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はてなキーワード: ヘイターとは

2023-12-08

トランスジェンダリズム批判の中には無自覚な「発達障害認定差別が紛れ込んでいるのが気になる。

このポストみたいに。

「女は生理が来て嬉しいものだと思ってた(ので喜べない自分は女じゃないと思った)」ってそれ、単なる女性差別主義者じゃん。発達障害関係ないだろ。

しかも「トランスヘイター」と違って「発達障害ヘイター」とは呼ばれないのが理不尽

4時半

@430Yoji

特性の一つに「他者解像度が異様に低い」があって。

女性自認の「私は女」または男性自認の「私は女ではない」という人の「女」の解像度の低さやっべーな…という印象があったのの答え合わせだった。

「女は生理が来て嬉しいものだと思ってた(ので喜べない自分は女じゃないと思った)」とかさ……

https://twitter.com/430Yoji/status/1732601905413812382

トランスヘイトが人を殺すならば、死の商人は本を焼くジェンダー学者

あなたが「トランスヘイトは人を殺す」と説くならば、わたしは「そしてあなた武器商人だ」と返すだろう。

そもそも日本インターネット上で急速に広まりつつある「反トランス言説」の始まりは、

18世紀末に始まる女性解放運動が、SNSで結実した万民による草の根フェミニズム

その中で芽生えた「ミサンドリー(男性憎悪)」という悪の根を、先人として指導立場に立つべアカデミシャンが、摘むどころか「フェミニズム武器」として称揚したことにあるのである

我々の社会は男に支配されており、虐げられる女がミサンドリー(男性憎悪)抱くのは当然の自己防衛だ。ミサンドリー男性憎悪を力にかえて家父長制に抗っていこう。

これは、もう一歩抽象化すると、世界を「悪の帝国」とそれに抗う「我らレジスタンス」の2つに分ける、部族主義に基づく聖戦喚起とまとめることができる、---しかし「ジェノサイド」を起こすのはまさにその「戦争なのだ

トランス排除女性スペース

ここで、トランス排除言説とされる典型的論理確認しておこう。

同じ女性スペースといえど女子トイレ女子風呂では、議論にやや違った取り扱いが必要になるので、本増田ではより単純な「女子トイレ」に限定する。

  1. 性別生物学的なものであり不変である女装をしても男は男、女は女。トランス女性男性だ。
  2. 女子トイレ男性との共有を強いられると、女性は絶大な羞恥と恐怖を感じる。
  3. いま女性たちが、このありえない妥協を飲まされようとしているのは、日本という男性中心社会の根強いミソジニーを表している。
  4. ましてや、そのように女性へ恐怖を強いる加害者女子トイレ侵入しようとする男性(=トランス女性)は究極のミソジニストだ。

なお、この論理が向けられる先はトランスジェンダーのみではない。トランス女性非難する同じ人間が、同形の論理男児母親SNSで責め立てていることも指摘しておこう。

一般に、幼い子供が外でトイレに行きたくなったとき安全のため親は子供を一人にすることができない。確かに母親女子トイレを使うので、形式上は「男性女性スペースに侵入する」ことになる。

幼い子供だって性欲や加害欲はある、女性トイレに入るなんて性加害だ。女親は男児を生むと「名誉男性」になって女の気持ちがわからなくなるんだ。

このようなツイートは平気で数千のいいねを集めてしまうのが現代日本SNSである

アカデミシャンはミサンドリーをどう見たか

ミサンドリーアカデミシャンと言えば、はてな村の諸賢にとって最も印象深いのは、『男性皆殺し協会マニフェスト』の紹介で知られる武蔵大学フェミニスト北村紗衣教授であろうか。

しかし「去勢の恐怖におびえる男性」「びびるだろうね!楽しいな!」程度の発言であれば他のフェミニストにも見られるし、専門はシェイクスピアフェミニズム批評でこの話題とはやや遠い。


この増田で本当に取り上げたいのは2人の「トランスジェンダー」「フェミニズム」双方に権威を持つ専門家

2001年トランスフェミニズム宣言』でフェミニズム世界史に名を残すアメリカ在住の研究者エミコヤマ、と

クィア理論専門家で、ベストセラーフェミニズム入門書執筆者でもある東大教授清水晶子、である

エミコヤマ@emigrl

わたしは「金玉潰し」も「(日本人の)オス死ね」も擁護している。ていうかミサンドリーグッズ作って販売してるしw

ファッショナブルミサンドリストになろう!

