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はてなキーワード: 事前確率とは

2023-01-10

anond:20230110104918

事前確率で結果が変わっちゃうってのはどういうことなんだろうな

コントロールとなる標準試料みたいなのがなくて検体同士比べて統計に基づき線虫が選んだ上位何%をがんと判定してるみたいな?

2022-12-25

anond:20221225025610

仮に尤度が事前確率で変わって0になったらゼロ除算で計算不能になる。尤度の事象は変わらんし、0より大きいという暗黙条件がある

anond:20221225022412

証明方法は幾通りあっても尤度の事象は変わらんよ。事前確率1のときは周辺尤度がその尤度のみになるから1になる

anond:20221225015505

いや尤度の事象は変わらんって話。事前確率1って尤度の値そのまま更新するってだけの話だし。

いや、尤度は条件にHを入れてるからHに依存する。で、俺が思ったのがP(H)=1ならH=UだからP(D|H)P(H)=P(D)になるって話。

その計算だとP(H)=0のときゼロ除算出てこないか

これはどう処理するかよくわからんかったので調べ中。

anond:20221225015101

いや尤度の事象は変わらんって話。事前確率1って尤度の値そのまま更新するってだけの話だし。

その計算だとP(H)=0のときゼロ除算出てこないか

anond:20221225014346

尤度は関係ないやろ?

仮説Hの事前確率がどんな値でも影響しなくね

2022-12-05

anond:20221205151300

いや、0%または100%事前確率を持った場合ベイズ更新って確率更新されなくなるんだけど、更新させるためにあらゆる拷問手段を考え出せるとしたら、100%とか0%ってことはない(つまり更新方法存在する)だろうなという話。

2021-08-07

anond:20210807085555

増田

https://b.hatena.ne.jp/exaray/20210807#bookmark-4706546755809918690

"健康診断項目の中には意外とエビデンス薄いものもあるので、一概に健康診断減少が即アウトカム悪化につながるとは言えない点は注意が必要です。リードタイムバイアスなんかもあって、けっこう難しいテーマという。"


これにスターつけてるNATROM氏はどういう意図なのかわからんが…

https://b.hatena.ne.jp/entry/4706548874840352322/comment/daydollarbotch

”「ぬるぽ」→「ガッ」とか、「井上喜久子17歳です」→「おいおい」みたいに、「誰でもよかった」→「誰でもじゃないだろ」というお約束のやりとりなのかもしれない”

健康診断減少する」→「即アウトカム悪化につながるとは言えない」

botか?! 自分の頭で考えよう。

問題となる健康診断検査WIKIPEDIAに挙げられている

新生児神経芽細胞腫スクリーニング

脳ドックによる無症候性脳動脈瘤

CT(HRCT検査による肺がん

と比べて考えてみよか?

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/08/s0814-2.html

"神経芽細胞腫マススクリーニングによって発見された例では、積極的治療を行わなくても、自然腫瘍が退縮する場合があることが観察されている。"

②手術失敗したら死亡・遷延性意識障害麻痺

大腸がん件数(頻度)と新生児神経芽細胞種・無症候性脳動脈瘤のそれを比べてみようとしたか?(※大腸がんはがん死亡の原因疾患第一位

大腸がん自然退縮は存在するか?するとしたらどれくらいの頻度か?新生児神経芽細胞種の自然退縮より多いか?同じか?

放置した場合、脳動脈瘤大腸がん)の大きさが増大するのはどのくらいのペース?破裂(腸管閉塞)するのは何年でどれくらいの確率

早期大腸がんの手術治療成績・合併症比率合併症治癒率・致死率は無症候性脳動脈瘤の手術のそれに比べて高いか・低いか

早期大腸がんと進行してからようやっと見つかる大腸がん治療成績・受け手に対する侵襲度の違いは?

経済学的に言うと資本主義社会において転売は正しい(専門家)みたいに自分教科書で読んだことをドヤ顔で言ってるのと大差ない。聞きかじりのリードタイムバイアス言いたいだけやろ。

こっちはメルカリ限定転売ヤーに迷惑させられてるんや、どしたらええねん??って話をしてるんよ。一般論はお呼びでない。

ブレイクダウンするなら

①COVID19流行による②無症候、あるいは貧血便秘程度の、事前確率の高くない患者対象とした大腸内視鏡検査の③大幅な減少は、大腸がんの④発生率趨勢に大きな変化が生じないと考えられる中で、⑤国民の厚生に関して、どのような変化をもたらすと予想するか? ですやん。

健康診断に限らない 受診忌避我慢)もありうる

③ここが議論ポイント 大幅とは? 減少は1割?2割?2年間?5年間?

喫煙率低下や高齢化の正負の影響を受ける

フェルミ推定的なあてずっぽうで言うと悪い方向に影響するだろうと予想する、という増田やな。

逆に言うと③が減少数がほとんどない(短期間)である、と考えれば有意差なしも十分ありうる。

あとは・・・健康診断的ースクリーニング的ー内視鏡をせずに内視鏡をする前にがんの有無が解るゴッド診断力(ナントカ遺伝子マーカーや大腸がん特異性貧血大腸がん特異性便秘を見抜く能力)により大腸がんが早期でかならず見つかるようになるか、大腸がん自然退縮率がちょうすごく上昇するとか、進行がんの治療成績(合併症発生率)が早期がんと同じレベルまで改善するとか?があれば有意差なし!④大腸がん予防ワクチンでもええで!

