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2024-02-19

悲惨旅2

四章 40万()のアクセサリー

その日祖母は朝からガサガサと何かを探し回っていた。

「無いわね〜」

「何かなくしたんですか?」

アクセサリーが入った袋がないのよ」

昨日はあったはずのアクセサリー類がまとめて見つからないのだという。身なりにこだわる祖母だ。アクセサリーもこの服にこれを!というものをあのギチギチのスーツケースに詰め込んできたらしい。

「あら、どうしようかしら〜……40万くらいするんだけど……」

パタパタと探してる最中爆弾発言に思わず固まった。なんだって

「あれ全部で40万くらいするはずなのよ!だから困るわ……💦💦」

困るって、そういう問題ではないだろう。祖母がそういうちょっとお高めのものを好む人物ということは知っていたが、具体的な値段とかは初めて聞いた。というか、なぜ旅行にそんなに値の張るものを持ってきているの?そんで、なんでそんなのを無くす?

すごい、疑問符オンパレードだ。なんなんだこの人。

「どうしようかしら!どこかで盗られたのかも……」

探し始めて20分ほどで大胆で心配性の彼女の悪い所が出る。

探しているところを見ていたが、ギチギチのスーツケースを撫でるように探すだけで「無いわ…」と言っているがまずその布しか入ってないスーツケースを全てひっくり返す方が先だろう。

でもこれは今の私だから言えることであって、当時その場にいた私はそれなりに焦っていた。ちょうど母方の祖父インドで30万円をすられた話を聞いていたから、もしかしたら…の気持ちがぬぐえなかったのだ。

うちの親戚たちはなぜ旅行に行くのに数十万を迂闊に持ち運ぶのだろう。成金なの?それともマヌケ?まぁ、もうじいさんは死んでるから知りようもないが。かなしいかな、私たちはしっかり両方の間抜けの血を引いている。せめて他人に余計な迷惑をかけずに生きましょう。

それはさておき、見つからなくても旅行は始まる。

とりあえず添乗員さんに知らせるとすごい必死で前日止まった宿に連絡してくれた。申し訳ない。

そんでもってその伝え方がまぁ"繁子(祖母)節"だったから聞いてもらおう。

添乗員さん、あのね、全部で40万のアクセサリーの入った袋が無いのよ…」

「えぇ!」

「もしかしたら昨日の宿に置いてきちゃったのかもしれないから連絡してくれない?40万くらいのアクセサリーが入った黒い袋ね、盗られたのかもしれないわ…」

「わ…かりました。すぐに連絡致します。」

これを早口でまくし立てる。ポイントなのが、「40万」という金額連呼すること。その単語いる?

可哀想添乗員さんはすぐに宿を始めとする各所に連絡してくれた。

その間祖母迷惑をかけたなんてさらさら思っておらず、わりと旅行を楽しんでいた。さらには昼食の席で一緒になったご婦人方に「40万くらいのアクセサリー類が無くなったのよ〜」と話していた。ご婦人方は心配してくれたが、傍から聞くと困りに見せかけた金持ち自慢にしか聞こえない。

さら添乗員は休憩時間に入った時に「すみません、もうクリーニングが入っていて、そういった届けは無いようです…」と報告してくれた。ぜんっぜん悪くないのに「申し訳ございません」と述べる添乗員さんが哀れで祖母迷惑をかけていたたまれなかった。

当の本人は「あら…。じゃあどうしようかしら…」と不安げな表情を浮かべたが、盗られた(仮定)ことには微塵の疑いもなく、金のイヤリングだのバカかいカメオだの、アクセサリー類がどんなものだったか説明していた。それを聞いてさら添乗員さんの顔がますます曇る。そりゃ、自分が引率した客がすられたなんて良い話じゃないだろう。しか祖母いわくかなりの高額商品。あるのかは知らないが保険とかそういう手続きだってある。添乗員さんの皮膚の見える頭頂部はこの心労で抜け毛が増えるんじゃなかろうか。

なんだってそんな高いもんを持ってきたんだ。見栄です。って、理由があまりにもしょうもないでしょ。

結局見つかりそうもないままホテルへ。荷解きをしている時祖母が声を上げた

「あ!あったわ!

「えっ!?!?

例のアクセサリーが見つかった。スーツケースポケット部分に入っていたらしい。真っ先に探すべきところでは?そして、

「なんだ、こんなとこにあったのね。」

一言。こういう時、普通の人ならば「よかった…」とか、「心配かけちゃったわね…」とかの反応をすると思うが、そこは祖母他人迷惑をかけたという発想がない。一日がかりで何人も余計な心配をかけたことに対する謝意とか、そういったことはこの人の頭には存在しないのだ。それに気づいて力が抜ける。

添乗員さんと昼のご婦人方はに無事見つかったことを伝えたが、その時も"繁子節"は圧倒的だった。以下はご婦人方に知らせた時の祖母だ。

「ほら、見てぇ〜!見つかったのよ〜!」

と言いながら早速見つかったブローチを胸元に付けたのを見せつけに行った。昼間に散々「盗まれたかも」とか言って心配してもらってた相手にできることじゃない。呆れを通り越して面の皮の厚さに天晴れだわ。その精神力があれば怖いものなんかないだろう。

こうして、40万アクセサリー紛失事件添乗員さんに余計な苦労をかけただけで幕を閉じた。

余談だが、この話はリアルタイムLINEで共有していたのだが、帰国してから父が「ほら見てぇ〜!」と言いながら胸元を指さすモノマネをしばしばやるようになった。こうしてネタにしてはいるが、もし、当時同行していたのが父だったら海外で最悪の親子喧嘩をして帰ってきていたと思う。

閑話・ボッティチェリに敬意を示して。

さて、前回無くしたアクセサリーが無事見つかったが、次の日はフィレンツェにあるウフィツィ美術館に向かう。ボッティチェリの「春」「ヴィーナス誕生」等某ゼリヤ店内で必ずと言っていいほど飾られている有名すぎる絵が見どころだ。

正直ヨーロッパツアーだと1週間とかでいくつもの美術館を巡るから作品ひとつひとつの貴重さとかよりも人でごった返す中、はぐれないよう頑張ってついて行きーの作品チラ見して説明聞きーの写真撮りーのの繰り返しで鑑賞する風情もへったくれもあるもんじゃなかったけど、そんなもんなのか。

ツアー自体の目玉でもあるこの日、祖母特にオシャレをして臨んだ。あのギッチギチのスーツケースからこの日に着る服を決めていたのだと思われる。毎日服を変えていた祖母ファッションショー写真で残しておけばよかった。当時はそんな余裕もなかったが。

その日のコーデの主役は胸元に付けられたバカデカカメオ。5~6cm程のブローチにしてはかなり大きなそれは真偽は知らないが祖母曰くかなり高級なものらしい。そう、前日無くしたと騒ぎを起こしたあれだ。

同じツアーの客にブローチ素敵ねと声をかけられ祖母の鼻は高々。

「えぇ、ボッティチェリに敬意を示してね。ほら、プリマヴェーラの柄なのよ」

添乗員さんにまで聞かれてもないこだわりを披露する祖母。ああもう、添乗員ちょっと引いてるじゃないか他人のフリをさせてくれ

この話、何がすごいって、祖母別に美術に特段関心がある人でもないということ。美術が好きでボッティチェリの実物を見れるのが嬉しい!という人ならばまぁ、「ボッティチェリに敬意を示して」なんて言っても許されるが祖母絵画の前を結構素通りするような人だから、余計に「んなこと言う!?」という気持ちが大きい。普通に生きててそんなの言う様な人は叶姉妹くらいしか思いつかないのだけど、祖母普通一般人じゃん、ハイソぶってるん?恥じゃん、そんで身内じゃん。勘弁してくれ。

しかボッティチェリの実物を間近見てもまぁサイゼで見たのも同じだなぁという感想になった自分ももしかしたら祖母と似たような感性を持っているのかもしれない。血の繋がりに震える。しょぼい感想しか言えなくて情けなくなるが、貴重なものを鑑賞したこと自体は間違いなく良い経験になったと思いたい。小学2年生並の感想ではあるけど。


5章 ナポリと靴

青の洞窟に行く日、ついに私は限界を迎え、その日の観光を全てブッチして一日ホテルに留まる権利を獲得した。そして、ここまでで祖母性格をなんとなく知っているならばこの権利を得るまでにも戦いがあったことも想像に難くないだろう。

この作戦はまず第一に私とおばあちゃんとの別行動が肝だ。というか、そのためだけに私はわざわざ観光の目玉ともいえる青の洞窟キャンセルしたのだ。

朝食の時間から勝負は始まった。朝食会場に着くと同時に添乗員に駆け込み

「スミマセン、チョットタイチョウガワルイノデ今日観光ホテルヤスマセテイタダキタイデス」

添乗員は当然心配ポーズを取りながらも了承する。

「あら!そしたら私も一緒にいた方がいいかしら!?

