はてなキーワード: 眠るとは
なんかふと、「今の自分ってずいぶんと気楽な毎日だな」と思った。
会社がフルリモート体制なので朝起きるのは8時くらい。一緒に暮らすパートナーの出勤に合わせて7時過ぎに起きることが多いけど、そのへんは気分。起きたら軽くストレッチをしてテレビを見ながら朝ごはん作って食べて、適当に仕事を始める。
会社員だが、朝礼とかは特にない。朝イチで打ち合わせがなければ好きな時間にパソコンを立ち上げればいい。あとは黙々と自分の仕事をこなすのみだ。
特別忙しくなければ、合間にスーパーへ買い物に行ってサクッと晩御飯をつくる。一品物をドーンと作ることが多い。日没前に仕事を一旦切り上げてランニングへ。天気が良くないときはウォーキングに切り替えるなど、とにかく気分転換に外へ出て体を動かす。
帰ってくると、パートナーも帰宅済みなことが多いので一緒につくっておいたご飯を食べ、食後は割とすぐお風呂に入る。洗濯は冬場なら2日に1回。私が晩御飯を作ったらパートナーが洗い物してくれるのでラクチン。ワハハハとふたりでテレビ見て、余裕があればゲームしたり小説読んだり。仕事が残ってれば風呂上がりに仕事をし、パートナーが眠るのを見送る。
ほぼ毎日こんな感じ。働く時間は概ね5〜7時間。もちろん、忙しい時期はその倍の時間働くこともあるし、日によっては客先で打ち合わせすることや出張で数日家を空けることもある。とは言え、月に数回の外出、年に10回以下の出張程度なのでそこまで苦痛じゃない。むしろ刺激になって良い。
以前は毎日乗っていたラッシュ時間帯の電車も年に数回しか体験しなくなったし、洋服や日用品の買い物や映画の鑑賞なども、打ち合わせ時についでに済ませることが多くなった。丸1日かけて見る買い物も楽しいが、打ち合わせ前後でさっと見て回るのもいいものだ。
先日、ひさしぶりに休日の新宿に行って人の多さにびっくりした程度には、平日の閑散とした雰囲気に慣れてしまった。最近は平日も外国の方で賑わっていることも多いけども。
こうやって改めて自分の毎日を振り返ると、自分は本当に気楽な日常を過ごしているなと思う。仕事も好きな分野だし、非情に自由気ままだ。
どうしてこんなにも気楽な暮らしができているかというと、仕事の裁量がほぼ自分にあることが関係しているのだと思う。ほぼすべて自分次第。業務管理がそこまで苦手じゃないのでプライベートも優先しつつ、やりがい持ちながらうまくやらせてもらってる。もちろん、仕事でストレスフルな状況に陥ることもあるけれど、乗り越えてしまえばここに書いたような日常に戻れるのが分かっているから平気だ。収入も自分が生きるのには十分なだけいただけている。
子どもがいればこんな余裕もまったくなくなるだろうが、子を産み育てる予定がないので(自分とパートナーではつくれないというが正しいかもだけど)考えても仕方がない。もちろん、我が子と共に倍速で過ごす日常もそれはそれで素晴らしい幸福だろうと眩しく思うこともある。ただ、それでも今の自分の日常は「非情にのんびりとした幸福に包まれている」と感じる。
来週は友人と食事の予定があり、月末はパートナーとは近場の観光名所へ出かける予定がある。来月はまた別の友人と少し遠方へ出かける予定も立てている。海外旅行にはほとんど行ったことないし、服装も高価なものは身につけていないし、自慢のお家もないけれど、私には十分すぎるくらいの楽しみな予定だ。
10代、20代の日常を振り返ると、つくづく、今が人生でいちばん気楽だなと思う。
小学生:
(これ以外思い出せん)
中学生:
悲しい予感(吉本ばなな) 模試か何かの試験問題になっていて、何故だか刺さった。小説っていいなと初めて思った。
高校生:
大学生:
グラスホッパー(伊坂幸太郎) 講義室の忘れ物を勝手に読んだ。面白かった。
室井佑月の何か
田口ランディの何か
森博嗣のS&Mシリーズ、四季シリーズ、Gシリーズの一部
人間失格 (太宰治) 見栄を張って、全集借りてきてここだけ読んだ
龍は眠る、レベル7 (宮部みゆき) 嫌いな小説がある、というのを宮部みゆきで初めて経験した。
慟哭(作者思い出せん)
思い出トランプ(同上)
社会人:
伊坂幸太郎の色々(ゴールデンスランバー、モダンタイムス、チルドレン、サブマリン、マイクロスパイアンサンブル、アイネクライネナハトムジーク、砂漠、ラッシュライフ、オーデュボンの祈り)
吉田修一の色々(太陽は眠らない、森は生きている、怒り、悪人、横道世之介、静かな爆弾)
原田マハの色々(楽園のカンヴァス、暗幕のゲルニカ、たゆたえども沈まず、キネマの神様、本日はお日柄もよく)
赤い竪琴 その他色々 (津原ヤスミ) 図書館で赤い装丁の本が気になって手に取ったのがきっかけ
グレッグイーガンの何か ここで薦められた奴
命も要らず、名も要らず(作者思い出せん)
博士の愛した数式(同上)
花戦(同上)
老人と海、武器よさらば(ヘミングウェイ) 上司がなんか言ってたから読んだ奴
サリンジャーの何か(バナナフィッシュ云々が収録されてるヤツ) 漫画のバナナフィッシュを昔読んだのをふと思い出して読んでみた
もっと読んでるはずだけど、なかなか思い出せんな。
漫画とゲームとエロ動画にはもっと時間割いているけど、結構読書家じゃろ?
