「老子」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 老子とは

2024-10-25

anond:20241025114023

あなたが思い出そうとしている兵法の話は、古代兵法書や思想書、または権力支配に関する教訓的な作品に見られるものです。具体的な出典は不明ですが、いくつかの候補があります

 

まず、思想の内容としては「相手恩恵を与えて依存させ、それを操作することで支配する」という概念が含まれており、この種の考え方は中国古典思想戦略書に見られます。以下が主な候補です。

 

1. 『孫子

中国古典兵法である孫子』には、相手心理や状況を巧みに操ることで戦いを有利に進める方法が書かれています。具体的な記述は異なるかもしれませんが、「まずは相手に有利な状況を作り、後にそれを利用して支配する」という戦略に通じる部分があります

 

2. 『韓非子

韓非子法家思想代表する書物で、権力支配に関する厳格な方法論が多く記されています。彼の思想には、支配者が相手を巧みに操り、依存させることで支配を強化するという観点が含まれている場合があります。「施しによる支配」という概念も、韓非子実用的で冷徹政治論理合致します。

 

3. 『君主論by ニッコロ・マキャヴェリ

少し後の時代西洋思想書ですが、マキャヴェリの『君主論』でも「支配者が民衆他国に対して恩恵を与え、その後恩恵を取り上げることで支配を維持する」という考えが見られます。このような心理的なコントロールは、古代中国兵法にも通じる部分があります

 

これらの書物には、あなたが思い出そうとしている内容に似た支配方法論が含まれていますが、具体的な「麦や水」などの事例があるかは不明です。

もし孔子老子思想からそのようなものを探すとすれば、『論語』や『老子』には倫理的な教えが多く見られ、直接的な支配方法論は少ないかもしれませんが、間接的な統治手法に関するヒントがあるかもしれません。

最終的には、古代兵法書や政治哲学書に関連するテーマとして「恩恵依存を利用した支配」という構造は多くの思想共通するものであり、そのような考えが古代から続いていることは確かです。

どうしても思い出せない兵法

学生時代に本で読んで、大人怖い!ってなった話の出典が思い出せない。

大体の内容は、「相手支配したければまずは施せ」というもの

相手にとってその生活が当たり前になってしまえば、あとはその値段を釣り上げたり供給を止めたりすることで相手のことを支配できるようになるからという話。

確かその本では麦とか水とかその辺りを例に出してたと思う。

途端に世の中にある便利なもの全てが自分支配するための道具でしかないのではないか疑心暗鬼になって、それのお陰でなにかに依存するということなく今まで生きてこれてる。

孔子老子かその辺りだったと思うんだけど、読み直しても全然出てこない。

そんな昔から人間ってえげつない方法で人を支配してたんだなってものすごく怖くなった。

出典を知っている人がいたら教えて下さい。

2024-10-18

上善如水」は、その名の通り「水」をイメージした日本酒ですが、実際に水とは全く異なる味を楽しめるのが特徴です。

なぜ水と違う味がするの?

原料の違い: 上善如水は、米を原料として作られています。水は単なるH₂Oですが、日本酒は米の持つ旨味や甘み、そして発酵によって生まれた複雑な味わいが特徴です。

製法の違い: 酒造りは、米を麹菌糖化させ、酵母アルコール発酵させるという複雑な工程を経て作られます。この過程で、原料の米の持つ旨味や香りが引き出され、多様な味わいが生まれます

水の役割: 酒造りには、仕込み水として大量の水が使われますが、この水も日本酒の味わいを大きく左右します。上善如水では、軟水を使用することで、まろやかで飲みやすい味わいが実現されています

上善如水の味わい

上善如水の味わいは、一口表現するのが難しいほど奥深いです。一般的に、以下のような特徴が挙げられます

すっきりとした飲み口: 水のようにすっきりと飲めるのが特徴ですが、同時に米の旨味も感じられます

フルーティー香り: 果物のようなフルーティー香りが特徴の銘柄もあります

まろやかな口当たり: 軟水を使用しているため、口当たりがまろやかで、飲みやすいです。

なぜ「上善如水」と名付けられたの?