間髪入れず飛んできた祖母(謎自信杖無し)の攻撃に、勘弁してくれ!!!叫びたくなる。若干叫び漏れたかもしれない。

大丈夫です!なのでおばあちゃんはぜひ行ってきてください!!!!!貴重な体験ですし!!!!!!

ビックリマークの数は必死さの証。ここで折れたら全部ムダ。白刃戦の火花が散った。

「でも…」

ダイジョウブデスカラ!!!!!!

押し問答を何回か繰り返し、半ば無理矢理一人の休暇を勝ち取った。勝ちました。人生は強引さが必要な時もあって、それは今だった。朝から何をやっているんだろう。

部屋でのことは特に書くともないけど、FGO夏イベをやっていたことと、わりと階数の高い部屋で窓がやたら汚かったことぐらい。

私が一人時間を無為ソシャゲに費やしている間に事件は起こった。祖母は、ウン年前、下手したら二桁年前に買った慣れない靴を引っ張り出してきていたのだった。ツアーについていけなくなったあたりから「靴が悪いのよね!前の奴だから!」と旅行初日から怪しい声を聞いていたその靴が遂にぶっ壊れたという。

身体能力ごまかすような靴への悪態を聞くたびに普通に靴は古いし本人の体力も身体能力も落ちてますよ、の言葉を喉元で押しとどめていた。あたりまえ体操過ぎる。

帰ってきた祖母第一声は「この靴ナポリで買ったの!」だった。足元にはメタリックな輝きを放つパープルの靴が光る。まずなんで洞窟を見に行った人の足元が新しくなって帰ってきてんの?

頭に???が浮かぶ

肝心の洞窟はと言うと「ああ、綺麗だったわよ、うん。」とホントに行った???と思うようなうっすい反応。

その後ろを添乗員さんが「すごかったですよおばあ様。店内でたくさん試し履きをされていて」と伝えてくれた。

すごい、見てないのに光景が目に浮かぶ添乗員さんにお世話を丸投げしたようなもんだ。心なしかげっそりして見えて申し訳なさが募る。ごめん、でも限界だったんだ。

当の本人はケロッとしておニューの靴にご満悦なようだ。きっと気に入るものが出てくるまで沢山試着したのだろうと想像して頭が痛くなる。添乗員さんの様子を見るに多分現地の店員さんにも日本語で「もっと𓏸𓏸なのはないの!?」とかなんとか言ってたんだろうなあと思う。言葉の通じない異国の地で謎に自信に満ち溢れてる(そのくせ心配性な)のはなぜなんだ。

こうして、ぶっ壊れたウン10年前の靴はろくに使われずに外国ホテルに捨てられて行き、おばあちゃんの足元は新しく"ナポリで買った靴"で飾られ、その後の旅路を共にすることとなった。

今回の教訓:靴は履きなれたもの履いて行こう。

間違っても大事しまい込んだ靴を久々に出すもんじゃないよ、旅先でぶっ壊れるからね。

六章 おばあちゃんクレーム

クレームクレーム (クレイム、英語: customer complaint, consumer complaint)は、サービスに対する苦情や改善要求契約あるいは法律上権利請求を指す和製英語。ーWikipediaより

クレームを入れたことはあるだろうか。私はない。大体の人もそこまでのことがなければクレームを入れることは無いと思う。サービス側が悪いこともあるが、客側がかなり無茶苦茶をいうことがある。無茶苦茶クレームを入れる人のことをクレーマーと呼び、さらサービスだけでなく個人的な怒りも乗せてくるような輩は一段昇格して「モンスタークレーマー」と呼ばれる。こうなってくると、もうヒューマンじゃありません。ホモ・サピエンスから新しい生き物への変身だ。

コールセンターアルバイトで実際にクレームを受けたことがあるが、その時は相手の「だいたいお宅はさあ!」との発言に(本当にこんなことを言う人がいるんだ!)と感動したものだ。今まで私が見てきた創作内のクレーマーが言ってたことそのまんまの言葉を受け取って、おお!と今までの答え合わせができた気分だった。まぁ、バイトの内容的に相手の氏名住所生年月日職業家族構成家族情報も全部知っているという圧倒的に有利な立場だったから慌てなかったというのもある。

さて、クレーマー対処には同じ気持ちになって怒ると有効というのがある。自分より起こってる人を見て逆にクレーマー側が冷静になるとか、自分の怒りが認められたと思うことによって満足するらしい。

一方で、対処相手同調してくれたと思い込みさらに怒りがヒートアップするタイプもいる。もちろん祖母後者だった。

悲惨

ツッコミ祖母ファンタスティックで困るって話【不在】

膝の手術を3回受けた70代祖母が同行者の孫に無断でイタリア縦断弾丸ツアーに申し込んだ話。

序章 不安しかない出発

一章 〜杖買うって言ったじゃん!!〜

二章 「歩くのが早すぎるのよあのオバサン!」

三章 こんなとこに住む人の気がしれませんよね

四章 40万()のアクセサリー

五章 ナポリと靴

六章 おばあちゃんクレーム

七章 ローマの夕食

終章 逃げ切った空港バス

サイドストリー

シャワーとかは感覚で使わせて欲しい

・激重スーツケース

・Tボーンステーキ〜季節のマウントを添えて〜

・自慢話と夏の空

ボッティチェリに敬意を示して。

・嵐ってすげぇや!

序章 不安しかない出発

孫が中学三年になるのに合わせて祖母海外旅行に行きたいと言い出した。

昔は海外によく行っており孫と一緒に行くのが夢だったんだそう。

そこで白羽の矢が立ったのが、2番目の孫で初の女の子わたし

おばあちゃんは息子しかいないから初めての女の子をかわいがって、よく自分の好みの服やらを買って着せられた。娘がいたらしたかたことを私にしてる感じ。

あとまぁ「孫と一緒に旅行!」ってのが老人にとってはステータスなんだね。「孫と海外旅行をするくらい仲が良くて金銭的にも裕福な家庭」みたいなさ。

「あらお孫さんと旅行?いいわね〜羨ましいわ〜」って言われたいのもあったと思う。そりゃあ孫連れて旅行してる人がいたらそういう反応しかないでしょ。

当時は何も知らんかったか旅行行くのに全然賛成で二つ返事でOKしたし海外行けんの楽しみにしてた。

祖母は膝が悪く何度か手術の経験もあるため、最初は膝のこともあるしバンクーバーあたりのひとつ都市に留まってゆっくりしようねって話してた。

それが5月のある日

「孫ちゃんイタリアにしない!?もう申し込んじゃった!」

って。ねぇ、あんた。

パンフレット見せてもらったらまぁイタリアを北から南まで大移動する8日間の超弾丸ツアー。母が「大丈夫なんですか?」と心配そうに聞いても「大丈夫よ〜!」で聞きゃしない。

身体爆弾抱えてる人がどうしてそこまで自信満々になれるのか。謎です。

テンションの上がった人間は突拍子もないことを言い出すの典型を目の前で見た。

1章 〜杖買うって言ったじゃん!!〜

そして迎えた当日、前泊する為に祖母の家に行った私が「杖あります?」って聞いたら、自信満々に「無いわ!でも多分大丈夫だと思うから!☺️」

まって??

いやもう、「なんで??」の一言に尽きる。

だって言ったもん、「買う」って言ってたやんけ。母さんがおばあちゃんの膝を考慮して折りたたみ式の勧めたり口酸っぱくして杖を持っていけって言ってたから。そりゃあ買ってると思ってたし若くないんだから過信しないでくれ、たのむから

ここで私が間違ったのは不安に思いながらもすぐそばショッピングモールに走って杖を買いに行かなかったこと。これが後に解決できない大問題となる。

今なら過去の私をぶん殴ってでも杖買ってこっそり自分スーツケースに突っ込む。もし声だけでも伝えられるなら夜とか関係なしに「杖を探しに走れ〜!!!!!」って叫ぶ。絶対に。

「何かあったら現地で買うわ!」って言ってたか大丈夫かと思ってた。

予想してたとおり毎日足が痛くなるくらい歩く超弾丸ツアー。15歳の私でそうなんだから70代の祖母はさぞ辛かったと思う。

でもね?普通に考えて膝にボルト埋まってて普段杖ついてんのに、どう見ても歩くツアーに杖の1本も持ってかないなんて、そんなことある

現地について2日目くらいに高級店が並ぶ通りで杖を見つけた。べっ甲の持ち手のついたツヤツヤの杖だったからこれならおばあちゃんも満足だろうと思って「杖ありましたよ!」って声かけた。のに。

「でもね〜、ここ(現地)の人に合わせてあるからおっきいのよ」

なんて??????

現地で買うって?言ってませんでした???

