はてなキーワード: ええんやとは
内容には全く関係がないが、「文字をギュッとね!」というフレーズが浮かんだ。ああいかん、こうして見栄えのことだけに触れることもまたルッキズムだな…。
おっさん乙。
すまん、実は『炎の蜃気楼』読んでないんや。存在は知ってるってだけで……
北田の論文ではちゃんと「この論文では二次創作に興味があるオタクのことを二次オタクって呼ぶよ」っていう定義がなされた上で使われてるのでまあ問題はないと思う。この論文の中ではこういう用語法にしますよ、という話だから。
なのにtwitterでグラフの画像だけ切り取って拡散するやつがいるから勘違いされちゃうというね。その論文では一般的な用法とは違う用法をしてるって理解してくれー。
そんなに酷い本なのか、指摘されてる点が素人でも分かる程酷い
北田(2017)はあくまで本の1章やで……他の章に罪はないやで……参考文献にはちゃんと何ページから何ページまでって書いてあるんだからちゃんと見てほしいやで……
もとの調査は2010年やで。10年前のデータってのは古く思えるけど、2010年にデータ採って、それをもとに色々分析して、本の形で研究成果を発表したのが2017年でしょ? これだけの共同研究で7年なら、早くもないけど特別遅いってわけでもないよ。さすがにそれは言いがかりすぎて北田が気の毒。
『北田は、東浩紀(2001)のデータベース消費論に依拠しつつ』まで読んだが、その時点でもうほとんど相手する必要ない感がすごいある。謎の『二次オタク・非二次オタク』だったかの分類も意味わかんなかったけど。
いやその分類それ自体は別に悪くないやで……ただ分類に際して「興味がある」をそのまま「好きである、実践している」と同一視してる点とか、二次創作への興味を表す項目を腐女子の操作的定義に使ってるのが論理的におかしいって話やで……そういう分類も仮に適切に定義して適切に運用できるならまったく問題ないやで……
これ、「オタクの研究」じゃなくて「若者の趣味に関する共同研究」なので……他の章では音楽とか読書とかも扱われてて、オタクのジェンダー観の分析はその1章というだけ。
別に難しいことじゃないんだけどなぜか変なことしてるなぁ、という感じ。山岡(2016)の操作的定義は割とマトモだと思う。
なんで二次創作好きに絞って調査したのか気になる。一次創作好きと二次創作好きで分けて著作権意識について調査するとかなら必要性もわかるけど
それには、
という2つの要因がある。
北田は、男オタクは東浩紀の提唱した「データベース消費」をしているけど、腐女子はそれとは違う「関係性消費」をしていて、前者は既存のジェンダー規範に対して親和的だけど、後者は既存のジェンダー規範に対して批判的で、むしろ古臭い既存社会の構造に挑戦している、という議論をしているのね。
その文脈で二次創作に注目する、というのは、(議論の妥当性はさておき)まあわかる。
でも、北田のおかしいところは、「二次創作に興味がある」という項目から、これに賛同したやつはディープなオタクだろうとか腐女子だろうとか定義してるところね。「マンガの二次創作に興味がある女≒腐女子」ってのはデータがどうこう以前に論理的におかしい(『炎の蜃気楼』や『刀剣乱舞』で掛け算してる腐女子は「マンガ」で二次創作してるわけじゃないし、商業BL専門の腐女子もこの定義からは外れてしまうし、男女CPで二次創作やってる女オタクなんていくらでもいるし、好きなマンガをBLにするな! って毎日のようにBLを叩いてる女がいたとして、そいつは定義上「マンガの二次創作に興味がある女」ってことになるけどそれを腐女子と呼ぶのはどう考えても間違い)。これは山岡も皮肉ってる。
例えば、与野党の政治家、報道関係者、一般国民に至るまで、多くの者が総理大臣の言動に興味を持っているだろう。「興味を持つこと」と「好きであること」を同一視すれば……驚異的な支持率になる。……(山岡 2019: 21)
それと、男オタクと女オタクのデータベース消費うんぬんの話で東園子の先行研究を引いていて、これは私はまだ読んでないからなんとも言えないんだけど、『ヘタリア』と『東方』の差異で男女の消費の差異を論じてる箇所があるらしいんだよね。……『ヘタリア』、普通にギルエリとかヘテロCPもあったよな? 『東方』、男オタク界隈でも早期から百合(つまり関係性消費)の勢力が根強かったジャンルだよな? まあでもこれは東園子を読まないと何も言えないのでまずは読んでみますわ。