上善如水」という言葉は、老子思想に由来し、「最高の善は水のようなものである」という意味です。万物利益を与えながらも、他と争わず器に従って形を変える柔軟さなどを持つ「水」の性質を「上善」、すなわち最高の善にたとえています

白瀧酒造では、この言葉に込められた「水」のような柔軟な姿勢ピュアな酒造りをめざし、この名前日本酒に用いています

まとめ

上善如水」は、水とは異なる、日本酒ならではの複雑で奥深い味わいが楽しめるお酒です。その名の通り、水のように様々なものに馴染み、どんな食事とも合わせやすいのも魅力の一つです。

もし機会があれば、ぜひ一度味わってみてください。

2024-10-03

anond:20241003180655

若冲ギャラリーフェイクで知った。当時高校生若冲の絵からは生き物が好きというのがすごく伝わってくる。若冲の名は老子の一節に由来してる。

応挙は、犬がかわいいとか何とかで以前にもブックマークされてた気がする。

ちと古い漫画だが、美術骨董に興味があるならギャラリーフェイクは今読んでも楽しめるかもしれない。

2024-09-14

にんげんのかんがえかたっていっぱいあってたのしいね

1. 古代哲学宗教
2. 中世近代哲学
3. 近代現代哲学思想
4. 科学技術の発展
5. 心理学自己啓発
6. 芸術文化
7. 人類学コミュニティ
8. 倫理学道徳哲学
9. 政治哲学社会思想
10. 科学哲学認識論

2024-08-10

知足の哲学

「知足」の考え方が富をもたらす理由をより深く探るためには、物質的豊かさと精神的豊かさの関係性を考察する必要がある。

老荘思想仏教思想は、物質的な欲望を超えたところに真の幸福があると説いている。

老荘思想

まず、老荘思想における「知足」は、自然調和し、無為自然状態を目指すものである

これは、物質的な豊かさを追求することなく、自然の一部としての自分を受け入れることで、心の平穏を得るという考え方だ。

老子は「足るを知る者は富む」と述べ、自己限界を知り、現状に感謝することが、真の豊かさであると説いた。

仏教思想

一方、仏教思想では、「知足」は煩悩をそのまま受け入れ、それを転じて幸福を得る手段として捉えられている。

仏教では「煩悩即菩提」という概念があり、煩悩を断ち切ることなく、そのまま幸福に転じることができるとされている。

これは、欲望を完全に消し去るのではなく、それを受け入れた上で、精神的な成長を遂げるという考え方である

持続可能性との関係

さらに、知足の考え方は、持続可能生き方にも通じる。

物質的な豊かさを際限なく追求することは、環境社会に負荷をかけるが、知足はそのような負担を軽減し、持続可能生活可能にする。

これは、経済成長が必ずしも人間幸福につながらないことを示唆している。

ユダヤ思想との共鳴

ユダヤ思想においても、物質的な豊かさより精神的な価値が重視される。

例えば、タルムードには「誰が富者か?自分の分に満足する者である」という教えがある。(参照: https://www.sefaria.org/Pirkei_Avot.4.1?lang=bi )

これは、「知足」の考え方と非常に似ており、物質的な欲望制限することで、精神的な充足を得ることを促している。

ユダヤ思想では、神との契約律法の遵守を通じて、物質的な世界を超えた精神的な真理を追求する。

これは、自己限界を受け入れ、神との関係を深めることで、内面的な豊かさを得るという点で、「知足」と共鳴する。

2024-06-26

anond:20240626165441

著書を残さなかったが、弟子信者がその思想を書き留めて後世に伝えた思想家の例として、以下のような人物が挙げられます

ソクラテス紀元前469年頃 - 紀元前399年)

ソクラテス著作を残さず、対話を通じて思想を伝えました。彼の教えは弟子プラトンによって書き留められ、プラトン対話篇を通じて後世に伝えられています

ピタゴラス紀元前570年頃 - 紀元前495年頃)