来年か再来年、生きていたら、オトモダチの大腸専門医に進行がん・早期がんの比率が変ったかどうか聞いてみてくださいな。

エクスペリエンスベースw)




アウトカム言いたいだけやろ(リードタイムバイアス言いたいだけやろと同じ)

アウトカムが総医療費なら、80歳以上のがん治療はムダ、は芳根や、て長谷川アナウンサーみたいな考えの国民にとっては「アウトカム改善」やろうけど

2021-05-29

anond:20210529140047

他者強制する行為問題点陰謀論「者」の行為問題点であって、陰謀論問題点ではないですね。

ベイズ的に考えたときに、強すぎる事前確率を設定しすぎるのはデータ更新による効果を打ち消してしまうんですけど、

その観点から言うと「陰謀論100%正しい」と考える人も、「陰謀論100%間違っている」と考える人同類ですね。

たぶん、私の場合陰謀論の支持者と反対者の両方の論法批判する立場なので両方から嫌われてしまますけど。

2021-05-03

anond:20210503123955

まず、「変異株が確認されている国・地域への渡航歴がある人」については、フキダシの記載位置からして「(左記以外)」の数字に含まれるとみなして間違いないでしょう。

これは相当怪しいですね。

改めて確認すると、吹き出しと表の欄は下記の通り

吹き出し

下記以外の人を集計

変異株陽性者の濃厚接触者や接触可能性がある人

変異株が確認されている国・地域への渡航歴がある人

(左記以外)


「左記」は吹き出しを指すために、左記以外と書くと「下記以外の人を集計」した以外の人と、結果二重否定になって、左記以外の行は変異株陽性者の濃厚接触者や接触可能性がある人、変異株が確認されている国・地域への渡航歴がある人だけの集計という事になり、Knoa氏の論が正しい様にも思えます

しかし、それが全累計より変異株陽性率が低くなっていますが、どの程度そんな可能性があると思いますか?

また、変異割合を初めて報告した3/18会議資料も示しま

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/38215/00388205/1-2_henikabu.pdf

こちらは累計が29.0%に対し、左記以外が2.7%ですが、初期段階でこうなることはどの程度あり得ると思いますか?3月初旬の府の変異株陽性率は36%(4/7資料。後の方が数字は正確に近づく)ですが、事前確率が高いのはどちらでしょうか?変異株濃厚接触者と、変異流行帰国者とでも違うとは思いますが、府一般よりは前者の方でしょう。

変異PCR検査の発表はこれ以前にもしているのですが、今現在に至るまで変異株陽性の数しか報告しておらず、検査数は報告していません。まともな人なら神経を疑う発表の仕方です。東京都はきちんと検査数と陽性数を報告しています


また、「スクリーニングの意義を知っているはずだという信頼を重視したいと思います」という事ですが、大阪府の発表の問題は陽性率の方にもあります

詳しくは下記で説明していますが、高齢者施設従事者への社会的検査を通常の検査と混ぜて報告しています。勿論一般PCR検査を受ける人とは違い、事前確率が低いのでみかけの陽性率が下がる事になります

https://anond.hatelabo.jp/20210416172732

4/2から一週間ほど検査数が減っていますが、その一週間分(2万3千程)が社会的検査の総数とし、同数が毎週行われていると仮定すると、直近の陽性率は2ポイント程度上がります

また、上記エントリには書いていませんが、下記によれば、検査数には陰性確認数・再陽性検査数まで含まれており、こちらもみかけの陽性率を下げる原因となっています

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/23711/00376026/1216kouhyouhenkou%20.pdf

問題社会的検査分にしろ、陰性確認数・再陽性検査数にしろ、その数が公開されていない事です。

何故こういう発表になっているのか?統計を少しでもかじっていればこんな発表の仕方はしません。

陽性率を下げるために首長が何とかしろ圧力をかけたのか、大阪府健康医療部の職員の質が悪いのかわかりませんが、こんな発表をする府が、スクリーニング検査だけは真っ当な数字を出すと思えますか?たとえそれが陽性率とは違い、大阪府的には見かけの数字が悪く見える方向のバイアスだとしても。大阪府の発表に信用なんてないんですよね。嘘は書いてないにしても、見せ方は極めて恣意的で悪質です。


最終的にはどっちやねん、と問い合わせるしか確認の術がないというのは同意です。そもそも課題に出る方向のバイアスがかかった数字が発表されているだけに、わざわざ問い合わせて確認するほどのインパクトのある問題でもありません。

しかし、以上の根拠からスクリーニングだけは統計的に正しい数字が報告されているとはとても思えませんね。

(一度投稿してからちゃごちゃ書き直してすみません)

2021-04-16

大阪府コロナ資料ダメ出し&感染爆発を防げなかった理由 その2

その1 https://anond.hatelabo.jp/20210416100355

その3 https://anond.hatelabo.jp/20210416233400

その4 https://anond.hatelabo.jp/20210416233727

報道発表資料検査

http://www.pref.osaka.lg.jp/iryo/osakakansensho/happyo.html

毎日発表されているcovid-19陽性者数等の報告書がある。

新規陽性者数、検査数、療養者状況などの数字が発表される資料だが、この検査数とそれに付随した陽性率にダメな所がある。


まず、日付別の検査数・陽性者数・陽性率に関する府の資料にあるグラフを見てほしい。

https://i.imgur.com/y6wbAS9.png

最初に注目すべきは3月上旬検査数の伸びだ。この時期は新規陽性者数は横ばいで、検査数が伸びる理由本来はない。なのに検査数が伸び、陽性率が下降しているのは何故か?毎日検査数に、高齢者施設従事者への検査分を足したからだ。

高齢者施設従事者への検査は、重症リスクが非常に高い高齢者施設等でのクラスタを防ぎ、死者数を減らすという大きな意義がある。しかし、この検査はこれまで毎日報告されていた検査よりは圧倒的に事前確率が低い。砂糖水に水を混ぜるようなもので、見かけの陽性率が下がり、これまでの数字との直接比較ができなくなってしまう。


covid-19関係資料は、おそらく大阪府健康医療部が作成していると思われるが、いささかやり方がずさんなのではないか本来であれば、数字継続性のために、高齢者施設従事者への検査分はこれまでの発表とは別に資料を作るべきだった。まさか見かけの数字を良く見せるために、上層部から圧力があってこういうずさんな対応をしているのか?と勘繰りたくなるレベル所業である

次に注目すべきは、感染急拡大期にあたる4月1日以降の検査数の落ち込みである。先ほどの画像か、東洋経済まとめサイト( htt ps://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/ )の、大阪府検査移動平均を見てほしい。これほどの感染急拡大期にあるまじき検査数の落ち込みが見られる。