祖母は中肉中背、ヨーロッパ基準の杖はそりゃ合わんだろう

ちょっとマジでよく分からないんだけどそんなん最初からお前わかってたの?つまり絶対買う気ないのに買うって言ってたんか?って。

既にツアーの列から遅れて添乗員さんに迷惑かけてんのに何言ってんの?って。

オシャレでプライドの高い祖母にとって杖を着いて歩くのは格好悪いと、ただそれだけだったのだ。

結局杖は買わず観光続行。明らかに膝を気にかけております

miss! 選択 を 間違え た !

地獄ルート に 決定 します !

to be continued

閑話 シャワーとかは感覚で使わせて欲しい

イタリアに着いて初日夕方に到着したのでそこからバスに乗る。着く少し前に機内食が出たから夕飯は無し、この日はホテル直行して寝るだけ、明日から観光が始まる。

10時間以上のフライトで腰は痛いしケツはもじょもじょするしで、10時間前に一瞬顔を合わせた人たちと一緒のバスに乗ってホテルへ向かう。

ホテルの部屋へ入り、荷物の整理をして、今すぐシャワーを浴びて寝たいところだが事は起こった。

シャワーが出ないのだ。

というか、湯をシャワーから出せないのだ。

普通、コックを上下に動かせば水が出るし、それをひねれば温度調節ができる。少なくとも日本ではそうだ。

このシャワーはどうだろう。コックを上にあげると蛇口から水が出る。コックをひねって温度調節も可能だ。それでも蛇口から繋がるシャワーはうんともすんとも言わなかった。

困った。いちおう先進国なのに世界共通必須のものの使い方がわからないなんてことある?私はある

もういっそこの蛇口で滝行をするしかないのか?とまで考えた。

長旅直後に知らない土地で使い方がわからなくてゆっくり風呂にも入れないなんて哀れだね。

しばらく考えて、海外経験豊富なおばあちゃんなら知ってるかなと思って聞いてみたら、祖母はすぐに「フロントに連絡するわ!」と。

あんたも知らないんかーい

いやいいんだけど、知らないのは別に良いのだけどね、ここでフロントに連絡してもイタリア語なんてさっぱりだし、なんなら英語も怪しい祖母と孫で外人スタッフコミュニケーションが取れるなんて到底思えない。

それだけは勘弁してくれの一心で私はひたすらスマホで使い方を探した。

その間も祖母3分に1回「やっぱりフロントに聞いた方が良いんじゃないかしら」と言ってきた。祖母なりに心配だったのだと思う。その自信はどこから来るのかだけ聞かせて欲しい。

型番を検索しても外国語のページが出るばかりで、祖母によるホテルスタッフ襲来の圧を受けながら色々いじくっていたら、ふとした拍子にシャワーから水は出た。

蛇口から水を出した状態蛇口の先の部分を引っ張るとシャワーが出る仕組みだったらしい。初見しか

なんでこんなとこで1人謎解きやってるのかさっぱり分からないが、ホテルスタッフを呼ばれる前に解決できたのはファインプレーだったと今も思っている。

二章 「歩くのが早すぎるのよあのオバサン!」

歩く!歩く!歩く!

弾丸ツアーはひたすら歩く。海外旅行に行く層なんて暇と金のある金持ちのじいさんばあさんが主なのに、旅行会社のツアーは「夢の🎶イタリア一周」だとか、「スペイン世界遺産ツアー」だとかの移動にかなり無理があるツアーばかりを組んでくる。

東京の有名観光地を巡るだけのツアーとか作れよ

例に出したのは私が実際に祖母(父方 母方)と参加したツアーだ。そしてどちらも参加者の平均年齢が60を越していた。

老人、己の体力を過信するな。

しかしたらゆったりしたツアーもあったかもしれないけど、私が知る前に祖母は申し込んでいたから知る由もない。そゆとこの報連相大事だと思うんだ!

数日で全部を回ろうなんてツアーでは大体の日程がメチャクチャ歩いてるか数時間バスに乗るかの2択になるが、直射日光を浴びて歩いたジジババばかりのバスなんて小学生遠足帰りのバスより爆睡率が高い。

寝息の聞こえる静まり返ったバス内は幼稚園のお昼寝の時間と同じ空間だった。

日に当ててから涼しいとこでゆっくりさせるのはね、寝かしつけの方法なんよ。

私はイタリアに行ってまでソシャゲガチャを引いて、推しが出ては「ありがとうイタリア…😭🙏」とTwitterつぶやくだけになった。景色は飽きる

観光地に着くとその場限りの現地ガイドが着くことがままある。

大体このガイドはやたら大声でハキハキと話す細身な40代くらいの女性が多い。あとなんかダサい旗持ってるよね、キティちゃんとか。

そんで、そのハキハキしたおばさんガイドはめちゃめちゃ歩くのが早かった。大股でズンドコ行くので必死で追いかけるが、配布のトランシーバー早口観光地の説明をするから忙しい。

実績解除のための観光だ。この現地ガイドにより観光RTA(リアルタイムアタック)に様変わりした。

参加者も置いていかれないよう頑張って着いていくが、ここで忘れちゃいけないのが祖母だ。

観光は現地ガイドが先頭に立ち先導しつつ、はぐれる人がいないよう1番後ろを常勤ガイドで挟む姿勢を取る。

私が息切れしながら振り返ると、横にいたはずのおばあちゃんがいなかった。

前に言った通り祖母は膝が悪く、普段杖をついているくらいだから当然歩くのが遅い。それに杖無しというデバフ+でこぼこの石畳+傾斜が拍車をかけた。

「歩くのが早すぎるのよあのオバサン!」

追いついた時、祖母一生懸命歩きながら悪態をついていた。

うん、まあ、なんだろう。同情できない。

列の1番後ろでガイドさんに付き添ってもらって悪態をつくって、どう???

ガイドさん、ごめんな。

杖があればどんなに楽だっただろうと今更ながら後悔したし、この旅行中頭10%くらいでは常に杖のことを考えていた。ちなみに今でも百均で杖を見ると「この!クソ!!これがあれば!!」と思う。500円しないで買えるんだぜ?

閑話 クソ重スーツケース

表題の通りである。おばあちゃんスーツケースバカクソ重いって話。

おばあちゃんスーツケースが重量制限心配になるくらいマジでバカ重かったんだけど、

「何も入ってないのよ〜このスーツケースいから〜」って言ってたし、古いスーツケースの重さなんて知らんからそんなもんかなって思ってた。ハードケースだったし。

重量制限23キロまでで、おばあちゃんのは20キロくらいだったはず。行きの時点でこれって土産のも買うはずだけど大丈夫????となったがホテルで開けて驚いた。

広げた両側に服が隙間なくギッチリ詰め込まれていた。

ニモ…入って…ない…❓

スーツケースが古いとかそんな問題じゃねーよ。ギチギチに布詰めて「何も入ってない」なんて言える姿勢は逆にすげーよ。

ちょっと冷静になったけどこの後のお土産タイムで早速おばあちゃんが買ったワイン旅行中ずっと私のスーツケースに入れて運ばれた。たまにスーツケースから瓶が擦れて酒屋の音がした。

旅行の回数が多いだけの自称旅慣れてると本当の旅に慣れてる人というのは別物だ。

閑話 Tボーンステーキ〜季節のマウントを添えて〜

閑話3つ目である。ちなみに書いてあること全部まだ2日くらいで起こったことで、たかだか1週間程度の旅行でよくここまでネタがあるなとしみじみ思う。

一応海外旅行に行くからには大体のツアーには現地の有名料理が組み込まれている。Tボーンステーキもそれのうちの1回。2日目の夕飯だったかな。

「夕ご飯のメインはステーキです」

ガイドさんがメニューを読み上げてなんかよくわからんサラダとか食べて、例のメインは来た。

ミスター味っ子存在だけは知ってる料理だけあって私は若干テンションが上がっていた。

出てきた肉は画像の通りである

第一印象、「左ちっっっさ!!!!」

漫画の微かな記憶では左がヒレで右がサーロイン、さっぱりしたヒレを先に食べ脂の乗ったサーロインを味わうのが鉄板だと味っ子の顔のうるさい審査員が言っていた。

記憶のTボーン比率は約1:2、出てきた肉の比率は1:5くらい。申し訳程度のヒレ肉に思わず笑ってしまった。これ、わざわざTボーンにする必要ある?