猫といえば「かわいい」だろ、と思う。
自宅で飼っている猫でも、他人が飼っている猫でも、私の場合、分け隔てなくとにかく「かわいい」と感じる。
だが、猫や犬、ペットの「かわいい」を無闇に、無理やり他人に押し付ける行為はなんとなく苦手だ。SNSでも、そんな目で見られないようになるべく心がけている。
しかし特定の誰かに読ませる目的のないスペースで、宛てもなく猫の話をするのはセーフだろう、と個人的に思っている。
特に私は猫好きなので、ネットに転がっている猫についての文章は大抵ありがたく享受している。
そういう人は多いはずだ。
自分一人が考えていることは、世間で百人以上が同じことを考えていると思う。
ので、増田では好きなだけ猫の話をしたいと思う。
で、飼い猫は昔ちょっとブスでした。
あんまり飼い猫についてこういう話をする人を見かけないので、どこかに同じ体験をした人はいないだろうか、という考えもあってこの話を書き始めている。
いや、猫はかわいいんですよ。
猫はずっとかわいい。フワフワしていて、よく眠るし、たまにニャンと鳴いて、夜に見つめ合うと目がギラギラ光っている。ずっとかわいい。
しかし、写真に撮ってもなんだかやけにかわいく見えない時期があった。
「なんだかムスッとしている」「不機嫌そう」「ブスに見える」
と、等しく不評だった時期があるのだ。
「昔」ブスだった、とわざわざ言うのにはもちろん理由がある。
「目がきゅるきゅるしている」「人懐こそう」「ハンサムだね」
と、昔と比べると随分な褒められ方をしている。
それはなぜか。思い当たる節はある。
この増田で記述している猫は、もう十歳を超えるじじいキャットだ。
じじいキャットは元々実家で飼っていた猫で、いろいろな事情があって二年前に我が家へやってきたばかりだ。
そのため、じじいキャットの性格は、帰省したときに見せてくれる一面しか知らなかった。
実家へ帰省した際にひと撫でさせてもらえるかな、と近寄ると、ササーッと遠くへ逃げていく。
撫でさせてもらえなくとも近くで観察させてほしい、と近寄っても、尻尾をブンブン振って無言の抵抗をする。
布団に潜りこんできたり、人間の後ろを着いて歩いたりするなどもっての外だ。
威嚇をするほどではなくても、人間には近寄らない、媚びない。そういう性格の猫だと思っていた。
だが二年前、じじいキャットは十年以上暮らした実家を離れ、我が家で暮らし始めた。
それ以降、じじいキャットの行動が全て逆転したのだ。
名前を呼ぶと耳と尻尾をピンと立て、撫でられるために近寄ってくる。
寝姿を近くで見つめていると、「そうか」と言うように薄目を開け、喉を鳴らす。
人間が眠ろうと寝室へ行こうとすると、なんと先回りして布団の上に座って待っている。すごく賢い。
しばらく相手してやると飽きてポテポテとどこかへ歩いていくが、起きていると十分置きくらいに布団へ遊びにやってくる。
だが、じじいキャットは基本的に十年前に実家で飼い始めてから今まで、彼の美学を貫いて生きているのかもしれないと、最近思う。
別に実家で粗末に扱われていたわけではない。むしろとても大切に飼われていた猫なのだが、実家はちゃんとした人間が暮らす家だったので、ちゃんとした猫の飼い方をしていた。
ごはんも、おやつも決まった時間に与える。夜間は寝室を締め切り、猫と人間の夜の時間は完全に区別していた。
この「人間と生活を別にする時間」が、じじいキャットにとって少し寂しかったのではないか、と私は推測している。
我が家にじじいキャットが来てからは、ごはんもおやつも、お腹が空いたであろうとき、食べたいと思ったであろうときにあげている。寝室も開放し、夜間も昼間も部屋を自由に行き来できるようにしている。
人間と似ている。お腹が空いたとき、食べたいときに食事を摂り、家の好きなスペースを自由に行き来できる。わざわざ意識しているわけではないが、我が家では人間と猫の行動に隔たりがそんなにないように思える。
我が家のじじいキャットは、ずっと人間と同じ暮らし方をしたかったのかもしれない、と思う。
目がきゅるきゅると輝き、人懐こさが表情から滲み、生き生きとしている。
なんだかムスッとしていないし、不機嫌そうに見えない。
ブスに見える要素が二年前から、すっかり全部取り払われたのだ。