清水晶子@akishmz

(世の中にこんなにミサンドリストが少ないことが)結構気になっていた。現状でミサンドリーミソジニー絶対に対称的に語れないはず。

フェミニストが「私は男嫌いじゃないですよむしろ男好きです」的な主張をするくらいなら、)ミサンドリーを引き受ける方がマシだと思います

前節で確認した「ミサンドリートランス排除引き起こしている」という事実が目の前にあるのに、なぜ権威は、トランス排除との対決と、ミサンドリーへのラディカルな称揚を両立させることが出来るのだろう。

権威の答えは以下のようになる。

エミコヤマ@emigrl

ミサンドリーを口実にトランス女性攻撃する人がいるとしたら、それはトランス女性のことを男性だと決め付けているのだろうと想像するけど、あなたはその判断同調するの?同調しないのであれば「なんでミサンドリー女性排除する口実になるんだよ」で終わる話。

清水晶子@akishmz

ミサンドリートランス排除に繋がっているという意見について、その二つは自動的に「繋がる」のではなく、それを「繋げる」作業が進められてきたと私は理解しています

必要なのはその回路を断ち切り、女性差別とそれを背景としたミサンドリーとをトランス排除の口実として利用させないことです。

ミサンドリートランス排除に繋がるのでよろしくない」という理解は「繋げる」作業存在を後景化させ、「トランス排除性差別社会への反応としてのミサンドリーが呼び寄せたものだ」という形での正当化可能します。

トランスフォビアこそが問題のはずなのに、それが不可視化されてしまう。

特に清水教授見解は、正直一読ではよくわからないと思うので、二人の意見を私なりにまとめよう。

トランス女性女性である

女性に対するミサンドリー男性憎悪)は成立しない。

あなたトランス排除の原因としてミサンドリーを指摘したとき

あなたは成立しないものを「繋げる」作業を行っているのであり、

すなわち、あなたは「トランス女性男性である」と主張している。

まさにそれこそがトランス嫌悪であるのだ。

最高にポリティカリーにコレクトなロジックだ!

まり女子トイレから男児排除しようとするのはミサンドリー男性憎悪)」「女子トイレからトランス女性排除しようとするのはミソジニー女性憎悪)」で全く異なるものだという理解になるのだろうか?

明らかに同じ人たちが行っている同じものであるのにも関わらず、政治的に正しくないから全く違うものなのだであると。

私には、ただの二重思考ダブルシンク)にしか思えない。

アカデミシャンが配った武器ミサンドリー」は事実として「トランス女性尊厳を奪う」ために使われている。

アカデミシャンは自分の手が汚れていることを認めたくないだけなんじゃないですか?

「ノーディベート・ノープラットフォーミング」戦略と、その皮肉な結末

清水教授トランス排除に立ち向かう戦略として、「ノーディベート・ノープラットフォーミング」を日本に広めたことで有名である

差別者対話してはならない、差別者に発信の場を与えてはならない。

この後者、ノープラットフォーミングの実践実例が、「トランス排除言説に利用される恐れのある本を焼く」、『あの子トランスジェンダーになった 』の出版停止運動である


しかし、『あの子トランスジェンダーになった 』抗議運動に注目すると、ひとつ興味深い観察が得られる。

清水教授基本的沈黙を保っているのだ。まさか差別者KADOKAWA対話しないという原則を貫いたのか?