まぁそれは例によって外国なのでサーブされた人によって大きさも全然違っていた。海外に行ってまで日本のような画一化を求めるのが間違っているとも言える。日本が細かいのか、海外が雑なのか。

肉質にも差があって、同じテーブルのおじいさんは「固すぎて食べられない」と言っていた

私のは食べられないって程じゃなかったけど、先に言ったようにツアー参加者は老人の方が大体だ。その人たちにこれは重いんじゃないかと思う。

そっかーとか思いつつ1人で黙々と食べてたら祖母

「そうかしら?私のすっごく柔らかいのよ!ほら!」

と、見せつけるように肉を切っていた。肉が固いと言っていた人の目の前で。

何故。

嫌がらせか?と思ったが、別に祖母はそんなこと考えておらず、ただ思ったことを言っただけだ。それがナチュラルマウントになる人なのだ純粋培養のヤバ人(やばんちゅ)である。悪意は一切ない。

そしてその素直な性格がこの旅行悲惨にした一番の原因である

ただただ、いたたまれなかった。ここで私が「そういう意図はないんです!」なんてことは到底言えないし、言ったところで祖母理解するような人じゃないし、わたしにできることと言ったら押し黙って肉を食うだけだった。

言われた同じテーブルの人たちは「人によって差があるのね〜」とかで流してくれた。大人だ。

そしてうちの祖母がごめん。

3章 「こんなとこに住む人の気がしれませんよね」

イタリアといえばベネチア水の都。今回のツアーももちろんベネチア観光が含まれていた。

こんなにネタがある時点ででお察しだとは思うが、祖母はかなり癖が強い。私と年代が違うから、というだけでなく単に人間としての癖が強すぎる。だから付き合うにはかなりコツなり話し方なりに工夫が必要だ。特殊食材

祖母の特徴を端的に並べると

お嬢様趣味(メルヘン)気質なとこがある。

・謎の自信を持つ。

・反面、少々過剰に心配性な面もある。

個人的英語のレッスンを習っていた。

介護息抜き海外旅行へ行っていた。特にヨーロッパを中心に巡っていてイタリアにはもう何回も来たからもう飽きちゃったくらい!が旅の口癖だった。

謎の自信、杖の件はこれが遺憾なく発揮された結果だ。このエピソード祖母人間性が伝わったかと思う。決して悪い人ではないから逆にタチが悪いのだ。悪意じゃないから私もそんな強く言えないし、そもそも強く言えるような間柄でもないのがさらに状況の悪化拍車をかけた。私は押しに弱い典型的な日本人であったから余計に。あの場にいたのがアメリカ人かもしくは私たちの母だったら「ダメよ!杖を持たないと出発しないから!」と断固拒否姿勢を見せただろう。私も1人ストライキを決行すればよかった。

話を戻そう、ベネチアである

ここで問題なのが「イタリアにはもう何回も来て飽きちゃった!」の口癖だ。

わざわざ12時間飛行機に乗ってケツを酷使して見知らぬ土地に降り立って言うことがそれなの、普通にやばい。現地ディスしたい行動力の鬼なの?

修学旅行の同じ班に到着直後から「もう来すぎて飽きちゃった!」なんて言う奴がいたら、そいつ絶対回る友達いないでしょ。もし現地の京都人に聞かれて初手からぶぶ漬けを出されても文句は言えない。花輪くんでもそんなマウントは取らん。

しかし一番直近でも10年以上前イタリアだって発展し続けるのだ。祖母は旅の間中も思い出のイタリア(思い出補正シマシ)に浸り続けている。

ベネチアは陸から少し離れた場所にあり小さな船に乗って向かう。

海の水は綺麗ではないが、所狭しとゴンドラが並び、ヨーロッパ建築様式で作られたカラフル屋根や壁に白い柱、窓の一つ一つまで細かな意匠が凝らされた建物がずらりと並び、それらが海の上に浮かぶ光景は圧巻だった。色んな作品の題材になるわけだ。これは日本では見れない、世界は綺麗なものがいっぱいあるなぁ、連れてきてもらってありがたいなと素直に感謝した。

水に浮かぶふかふかした地面の繋ぎ目を歩き、現地ガイドさんの説明を聞きツアーの皆さんもワクワクした目で街を見渡しているその時

「こんなとこに住む人の気がしれませんよね〜」

ここでタイトル発言だ。

見れば祖母が隣の人になかなかの声量で話しかけていた。あえての悪意とかではなく井戸端会議で「や〜ね」とでも言うような表情で。

やめろや。思うのはまだ良いとして、百歩譲って話しかけるなや。瞬時に吹っ飛ぶ感謝もっとありがたがらせてくれ。

隣の人はどんな反応をしたっけ。曖昧に相槌を打っていたっけ。でもこの場で言うべき言葉ではないことだけはわかる。

KY発言選手権があればこの発言はかなり上位に食い込む確信があるし、さらに現地で言ったことで芸術点も加算、相当な高得点を取れるはずだ。エピソードとして聞く分には良いのだけども。

これによって私は生涯ベネチアを思い出す際にはこの時の祖母発言とあのいたたまれない気持ちを思い出すのだ。なんの呪いだよ。

以上、ベネチアでの思い出でした。

まぁこの後も絆創膏を探してドラッグストア店員(イタリア人)に「Where is バンドエイド?」と英語で聞いたり(結局買えなくて私が持っていたのを渡した)自由時間迷子になったり私が素敵な羽根ペン買ったら「お金あるわね〜」と本人にその気はなくても嫌味と取れる事を言われたりがありましたがエピソードとしては”弱”なので口頭で説明すれば良いかと思います

四章 40万()のアクセサリー

その日祖母は朝からガサガサと何かを探し回っていた。

「無いわね〜」

「何かなくしたんですか?」

アクセサリーが入った袋がないのよ」

昨日はあったはずのアクセサリー類がまとめて見つからないのだという。身なりにこだわる祖母だ。アクセサリーもこの服にこれを!というものをあのギチギチのスーツケースに詰め込んできたらしい。

「あら、どうしようかしら〜……40万くらいするんだけど……」

パタパタと探してる最中爆弾発言に思わず固まった。なんだって

「あれ全部で40

悲惨

ツッコミ祖母ファンタスティックで困るって話【不在】

膝の手術を3回受けた70代祖母が同行者の孫に無断でイタリア縦断弾丸ツアーに申し込んだ話。

序章 不安しかない出発

一章 〜杖買うって言ったじゃん!!〜

二章 「歩くのが早すぎるのよあのオバサン!」

三章 こんなとこに住む人の気がしれませんよね

四章 40万()のアクセサリー

五章 ナポリと靴

六章 おばあちゃんクレーム

七章 ローマの夕食

終章 逃げ切った空港バス

サイドストリー

シャワーとかは感覚で使わせて欲しい

・激重スーツケース

・Tボーンステーキ〜季節のマウントを添えて〜

・自慢話と夏の空

ボッティチェリに敬意を示して。

・嵐ってすげぇや!

序章 不安しかない出発

孫が中学三年になるのに合わせて祖母海外旅行に行きたいと言い出した。

昔は海外によく行っており孫と一緒に行くのが夢だったんだそう。

そこで白羽の矢が立ったのが、2番目の孫で初の女の子わたし

おばあちゃんは息子しかいないから初めての女の子をかわいがって、よく自分の好みの服やらを買って着せられた。娘がいたらしたかたことを私にしてる感じ。

あとまぁ「孫と一緒に旅行!」ってのが老人にとってはステータスなんだね。「孫と海外旅行をするくらい仲が良くて金銭的にも裕福な家庭」みたいなさ。

「あらお孫さんと旅行?いいわね〜羨ましいわ〜」って言われたいのもあったと思う。そりゃあ孫連れて旅行してる人がいたらそういう反応しかないでしょ。

当時は何も知らんかったか旅行行くのに全然賛成で二つ返事でOKしたし海外行けんの楽しみにしてた。

祖母は膝が悪く何度か手術の経験もあるため、最初は膝のこともあるしバンクーバーあたりのひとつ都市に留まってゆっくりしようねって話してた。

それが5月のある日

「孫ちゃんイタリアにしない!?もう申し込んじゃった!」

って。ねぇ、あんた。

パンフレット見せてもらったらまぁイタリアを北から南まで大移動する8日間の超弾丸ツアー。母が「大丈夫なんですか?」と心配そうに聞いても「大丈夫よ〜!」で聞きゃしない。

身体爆弾抱えてる人がどうしてそこまで自信満々になれるのか。謎です。

テンションの上がった人間は突拍子もないことを言い出すの典型を目の前で見た。

1章 〜杖買うって言ったじゃん!!〜

そして迎えた当日、前泊する為に祖母の家に行った私が「杖あります?」って聞いたら、自信満々に「無いわ!でも多分大丈夫だと思うから!☺️」

まって??

いやもう、「なんで??」の一言に尽きる。

だって言ったもん、「買う」って言ってたやんけ。母さんがおばあちゃんの膝を考慮して折りたたみ式の勧めたり口酸っぱくして杖を持っていけって言ってたから。そりゃあ買ってると思ってたし若くないんだから過信しないでくれ、たのむから

ここで私が間違ったのは不安に思いながらもすぐそばショッピングモールに走って杖を買いに行かなかったこと。これが後に解決できない大問題となる。

今なら過去の私をぶん殴ってでも杖買ってこっそり自分スーツケースに突っ込む。もし声だけでも伝えられるなら夜とか関係なしに「杖を探しに走れ〜!!!!!」って叫ぶ。絶対に。

「何かあったら現地で買うわ!」って言ってたか大丈夫かと思ってた。

予想してたとおり毎日足が痛くなるくらい歩く超弾丸ツアー。15歳の私でそうなんだから70代の祖母はさぞ辛かったと思う。

でもね?普通に考えて膝にボルト埋まってて普段杖ついてんのに、どう見ても歩くツアーに杖の1本も持ってかないなんて、そんなことある

現地について2日目くらいに高級店が並ぶ通りで杖を見つけた。べっ甲の持ち手のついたツヤツヤの杖だったからこれならおばあちゃんも満足だろうと思って「杖ありましたよ!」って声かけた。のに。

「でもね〜、ここ(現地)の人に合わせてあるからおっきいのよ」

なんて??????

