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2021-06-07

anond:20210607110843

今までの人生軽んじられたうえで晩年幼児扱いとか精神にきそう

2021-06-05

キンモクセイわんこ

庭に金木犀を植えたいと言って、苗木をホームセンターで買ったのは小学生の頃だった。テレビか本か、何かに影響を受けて憧れて買ったその苗木は、植えてすぐに虫がつき、葉はいつでも穴があいてひょろっとした実に貧弱な様子で、ただただ背丈だけを伸ばしていた。

葉付きも悪い病気持ちの金木犀につく花は僅かばかりで、正直植えて数年は自慢の匂いすら薄かった記憶がある。

そうして鳴り物入りで入ってきた若木の前に、我が家の小さな庭には外飼いのわんこがいた。飼い主の知識不足によって、若いからフィラリアにかかりずっと病気と闘っていた犬である。そういうと一見可哀想様相だが、この犬は平均以上に丈夫な身体を持っていた。大きな身体と、ちょっとだけ荒い気性もあって外目には彼が病気でずっと薬を飲んでいるような犬には見えなかったと思う。

たまの発作で苦しむことはあれど、それ以外は概ね元気な子だった。

そんなわんこは持ち前の丈夫さで、大きい体躯ながら15年ほど生きた。

我が家ヒーローはある日突然階段を転がるようにいっきに容態を崩し、あっという間に天に旅立ってしまった。

そうして、彼がいなくなった頃から帰宅する度に寂しい思いをしていた庭に大きな存在が目につくようになる。

あれほど何をしても貧弱だった金木犀がみるみるうちに枝葉を伸ばしはじめたのだ。薬をやめたにも関わらず、自分から病気を跳ね返し、翌年には幹を太くさせ、初めて大量の花をつけた。

ただの偶然だったのかもしれない。それでも病気の割りに驚くほど元気だった犬を思うと、この木から生命力を分けてもらっていたのか?と考えずには居られない。誰に言っても変な顔をされるが、あの木もわんこを助けてくれていたのだ、と私は思うようになった。

そうして、いくらも間を置かずに生後間もない捨て犬が寂しい我が家に転がりこんでくることとなる。二代目は初代とはまるで違う性格自由奔放な犬であった。我が儘しほうだいの彼女は、初期のワクチンも手伝い、大きな大病もなく育ったが、晩年脳梗塞を数度起こし、幾度となく快復しながらも、最後には寝たきりのまま逝ってしまった。二代目を亡くして日が浅いので、つい元気のない時ばかりを思い出すが、そんな彼女は19年と半年を生きた。中型犬にしては大往生といえるだろう。脳梗塞から三年ほどは眩暈と痙攣を繰り返し、何度も獣医後遺症が残るかもと言われながらきっちり後遺症なく復活する姿はとても逞しかった。倒れたときすら今度も、と皆が思ったけれど、流石に本人の体力も限界だったのだろう。最後までよく頑張ってくれた子だった。

しかし、二代目が息を引き取る3日前。家族金木犀の枝の殆んどを切り落とした。あの日を境に元気になった木は隣の家に迷惑をかける程に成長した為、仕方のない剪定ではあったが、整えるというにはやりすぎな程すっきりした姿に絶句したものだ。ただの迷信。ただの偶然。それでも、金木犀自分が生きるための力を注いだがために、二代目の不思議な元気の糸が切れてしまったのでは?と思うのを止められない。

無残に切られた金木犀は、一年程の花は見られないと言われながらその年には新しい枝を伸ばし、見事満開の花を開かせた。実に生命力の強い木である

元気なわんこたちを見守ってくれていた、うちの守り神は、いまも元気に相棒のいない小さな庭に君臨している。

2021-06-02

毒親

直60くらいで死んで欲しかったな。

両方とも。

ただでさえ、変な宗教教育されたりして

周りよりスタートが遅れたんだから

晩年、訳の分からない事しすぎ。

どれだけ邪魔され、可能性を潰されたか

18で、完全に縁切って

反抗期大事

死なないまでも、縁、関わりは完全に

切るべきだった。

成人したら他人

まれは、本当に大事

努力カバーできない部分があるが、

負けない。無視しながらがんばるわ。

2021-05-23

anond:20210523211519

生きていけるならいいんじゃない?

晩年寂しい思いをするかもしれんけど、趣味仲間でもみつけて楽しくやろう。

2021-05-20

anond:20210520181728

絵なら遅いということはないでしょ

伊藤若冲とか晩年から書き始めた画家いくらでもいるし

祖父引退したあとに、習字を初めて最終的に中国までいくことになった

今が人生の一番若いときなんだからてきとーにやってみたら?

2021-05-16

anond:20210516122138

まぁ自分たち政治的晩年象徴セレモニーである東京五輪を潰されたと感じる(少なくとも彼らの主観においては)自民の老人が、どれぐらい獣性剥き出しの有害存在になるかってのはあるわな

