はてなキーワード: 気管挿管とは
承前 https://anond.hatelabo.jp/20230723205746
カテーテルでの手術だが、気管挿管をして全身麻酔で行うことになった。ミリ単位での治療になるので頭をなるべく固定したいとのことだった。
夫いわく、カテーテル検査は局所麻酔で行ったのだが、造影剤が入った瞬間、うわぁつとなる感覚があって、思わず身体が動いてしまう時があるそうだ。
主治医は「脳ではそういう感覚は出ないはずですが」と言っていたが、術中に身体を動かさないように念のためとのことだった。
カテーテル手術が終わったら、1日明けて、開頭手術を行う。
開頭手術は、主治医ではなく、ベテランの脳外科医が担当してくれることになった。
脳外科部長を務めるぐらいのキャリアがあり、後頭部からの手術の経験が豊富だとのことだった。
「頭蓋骨を外したらその部分はどうなるんですか?」
頭骨を切って外して、窓を作り、そこから顕微鏡で見ながら、脳の神経を避けながら、奇形になっている血管をレーザーで焼いたり、クリップを設置したりで、血流がいかないようにする。
こんな大手術に耐えられるのか。
説明を受けた夫が車イスで病室に帰った後、主治医に再度聞いた。
「どのぐらいリスクがあるものでしょうか? 夫の前では聞けないのですが」
持病がいろいろとある夫が開頭手術に耐えられるのか。開頭手術にはなんらかの後遺症が出るのではという不安があること、あまり例がない手術ではないかなど、率直に話をしたところ、執刀を担当する医師から話を聞けることになった。
執刀医も、主治医も、懸念をしているのは、問題の血管からの出血が脳幹にたまったことだという。
今回はたまたま出血量が少なかったから良かったが、次はこうはならないだろう。
脳幹は生命維持に関わる個所なので、なるべく手術を急ぐのは再出血が怖いからだと。
このような部位に血管の奇形があるのは珍しいが、術式としては経験があるし、一か八かのような手術ではない。
「セカンドオピニオンを取りますか?」と聞かれたが、セカンドオピニオンの手配をして、手術の段取りを壊すよりは、なるべく早く手術を受けた方がいいだろうと判断した。
懇談室で待っているのもくたびれて、手術室前のベンチに座っていたら、ちょうど主治医が出てきた。
「無事終わりました。もうすぐ出てきますよ」
と声をかけてくれた。
ICUに運ばれていくところで、
「終わったよ、手術うまくいったよ」
と夫に声をかけたが、麻酔でぼんやりしていて「え、なになに」というような反応だった。
ICUへ運ぶ看護師たちもホッとしたようだった。意識も戻っているしとりあえず、第1関門は通過したと思った。
「明日の手術は延期させてください」
なにか悪いことが起きたのか、とドキッとしたが、
昨日のカテーテル手術は、脳の奥にあってメスがいれられない箇所にある奇形の血管を塞ぐのが目的だった。
夫の体の血管の配置が、生まれつきカテーテルを入れにくくなっているので、時間がかかっていたのだが。
今回は通常とは違う部分から入れるように工夫をしたところ、思いのほかうまくカテーテルが入ったそうだ。
と主治医は説明をしていたが、開頭手術で対応しようとしていた箇所の血管にもカテーテルでアプローチをしてみたところ、ふさぐことができた。
造影しながら手術を進めていたが、画像を見る限り、対応しようとしていた血管のほとんどで血流がみえなくなってしまった。
確かに、血管の影が映っていない。
モヤモヤしていた部分が消えている。
予想していた以上の成功だった。
治療の副作用で、しばらくは激しい頭痛が続いたので、大事をとって入院をしただけで、再出血の恐れはほぼなくなっていた。
退院の時はタクシーで帰宅をした。その日は近所を歩くのも難しかった。入院していただけで体を動かしたわけでもなかったのに夫は10キロ以上やせたそうだ。
「脳ってエネルギーを使うんだね」
リハビリとして、昼間は出歩くと体力が消耗するだけなので、夜二人で歩くようにした。
少しずつ距離が伸びて、やっとスーパーまで行けるようになった。そんなことがうれしい。
並んで歩けることがこんなにうれしいなんて。
未だに興奮して眠れない記録魔の自分がすることはやはり記録することだった。
時間による記憶の喪失が愛しい者を失うことの感慨さえも洗い流してしまうなら
それは人にとって救いであり、希望なのかもしれないが私はそう思わない。
私の猫が死んだという事実は私が生きている限りにおいて永遠に記憶されるものであって欲しい。
死んだ瞬間は悲しくなかった。
実を言うと今も悲しくはない。
死んだ瞬間はその事実に気づき、やはり死んでいる、生き物ではなくなり
外界を認知し変化させることのなくなった物体に変化した、そう認識した。
だから後悔はなかったのかもしれない。
医学は専門ではないがわからないなりに病院に行き、母と二人で注射器での薬の経口投与を繰り返した。
本人がどれほど嫌がろうとも。
猫の体調が悪いと気づいたのは一ヶ月ほど前からだった。
食事後に餌を吐くようになり、吐いた餌を食べたり食べなかったりした。
3日ほどで病院に行くことになった。
猫の体調が悪化するのと逆に自身の長年の体調不良は回復していった。
糖分を取らなければもろもろの不定愁訴が解消していったのだ。
2年以上に渡る体調不良は米を取らない。その一つの行動から回復していった。精神科にも通った。薬の効果も実感している。
しかしながら生まれてきた中で思い出せる限りの長い期間常に自身は体調不良だったのではないかと気づいた。
薬理的な効果以上に炭水化物を取らないことが自身の体調に寄与していることは明らかであった。
猫に話を戻そう。
とにかく彼女は餌を食べられなくなった。
異物を飲み込んだのではないかと判断した医者は様子見の生徒剤の投与後、内視鏡による異物摘出を試みた。
その時点に至るまで二週間ほどがすでに経過していたと記憶している。
また、気管挿管の際にミスをしたのか、呼吸音が異常になっていた。