で、北田(2017)のツッコミどころはたいてい指摘されてて(てゆーか北田も一部については自己批判してる)、正直私がここでこんなこと書くのって車輪の再発明でしかないんだけど、あのグラフは画像として独り歩きしてて「男オタクは保守的、女オタク/腐女子は進歩的」の論拠として用いられることがまだまだ多いんだよね。だから、いやもともとの論文もけっこうおかしいよね? そんなとこから無批判に持ってきて男オタクを云々されるの困るんだけど? というのをブクマカ諸氏に訴えかけておきたかった。
ちなみに北田はその後noteで山岡(2019)に応答してるけど、今んとこ山岡からの再反論はなし。
https://note.com/gyodaikitada/n/nf3ec68635b4e
https://note.com/gyodaikitada/n/n64fa34704698
https://note.com/gyodaikitada/n/n1c5f282be513
ただこの夏に山岡が新刊出すらしいんでそっちで反論があるのかも。個人的には北田の反論もnoteとかでやってないでどっかの紀要とかに載っけてくれればいいのにと思うけど、まあ印刷物はすぐにはできないので気長に待つとしましょう。仮に去年の夏ごろに紀要に原稿投下してればそろそろ刷り上がってくるころかな(『現代思想』では江口聡のtweetを引用してdisってるんだから、ウェブ上の論争を紙でやることに抵抗はないのだろうし)。
フェミニズムの人って文献を批判的に吟味出来ているのかな?なんか北田のグラフをそのまま鵜呑みにしている反応を見たんだけど...
まあ畑違いの分野だったり自分に馴染みのないテーマだったりすると批判的に読むのすら難しいしねえ。同じドイツ近代史の真面目な研究者さんでもキリスト教に詳しくないとカール・レーフラーを見抜けなかったので……あと、フェミニストでも腐女子じゃなければ操作的定義のおかしさに気づくのとか難しいだろうし、腐女子でフェミニストでも研究についてよくわかってなければ吟味する能力がないのは仕方ない面もあるし。でも腐女子を自認してるフェミニスト研究者はさすがになんかおかしいと思わなかったのかよとは思う。
一応全部読んだんだけど、北田氏の言説がアレげな事はおぼろげにわかったが、それを突き詰めるために原典全部に当たろうとはとても思えない話だった
北田(2017)は日本語で50ページくらいの分量やで……選書だからページあたりの文字数もそこまで多くないしグラフも含めてのページ数やで……
引用しちゃダメな文献なんてないんやで。どんな文献でも引用してよくて、その中に肯定的に引用すると信頼度が落ちる文献とか自説を補強する目的で引用するとバカにされる文献とかがあるだけだから、もしも引用に値すると思うのなら匿名記事でもガンガン引用してええんやで。まあこんなガバガバ増田から引用するくらいなら素直に北田(2017)や山岡(2019)を引用しよう!
山北(リバあり)
そもそもがミソジこじらせてる連中が言う「俺らオタク」の定義がガバガバで、ジェンダー論に行く手前でもう突っ込みどころが満載なんだよなあ。アニメ漫画ゲーム以外にも山程オタはいるわけだし
少し前の話になる。
老健から小さな某企業に転職した元介護士の前で介護・看護あたりの業種について貶されたのを思い出して、さほど長くもない堪忍袋の緒が切れた。ちなみに社長だ。こいつはやべぇ。
あえて言う。それを聞いた当時は"コイツいつの時代生きてんだよ"ぐらいで済んでいた感情だ。
それが社長の日ごろの言動、行動、どっか歯車の狂った考え方のせいで、以前は小さかった憤りを伴って爆発したのである。
少し前の朝礼でのことだ。
確かうちの会社もやべーがよそもやばいよな、今辞めたら(辞めさせられたら)皆転職先ないもんね、みたいな話だった。
「今募集してるのなんて病院とか施設だけっしょ?あんなとこねぇ、汚いし不潔だし薄給だしね。大変だし。なーんもいいことないよ」
以前は"何言ってんだコイツ""今はそれなりにお給金いいぞ""とりあえずお前の頭が悪いことはわかった"程度の感情だった。
しかし今は違う。
転職から数ヶ月、社内で行われるパワハラとモラハラとセクハラの数々(全て社長による)を目の当たりにした末に再度至った感情はここだ。