ギリシア数学者であり哲学者であるピタゴラス自身で著書を残さず、彼の教えは弟子たちによって伝えられました。彼の思想ピタゴラス教団によって広められました。

釈迦ガウタマ・シッダールタ)(紀元前563年頃 - 紀元前483年頃)

仏教開祖である釈迦自身で著書を残さず、彼の教えは弟子たちによってまとめられ、仏典経典)として伝えられました。

孔子紀元前551年 - 紀元前479年)

孔子自身書物を残していませんが、彼の言行録である論語』は弟子たちによってまとめられました。

老子紀元前6世紀頃)

老子道家思想家で、彼の教えは弟子たちによってまとめられ、『道徳経』として伝えられました。ただし、老子自身が書いた可能性も否定されていません。

イエス・キリスト紀元前4年頃 - 紀元後30年頃)

イエス自身は何も書き残していませんが、彼の教えや生涯については弟子たちによって書かれた新約聖書に記録されています

マホメットムハンマド)(570年頃 - 632年)

イスラム教創始者であるムハンマドは自ら書を残さず、彼の教えは弟子たちによってまとめられ、『クルアーン』として伝えられました。

これらの人物は直接著作を残さず、弟子信者が彼らの教えをまとめ、後世に伝えました。そのため、彼らの思想は間接的に伝えられています

2023-12-28

anond:20231228124141

既に2500年前に老子が周囲に自分の事を褒めて欲しかったらまず自分を誇示する事をやめろって言ってるね

2023-12-09

中国思想家って名前似すぎだろ…

たまに、というかしょっちゅう老子孔子荘子が混合してよく分からなくなる。

っていうかなんでみんな名前似てんの?

当時の思想家は「名前で韻踏もうぜ!」みたいな風潮あったの?

ああ、もうっ!!

分かり難いんじゃぁあああああ!!!

2023-10-17

anond:20231017150805

老子」って言葉があるように、女子男子に「未成年」や「子供」って意味合いはそんなないぞ。

2023-09-13

anond:20230913101934

中国思想家である老子が著した「老子道徳経」によれば、

一見、役に立たないと思われるものが、実は大きな役割果たしている。

とのことです。

https://manapedia.jp/text/3877

2023-06-02

春秋時代ブームを起こす超大作が生まれるとして、誰を主人公にしたらいいか

ハッピーエンドにしにくかったり、情報不足だったり、どの人物も一長一短?

国家未来まで考えると秦以外は最終的に滅びるし、春秋時代の秦だと穆公以外のイメージが弱いな。

だいたい宮城谷昌光氏が書いている(というか自分情報源なので他が思いつかない?)。

よさそうな宮城谷昌光作品をどこかがメディア展開してブレイクさせてくれたら、もしかしたら春秋時代ブームの夢が見れるかもね。

春秋五覇(と五覇に準じる人物

鄭荘公:情報不足?周からみたら戦場で追討軍を討ち破るほどの逆臣。

桓公:末路が惨め過ぎる。

晋文公:活躍時が高齢感情移入しにくい?

楚荘王:「俺はまだ本気出してないだけ」要素もあり、後継者も有能(短命だが)で良いと思うんだが、時代社会代表する人物とするには極端に言うと「蛮族の王」なので文句が出るのかな?

秦穆公:同時代人(晋文公)が強い。現代価値観では殉死がバッドエンドに感じられてしまう。

宋襄公:宋襄の仁()現代日本の勝てば官軍な世相では受けない。

呉王闔閭:綺麗に終わらない。

呉王夫差:完全にバッドエンド。

越王勾践:范蠡に砂を掛けられる。

家臣

晏嬰:わりと良いのでは?トホホ上司共感も呼べそう。

子産ちょっといかも?

華元:テラワロス

伍子胥主人公作品はけっこう多くて、既にアイスバーン最期悲惨

士会:楚荘王をライバルにうまくやれないか

養由基:バトル中心で行く?