今でも有害?今以上になるって話だyo

2021-05-13

子供のころ誕生日ケーキを買ってもらえなかった思い出

買い物に行って、スーパーに入っているケーキ屋さんの前を通った時にふと5号のホールケーキに目が留まった。

今まではっきりホールケーキの値段を知らなかったけど3千円くらいだった。

みんなが誕生日ケーキを食べていると知って、欲しくなって自分も親にねだった記憶があるが、一度も買ってもらったことはない。

両親ともに教員別に貧乏というわけじゃなかった。

自分も兄も大学院まで奨学金なしで行かせてくれたし、父は余ったお金晩年別荘を建てている。

欲しがれば望遠鏡だって買ってもらえたと思うけど誕生日ケーキは買ってくれなかった。

今考えてみると誕生日ケーキを買う意味を見出せなかったんだと思う。

ゲーム自分バイトして買うまで持っていなかった。

でもお祭りの出店で高くて衛生的でない食べ物を食べ歩いたり

わざわざそうめんを流して食べたり、誕生日に切られてないケーキ食卓に並んだりする経験も大切なんじゃないかなと、ふと思った。

それだけ。別に両親を恨んだりはしてない。

2021-04-23

anond:20210423082614

そうでもなけりゃ誰もマヤノトップガンがどういう戦い方したなんてわからんだろ

嫌いって言われてるうちは華よ

マヤノトップガンって言われても「トップガンってあの映画の?」って言ってくれる人すら少ないでしょうよ

 

そんな中であの腹出し女を育てて「コイツしかダート馬育てられないし、ようわからん内容でやる気無くなるから育成難しすぎて嫌いになりそう」とか言われてんのよ

中身のない嫌いじゃないの、ちゃんと育ててその難しさを鑑みた上で「嫌いになりそう」なの

あと理解を示してる奴は「でも嫌いとか言ってる奴はメスガキを好きになる素質があるよね」って言ってるだけなの

 

まぁ実馬とは関係がないよ

実際の育成とか活躍とか、マヤノトップガンっていうウマ娘見てるだけではわからん

それでもそのストーリー追従が出来る

ナリタブライアンとの熱戦、あの故障を超えて頭を下げられなくなったナリタブライアンと激闘をするマヤノトップガンストーリーが楽しめる

 

じゃあ実馬の方はどうだったんだよ

あんもんじゃねえだろ

育成が出来損ないになったウマ娘プレイヤーみたいなしょうもない走りはしてないだろ

外側から戦闘機がぶっ飛んでくるような衝撃は現実マヤノトップガンしか出せないだろ

たとえ晩年であったとしてもナリタブライアンと激戦を繰り広げられたのは実馬のマヤノトップガンしかいないだろ

ウマ娘だけでは描写しきれない素晴らしさは増田が一番知ってるだろ

それをTwitterで語ればいいじゃない

そうして思い出せばいいじゃない

そこからサジェスト汚染し返せばいいじゃない

 

二十年前のあの日、あの夕暮れに走り去っていったあの馬の姿を誰も彼もが思い出せるようになればいいじゃないの

2021-04-12

差別用語「チョン」って既におっさん、おばさんが使う古い言葉なんだってね……

5ちゃんねる見てたら「在日チョン発狂www」みたいな煽りレスがあったんだが、チョンとか昭和かよ草とかいい年して掲示板差別語書いてる晩年虚しすぎだろとか哀れみのレスが並んで、そもそも人種差別主義者は来んなとか言われてたりで時代の変遷を感じたよね。特に意識高いスレでもないのに驚き

だったが、チョンという言葉昭和とか言われてたのには驚いた。ネトウヨの皆さん、チョンっておじさん、おばさんを彷彿とさせるそうですよ

2021-04-10

弱者男性趣味に生きがいを見出しても晩年の強い後悔から逃れられない

弱者男性セックスしないと救わないが弱者男性であるがゆえにセックスできない

従って弱者男性階層が固定された時点で人生終了

2021-04-04

anond:20210404101727

そもそも網野自身が「国民物語」を必要と考えていたってのも疑問だし

疑問どころか、網野氏の史観は「国民物語」との格闘の結果と言ってもいいくらいだよ。

それが形を変えて「日本とは何か」や「天皇とは何か」に繋がっていく。

この辺は最晩年の対談集「日本をめぐって」の最終章小熊英二との対談でかなりあけすけに語っているので、是非。

https://www.amazon.co.jp/dp/4062110237

国民歴史学運動については、同じく小熊英二の「<民主>と<愛国>」の第8章に詳しい。

あと呉座氏や亀田氏が、ベタに「国民物語」を希求している訳はないけど、トータルヒストリーの語り口としての「国民物語」に、関心がないはずはないと思うんだよね。

いずれにしても、歴史家はそう単純ではないと思います

anond:20210404130337

どないせーか、教えたら言うこと聞くんだ?

じゃあ働いて税金納めて晩年毎日誰にも迷惑をかけないようにブルーシートしいて寝ろ

国民健康保険使うな、介護保険使うな、年金貰うな、下の世代に頼るな、介護されるな

2021-03-29

本屋はどうなっちゃうんだ

本屋が好きだったし、一度は書店員として頑張ってたこともあるけどもう嫌になって辞めた。

最近どこの本屋にもヘイト本トンデモ健康本(スピリチュアルニセ科学)コーナーが絶対にある。しかも店の配置的にイチオシ商品を優先的におくような場所平積み・ドカ置きで激推しされてることが多い。

店員だった頃、年配のお客さんたちが新聞広告に出ていたから〜とニコニコしながらそういう本を買い求めていた。私たちが探しやすいようにってわざわざ新聞の切り抜きまで持ってきてくれるんだよ。いつもレジでなんでもないことにありがとうって言ってくれる、取り置きしただけでも感謝してまたくるよって言ってくれるような優しい感じの人も、そういう変な本を買っていく。キツい。例えば年配の人がトンデモ健康法を信じて病院治療拒否したりして最悪のことになったらどう責任取れるの?こんな優しい物腰の人たちがヘイト言説を吹聴するようになって晩年に身近な人たちの信用とか一気に失っちゃったらどうするの?自己責任って言うの?いい加減な内容の本を大量生産して、勝手に配本するのやめてくれないかな。私は店長とかじゃないか拒否する権利がなかった。そのまま並べて売れないでくれって願うしかなかったけど売れていく。ほんとキツい。

