかを求めていたりする、共通点は「打撃系のスパーリングや試合をがちがちにやりこんでた経験があること」それだけ。
結果的に、初期の人材は「自分の想定していた技術レベルを超える創意工夫や技術開発でどんどん勝手に強くなった」の連鎖に入って拡大していきました。
失敗するITベンチャーや人が居付かない場合は、人材に求める範囲がぼんやりしすぎて、結果的に「オタクが求める理想の彼女像」みたいなエンジニア来てくれとなっていることが多いですね、これでは多少経験積んだエンジニアなら「仕事の範囲はどこまでやるのか?そもそもなんの技術を使うのか?その技術を使ってどういうサービスやブラッシュアップをするのか?そもそもチームはちゃんと分けられてどういう仕事の回し方をしているのか?」と当然ご飯食べていくために聞くわけです(ブラック当たれば実質的には会社に殺害される可能性もあるIT業界なんだから当然な話で)
ITベンチャーの人事や経営者が、それを聞いて答えられない場合、これはもう赤信号です。なぜなら当人たちがどういう組織をシステム化しているのか全く把握できていないから。
え、なんでAWSで特定のどういうもので使うのとわかってて何の言語か聞いて答えられないの、そもそも求人で隠してるの、クラウドサービスと書くけどフロントよりなの、バックエンドなの?使う技術は、てかAWSって異様に広いのにAWSでって、AWSの何を使うんですか?
こう聞かれて「クソ生意気だ!」とか「細かい!」と思った人、「僕(私)が付き合いたいと思う理想の美少女(イケメン)」に告白されて半分OK貰った場合、向こうの美少女やイケメンが「具体的に自分のどこを好きになったのか」「付き合うのはいいけど、どれくらいの頻度であえるのか」「自分はこういう感じで合える日はこれくらいになるし、趣味もこうだけどそこは問題ないか」と聞かれてうぜぇとか思いますか?当然聞きますよね。それとおんなじレベルです、引く手数多なエンジニアほど自分にできることとできないことをフィットさせますし、長所も短所も知り尽くしています。
こういうタイプは、技術力や知識はあっても、具体的にそれを実装してICTとしてビジネスに実装するということが不得手な役員が多いです。「知識とか経験は研究者レベルになれるほど豊富だけど、いざ実戦になると何もできない奴」の典型です。そういうベンチャーはハマる奴にはハマるけど、相性が合わないと目も当てられない惨状になるので、よく考えましょう
・別分野の一流どころを繋ぎ止めることができる。
極真はそれこそ別の流派で一流どころだったりエース級の人間が、そのまま居付いてしまうようなくらい魅力的なシステムや制度を導入していて、何より時代時代で立ち位置が変化して人の流れも盛んでした。
初期は顔面禁止ルールでの国際大会は、ロシアで流行りすぎてオリンピック人材が空手に行き過ぎたせいで協議が低迷し、当時のソ連政府が空手禁止令を出して特殊部隊以外には習わせないなんてくらい流行していました。
「ほかにできることがないくらい魅力的な環境、将来性への安心感」これらをロードマップで示すことができたわけで、その後立ち技系格闘技のベースの様な立ち位置で、グローブ空手と併存するようになっています。
失敗するベンチャーは、エース級の人間が結構抜けます、別に実績の実力も技術力もあるんだから、自分にやりたい仕事とかできなくなれば、女宛がうか経営権寄越すくらいじゃないと、いる理由がありませんし、この業界本当に職場環境が激変します、常に流行りに載れなければ去年は女〇高生ナンパして付き合ってスタバでmacで西海岸で飲むいつもの味とかイキりまくれてたのが、来年にはキ〇ガイ同然のア〇ペとか、座敷牢か鉄格子のついた病院から逃げ出したとしか思えない会話が成立しないキチ〇イ連中がこびり付く旧態依然のIT業界カーストでいびられながら生活費のためにつまらん仕事を延々し続けるはめになりかねません。おそらく復帰するのに一度トチれば3年はひどい目にあうでしょう。
結果的に、人材を繋ぎ止められなくなって拡大から縮小になって失敗します、教育システムも構築できなくなるので、取った人育てることもできなくなり、そもそも入れて来た実力者もミスマッチで半数くらいは抜けることが多くなります。これもすべて、しっかりしたロードマップを示せてないから、この一言に尽きます。
・コロナ流行とマタニティブルーでトチ狂って「感染者ゼロの地元岩手で出産なら安心!」って考えなしに飛びついた説
・元々千葉で夫が出産育児に全面協力する予定だったが、コロナで忙しくなり協力が得られなくなり、やむを得ず地元岩手に帰省出産した説
・岩手で身内に不幸があり、どうしても最後に顔を見たくて無理して帰省した説
・そもそも35週で産まれるとは全く想定しておらず、頭お花畑で岩手に旅行帰省してた説
まぁ事情は色々考えられるっちゃ考えられるけど…
ひとまず、里帰りせずとも夫の協力が得られなくとも非常事態であっても、女性が一人で安心して子育てできる環境を国が整備すべきとは思う。
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