ブコメから

范蠡商人への転身をどう描くか?

祭足(祭仲):鄭荘公の出てくる作品で見たはずだが記憶に残っていなかった。Wikipediaを読むとちょいワル系。死に方は悪くない。

思想家

孫武エピソード膨らませる必要がある。最期不明なので、大抵は伍子胥に食われる。

孔子:浮沈の順番が逆なら良かった?

老子:謎。完全ファンタジー不老不死テレポートあり)にして、春秋時代有名人つまみ食いにしたらいけるかも?

女性

夏姫:悲劇

西施:やっぱり悲劇


あとは詳しい人に任せた

anond:20230602135602

2023-05-21

anond:20230520200523

飲み会有意義かどうかと言えば、有意義だと思う人は集まり有意義じゃないと思う人は集まらないでいいんじゃないかと思う。

前職のJTCの飲み会で唯一有意義だったのは幹事経験して、企画側の苦労とか参加者理不尽さとかを理解したことかな。

あとは渡米する友達の送迎会の幹事をする予行演習になったことか。

一般参加者としていく場合老子との飲み会に出るみたいな目的しかないな。

中国拳法老子は夜が更けて弟子が帰りはじめると寂しくなるので、飲み会の席で秘伝の技とかを色々披露して引き留めるらしいけれど、そんな感じ。

自分が話したいというよりも有力者が何を考えていて、どんな仕事の仕方をしているのかを知っておく目的では参加する意義があるかなと。

2023-04-07

俺は多分日本ニーチェ

俺は鬱を経て、たどり着いたのは自己肯定だった。

俺...天才だった...?

まあ今でも本見たことはないんだけどね。

動画で知った程度だからにわかおぶにわかだよ

まあ方向性は一緒だよ多分

精神に異常がでて死ぬ前に気がついてよかった。

明日から自分肯定して生きるぞー!

ニーチェ老子を合わせて生きていく。

さっき名著の動画見て全能感に塗れた俺にはわかる。

俺はニーチェ老子を超える。老子ニーチェ気持ちよくなる。

まり老ニー。

2022-10-28

これは恥ずかしい😨

kuzudokuzu それを言うなら、ちゃんと「老子は年齢差別者」って言い続けてね。言わなければ、志学而立不惑知命耳順従心を知らんという無知を示す。自分でかけた呪いだね、覚えてね。

https://b.hatena.ne.jp/entry/4727276435278956899/comment/kuzudokuzu

2022-10-15

[]ブクマカ自分座右の銘だと書いていた言葉



ブクマカが嫌いな他人座右の銘



()内は出典だが間違っている可能性もあるので注意して

2022-07-28

anond:20220728040708

その老荘思想を考え出した老子荘子歴史に名を残してるってのは皮肉だよな。

2022-07-20

anond:20220720124155

教養考える力とセットや。ワイはカントラカン韓非子から老子和訳でいいか原典がいいぞ)、ファインマン自伝物理学も)やハイゼンベルグからラノベまで数万冊以上読んでるが、一冊あげろと言われたら(本当は一冊では足りないぞ)東大が昔教養学生向けに書いた「知の技法」が入り口としては使えるんちゃうかと思う。だまされたと思って買って読んでみ?あと大澤真幸の「社会学史」もコスパええかもしれん。ハラリやジャレドダイヤモンドみたいなのはやめとけ。MARCHレベルサラリーマンがありがたがるタイプの本や。あ、千葉雅也の「勉強哲学」は浅薄やし、入り口として変な癖つきそうだからやめとけ。堀江とか書いてる馬鹿もいるが、堀江(無教養の極みや)とか中田とかあんなので教養は身につかんぞ。

ついでに、本読まんやつは「○○入門」とか買いたがるがやめとけ。岩波文庫いいわけではないが、見る目ができるまでは岩波の青と緑と赤(帯の色)だけ買っておけばいい。そのうちわかってくる。

あと、資本論は読むと攻撃的になるから左翼ウィルスみたいなものがあるのかもしれんとか思ってるwマルクス思考実験として当時は面白かったやろが、貨幣の話も完全にフィクションやしもう読まんでええよ。

2022-04-02

ちるちるBLアワード2022と最近読んだBL。(ネタはバレる)

ちるちるBLアワードの結果が出たよ!