次にしたことは猫を飼い始めた時にノミ・ダニの薬とワクチンを打ってくれた看護師に連絡することだった。
彼女らはすぐに来てくれ、この食事が良い。だの、この時期に猫が吐いてしまうのはよくあること。だの、医者は変えた方がいい。だの、と違う立場で自由な意見を述べた。
親切にしてくれたし、変化が必要かもしれないと、私は彼女らの言葉を聞き、近くの病院に医者を変えた。
今思うに、この判断は貴重な時間を空費するだけに過ぎなかったと考えざるを得ない。
やはり、医者を変えたあとも猫は吐き続けた。
次の病院で行われた治療は元の病院とは種類の違う吐き気止めとステロイドを繰り返し投与だった。長い二週間だった。
彼女は嫌がった。苦しいので当たり前だ。餌も飲み込めず、後に水すらも飲み込めず苦しがるほどの猫に経口投与を繰り返した。
しかしながら呼吸音はステロイドにより落ち着いた。そのように思えた。
ただ、嘔吐は二週間の間に違う餌に切り替えた努力も虚しく、変化がなく無駄だった。
私は調べうる限りの症例を聞いたが、最後にガス性のイレウスではないかと聞いた際にはっきりとそうでない理由を伺うことはできなかった。
このままでは食事ができずに死にますよ。そう伝えると彼の助手である女性の看護師は二次診療専門の病院を提案した。
この病院でのカルテは渡すので、治療データがこちらより豊富な元の病院から二次診療専門病院に連絡をつけるようにと言われた。
元の病院に連絡すると少し驚いた様子であった。
事実上、さじを投げたと言ってもいいだろう。
二番目の病院からでも出せる診察依頼を出すことなく、元の病院に戻したので少し呆れていたのかもしれない。
しかし私はそんなことはどうでも良かった。
20万円ほどの少ない蓄えも底をつき始めていたが、友人に借金してでも治療を完遂させようと考え、友人にもその旨を伝え、了承を得ていた。
そこからは彼女なりの治療プロトコルに従わないので苛ついているような反応を返すノミ・ダニの薬を売ってくれた看護師に話を聞いたり
死んだ場合どうすれば良いのかを考え始めたり、たまに来る母親に猫を見てもらったりした。
モノになったのだ。席を立ち、ジョナゴールドの発泡スチロール箱を見てやはり実感する。
眠っているのではないことは知っている。もう彼女は外界に何ら影響を与えることを許されないのだ。
ただただ衝撃だけがある。
元の病院の男性の医者ではなく、別の女性の医者が対応してくれた。
彼女は胸にあるしこりと、胸水が気道と食道を圧迫していることに気づいた。
猫はここでも抵抗した。麻酔なしでは胸のしこりを生検することはできなかった。
また彼女は、胸水の原因を特定しようと試みたが確実にリンパ腫が原因であるとは判定できなかった。
もしくは、今の胸水を専門医に判定させる。
私はCTを受けさせることにした。
そして初診を予約できたのがそれから三日後だった。
初診の前に血液検査を行うことになった。
血液検査の結果、異常は特に無いように思えたが猫白血病ウイルスが陽性であった。
こうなると寛解はしない。高額な医療費を請求されて生きられるのは半年から一年程度。
そういった認識があった。
友人とは相談した。
つねづね私は話していた。
単純な功利主義だけでは世の中回っていかないが、重度のケアが必要な猫を一匹救うより、未だに健康を保てている猫を二匹救うべきだと。
友人と私は話し合ったが明確な答えは出ず、それでもざっくりとした方針をなんとか決定した。
飼い猫はまだ4歳前後であることから、一度治療に成功すれば5年以上の生存の見込みがある。
そのためにならば50万から最大100万円程度の治療費を貸し付けることは容認できる。
しかしながら、一年の延命治療のために高額な費用がかかるのは私自身の考えからは外れてしまうこと。
つまり、リンパ腫など予後が悪い病状の場合は安楽死、ないし積極的な治療を放棄することを決定した。
初めてあった時から肩に登ってこようとし、私の無茶な要求にも反抗しようとすることはほとんどなかった。
左耳の部分が腐ったのか落ちており、付け根は膿んで肉が露出していた。
さくらねこというのだが、猫は避妊処理の後のリリースされると耳の先をカットされる。
メス猫は普通左耳の先をカットするが、彼女には左耳がなかったので右耳をカットされていた。
彼女は飼い猫以上に友人であった。
自分の鼻をすぐに舐めたがる犬のような猫であった。
その癖意地を張ってウェットフードを食べない頑固な猫だった。
時に一緒に眠り、また、顎をブラシで撫でてやるとゴロゴロと音を鳴らした。
肉付きはよく、4.4キロほどあったと思う。
話を戻すが治療方針を決めて二次診療専門の病院の初診に向かった。
母親に車を出してもらい向かった先でしたのは、元の病院の女医の話す内容とほとんど変わらない内容の説明を受けることだった。
また、治療方針として、胃ろうをして欲しいと言うと彼は自身が胃ろうは好きではないと話した。
ここでは結局治療をすることはなかったし、進展はなかったので詳しい話は省略する。
初診料として8500円ほどを支払い、帰路についた。
それからまた3日ほど経った日、水を飲んでも吐くようになった。
このままでは保たないと判断したので、点滴で水分だけでも入れてもらおうと元の病院に連れて行った。
体調が悪いこと、胸水を抜くのは抵抗されたので難しかったこと、9月1日にCTを取りに行く前にもう一度点滴を受けて万全の状態にすべきであることを女医は告げてきた。
次の日、つまり昨日(8月30日)その瞬間は訪れた。
呼吸音が異常ではあったが、それほど異常の度合いが高いわけでもなかった。
しかし母親が突然来訪し、ちゅーるを持ってきた。友人と話していた自分は母親と話すことになり、もう一匹の猫にブラシをかけるなどの世話を始めた。
帰ってものの十分程度で発作的な呼吸が始まった。
初めて失禁し、のたうち回った。
夜間病院に連れて行くかどうか、20分ほど思案した後、母親を呼び戻した。