たぶんこういう人たちは本の権威をまだ信じてくれていて、本になるくらいだから立派な内容と認められたものを立派な先生が書いてくれたんだろうなーって楽しみにしてるんだと思うよ。すごい、そんな不思議なことで病気が治るんだ!とか、テレビちょっと軽薄なメディアという認識?)は扱わない、難しい内容とか歴史問題真実を硬派で堅実なメディア、本こそが教えてくれるんだって信じてるんだよ。

本が売れないのはわかるよ。でも、こういう過激ものに頼らなきゃ本当に売りたいものが作れないとか仕方なかったとかそう言う言い訳トンデモ本にハマって亡くなったり人間関係失った人に向かって言えるの?

本が好きから本が売れない時代でも頑張ろうと思ったけど無理だったよ。最低賃金も長時間労働もきつかったけど頑張れた。でもデタラメ本を売り切るためにいっぱいPOP書いてオススメですってニコニコ笑顔で言うのは無理だわ。

いつも来てくれるおじいさんが「おすすめ広告?書いたの君なんだ!内容がわかりやすかったし上手だから買っちゃったよ〜読むね〜!」って買ってくれた本、だめだよ。絶対信じないでほしいし二度とこんな本を置く本屋さんなんかに近寄らないでほしい。だから続けるのは無理だった。こんなことしてたら「本屋」は死ぬ。本はもう少し生き続けると思うけど。

いいものも悪いものもある、受け取り方によって毒にも薬にもなるのが本だって簡単に言うことはできるよ。でも何が正しいかすら思考停止するようならもう、本という権威はどこかに返上しといてくれ。

2021-03-17

anond:20210317083508

コンピュータに少しでも興味があれば知らない人はいない御大アラン・チューリングとかなあ…

天才的な頭脳と偉大なる功績がありながら、晩年同性愛の罪で投獄とか、つらすぎる…

2021-03-09

死んだ飼い猫との思い出

時々ふと思い出す、数年前に死んだ愛猫のこと。思い出すたびに胸の底が冷たくなる。

先に書いておくが、飼い主としてとかではない。私は猫は好きだけど飼い猫にイマイチ愛情を持てなくて、他の家族が可愛がっているのを遠目に見ているくらいだ。

数年前に死んだ猫は私が小学低学年の頃に母が知り合いからもらってきた猫で、大柄で毛が長くて臆病な子だった。

先住猫が既に1匹いたが、結局最後まで仲良くはなれなかった。

若いから晩年まであんまり活発的に動くこともなく"ネコ"の名に相応しいくらい寝てばっかりだったし、そのくせ食い意地だけは張っていて、人が何かを食べていると結構確率で起きてくる。あと人馴れもしなかったんだけど、亡くなる少し前には何故かとても人懐こい猫になっていた。

私は飼い猫が嫌いってわけではなったけど、他の家族が飼い猫のことをずっと可愛がっていたから、ほっといても誰かがやってくれるし世話もしなくて良いや〜っと思っていた。事実、母が頻繁に餌をやっていたし、父は凄く凄く溺愛していた(+トイレ掃除)し、妹は散歩に連れて行ってあげていたので、私の出番は殆ど無い。別にやりたいというわけでもないので、特に何も気にすることはなかった。

飼い猫が亡くなる数ヶ月前、家族で行った買い物先から帰ったところ、キッチンの床に血が付いていた。みんなビックリして何の血かと探したら、飼い猫の口周りに血が付いていた。痛そうにしてるとか怪我してるとかもなくて、本当にいつも通り座っていたものから「鳥とか生肉とかでも食べた?」と考えたりもした。

次の日に大事な親戚の集まりがあって、どうしても欠席は出来なかった。まー普通にしてるし、大丈夫でしょ。みたいな雰囲気になったけど、私は心配で仕方なかったので、飼い猫を壊れかけのキャリーケースに詰めて、検索して出てきた遠くの夜間病院まで行った。

もう終電間際だったから途中で電車が無くなったので、深夜の住宅街をひたすらに歩いてやっと着いた病院。結果は何にも無かったんだけど、何かあったらいけないからということで獣医さんが紹介状を書いてくれた。

それから紆余曲折あって、数ヶ月後に突然死してしまった。今回の話とは関係ないので端折るけど、良い死に方はしなかった。厳密に言えば母のせいではないんだけれど、母が発端となり亡くなってしまったので、母は一時期とても落ち込んだ。

で、初めて飼い猫が死んだので知らなかったんだけど、火葬用の車が家の近くまで来てくれて、一応葬儀らしきものをしてくれるらしい。私は暇だったから参加することにした。父と妹はどうするんだろ?と思っていたところ、二人は「欠席する」との事だった。

???父は元々冷血漢だから別にだけど、妹はイベントか何かがあって行かれないとかで???ん??あんなに可愛がってたのに????世の中にはペットが死んだ場合有給申請が認められてるらしいが、我が家では誰も取る人がいなかった。この記憶が、私の中の心がヒヤッとする思い出の一つである