こんなにブスじゃなくなったのは、二年前からの生活の変化が大きいと、不満が少なくなったからだと、私は飼い主として認識している。
もちろん、ペットと人間の時間を区別する育て方も、ペットの心身の健康のためには重要なこともある。ペットと人間の時間をきっちり区別する方が丁寧だと感じるし、ちゃんとした飼い主だからこそできる飼い方だと感じる。
我が家のじじいキャットの場合、暮らし方が変わったことで本当にブスではなくなったのだ。
この事実を子細に記しておきたくて、個人的に忘れたくないと思ったので、私はこの増田を書いた。
ずっとかわいい猫が、暮らしぶりが変わったことで、もっとかわいくなった。
新しい一面を、十歳を超えて尚見せてくれた。
猫ってすごい。生き物ってすごい。成長ってすごい。
最初は「うまくいかなければ次の更新までに引っ越せばいい」と思っていたけれど、今のところ同棲を解消しようという考えは私にも彼にも、お互いにないようだ。
朝起きたら彼の背中にくっついて、行ってらっしゃいを言って、帰ったきたらご飯を食べて、テレビを見て、眠る。
そんななんでもない時間を、この人と過ごすのがとても心地いい。
通りすがりに、私のお腹や背中を猫を撫でるように指でこしょこしょとされるのが好きだ。
お風呂に入るときに「いってきまーす」と言ったら「いってらっしゃーい」と言ってくれるのが好きだ。
「ありがとう」をたくさん言ってたら、少しずつ彼から「いつも◯◯してくれてありがとうね」と言われることが増えたのも嬉しい。
お金の価値観について何度か喧嘩したけれど、少しずつ、でもだんだんと私の方へ寄り添って考えてくれるようになったこともすごく嬉しい。
私は洗い物が大変下手くそなので洗い残しをしてしまうことが多いのだけど、怒らずに「こう言う風にしてみて」と教えてくれて優しい。
彼は、とにかく怒らない。何でも笑い飛ばしてくれる。
本心を言うのが苦手な私に「本当に?」と、ちゃんと話せる空気を作ってくれる。
なんだか、私をいいもののように扱ってくれる。
「ちょっと、ぎゅっとしてくれる?」と言うと両手を広げてガバーッと抱きしめてくれる。
「洗濯物たたんだんだけど褒めてくれる!?」と言うと「ありがとう!」と言ってくれる。
洗濯物を干してるときに「手伝って!」と言うと、こっちに来て干してくれる。
家事の頻度だって、かなり私に合わせてくれている。私は、何か彼にとって嬉しい方に変われているだろうか。
彼は、一緒に暮らす前は「40ぐらいで死ぬ」と確かに言っていた。数年前、病気になったからだ。でも最近は「一緒におじいちゃんとおばあちゃんになろうね」と言うと「うん、なる」と言ってくれる。
自分の気持ちがうまく言えない私にとって「一緒におじいちゃんとおばあちゃんになろうね」は、回りくどいプロポーズだ。
何故こんなことを書いてるのかというと、久しぶりに仕事で数日家を空けているからだ。朝起きたら彼がいない。彼におかえりを言うこともできない。ぎゅっともしてもらえない。
私が実家を出て、一人暮らしをした期間は約8年。そんな日々の方が当たり前のはずだったのに、たった2年でこんなにも寂しさを覚えるようになってしまった。
森奈津子好きだったんだよなあ
子供の頃、漫画は読んでたけど、文章主体の本ではじめて読んだのは多分森奈津子のお嬢様シリーズ
主人公の綾小路麗花は、古典的な少女漫画を読んで、けなげで清廉な主人公よりも、きらびやかで意地悪で最後には潔く負けを認め「フッあたくしの負けよ」と言うような悪役令嬢に心惹かれて悪役令嬢をロールプレイしている
綾小路麗花はお金持ちのお嬢様なので、悪役令嬢の方が境遇が近くて感情移入して悪役プレイをしているが、根は育ちがよくお人好しなので悪役プレイにボロが出まくる
爽やかイケメンな彼氏や百合な従者やホモや男の娘が出てきてわいわいやる楽しい学園ラノベ
不登校になった時期があるため、不登校児が題材の「グースカ夢見る問題児」には救われた
不登校児たちが夜に眠ると、夢の世界の架空の学校に集められ、北海道や沖縄など遠く離れたちに住む子供たちがその学校内で交流を持つという設定が、インターネット普及前の時代に斬新に思えた
今だったらSNSで他県の子とつながるのなんか簡単だが、あの時代は雑誌で文通相手募集するぐらいしか手段なかったんじゃないか?