"ヤローテメーぶっ〇ーす"
いやもう、ほんとごめん。でもさすがに穏やかな心で激しい気持ちに目覚めた。
冷静に思い返すと、まず知りもしない介護現場への罵倒。余談だが、社長は若い頃から今の業種に従事しており介護現場での勤務経験はない。
よく言えたもんだ。
汚いし不潔、2回も言わんでええんやぞコラ。
まあしかし大変も合わせ事実でもあるので、そこは100万歩ぐらい譲って地団駄踏んで言い返さないとしよう。
しかしだ。
そんな偏見と固定概念にまみれた考えを、(こんな野郎であろうとも)仮にも社長が朝礼で、全職員の前で言葉にするのはいかがなものか。
思い返したら腹立ってきた。退職した暁にはうちのパワハラにまみれた内情をぶちまけたくなりそうなくらいには。
それからお給金についてだが、(当時働いていた現場が良かっただけかもしれないが)安いなんてことは全くない。
むしろ今の職場(週5~6正社員)と老健(完全週5日曜手当付きパート)を比較したら、後者の方が高い。真面目な話。ちなみにパート計算なので夜勤早出遅出残業は含まず、実稼働7.5h+休憩1hの日勤帯、さらに介護福祉士の資格は持っていない前提での計算である。(介護報酬手当など初めて介護に就く人でも貰えるものは加算。)
はっきり言って"お給金については資格持ってないパートの介護職より安いウチがナマ言ってんじゃねーぞ"状態である。給料上げてくれ。いやまあ、やりたくて転職した仕事なんで今のままでも文句は言わんが。
俺にお前の考えが間違ってるだの考え直せだの言う資格はない。思うのは自由だ。何より凝り固まった固定概念は早々変わらん。
だが言葉にしていいものなのか、場面なのか、ない頭でも限界まで絞って考えてくれ。
何年会社のトップやってんだよ。俺より何周り年上のおっさんだよ。社会で何十年生きてきたんだよ。
月夜ばかりと思うなよ。
こんな話の最後にすまん。
KinKi Kids、デビュー23周年おめでとう。
杉田さんがホロライブのラジオに出るときいてなんかすごい違和感を感じている。
もちろん、Vtuberが市民権を会得したことは喜ぶべきだし。本人にとっても芸の幅が広がっていいことなのもわかる。
そういう頭でいるから、声優のようにキャラクターを演じる現実の人が入る事で、中の人の内輪ネタみたいな構図になるんじゃないかと何かザラっとする。
似て非なる2つの演者が混ざる事がノイズを生むんじゃないかと思ってしまう。
でも、世間のVtuber支持者はそれを良しとしてるんだから異端な考え方なのだとは思う。
まあ、そもそもパーソナリティの二人も杉田さんのノリも自分が苦手なだけなんだろうなって思うけど。
杉田さんも多彩な経歴があって、Vとも共演してきたなら変なことにはならないか。
プロの仕事人であり演技をする人なのだから、流石に世界観壊さず、踏み込んではいけない所は線引きできるよな。
今までパーソナリティのラジオなり番組なりで際どい事を言う人だなって印象があったから不安だったんだよ。
増田個人としては、例えばギータ・モカーズみたいな適当な名前で、3次元の存在からかけ離れた架空キャラクターアバターを着て話してくれればそれでええんや。
要は同じ次元ならそれで良い。
最近マイナスなものとお気持ち()が多くて気持ち悪いからみんなのちょっとした幸せとか教えて
100円拾ったとか燕が巣を作って雛がかえってかわいいとか小さい幸せ教えて
自分は昨日の夜買い物いったらひつまぶしが半額で買えて幸せだった、しかも美味かったしで2倍の幸せゲットした!良いだろ!
【追記】
・中学生の声~
朝弱いのに他人を思えるなんてええ奴やな!
・お菓子が~
お菓子作れるなんてすごいな!しかもうまくなんてプロやん!誇ってもええんやで!
幸せのお裾分けありがとな!
【追記2】
まさかこんなにもコメントもらえると思ってなかったから驚いたわ!
ここじゃないとこに幸せコメント書いてくれてる人達もありがとう、そこまで返信はできなくてごめんなさい
でもできたら今日だけでいいから幸せなことあったならいろんな人も書いてほしい!
なんで?ってみんなの幸せをみて自分ももっと幸せになりたいからやで!
暑い時に食うアイスはうまいよな!最近の冷凍食品のクヲリティってすげぇしそれが半額とか最高だよな!
食べ過ぎだけは気を付けるんやで!
・タルタルソース~
教えてくれてありがとうな!おかげで自分の晩御飯も決まってお互い幸せ!