葬式は、母が終始大号泣葬式を取り仕切ってた人(?)もつられて大号泣、安っぽい小サイズスピーカーから流れる安っぽい音のG線上のアリア。私はこういう"ほら、泣けよ"という演出(捻くれててすまない)が昔から苦手で、気持ちが冷めて二人の雰囲気にどんどん置いてかれて居心地が最高に悪かったことを覚えてる。あと当たり前なんだけど、死後硬直した猫って人形みたいな感じで、死体がすごい苦手なので触らなかった。生前は触れてたのに。

大体1時間くらい近所で骨を焼いて、戻ってきた。母はまた泣いてたけど、私は何も感じなかった。死んだと聞いた時も、葬式の間も、骨になって帰ってきた時も、今もずっと。

何も無いというか、10年以上居た飼い猫が死んだことよりも、その周りのことの方がよっぽど感情を揺さぶられるというのが近い。

あんなに可愛がってたと思っていたのに、飼い猫の死をきっかけに"みんな実は言うほど可愛がっているわけじゃ無いのでは?"と考えるようになった。いや、勿論、世話をたまにしかしない私より、世話をしてるみんなの方が愛情はずっと深いと思う。

でもたまに、あの葬式前夜のモヤモヤ感や、夜間病院の道のりを思い出しては、何とも言えない感情が湧き上がる。

葬式の当日、父は様子を尋ねることもなかった。妹は聞いてきたけど、上記の通り私は完全に気持ちが離れていたので、母のことを中心に伝えた。それ以上のことは聞かれなかった。

夜間病院の時、冬間近で小雨も降っていて、寒くて心細かったけど、今考えてみれば飼い猫との唯一の思い出だ。壊れかけのキャリーケースの中でたまに細く鳴く猫の声を頼りに歩いた暗い道を、今でも覚えている。ちょっとスタンドバイミーみたいだとも思う。

もし飼い猫に何かあった時、真っ先に立ち上がるのは自分じゃなくて誰かなんだろうなーと自覚してたし、他の家族にも「アンタは飼い猫に興味ないよね」言われた。きっとあの日までは事実だった。愛情って何だろうね。私が何かあった時、家族に同じ対応されたら、そして手遅れになってしまったらどうだろう?と時々考える。

因みにここまで書くと母が一番猫のことを思っているように見えるけど、多分母が中でも特にヤバい。私よりヤバい。詳しくは書けないけど、猫の対応見てると「あ、この人はやっぱり毒親なんだな」と再確認させられる。

2021-03-08

地方地主が失敗した話

 私は地方の中核都市に住んでいて、祖父の代から貸しビルといくつかのアパートを所有している、いわゆる地主というやつだ。

 祖父農家だったが、自分農地の近くに駅ができて固定資産税がはね上がったので、仕方なく農地の半分を売り、残りの農地の上に売ったお金ビルを建てたらしい。

 祖父最初こそテナント賃料の集金をやったりして、不動産管理みたいなことをしていたらしいが、途中から不動産管理会社に任せ、晩年自分がやる必要がある事務も父に任せていた。祖父は少しだけ残せた畑で野菜を作り、テナント中の人にあげたりしていた。悠々自適生活である

 その祖父が一昨年に亡くなった。事業用の土地に関しては全て父が相続することができ、円満相続ではあったが、祖父も父も相続税のことは深く考えていなかった。父は、税金の申告を任せている年配の税理士相続税について相談したが、アパートの数が多くて相続の方は面倒が見れないので他をあたってくれと言われ、大きな税理士事務所に相談に行った。その中で、試算しただけでも相続税だけで軽く数億円はいくと言われた。うちの持っている物件収入の十数年分の金額らしい。父はとても払える金額ではないと嘆いていた。

 仕方ないので物件を売って納付資金にすることにした。相続税は亡くなってから10ヶ月以内に申告と税金の納付をしなければならないらしい。そのため、最初アパートをいくつか売って、収益率の高いビルの方は残しておく予定だったが、不動産会社に相談したら「ビルの方ならすぐに売れますよ」と勧められ、ビルの方を売ることにした。

 しかし、買い手はなかなか現れなかった。世間コロナウイルス流行り出し、この頃にダイヤモンドプリンセス船内の集団感染ニュースになっていた。このままコロナ流行していったらずっと売れないのではないかと震えていたが、最終的には相談した不動産会社が事情を汲んでくれ、近くの地価公示価格くらいで買い取りたいと言ってくれたので、それで売ることになった。

 なんとか売ることができ、相続税の納付をすることができた。相続と売却の件が一息つき、父は生前祖父が仲良くしていたビルフロアを借りている人に挨拶に行ったらしい。そこで父は不動産会社が別の不動産会社にビル転売していたことを知った。売り手が見つからないと言っていたのに実際はすぐに転売していたのだ。

 父は最初こそ不動産会社を訴えてやると息巻いていたが、最近トーンが落ちてきて、今のところ何もしていない。

 何が悪かったのか。色々調べてみた上で、個人的には地価公示安易に信頼しすぎたことがよくなかったと思った。

 うちのビルやその近くの公示地は、駅前の目抜き通りに存在する。この地点の地価公示価格が上昇に転じたのは景気が良かったここ数年だけであり、それより以前はバブル崩壊からずっと下落していたと評価されていた。

 しかし、目抜き通りに面して立っている建物10棟くらいしか無く、かつ、その建物も売りに出ることは少ない。取引があまりない地域であるため、価格を決めることが難しい土地だったのではないだろうか。

 公示価格は「正常な価格」を表しているとされている。しかし、売買に参加するプレーヤーが少ない土地場合、正常な価格が成立することの方が珍しくなる。ビルの近くにある公示地の不動産鑑定評価書を読んでみたのだが、売買取実例補正を加えて公示価格を導き出している部分において、その取引実例に「環境要因」という項目で上下30%近い価格補正をしている事例があり、売買価格に大きく手を加えないと公表している公示価格を導き出すことができないのではないかと感じた。

 後悔があるが、これからは残ったアパートをうまく利用して暮らしいかないといけない。管理会社に任せっきりにせずに少しでも経費を減らすこと、そして、界隈との付き合いやリサーチを大切にして、必要であれば売り抜けるタイミングを見極めないといけない。

 ただし、父はやることの多さに絶望したのか、全く動き出そうともせず、最近は夜の酒量が増えている。

 私もヤケクソになってしまい、お酒の力を借りて、初めてソープランドに行ってきた。出てきた嬢はガリガリ体型のバンギャ風で、全く好みではなかったが、勢いに任せて最後までやった。家に帰ってきて口の中を見たら、舌のあたりから血が出ていた。嬢とベロチューした時に口の中に硬くひっかかるものがあった気がしたのだが、舌ピアスでもしていたのだろうか。ベロチュー中に出血して、衛生的に大丈夫なのだろうか。こんなことになるなら、ネットで店の評判くらい確認するべきだった。すっかり気分が萎えしまい、思わず独り言漏れしまう。

「何事も舌調べが大切だった」

2021-03-05

欲しいから買う

欲しいものが高いから買えない

欲しいものが安いから買う

いから買う

いから買うって人は

晩年、使わないもので部屋が埋まる

2021-03-04

anond:20210303115426

ハイヒールモモコネタで『FIFA』を「ヒーハ」ってのがあったなぁ(晩年期だったのでやってる二人とも苦笑状態なのがまたイタかったやつ)

2021-03-01

必読書コピペマジレスしてみる・自分オススメ41冊編(1)

日本文学編(anond:20210222080124)があまり注目されなかったけれども、記憶を頼りに続きを書く。

芥川龍之介河童

どの作品を入れるべきか迷った。古典翻案に見られる知性とユーモア晩年作品にみられる迫害的な不安、どちらの傾向を持つ作品であっても、元文学少年の心をひきつけてやまない。特に歯車」などの持つ、すべてのものが関連付けられて迫ってくる凄味は、学生時代に再読したとき、行き詰まりかけていた学生生活不安と重なり、ただただ恐ろしく、読み終わってからしばらくは寝床で横にならされた。

河童」を選んだのは中高生の頃で、河童の国を旅する要素に心を惹かれたことを思い出したからだ。それは、大学生の頃よりも不安が弱かったからなのか、この作品に潜む女性への憧れと恐れが自分に響いたのか、あるいは架空世界架空言語に魅せられたのか、その理由はわからない。

ハンス・クリスチャン・アンデルセン雪の女王

アンデルセン小説を読んでいると、きっとこの人モテなかったんだろうなあ、ってのがひしひしと伝わってきて、何だったら今晩一杯つきあうよ、的な気分にさせられる。一人寂しいときへの痛みと、女性への復讐心が入り混じっていて、読んでいて心がきりきりとする。

で、この作品の中でひたすら「いいなあ」と思うのは、悪魔の鏡のかけらが心の中に入ると、どんな良いものもその欠点ばかりが大きく見えてしまうという設定だ。

ところで、ディズニー作品価値貶めるつもりはないけれど、原作とは全然違う話に似たタイトルをつけて世界中に広げるのってどうなんだろう。デンマーク人は怒らないんだろうか(「人魚姫だって原作改変をやってるし……。いや、ディズニー普通に好きなんですけど、最近こうした異文化の扱いって難しいですし……)

グレッグ・イーガン祈りの海」

「白熱光」にしようかと思ったのだが、これはエイリアンニュートンアインシュタイン物理学自力発見していく過程が延々述べられるだけの話で、燃えるけれども物理学の基礎をかじっていないとちっとも面白くないのでやめた。ついでに、彼の欠点として「科学者エンジニア最高、政治家宗教家文学者は役立たずのクズ」という態度を隠そうともしないところがある。要するに理系の俺TUEEE小説なのだ。それに、しょっちゅうヒロインから説教されるし、作者はいったいどういう恋愛経験をしてきたか非常に心配になる。

そうしたえぐみ比較的少ないのがこの短篇集で、最初に読んだ本だから愛着がある。それに、上の隠しきれない欠点にも関わらずイーガンが嫌いになれないのは、科学的な真理に向き合う姿勢と果てしのない好奇心がかっこよく、さらに己に課した厳しい倫理に身が引き締まるからだ。

カズオ・イシグロ日の名残り

友人と富士山に登るときに持っていったこともあり、これも自分にとって思い出深い小説だ。これは、大戦後の新しい時代適応できない英国執事物語である

彼の小説の語り手は基本的には何かを隠していることが多いので、いつも歯に物の挟まった言い方をする。そのうえ、誰もが自分の信念にしがみついているものから登場人物同士の会話は勝手な主張のぶつけ合いになり、実のところ会話になっていない。

カズオ・イシグロはそうした気持ちの悪さを楽しむ作家だ。そして、「日の名残り」は自分の本当の気持ちに蓋をして生きている人、やりたいことよりもやるべきことを優先してしまう人に、刺さる作品であるに違いない。