お嬢様シリーズはレモン文庫という学研のレーベルから出版されていたが、1996年にレモン文庫は突如消滅
森奈津子はお嬢様シリーズの連載構想がブツ切れになり、他に拾ってくれるラノベレーベルもなく「ラノベ界に棄てられた」と感じたという
ラノベに見切りをつけ、レズビアン寄りのバイセクシャルであることをカミングアウトし、百合小説を執筆するようになった
東京のセクシャルマイノリティの事情について語るエッセイなども発売
「女性はセックスについては語るがオナニーについては秘す。もっとオナニーについて語れ。私は女性がオカズにできる本を書く」
と官能小説を書き、また百合が精神性重視のものが多い中で官能百合を書く
百合SF、エロSFなどを手掛け、「SFの定義についてうるさい奴がいるが、エロ本はチンコが勃てばエロ本なのである、SFチンコが勃てばそれはSFなのである」と主張
小説業界の中で森奈津子は「おもしれー女」として扱われ、ミステリ作家の西澤保彦は森奈津子を主人公とするナツコシリーズを出した
百合ジャンルやTL小説はその後盛り上がっていくが、森奈津子はそのムーブメントの中央にはいられなかった
悪役令嬢ものが早すぎたように、ジャンル自体への需要はあってもいまいち世相と噛み合わず第一人者にはなれなかった
バイなのだから異性とも恋ができるのは当たり前なのだが、「ビアン寄りのバイ」としてのキャラ立ちは失った
「女が男と恋愛して男と結婚するなんか普通じゃん、所詮なんちゃってじゃん」という扱いになる
ビアンやバイやノンセクとして活動していた女が普通に結婚して、経済的安定を得て家庭の中に埋没して表舞台から消えていくのはよくあることだ
だが結婚してしばらく、森奈津子の夫は重度身体障害者になってしまった
そんな身の上になった森奈津子からすれば、「若くて健康だけどセクマイだから辛い」「セクマイにも安定した結婚生活を得る権利を」などと言っている、かつての仲間は甘えたクソガキにしか見えなくなったのだろう
かつてはセクマイの集まりの中で生きていたのに、「同性婚は不要だ」と言い切り、その手の活動家を批判する側になった
その手の活動家の中に過激で頭がアレな奴がいることは確かではあるが、明らかに矛先は「一部の過激な奴」だけではなく穏健派にも向けられている
小説「耽美なわしら」の中でノンセクを肯定的に描いていたのに、今や「異性婚しない独身おじさん」すら叩いている
「普通に男と結婚した」ことでフェードアウトしていったかつての支持者への当てつけで、「普通に結婚できない同性愛者・独身主義者・非モテ」は敵になったのだ
そういう活動によって本を出したり団体活動したりで生計を立て森奈津子は夫との暮らしを送ることができている
「あなたの発言はLGBT差別では?」と言われたら「いえ、私はLGBT当事者です」と森奈津子は答える
作者を嫌いになると作品も自動的に嫌になって避けるタイプなのだが、それは作品の方もそれほど深く好きだったわけではないから起こる現象で
森奈津子本人は今は明白に嫌いにはなっているが、作品を愛好していた時代のほうが長いので、お嬢様シリーズは今でも好きだ
レモン文庫崩壊前、作家として食っていけるようになり希望を持っていた頃の森奈津子は今の森奈津子とは別人のようだ
今の森奈津子の全てを否定するわけではなく、一理あると感じた発言もないではないが、がっかりすることの方が多いのでブロックしてなるべく見ない
だが最近新しく裁判やってるそうでスクショが流れてきて森奈津子を思い出す
ヘイト界隈って不寛容の極みであるように言われるけど、淫夢界隈と似たようなもんで「合言葉」を一緒に唱えさえすれば誰でも受け入れてくれるというある種の寛容さはある
反ヘイトの集まりなんてのはすぐ正しさを巡り喧嘩するけど、ヘイトの集まりはそうでもない
ラノベやセクマイやSFやら、あちこちで排斥された者でも受け入れてくれる寛容で優しい人達のもとで居心地はいいのかもな
綾小路麗花は結局は優しいお人好しで、誰かと対立しても最終的には和解するいい子で、金網に風船が引っかかったとかで泣いてるガキがいたらエナメルの靴をガビガビにしてでも金網登って風船取ってやるんだよ