 ちるちるBLアワードとは、商業BL情報サイト「ちるちる」主催イベント。前年に発売されたBL作品のなかで、ちるちるのレビューページの得点が200点以上の作品からノミネートされる。そして1月にちるちるユーザー投票がなされて、4月に結果が発表される。


一部予想通りだった。

 推し作品ノミネートすらされなかったのでやさぐれしまい、私は投票を完遂できなかったのだけど。BESTコミック部門とBEST小説部門の結果は一部予想通りだった。

 BESTコミック部門第1位は『夜明けの唄』(ユノイチカ)。これは納得。私はあまりきじゃないんだけど、皆好きだよねーこれ。あまりにも爆発的に流行っていたので、これしか1位はないだろうなと思った。

 2位は知らんからわからん。3位の『神様なんか信じない僕らのエデン』(一ノ瀬ゆま)は読んだけどかなり面白かった。オメガバース作品なので、設定だけで嫌がられたり過剰に求められたりだと思うが、最近オメガバースも下火なので、逆境を潜り抜けて3位に輝いた感ある。

 そしてBEST小説部門。これは私の予想は「魔道祖師絶対に1位を取れない」だったんだけど、大当たり。「このBLヤバい2022」では2位と大差を着けて圧倒的1位に輝いたという『魔道祖師』(墨香銅臭)が何故ちるちるBLアワードでは1位を取れないと思ったのか? それは、このBLヤバいの方は一般の読者も投票するし有識者意見も入るらしいんだけど、ちるちるBLアワード場合はちるちるユーザーけが投票する(つまり極めつきに商業BLにのめっている人間ばかりが投票する)から。それと、ネットで『魔道祖師』の情報を漁ったところ、「買ったはいいが積んでいる」という人がかなり多かったので、「魔道祖師の人気=原作小説の人気」ではないと思った。

 商業BL小説の読者層というのはかなり独特な感性をお持ちで、その他ジャンル小説を読み漁る、本の虫タイプ読書家の常識では計り知れないところがある。だから、ただの小説として、もっと狭い意味ライトノベルとして、圧倒的な高クオリティの『魔道祖師』はだからといってマジもんの商業BL小説腐女子には受け入れられはしないんじゃないかなと。単純に売上だけはすごくいいんだろうけどね。しかしそれでも2位だったのはかなりの健闘ぶりだ。たぶんこれ、ドラマアニメの人気だと思うけど。実は買ったものの積んでいるけど、アニメドラマ好きだし他の作品は読んでないから取り敢えず投票したって人(商業BL小説読まない民)、多そう。

 予想外だったのは、BEST小説部門1位を取ったのが『Interlude 美しい彼番外編集』だったこと。私これ持ってるしすごく面白くて好きだけどマ!? 番外編だぜ!?!?!? うわぁー、さすがに商業BL小説史上に残るレベルの人気シリーズ。番外編集の半分は購入特典などの再録本なので、コアなファンは買って得するようなもんじゃないというのに、すごい。

 作者の凪良ゆう先生の書く文章はとても平易で分かりやすい。一方、2位だった『魔道祖師』は「漢字が多くて読めない~」(振仮名ふってあるやんけ)とか、「古代中国文化なんかわからない~」(脚注あるやんけ)とか言われて敬遠されまくっていた。分かりやすいって大事だなと思いつつ、薄々思っていたけど商業BL小説ばかり読む人ってやっぱり【自主規制】いんだなと思った。