食べ放題ってことはヨーグルト菌の種を育ててるんやな3日坊主の自分にはできないから尊敬するで!
体の健康にもいいらしいし幸せ2倍やな!でも食べ過ぎてお腹グルグルにならんように気を付けるんやで
・自宅焼肉~
洗い物のことまで考えられてるとかすごいな!
焼肉最高!
・食いしん坊
もし自分もなんか幸せなことあったら教えてな!今日食べたおいしかったご飯でもええんやで!
おぉ!紛失物発見おめでとう!
教えてくれてありがとうな!
・カッコウ~
自分の家の周りで鳥の声はあまり聞かないからそういう貴重な体験ってええな!
・目玉焼き~
半熟ええな!トロリとした黄身が口の中でも味わえる最高&幸せ!
自分半熟つくれない未熟者故つくれたなんてすごい!
きっと卵も半熟に作ってくれたこと他の卵に自慢したがってるかもしれんな!
・節電~
節約できたなんてすごい!!工夫ができるなんてかっこいいで!
余裕ができたお金で貯金もええな、でも自分のご褒美として何か買うのもええな!幸せの連鎖!
でもこれからもっと暑くなるから熱中症は気を付けてな、自分と約束やで
・家庭菜園~
ミニトマト育てたことあるけどな?自分緑の指もってないせいなのか育ってくれないんや
きっとこのコメント書いてくれた人は緑の指を持っててミニトマトもコメントしてる君に応えようと育っているはずや
でもまたやってみたくなったから苗買いに行ってまた育ててみようと思う!やる気にさせてくれてありがとうな!
・殺伐とした~
そんな君もまたその一人であることに変わりないんやで
そう思ってくれる心の広い君に出会えたことに自分も嬉しいでありがとうな!
【追記3】
きっと周りを見るのが上手なんだな!寝不足だけは気を付けてな!
・うんちがもりもり
快調快便!
・オレンジジュースが~
つぶつぶ入りってなんかうれしいよなわかるで!
もしよかったらどんな商品だったか教えてくれたら自分も買えてもっとうれしいぞ!
・やっと裏列界~
うーんと?よんでいるとパズルということはスマホアプリの方でいいのだろうか?ごめんな詳しく理解できてなくて
でも君が安定してクリアできるようになったということがうれしくてたまらないというのはコメントを読んでいてわかるで!
そこまで行けた時の達成感ってたまらなくうれしいよな!
・なくした時計~
お猫様さすが!!!
今日のお猫様のごはんは豪華にして見つかった時計のうれしさとお猫様が喜んで食べてる姿を眺めるので忙しくなりそうやな!
かわいいな!
自分は独身だし結婚できるような人間じゃないけどそのあかちゃんが幸せに生きられることを願ってるんやで!
長くなって読みにくいであろうなこれ
これを書いた増田良い奴って言うコメントもあったけどそれを言える君らもいい人に変わりない!自信もっていこうな!
書いてくれた人読んでくれた人に幸あれ!
愚痴です
20年近く前の話。
高校の部活の先輩のネット友達の大学生の文章が好きだった。彼のことも好きだった。
まだテキストサイトがあった頃。村上春樹にかぶれつつダメなオタクの匂いがする彼の日記が好きで繰り返し繰り返し読んでいた。
少しメールのやりとりもしたけど、あんまり覚えていない。うれしかった反面自分が彼に相手にされていないのを感じてかなしかった。
高校生なりたての私からしたら大学生はとてつもなく大人で、扱い方のわからない子供として扱われているのを感じた。
でも文章のリズムがとてつもなく好きで、何度も繰り返し読んでいた。
高校の先輩はその大学生でないネット友達と彼氏になってはしゃいでいた。
性交渉をしたんだろうな、とおもわれる日記を書いたりしていた。私はまだ処女だったけど舞い上がりすぎている先輩には正直ひいていた。
文化祭の日、先輩は彼氏とネット友達を部活の展示に連れてきた。
会ってみたい、話してみたい気持ちはあったけどウブウブのウブなので顔なんて合わせたら一瞬で好きなのがばれてしまうのがこわかった。
私は展示のバックヤードに逃げた。女子校なので、パブリックに見えないところは女子更衣室みたいなものだ。私は複雑な気持ちにぐらぐらしながらも安心していた。
でも、先輩はあろうことかバックヤードに彼らを案内した。複雑な気持ちのエントロピーが全部恐怖と怒りになり、頭が真っ白になった。