「東京24区」というゲームで、あらすじをみると「政界BL」とあり、何やら敷居が高そうで一瞬指が止まってしまった。同名のアニメがあるが、それとは無関係なので気をつけてほしい。
友人から勧められたのと、年末年始にSwitchのDLソフトの半額セールをやってたのとで買った。BLは、商業本を年に1〜2冊読む程度で、よく分かってなかったのでテーマの敷居の高さ以外は全く吟味せず購入できた。しかし、主人公総受けというのに少し抵抗があり、購入してから一週間くらい寝かしてしまっていた。でかいイベント終わってやっと完全にフリーなオフ日に、軽い気持ちでなんとなくプレイし始めたらそれがとんでもない沼だった。AM2:00から翌日のAM5:00くらいまでほぼノンストップでプレイしてしまった。もちろん寝不足。
翌日、PC版(R18指定)を買うに至る。BLゲーム自体ほぼ初めてで、BLのドラマCDとかも聞けない質であるにもかかわらず、ストーリーが気になりすぎて気づいたら購入していた。この時点ではまだSwitch版の真エンドにたどり着いていなかったので、ストーリーの面白さは相当だと思う。
与党衆議院議員最年少の若手政治家、其扇晟尋(そのぎ あきひろ)は京都から選出され政界に参戦した。そのルックスと若さにより、マスコミや国民たちからアイドル政治家のような扱いを受けていることに憤慨を感じる日々を送っていた。
渋谷で起こったテロ事件をきっかけに、テロ対策本部が立ち上げられる。あるルートでは臨時の大臣に大抜擢され、公安のSPである我妻タイガ(あがつま たいが)とともに事件解決に奔走する。其扇の後援会とIAFのスポンサーをつとめる大企業、東郷グループの次期社長であり、テロの被害者である東郷遊馬(とうごう あすま)に寄り添い、協力しながらテロ対策として被害者を守るための法案を作る。テロ対策本部に参加することになった東京都の都知事である白洲武彌(しらす たけみ)とともに過去に起こった自衛官自殺事件の真相を暴く。そして、幼馴染で自身の有能な秘書である蓼丸一貴(たでまる かずき)とともにSP、都知事、IAFスポンサーの社長らを巻き込んで、テロ事件の真相に迫る。
まず、主人公である其扇はメンタルが強くて、優しくて、芯がしっかりあってすぐに好きになれたのが大きかった。気に留めるにはあまりに悪意でしかない国民のコメントとか、保身が大事で老害に成り下がってしまってる政治家たちとか、切り捨てるものはスッパリ切り捨てて切り替えられるポテンシャルをもつ其扇のことを普通に好きになった。こういうシミュレーションゲームって、流されてる感というか八方美人やってる感がどうしても拭えなくて苦手になりがちなのだが、今回そういう違和感を持たずにプレイできた気がする。
全ルートプレイした感想としては、劇場版相棒を見終わった後の爽快感とか達成感とよく似た感情でいっぱいだった。しかも、BLである必要があったかと言われると、必要がめちゃくちゃあった。これがすごいと思う。今まで私が読んできた商業誌のBLなどでは、萌えよりストーリーを重視した作品になると、BL要素はストーリーの要にならないものが多いように思っていたからだ。それでいて、刑事ドラマとか、サスペンスとか、推理小説が大好きな私にクリティカルヒットした。というか、それくらい刑事モノとかにどっぷりの私がしっかり楽しいと思える、厚みのある作り込まれたストーリーだった。
私はまず2〜3個自分で選択肢を選んで、その選択肢がどのルートに行くのか知った上でBAD ENDから回収していく傾向がある。各キャラに2つのGOOD ENDが用意されており、それに分岐していくつかBAD ENDがあった。以下はがっつりネタバレを含む。
◇◇
今回、最初になぞるルートとして私に選ばれたのは、我妻タイガという公安のSPだった。