母親が到着したのは35分程度後だった。
それまでに、死んでしまい、死後硬直が始まった時のためにダンボールとタオルは用意していた。
車で来てくれた母親に事前に電話した動物病院に行くようにお願いをし、移動を初めて20分ほどで呼吸音がなくなったことに気づいた。
助手席から降り、確認したがすでに瞳孔は開きっぱなしで力の全く入らない死体になった猫がそこにいた。
動物病院に行くのはやめ、大きいディスカウントスーパーに向かうことにした。
保冷を始めるためだ。
私はもう次の準備を考え始めていた。
アドレナリンが出て興奮していたのもあるが死体を腐らせる訳にはいかないと思っていたし、覚悟はしていたからだ。
スーパーに向かい、発泡スチロール箱の有無を聞き、もうなさそうだとわかると氷だけを買ってそこを出た。
23時になっていたのでコーナンなども空いていない。
家の近くにあり24時間開いているスーパー玉出に向かうことにした。
普段から無愛想なおじちゃんに声をかけるとそこになかったらないと言われたが無事キレイな発泡スチロール箱があった。
おじちゃんに礼を言って車で自宅まで移動し、母親と別れ、友人と話をした。
そんなにしんみりはしなかったが、衝撃はあったと話をし、故人の話をしてくれたりしたが、騒音が気になりほどほどで話は終わった。
風呂に入ったが猫を何度も風呂に入れたことを思い出し、喪失感を感じてすぐに出た。
もう一匹の猫を膝の上に乗せていると少し眠たくなったので寝たがやはり一時間ほど寝れずにこれを書いている次第だ。
これから葬式をどうするか考えないといけないし、行動している内、考えている内は悲しくなることはないだろう。
この文章も一時間半ほど書いて疲れたのでこのあたりで筆を置くことにする。
死ぬ前に考えた。
自身は無神論よりの不可知論者ではあるが、猫が死んだらどうなるのかと。
自分は肉体と精神に関しては唯物論的な思考でいるので肉になるのだと考えた。それでも悲しくはなかった。しかし救いはなかった。
私は幸いにも救いを必要としていないのだろうけれど、なぜ宗教が必要とされるのかは少しわかった気がした。
思うに愛別離苦、別れは経験であり、自身の糧にするべきで背負っていくべきものだ。
死は絶対で覆すことはできない。それはあらゆる命にとっての救いでもあるのかもしれない。
これを見ているデブ、死にたくなければ今すぐ痩せろ。
俺は医療機関で働いているが、20〜40代で重症化してるのはほぼほぼ皆BMIが高い。
BMI30からやばくて、40超えで入院してる患者はほぼ呼吸状態の悪化のためすぐ気管挿管されて人工呼吸器を付けられてる。
もちろん重症化患者のなかには基礎疾患に喘息や糖尿病があったりヘビースモーカーだったりすることもあるだろうが、
基礎疾患がないのに何故か重症化してる若いやつは間違いなく肥満だ。
運悪くコロナにかかったとしても、集中治療室に入れられて生と死の狭間を行き来するのは嫌だろ。
健康な若いやつが罹患してもただでさえ体験記などで地獄と表現されているのを嫌という程見てきただろ。
家族を養わないと行けないやつもいるだろう。
小さい子供がいるやつもいるだろう。
身動き取れなくなって崩壊するぞ。
こういう俺も実は肥満なので、勤務上罹患リスクが高いからめちゃくちゃ頑張って減量し始めた。
100kgから85kgまで落としたが、健康体重にはまだ程遠い。
今すぐ痩せろ。一緒に痩せようぜ。
まず私が7/19に書いた日記を振り返ろう。
https://anond.hatelabo.jp/20200719210255
7/19に、私は、世間を騒がせている今のCOVID-19を東京型と定義し、症状がそれ程ないタイプであり、それは怖くない。
しかし変異の激しいRNAウイルスであり冬はもっと酷い。旅行に行くなら今のうちだと記載した。
それは正しかった。
残念ながら、というべきだろうか。冬の状況は想像した通りになりそうだ。
病院の駐車場にはプレハブで臨時のコロナ診察/検査室が作られ、担当割り当てが決められ、私はこの冬を暗澹たる気持ちで迎える。
マスク/アルコール消毒などの物品は潤沢にあるし、ステロイド治療も確立したといえる。気管挿管して人工呼吸管理や、ましてやエクモなどそれまで見たこともないMEを使うステージに進む前に多くは食い止められるであろう。
私、そして多くの医療者は3月の頃、春や夏が来れば、温かくなれば湿度が上がれば、勢いを失うはずだと希望を持ちながら当時は業務に(コロナ患者対応ではないが)当たっていた。
しかし、今度はどんどん寒くなり、湿度が下がる。これからどんどん4月まで環境が悪化する。この5か月間は悪化する環境の中での戦いとなる。
恐らく5月末に食い止めた時のような方策は、その時のように徹底した自粛しかないだろう。
政府は恐らくそこまではできないと思う。それについては私は専門では無いので、これ以上記載しないが、それを期待せず、悪化する前提で物事を考えなければならない
初夏、日韓両国が大幅に抑え込んだ中、韓国ソウルでゲイの発展場(?)でのクラスターが発生した頃、日本では東京のホストクラブ感染クラスターが発生した。
韓国はその後も抑え込んだが、日本では、これが種火が続いた原因となった。
これにつきる。ホストクラブも顧客も氏名を完全公開すべきだった。トンキンばかまんこがすべての元凶である。
またそいつらに汚染された、汚染を許容したトンキンはGo To イート/トラベルともに除外すべきだった。彼らに必要なのは、反省文を書く紙1枚で良かった。
トンキンのバカまんこが地方に出てきたらレイプできるように法改正すべきである。ピル/妊娠中絶禁止すれば少子化対策となる。トンキンバカまんこは子供を産む機械にしばらくすればいい。
◆Rape..lZFE
医者数年目のペーペーが医療に関して偉そうに語るのは、医師の大多数の先輩方からしたら生意気以外のなんでもないと思う。が、いくつか病院を移動して研修する中で思うところがあったのでここで吐かせてくれ。