 BESTシリーズ部門1位は『囀ずる鳥ははばたかない』(ヨネダコウ)まあねまあね、皆好きだよねー(私は読む気もしないけど)。

 『オールドファッションカップケーキ with カプチーノ』(佐岸左岸)は去年のBLアワードのBESTコミック部門ぶっちぎりの第1位作品の続編なのだが、やはり1位は取れなかった。予想通りである。「名言製造機になった」「野末さんがあざとすぎる」など、ボロカス言われてたからなあ。私は好きだけど。人気があるからといって続編を作ったらコケしまったパターンかもしれない。でも本作も漫画としてのクオリティの高さ半端ないので、むしろ商業BLの民よりも薄く広く漫画を読む人におすすめだ。


その他雑感。

 あれっ、ノミネート作品のなかでは私の最推しだった『秋山くん』(のばらあいこ)がどこにもランクインしていない。でもまあしょうがいか。ただでさえ複数のもの腐女子にはあまり支持されないうえに、『秋山くん』の場合は完結までに12もの歳月を要したのだ。その間に腐界の雰囲気も変わったらしく、あの衝撃の第1話がまず受け入れられないといって読むのを止めてしまう人が多いようなので。でも最終的には大団円で終わったので、未読だが興味あるけど試し読みしたら怖かったって人は安心して読むがいいさ! 秋山くんにはBEST受け部門ランクインして欲しかったなあ(投票した)。攻めの柴くんはあのBEST攻め部門錚々たる面子の中にとりつく島はないのはわかる。(ひどい)

 やっぱりスクカー底辺男は攻め様ランキングには食い込めないのかなと思いきや! BEST攻め部門第1位を『美しい彼』の平良(ひら)が取っていて笑った。さすが平良! でもこの人の底辺ぶりはあくまでも自己評価しかない。無自覚ハイスペックニュータイプ亭主関白俺様めだから、平良は。

 皆ハイスペの攻め様が好きだなあ。私はヘタレ攻めがすきだよ。


 アワードについてはこれでおしまい。次は最近読んだBL。(ネタバレあり)


神様なんか信じない僕らのエデン (下)』(一ノ瀬ゆま




あらすじ

 2018年2月のある日、体育の授業中に突然ヒートを起こした西央(にしお)につられて発情してしまった喬(たかい)。二人は体育館倉庫に転がり込み交わったが、西央の体調は改善せず、倉庫から出られなくなってしまう。喬は一人で倉庫を出て食料や生活用品をかき集め、西央の籠城生活環境を整え、同時に自分達の体に何が起きたのかを考察する。

 籠城三日目、どうやら西央のヒートの峠が過ぎたらしい。あと数日で西央を家に帰せるという見通しをたてた喬だったが、それに一抹の淋しさを感じた時、彼の本能があらぶり始め……。

増田感想

 オメガバース作品で、『旧約聖書』の1節からスタートする本作。人類史上初めてのαとΩの誕生という大事件が、高校体育館倉庫という狭い密室でひっそりと起きていたという、壮大にしてミニマムお話

 そもそもオメガバースとはなんぞや? というと、ググった方が早いんだがざっくりいうと欧米発祥特殊設定。ヒトに男女の性別のほかにバース性」という性別がある。すなわち、支配者の性α、凡人のβ、産む性(隷属の性)のΩ。それらのバース性のいずれかが男女それぞれについてくる。男性α、女性α、男性β、女性β、男性Ω、女性Ωの六つの性別があるということ。

 本作は人類史上初のαとΩの物語なので、主人公の喬(α)は自分とΩの西央が一体何であるのかを知らない。喬はせっせと文献を調べ考察していくうちに、自分達の生態が狼の生態に近いことに気づく。そして自分と西央が異様に盛る様に「発情ヒート)」という名をつける。

 下巻はもっぱら喬がαとしての本能のダークな面をなんとか抑えつけようと奮闘しつつ、αらしい一途さで西央を守ろうとする話。そして喬と西央は互いに相手とは本能抜きではどういう関係なのか? と疑問を懐く。

 商業BLではあまり見られない、深いところまでつっこんでるストーリーオメガバース設定のBLというのは社会問題ジェンダー問題に切り込むものが他にもいくらかある。『リバース』( 麻生ミツ晃)、『シマちゃん家の番事情』(三日ミタ)、『嘘つきな愛を買う』(ポケラふじ子)とか。でも、数年前に二次創作世界で初めてオメガバース設定を見た時には、社会問題提起系というよりは、SMっぽいというか虐待描写メインの特殊性癖っていう印象だった。今となってはBLポリコレの影響を最も受けていそうなジャンルのような?