まず、在日フラーシア人の経営する違法なゲイバーに潜入捜査させられることになったタイガに協力し、無国籍児問題と向き合うストーリー。正直ここがゲイバーである意味があるかと言われればそこまでなのだが、現実でもフィリピンパブとかって繁華街と二丁目の境目あたりにあるイメージがあるので無視する。タイガの持つバックグラウンドと外見をハニートラップとして利用するという面でもゲイバーである必要があったのだろう。上からの命令を淡々とこなすだけのタイガに対し、タイガへの不当な命令に怒る其扇。腐った公安の上層部に、タイガとタイガの上司である宮丘、そして国会議員である其扇の3人で立ち向かいつつ、無国籍児問題に切り込んでいく。その過程で、タイガのことを大切に想っていく描写が良かった。最後に事件解決後の休日をタイガの家で過ごすのだが、PCの版ではここにベッドシーンが追加されていた。あと、このルートのBAD ENDの蓼丸のメンヘラっぷりにちょっと引いたが、これが序の口だったと知るのはもっと後の話。
もう一つはテロ対策大臣としての任務を全うしながらテロ事件の犯人像に迫るストーリー。一見Dom/Subっぽいのに、其扇がDom(受)でタイガがSub(攻)っていう構図が良かった。Dom/Sub萌えが一切ない私でも「ふぅん、いいじゃん」となるくらい良かった。タイガが其扇の議員寮まで其扇を送り届けるときに其扇への忠誠を誓うシーンがあり、PC版ではここにベッドシーン(ベッドではない)が追加されていた。
◇◇
次に選んだのは、冒頭の共通ストーリー部分に出てきて気になっていた白洲都知事のルート。タイガルートで十分面白いと思っていたが、ここからが本当の沼のはじまりだった。
白洲武彌は元防衛庁の官僚だったが、ある自衛官の自殺事件をきっかけに政界に身を投じた。そもそもの土台や手腕も全く違うというのに、共に若いというだけでことあるごとに其扇と比較されることに嫌気が差していた。なので最初からかなり好戦的な態度を取ってくる。が、一緒に仕事をするにつれ其扇のことを認めざるを得なくなる。頭脳戦が多いのがこのルートで、最初こそ討論で頭脳戦を展開する2人なのだが、徐々にバディのように悪い笑みを浮かべながら生き生きと共闘する2人を見ることができる。
まず、白洲都知事と一緒に自衛官の自殺事件の真相を追うストーリー。SNSで募集した情報の中から気になる情報を見つけ、故人のプライベートなことだからとオフレコで白洲に共有したいと申し出る。オフレコということで白洲の自宅に招かれたところで、白洲に騙されて無理やりキスされ、それをすっぱ抜かれ白洲との熱愛報道を流される羽目になりキレ散らかす其扇(と蓼丸)。実証実験とのことで、同性愛というだけで批判的な見方をされることはないのではないか、と発言した其扇を試したのだろうと思い至る。そこからはダブルブレインとして自殺事件を追いつつ、途中折れそうになる白洲(と音坂)の背中を押しまくって救い上げる其扇の頼もしさがよかった。自殺した自衛官と白洲が恋人同士だったと勘違いした其扇が他のルートに比べて早めに恋心を自覚して抑え込もうとする描写もよかった。事件解決後被害者の家族に報告した帰りに傘に隠れながらキスをして恋人関係になり、白洲の自宅へ行ってなし崩しに。後日、ばっちりキスの瞬間をすっぱ抜かれ、白洲にまたあなたの仕業か、と抗議の電話をしたところ、会見中だった白洲にそのままマスコミに向かって交際宣言されてしまう、というのも白洲と其扇の明るくて強い関係性現れる締め方ですごく良かった。
もう一つは、白洲との協力を諦め、というか歩み寄ったのを一方的に跳ね除けられたために万策尽き、会議を入れまくることで、ただでさえ多忙な白洲をもっと忙しくしてオーバーフロー起こさせて潰そう、というストーリー。最初はあの白洲をいじめられるという高揚感から其扇の案に乗ってきた議員たちだったが、どの議員も自分が白洲と対峙できるほどの手腕を持ち合わせていないために保身に逃げるようになる。資料作成や会議の調整を全部押し付けられることになった其扇は、やがて疲弊していく。もう少しで折れてしまうというところで、都庁の長いエレベータに乗り合わせてきた白洲都知事が其扇を引っ張り上げてくれるのが、もう一方のストーリーと対照的ですごくよかった。擦り切れていく其扇に比べ、多忙ながらも都庁のスタッフを鍛え上げてメキメキ力をつけていく白洲がめちゃくちゃ頼もしくてかっこよかった。使い物にならなくなった其扇のことなんか簡単に切り捨てると思っていたのに、その埋もれかけていた有能さをしっかり見極めているために、其扇がほしいと言い切れる一途さ。