現地で買うって?言ってませんでした???

祖母は中肉中背、ヨーロッパ基準の杖はそりゃ合わんだろう

ちょっとマジでよく分からないんだけどそんなん最初からお前わかってたの?つまり絶対買う気ないのに買うって言ってたんか?って。

既にツアーの列から遅れて添乗員さんに迷惑かけてんのに何言ってんの?って。

オシャレでプライドの高い祖母にとって杖を着いて歩くのは格好悪いと、ただそれだけだったのだ。

結局杖は買わず観光続行。明らかに膝を気にかけております

miss! 選択 を 間違え た !

地獄ルート に 決定 します !

to be continued

閑話 シャワーとかは感覚で使わせて欲しい

イタリアに着いて初日夕方に到着したのでそこからバスに乗る。着く少し前に機内食が出たから夕飯は無し、この日はホテル直行して寝るだけ、明日から観光が始まる。

10時間以上のフライトで腰は痛いしケツはもじょもじょするしで、10時間前に一瞬顔を合わせた人たちと一緒のバスに乗ってホテルへ向かう。

ホテルの部屋へ入り、荷物の整理をして、今すぐシャワーを浴びて寝たいところだが事は起こった。

シャワーが出ないのだ。

というか、湯をシャワーから出せないのだ。

普通、コックを上下に動かせば水が出るし、それをひねれば温度調節ができる。少なくとも日本ではそうだ。

このシャワーはどうだろう。コックを上にあげると蛇口から水が出る。コックをひねって温度調節も可能だ。それでも蛇口から繋がるシャワーはうんともすんとも言わなかった。

困った。いちおう先進国なのに世界共通必須のものの使い方がわからないなんてことある?私はある

もういっそこの蛇口で滝行をするしかないのか?とまで考えた。

長旅直後に知らない土地で使い方がわからなくてゆっくり風呂にも入れないなんて哀れだね。

しばらく考えて、海外経験豊富なおばあちゃんなら知ってるかなと思って聞いてみたら、祖母はすぐに「フロントに連絡するわ!」と。

あんたも知らないんかーい

いやいいんだけど、知らないのは別に良いのだけどね、ここでフロントに連絡してもイタリア語なんてさっぱりだし、なんなら英語も怪しい祖母と孫で外人スタッフコミュニケーションが取れるなんて到底思えない。

それだけは勘弁してくれの一心で私はひたすらスマホで使い方を探した。

その間も祖母3分に1回「やっぱりフロントに聞いた方が良いんじゃないかしら」と言ってきた。祖母なりに心配だったのだと思う。その自信はどこから来るのかだけ聞かせて欲しい。

型番を検索しても外国語のページが出るばかりで、祖母によるホテルスタッフ襲来の圧を受けながら色々いじくっていたら、ふとした拍子にシャワーから水は出た。

蛇口から水を出した状態蛇口の先の部分を引っ張るとシャワーが出る仕組みだったらしい。初見しか

なんでこんなとこで1人謎解きやってるのかさっぱり分からないが、ホテルスタッフを呼ばれる前に解決できたのはファインプレーだったと今も思っている。

二章 「歩くのが早すぎるのよあのオバサン!」

歩く!歩く!歩く!

弾丸ツアーはひたすら歩く。海外旅行に行く層なんて暇と金のある金持ちのじいさんばあさんが主なのに、旅行会社のツアーは「夢の🎶イタリア一周」だとか、「スペイン世界遺産ツアー」だとかの移動にかなり無理があるツアーばかりを組んでくる。

東京の有名観光地を巡るだけのツアーとか作れよ

例に出したのは私が実際に祖母(父方 母方)と参加したツアーだ。そしてどちらも参加者の平均年齢が60を越していた。

老人、己の体力を過信するな。

しかしたらゆったりしたツアーもあったかもしれないけど、私が知る前に祖母は申し込んでいたから知る由もない。そゆとこの報連相大事だと思うんだ!

数日で全部を回ろうなんてツアーでは大体の日程がメチャクチャ歩いてるか数時間バスに乗るかの2択になるが、直射日光を浴びて歩いたジジババばかりのバスなんて小学生遠足帰りのバスより爆睡率が高い。

寝息の聞こえる静まり返ったバス内は幼稚園のお昼寝の時間と同じ空間だった。

日に当ててから涼しいとこでゆっくりさせるのはね、寝かしつけの方法なんよ。

私はイタリアに行ってまでソシャゲガチャを引いて、推しが出ては「ありがとうイタリア…😭🙏」とTwitterつぶやくだけになった。景色は飽きる

観光地に着くとその場限りの現地ガイドが着くことがままある。

大体このガイドはやたら大声でハキハキと話す細身な40代くらいの女性が多い。あとなんかダサい旗持ってるよね、キティちゃんとか。

そんで、そのハキハキしたおばさんガイドはめちゃめちゃ歩くのが早かった。大股でズンドコ行くので必死で追いかけるが、配布のトランシーバー早口観光地の説明をするから忙しい。

実績解除のための観光だ。この現地ガイドにより観光RTA(リアルタイムアタック)に様変わりした。

参加者も置いていかれないよう頑張って着いていくが、ここで忘れちゃいけないのが祖母だ。

観光は現地ガイドが先頭に立ち先導しつつ、はぐれる人がいないよう1番後ろを常勤ガイドで挟む姿勢を取る。

私が息切れしながら振り返ると、横にいたはずのおばあちゃんがいなかった。

前に言った通り祖母は膝が悪く、普段杖をついているくらいだから当然歩くのが遅い。それに杖無しというデバフ+でこぼこの石畳+傾斜が拍車をかけた。

「歩くのが早すぎるのよあのオバサン!」

追いついた時、祖母一生懸命歩きながら悪態をついていた。

うん、まあ、なんだろう。同情できない。

列の1番後ろでガイドさんに付き添ってもらって悪態をつくって、どう???

ガイドさん、ごめんな。

杖があればどんなに楽だっただろうと今更ながら後悔したし、この旅行中頭10%くらいでは常に杖のことを考えていた。ちなみに今でも百均で杖を見ると「この!クソ!!これがあれば!!」と思う。500円しないで買えるんだぜ?

閑話 クソ重スーツケース

表題の通りである。おばあちゃんスーツケースバカクソ重いって話。

おばあちゃんスーツケースが重量制限心配になるくらいマジでバカ重かったんだけど、

「何も入ってないのよ〜このスーツケースいから〜」って言ってたし、古いスーツケースの重さなんて知らんからそんなもんかなって思ってた。ハードケースだったし。

重量制限23キロまでで、おばあちゃんのは20キロくらいだったはず。行きの時点でこれって土産のも買うはずだけど大丈夫????となったがホテルで開けて驚いた。

広げた両側に服が隙間なくギッチリ詰め込まれていた。

ニモ…入って…ない…❓

スーツケースが古いとかそんな問題じゃねーよ。ギチギチに布詰めて「何も入ってない」なんて言える姿勢は逆にすげーよ。

ちょっと冷静になったけどこの後のお土産タイムで早速おばあちゃんが買ったワイン旅行中ずっと私のスーツケースに入れて運ばれた。たまにスーツケースから瓶が擦れて酒屋の音がした。

旅行の回数が多いだけの自称旅慣れてると本当の旅に慣れてる人というのは別物だ。

閑話 Tボーンステーキ〜季節のマウントを添えて〜

閑話3つ目である。ちなみに書いてあること全部まだ2日くらいで起こったことで、たかだか1週間程度の旅行でよくここまでネタがあるなとしみじみ思う。

一応海外旅行に行くからには大体のツアーには現地の有名料理が組み込まれている。Tボーンステーキもそれのうちの1回。2日目の夕飯だったかな。

「夕ご飯のメインはステーキです」

ガイドさんがメニューを読み上げてなんかよくわからんサラダとか食べて、例のメインは来た。

ミスター味っ子存在だけは知ってる料理だけあって私は若干テンションが上がっていた。

出てきた肉は画像の通りである

第一印象、「左ちっっっさ!!!!」

漫画の微かな記憶では左がヒレで右がサーロイン、さっぱりしたヒレを先に食べ脂の乗ったサーロインを味わうのが鉄板だと味っ子の顔のうるさい審査員が言っていた。

記憶のTボーン比率は約1:2、出てきた肉の比率は1:5くらい。申し訳程度のヒレ肉に思わず笑ってしまった。これ、わざわざTボーンにする必要ある?