私はたまたま手元にあったカッターを手に取って、たぶんものすごい勢いで先輩ごとバックヤードに入ってきた男性たちを恫喝した。
彼らは逃げ、私は先輩に「浮かれるな」とかそんなことを言った。泣かせてしまった。ほかの先輩が慰めていた。
今考えても彼女は実際浮かれてタブーを犯したんだけど、とはいえ思い人に引き合わせてやりたい気持ちもあったんだろう。
誰がどんな気持ちでどんな思惑を持ったかは置いておいて、とうぜんだけど大学生からは連絡が来なくなった。とてつもないものを壊してしまった。
私はあの日どうしていたらよかったのか何年か繰り返しあの日を思い返して苦しくなっていた。
今朝夢に大学生だった彼が出てきて、気持ちがツーンとして久々に思い出した。増田に流して供養する。
あの時普通に会えなくてごめんなさい。男の人を過剰に怖がるあまり、あなたを傷つけてごめんなさい。私はあなたに会う価値なんてないおかしい女の子でした(今もおかしいけど)
---
追記:
> 読み直してようやく人間関係がわかった。ABCD使ってくれていいんやで。
同人女界隈でバズってる例の漫画で、私は限りなく「おけけパワー中島」側の人間だった。
「もどき」と見出しにつけているのは、私がジャンル内で全く存在感が無かったからだ。七瀬や友川のように陰ながら誰かに影響を与えていたとも思えない。
私は、ただ綾城ポジとリア友だっただけの、いわゆる底辺ヘタレだった。
私は文字書きで、友人は絵師だった。あの作品になぞらえて私を中島、友人を綾瀬とする。
軽率に布教した某アニメ作品が綾瀬のストライクゾーンに当たり、彼女はこちらのジャンル沼に転げ落ちた。
綾瀬は元々絵が上手く、萌えが爆発すると筆が止まらないタイプで、毎日推しのカラーイラストや漫画をアップしていた。そんな様子だからフォロワーはあっという間に増え、気付けば5桁に突入していた。
一方の私は綾瀬に布教したのは良いものの、ドヘタレの底辺字書きに過ぎなかった。フォロワーの多さがすべてではないと思うが、2桁だった。
さらに、腐女子のくせにCP萌えせず単推しとなり、原作の隙間を書くような日常話をべったーに上げていたくらいの活動だったため、需要が低く読む人もかなり少なかった。腐女子が多い界隈では、私のような非CP者はいてもいなくても変わらなかった。それが漫画ならともかく、字書きとなればなおさら読まれない。
私は友人の作品が好きだったのでたくさんRTしてリプライも送った。リアルで会った時も感想を言っていた。
優しい友人は、私の小説をRTしてくれて「最高だから読んで下さい!」などと友人のフォロワーに向けて言ってくれた。するといいねRTがパラパラとついた。綾瀬を通して私を知ってくれた人が、「好きです!」とコメントをしてくれた上でフォローもしてくれた。その人、仮に田中さんと呼ぶが、田中さんとは相互になれた。それでもフォロワー数は2桁のままだったが、田中さん1人でもそう言ってくれたのは初めてで嬉しかった。
友人が見落とした、あるいは合わずRTしなかった作品は、全くと言っていいほど人に読まれなかった。
私としては、まあそんなもんだよな、私自身に知名度ないしな、と思っていたのでさほど気にしていなかった。この時は。
友人は、このジャンルで本を出してみたいと言った。同人人生で初だった。私は別ジャンルで出したことがあったため、そんな友人をサポートした。必然的に合同スペースで出ることになった。
友人がイベントの参加意志を示すと、あらゆるところから声がかかったようだった。アンソロへの寄稿、ジャンル内プチオンリーのグッズや特大ポスターの描き下ろしなど引っ張りだこだった。純粋にすごいと思った。
さぎょいぷしながら両者とも無事に脱稿した。綾瀬は自分から申し出て、私の本の表紙も描いてくれた。本当に嬉しかった。たくさん寄稿を抱えつつ全部こなしていたから、本当に神絵師なんだなと思った。
そして迎えた当日。
友人の頒布数が100とすると、私は1以下だろうと覚悟していた。実際そうだった。覚悟通りだが切なかった。
何よりもショックだったのは、友人以外から「私」を認識しされなかったことだった。
スペースに来た人からはほぼ「誰だろう」という目を向けられた。「好きです!」と直接言ってフォローしてくれた田中さんですら、中島という存在を認識していなかった。