ここで離党の意志を蓼丸じゃなく晴山に相談しに行ってしまうと、其扇は民自党と、それに拘っていた蓼丸に諦めをつける。そして、エレベータ内で交わした取り引きを行うため、独断で白洲に抱かれに都内のホテルへ行く。GPSと盗聴器を兼ね備えたアプリで白洲との行為を盗み聞きしていた蓼丸は完全に病んでしまう。Switch版ではこの盗聴データを元に、PC版では薬を盛ってハメ撮りしたデータを元に其扇を強請って、其扇が政治家としての志を折って未来を諦めるBAD ENDになる。
一方で、離党の相談を蓼丸にすると、蓼丸は其扇の選択を尊重して一緒についてきてくれることになる。このストーリーが全部のストーリーの中で一番熱くて好きだ。気持ちの踏ん切りをつけた其扇は白洲に連絡を取る。一度白洲にマウントを取らせることで、自分のプライベートを白洲にさらけ出すことで、白洲と一蓮托生の道を歩むことになるという白洲の意見に戸惑いつつも乗る。PC版だとねちっこいマウンティングの描写がある。其扇もやられっぱなしじゃないので、2人の応酬が見れて楽しい。余談だが、エグゼクティブスイートと書かれたCGがどっからどう見てもラブホの絵なのは頑張ってスルーしたい。
4年後の衆議院選で2人は新党を立ち上げ、34席もの議席を確保するという快進撃に。さらに、与党である民自党との連立政権に持ち込む。初登院のインタビューのスチルでは、白洲に影響を受けたとしか思えない其扇の服装を見ることができる。ここで聞けるBGM「好敵手」が本当にかっこよくて、2人の強い決意、ゆるがない闘志が曲から溢れ出ていてめちゃくちゃ好きだ。2人が前を向くとき、この曲が2人の背中を押し、未来を照らしてくれるようだった。
若い世代を政治に引き込もうとするこの2人の強い意志とカリスマ性、まっすぐで眩しくてすごくいい。現実もこうであってほしい。もしかしたらこいつらみたいな闘志を持った政治家もいるのかもしれないと、本当に少しだけ、淡い期待を持てる気がした。私も変わるぞ、お前らのおかげで。
あと、白洲の声優さんの演技、笑い方とか小馬鹿にする感じが本当に自然で素っぽくてすごくよかった。
◇◇
次に、友人が一番好きだと言っていた東郷遊馬のルートへ。冒頭では、初顔合わせの勉強会で其扇に突っかかってきたり、テロの被害者となった遊馬とその父親を見舞いに来た其扇に激昂したりと結構精神が不安定なのかなという印象を受けた。攻略対象の中で一番可哀想で、どうにかして救ってやりたいと思ったと友人は言っていた。
東郷グループは地盤が京都の老舗旅館で、其扇の支援者のうちのひとつ。遊馬はその視野の広さと柔軟性から、年の離れた長兄と次兄を差し置いて次期社長に抜擢されていた。渋谷のスクランブル交差点で起こった無差別テロを目の前で体験した被害者である。東郷グループの社長だった父親は、遊馬を庇って大重体となり、ずっと意識が戻らない。
まず、BAD ENDしかないルートに行ってしまった。渋谷テロ事件の犯人のDNA鑑定の結果を精査せずにマスコミに発表したらBADまっしぐらに。事件がフラッシュバックして夜眠ることができず、意識が戻らない父親の言葉が幻聴として聞こえるようになる。国際関係が悪化する中、遊馬が提案したイベントは政府にとっても魅力的で、政府協力のもと精神が安定しないまま遊馬はイベントを成功させようと張り切る。ルートの分岐はイベント中に父親の危篤を知らるか知らせないかで、どちらの場合も死に際に立ち会えないが、知らせた場合遊馬は完全に壊れる。知らせなかった場合は其扇を恨むようになり、父親の葬儀の朝、刺殺され遊馬は自分の喉元を掻き切って心中する。個人的にこの心中エンドは結構好きだった。死後の描写が一切ないため、葬儀に現れない其扇と遊馬を心配した兄たちと蓼丸が駆けつけて見た地獄はどんなだろう、と想像してわくわくしてしまった。