実働部隊として動いたのは、テニュアを持たない大学院生清水教授の教え子らであった。

仮にいかなる大義があろうとも「本を焼く」行為は、大きな批判を呼ぶ。本来リスクを背負うべきなのは、そのための終身雇用テニュアもつ教授であるはずなのに。


インターネットTV・アベマプライムが「トランスヘイター」を招き、討論番組制作したことがあった。これをノーディベート戦略観点から見てみよう。

【風呂トイレ】性の多様性と女性スペースどうなる?不安の解消は?女装男の暴走は?トランス女性の生きづらさとは?|アベプラ

まず見て取れるのは、清水教授はもちろんのこと、先に言及した若手研究者・文筆家を含め学術フェミニストが参加していないことだ。

トランス擁護する立場で参加したのは、やや所属するクラスタの異なる、ゲイ弁護士南和之のみであった。

またさらに観察を進めると、差別抗うフェミニストはこのような議論に参加しないという、ノーディベート戦略はあまり効果的に働いていないのでは?という疑問が湧いてくる。

弁護士南和之は男であるがゆえに、フェミニズムを前提とする議論では劣勢とならざるをえないからだ。

トランスヘイター」が女の苦しみを語るとき南和之は「あなたの苦しみはフェミニズムよく分かる。自分は男であり虐げる側だ」と認めた。

トランスヘイター」が「男が女性スペースに入るという恐怖」を語るとき南和之は「トランス女性はより虐げられる側なのだ」と苦しい反論しかできない。

正しいフェミニスト女性が一人でもそこにいたら、女性として女性スペースがどうあるべきか語れたはずなのに。

そしてそれでも、SNSでは、南和之は女に対し「マンスプレイニング」しているのだと非難が飛び交った。



番組でも取り上げられている、「トランスヘイター」の日々の活動を見ると、さらに酷いことになっている。

デモにおいて、「女の風呂に男は入るな」という女の声に、覆いかぶさる「トランスヘイター帰れー」と男の声。

「あのトランスヘイター本名は〇〇で家族構成は〜〜。どんどん個人情報を暴いていこうぜ」と語り合う男たち。

おらつき左翼男たちが「トランスヘイター」をシバいてやろうと、「トランスヘイター」と戦っているのだ。

もちろん「トランスヘイター」が返す言葉は、「女の声を聞け!」「マンスプレイニングやめろ!」だ。

はっきり言ってしまおう。左翼男とトランス排除者、どちらの側も争いの大義名分として掲げる諸概念は、アカデミシャンのフェミニストたちがもたらしたものではないのか?

そうであれば、これは、争いの両側に武器を授ける「死の商人」と言われるものではないか

「ノーディベート」により、アカデミシャンは全面に出てこない。自らの手を「差別の穢れ」で汚さないためである

相手が誰であろうと、個人情報危険な場に晒そうとするような行為は不当。そんなこともわからないような愚かな男たちに攻撃されるたびに

トランスヘイター」は自分たちは女の側でミソジニーと戦っているのだという確信を高めていく。

トランス嫌悪は深まるばかりで、分断は更に深くなっていく。

トランスジェンダー生存戦略と称し、実態ジェンダー学者の保身戦略

当事者をただ置き去りにし、トランスジェンダーの生きる道を狭めていく真の原因:ミサンドリーの増幅機械

ノーディベート・ノープラットフォーミング。

2023-12-07

『あの子トランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブーム悲劇』の刊行中止

残念だなあ。読んで判断たかったよ。こんなこと言ったらお前はトランスヘイター糾弾されるSNSなんで

はてな匿名ダイアリーに書いておく

例のトランスジェンダーの本は発禁になってよかったと思う。

いろんな人が発禁なんて独裁だのなんだの言ってるが発禁で良かったと正直思っている。

しか発禁なんて独裁だのなんだの言ってる人の多くはトランスジェンダーの事に詳しくない人が多数を占める

これはどういうことかと言うともし発売された場合

トランスジェンダーに詳しくない人は知識が無いためどこが間違ってるか精査できない(中には調べたがる人もいるだろうけどごく少数だと思う)

トランスヘイターはこの書籍免罪符大義名分として界隈や個人を殴ってくる

トランスジェンダーに詳しい医師当事者やアライは数が少ないために内容を訂正しようにも追いつかない状態になる

他の増田とか見聞きした話だと昔買ってはいけない書籍出版された際の対抗策が『買ってはいけない系を読むな』というタイトル書籍を発行するだったそう

現在ならインターネット反論することも可能だと思うが反ワクチン陰謀論者やトランスヘイターが消えてない以上は難しいかと思う

最悪のケースとして荒れに荒れてそれを見て病んだ当事者自殺してしまった場合

この書籍出版されたのが原因だ!と断定するのはかなり難しいと思うし

大義名分として個人ではなく界隈を殴ってきた場合だと有象無象いるか個人特定することは不可能泣き寝入りしかならない可能性のほうが高い(この場合に事の発端の出版社を相手取って裁判できるかどうかは法律に詳しくないので誰か教えてくれ)