一般的に医学部5,6年生になると、初期研修2年間を過ごす病院を自分で探して見学、面談をするようになっている。今は市中病院志向が強く、大学病院はあまり人気がない印象。どちらも一長一短があるので、自分が求める研修のできるほうを選べばいいと思う。
まずは、医学生がよく気にするが、ぶっちゃけどこでもそんな変わらんっていうポイントを書いていく。
よく聞くのは、ハイパー・ハイポという評価軸。忙しいか暇かという意味だ。先生によっては、医師人生で最初の2年間での経験は大きいため忙しい病院で多く経験を積むべき、と言う人もいれば、自分で勉強できる時間を取れる研修が良い、という人もいる。これも当人が医師としてどういう研修が良いか、というところによるので、一概には言いにくい。実際働いてみないとどちらが向いているのかわからないし。
あと、給料がいくらもらえるか。これもその人の価値観で選べば良い。給料の高い低いと研修病院としてのレベルの高い低いには、そこまで関係がない気がする。
他には手技ができるかどうか。ここも医学生としては結構大きなポイントとして思う人が多い。が、研修医ができる手技なんて内科医・外科医になったらいつだってやる機会がある。CV、Aライン、ルンバール、マルク、挿管。パッと思いつくのでそんなところだろうか。むしろ思うのは、手技ができることを売りにしている研修病院に、その指導体制も整っているかは全く別問題という点である。まともな先生ほど、侵襲的な手技は必ず監視する。その時怖い指導をする医師もいるだろうが、指導があるだけ本当にありがたいと最近思っている。
で、結局なにが言いたいかって言うと、働くスタッフの意識が高いか低いか、レベルが高いか低いかで選んだほうがいいよ、という話。
意識が高いというのは、知識でマウントを取るとか、やった手技の数や経験の早さで競い合うということではない。患者に対して前向きかどうか、だ。特に、コメディカルの人々が、だ。
高齢者が入院した際、DNARを取得することはよくあることだ。だが、DNARは急変して亡くなった時の免罪符ではない。治療がそれなりに奏功していたのに突然呼吸状態が悪化して亡くなることは確かにある。だが、それを高齢だからという理由だけで片付けられてしまっては、治療方針を日々検討して最善を尽くしてきた身として正直やるせない。DNARはあくまでも、終末期に際して人間としての尊厳を尊重するために、胸骨圧迫や気管挿管をしないというだけに過ぎない。必要な治療を放棄したりおざなりなケアをしたりするために取得するものではない。
それすら分かっていないコメディカルが中にいることがある。ただ急変時の仕事を減らすためや、患者家族との後々の衝突を避けるためだけに取得していると思い込んでいるやつがいる気がする。治療の見込みがあって進めているのに、はなから緩和みたいな対応されると腹が立つ。DNAR取得は急変したときに延命措置をしないで夕方の申し送りを時間通りに始めるためのものじゃないんだよ。定時に帰るよりことよりも目の前の患者に向き合うことを考えろ。
この意識の高い低いは、自ずとレベルの高い低いにつながってくる。いわゆる三次救急病院でER研修をした後に、二次救急病院で当直をすると、看護師のレベルに本当に差があることを強く感じる。もちろん人による、し、私が研修した病院がそうだっただけの可能性はある。だが、三次救急の病院で研修をすると、看護師の当たりは強めかもしれないが、助けてくれるという安心感が間違いなくある。患者を見てるし、必要な道具がすぐ出てくるし、無駄話しないし、助言をくれるし、看護師同士で勉強している。三次救急病院で研修医生活を送った人は、二次救急病院に行った時にそのレベルの高さを実感すると思う。これはICUなどの急性期病床もそう。
で、愚痴をいろいろと書いたが、医学生が研修病院を見るときにそのレベルの高さを見るのに何を見たらいいか。一つ思いつくのは、カルテを見せてもらえるなら、看護記録を見ることだ。対応した時刻と実際に記載された時刻のラグが少なくて、こまめに書かれているかどうか。
あとは、実際に病棟を回ってみて、スタッフが無駄話をしていないか。どこどこの職員がどうこうだとか、あの先生はどうこうだとか、そんなどうでもいいことをたらたら突っ立って喋っているやつがいるところはだらだらと仕事をしている。もちろん、雑談はコミュニケーションとして重要である。が、それが明らかに無駄になっているところは見ていたらなんとなくわかる。かもしれない。
あと、見学に行くとERを見ることが多いだろう。その時、来ている患者の症例を見ることに目が行きがちだが、そこで働くスタッフの機敏さを見たほうがいい。おそらく、基本的に三次救急が機能している病院のERは概してレベルが高い。二次病院はまちまちな印象。だが、特に、救急車が入ってきてスタッフがすぐ来るか、医師の指示にすぐ対応するか、バイタルはすぐ取るか、患者が見える範囲にいるか、そういうところを見たほうがいい。
忙しい病院は、walk in と救急車の患者対応が多すぎてスタッフの手が回らないことはある。それはどうしても仕方ない。だが、僕が驚いたのは、だらだらと雑談するスタッフのいるERもあるということ。それでもって一晩に大した数を見てない割に、ほら、うち忙しいでしょ、という顔をする病院は実際にある。それは患者対応で忙しいのではなく、スタッフの対応が遅いから仕事が溜まってるだけだ。
今までコロナウイルスについて考えをまとめるために記す。匿名ダイアリーを用いるのは、所属する組織に何らかの影響を与えることを懸念して(別に過激な思想ではないと思うけれども)。
中堅小児科医。専門医取得済み。いわゆる第一波の時は院内に小児患者はいなかった。東京でも都立総合に3,4人程度、いずれも家庭内の感染だったそうだ。成人の救急の先生が重症患者にECMOを回し忙しそうにしているのを横目に眺め、ガラガラの外来・病棟で暇を持て余していた。全国のPICUのネットワークでも、重症患者はおらず、基礎疾患のある児が関西地方で入院しているのみと聞いた。山梨大学の乳児のCPAの例ではコロナウイルスPCR検査が陽性とのことだったが、続報がなく、個人的には偽陽性であったのではないかと考えている。事前確率が低ければ、検査陽性でも陽性適中率が低くなるからだ。