まぁそれは例によって外国なのでサーブされた人によって大きさも全然違っていた。海外に行ってまで日本のような画一化を求めるのが間違っているとも言える。日本が細かいのか、海外が雑なのか。

肉質にも差があって、同じテーブルのおじいさんは「固すぎて食べられない」と言っていた

私のは食べられないって程じゃなかったけど、先に言ったようにツアー参加者は老人の方が大体だ。その人たちにこれは重いんじゃないかと思う。

そっかーとか思いつつ1人で黙々と食べてたら祖母

「そうかしら?私のすっごく柔らかいのよ!ほら!」

と、見せつけるように肉を切っていた。肉が固いと言っていた人の目の前で。

何故。

嫌がらせか?と思ったが、別に祖母はそんなこと考えておらず、ただ思ったことを言っただけだ。それがナチュラルマウントになる人なのだ純粋培養のヤバ人(やばんちゅ)である。悪意は一切ない。

そしてその素直な性格がこの旅行悲惨にした一番の原因である

ただただ、いたたまれなかった。ここで私が「そういう意図はないんです!」なんてことは到底言えないし、言ったところで祖母理解するような人じゃないし、わたしにできることと言ったら押し黙って肉を食うだけだった。

言われた同じテーブルの人たちは「人によって差があるのね〜」とかで流してくれた。大人だ。

そしてうちの祖母がごめん。

3章 「こんなとこに住む人の気がしれませんよね」

イタリアといえばベネチア水の都。今回のツアーももちろんベネチア観光が含まれていた。

こんなにネタがある時点ででお察しだとは思うが、祖母はかなり癖が強い。私と年代が違うから、というだけでなく単に人間としての癖が強すぎる。だから付き合うにはかなりコツなり話し方なりに工夫が必要だ。特殊食材

祖母の特徴を端的に並べると

お嬢様趣味(メルヘン)気質なとこがある。

・謎の自信を持つ。

・反面、少々過剰に心配性な面もある。

個人的英語のレッスンを習っていた。

介護息抜き海外旅行へ行っていた。特にヨーロッパを中心に巡っていてイタリアにはもう何回も来たからもう飽きちゃったくらい!が旅の口癖だった。

謎の自信、杖の件はこれが遺憾なく発揮された結果だ。このエピソード祖母人間性が伝わったかと思う。決して悪い人ではないから逆にタチが悪いのだ。悪意じゃないから私もそんな強く言えないし、そもそも強く言えるような間柄でもないのがさらに状況の悪化拍車をかけた。私は押しに弱い典型的な日本人であったから余計に。あの場にいたのがアメリカ人かもしくは私たちの母だったら「ダメよ!杖を持たないと出発しないから!」と断固拒否姿勢を見せただろう。私も1人ストライキを決行すればよかった。

話を戻そう、ベネチアである

ここで問題なのが「イタリアにはもう何回も来て飽きちゃった!」の口癖だ。

わざわざ12時間飛行機に乗ってケツを酷使して見知らぬ土地に降り立って言うことがそれなの、普通にやばい。現地ディスしたい行動力の鬼なの?

修学旅行の同じ班に到着直後から「もう来すぎて飽きちゃった!」なんて言う奴がいたら、そいつ絶対回る友達いないでしょ。もし現地の京都人に聞かれて初手からぶぶ漬けを出されても文句は言えない。花輪くんでもそんなマウントは取らん。

しかし一番直近でも10年以上前イタリアだって発展し続けるのだ。祖母は旅の間中も思い出のイタリア(思い出補正シマシ)に浸り続けている。

ベネチアは陸から少し離れた場所にあり小さな船に乗って向かう。

海の水は綺麗ではないが、所狭しとゴンドラが並び、ヨーロッパ建築様式で作られたカラフル屋根や壁に白い柱、窓の一つ一つまで細かな意匠が凝らされた建物がずらりと並び、それらが海の上に浮かぶ光景は圧巻だった。色んな作品の題材になるわけだ。これは日本では見れない、世界は綺麗なものがいっぱいあるなぁ、連れてきてもらってありがたいなと素直に感謝した。

水に浮かぶふかふかした地面の繋ぎ目を歩き、現地ガイドさんの説明を聞きツアーの皆さんもワクワクした目で街を見渡しているその時

「こんなとこに住む人の気がしれませんよね〜」

ここでタイトル発言だ。

見れば祖母が隣の人になかなかの声量で話しかけていた。あえての悪意とかではなく井戸端会議で「や〜ね」とでも言うような表情で。

やめろや。思うのはまだ良いとして、百歩譲って話しかけるなや。瞬時に吹っ飛ぶ感謝もっとありがたがらせてくれ。

隣の人はどんな反応をしたっけ。曖昧に相槌を打っていたっけ。でもこの場で言うべき言葉ではないことだけはわかる。

KY発言選手権があればこの発言はかなり上位に食い込む確信があるし、さらに現地で言ったことで芸術点も加算、相当な高得点を取れるはずだ。エピソードとして聞く分には良いのだけども。

これによって私は生涯ベネチアを思い出す際にはこの時の祖母発言とあのいたたまれない気持ちを思い出すのだ。なんの呪いだよ。

以上、ベネチアでの思い出でした。

まぁこの後も絆創膏を探してドラッグストア店員(イタリア人)に「Where is バンドエイド?」と英語で聞いたり(結局買えなくて私が持っていたのを渡した)自由時間迷子になったり私が素敵な羽根ペン買ったら「お金あるわね〜」と本人にその気はなくても嫌味と取れる事を言われたりがありましたがエピソードとしては”弱”なので口頭で説明すれば良いかと思います

四章 40万()のアクセサリー

その日祖母は朝からガサガサと何かを探し回っていた。

「無いわね〜」

「何かなくしたんですか?」

アクセサリーが入った袋がないのよ」

昨日はあったはずのアクセサリー類がまとめて見つからないのだという。身なりにこだわる祖母だ。アクセサリーもこの服にこれを!というものをあのギチギチのスーツケースに詰め込んできたらしい。

「あら、どうしようかしら〜……40万くらいするんだけど……」

パタパタと探してる最中爆弾発言に思わず固まった。なんだって

「あれ全部で40

2024-02-17

anond:20240216070006

男女問わず酷い人はいるけど

酷い目に遭わせた本人ではなくて

男性」と性別を絞って「男性を叩く」と明言する増田

嫌いでいいが攻撃は止めようよ

嫌いなんだから離れればいいじゃんね

近づき嫌な思いをするこたないと思うんだが

それじゃ普通に性格悪いイジメっ子だよ

「憎い」って言うし攻撃せずにいられない原因がありそう

ところで

弱者男性

・チー牛

オタク

を「叩いていい男性」と書いてる

どうもわからん

・「チー牛= チーズ牛丼食べてそうな男性」は

どうにも解らんので考えない

何でみんな理解して使ってるのか理解不能

何なのあれ使う人

弱者男性

経済的弱者= 金が無い貧乏

恋愛弱者= 異性にモテない人

どっちかわかんないな

男性嫌悪だから恋愛弱者かな

オタク

オタク男性なのは言うまでもないが

一般的に言われる 漫画アニメオタク なんだろう

薬品オタクとか外国語オタクとかはてなオタクとか違うよね

パソコンオタクはアヤシイけど仮に違うとする

貧乏

モテない人

漫画アニメオタク

としても「叩いていい」理由全然わかんないな

弱者は弱いんだから普通攻撃しちゃマズイよね

しろ強者の方が攻撃するのに共感できる

金持ち

税金払え寄付しろ高額で雇え

どっかの成金みたいに金配れ、とか

モテモテ

一人だけ交際して他はハッキリ断われ八方美人するな

他の人に紹介しまくれ仲人しろ、とか

増田強者だとしたら逆になるか

金持ちから貧乏人に税金給料を持ってかれる損失不当感覚

モテモテからモテない人= 増田が気のない人に付きまとわれて困ってる

これならしっくりくる


漫画アニメオタク

本来ただ好きな趣味漫画アニメ視たり読んだり書いたりってだけ

本来ほぼ無害

同居家族だと

漫画アニメ作品に注ぎ込み過ぎた場合

・金が無い

・部屋が埋もれて掃除できない

・重くて家が痛み傾いた

他者に紹介しにくく家族婚活差し障る

生活人生に支障が出てくるか

「のめり込み過ぎると支障が出る」のは何のオタクでも同じか

男性嫌悪者が嫌がりそうなオタクっていうと

性的描写に寛容過ぎてエロ漫画普通漫画と思ってそうな奴等かな

炎上した広告に「こんなの全然エロじゃない」とか言っちゃう

男性」が批判されるのは性欲とか性行動で犯罪行為セクシャルハラスメントが多いもんね

これかなあ



つらつら書いたけど

勝手思い込みしかいか

増田がどうして「叩いていい男性」を選んだのかは

文章からは読み取れない

汚職政治家オヤジ」なら大いにやってもらいたいんだが

何なのあの自民裏金事件

2024-02-11

anond:20240211100838

名出し顔出しの前提ならな

成り上がり成金ばかりの業界とかだとまた違うだろうし、育ちの良さが大事って事だろ

で、増田年収自慢したがるような奴は人間性も育ちもお察しだろ

2024-02-09

ウチと同じかと思ったら違った申し訳ない

実家が太いのに貧相って聞いて、

成金の子なのに

業務スーパーの安売りを追って

ガリガリくんが安いとよろこび

穴の空きまくったボロいパンツを替えろと言っても履き続けて

自腹を切らなくて済むから社宅に住む

そんなケチなウチの夫と同じかと思ったらちょっと違った申し訳ない

https://anond.hatelabo.jp/20240209121124

2024-02-06

anond:20240206023439

そもそも認知プロフイラー(自称)(そもそも認知プロファイリングも本人が提唱する謎の理論)でキルトモデルになった(自称リーガルバトルに強い(自称)お寿司ヘルシオ大好き成金おじさんとか普通にネットおもちゃにされる存在だろ。