からし蓮根かいわれ大根食中毒があった際に関係ない企業まで風評被害にあってかいわれ大根なんか食中毒とは無関係だったのに倒産はたまた自殺者まで出してしまったので

今回とは経緯も何もかも違うとけどその件も踏まえるとあまりにもリスクが大きすぎると思う

2023-12-06

近藤誠日本国に学ぶキャンセルカルチャー批判:「SNSで伝染する性転換ブーム悲劇」は実在する

追記 (10:05)

明らかに長く書きすぎているので短縮版をまとめておきます

トランスジェンダーの命を守るためと称して、トランスヘイターには対話の場を与えない、主張の発表の場も与えないという戦略を、学者活動家たちが実践している。

今回のKADOKAWA刊行停止はその1つの実例である

しかしこれは30年前の近藤誠トンデモ本」に対して日本医学界が実践したことと同形であり、この前世紀に起きた「キャンセル」は、蓋を開けてみればむしろ失われる命や尊厳が増えたという悲劇に終わった。

キャンセルの力は「対話を重んずる側」に向かっており、患者を守ると称して守られたのは、「正しさ」をパターナリスティック押し付け権威メンツだけだった。

そもそもトンデモ本」が、日本屈指の高リテラシーである編集者たちの会議を通り出版されようとするのは、学術界の市民に対するコミュニケーション課題があることを示唆しており、

今回も、刊行停止本が問題提起した「勘違いトランス」は、多く実在し苦しんでいるのにも関わらず、社会運動上都合が悪いために目が背けられているという実情があるではないか

我々が見習うべき模範例として、『もう一つ上の日本史 『日本国紀』読書ノート』という、ただの揚げ足取り本にとどまらない優れた通史が出版される結末に終わった、『日本国記』騒動提示する。

本文

学芸ノンフィクション編集部よりお詫びとお知らせ | KADOKAWA

[B! 出版] 学芸ノンフィクション編集部よりお詫びとお知らせ | KADOKAWA

2023年12月5日KADOKAWA来年1月24日の発売を予定していた書籍『あの子トランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブーム悲劇』の刊行中止を発表した。

ブコメもこの決定を「トンデモヘイト本出版されるべきでない」と概ね支持しているようだ。

しかし、これは表現の自由侵害するキャンセルカルチャーであるばかりか、現実存在する問題から目を背けるという極めて問題のある対応だと私は批判する。

トランス弁護士南和之の証言性同一性障害特例法の法律相談で多いのは、戸籍女性に戻したい「勘違いトランス男性」」

KADOKAWAトランスヘイト本宣伝」の数週間前、インターネットTV・アベマプライムが「トランスヘイト番組作成したとのことで物議を醸したことがあった。

【風呂トイレ】性の多様性と女性スペースどうなる?不安の解消は?女装男の暴走は?トランス女性の生きづらさとは?|アベプラ

しかしここで取り上げたいのは「トランスヘイト」側の女性たちの声ではなく、彼女らに反論する役割として招かれた、性同一性障害特例法訴訟代理人南和弁護士発言である

上の動画へのリンクは、南和弁護士発言から始めているので「トランスヘイト」な声が怖いという方もご心配なく再生してほしい。書き起こしは以下の通り。

性同一性障害特例法で私は多くの案件もやってますけれども、女性の体を持って生まれた人が男性法律上の取り扱いになりたいというケースの方が私の体感としては圧倒的に多く感じますし、

たこ法律で取り扱いを変えたんだけれども、やっぱり戻したい・間違いでしたっていう方の相談比較的多くて、

それもやはり生まれた時の体は女性だけれども、女性であることのしんどさから私は自分性同一性障害だと私を勘違いした、だから男性って戸籍を変えたけどそれは全然違うかったというわけなんで、

そういった事例も見るとですね、結局女性社会いかに大変かっていうことの合わせ鏡のようではあるんです

まり『あの子トランスジェンダーになった』が問題提起する、「勘違いトランス」は明らかに実在し、そしてそれも全く珍しくないことを、実務家として現実を最もよく知る弁護士が認めているわけである