第二波では、小児の患者も何人か。いずれも症状はほとんどなく、あっても鼻汁程度。成人のCOVIDでは鼻汁やくしゃみは少ないという話ではあったが。家族が陽性→保健所からの要請でPCR検査を行い、二類感染症として入院という流れ。入院中もほとんど診察はせず、full PPEの看護師さんがバイタルをチェックし、両親に様子を伺い、退院していく。医者がやることは電子カルテ上のオーダーくらい。ホテルもすでに準備され、軽症者は順次ホテルに移っていくだろう。
第一波の時は未知のウイルスであり、 影響が測りきれない部分もあった。緊急事態宣言は、小児医療に関わるものとしては、適切なタイミング・適切な程度で出されたのではないかと考えている。
今回、患者数が再び増え、医療と経済とのバランスの中で、どのように今後の方針を決めていくかについて、様々な意見があると感じている。小児科医として、何点か述べたい。
緊急事態宣言後、公園の遊具はロープで縛られ、動物園や水族館、テーマパークなども軒並み休業した。学校も休校となり、大学などは現在でもオンライン授業が続いていると聞く。甲子園も開催されなくなった。スポーツ大会などでは、開催されないことで将来が大きく変化する児童も多くいることだろう。子供の1年、若者の1年の重みは、成人の1年とは異なる。小児がコロナウイルス感染に対して、vulnerableと考えるのであれば、学校の休校やスポーツ大会の休止は子供を守るためにやむを得ないが、重症化のリスクが低いと見積もれるのであれば、果たして必要な措置なのだろうか。重症化リスクが高い層を守るのが目的であれば、外出自粛すべきなのは子供や大学生ではなく、高齢者になるのではないか。そういった意味では、「旅行は良いが、里帰りは控える」といった経済担当相の発言は、色々叩かれているが、一つの真理を含有している気がする。なお、自粛により家庭に閉じ込められた小児に対して、家庭内暴力や望まない妊娠が増えていることは世界的な事実であることを付け加えておく。
・適切な免疫を獲得する機会を奪っていないのか
静岡厚生病院小児科の田中医師がidatenメーリングリストで述べていたことの受け売りではあるが。小児は感染を繰り返しながら、免疫を獲得していく。手足口病や伝染性単核症などは、両親や同世代の間で不顕感染や軽症状を経て、獲得免疫が形成される。vaccine preventableでないこれらの疾患は成人発症の場合、重症化する可能性が高い。「新しい生活様式」を真面目に守れば守るほど、将来プール熱やりんご病で思いも寄らない合併症に苦しむ患者を産む結果につながらないのだろうか。
感染症、特にウイルス感染症は「100%絶対にかからないこと」を目標としてはならない。インフルエンザワクチンの効果についても然り。接種することで、重篤な合併症が防げれば、それは見えづらいが大きな成果である。感染 = 悪というデジタルな二元論ではなく、ウイルスがそこにある状態で、どうやって生活していくのかを考える必要がある。
新型コロナウイルス感染症については、そもそも感染しても、あるいはワクチンができてそれを接種したとしても、終生免疫が獲得されるのかどうか、という問題もあるが。
昨年、RSウイルスが大流行した。小児で心肺停止に至る症例もあった。集約施設では毎日のようにハイフローネーザルカニューレが必要な症例が入院してきたし、気管挿管例も多くいた。
また、インフルエンザによる脳症で、後遺症を残す例も毎年いる。米国では毎年それこそ数万人といった単位でインフルエンザによる死亡が見られる。ウイルス感染症は一定の確率で重篤な後遺症を残しうるし、成人でも命を失う方はたくさんいる。このことは、自分の知りうる限り大きくは報道されていないし、「乳児へのRSウイルス感染を防ぐためにマスクの着用を」「インフルエンザが流行しているから外出を控え自粛をしましょう」という議論にはならなかった。
RSウイルス感染症は、現時点で有効なワクチンは存在せず(パリビズマブはワクチンではなく、適応にはいくつか条件がある)、治療薬も存在しない。乳児では重症化のリスクも高いにも関わらず、成人では重症化しないという点で、放置された訳だ。
「インフルエンザは治療薬もあり、新型コロナウイルスとは違う」という発言も頻繁に目にするが、オセルタミビルですらWHOの必須薬ではない。本邦での使用が大半だと考えられるラニナミビルについては、欧米での治験が中止されるくらい、有効性についてのエビデンスは乏しい。ノイラミニダーゼ阻害薬について、エビデンスがあるのは、一部の薬において、発熱期間を有意に短縮するという点のみだ。
ワクチン接種云々によらず、ウイルス感染症で重症化した患者に対して、できることはとても少ない。抗ウイルス薬を投与した場合でも、重症の肺炎や脳炎、髄膜炎などは、急激に回復が望めるわけではない。それこそ今新型コロナウイルス感染症に対して現在行われているように、ステロイドや免疫グロブリン投与など、感染に対して過剰に活発化した免疫を抑えるよりほかない。
恐怖を煽り、RSウイルスやインフルエンザに対応しろと言っているのではない。新型コロナウイルスはただの風邪とも言わない。新型コロナウイルスについて、「何もわからない」状態から少しずつ情報が集まり、データに基づいた議論が可能になりつつある。軽症や無症状も多く含まれる感染者数を毎日発表しつづけることは、果たして有意義なことなのか、発表が徒に恐怖を煽っているだけではないのか、現時点でも封じ込みを目的としてPCR検査を行い、二類感染症として隔離入院を続けるべきなのか。立ち止まって考える時期ではないか。