ミシェル・ウエルベック素粒子

彼の作品不快だ。主人公のボヤキは原則として次の通り。俺は非モテから思春期の頃には思いっきセックスできなかった(2023年10月3日追記。「処女と金銭のやり取りなしでイチャラブできなかった」が近いか?)。中年になって女を金で買えるようになったが、ちっとも楽しくない。子供も老人もみんな大っ嫌いだ、バーカ! これはひどい

作中に出てくる西欧文明の衰退だのなんだの宗教への逃避だの一見知的に見える議論も、すべて上記の嘆きを補強するためのダシに過ぎない。それでもなお、なぜオススメに入れたのかというと、人をエゴ抜きで愛することの難しさを逆説的に語っているからだ。そして、自分が愛されておらず、必要ともされていないと感じたとき人間がどれほど孤独とみじめさを感じるかを緻密に描いている。皮肉なことに、これは性と愛について真摯思考した書物である

ただ、どの作品も言っていることが大体同じなので何冊も読んではいない。

ヴァージニア・ウルフ「ダロウェイ夫人

僕がウルフのことが好きなのは、単純に文章が美しいというだけじゃなくて、迷っている人間の頭の中で浮かぶ複雑な段階が細かいところまでよく見えているからだ。例えば親しい人への憎悪が浮かび、言葉ではそれを否定して見せるが、態度にふとこぼれ出てしまう。そうした過程子供が貝殻を見つけたときのように、ひとつひとつ並べている。

そして、意識の流れとでもいうのか、ある人物意識から別の人物意識へと、外界の描写連想を経てシームレスに移行していく感じが、本当に巧みな脚本映画みたいで、やっぱり映画って文学から相当影響を受けてるんじゃないかって勘ぐったりするのだけれど、本当のところどうなのかは知らない。眠る前の自分意識もふと過去に飛び、すぐに現代に戻り、夢想し、眠りに落ちていく。

灯台へ」とどっちにするかこれも迷った。

ミヒャエル・エンデはてしない物語

さえない少年万引きした小説を読んでいると、いつしかその物語の中に取り込まれしまう。これは主人公異世界に行き、そこでなりたい自分になるが(まさに公式チートだ)、その報いとして自分自身が本当は何者であったかをどんどん忘れてしまう。何よりも面白小説なのに、その小説現実に向きあう力からではなく現実逃避の手段となることの危険性を訴えている。主人公が万能チート野郎になってになってどんどん嫌な奴になっていく様子は必見。また、後半で主人公を優しく包み込む人物が、私の与えたものは愛でなく、単に私が与えたかったものに過ぎない、という趣旨台詞を言うシーンがあり、これが作品の中で一番自分の心に残っている台詞だ。

ちなみに子どものころ映画版を見て、原作とは真逆メッセージストーリーになっているのにショックを受け、初めて原作破壊行為に対する怒りを覚えた。僕が大人商業主義を信用しなくなったのはこれ以来かもしれない。

円城塔文字渦」

基本的自分は何かを知ることが好きで、だから知識の物量で殴ってくるタイプの彼の作品も好きである。それでいてユーモアも忘れないところが憎い。フィクションとは何だろう、言葉文字物語を語るってそもそもどういうことだろう、そうしたことをちらりと考えたことがあるのなら楽しく読めるはず。「Self reference Engine」で抽象的に触れられていたアイディアが、漢字という具体的な文字によって、具体的な形を与えられている。

元々SFの人だけれども、最近日本古典にも守備範囲を広げ始めていて、SFが苦手な人も楽しいと思うし、慣れたらSFにも手を出してほしいとこっそり思っている。

遠藤周作沈黙

どうしてこれほどあなた信仰しているのに、手を差し伸べてくれないのですか。せめてささやか奇跡あなたがいらっしゃるということだけでも示してください。そういう人類が何千年、何万年も悩んできたことについて。神に関しての抽象的な疑問は、具体的な舞台設定を与えないと机上の空論になる。

以前も述べたが、ここに出てくる仲間を裏切ったりすぐに転向したりしてしまう情けないキチジローという人物がとても好きで、彼の「迫害さえなければまっとうなキリシタンとして生きられたのに」という嘆きを、情けないと切り捨てることができない。

ただただ弱くて情けない人物遠藤周作作品にはたくさん出てくる。だから好きだ。僕が文学にすがらねばならなかったのは、それなしには自分の弱さ、愚かさ、卑怯さ、臆病さ、ひがみを許せなかったからで、強く正しい主人公たちからは救われなかった。

イタロ・カルヴィーノ「冬の夜一人の旅人が」。

男性読者」という名の作中人物が本を買うが、その本には落丁があった。続きを探すために彼は同じ本を手に取った別の読者である女性読者」を探し求める。彼はいろいろな本を手に取るが、目当ての本は結局見つからない。枠物語の内部に挿入されるつながらない小説の断片は、それだけでも完成度が高く、まるで本当に落丁のある文学全集を読んでいるような楽しみがある。

世界文学パロディー化した物語のページをつないで作った「鏡の中の鏡」かと思わされたが、それ以上のものだった。語りの文と物語関係とは、新作と偽作とは、そんなテーマ物語レベルメタレベルの二つの層の間で錯綜して語られている。

ダニエルキース「アルジャーノンに花束を

知的障害者チャーリーゴードンが脳手術で天才になるが、その知性は長続きしなかったという悲劇として知られている。けれども、僕はこれをただの悲劇として読まない。障害者セックスについて正面から向き合った最も早い作品の一つだからだ。