この原因は何か?結論からいうと先に述べた「高齢者施設従事者への検査」分が停止したためである

高齢者障がい者入所施設従事者等に対する定期的なPCR検査(令和3年4月から6月)について

https://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/page/0000525263.html

この告知は3/29に行われた。検査の流れのPDFを見ると申込から6日後以降の指定しかできない。つまり4月最初の一週間には、「高齢者施設従事者への検査」分がほぼ含まれないわけだ。数値への影響も問題だが、この感染急拡大期に「高齢者施設従事者への検査」をストップするリスクについても見逃せないものがある。どうして告知が遅れたのか?covid-19対応が激務すぎて手が回らなかったのか。自分は府政がこの時期に注力していた大阪広域一元化条例のために対応が遅れた可能性も否定できないのでは?と思っている。

ちなみに、Twitter上記事項について行政担当者電話し、確認したというツイートもあった。

https://twitter.com/takeboutyan/status/1379995398379479041

takeyshi@大阪ラバーダック連合大阪市存続同盟雪組☆@takeboutyan

本日担当電凸

高齢者施設従事者無症状検査行政検査カウント)の通知は3月末だったので、3月末で打ち切った

その後延長せえと通知が来た

からまた再開するけど、その分減りました

らしいですわ



なお、高齢者施設従事者等への検査は、数字を見る限り4/10に再開されているように見える。この予防的検査の数は、停止していた4/2~4/9の数字とその前週の数字を見比べて、およそ3000~4000件/日だと推測される。それを除いた大阪府4月上旬までの検査キャパティPCR検査8000、抗原検査2000程度と推察される。

また、下記大阪府発表資料(リンク制限により非リンク化)によれば、検査数には陰性確認数・再陽性検査数まで含まれており、こちらもみかけの陽性率を下げる要因となっている。

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/23711/00376026/1216kouhyouhenkou%20.pdf

問題社会的検査分にしろ、陰性確認数・再陽性検査数にしろ、その数が公開されていない事だ。何故こういう発表になっているのか?統計を少しでもかじっていればこんな発表の仕方はしないはずだ。大阪府健康医療部の職員の質が悪いのか、みかけの陽性率を下げるために何とかしろ府知事健康医療部長等が圧力をかけたのか、それともほかに理由があるのか。

真の陽性率を推測

4/2~4/8の一週間で、その前の週から減った検査数は合計で22863。4月上旬3月中旬から続く感染急拡大期であり、通常検査を減らすことは考えられないため、この検査数を社会的検査の1週間分と仮定し、4/18~4/24の週の合計検査数98123から除外して、新規陽性者数7615に対し陽性率をとると、10.12%となり、除外前の7.76%は本来出すべき陽性率よりも2ポイント以上低い数字となっている。この仮定が正しいとは限らないが、それなりに合理的な推測と思える。

なお、陰性確認数・再陽性検査数は推測の手段がないため除いていないが、これらが相当な数あるのであれば、さら本来の陽性率は高いことになる。

大阪府の発表によると、4/15陽性者数1208検査数は16750(PCR14327抗原2594)、前日の4/14陽性者数1130検査数13384(PCR10685抗原3018)。と、PCRが約3600増抗原が約420減の合計約3200の検査増となっている。4/14までは検査数上限があまり変わっていなかったと予測されるので、先週末(4/9)あたりから検査限界(恐らく検体検査側ではなく、検体作成側にボトルネックがある)に達している可能性が否定できない。4/16の陽性者数が今発表されたが、1209とのこと。






現段階で一番恐れなければならないのは、このまま新規陽性者数の増加に歯止めがかからず、発散してしまう事だ。今年初頭の緊急事態宣言時になんとか減らせたという経験が、変異株の感染力の強さを無視させ、その内ピークに達して減少するはずだという先入観を植え付けてるのではないか?ここ1週間の大阪兵庫の状況を見ていると、この心配は決して杞憂ではないと思っているが、皆さんはいかがだろうか?

https://i.imgur.com/Hjauu4R.png

英国における昨年9月11月の2か月間に及ぶ感染拡大の継続が、大阪兵庫で起こらない理由は無いはずだ。無論、大阪だけではなく、現在変異割合が上昇中の東京関東圏も例外ではない。


その3へ続く

大阪府コロナ資料ダメ出し&感染爆発を防げなかった理由 その1

★★★注意★★★

本稿はかなり長いため、 まとめ・結論 https://anond.hatelabo.jp/20210417004340 から読む事をお勧めします。

■■■本文■■■

現在大阪では重症病床数を上回る重症患者が出ており、医療崩壊を疑う余地が全くない。重症患者を溢れさせないというのはどうしても死守するべきラインで、これまで日本でこんな規模では起きてなかったはずだ。(起きてたらごめんなさい)

どうしてここまでの事態に至ってしまったのか、その理由大阪府の専門家会議資料に求めてみた。前提条件として、変異株の特性と発表資料、そして大阪府が毎日発表しているcovid-19陽性者数、検査数などの資料についてのダメ出しをしてから専門家会議資料考察うつりたいと思う。分からなければ戻って確認するのであれば、そこ(その3)まで読み飛ばしてもいいかもしれない。

なお、筆者は理系大出ではあるものの、医療系ではないし、統計もいくつかの分野で実際に使用はしていたが専門的に学んだわけではない。というわけで、高校レベル知識があれば分かる事しか書けない。明らかな誤りや誤認などがあれば、ぜひ指摘していただきたい。可能な限り修正はする予定だ。

変異株について

変異株の特性
2/7 新型コロナ変異株と再感染リスクワクチン効果との関係 現時点で分かっていること

https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210207-00221408/

従来株と比べた感染性の強さ 56~75%増加、重症リスク 高くなる?(詳細不明

4/5 日本国内で報告された新規変異症例疫学分析(第1報)

https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/10279-covid19-40.html

VOC-202012/01(注: イギリス変異株)の実効再生産数は従来株に比べて一貫して高く、平均で1.32倍であった

4/8 尾身会長指摘 大阪感染拡大「変異型でなく行動」

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000212350.html

4/9 アメリカも“イギリス変異ウイルス”が主流に 30~40代重症化ケース増 専門家既存ワクチン有効 広く接種を」

https://news.yahoo.co.jp/articles/01cf9b723a7ef4dcaed50dfaa53f2c6c2ef541e1

国外からの報告でで25~40%程度、感染伝播の力が強いと報告されている。イギリスでは10万人を超えるデータを解析した結果、従来のウイルスと比べて60歳未満の方たちで致死率が60%程度上昇する可能性というのが示唆されている。

以上のように、イギリス変異株では従来型と比べて高い感染性が報告されており、日本でのデータでもそれは裏付けられている。また、重症化や死亡リスクの高さも懸念されてる。

変異株についてのデータ

神戸市

https://www.city.kobe.lg.jp/a97852/552275383937.html

神戸市では、PC検査の精度管理クラスター事例の事後検証などのため、市内医療機関の協力を得て、陽性検体を神戸市健康科学研究所収集、保管し、自らゲノム解析しています。直近では全陽性検体の約7割を神戸市健康科学研究所に集約しています

変異割合が期間ごとに、7割という調査率により比較的高い精度で出ていると思われる

大阪

http://www.pref.osaka.lg.jp/iryo/osakakansensho/happyo.html

報道発表資料として、変異スクリーニング検査の結果を公表しているが、その内容が陽性が判明した件数と、その年代性別発症日別などの集計だけ。検査数が分からないので、これだけ見ても類推出来る事はほぼない。専門家会議資料検査総数等含めた集計が見られるのだが、そちらにもそちらで問題が。

4/7大阪専門家会議資料より

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/38215/00391753/1-2_henikabu0407.pdf

大阪でも神戸市と同様に週ごとの変異割合が算出されてるかのように見えるが、右表の累計の更に下にある左記以外欄と、変異PCR検査陽性率の但し書き(※3)に驚く。

下記以外の人を集計

変異株陽性者の濃厚接触者や接触可能性がある人

変異株が確認されている国・地域への渡航歴がある人

※3 変異株陽性者の濃厚接触者や接触可能性がある人は、検体が残存している場合は、

全件を検査対象としているため、陽性率は高くなる傾向

ランダム変異検査をしているわけではなく、変異株陽性が判明している人の濃厚接触者や、変異株が確認されている国から帰国者など、事前確率が高い検査が一部混じっているのである

まり、この表における変異PCR検査陽性率は、その週の変異割合を正しくは示していない。本来、各週における真の変異割合に近い数字を出すために、この表とは別にもう一枚、この全期間まとめて「左記以外」となっているものを、週別に集計しなおした表を作るべきなのだ

現状だと実際より高く出るので、変異割合を低く見せようとしているなどと言ったごまかしの要素は無いのだろうが、余りにずさんである


しかし、本当に驚くのはここからだ。この形式の表は、3/18,26,31と4/7に開催された会議資料掲載されているが、「感染状況と医療提供体制の状況について」というまとめ的な項で触れられている数字は、この表における累計(全期間合計)の変異PCR検査陽性率、「左記以外」の陽性率と、検査割合で割り戻さないと全く意味をなさない、「変異PCR陽性判明率」(一番右の欄)だけなのだ。(4/7資料では変異株への言及が何故か無い。専門家から意見では触れられている)

本来的に、まとめ的項目で触れられるべきは一番新しい期間の数字であるはずで、4/7の資料においては、直近3/284/3変異PCR検査陽性率が73.7%、累計では47.6%と26%以上の開きがある。

捕捉的に念のために言っておくと、3/18の資料では直近の数字が過大に出ており、直近73.0%、累計29.0%となっている。その後検査が増え、4/7会議資料の、4/3時点での同じ期間の陽性率は41.7%となっている。しかし、3/26,31資料数字は大体妥当な所が出ていると思われる。


これらの問題放置してる専門家にも疑問符が付く。資料数字に直接触れているのは3/26の会議で、それも1人だけではあるが、全期間合計の割合数字28.7%にしか言及せず、直近の週の数字45.2%には触れていない。この数字は傾向としては過大に出るものであるが、それにしてもこの表へのツッコミがどの専門家からも入らない状況には疑問符が付く。この時点では国立感染症研究所の報告は出ていないが、英国変異株の感染力の強さについての警鐘一般向けの記事でも散々鳴らされていた以上、脇が甘かったのではないか個人的には思う。


なお、神戸市データと、過大に出る大阪府のデータを直接比較しても、神戸市の方が変異割合の高さが先行している感がある事を付け加えておく。

その2に続く

2021-01-26

事前確率を高めることで検査の精度を高めることができる」は一般

あなたはネジ工場品質管理担当しているとする。極稀に不良品のネジが出荷されてしまうため、検査で弾きたい。

どのような検査プロセスにするだろうか。

検査装置で怪しいネジをふるい分けたあとに、検査員がふるい分けられたネジを見て最終的に不良品を弾く

検査員が怪しいネジをふるい分けたあとに、検査装置がふるい分けられたネジを見て最終的に不良品を弾く

ほとんどの人が①を選ぶと思う。大量のネジを人手で確認するのはコストがかかるし、そんなに大量の正常品のネジを見ていたら不良品を見落としてしまいそうだからだ。

このように、検査を直列にする場合は、感度が高く(不良品を見逃さない)、コストが低い検査最初に持ってくるのが鉄則である

翻って、新型コロナウイルスにおける検査はどうだろうか。

検査抑制論者による主張は「いきなりPCR検査をすると偽陽性が多くなるので、事前確率を高めてからPCR検査をする必要がある」である

しかし、この主張には「事前確率を高める」という行為のものが「検査であるという観点が欠落している。

検査である以上、感度や特異度が100%ということはあり得なく、感度、特異度やコストを考えて全体プロセスを考えなければならない。

ここで、新型コロナウイルス感染しても無症状の人が多数存在しているため、医師による診断の感度がPCR検査の感度を上回るとはとても考えられない。

また、医師の診断を経てPCR検査をしてもほとんどの場合陰性なので、特異度はPCR検査よりも著しく低いと考えられる。

加えて、医師というのは高コストなので、医師による診断がPCR検査比較して特段コストが安いということもないだろう(もしかしたら医師に診断してもらうより、PCR検査のほうが安いかもしれない)。

この場合、「② 医者が怪しい患者をふるい分けたあとに、PCR検査事前確率の高い集団を見て最終的に陰性患者を弾く」というのは、

単にコストを増やしてPCR検査単体より感度も特異度も低い検査をしているという可能性は十分にある(PCR検査のしきい値を変えれば特異度は上げられうるので)。

いずれにしても、PCR検査の感度、特異度、コストにばかり焦点が当たっていて、医師の診断というものの感度、特異度、コストに注目されないのはおかしいので、それぞれの特性を踏まえて総合的に検査プロセス定義されることを期待したい。

2021-01-07

PCR検査理解する(IT系)

日本人PCR検査について、どうも間違った知識の方が未だに多いと思われる。

(高名な感染症医が間違った事を言って、訂正していないため)

自分理解プログラム等で例えて書いてみる。

PCR本質

PCR検査は解析で分かってるゲノム配列との「部分一致」で判定する。

以下等に新型コロナ配列は公開されている。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/NC_045512

配列が一致した時だけピカーと光る薬剤を混ぜて、温めるだけ。

温めるとウイルスが増幅されて、より光る反応が増える。

何回かループ(40回など)を繰り返して、光の反応の増え方で判定する。


rubyで書くとこんな感じと思われる。

(謎の文字列が新型コロナゲノム配列

for i in 0 .. 40
  if input =~ /LVATAEAELAKNVSLDNVLSTFISAARQGFV/
    flag = 陽性
  else
    flag = 陰性
  end
end

ここで重要なのは、(部分)一致判定という事。

まりウイルス存在するか?」なだけの2値的な判定。

ゲノム配列は初期の中国製薬剤には他のウイルスに反応するものもあったが、

今は100%コロナウイルスしか反応しない。


PCRの判定自体採取は除く)は特異度、感度共に100%と(日本以外では)されており、

ウイルスがある事」を確実に判定できる検査

こういった原理から考えると、検査精度的な偽陽性は発生しない事がわかると思う。

ウイルスがいないと反応するわけがないため)

検体採取だけの問題で、ウイルスが上手く取れれば100%反応するし、取れないときは反応しない。

偽陽性偽陰性

日本問題


https://www.huhp.hokudai.ac.jp/news/2020-09-29/

2021-01-05

モニタリング項目(4)検査の陽性率と3日前の"(参考)検査実施件数"

東京都新型コロナウイルス感染症対策本部)が、その日の感染者数等の発表の際に、参考値として3日前の検査実施件数掲載していることから、しばしば、①陽性判明数÷3日前検査実施件数を「検査陽性率」と捉える人がいる。

そのような捉え方をした者からは、たとえば12/30は陽性判明数944人に対して3日前(12/27)検査実施件数が2084人だったこから、「検査陽性率」が45.3%であった、というようなコメントがなされる。

他方、これに対して、②東京都新型コロナウイルス感染症対策サイトの「モニタリング項目(4)検査の陽性率」を引き合いに、12/30の検査陽性率が10.1%であるなどと主張する者がいる。(2021-01-15追記:なお、モニタリング指標(4)の12/30の値は当記事投稿である1/4更新時点では10.1%だったが、1/14更新時点では10.0%である。)

どちらも誤りである

12/30の実際の検査陽性率は何%である

1/4更新時点のデータによれば、同日のPCR陽性798, 抗原検査陽性164, PCR陰性5262, 抗原検査陰性1062より、陽性962÷検査件数7286 = 13.2% であるから検査陽性率は13.2%となる。

【2021-01-09追記 1/8更新時点のデータによれば、同日のPCR陽性873, 抗原検査陽性177, PCR陰性5970, 抗原検査陰性1191より、陽性1050÷検査件数8211 = 12.9% である。(追記ここまで)

①3日前検査実施件数と発表の関係について

検査しても必ずしも当日中に結果が出るわけではない。3日前検査実施件数注釈※2 検査から結果が出るまでは3日程度要する。なお、この検査結果と本日の報告数が一致するものではない。(陰性確認を含む)と書かれているとおりである

もっとも、実は都の注釈にいう「検査から結果が出るまでは3日程度要する」という記載が、どうやらあまり正確ではないようだ。

この検査実施件数PCR検査と抗原検査件数の合計らしい。しかし、PCR検査検査機関に検体を送る等の都合から結果が出るまで数日かかるのに対し、抗原検査は簡易検査キットがありその場で数十分程度で結果が出る。

そこで、3日前のPCR検査件数と当日の抗原検査件数の和を分母にすると、当日の陽性判明数を分子としたときに、もう少し現実的な値が出る。

たとえば12/30の陽性判明数944人に対し、(12/27のPCR検査2761)+(12/30の抗原検査1226人)=3987人を分母にすると、陽性率的なもの23.7%になる。なお、ここでの「12/27のPCR検査」や「12/30の抗原検査」の人数は、都のモニタリング項目(4)の「テーブルを表示」すると出てくる、12/27のPCR検査陽性者数326・同陰性者数2435、12/30抗原検査陽性者数164・同陰性者数1062をそれぞれ足した数である

ただし、このような修正を加えてもなお、後日確定する検査陽性率とは乖離がある。

 

この乖離の原因は、「3日前の検査実施人数」が、発表時点までに報告された未確定の数であることにある。3日前だった日の検査実施件数は、後日、増える。

たとえば1/2の報道発表における「検査実施件数12月30日」は3816人だが、現在の都サイト(4)のテーブルにある12/30の(PCR|抗原)検査(陽性|陰性)者数の総和は、1/4更新時点で7286人である。おそらく1/3以降も検査報告が届いたためだろう。

検査が陽性だったものから優先的に報告されているのであろうか、検査数の伸びに比べると、陽性判明数の伸びは少し緩やかな傾向がある。そのため、ある日の検査陽性率は徐々に下がる傾向がある。

 

結局のところ、たとえ検査日と判明数の日付を対応させたとしても、速報値ベースでの陽性率的なものは、後日確定する真実検査陽性率と比べると高いものとなる。

モニタリング項目(4)と、当日の検査陽性率の関係について

モニタリング項目(4)は7日移動平均であって、「その日の検査」における陽性率ではない。このことは、都のサイト陽性率:陽性判明数(PCR・抗原)の移動平均検査人数(=陽性判明数(PCR・抗原)+陰性判明数(PCR・抗原))の移動平均と書かれているとおりである

実際の12/30の検査陽性率は前述の通り13.2%であるから移動平均を用いたモニタリング指標(4)の10.1%より高い値である

たまに誤解している人がいるが、「検査陽性率」について移動平均を用いなければならないという決まりは無く、むしろ統計を取る目的に応じて任意の期間について計算するものである。都が7日移動平均を用いているのは、「モニタリング」という目的に照らして、集団感染発生や曜日による数値のばらつきにより、日々の結果が変動するため、こうしたばらつきを平準化し全体の傾向を見る趣旨から過去7日間の移動平均値をもとに算出しているのであるviaサイト)。

(したがって、「7日移動平均にしないと誤り」という意見は誤りである。)(さらに細かいことを言えば、「当日検査陽性率の7日分の平均」ではなく、「7日分の検査数に対する7日分の陽性数の割合」なので、「検査陽性率の7日移動平均」という言い方は不正確だろう。)

曜日によるばらつきについて実際に、(移動平均では無く)当日の検査数と陽性判明数検査数をもとに当日の検査陽性率を計算すると、日曜日のたびに検査陽性率が前後の日の1〜2割増の値となっている。おそらく、日曜日検査数が少ないため、事前確率が高い患者(新型コロナ感染の疑いがより強い患者)を優先的に検査しているのであろう 。

 

都のモニタリング項目(4)は、7日間移動平均を用いているがゆえに変動がそれまでの動きで打ち消され遅行指標となる。

加えて、前述のとおり検査数・陽性判明数は数日かけて報告が上がるにつれて増えるため、近い日ほど小さな数となり、平均をとった際のウェイトが小さくなる。より古い日の検査結果に引き摺られる。

そして、計算間内の陽性判明数・検査件数は未確定なので、同じ「1月3日」のモニタリング項目(4)の値であっても、1/4時点の値と1/10時点の値は異なる。

このように「当日の」モニタリング項目(4)の値は現実検査陽性率の変化に対して数日遅れる鈍い指標なので、陽性判明数が急増した特定の日の当日にモニタリング項目(4)の値を持ってきて何かを語るのは、賢明とは言えない。

こんな"不正確"な値が何の役に立つの

速報値と真の検査陽性率との乖離は概ね一定法則に従って生じるため、速報値の変化は真の検査陽性率の変化を反映している。

また、検査陽性率は、水が溢れたり沸騰したりするのとは異なり、何か劇的な変化をもたらす閾値に関わるものではない。そのため0.1%単位の正確な数値は不要であるし、1日単位の変化も重要ではない。

したがって、7日間移動平均を用いた速報値をモニタリングすることで、真の検査陽性率や、感染蔓延状況・検査体制の充足性の参考とすることができる。

2020-08-28

コロナ感染事前確率と、プール方式によるPCR検査の最適なサイズ

PCR検査プール方式とは

数人から採取した唾液などの検体を混ぜてまとめてPCR検査すること。

海外ではだいぶ前から行われている。

中国武漢での例

https://www.cnn.co.jp/world/35154379.html

アメリカの例

https://news.yahoo.co.jp/articles/6b7aa7247d460ec805217169dffa83265abd1f27

日本でも世田谷など一部で行われ始めた

https://www.yomiuri.co.jp/medical/20200825-OYT1T50006/

プール方式は、PCR検査の処理件数には限界があり、その上でなるべく多くの人を早く検査するためには有効な策である

もちろん2回検体を取られる人も出てくるのでその手間を考えると、PCR検査数が少なくなれば少なくなるほど良いというわけではない。

が、抗体検査が最大のボトルネックになっている段階では、検査回数を最小にする方法を考えることは大事だと思う。

ここではPCR検査を最小にするためには、プールサイズをどのくらいにするのがよいのかを考えてみたい。

プール方式シミュレーション

例えば1万人の中に1人の感染者がいて、その人を見つけたいとする。(事前確率0.01%)

乱暴だけど、話を簡単にするために偽陽性偽陰性も0とする。

プール方式ではなく個別検査する場合は、10000回の検査をする必要がある。

10人ずつの検査をする場合は、1000回の検査候補者10人に絞られ、その後10人に再検査をするので、検査数の合計は1010回。

同じように100人ずつ検査する場合計算すると、検査数の合計は200回となる。

1000人ずつの場合は、1010回。

この4種類の検査方法を比べると100人ずつ検査するのが最適だということになる。

事前確率を変えれば、また最適なプールサイズも変わってくるだろう。

まとめ

これ事前確率偽陽性率、偽陽性率を入力値とする方程式作れそうだね。

ところがここで俺は時間切れ。後はよろしくお願いします。

追記

プール方式って一人から複数検体とってるのね。

かしこい。。

http://yoshimurayasunori.jp/blogs/pcr%E6%A4%9C%E6%9F%BB%E3%81%AE%E3%83%97%E3%83%BC%E3%83%AB%E6%96%B9%E5%BC%8F%E3%81%A8%E3%81%AF/

2020-08-10

新型コロナウイルス感染症について

今までコロナウイルスについて考えをまとめるために記す。匿名ダイアリーを用いるのは、所属する組織に何らかの影響を与えることを懸念して(別に過激思想ではないと思うけれども)。

中堅小児科医。専門医取得済み。いわゆる第一波の時は院内に小児患者はいなかった。東京でも都立総合に3,4人程度、いずれも家庭内感染だったそうだ。成人の救急先生重症患者にECMOを回し忙しそうにしているのを横目に眺め、ガラガラ外来病棟で暇を持て余していた。全国のPICUネットワークでも、重症患者はおらず、基礎疾患のある児が関西地方入院しているのみと聞いた。山梨大学乳児CPAの例ではコロナウイルスPCR検査が陽性とのことだったが、続報がなく、個人的には偽陽性であったのではないかと考えている。事前確率が低ければ、検査陽性でも陽性適中率が低くなるからだ。

第二波では、小児の患者も何人か。いずれも症状はほとんどなく、あっても鼻汁程度。成人のCOVIDでは鼻汁やくしゃみは少ないという話ではあったが。家族が陽性→保健所から要請PCR検査を行い、二類感染症として入院という流れ。入院中もほとんど診察はせず、full PPEの看護師さんがバイタルをチェックし、両親に様子を伺い、退院していく。医者がやることは電子カルテ上のオーダーくらい。ホテルもすでに準備され、軽症者は順次ホテルに移っていくだろう。

第一波の時は未知のウイルスであり、 影響が測りきれない部分もあった。緊急事態宣言は、小児医療に関わるものとしては、適切なタイミング・適切な程度で出されたのではないかと考えている。

今回、患者数が再び増え、医療経済とのバランスの中で、どのように今後の方針を決めていくかについて、様々な意見があると感じている。小児科医として、何点か述べたい。

・成人を守るために、子供権利侵害していないか

緊急事態宣言後、公園遊具ロープで縛られ、動物園水族館テーマパークなども軒並み休業した。学校休校となり、大学などは現在でもオンライン授業が続いていると聞く。甲子園も開催されなくなった。スポーツ大会などでは、開催されないことで将来が大きく変化する児童も多くいることだろう。子供の1年、若者の1年の重みは、成人の1年とは異なる。小児がコロナウイルス感染に対して、vulnerableと考えるのであれば、学校休校スポーツ大会の休止は子供を守るためにやむを得ないが、重症化のリスクが低いと見積もれるのであれば、果たして必要措置なのだろうか。重症リスクが高い層を守るのが目的であれば、外出自粛すべきなのは子供大学生ではなく、高齢者になるのではないか。そういった意味では、「旅行は良いが、里帰りは控える」といった経済担当相の発言は、色々叩かれているが、一つの真理を含有している気がする。なお、自粛により家庭に閉じ込められた小児に対して、家庭内暴力や望まない妊娠が増えていることは世界的な事実であることを付け加えておく。

・適切な免疫を獲得する機会を奪っていないのか

静岡厚生病院小児科田中医師がidatenメーリングリストで述べていたことの受け売りではあるが。小児は感染を繰り返しながら、免疫を獲得していく。手足口病や伝染性単核症などは、両親や同世代の間で不顕感染や軽症状を経て、獲得免疫形成される。vaccine preventableでないこれらの疾患は成人発症場合重症化する可能性が高い。「新しい生活様式」を真面目に守れば守るほど、将来プール熱りんご病で思いも寄らない合併症に苦しむ患者を産む結果につながらないのだろうか。

感染症、特にウイルス感染症は「100%絶対にかからないこと」を目標としてはならない。インフルエンザワクチン効果についても然り。接種することで、重篤合併症が防げれば、それは見えづらいが大きな成果である感染 = 悪というデジタル二元論ではなく、ウイルスがそこにある状態で、どうやって生活していくのかを考える必要がある。

新型コロナウイルス感染症については、そもそも感染しても、あるいはワクチンができてそれを接種したとしても、終生免疫が獲得されるのかどうか、という問題もあるが。

議論が恐怖でなく、根拠に基づいて行われているのか

昨年、RSウイルスが大流行した。小児で心肺停止に至る症例もあった。集約施設では毎日のようにハイフローネーザルカニューレが必要症例入院してきたし、気管挿管例も多くいた。

また、インフルエンザによる脳症で、後遺症を残す例も毎年いる。米国では毎年それこそ数万人といった単位インフルエンザによる死亡が見られる。ウイルス感染症は一定確率重篤後遺症を残しうるし、成人でも命を失う方はたくさんいる。このことは、自分の知りうる限り大きくは報道されていないし、「乳児へのRSウイルス感染を防ぐためにマスクの着用を」「インフルエンザ流行しているから外出を控え自粛しましょう」という議論にはならなかった。

RSウイルス感染症は、現時点で有効ワクチン存在せず(パリビズマブはワクチンではなく、適応はいくつか条件がある)、治療薬も存在しない。乳児では重症化のリスクも高いにも関わらず、成人では重症化しないという点で、放置された訳だ。

インフルエンザ治療薬もあり、新型コロナウイルスとは違う」という発言も頻繁に目にするが、オセルタミビルですらWHO必須薬ではない。本邦での使用が大半だと考えられるラニナミビルについては、欧米での治験が中止されるくらい、有効性についてのエビデンスは乏しい。ノイラミニダーゼ阻害薬について、エビデンスがあるのは、一部の薬において、発熱期間を有意に短縮するという点のみだ。

ワクチン接種云々によらず、ウイルス感染症で重症化した患者に対して、できることはとても少ない。抗ウイルス薬を投与した場合でも、重症肺炎脳炎髄膜炎などは、急激に回復が望めるわけではない。それこそ今新型コロナウイルス感染症に対して現在行われているように、ステロイド免疫グロブリン投与など、感染に対して過剰に活発化した免疫を抑えるよりほかない。

恐怖を煽りRSウイルスインフルエンザ対応しろと言っているのではない。新型コロナウイルスはただの風邪とも言わない。新型コロナウイルスについて、「何もわからない」状態から少しずつ情報が集まりデータに基づいた議論可能になりつつある。軽症や無症状も多く含まれ感染者数を毎日発表しつづけることは、果たして有意義なことなのか、発表が徒に恐怖を煽っているだけではないのか、現時点でも封じ込みを目的としてPCR検査を行い、二類感染症として隔離入院を続けるべきなのか。立ち止まって考える時期ではないか

子供権利の話ともつながるが、新型コロナウイルスに関して、「自分死ぬかもしれない中高齢者」の恐怖が、議論を歪め、RSウイルスインフルエンザ感染症などその他ウイルス感染症への対応と比べた時、歪な方針となっていないか

PCR検査について

一般臨床医にとって、ウイルス検査とはあくまで実臨床上補助となるものしかない。発熱咽頭痛、眼球結膜充血を主訴に来院し、周囲で咽頭結膜熱の流行があり、飲水ができず入院必要そう。その場合あくまで診断の裏付けとしてアデノウイルス迅速検査を提出する。出さなくても方針には変わりない。インフルエンザ迅速検査しろ、迅速が陰性であっても病歴から事前確率が十分に高いと判断できれば、ノイラミニダーゼ阻害薬の使用考慮する(必ず投与するわけではない)。医者インフルエンザと診断し、病名をつければ、その患者インフルエンザなのだ

PCR検査陽性の場合、ただ一つ正しい言明とは、「咽頭ウイルス存在する」ことのみだ。インフルエンザ迅速検査陽性で、発熱があっても、咽頭発赤がまったくなく、結果として尿路感染症であった小児などいくらでもいる。主訴がまずあり、病歴・身体所見に矛盾しない。そのうえで検査が陽性である場合治療が正しいものである可能性が高くなる。

検査結果が出るのに月単位時間がかかる感染症もある。例えば猫ひっかき病の原因であるBartonella henselaeは国外しか検査を行えず、結果が帰ってくるまでに患者の症状が消失していることも多い。それでも、臨床的に病名をつけて、治療を行うしかない場面も多々ある。逆に、検査結果がすぐ出て、感染証明されても、何も行わない場面もある。アデノウイルス感染症もそうだが、対症療法しかない感染症もいくらでもある。症状の強弱はあれど、世の中治せる病気ばかりではない。自然に治っていくものの方が多い。

無症状の接触者に対しても積極的PCR検査を行い、診断・隔離を行うという政策(これはもはや医療ではなく、「政策」であろう)は、臨床医として、完全に間違っていると考えている。一部の県では軽症者が増えすぎ、ベッド数が逼迫しており、無症状のものには検査を行わないことにしたそうだ。今後、広がっていくことだろう。

報道のあり方

ティッシュペーパーの買い占め、マスク転売赤の他人自粛強要する一般市民。これらの事象において、報道の影響は看過できない不安や恐怖を煽り、一体何がしたいのだろうか。最低だと思っていた機関の、より最低な姿を見せつけられ、もはや残念とすら思えない。


コロナウイルスの完全な消失、あるいは治療薬・ワクチンの完成を望んでいるとしたら、おそらくそれを実現するのには途方も無い時間を要するだろう。経済活動、あるいはこどもの権利(もちろん病気で亡くならない権利も含めて)を守るためには、ウイルス根絶を目指すのではなく、我々自身の考え方を変えるよりほかない。

2020-08-06

anond:20200806162350

保健所事前確率が高い人を絞って検査してる(公の検査機関キャパが少ないので)。

民間は、たとえば巨人選手全員検査(230人)とかやるので陽性率は下がる。そこで上がりだしたらいよいよ終わりだね。

2020-07-11

PCR事前確率高くないとデメリットが大きいっていうけど

極論言えば全員検査して見つかった人は隔離すれば早期隔離によって再生産数は下げられるのは自明だよね。

再生産数を下げる他の方法なければ積極的PCRやるしかなくない?

2020-07-01

次のコロナ対策を考えてみた

モデル

確率pで感染している人が、N人に接触して、それぞれにqの確率感染させるとする。

するとある期間にその人が他の人にウイルス感染させる人数は pqN となる。

解釈

上記平均値が1を超えていると再生産数が1を超えてしまう。

東京都では、qを下げる「マスク」、Nを下げる「新しい生活様式」だけではまだ足りないらしい。

残るpを下げる手段が無いか検討したい。

感染している確率pを下げられるのか

至極単純で「積極的PCR検査」をすれば良い。

感度50%としても検査した人については感染している事前確率が1/2まで下がる事になる。

平均の再生産数が1を下回るまでPCR検査を拡大していけば良いだけのでやることもとてもわかりやすい。

これを踏まえて本来東京都がやるべきこと

PCR検査検査能力を1日100万件程度とした上で、接客業営業職など人と接する機会が多い人については週に1度のPCR検査義務化する。

特異度についてはコロナウイルスが広がっていなければコンタミリスクは十分に低いはずだが、それでもあるだろう偽陽性リスク社会で受け入れて、コロナ患者には十分な保証をする。無症状であれば接客や密な会話以外は特に制限しなくても良いかもしれない。

まぁまた市中に広がっちゃってるから医療キャパを考えるとこの作戦は無理なんですけど、すぐ来るだろう次の自粛期間後にはPCR積極的にやる方針にしないとワクチンできるまでずっと「長いハンマー&短いダンス」で大変な生活になりますよ、と。

2020-04-25

誰が感染してるのか分からない……そこで全員検査することにする。

まず、感染者と非感染者の二通りに分けられる。

その中で、検査結果は、陽性と陰性に二通りが出てくる。

まり

陽性陰性
感染感染者かつ陽性(=真陽性)感染者かつ陰性(=偽陰性)
感染感染者かつ陽性(=偽陽性)感染者かつ陰性(=真陰性)

の4パターンが出てくる。

感染者の割合1%と分かっているので、

ここに10000人居るとすると、1%100人感染者とわかっている。

残りの99%の9900人は非感染である

感度……感染者かつ陽性の判定の出る割合……70%なので、

感染100人のうち、70%の70人が陽性(=真陽性)とされ、残り30%の30人は陰性(=偽陰性)とされる。

特異度……非感染者かつ陰性の判定の出る割合……99%なので、

感染者9900人のうち、99%の9801人が陰性(=真陰性)とされ、残り1%の99人が陽性(=偽陽性)とされる。

陽性が出た数(人)陰性が出た数(人)合計(人)
感染者数(人)7030100
感染者数(人)9998019900
合計(人)169983110000

検査後、陽性が出た合計人数は70 + 99 = 169人。

このうち、感染者かつ陽性(=真陽性)の人は70人。

陽性判定が出た内の感染者の割合……70 / 169 = 0.4142、およそ41.4%。

真陽性の割合ひっくというお話でした。

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