子供の権利の話ともつながるが、新型コロナウイルスに関して、「自分が死ぬかもしれない中高齢者」の恐怖が、議論を歪め、RSウイルスやインフルエンザ感染症などその他ウイルス感染症への対応と比べた時、歪な方針となっていないか。
一般臨床医にとって、ウイルス検査とはあくまで実臨床上補助となるものでしかない。発熱、咽頭痛、眼球結膜充血を主訴に来院し、周囲で咽頭結膜熱の流行があり、飲水ができず入院が必要そう。その場合、あくまで診断の裏付けとしてアデノウイルス迅速検査を提出する。出さなくても方針には変わりない。インフルエンザ迅速検査にしろ、迅速が陰性であっても病歴から事前確率が十分に高いと判断できれば、ノイラミニダーゼ阻害薬の使用を考慮する(必ず投与するわけではない)。医者がインフルエンザと診断し、病名をつければ、その患者はインフルエンザなのだ。
PCR検査陽性の場合、ただ一つ正しい言明とは、「咽頭にウイルスが存在する」ことのみだ。インフルエンザ迅速検査陽性で、発熱があっても、咽頭発赤がまったくなく、結果として尿路感染症であった小児などいくらでもいる。主訴がまずあり、病歴・身体所見に矛盾しない。そのうえで検査が陽性である場合、治療が正しいものである可能性が高くなる。
検査結果が出るのに月単位で時間がかかる感染症もある。例えば猫ひっかき病の原因であるBartonella henselaeは国外でしか検査を行えず、結果が帰ってくるまでに患者の症状が消失していることも多い。それでも、臨床的に病名をつけて、治療を行うしかない場面も多々ある。逆に、検査結果がすぐ出て、感染が証明されても、何も行わない場面もある。アデノウイルス感染症もそうだが、対症療法しかない感染症もいくらでもある。症状の強弱はあれど、世の中治せる病気ばかりではない。自然に治っていくものの方が多い。
無症状の接触者に対しても積極的にPCR検査を行い、診断・隔離を行うという政策(これはもはや医療ではなく、「政策」であろう)は、臨床医として、完全に間違っていると考えている。一部の県では軽症者が増えすぎ、ベッド数が逼迫しており、無症状のものには検査を行わないことにしたそうだ。今後、広がっていくことだろう。
・報道のあり方
ティッシュペーパーの買い占め、マスクの転売、赤の他人に自粛を強要する一般市民。これらの事象において、報道の影響は看過できない。不安や恐怖を煽り、一体何がしたいのだろうか。最低だと思っていた機関の、より最低な姿を見せつけられ、もはや残念とすら思えない。
コロナウイルスの完全な消失、あるいは治療薬・ワクチンの完成を望んでいるとしたら、おそらくそれを実現するのには途方も無い時間を要するだろう。経済活動、あるいはこどもの権利(もちろん病気で亡くならない権利も含めて)を守るためには、ウイルス根絶を目指すのではなく、我々自身の考え方を変えるよりほかない。
うっす。馬と鹿のキメラは嫌いなので、たくさん書いたよ。(少し書くの人とは別人ね)
https://anond.hatelabo.jp/20200303170825
https://anond.hatelabo.jp/20200304115839
ただの風邪とは違う。医療リソースの枯渇すると武漢の再来になるので、経済活動とのバランスを考えて流行を抑制すべきである。理想は、ほぼ新規感染者が発生しないような抑え込み、次善は流行のピークを小さくすること。
ただの風邪、のような症状の人は、家で休むこと。休むのが無理でも、ジムとかライブハウスとか雀荘とか宴会とかビュッフェに行かず、満員電車も避け、何よりも「病院に行かないこと」。
・基礎情報。中国国内のWHO調査報告書(2月20日時点調査 https://www.who.int/docs/default-source/coronaviruse/who-china-joint-mission-on-covid-19-final-report.pdf)によると。55,924人が確定診断。うち2,114人死亡、死亡率3.8%。このうち武漢だけを見ると5.8%、武漢以外では0.7%。単純化すると武漢並みになると悲惨。そうじゃなくても怖い。国内において、武漢のような事態になる可能性も考えつつ、以下検討してみよう。
・このCOVID-19の特色はいくつかあるが、風邪やインフルエンザと大きく異なる点は、症状が重い上に長引く点。軽症者においても、倦怠感や発熱が1週間以上つづくことが多々あり、一定以上の肺炎を発症した重症者においては、長期入院を余儀なくされているケースが多いこと。結果、患者1人あたりの病床をはじめとした医療リソース消費が大きい。
・同じく特色として、重篤な肺炎が、風邪やインフルエンザに比べると高率で発生する。そうなると、まずは酸素吸入、ついで人工呼吸器。これも密着マスク型の非侵襲的陽圧換気、気管挿管、気管切開、体外式膜型人工肺(ECMO)を、重症度や設備に応じて使い分けて患者の血中酸素濃度を維持して回復を待つことになるが、余剰が多くあるものではなく、技量を持つ医療スタッフにも限りがある。利用可能な人工呼吸器が枯渇すれば、当然致死率は上がる。そのためにも重症者数を減らすべきで、現状では感染者の全数を減らすしかない。
・その医療スタッフについても、現状ではインフルエンザでのワクチンやタミフル予防投与等に相当する予防手段はなく、中国においては2月11日時点で医療スタッフ3019人が感染したとの情報がある。大規模流行にいたると、仕事量が激増し、さらには院内感染で戦線離脱するメンバーもでて、人的医療リソースが枯渇する。その結果、待合室での感染拡大という悪循環になったり、医療サービスのレベルも下がり、COVID-19以外の疾病での死者も増えることにもなりかねない。中国政府は4万1600人の医師らで構成される330の医療チームを湖北省に派遣という報道もあり、人海戦術で乗り越えたように見られるが、日本ではどうだろう。流行規模が武漢より小さい韓国の大邱でも、医療現場は大混乱である。