田中さんがスペースに来て名乗ってくれたので、「中島です!」と言ったが、ものすごく怪訝な顔をされた。「誰なんだろう?」と言いたげな表情だった。もちろん相互になっていたのである程度の会話はしたことがあった。
驚きのあまり、「Twitterでお世話になってます」の言葉が咄嗟に出なかった。私はすぐに切り替えて「すみません、綾瀬は今席を外してるんですよ〜」と伝えた。彼女は笑顔になって、「じゃあこれ渡してくれませんか」と差し入れを取り出した。私の頒布物をスルーし、友人の本を買って行った。
その後、綾部が戻ってきた後、プチオンリー主催者が御礼としてひとりひとりのスペースを回っていった。主催者はテンション高く綾瀬に普段の感想と存分な感謝の念とアフターの誘いを伝えたのち、私の方をちらりと見て、誰だろうという顔をしつつ「プチオンリーご参加ありがとうございます」と社交辞令を一言だけ述べて去っていった。
来る人の9割9分が綾瀬に声をかけ、中島である私のことはチラッと無関心な目線を向けていった。片手で余るくらいの人は私の本も買ってくれた。
両手両足で足りないくらいの人数が、綾瀬表紙本文中島の本を手に取り、パラパラとめくったあと「なんだ小説か」という顔をして戻した。そしてメイドインオール綾瀬の本だけ買っていった。
友人の初イベントの空気を悪くするわけにもいかす、ずっとニコニコしていたが、正直かなりキツかった。
相互の田中さんにすらイベントに参加していることを認識されてないのだから、「私」へ声をかけてくれる人は誰もいない。さらに、表紙がイラストで本文が小説だと、一瞬手にとられて戻される率が普段より高かった。これも堪えた。1人だけの参加ならともかく、隣で飛ぶように売れている綾瀬の本を目の当たりにしているからだ。
イベントは終了し、アフターに行く綾瀬を見送って、在庫を担いで帰っていった。
あの漫画のように「このジャンルの人は私に感謝してくれてもええんやで」とでも言える性格なら良かったが、無い周囲の目を気にしていたため、私が綾瀬を誘ったことは一切口にできなかった。
ジャンルの神になった綾瀬を見て、素直に友人として嬉しい私と、私がいなければハマってなかったかもしれないのに…と後ろ暗い思いを抱く私の両方の側面があった。
あの漫画の中島の発言はかなり叩かれていた。でも私は、あそこまで言い切れる中島が羨ましかった。「は〜コイツ何言ってるの?」と思われたとしても、「思われる」ということは認知されるということだ。勝手な想像だが、あの漫画の中島はジャンル内でもそこそこの存在感がありそうだった。
Twitter内で流行っているおけパ中島への考察や妄想でも、「ギャグをよく書くが時折深いシリアス作品を書いてそれが泣ける」とか「毒マロが来てるけど綾瀬には言わない」とか「交流上手で友達が多い」とか色々言われていて多くの共感を集めていたが、どれも私には当てはまらなかった。中島ポジのくせに中島にもなれなかった。パワーがない。
いくら神の友人でも、ジャンルで空気だった私は、怪訝な目線しか貰えなかった。もしかすると、「怪訝な目線」というのが勘違いで、「コイツがあのヘタレ中島か…」と思われていたのかもしれないが。
「私が綾瀬さんを誘ったんです!」と公言し、綾瀬の作品に馴れ馴れしいリプライを送りまくり、他の人にも似たような対応をしていたら、何か変わっていたのだろうか。
たぶん変わらないだろう。絵師と字書き、神とヘタレの差が埋まるはずがない。
あの漫画を読んで、私は中島のなりそこないだなと感じて、ただ悲しくなって終わった。
綾瀬とはそれから声優のトークショー等何度か公式絡みのイベントに一緒に行ったが、そこでも綾瀬に声をかける人を大量に目撃した。私は横で見守るだけだった。そんなことがずっと続いた。
しばらくするとジャンルが完結し、私の中では区切りがついたのと、別のジャンルが気になったため、私は綾瀬に今までの御礼を伝えて静かにジャンルを離れることにした。綾瀬の好みには合わないと分かっていたため、私の新ジャンルは布教しなかった。
ジャンルから離れる少し前に、「また本出そうかな」と呟いたら、田中さんからいいねが飛んで来て「楽しみです」とリプが来たのが一番意味が分からなかった。本は既に出していたが、それを認識しないほど私が取るに足らない存在だったのだろう。