チャーリー女性の裸を考えるだけで罪悪感からパニックになってしまう。それは母からの過度な抑圧と体罰が原因だったが、それはチャーリーの妹を彼の性的好奇心から守ろうとするが故の行動だった(チャーリーの母が、周囲からもっと支援を得られていたら、あれほどチャーリーにつらく当たらなくて済んだんではないか、とも思う)。

天才になったチャーリーは恋をし、トラウマを乗り越え、苦労の末に愛する人と結ばれ、やがて元の知的障害者に戻ってしまう。一見すると悲劇だが、彼にはセックスに対する恐怖がもはやなくなっている。彼がただの障害者に戻ってしまったという感想は、その視点が抜けているのではあるまいか

ナタリア・ギンズブルグ「モンテ・フェルモの丘の家」

素晴らしかった。中年の仲良しグループというか、ツイッターでいうクラスタの間を行き交う書簡を通して話が進む。居場所をなくすこと、愛情を失うこと、自分の子供をうまく愛せないこと。そして、友人の死。テーマは深刻だ。なのに、読後感は良い。それは視点距離を取っているからか、登場人物を公平に扱っているからか、それとも愛を失う/奪われる過程だけじゃなくて、そのあともちゃんと書いているからなのか。長い時間の中で、家族や友人が近づいたり離れたりする感じ、これこそ人生だ、みたいな気持ちになる。

アーサー・C・クラーク幼年期の終わり

子供の頃、太陽が五十億年も経てば地球を飲み込んでしまうと知って、非常に恐ろしかったのだけれど、それ以来人類運命について書かれた物語がずっと好きだ(H・G・ウェルズの「タイムマシン」も何度も読んだ)。

人類は滅んでしまうかもしれない。生き延びるかもしれない。しかし、宇宙に出て行った結果、ヒトとは似ても似つかないものになってしまうかもしれない。彼らは人類の何を受け継ぐのだろうか。そして、今しか存在しない自分は、果たしてこの宇宙意味があるのか。

人類運命が気になるのと同じくらい、僕はきっと遠くへ行きたいと思っている。だから、ヒトという形から自由になってどこまでも進化していく話に魅了され続けるのだ。


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2021-02-15

渋沢栄一はかなりのヤリチンだったらしい

今年の大河ドラマ主人公

酒もタバコもやらず、食事質素論語を愛する真面目な人だったらしいが、女好きだけは生涯直らず、妾を何人も作って子供20人以上、一説には50人いたとか、いないとか。花柳界ではモテ男として有名で、69歳でもなお子供できたそうな。

あの時代古希を目前にして現役とは大したもんだ。体力も相当のもんだったんだな。91歳で大往生晩年までかなりしっかりしてたらしいし。

現代とは考え方が違うから奥さんもそのへんは心得たもので、妾と3人で写ってる写真現存

奥さんは「『論語』とは上手いものを見つけなさったよ。あれが『聖書』だったら、てんで守れっこないものね」と語ってたという。

かに論語ってそのへんの話が出てくるイメージがない。いやごく一部しか読んだことないけど。

さすがに大河ドラマでは、そういう話はスルーするんだろう…と書いていて思い出したことがある。

その昔、自分小学生の頃、大河ドラマで「春の波濤」という明治ネタをやったことがある。

主人公川上貞奴という日本初の女優と言われる人(演じたのは松坂慶子なのだが、もともとこの人は芸者さんで、伊藤博文伊丹十三)に水揚げされるシーンがあった。

布団の上で、怯えるように横たわってる着物松坂慶子の帯を解くところまで映像化されてて、そのシーンを親と見てて気まずかった覚えがある。

今どきの小学生と違ってオクテだったから、その先なにがおこなわれるのかはボンヤリとしか分かってなかったのだけど、これは詳しく親に聞いちゃいけないのは、本能的に感じたものだ。

話がずれたけど、渋沢栄一

ある程度、女にモテたくらいの話はでてくるんだろうか?

いずれにしろ、このへんの史実を踏まえると、吉沢亮ってのはいろいろ含蓄のあるキャスティングなのかもしれない。

2021-02-10

没後100周年のサン=サーンス10曲聴こう

anond:20210210062305

・どういう人?

フランスまれ(1835-1921。七月王政第一次大戦後)。小さいころ神童で、ピアノオルガンも超一流で教養もあったすごい人。旅行も好きだった。オペラバレエ合唱曲、あとは超絶技巧ものみたいな総合芸術流行ってたフランスで、交響曲とかソナタみたいな堅苦しいジャンルフランス人が書くならどうすればいいか模範を見せた。意識的に「フランス音楽」を作り上げた功績は大きいけど、長生きしすぎた(あと口が悪かった)せいで晩年時代遅れ扱いを受けた。

普通に有名な5曲

交響曲第3番「オルガン付」

代表作。交響曲かいドイツ語圏名産の重苦しい形式を、華、明快、節度大事フランス流の美学で仕立て直した金字塔。近いコンセプトのピアノ協奏曲第4番、ヴァイオリンソナタ第1番を聴いてみると、編成に合わせてどう曲想を変えてるかも楽しめる。

www.youtube.com/watch?v=eTsbgDBC4_k

ピアノ協奏曲第2番

サン=サーンスといえば協奏曲ヴァイオリン協奏曲第3番とかチェロ協奏曲第1番も名作だけど、この曲は重厚な第1楽章、軽くて無邪気な第2楽章情熱的な第3楽章とそれぞれ対照的雰囲気が一度に楽しめる。

https://www.youtube.com/watch?v=tk_eqKUjDXE&list=OLAK5uy_kFlhz7yMPIyXhc1pQ-5NDDtQL0XezyFz8

交響詩「死の舞踏

若いころのサン=サーンスは「現代音楽家」で、古典大事にもするけれど、形式の堅苦しさから脱出しようとした。交響詩は当時最新鋭のジャンルで、死神ヴァイオリンとか、ガイコツを描写する木琴とか、ちょっと品のない表現もたくさん使って悪夢的な情景を表現しようとした意欲作。「オンファールの糸車」「アルジェリア組曲」もおすすめ

www.youtube.com/watch?v=k1s28gmLicc

動物の謝肉祭

本人は発表を嫌がったっていうのもわかるけど、言いたいことを短く言い切る発想力と技術、やっぱりサン=サーンスからこそ書けた作品だと思う。神秘的な「水族館」と馬鹿騒ぎの「化石」が個人的ハイライト

www.youtube.com/watch?v=7SjagpXeNhM

オペラサムソンとデリラ

サン=サーンスの堅いところと砕けたところが両方いい感じに出たオペラ。全部聴くと長い(でもオペラとしては短め)からオリエントっぽさ満点の「バッカナール」が入ってて最後も派手な第3幕をとりあえず聴くといいと思う。異国趣味だとピアノ協奏曲第5番「エジプト風」の第2楽章とか、本人なりになんとか日本っぽさを出そうとがんばった「黄色王女」も面白い

www.youtube.com/watch?v=GNa8HOMcDvk

・そんなに有名じゃない(好きな人はたぶん知ってる)5曲

ヴァイオリン協奏曲第1番

20代半ば、1860年ぐらいはサン=サーンス最初に輝きはじめた時期だと思う。自分はこの曲が一番好きだけど、序奏とロンド・カプリチオーソ、ピアノ協奏曲第1番、交響曲第2番、チェロピアノのための組曲 作品16、冒険心と若々しい覇気を感じる秀作ばかり。

https://www.youtube.com/watch?v=J34_SiyzsUw&list=OLAK5uy_nfoGOwtSlxkICv6SpIOPGmTsLh7soAVnU

チェロソナタ第1番

ドイツっぽいド根性ベートーヴェンとかブラームスとかワーグナーとかそういうやつ)はサン=サーンスの持ち味とは違うけど、この曲は珍しくベートーヴェンっぽい激しさ、硬質なかっこよさが味わえる。普仏戦争ドイツに負けて、自分たちのとこでも交響曲とかソナタとか作ってやろうと奮起した時期の曲だからだろうか。いわゆる「精神性」「深み」みたいなのは、「糸杉」作品156とかクラリネットソナタの第3楽章かにある。

https://www.youtube.com/watch?v=AU2Eq1jKJGE&list=OLAK5uy_najeRAiKZJwnS2_n9wzLaYdgzMiOZ1RtY

スケルツォ 作品87

ピアノ名人だったかピアノソロの曲もたくさんあるけど、楽器が身近すぎたからか良くも悪くも一瞬のひらめきで書いてて、波長が合わないといまいちアガらない。むしろ2台ピアノのほうが頭を悩ませながら作ったみたいな感じがあって工夫を楽しめる曲が揃ってる。この曲は優雅ワルツが軸なんだけど、ちょっと気を抜くと不穏な世界があるみたいな前衛的なシュールさもあって面白い

www.youtube.com/watch?v=wNc7UNFcPMA

詩人ミューズ 作品132

オルガン付」で一度総決算して一息ついたあとの60代(20世紀に入る前後)は完成した作曲技術をつぎこんだ、地味だけど傑作の森だと思う。ヴァイオリンソナタ第2番、チェロ協奏曲第2番、弦楽四重奏曲第1番とかを経てこの曲はヴァイオリンチェロの二重協奏曲。どこをとってもいい音楽を聴いてるなあと思う。

www.youtube.com/watch?v=wDT21gGt9FQ

オーボエソナタ

そして死んだその年の曲。年をとって無邪気になるというか、どっか遠いとこを見るようになる作曲はいろいろいるけど、86の爺さんはやっぱり格が違う。もう思い残すことはなさそうな感じ。クラリネットソナタファゴットソナタと合わせて三部作からそっちもぜひ聴いてほしい。

www.youtube.com/watch?v=xudGml9nOO4

2021-02-03

anond:20210203190936

そうだろうか?子供から得られる(嫌な考え方だが)将来的なメリット計算するなら、職につく数年なんていうのは誤差だから損得勘定に入らないのでは?

個人的には、①社会一定程度豊かであり、晩年までの安定的プランが描きやすい→生活リスクヘッジとしての子供を勘定しないでよい ②社外の意識として親は親・子供子供、親の子供への影響力(支配力)が低くなって親にとっての将来的なメリットが下がった ③世の中にやることが満ちていて親の暇つぶしとしての子育て需要が落ちた とか身も蓋もないことを考えた。

2021-01-26

わかる人にはわかる話

今の菅首相晩年カール・シュミットそっくり

思えば育ちが悪いところや、エスタブリッシュメントに属していないところもそっくりなんだよな。

2021-01-20

anond:20210120204556

毛沢東さんが晩年世界史の書を読みふけっていたというのがワイ的にはいい話と思ってる

たんなる成り上がりの盗人が暴力政権を奪ったんじゃなくて、

自分が後世どう思われるか、そういう歴史者の視点でいたというのは救われる話である

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