 『僕エデ』はジェンダー問題以上に生命不思議ウエイトが置かれている感じで、昨今流行り? の反出生主義に疲れたハートには心地よかった。終盤、自身と西央が新しいタイプ進化した人類だと悟った喬が、「自分達が多数派になる日が来るまで潜伏する(誰にも内緒にする)」と決断したことろは、ベタでありつつ(漫画登場人物って変な生き物を発見すると、政府研究機関に取られるのを恐れてとりあえず隠そうとするよね。)老子っぽくてよかった。

 『シマちゃん家の番事情』を読んだ時も思ったけど、今っぽいニュータイプオメガバースっていいなと思いつつ、しかし以前のもはや男女カプでは容易に描けなくなった禁忌ネタの駆け込み寺的なジャンル浄化されてしまったようで、それはそれでどうなんだという気がする。でも最近はまたしても欧米渡来の因業設定「Dom/subユニバース」が定着したので、アングラエログロの行着く先はそこかな? いずれそれも浄化されそうだが。

※「Dom/subユニバース」とは……ググった方が早いがざっくり説明すると、ヒトの性別に男女の他にDomsubという性があるという設定。Dom支配者でsubは被支配であるDomsubと二人で決めたワードsubが言うまでsubを虐めることが出来る。要はSMだな。


86万円の初恋』(ロッキー

 真理(まさみち)は美貌の男・佐藤と同居中。というのは、ある夕方カフェで真理がうっかり通りすがり佐藤コートコーヒーをぶちまけてしまたから。コートのお値段、なんと86万円。怒った佐藤86万円ぶん真理の家に居座ってやると宣言。以来、奇妙な同居生活が始まった。

 佐藤の言うことを何でも受け入れてしまう真理。「マリちゃん」呼びから始まって、ただいまのキスやらなんやら、佐藤の無茶ぶりは次第にエスカレートしていき……。

増田感想

 あんまりレビューが良くないが絵が物凄く綺麗なので、これは絵以外に良いところ無し系の漫画なのかとビビりながらも、試し読みしてみて冒頭一ページに惹かれたので購入。思いの外よかった。

 美貌の変人佐藤常識陰キャマリが振り回される系かと思いきや、マリが愛すべき変な生き物って感じで、何が起きても動じないマリ佐藤が戸惑うという話だった。

 途中で佐藤元カノの登場。すごく重要人物という訳でもなくカッコいい姐御でもなく身内でもない女がさらっと登場するのは、BL読者にはあまり喜ばれないところ。だが佐藤元カノの会話の様子からもしかして佐藤って実は心から他人を好きになったことがないんじゃない?(だから別れた相手と屈託なく喋れるのでは)という疑念がうっすらと湧いてくる。もしかしてこれはタイトル伏線回収なのではないだろうか。つまり86万円がきっかけで初恋をしたのは陰キャマリだけでなく美貌のコミュ佐藤もまたそうなのだという。

 マリの歳上すぎる友人の件以外、派手な事件は起こらない話だけれど、心情的な揺さぶりやどんでん返しがあり、退屈しない。が、例えばジャンプ漫画みたいにハッキリと事件事故が起きて悲喜劇にならなければ漫画とは認めないような人には、向いていないだろうな、と思う。

 表紙がとても綺麗で、中身の絵もとても綺麗。短文モノローグがしばしば挟まるのだが、それらが独特のリズム感を生んでる気がする。

 レーベル的にエロがすごく多いのかと思ったら、わりと落ち着きのある感じのエロ配分(オカズ系というよりは人類の一習性レベル)だった。


今日はこれまで。

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん