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はてなキーワード: 国民国家とは

2020-04-28

anond:20200428000102

それより日本国民という概念がなくなってしまうよ

教育無くしてどうやって国が立つんだ?

国民国家解体が始まってるのかもしれないな

2020-02-16

古今伝授ウイルス

思うところあって中屋敷均『ウイルスは生きている』を再読。走り読みなので細部までは目が行き届いていないが、これを読んだ時に受け取った熱を思い出した。2016年3月初版発行からそう経たぬうちに読んだと思うが、今は随分ここから遠くに来た気がする。本書が今の自分とは縁遠いものという意味ではなく、寧ろ逆にずっと俺の心を捉えて離さなかった。自分世界認識に深く影響を与えた(与えている)ので、もっとずっと昔から自分の中にあったように感じていたが、たった4年前のことなのか。

思うところが何かを明確に言語化するのは難しいが、

古今伝授を真に理解するためには、それが中世社会特質と深く関わっていることを考えなければならない(古今伝授和歌という縦糸だけで説明しようとするからダメなんだ。中世という横糸を忘れている)。中世は壮大なコジツケの体系が構築された時代神仏習合本地垂迹説・卜部神道中世日本紀等々…の奇妙奇天烈世界観!古今伝授もその一環として見るべきではないか。コジツケと言われればそうだけど、それはその時代の人々にとってとても必要なコジツケだったのだ、という。もし積極的な意義を見出すのならその方向から説明しなければならないのだ。(古今伝授を受けた天皇を中心に優れた歌人が輩出された、だから歌学教育として意味があったとかバカか。優れた和歌とは何かという定義評価軸じたいが古今伝授支配圏内形成されるのだから、優れてるかどうかを論じること自体ナンセンス。)

古今伝授古今伝授になっていく過程、つまり古今集という単なる書物が、あるいは勅撰集編纂という律令制国家の一事業が、その枠を超えた何か大きな・尊い民族文化の精髄のように認識されていくそ過程において、付与された様々な言説――三木三鳥だの八雲神詠だの人麻呂がなんちゃらかんちゃら、後世から荒唐無稽とさんざ罵倒されることになるこれらの言説は、あたか胎盤形成におけるシンシチン(syncytin)のような役割果たしていた、と考えることはできないのか。異物を異物と感じさせない、捏造捏造と感じさせない仕掛け。それは、倫理的断罪とか文化価値の優劣の俎上に乗せるのはふさわしくなく、その仕掛けを通じて何が実現されたか、その何かはその仕掛けを用いずには実現され得なかったのか、をこそ見るべきではないのか。

本来ウイルスもつ能力自己の一部として、機能として取り込む。生物自己の維持に必要機能の一部を外部環境依存する。ポータブル外部環境としての細胞生命と非生命境界は我々が思っているほど明確に線引きできるようなものではない。我々の生命定義は、あまりにも我々が日常的に馴れ親しんだもの見方に、「個人」という概念にひきずられてやしないか・・・というのが本書の示唆するものの最も深い所だ。

契沖や子規の批判は分かる。俺も一個人としては古今伝授(に代表されるもったいぶったコジツケ家)はバカジャネーノと思う。が同時に、それは文化・知・個人といったものについてこっちの定義/概念押し付けてるだけじゃないの?とも思う。

根拠がない、合理的でない、和歌質的向上につながっていない、という。では何故根拠がなければならないのか?合理的でなければならないのか?なぜ質を向上させなければならないのか?

これらの批判は、文化とは何か、個人とは何かについての定義をすでに前提にしていて、その立場から加えられている(反論する側(古今伝授擁護する側)にもその立場から反論するやつがいからどうしようもない)。まず始めに個人がある、歌は個人気持ちを詠むものだ、しかるにコレコレの御方に入門しなければ和歌は詠めないのだとはけしからんしかもその御方の教えたるやひたすらややこしい制約ばかり、かつ透明性のかけらもない、おまけにそう教える根拠はどこにあるかと探してみれば無い、要はこいつがでっち上げた妄説じゃねえか、それで偉ぶったり金巻き上げたりするなんて悪どい奴らだ・・・、こういう自他の区別、新旧の区別、真偽の判別をつけずにはいられない、ある意味病的な正義感いかにも科学合理性に偏っている。

しかし、それとは全く異なる評価軸があって、古今伝授は(中世の壮大なコジツケ志向は)その軸からみればもっとずっと整合的に理解できるはずだ。

本書の示唆する構造は、外来文化自家薬籠中の物にする日本文化性質(漢字仏教等々)、中世の遺制としての近世身分制(身分的周縁論)、象徴天皇制(近代国民国家の中の「伝統」)などに比較してみると実に都合がいい。

本来異質な要素を自己の維持に不可欠な一部として取り込み、その「元異質たち」も含めた全体として再生産されていく。あるいは新しい政権が成立する際に、それ以前からあったが途絶えかかっていた慣習を改めて制度化し流用する。取り込まれた方は同一性が失われ単なる機能に解消されてしまことなく、細胞異変があれば細胞生物独立した生物としての振る舞いを取り戻すこともあり得る(少なくともあり得ると見なされる。226事件を想起せよ)。天皇機関説ならぬ天皇ミトコンドリア説。

文化じたいが多かれ少なかれこういう性質を持っているのだが、特に日本はその傾向が顕著というか、世界中に普遍的にみられる文化現象の一例というだけでは説明のつかない点が多い。(なぜ先端技術の粋を凝らした構造物を建てる前に、土地の霊を鎮めるための宗教儀礼をやるのか?なぜ参加者は誰もその宗教信者でないのか?わけがからない。)こういう部分を説明するうえで本書の示唆する構造は役に立つ。その応用系として、古今伝授についても似たようなことが云えるのではないか

2020-01-14

anond:20171214135656

韓国だと光復後もしばらくは日帝残滓漢字語がたくさんあったけど、朴正煕大統領のころから国語醇化といって漢字語固有語にいいかえる運動がすすんだ(感謝합니다→고맙습니다、みたいな)ので、日本人がおもってるより同音異義語はすくないです。

おなじようなはなしだと、トルコ共和国建国後のトルコ語醇化運動オスマン帝国がずっとイスラム世界盟主だったのでオスマン語にはアラビア語由来のことばがたくさんあったのけど、これをトルコ民族のことばにおきかえた)がとられたね。

ことばは民族をその民族たらしめる大切なものから、どこの国でも国民国家をつくるときには国語政策というのはとてもおおきな意味もつよ。(↑と逆むきだと、最近ではスペインにおけるカタルーニャ語公的立場とか)

日本ではなぜか言語政策という観点がないどころか、琉球諸語が絶滅しそうなのを放置してたり、なかなかしょっぱいね

2019-10-16

なーにが手続き正義だよ、全ての法秩序領域国民国家による不当な暴力装置の独占という不正義のたまものなのに。

2019-10-14

anond:20191014191125

行政には国民生存権を守る義務があるけど、国民にはないんだけど。

でもそれって近代国民国家でしか通用しない理屈ですよね?

例えばイスラームでは喜捨は全てのムスリム義務ですが。

ていうかそもそも行政」「国民」という二分法がダール・アル・イスラーム平等理念に真っ向から対立してるわけで。

2019-10-01

anond:20190930125547

とりあえず原則的な話としては歴史義務教育に入ってるのは将来国民国家主権者の一員になるため。

歴史を全く知らずに政治的判断投票とか)はできないし、同じ国の国民としての意識涵養が無いと近代以前のアジアアフリカの一部の国みたいに国の命運を私利私欲でズタズタにしたり※派閥争いですぐに殺し合ったりするから。いわば主権者が共同で国に責任持つための仕掛け。仕掛けの善し悪しは別にして。

次に、理科だってフロギストンが間違いだったり、個体発生が系統発生を繰り返すとかが消えたり研究の進展で「正しい科学知識」は結構変わる。さら歴史人間がその時代に合わせて作ったものから、余計変わりやすい。

人間社会経験総体という意味での歴史は今まで生きてきた無数の人々の無限相互作用の積み重ねだから、そんなもの簡単に整理してこれが正しい歴史ですなんて言えるわけがない。なので整理された歴史っていうのは、混沌の中から重要もの」をその時代価値観から選び出し整理して(解釈して)作られた、人類経験ジャングルの中で道に迷わないための見取り図しかないわけで(年号とかは見取り図記号みたいなもん)。

それでも見取り図がなければ、人類経験認識することもみんなで語り共有することもできない。言葉がなければ人と会話もできないけれど、言葉時代によってどんどん変わってしまう。だからといって言葉なんて曖昧ものを覚えても仕方ないとはならないみたいなもの

まぁこんな感じでどうかな。却って歴史なんていらないと思われそうな気もするけどw

2019-07-20

新左翼科学哲学好きな人に『三体』を全力でオススメする

おい、そこのお前!あさま山荘事件が大好きすぎてカップヌードル食う度に機動隊気持ちになっているお前!なおかつ伊勢×戸田戸田×伊勢かで議論したい相手がいないお前!お前だ!お前に向かって俺は今書いてる!

『三体』だ!『三体』を買って読め!せめてKindle無料サンプルは落とせ!BGMRHYMESTERのThe X-Day無限リピートだ!

よし、Kindle無料サンプルは読んだか?読んでないよな。面倒くさいもんな。あんくらいWeb上で読めるようにしといてほしいよな。まあいい、せめてSpotifyRHYMESTERのThe X-Dayリピート状態にして以下の文章を読め!

『三体』は最高だ!一般的なあらすじは「文革物理学者の父を失った娘が云々」などとぬかしているが、無料サンプルで読めるその描写が最高であることはまったく紹介されていない。引用するぞ。

 シュプレヒコールがおさまるのを待って壇上に立つ男の紅衛兵の片方が批判対象をふりかえって言った。

「葉哲泰、おまえは力学専門家だ。自分がどれほど大きな合力に抵抗しているか、わかっているだろう。そうやって頑なな態度をとり続ければ、命を落とすだけだぞ! きょうは、前回の大会のつづきだ。くだらない話はもういい。次の質問に真面目に答えろ。六二年度から六五年度の基礎科目に、おまえは独断相対性理論を入れたな?」

相対性理論物理学古典理論だ。基礎科目でとりあげないわけにはいかないだろう」と葉哲泰。

「嘘をつけ!」そばにいた女の紅衛兵のひとりが荒々しい声で叫んだ。「アインシュタイン反動的学術権威だ。欲が深く、倫理に欠ける。アメリカ帝国主義のために原子爆弾をつくった男だ! 革命を起こす科学を築くためには、相対性理論代表される資産階級理論の黒旗(反動象徴)を打倒しなければならない!」

(中略)

「葉哲泰、これは言い逃れできないはずよ! あなたは何度も学生反動的コペンハーゲン解釈を撒き散らした!」

「それが実験結果もっとも符合する解釈であることは厳然たる事実だ」これだけ厳しい攻撃さらされても、葉哲泰の口調は落ち着き払っていた。紹琳はそれに驚き、畏れを抱いた。

「この解釈は、外部の観察者によって波動関数の収縮が引き起こされるというもの。これもまた、反動的唯心論の表れであって、その中でも、じっさいもっと厚顔無恥表現よ!」

思想実験を導くべきか、それとも実験思想を導くべきか?」葉哲泰がたずねた。突然の反撃に、批判者たちは一瞬、言葉をなくした。

「正しいマルクス主義思想科学実験を導くのが当然だ!」男の紅衛兵のひとりが言った。

「それは、正しい思想が天から降ってきたと言うに等しい。真理は実験によって見出されるという原理否定し、マルクス主義思想がどのようにして自然界を理解するかという原則に反している」

 紹琳とふたり大学生紅衛兵は、無言で同意するほかなかった。中学生労働者出身紅衛兵とは違って、彼らは論理否定することができなかった。しかし、附属中学の若き闘士たち四人は、反動分子を確実に攻め落とすための革命手段を実行した。

最高かよ!!! 時はあさま山荘事件の数年前だが、アカの本場中国でも似たようなどうしようもないことが起こっていたのだ!引用最後の部分で作者がたくみカメラワークを用いて批判者側の「論理の欠如」を指摘しているのがまた光り輝いている。そうなのだ。この手の議論には論理というものがまったく存在しない。あるのは連想ゲームだけなのだ(「物理学者のお前は自分がどれほど大きな合力に~」「アインシュタイン核兵器帝国主義=敵」)。あさま山荘事件でもそうであった。無色のリップクリームを塗ったことと、彼女が死ななければならないということの間にまったく論理的な関係存在しない(そもそも何かと誰かが死ぬということの間に論理関係が成り立ちうるのかという問題は置いておくとして)。そこにあるのは、「革命」や「自己批判」といったマジックワードを挟んだアクロバティックな地滑り連想ゲームだけである

しかし、しかである。われわれはそうした連想ゲームに時として身を委ねてしまう。どころかしばしば喜んでその中に身を投じさえする。あさま山荘の彼らが目指した「革命戦士」という存在にどうしてもワクワクしてしまうのは、そこからこれまでわれわれが目にした「革命」や「戦士」についての輝かしい言説やビジュアルがまさしく連想ゲーム的に引きずり出される快感にわれわれが抗えないかである

ベネディクト・アンダーソン国民国家を『想像の共同体』と呼んだ」と言われるとき、たいていアンダーソンが主張したかたことは無視されている。アンダーソンはこうも書いている。「国民国家は『想像の共同体であるからこそ強いのだ」と。どういうことか。例えばご近所たちは想像の共同体ではない。そこに想像力が働く余地はないからだ。近くてよく見えるがゆえに嫌いなところがよく見えてしまう。しか国民国家想像の共同体であるから、そうしたデメリット回避することができる。逆の意味で、人類もまた想像の共同体ではない。そこにもまた想像力は働かない。あまりに大きな対象であるがゆえに、想像することができないかである(それを想像できるように「地球市民」とかいろいろなレトリックが開発されては頓挫した歴史があるわけだ)。つまり国民国家想像するのに小さすぎも大きすぎもしないがゆえに、人間の持つ最も偉大な能力想像力創造力を刺激する存在であるがゆえに、これほど大きな存在になり得たのだ。世界大戦を二度経験して、戦後エコやらなんちゃらがあってメイクアメリカグレートアゲインな今、人類人類想像力対象にすべきであると誰も[誰?]がわかっているはずであるが、そうした方法は未だ見つかっていない。めっちゃナウい想像力を持ってそうなイスラム国ですら国を名乗る時代である

そうした状況にある人類に対して、「地球市民」としての自覚想像力を持たせるために一番手っ取り早い方法は、宇宙人に攻めてきてもらうことである映画インディペンデンス・デイ』があれだけ面白いのは、その「俺たち感」を徹底して純粋ものとして描けているからだ(もちろん「俺たち」と書いたようにそこから女性排除されているのだが、それもまた「俺たち」の盛り上がりを純化させるように働いている)。しかし、この方法には大きな問題がある。それはわれわれの知る限り宇宙人が当分の間攻めてきそうにないという点である。したがって二番目の方法が取られることになる。それが科学教育である。ひとりの神様とか王様の下で人類みんなが仲良くするのは無理だとわかったので、次は科学様の下で人類全員集合しましょう、というわけだ。まあ、承知のようにこの方法にもいろいろ問題はあるのだが、他に良さそうな方法もないので多くの人々からのんべんだらりと支持されているといってよい。

科学の持つ大きな問題として真っ先に挙げられるのが、それが神様よりも信頼可能か?というものだ。科学教の信者はそうだとなんの疑問も持たずに答え、異教徒たちはおらが村の神様の方が偉いと主張する。そこを調停するのが科学哲学者の役割ひとつであったが、どっちつかずとして双方の陣営から攻撃されるため調停役に名乗りを上げる科学哲学者はほぼ絶滅している。

(注:ネタバレ防止のため人名固有名アルファベットに置換している)

「Aくん、きみは仕事範囲を逸脱しかけている」Bが首を振りながら言った。「研究理論的なものだけに絞るべきだ。こんなに手間をかける必要が本当にあるのか?」

「Bさん、この実験は、大きな発見につながる可能性があるんです」とAは懇願した。「実験絶対必要です、とにかく、一回だけやらせてください。おねがいします」

「B、一度だけやらせてみたらどうかな?」Cが言った。「オペレーションはそれほど大きな手間でもなさそうだし。送信後、エコーが帰ってくるのに要する時間は――」

「十分、十五分だろう」Bが言った。

「だったらXシステム送信モードから受信モードに切り替える時間もちょうどある」

 Bがまた首を振った。「技術的にもオペレーション的にも造作ないことはわかっている。しかし、C、きみはどうも……、この手のことには鈍感みたいだな。赤い太陽に向かって超強力な電波送信するんだぞ。こういう実験政治的にどう解釈されるか、考えてみたことは?」

AとCは、どちらも茫然としたが、Bの反対理由荒唐無稽だとは思わなかった。逆に、自分たちがその可能性を考えもしなかったことにぞっとしたのである

 この時代、すべてのもの政治的意味を見出す風潮は、不合理なレベルまで達していた。紅衛兵は、隊列を組んで歩く際は左折のみ許され、右折は禁止された。信号機は、赤が進めで、青が止まれでなければならないと提案されたこともある(周恩来首相却下されたが)。

(中略)

そういう風潮に鑑み、これまでAが研究報告を提出する際は、Bが必ず綿密な査読を行っていた。とくに、太陽に関する記述は、専門用語であっても、くりかえし吟味し、政治的危険がないように修正した。たとえば、“太陽黒点”という言葉使用が禁じられた。太陽に向かって強力な電波送信するという実験については、もちろん、千通りのポジティブ解釈可能だが、たったひとつネガティブ解釈がなされるだけで、関係者全員が政治的な災難に見舞われるにじゅうぶんだった。Bが実験要請を拒絶する理由は、たしか反駁のしようがなかった。

イアン・ハッキングがイヤンと言いそうなくらいむき出しの「科学社会的構成である!ここでも論理連想ゲームに膝を屈している。このことを中国特殊ものだと考えるのは科学教の信者である。似たようなことはどこの国でも多かれ少なかれ起こっている(また国家がくくりとして出てきてしまった!)。STAP細胞論理を飛び越えればどんなものまでが「発見」されてしまうるか、という好例であろう。それでも科学教の信者は言うだろう。「STAP細胞は誤りであることがわかった!これこそが科学勝利ではないか!」と。残念ながら科学はそんな単純なものではない。たとえばケプラー理論はそれ以前の理論よりシンプルでもなければ正確でもなかった。そのあたりのことはスティーブン・ワインバーグ『科学の発見』に詳しく書いてある。「それでもわれわれは今はケプラー理論が正しいということを知っている!これが科学進歩だ!」という主張は残念ながらワインバーグとは仲良くなれるが歴史学者から異端扱いされるだろう。このワインバーグの本は、「ノーベル賞物理学者科学歴史について論じたら歴史学者から攻撃を食らった」というそれじたいSFガジェットとして出てきそうなシロモノなのだが、けしてトンデモ本でなくワインバーグ確信犯的にその地雷を踏んでいる。非常に面白い本なので『三体』を読んだあとにはぜひこの本を読んでほしい。『三体』に出てくる宇宙物理学理解の助けにもなるし。

話がそれた。『三体』である。まあ、歴史学者から異端扱いされようが科学者は科学者でやっているのである。……本当に?「科学をする」とはどういうことか説明できるひとは今のところ地球上に存在しない。どころか説明できるひとが今後現れる可能性もまた科学哲学者によってほとんど否定されていると言ってよい。では科学者は何をやっているのか?われわれのような皮肉屋に言わせれば「教義精緻化とその確認作業」とでも言い捨てられるだろうが、『三体』はそこに真摯に向き合っている。どころか、その先までをも作品の中に織り込んでいる。ネタバレになるので詳しくは話せないが、科学を「打倒する」ことを本気で考えてみた人はいるだろうか?いないだろう。『三体』はそれを本気で考えている。誰がなんのためにそんなことをし、さらにそれに抗うには何をするべきかを描いている。そしてその描き方がまた最高なのである。作中、ある「組織」が出てくるのだが、それがまたなんとも、「アカい」のである。もちろんそれは最初引用で出てきたような無知蒙昧なアカさではない。連想ゲームではなく論理によって貫かれた「アカさ」というものがあるとしたら、こういうものだろうという迫力がある。

作中にこういうセリフがある。「中国では、どんなにすばらしい超越的な思想もぽとりと地に落ちてしまう。現実という重力場が強すぎるんだ」と。これはおそらく作者の嘆きでもあろう。その重力場から逃れるために、作者はこれを書いたのだと思う。中国現実の重みは、隣にいるわれわれも知るところだろう。この作品は、その中国現実の重みを、実に力強く脱出していると思う。それがこの文章で伝わったかどうかは甚だ心もとないが、一人でも多くの、未だ北田暁大先生Twitterの件に心の整理がつけられていない人々が、『三体』を手にとってくれるよう望む。

2019-07-07

anond:20190707140143

国民国家がどうでもいいだけで、若者の間では、公共とか共同体とかはどちらかと言えば強化方向だぞ。

から自己責任論が流行るみたいな話になるんだし。

2019-06-19

anond:20190618210243

いや無理だろ。確かに『どこが濃いねん』ってトラバが↓に付いてたよ。

https://anond.hatelabo.jp/20190618093950

それは同感だけど、じゃあ本当に『内容の濃い記事』にしようと思ったら色々無理がある。

なんせ、理解の前提となる知識絶望的に普及してない。ざっと考えても、

に入る前にまず、

  1. 近代国民国家が成立してない社会(中東の大半)を理解するために必須部族/宗派共同体支配的な社会様相解説
  2. サウジアラビアがどんな国かの解説
  3. イラン革命防衛隊がどんな組織なのかの解説

の3つぐらいは最低限必要というのは自明

で、だ。

1.はまあ、いわゆるムラ社会のことだから多少は説明ショートカットできるけど、

2.は地獄のように分量が増える。ちゃんとしようとすると、どんどん遡っていく必要がある。

ざっと考えても、

2-1.現在サウジ権力構造解説

2-1-1.なぜそんな構造になったのか~スデイリ7と宗教石油

2-1-1-1.スディリ7とは何かを説明するためのイブン・サウード(アブドゥルアジーズ)王の来歴

2-1-1-2.宗教的傾向を説明するためのワッハーブ運動サウジ建国前後からの略史

2-1-1-3.オイルマネーがもたらした西側との歪んだ関係を、冷戦から現在まで軽く説明

ぐらいは用意して、その上で、

2-2.現在サウジ国際的立ち位置

を書く必要がある。


3.も酷い。イラン革命以後の全史がほぼ必須。パーレビ王朝説明サウジ説明を流用して最小限に抑えたとしても、それ以降は、


このぐらいやれば多分、


を書けるようになるはず。あまりにも遠い。

その後で本題のイエメン内戦の話を書く余力があると思う? 無理だよね。

2019-05-09

左翼右翼の種類

自由主義

政治面では「俺たちには自由に生きる権利があって国王貴族でさえそれを侵害できないぜ」という感じ。

民主主義とか共和主義フランス革命時における「左翼」。

経済面では「俺たちが自由商売すれば自然バランスが取れるんだから政府は余計な口出しすんな」という感じ。

資本主義とか市場主義

どちらにせよ、個人権利を重視して「国家権力は小さくあるべき」と考える。

社会自由主義」の台頭後は、区別のために「古典的自由主義」と呼ばれる。

社会自由主義リベラル

古典的自由主義のように市場に任せて野放しにしていると、

差別や不平等が拡大して却って個人自由制限されるから

政府が介入して是正していくべきだ、という感じ。

中道左派。いま日本で言われているところの「リベラル」。

新自由主義ネオリベ

社会自由主義反動から、一周して市場主義に戻ってきた感じ。

自由市場のために規制緩和をし、法人税を下げたり、国営企業民営化したりする。

リベラルとの対比で中道右派と見なされる。

社会主義

資本主義格差が激しくてついてけないからもっと平等を目指そうぜ、という感じ。

共産主義マルクス主義)と社会民主主義に大別される。

左翼

マルクス主義

資本主義の発展に伴い、土地工場などの生産手段私有する資本家が、

労働者をこき使って搾取するようになったので、それを打破して平等社会を目指す。

そのためには、労働者自身生産手段管理する体制プロレタリア独裁)を、

武力を用いてでも築くべきだ(暴力革命)、という感じ。

暴力革命志向するテロリストスターリン毛沢東のような独裁者を生み出す。

左翼テロリストとかまでいくと極左

社会民主主義

マルクス主義反省して、暴力革命プロレタリア独裁否定する。

民主主義を通じて政府に働きかけ、平和的に社会主義を達成しよう、という感じ。

中道左派北欧福祉国家など。

保守主義

何らかの急進的な政治運動に対して、それに反対する立場が「保守」と見なされる。

それぞれの政治体制歴史的経緯によって何が「保守」となるかは異なってくるが、

現在のところ、政治的には「国家主義」を、経済的には「新自由主義」を指すことが多い。

右翼

国家主義ナショナリズム

もとは自由主義と連動していて、

かに支配されたりするのではなく「俺たち」が主体的に行動すべきなんだ、という感じだったが、

国民国家が成立して「俺たち=国家」となると、

「おまえも俺たちと一緒だよな」と均質化を強要したり、

「おまえは俺たちと一緒じゃない」と排外主義になったりした。

「俺たち」を結びつけるものは「民族「家族」宗教」「伝統文化」などである

個人権利よりも国家利益が優先される」までいくと「全体主義ファシズム)」となる。

こうなると自由主義とは対極という感じ。

スターリン毛沢東全体主義者とみなされたりするが)基本的には右翼排外主義とかまでいくと極右

2019-05-05

anond:20190505211358

大丈夫大丈夫若い日本人男性改宗ムスリムなんて9割方ロクデナシみたいな連中しかいないしそうそうのことでは浮かないよ

それに領域国民国家がどうこうとか神の前にあっては何の意味も持たないから、たぶん誰も気にせず接してくれるはず。

2019-05-01

共和制に移行したどころか旧共産圏東欧諸国ですら旧王族とかの貴族はいるわけで、そういう人たちが存在するかどうかと、政治的システマチック制度として国民国家に組み込むかとは、また別問題よね

一応ルーマニアとかだと王政復古への支持率はわりと高い、みたいな話も聞くし、その気持はわからんでもない。

2019-04-24

anond:20190424062156

もちろん両方知ってるけどネット上級国民煽りしてるよ

だって日本社会もっと上下で分断して可能な限り国民統合が失敗してくれたほうが、国民国家オワコンだってみんな気づいてくれるもん。

2019-04-20

anond:20190420145216

まあでも、国民皆に平等徴兵制国民国家を強化して民主主義暴走させる意味は確かにあるけどね

詳しく知りたかったらなんか適当に信用できそうな徴兵制歴史の本とか借りて読んどけ

2019-04-06

品田 悦一(しなだ よしかず、1959年1月30日[1] - )は日本日本文学研究者東京大学総合文化研究科言語情報科学専攻教授。専門は日本古代文学歌謡和歌特に万葉集』の東歌)。

群馬県出身東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学聖心女子大学文学教授などを経て、2004東京大学准教授2011年10月教授。初の単著万葉集発明』では、『万葉集』が近代国民国家文化装置として「国民歌集」の地位を与えられるようになり、「創られた伝統」として成立していくことになった過程研究。同著は中国語訳もなされた。斎藤茂吉万葉集享受研究でも知られる。

ネトウヨは「学者は信用できない」と反知性主義に逃げるしかない。

2019-01-31

anond:20190130235309

んー、そういうのは個々のデモ評価に関わる問題で、いわば各論でしょ。元々の話題もっと総論的なものだったはず。

で、(革命はともかく)デモ政治に及ぼす影響力が強化されることは、総体としては公正を実現する方向に働くと、私は思うよ。

あと本筋からはズレるけど、移民問題は難しいよね。国民国家という枠組みの限界というか、リベラルコミュニタリアン論争的な葛藤というか、そういうものを感じる。

2019-01-27

俺が生きてるうちに起きそうなこと

20で80まで生きるとして

富士山噴火南海トラフ地震

首都直下地震米中戦争朝鮮統一

新型インフルエンザ流行

イスラム帝国建国。各国でベーシックインカム導入。

ips細胞で作った臓器販売義体化。

火星移民。月に都市ができる。

国民国家消滅から建国ブームで「ハーモニー」の生府みたいなのができるがフランスだけ国民国家にこだわって死ぬ

義務教育大学みたいになる。普通科高校が減って色々な高専ができる。

ツバルが沈む。インドネシアで大噴火が起きて人類滅亡しかける。

みんなARゴーグルをつけて見たいものだけ見るようになる。スマホ衰退。Amazonが潰れる。人工知能が一番の友達になって人と人は関わりをやめる。

新海誠が娯楽映画を作るのをやめて難解なアニメを作り始める。俺の親と祖父母死ぬ

やばい

2019-01-09

anond:20190109223037

イスラームでは初めから全ての法源は神の法(クルアーンハディース)ですが。

行き詰まってるのは近代領域国民国家だけやで。

2018-11-14

偉大な我が国民の太陽たる尊敬する指導者である安倍晋三閣下!!

移民政策だのわけのわからんことを野党やらは言っているが、そんなことどうでもいいのだ。治安悪化するって?日本を壊すのは将来の世代のためだ。渋谷暴動を見ただろう。渋谷スラムから破壊は始まる。ハイパーインフレ?貯蓄ゼロ世帯を増やしてくださる素晴らしい閣下感謝だ。賃下げ政策だって世界標準賃金になれば国民国家正当性もなくなる。保育園落ちた日本死ねだって世界的にポピュリストとやらが面白いことやってるが、国民国家こそが悪の根源なんだ。小泉進次郎だって必ず腐敗するって言ってるじゃないかテロリズム蔓延だってそうだ、暴力私有化、おお、すばらしい。中世ジャップランド中世に戻ろうぜ。国境なくして国家なしだ。政府なんかよりみんなに銃を配ったほうがいい。下克上戦国時代のほうが社会流動性もあってすばらしい。革命を支持するなら、我らの同士安倍晋三閣下を。憲法なんかいらない。地方自治体州軍をもって都市国家になればいい。法律なんていつの時代もなかったじゃないか人間はただの動物だ。兵農分離こそ悪の根源!!返信する気はないからな。

2018-11-13

anond:20181113111047

彼らは自分たちでも、自由主義と、平和主義と、反国家主義市民主義混同しているので。

国民国家は、自由を抑圧しかしないし、平和を壊ししかしないという、第二次大戦反省レジームから一切頭の中が進んでない。

から国家を守ったら平和だし自由になるだろ?という考えはそもそも考慮に入ってないのだ。

勉強する=第二次大戦反省レジーム内面化する、とも思っているし。

2018-10-09

anond:20181009123204

ワンピースに限らずファンタジー世界観だと

「言うて人間一人ひとりの戦闘能力かにはそんな隔絶した差はないだろう」って国民国家の前提がまるまるひっくりかえるから社会制度考えるの大変そう

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