南和弁護士言及する「女性」に戻りたい彼女らは、一度、女性から男性に一度戸籍を変更しているわけであるから、もちろんただの「自称男」だったわけない。

性同一性障害診療ガイドラインに基づき、2名以上の専門医が「彼は出生時女性に割り当てられた男性なのだ」との診断で一致したはずである

ホルモン治療継続して受け続け、乳房生殖器への手術も行ったのだ。

そこまでしても「誤診」は、「比較的多く」生まれしまうのである

なお、このような「活動家には都合の悪い事実」が、迂闊にも「トランスヘイト番組」で発言されるという珍事が生じたのは

南和弁護士は、活動家である以前に実務家であるという点が強く影響していると思われる。

そもそも純粋活動家トランスヘイター対話を行ったりしない。これを、「ノーディベート・ノープラットフォーミング」戦略という。

この手の内を実践者として明らかにしたものとして、清水晶子東京大学教授2022年8月講演「キャンセルカルチャー学問の自由」が広く知られている。

文字起こし全文は、anond:20220805225632 などにあるが、要点を引用すると

トランスフォビアや反トランス発言を、

ハッピーダイバーシティ食卓自由に表明してよいような、ただのありふれた観点として扱うことはできない。

食卓を囲んでいる誰かが、別の誰かを抹消すべきだと、意図的あるいは事実上主張しているときに、そこに対話など存在しようがない。

あなたを会話から抹消したがっている誰かと「討議あるいは対話」をするとしたら、

「討議や対話」はそれ自体が抹消のテクニックになる。

特定の討議や対話を拒絶することこそが、したがって、生き延びる鍵となる戦略になりうるのである

トランス問題に関するSNSの動きを見ていると、このような思想に殉ずる活動家学者と、現実問題に向き合う弁護士らは、かなり質的に異なる主張をしていることがわかる。

トランスヘイターとは議論しない」と強く対決を訴えるMtF弁護士仲岡しゅんですら、「活動家には「TERFと同じことを主張している」と見做され、私は嫌われている」と漏らすほどである

トンデモ本なのか?トンデモ本出版停止にされるべきなのか?

そうはいっても、「作者の Abigail Shrier はイスラエル信者極右だ!」とか「学術的に徹底的に否定されている!」とまで言われている本だ。

「偶然、問題提起の部分だけあってるだけだ。トンデモ本を元に現実問題議論してはだめだ」との声もあるだろう。

しかし、仮にそれを信用し前提とするとしても、出版停止に追い込むほどの本なのか?

キャンセル問題を最も鋭く突いていると私の考える、「橙⚡️@_0ranssi_」氏のツイートを紹介する。

500000000回言ってるけど、ストレートに人を殺す代替医療本が出版できるのに、たかたがアメリカ有本香お気持ち本が出せないの本当におかしいだろ。底が抜けた感ある。

そりゃあこの本はほとんどが客観情報でなく当事者家族インタビューというストーリーと少しの学術論文(大部分はすでに撤回された論文)に依拠しているけど、ジェンダー界隈で出る本としては特段エビデンスレベルで大きく劣るようなもんではないだろ。出してから批判するのではなぜいかんのだ

https://twitter.com/_0ranssi_/status/1732000851848466644

一方、この論法には以下のような反論も考えられるであろう。

「いやもちろんトランス当事者の命を奪うトランスヘイト本と同様に、「ストレートに人を殺す代替医療本」もキャンセルされるべきだ。あなたが声を挙げるなら協力しよう」

私の反論はこうである

「命を救うためトンデモ医療本は昔キャンセルしたんですけど、むしろ命奪われる人が増える結果に終わったんですよ。本を焼くものは人も焼くって詭弁に見えてある種の真理を突いてます、たとえトンデモ本でも対話を重んじましょう」

我々は「近藤誠からキャンセルカルチャーへの教訓を学ばなければならない。

日本キャンセルカルチャー被害者としての近藤誠医師

現在近藤誠は、「いったいどれほどの人が彼のトンデモ医療で亡くなっただろう!」と最も強い言葉非難されるアンチ医療代表者であるが、彼は出版活動を始めた80年代のその当初からトンデモ」であった。