・もう1つ懸念事項がある。これはエビデンスがある話ではないが、一般論としてインフルエンザ等の既知のウイルス性肺炎では、無視できない比率で細菌性肺炎を合併し致命的となるケースが見られる。そのため、一部医師は予防的、そうでなくても細菌性肺炎が確認されれば全ての医師は抗菌剤投与を行うが、その状況が長期に渡り、患者数が多いと、多剤耐性菌と呼ばれる抗菌薬が効かない菌が増殖する確率も増えてくる。そして、多剤耐性菌での肺炎を併発すると致死率はさらに上がる。
多剤耐性菌は、免疫力が低下した患者において、抗菌薬投与により他の菌が排除されるよう環境でこそ容易に増殖するため、従来より院内感染が問題となっている。もし、武漢のようにICUなどの隔離度の高い病室が満室となり、COVID-19患者同士の隔離や感染予防ができなくなるような事態となると、多剤耐性菌の院内感染が派生し、COVID-19のみの発症であれば救えた患者も救えなくなるリスクが高まる。
多剤耐性菌は健康な人間であれば無害なものが多く、健常な人間が無症状で保菌しているケースが多いと言われるが、社会全体で抗菌薬(一般には抗生物質と呼ばれる)を過剰に不適切に利用していると保菌率が高くなるとも言われる。この保菌率は菌の種類によっても差があり、全般的には途上国に多く日本は少ないという報告はあるものの、COVID-19の重症患者が一般病室にあふれるような事態はできるだけ避けるべきである。なお、細菌性肺炎が合併した際も、タイムリーに原因菌を検査し、適切な薬剤選択を行うことで多剤耐性菌感染症の発生抑制や治療は一定可能と考えられるが、この点も医療リソース次第である。
・COVID-19は1個人として見た場合は重症化しない限りは特にリスクはない。ただ、長々と書いてきた観点から、社会全体の感染者数を抑えることが、致死率にも大きく影響する可能性が高い。ごく軽症であっても他者へ感染させている例もあり、のどの痛み程度でも、クラスタ発生が確認されているような場所へ行くことは避けることが重要である。特に、病院は逆にウイルスを貰う可能性もあり、希少なリソースでもあり、少なくとも現状では軽症での受診を避けること。どうせ検査はして貰えないし、濃厚接触者でもない軽症者を検査する合理性は下記の観点からもない。
-(特に軽症者はウイルス排出も少ないことも多く)検査精度が低いこと
- 日本国内の流行がそこまでではなく感染確率そのものが低いこと
・経済も疫病もグローバル化した世界に、我々は住んでいる。全世界において他国は抑え込めているのに日本だけが流行している状態がつづくと、他国の防疫にも悪影響を与えて迷惑をかけるし、人的交流が禁止され、経済的に大打撃を受ける。日本は外需依存は比較的低い国ではあるが、人口減少国である。外国市場での販売拡大、海外生産、そして国内の余剰設備を活用できるインバウンド消費は、経済規模ひいては生活レベル維持のための生命線であり、純経済面で見ても、目先の損失を覚悟してCOVID-19の流行をおさえることに、合理性はあると考えられる。
・タイ、シンガポールは抑え込めている。昨年末から武漢封鎖までの期間でみると、武漢からの出国者は国別で「タイが2万558人で最も多く、シンガポール1万680人、日本9080人、韓国6430人」という情報がある。防疫体制の強いシンガポールはともかく、タイでの患者数が増えないのは、気候が影響していることが推察される。逆に主な流行地を見ると、武漢、韓国大邱、イタリア北部、イラン、北海道、米ワシントン州と、おおむね2月の平均最高気温が10度を下回るエリアとなっている。あくまで可能性の域を出ない話ではあるが、季節性があるならば、今を耐えて抑え込みを目指すのは、日本の風土を考えると合理的であろう。
・中国当局の情報を見ると、武漢以外ではほぼ抑えこめており、武漢も新規患者の発生はかなり抑制できてきている。大規模な封鎖や、追跡隔離、操業停止、仮設病院建設などのあらゆる手を打ったとはいえ、武漢レベルの流行も抑制できているように見えるのは朗報だ。
・高山義浩先生(岩田健太郎教授のプロレス?相手)も以下のように書いていて、スーパースプレッダーが発生するような特定条件以外では、インフルエンザほど感染力は強くなさそうである。抑え込みを放棄した2009年新型インフルエンザとは異なり、抑え込める可能性はより高いと思われる。
「新型コロナの感染力がインフルエンザほどではなさそうだということ。国内で発見された確定患者の濃厚接触者(1症例あたり数名から数十名)を保健所が追跡していますが、その後に感染が確認されたのが、ほぼ、同居者など家族に限られているのです。これがインフルエンザだったら、もっと学校や職場でのクラスターが確認されるものです。(https://www.facebook.com/100001305489071/posts/2726515674068589/)」
以上。がんばりましょ。
こちら、下記を書いた増田なので、一部の文章は、そこから流用。
https://anond.hatelabo.jp/20200228013154
https://anond.hatelabo.jp/20200210110528
中国では新型冠状病毒肺炎诊疗方案(试行第六版)つまり新型コロナウイルス肺炎の診断と治療計画を短期間の間に6回バージョンアップして公開しています。
全文翻訳はしませんが、5から6でどのような修正があったのかをまとめた資料がありますので、それを日本語にしてみました。
急いで翻訳したので、日本語がおかしいところもあるかと思いますがご容赦ください。
新型コロナウイルス肺炎の診断と治療計画(Version 6)
2020年2月19日に、中国の国家保健衛生委員会は「新型コロナウイルス肺炎の診断と治療計画(Version 6)」(以下「Ver.6」と呼びます)を発行しました。
I.感染