もう一つはDNA鑑定の結果を慎重に扱い、かつ政府発表の前に遊馬に外国人労働者について尋ねるため、遊馬と其扇と蓼丸の3人で東郷家御用達の料亭で食事を行ったことをきっかけに、東郷グループと協力して国際問題と東郷家の問題に立ち向かっていくストーリー。食事会での遊馬は勉強会や病院で見た攻撃的な遊馬とは違い、其扇たちへの細部に行きわたる気遣い、会社を背負う者としての責任感と広い視野を見せつける。登場人物の中で、遊馬だけがゲイと設定されており、其扇と共に兄弟や社会からの期待に押しつぶされそうになる弱さや、事件によるショック症状に立ち向かう。ここで、ゲイであることを隠してくれ、という選択肢を選ぶと、其扇は遊馬の性欲処理機と成り果てるBAD ENDになる。これもPC版だとガッツリ抱かれるシーンがあり、遊馬に抱きつつあった其扇の恋心は完全にぶっ壊され、遊馬の性欲処理のために身体を開発され遊馬好みに作り替えられていた。全ルートの中で一番淫乱な其扇だと思う。Switch版の舌の裏のピアスと、PC版のぶちまけられた精液が同じ扱いなのがただひたすらにすごい。
GOOD ENDのほうは遊馬に口説かれるにつれ恋心を順調に育て、遊馬の手腕もゲイであることも家族に認められた報告を受け、其扇は法案を通すための手伝いをして欲しいと嫌われる覚悟で遊馬に告げる。其扇からの依頼を受けるのと、抱かれるのとを交換条件にすることで、最後まで其扇の逃げ道を作ってくれる遊馬の優しさに其扇は陥落。このルートだけはSwitch版よりPC版のほうがいいと思う。其扇を抱く時の気遣いというか、遊馬のいいところ、魅力が濃縮されているからだ。2回戦目を其扇がベッドへ誘うというのもよかった。
◇◇
蓼丸ルートはほか3人を攻略してからでないと解放されない。事件の真相がすべてここにあるからだ。
テロ対策大臣として渋谷で演説を行う際、蓼丸が其扇の盾になり撃たれてしまう。一命をとりとめた蓼丸の入院中、蓼丸が裏金を作っていたことが発覚する。退院した蓼丸を見舞いに蓼丸の自宅に向かい、裏金の話をすると蓼丸は其扇の首を絞める。ここでやめてくれ、と言うとそのまま殺されるBAD ENDに終わる。このBAD END、蓼丸の本当の狂気が垣間見えてめちゃくちゃ恐ろしかった。手を離すよう言うと、メインストーリーが進む。事件の真相については端折るが、事件解決を三条総理と大延(勘当されているが蓼丸の実父)から任された其扇は、白洲都知事、遊馬の力を借りながらタイガと蓼丸と共に事件を解決に導く。Switch版では、三条総理と大延の絆を見た其扇と蓼丸は今後の未来に重要な選択を迫られることになる。個人的には登場人物たちの未来を自由に思い描けるPC版Switch版共通のエンディングが好きだった。
◇◇
ストーリーが本当に良く出来ていて面白かった。私なら、タイトルやキービジュアルを見ても「政界BL」という言葉に敷居の高さを感じて躊躇していたと思う。面白かったと勧めてもらって、半信半疑でプレイした結果これだけのめり込むことが出来て、この作品と出会えて本当に良かったと思えた。友人に感謝しかない。
ラノベみたいだけどラノベみたいな文章で公式が声明出してるんだわ
https://twitter.com/tobeofficial_jp/status/1744343194320699461
※当時一般車両が原因で石川では渋滞が発生し、県知事が来訪を控えるよう強く要請
※ヤマザキパンなど国や県の要請により石川入りするのはよいが芸能事務所であるTOBEに要請が来ると思えず、その記載もなし
※1/3-1/6の期間のうち、自分たちの食事、眠る場所、トイレなどの記載がなく不透明
※この期間は余震が続く可能性が高く、自分たちが二次災害に巻き込まれる可能性あり
やったことは善行かもしれないがこれを美談にしてはいけないと思ってるし、称賛しているのはTOBEの一部ファンだけで安心した。