綾瀬は未だにそのジャンルの神であり続け、底辺の私は色んなジャンルを彷徨っている。
最近、おけけパワー中島(以下おパ島)という概念が新たに出来た。
初出は2020年6月7日に投稿された真田氏の漫画「秀才字書きと天才字書きの話です」に出てくる、主人公が崇拝レベルで慕う神字書きと仲のいい相互フォロワーのハンドルネームなのだが、多くの同人界隈にそれぞれのおパ島(概念)がいるようで、漫画に感銘を受けた声と、同人オタクの怨毒と悲鳴とともに一気に広まった。
どの悲鳴も新鮮かつ悲痛なものであり、お気持ち文が好きな人には是非ともツイッターで検索をかけて苦酸っぱさを味わってほしい。
私が「秀才字書きと天才字書きの話です」と続編「神字書きがジャンル移動する話」を読んで思ったのは、「七瀬の思う人間関係と綾城、おパ島の人間関係が綺麗に事故ってるなあ」だった。
おパ島ツイートでおもに悲鳴を上げているのは、ほとんどが七瀬サイドの人間である。私もその一人だ。
七瀬サイドに共通する価値観、それは(こと創作において)人間関係を対価システム(相手に対価を与えることで関係性の維持をしようとする行い。造語)で考えすぎているということだ。ここでいう対価は「持ちうる実力が等しいか、相手への献身で交流のメリットを感じてもらおうとする」こととする。神と親しくするには神に次ぐ力を手に入れるか、はたまた敬虔な信徒でないと許されないと自縄自縛してしまうのだ。
人間関係に対価システムを持ち込むこと自体は悪くないのだが、度が過ぎれば問題となる。だいたいの場合、まず真っ先にメンタルがやられてしまう。
現に七瀬は、「もっと上手くなりたい 綾城さんに興味を持ってもらえるくらいの字書きになりたい」が段々と、「フォロバされないし自分の作品へのコメントもない(興味を持ってもらえていないと判断できる)=自分の実力が足りないのだろう」と考えるようになり、最終的に「おパ島の感想はワンパターンなのに興味を持ってもらえてる=自分の実力はおパ島に負けてしまうレベルの乏しさである」と思うまでに至ってしまった(そもそも七瀬はおパ島の作品をちゃんと読んだことがあるのか疑問だが、仮に読んでいたなら感性が正反対だったか、袈裟まで憎かったのだろう)。
最終的に七瀬は綾城をブロックしようとまで決意するも、イベントで本を出すというツイートに負け、足を運び、実は認知されていたことを知って(そのうえ誉め言葉までもらって)感情が爆発……と終わる。
神に認知されていた、自分の作品が神に刺さった。これは紛れもなくハッピーエンドだろう。そのうえで最後に七瀬にひとつ言いたい。カウンセリングに行け。
七瀬サイドの人間は、まず基本的に陰キャである。そしてコミュ障気質でメンヘラだ。遠慮深く自罰的で、自分の低さを保つため、少しでも秀でたところのある人は、雲上人にしたがる。神と親しくなりたい場合、友人としての交流ではなく、相手の持ちうる才と肩を並べか献身することで距離を縮めようとする。神の作品はすべて拝み、ふぁぼりつし、匿名で感想も送る。作品を愛しているのは勿論のこと、それが対価のひとつになるからだ。
しかし綾城サイドはそうではなく、基本的に居心地の良い、話して楽しい人と交流する。才能はあればもちろん喜ぶだろうが、文才がいきなり枯渇しても、変わらず交流し続けるだろう。七瀬サイドが枯渇したらば、「相手につり合えない」という気負いから、ひっそりと疎遠の道を選ぶ。
この人間関係に対する価値観のすれ違いを解消しないと、一部のおパ島に敵意を隠し切れない人が毒マロを送ったりしてしまう。幸運にも七瀬友川はそうはしなかったが。
あくまでストイックな彼女らは、いつか綾城とグランドで対峙するため、動体視力を鍛え日々素振りをし、強打者になるまで至った。しかし不幸にも、綾城と相互になるために必要な技能はサッカーであった。
創作界隈では、作品と作者への好悪は分けて考えるべし、という戒めがある。綾城が七瀬にフォロバしないのもおそらくはこれだ。綾城が七瀬に向ける感情は嫌悪レベルまで行かないだろうが、人間としての興味が薄いのは確実である。七瀬→→→→→→→→→→→→(←←)綾城ぐらいの温度差があるだろう。