当時の近藤誠は、誰よりも患者との対話を重んじた(患者主治医の正しい治療をそのまま受け入れろよトンデモ医師め!)。

乳がんに対しては乳房温存する治療法を提案した(乳房全摘すれば安全じゃないか患者を殺したいのかトンデモ医師め!!)。

そして、治療法の選択については統計データを誰よりも活用した(統計個人集団は違う当てにならないよトンデモ医師!!!)。

もちろん読めば分かることであろうが、近藤誠の主張は現代観点からすれば全くの正論である。ただ、当時の日本医療水準からすると悲しいことに「先進すぎてトンデモ」だったのだ。

そのため、近藤誠医師は当時の医学界でハブられ、バカにされ、酷いパワハラに受け、出世の見込みのない窓際に追い込まれたとされている。今で言う「キャンセル」だ。

キャンセルカルチャーの標的とされるのはいつも対話を重んじる側だ。権威は、パターナリスティックに「正しい」結論のみを、「命を救うため」として押し付ける。

これは現代の「ノーディベート」「ノープラットフォーミング」を唱えるジェンダー学者に通ずるものである

その後長い時が過ぎ、医学界においてインフォームドコンセント乳房温存療法・EBMはどれも標準治療となったが、その普及に近藤誠寄与は大きくないものとされている。権威トンデモ認定した近藤誠の話など誰も聞き入れはしなかったからだ。

そして、前時代の「ノーディベート・ノープラットフォーミング」の末に、近藤誠医師はどこかでぽっつりと心が折れ、真のアンチ医療トンデモ医師に変わった。

当時の医師たちは、近藤誠キャンセルしなければ、多くの命が失われると見做したのかもしれない。

しかし当時の医師たちが、「自分たちの医療は誤っているかもしれない」と自己批判する度量を持ち、近藤誠医師対話を行っていれば

近藤誠医師の唱えていた先進医療が早期に導入されただろう、不必要乳房を失い尊厳を傷つけられた患者も減っていただろう、そして後の「トンデモ医師」の誕生が防がれていただろう。

当時の医学界の行ったキャンセルは、救命真逆、命を奪う結果に繋がっていたのであった。

感染症権威として知られる神戸大学医学教授岩田健太郎近藤誠氏との対峙の仕方 として、こうまとめる。

からぼくは近藤氏の本(ワクチンに関する新刊)を真摯に読んだ。そしてまじめに反論するのである。もちろん、再反論の機会は十全に保全して、である

もはや真のトンデモに堕ちた風に見えても対話は続けなければならない。

そうでないと、命を奪う結果に終わった過去キャンセルから、我々は何の教訓も学ばなかったことになるし、

そもそも大手出版社の編集部という日本屈指のハイリテラシー層の編集会議を通るという時点で、「真のトンデモ本」であっても現在学術コミュニケーション課題を示しているのだ。

キャンセルしたところで何も問題解決しない。膨れ上がってより酷い制御できないかたちで爆発するだけである

「命を救う」と称する権威は、トンデモキャンセルが「命を奪う」形に繋がったことが明白になっても誰も責任をとらない。むしろ責任回避のために引退まで自己正当化を続けるので、被害者は膨れ上がり続けるだろう。

百田尚樹日本国紀』騒動に見る真のリベラル勝利とは

私は「実はトランスジェンダーでなかった」問題はそれ自体で1つの本として取り上げられるべき大きな問題ではないか、と考える。

今は「トランスジェンダーヘイトによって自殺する」「ヘイト本は燃やさないと命が失われる」という意見権威だったとして、未来はわからない。

近藤誠キャンセル事例を思えば、「あの本を契機に議論を深めれば……、不要トランス診断・治療を行ったせいで自殺に繋がった事例が減らせたかもしれないのに」となる可能性は相当有りうるのだ。


先に引用した橙⚡️@_0ranssi_氏のツイートでは『あの子トランスジェンダーになった』の作者を「アメリカ有本香」と例えている。

これは、百田尚樹日本国紀』を意識した発言ではないかと思う。有本香編集に深く関わった『日本国紀』は多くの間違い・デマが含まれている歴史修正主義者本だと、左派リベラルから強く非難された。

先程、「真のトンデモ本出版であっても、学術界のコミュニケーション課題を示していると述べた。

日本国紀』ベストセラーという結果にもそれが当てはまる。日本の歴史を統一的に通史として理解したいという読者の需要に、学術界が十分に答えられていなかったのだ。

その学術的により正統な答えとして1つの日本国紀」の批判本、浮世博史『もう一つ上の日本史 『日本国紀』読書ノート』という成果物が生まれている。

この本は、日本国紀批判本でありながら、1つの通史としても読むことのできるよう書かれた名著である

私はこれを『日本国紀』を出版停止にできなかったリベラルの敗北ではなく、成功として見る。

本は燃やすのではなく、批判本によって答えるべきなのである

余談

左派の中で「右派歴史修正主義者たちはこんな愚かなことを言っているwww」といった言説が出回ることがある。

これには私の経験上注意が必要だ。一度LITERAのある記事を読んで元ネタ確認したところ、「LITERA右派歴史修正主義者のやってること以上にひでぇ曲解してるじゃねーか」と感じられたことがある。

実際、敵対する右派からといってそれほど愚かではないし、彼らなりのロジックはあるのだ。迂闊な左派活動家安易に断言してしまうような根拠微妙なところを突いてくることだってある。

もちろん、まともな歴史学者ジャーナリストは、この右派論理を把握した上で、そのような主張は受け入れられないし歴史修正主義だと適切に反論している。

しかし結局より拡散されるのは「右派歴史修正主義者未満」の雑々批判の方であることがあるのである

世の中にトンデモ本は多く、すべてを自分で読んで批判することは困難ではある。

しかし、「アレはトンデモ本だ!」という指摘を読んで、SNS拡散する前に、

その発信が、「読んから批判する」という基礎ができるという人たちなのか、見せかけに身を包んだ扇動家なのか、まず注意深く見定める必要があるのではないか

なおさらに余談であるが、「右派とも歴史問題対話余地があるはずだ」と唱えた代表論客に、日本キャンセルカルチャーの極地ともいえる共産党で「党首公選」求め除名処分を受けた松竹伸幸その人がいる。

2023-12-05

anond:20231205234820

海外で先に出た本の翻訳本で、共著の中に有名な外人トランスヘイターがいて原書で既にバチボコ炎上した後らしい

anond:20231205232809

難しいね

同じリベラル意見を持つ人の中でも今回の件は反応がけっこう割れてたみたい。

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/togetter.com/li/2269842

KADOKAWAも不買しなきゃいかんのか。きついが仕方ない。(新潮半年限定不買中)

不安定精神の子供達の身体を傷つけ不可逆的な健康被害をもたらすトランス手術やホルモン投与は絶対に阻止しなければならない。この件に関して批判者をヘイター呼ばわりしている人のことはよく覚えておくよ。

2023-11-24

anond:20231124094142

その通りやね。

潮目が変わってきていい傾向やん。

https://twitter.com/aoikanojyo/status/1727552659601973426

トランス差別って、その人の人格否定するようなことや命を脅かすような攻撃をすること、服装自由などを制限するようなことを指すのかと思ってたけど、女の人が安全不安があるのでスペースは分けたいっていうわりと全うな主張にたいしてヘイター扱いなの、なんかタガが外れてないかと思う

2023-11-19

はてブ常連オタクヘイターの面々がジャニ宝塚・結弦の件ではすげーおとなしい件

日夜365日オタクの「わきまえ」をもとめて戦う表現規制アラフィフオタクヘイターの面々がジャニ宝塚・結弦の件ではクッソ大人しくね?

2023-11-15

anond:20231114222044

トランスカルト』は違うのでは?

トランスカルト』が「トランスジェンダーの自認による性別変更を広く認めるべき」ぐらいの立場なら、フェミニストを含むリベラル学者法律家のかなりが含まれ、暇空と支持者、ネトウヨと呼ばれる層の多くは反トランス立場で、対立していますが。

しろ、『トランスカルト』の反対側、反トランス・TERF・トランスヘイターのような先日の最高裁判決文句を言ってる人々は、出自フェミニスト女性だとしても、ネット保守運動ネトウヨ)に合流していますよね?

自民党保守議員メンバーの「女性を守る議連」や産経新聞の反トランス記事自分たちの味方だと持ち上げて。

2023-11-14

じゃあ橋本愛ってなんで批判されたわけ?

https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/255951

体の性に合わせて区分する方がベターかなと思います

この発言を「トランス差別」「トランスヘイト」「トランスヘイターだ」って批判していたトランスアライはなんやったんや?

anond:20231114161250

トランスジェンダーのせいにできるとありがたいのよね。だからトランスジェンダー変態トランスジェンダートイレ風呂に入りたがっていて犯罪助長しようとしているという論調に持っていけると嬉しいんだわ。

性犯罪は「男が悪い」ということにされてそっちに注目されると、まともな性教育を行っていないとか、親が男のヤンチャを甘くみてきたことが悪いとか、これまでの政策教育のあり方が良くないというところにもつながる。

なぜか女性産む機械扱いしてる右派がこぞって「女性スペース」に関してだけは女性差別!とか声高に叫んですり寄ってくるのはここ。

男は悪くない、右派の言う行き過ぎた性教育(笑)とやらを阻止したい、伝統家族観(笑)を守りたいとか。トランスジェンダー存在しない、すべてホルモン値かそのへんで男女の区分けはできるとか。

さらに言うと、トランスジェンダー女性という属性の人はトイレから排除して良いという実績をつくりたい。

属性によって施設利用制限して良い、女だからここを使うな、障害者は出ていけ、外国人は出ていけ、を言いやすくなるんだよね。

あとトランスヘイターに乗っかる女の人達見ながら「やっぱ女ってバカばっかだな〜」って女性蔑視も強化してるんだと思うわ。口先では「女性安全を守ります🥺」とか言ってるけどそんなもんよ。

性犯罪の9割以上はシス男性犯罪で、トランスがやってる部分なんて0.1にも満たないのにシス男性犯罪ときより大騒ぎして狂ってる女見て爆笑どころか一周回って引いてるとこすらある。

anond:20231114183327

トランスヘイター馬鹿低能だということをわざわざ示してくれてる親切な方に失礼だぞ

ちゃん逮捕されて良かった!

でもなんでトランスヘイターたちは喜ばないの?

男に見えるやつが女風呂に来たらちゃん逮捕されてるのに。

男も女風呂に受け入れないといけなくなる!って発言するたびに「そんなことないですよ、嫌なら文句言って逮捕してもらえばよいですよ」って言ってあげても「逮捕されずに受け容れないといけなくなる!!」とか騒いでたのトランスヘイターじゃん☺️

どうしちゃったの?

2023-11-12

anond:20231112220919

日本最高裁歴史修正主義支配されていたのか……

恐ろしいな。そういう陰謀論を信じてしまっているトランスヘイターの脳が。

2023-11-02

anond:20231102161730

ここまで丁寧に説明してもトランスヘイターミソジニスト偏見クソジジイの口にはそれしかでてこないの日本はもうお先まっくらだな

anond:20231102161156

で、「女性下方婚しない」って他責文脈でとなえまくったおまえの罪を数え終わったか? anond:20231102161600 他人のフリしてにげるなトランスヘイターミソジニストエロジジイの分際で

anond:20231107181031

anond:20231102160631

え、なに、これでおわりぃ? 何?今の全力の逃げ? 下方婚トランスヘイターミソジニストクソジジイエロジジイでした 最悪 ネットに書き込む価値もないゴミ なにがマクロ

anond:20231102155106

でも現実問題そうだよね。女は妊娠させられたら育成「しなければならない」。

ところでおまえは本当に前言ひるがえしまくってはずかしくないの?蝙蝠みたいに都合のいいことばっかりいってるけど

なんでトランスヘイターじゃないなら

女性女性と」結婚することも非難したの?同性婚は片方にとって必ず上方婚になってるけど「しない!」ってなに、無視非難

自己紹介でどんどん深みにはまってるけど頭大丈夫

トランスヘイターこみのミソジニスト偏見クソジジイ正直に謝っとけよw

anond:20231102154610

かなり読みづらいんだけど、

少子化女性家事男性が稼得を担当するような性別役割分業的なアプローチ解決出来ますっていう極めて反動的な主張をしてる?

TERFじゃなくてトランスヘイターネトウヨ

何故増田トランスヘイターの巣になってしまったのか

嘆かわしいことです

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