シュナムルへの認プなる妄想こじらせ系粘着ストーカーからの凸撃でバズってバカどもが無駄に持ち上げてからののColaboいちゃもんでやべぇ奴らの信者祭り上げられただけで、裁判に負けるわ何やりたいのかよくわからない迷走したらそりゃメッキが剥がれるのは当たり前

(まぁ本人の行動倫理承認欲求満たしたいだけの一言で筋は通るんだけど)

2024-01-30

anond:20240130190022

絶対にならない

成績不振なお子様には多数のオプション系列個別塾での手厚いサポートをご提供

SAPIX遺伝子(笑)レベルで優れたご家庭の息女限定ブランド化して優越感を煽り

ラインPENTAXみたいな塾を展開してSAPIX移籍コースみたいなのを用意して成金から金を巻き上げる感じになるだろうな

2024-01-29

anond:20240129141515

スーパーカーも下手糞が運転してたらバカにされるし、成金趣味揶揄されることもあるだろ

2024-01-20

anond:20240120154827

そもそも腐ってたところに、イーロン・マスクっていう成金ワンマン素人親父がやってきて「俺が考えた最強の改革案」として金にならない倫理部門をバッサリきってバズればバズるほど金になるサービスに変えようとしてるんだからそりゃ腐り切るに決まってる

バブルとき寿司屋とか客層どうやったん

令和の今、成金やら港区女子やらで寿司屋が荒らされてるわけやけどさ

バブルときとかどんな感じやったん

儲かってる奴もっと多かったしアホみたいな客めちゃくちゃ来てたやろ?

迷惑やったんかな

anond:20240120154811

幼稚園から青学とか見栄っ張り成金の糞親でしょ

なるべくしてそういう娘になっただけじゃん

高い寿司屋サーモン置かない理由がわかった

寿司ネタではサーモンが好きなガキは育ちが悪いか

育ちの悪い家庭出身成金避けってことなんだな

2024-01-14

anond:20240114110105

夜一人単価1.5万くらいの鉄板焼屋に彼女と行ってきたけど、家族連れも来ててちょっとびっくりしたけど

世帯年収1500程度じゃこないだろうなあって思ったわ

昔、四ツ谷にある有名なフレンチ(客単価3万とか5万くらい)に行ったら成金臭い夫婦すっとぼけた感じの高校生くらいのガキがいて、そのガキが「こういうのが食べたかったんですよ~」とかほざきながらフォアグラかなんか食べてて死ねって思ったのを覚えてる。

2023-12-29

消費活動でイキれる時代って間違いなくあったよな

上澄みの上澄みで言えば「◯◯(成金オッサン名前コレクション」みたいな感じで自分の家の一つ美術館にしてドヤァみたいなの。

いまはそういうのスッカリ下火になって、消費活動をどんだけ頑張っても「でもお前ただ消費してるだけじゃん?」みたいに言われてしまう。

カメ文化なんかはそういうの顕著で旅行先にかならずいる他の観光客蹴散らしながら写真取ってる連中の”傑作”も全然バズらない時代

かになって消費するだけなら誰でも出来るってことがいよいよ確定事項になったからなんだろうな。

昔は一部のグルメマニアが金を出してるから発展した調理技術とか地元自慢の高級食品とかもあったけど、今はもう庶民がたまーに奮発して買い支えればいいからその邪魔になるドヤ顔マニアはむしろ煙たがられる。

昔は映画レビューなんかも一部の批評家が持て囃されてたのが「ゆーて君は何も偉くないからね?」みたいな扱いをされることが増えて「単なるお前の価値観による評価だろ。俺はAが好きでBはクソだと感じたぜ?」で袋叩きにあってるのをよく見る。

消費活動なんて結局は消費活動以上のものではなく、本当に凄いのは作ってる側なんだって認識が広がっていくのを感じる。

それが正しいのか俺はまだ分からない。

客が買い支えてるから成立してる界隈は間違いなくあって、極端な例だとホストなんて客がアホみたいに貢ぐのやめたらあん運営の仕方が続けられるはずがない。

金出してるやつは金出してるだけだから何も偉くないよねとなったらこ世界から消えてしま文化って結構あると思うんだよな。

どうなるのかなこの先

2023-12-27

anond:20231226193754

上級国民って経済力で決まるわけじゃないだろ

紀州ドンファン飯塚幸三どっちが上級国民かろいえば後者で前者はただの成金だよね

あとわかりやすいのは女子アナ田村なにがしの父親とかな。ああい地主というより地方豪族と呼ぶべきもの上級国民一種だろう

2023-12-06

暇空の悲しいところは成金になったものの人脈を作らず内にこもっていたせいで見る目を養えなかったところ

あの規模のお金持ちなら懇意弁護士がいたり良い弁護士を紹介してくれる知人がいたりするところ、いなかった

からやりたいことの分野で勝歴のないクソ雑魚弁護士しか結び付けなかった

前にフェミ系?の女と揉めた時に「父親金持ちなだけのボンボン」などと言っていたが、暇空が信頼を置くあの人とあの人こそ典型的なそれ

パカ弁としての実績がある人でもパカ失敗しまくってるのはなんだろうな

本人訴訟弁護士使わずに大量パカできた堀口くんへの対抗心で、失敗してもいいから大量にやれとなったのか

良心的な人なら断って数を絞るところを、良心がないのか

カンパ金以外にも手をつけだしているし私財全部貪り取られるぞ

2023-12-05

会社名をソシャゲにすれば投資が加速する

実際のもの関係してもしなくても

株券を持っている錯覚で楽しく、豊かな生活シミュレーションを行う

成金の金遣いというお手本を見せなきゃしらけた経済のままだぜ

学生流行らせればマメ知識産業が分かるようになる

証券会社などがコラボしてガチャで当たった会社名の株を買ったら専用イラストカードプレゼント

これはコレクション欲を刺激する

合法かどうかはそういう法律やらに詳しくないのでわからない

2023-11-29

終わらせたい家

父方の実家が嫌いだ。

最近ようやくその縁が切れる目処が立ってきたのだが、いざというとき決心が鈍らないようにどんなに嫌いか書き起こしておくことにした。



父の実家田舎だ。

緩やかな坂の上に建つ家は大きく、貧乏だった祖父会社を興し一代で築いた。隣の家に行くのに坂を下り道路を渡っていかなければいけない。

いずれは父の家庭(つまり私たち)を呼び寄せ二世帯で暮らすことも考えていた、と後から聞いた。

その割には電気関係があまりに貧弱で頻繁にブレーカーが落ちていたので、どのみち無理だったと思う。


家の前は杉林でそのまま山へと続く。夏はアブが、冬はカメムシ大量発生する。

敷地は広く、車が三台収まるコンクリート造りの車庫に加えて大型の農機具が複数収まる小屋や鶏小屋、2つのビニールハウスを備えてなお広がる畑もある。

畑の先にはそれなりの大きさの池があり、祖父がそこに鯉を放し飼いにしており夕方には餌をやりに行っていた。

その池を回ろうと祖父が小型の舟を買ったことがあったが私は一度も乗った記憶はなく、舟は池の側で逆さで放置されていた。

祖父は昔からそうだ。思いつきで使いもしないもの大金はたいて買い、あとはゴミになる。成金のものだ。

ワープロパソコンピアノ


祖父は六人兄弟長男で下はみんな妹。

正月や盆にはその親族大勢この家に集まって、仕出し料理なんかをとって宴会をする。映画サマーウォーズのような風景だ(なお、このために私は本作が嫌いである)



私は普段はそこから車で一時間弱の県庁所在地暮らしているが、長期休みや時には土日ともなればすぐさま連れて行かれ父の実家に預けられて過ごした。(これは祖父母の意向であり、母は嫌々だったと聞いている)

家の周りは田んぼと山で、歩いていける範囲にあるのは駄菓子屋のみ。

その頃にはすでに人口過疎化が進んでおり同年代の子供は一人しかいなかったし、あまり気も合わなかったのでその子とはあまり遊ばなかった。

長期休みの始めから終わりまでを、家から持ち込んだ自由帳に絵を描いたり、擦り切れるほどに読んだ漫画をまた読み返したり、近所の家のお兄さんのお下がりファミコンソフト数本でしのぐのだ。いつも学校で一緒の友達はみんな64で遊んでいる時代にも関わらず。


家業建築業であったが農業も営んでおり、物心ついた頃から田植え稲刈りに連れて行かれるのが普通だった。

当然ヒマだったし、それなりに成長してから仕事が振られるがそれも嫌だった。

小学生の頃は春に運動会、秋に学芸会があったがちょうど田植え稲刈りの時期と重なっており、父や父方の祖父母がそれを観に来た覚えはない。母と母方の祖母がいつも来ていた。

仲の良かった子たちの親はみんな会社勤めや公務員だったりして、行事ときには父母揃っている姿をよく見た。

羨ましいと思った記憶はないが、うちは何か違うんだなぁということは感じた。

一番嫌だったのは、運動会の後にはそのまま車で父実家連行されて田植えに駆り出されることだった。最初から体操着を着ているので都合がよかったのだ。

運動会頑張ったか今日レストランに晩ごはん食べに行こう、と話すどこかの家族ドラマ世界のようだった。


田舎自然環境農業中心の暮らしよりも嫌だったのは、親戚付き合いや近所付き合いだった。

道を歩いているだけでどこの家の人間かわかってしまう。他に子供がいる家がないからだ。

そして田舎特有距離感で、なまりの強い言葉でやたらと話しかけてくる。こっちはお前が誰だかも知らないのに。

私は三姉妹の真ん中だが、みんなだいたい私を姉と思って話しかけてきた。

姉とはけっこう歳が離れているので普通なら間違わない。実際、地元の知り合いに私と姉を間違う人はいなかった。

しか田舎の人たちは子供を見慣れていないので子供の年齢からくる体格の違いなんてわからないのだ。子供子供、と一括りにされている。


そもそも私たちがいくつになるかなんて知らないし興味もなかっただろう。なら放っておけばいいのに何故か近寄ってくる。

妹とは歳が近かったし見た目も似ていたので当然間違えられた。最初から最後まで間違えたまま帰る人もいた。

中間子は影が薄いなんて言われることもあるが、姉と妹の名前は覚えているのに私の名前だけ出てこないなんてこともザラにあった。


母(というか女性)は親戚集まりの際には台所であれやこれやと仕事をしていなければならなく、それは子供である私達も同じだった。

ただ飲んで騒ぐだけの男たちにやれ酒を持ってこいだのあれが足りないだのと次から次に言い付けられても愛想のいい姉はちゃん対応していたし、妹は人見知りがひどかったので常に台所で母にくっついて手伝いをしていた。

私も妹と同じく人見知りだったが母は妹に取られている、かといってよく知りもしない親戚連中のおばさんたちに指示を仰ぐこともできない。

人見知りなのだから愛想がいいわけもなく、私が「もっともだめなやつ」になるのは当然だった。

そのうち人前に出ることも手伝いをすることも拒否するようになって、親戚集まりの際には空き部屋に引きこもるようになるとますます評価は下がった。

「姉も妹もよく働くのに、どうしてあなたは」とわざわざ嫌味を言いに来るおばさん(祖父の妹の一人)もいたが無視していた。

上記のおばさんには奇しくも私と生年月日を同じくする孫(私からすると再従兄弟になる)がおり、彼はいわゆる優等生だった。勉強ができ、親の言うことをよく聞く子だった。(数年後に爆発して親と険悪、音信不通になったが)

姉妹の中だけではなくそこでも比べられた。

更に私は高校受験に失敗するし入った学校は結局辞めるし定時制高校に入り直すもバイトに明け暮れて学業を疎かにして卒業が危うくなるしで株を落とし続けた。

親戚中からの「あいつはどうしようもないやつだな」みたいな空気は幼い頃から親戚集まりがあるたびに感じていたのに、後半はもう完全に腫れ物でいないものかのような扱いだった。その頃にはもうその方が居心地がよいほどに親戚が嫌いだったが。


高校に入ってすぐに父母が離婚して、当然私は母方の籍に入った。というか三人全員そうした。

父方の親戚たちは離婚時にまで首を突っ込んできた。(中でも嫌味おばさんはすごかった)

なんで夫婦問題祖父母どころか親戚が絡んでくるのか謎だったし、そういうのが当たり前な気質気持ち悪かった。

元々苦手だった祖父母のことも、このときに嫌いだとハッキリ自覚したと思う。

それまでは幼い頃にそれなりに一緒に過ごした情があったというか「家族(親戚は別)を嫌うのは悪いこと」という固定観念があったので「自分祖父母が嫌い」ということから目をそらしていたのだと思う。

そもそも両親の離婚の根っこにも祖父母の干渉があった。

幼い頃から父とあまり関わってこなかったせいか特に離婚のものダメージはなかったし、なんなら父とはその後不仲になる一方だった。

離婚後に実家に戻ったことで、父に元々あった、私の嫌いな「〇〇家(父実家)の人間っぽいところ」が顕著になったために父に対する嫌悪感が強くなってしまったのだと思う。

(親権は母が持ったが、みんなそれなりの年齢だったので私たちが父や父実家に関わるかは本人に任せるスタンスだった。そのため離婚後もときどき父実家に行ったりなどがあった)

離婚から十年近く経ってから、父が亡くなった。持病を持っていたし年々痩せていたので長生きはしないと思っていたがまだ五十代で予想よりもずっと早かった。

父とは、死の半年前に病院から退院する父を迎えに行ったとき最後だった。

もっと会えばよかった、みたいな後悔は別になかった。

私よりも父と過ごした時間が長かった姉や就職と同時に県外に出ていた妹は訃報を聞いて泣いていたが、私は一度も泣かなかった。飼っていたペットが死んだときの方がずっと悲しかったし泣いた。

その頃には父のことが嫌いとまではいかなかったが決して好きとは言えない、という程度で、なんなら二人が行くなら私は葬式に行かなくてもいいか?と姉妹に聞くくらいだった。葬式の日に舞台チケットを取っていたのだ。私にとっては本当にそのくらいの関係性になっていた。

流石にそれは、と二人になだめられて舞台は諦めて葬式に出た。

父の葬式ときにも父実家は最低だった。

誰が喪主をやるかで揉めて、しまいにはすでに嫁に出て別姓を名乗っている姉に押し付けようとするために姉が泣く始末になった。

私は当然怒って姉を庇ったが普段ロクに喋らないので、おそらく親戚たちが聞いた最初最後の私の怒声だっただろう。

嫌味おばさんが人生終了レベルトラブルに見舞われたり(自業自得)親戚の中でも故人が増えたりしながら数年経った。

父の死後は、介護とまではいかないが姉に協力するという形で祖父母の様子を見に行ったり通院の付き添いをするようになっていた。

姉は祖父母を見捨てきれなかったが姉一人であの家に関わったら姉が潰れてしまうと思ったので協力することにしたのだ。

数年間そんな生活をしていたが、少し前に祖父が持ち前のクズを発揮して優しい姉に絶縁宣言をされた末に施設へ入った。

姉が縁を切るなら私ももう関わる義理はないので、自分が請け負っていた祖母病院関係を整理したりして縁切りの準備をしている。

最低限の下準備はしてあげているので今後は自力でなんとかするだろう。というかするしかないけど。


姉と妹は結婚しているが子供はおらず、私に至っては結婚願望どころか恋愛願望すらない。

自分にもあの一族の血が混ざっていることが嫌だし、自分もああなってしま可能性があるかと思うとボケときなんかが恐ろしくてたまらない。

なるべく迷惑をかけずに一人で生き、静かに死にたい

別に葬式もいらないし、火葬だけは法的にしないといけないので最低限のお金を遺して身元保証会社かにお願いしておくから適当無縁仏かに放り込んでおいてほしい。

最近はそういうことを考える。

子供は欲しくない」「あの家の遺伝子はここで絶ったほうがいい」が三人の共通認識なので、家庭環境って大切だなと思う。

2023-11-24

anond:20231124202237

そこまで自信があるってことは、もう働かなくても生きていけるくらいの成金ってとこか?

お前自身必要なくても、ある人の方が圧倒的に多いことくらいはわかるよな。

自分さえ良ければそれでいいと思って、他者を陥れて汚く金を集めて生きてきたか

警察にそんな権限は与えられるわけはないんだから金持ちなら護衛でも雇って自分だけ守ってもらえば?

2023-11-14

女子アナとかがどこかの成金結婚すると「やっぱり金か」みたいな感情を持つ男って多いと思うけどハライチ岩井結婚批判的に見ている女もそれと似た感情を持ってるのかなと思う。「やっぱり若さか」みたいな。

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