感染経路が「咳やくしゃみなどの飛沫感染と接触感染が主な感染経路」から「飛沫感染と密着接触感染が主な感染経路」に変更されました。「接触」の前に「密着」という言葉が追加されました。
また、「比較的閉鎖された環境で高濃度のエアロゾルに長時間さらされると、エアロゾル感染する可能性」を追加しました。
II.臨床症状
重症の患者では、「急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、敗血症性ショック、治療が困難な代謝性アシドーシス、凝固機能不全に急速に進行する」ことに加えて、「多臓器不全」も発生します。
臨床検査では、「核酸検出の陽性率を高めるために、できるだけ患者に気管挿管を行って下気道分泌物を採取し、採取後できるだけ早く検査に送ることが推奨される」と強調しました。
III.診断基準
Ver.6は、湖北省と湖北省外の他の州との区別を排除しました。新しく「疑わしい症例」と「確認された症例」の2つのカテゴリに分類されます。
「疑わしい症例」には2つあります。 1つ目は、「疫学歴のいずれか1つを持ち、臨床症状のいずれか2つを満たす(発熱および/または呼吸器症状;
上記の肺炎の画像特性を有する;疾患の初期段階の白血球の総数は正常または減少し、リンパ球数が減少する)。
2つ目は「明確な疫学歴がなく、3つの臨床症状に適合している(発熱および/または呼吸器症状;肺炎の前述の画像特性を伴う;疾患の初期段階における白血球の総数は正常または減少、リンパ球数減少)。
Ⅳ. 臨床分類
依然として「軽度、中等度、重症、重篤」に分類され、動脈血酸素分圧(PaO2)/酸素濃度(FiO2)≤300mmHg(1mmHg = 0.133kPa)および肺の画像で病変が24〜48時間以内に50%以上進行している場合重症になります。
高度1000メートル以上の場所では PaO2 / FiO2は、次の式に従って修正してください。:PaO2 / FiO2 [[大気圧(mmHg)/ 760] "。]
Ⅴ. 識別診断
つまり、新型コロナウイルス感染症の軽度の症状は、他のウイルスによって引き起こされる他の呼吸器感染症と区別する必要があります。新しいコロナウイルス肺炎は、主にインフルエンザウイルス、アデノウイルス、呼吸器合胞体ウイルスおよびマイコプラズマ肺炎感染症などの他の既知のウイルス性肺炎と区別される必要があり疑わしい症例は、可能な限り、一般的な呼吸器病原体を検出するための迅速な抗原検出やマルチプレックスPCR核酸検出などの方法でテストする必要があります。
Ⅵ. 症例報告
湖北省における臨床診断症例の処遇要請について”を削除します。
“疑似症例”基準は削除し、疑い例の隔離解除の基準は“隔離解除基準”と一致させました。
1. 病状により治療場所を決定する。“疑い例と確定症例”を前バージョンから削除し、“適切な隔離条件と保護条件を備えた指定病院で隔離治療を行うべきであり、確定した症例は多くの人が同じ病室で治療することができる。”に変更しました。
2. 抗ウイルス療法:薬剤を試験的に削除。“現在有効な抗新型コロナウイルス治療法は確認されていない。”と、するとともに、追加でリン酸クロロキン(成人500mg,1日2回)とアビドール(成人200mg,1日3回)”を追加しました。
リバビリンはインターフェロンまたはロピナビル/リトナビルとの併用が推奨される。治験薬の投与期間はいずれも10日以内である。臨床応用において現在試用している薬物の治療効果を更に評価することを提案する。
3種類以上の抗ウイルス薬を同時に使用することは推奨されず、重篤な毒性、副作用が現れた場合は使用を中止すべきである。
3. 重症、重篤病例の治療。“回復者血漿療法”を追加し、進行の速い患者、重症患者、および重症患者に推奨する。用法用量については《回復期血漿療法(初版)》を参照すること。
4. その他の治療措置:高炎症反応の危篤患者に対し、“条件付きで体外血液浄化技術の利用が考えられる。”を“血漿交換、吸着、灌流、血液/血漿濾過などの体外血液浄化技術の使用が条件的に考えられる。”に修正した。
5. 漢方医治療について。患者に対する治療観察を通じ、全国各地の漢方医の診療方案をまとめて分析し、各地の漢方医の治療経験を整理し、有効な処方を選択した上で、すでに印刷・配布した《新型コロナウイルス感染肺炎に対する中西医結合医療の推奨“清肺排毒湯”の使用に関するお知らせ》、《新型コロナウイルス肺炎重症、重症病例の診療方針(第二版)》と《新型コロナウイルス肺炎の軽度、普通型の病例管理規則》などを総合し、《新型コロナウイルス肺炎の治療計画(Ver.5)》に対して調整と補充を行った。前の版に引き続き疾病の全過程を分け、漢方医治療を医学観察期と臨床治療期(確定症例)に分け、臨床治療期を軽度、中等度、重症、重篤、回復期に分けた。漢方製剤は医学的観察期間に推奨される。臨床治療期に普遍的処方“清肺排毒湯”を推薦し、そしてそれぞれ軽度、中等度、重症、重篤、回復期に臨床表現、推薦処方及び投与量、服用方法の三つの方面から説明を行った。同時に、計画に重症、重篤の症例向け中成薬(漢方薬注射剤を含む)に適用する具体的な用法を追記する。各地は病状、現地の気候特徴および異なる体質などの情況により、推薦した計画を参照し、弁証論治を行う。
1.平熱に戻って3日以上;
4.連続二回の気道標本核酸検査で陰性(少なくとも間1日は空けて);
1.指定病院は患者居住地の基層医療機関との連絡をしっかり行い、カルテ資料を共有し、速やかに退院患者の情報を患者管轄区或いは居住地の住民委員会と基層医療衛生機関に送る。
2.患者が退院した後、回復期には機体の免疫機能が低下し、その他の病原体に感染するリスクがあるため、14日間の自己健康状況の監視測定を続けることを提案し、マスクを着用し、条件が整った風通しの良い個室に居住し、家族との近距離の密接な接触を減少し、食事を分け、手を衛生的に保ち、外出活動を避ける。