自分に厳しい人間は、他人にも厳しくなりがちである。もっと正しく言えば、他人に厳しくする免罪符として、自分を縛っている場合がある。「私は○○してあげたのに、向こうは何も返してくれない」と悲しくなるのはわかるが、そもそも向こうは○○してくれることをこちらに要求したのか? 見返りを約束したのか? と自問を忘れてはならない。
「神字書きになれば相互になれる」という考えは綾城との関係を対価第一で考えてる証拠であって、神字書きである綾城はおそらくそういうメンヘラを何人も相手してきたのだろう。対価システム持ち同士なら事故にならないが、綾城はそうではない。結果事故る。
つまり、綾城が何を書こうが肯定してくれるし特定ジャンルに縛り付けようとせず、良いものは素直にほめたたえ、地雷薄めのおパ島と仲良し続けるのは当然のことなのだ。つらい。
綾城さんをktgにはめたのは私なので感謝してもええんやでツイートは死ぬほどむかついたし、私なら確実にブロックする。陽キャがオタクの誇張した物まねしたみたいな不快感があった。あそこで怒りを飲み込み攻撃にうつらなかった友川はすごいと思う。
定期的にツイッターで「日常ツイートを控えろと要求する匿名メッセージは、アカウントを乗っ取りたい奇人の仕業である」という啓蒙がバズるが、私は半分近くは七瀬サイドの人間が送っているのだと考えている(残りの5はアンチ、1は奇人)。なぜなら七瀬サイドには、見える形での他者との交流は否が応でも気になってしまうから。
神とたたえる創作者には自分の理想から外れてほしくないという欲求は、七瀬サイドの人間が抱きがちである。神には自分が認めたと才能の持ち主とのみ交流してほしいし、自分と同程度かそれ以下(に見える)の存在は歯牙にもかけないでほしい。なぜなら、これほど恋い慕って対価を払っている私が、歯牙にもかけられていないのだから、と。
酸っぱいぶどうをするのは個人の自由だが、木登りのできる他の狐の足を引っ張ったり、ぶどうの実りを妨害するまで至っては、個人の問題では収まらない。跳躍力のない狐は、「神もおパ島も自分とは違う価値観・考え方の持ち主である」という自他の区別が付けられるまで、臍を噛み続けるしかないのだ。つらい。
幸いにもたくさんの方が見てくれていたので補足。「七瀬が本当に綾城と親しくなりたいなら、匿名をやめてメッセージを送ればいいのではないか」という感想が散見されるが、私の解釈では、七瀬→綾城はあくまで憧れであり、そこまで親しくなりたいとは思っていないだろう。信仰は遠きにありて清いものなので、自分含め普通の人間が近寄るのは解釈違いなのだ(ファンクラブの抜け駆け禁止や、百合に挟まる男を殺す男のようなものと解釈してもらってもいい)。
また、綾城が求めるのが有能なメンヘラではなく気の置けない相手というのを理解したとして、その気の置けない相手になるために七瀬が行うのはやはり、研鑽という名の献身だ。本能的におパ島になれないことはわかってるからこそ、”小説で”有能さをアピールするしかない。そしてフォローは返らない。
七瀬サイドの人間がなぜ先に実力アピールにいそしむのかというと、上にも軽く書いたが、生育環境の影響が大きいだろう。自己肯定感のない人間は、特技や相手の苦手な分野をカバーして、恩人・利用価値のある存在になろうとする。見捨てられ不安が強いための行動なのだが、出しゃばりすぎたりマウントに見えてしまい、結果距離を取られてしまいがちだ。
仮に七瀬が綾城と相互になったとして、フォロー解除されないためにひたすら小説の練習をするだろうし、おパ島のリプライには相変わらずむかつくし、おパ島と同じツイートに話しかけたとき、どうしても生まれてしまう扱いの差をリプライから敏感に感じ取って病むと思われる。七瀬の地獄はこれからだ。つらい。
■七瀬サイドの人間はなぜ対価システムに至るのか(おけけパワー中島)
https://anond.hatelabo.jp/20200704211736
対価システムについて、若干掘り下げたものである。科学的な根拠などはほぼないため、眉唾程度にとらえてもらえるとありがたい。
なんかごめん、書き殴りすぎて本意が全然伝わってないけどほんとその通りです
自分はたまに感想も小説も書くけどずっと弱小で自解釈と違うカプ観が主流なの嫌いででも実力がないから自解釈に覇権を取らせられない、実力があればよかったのに、まあこんなこと書いてる暇あったら駄文であれ支部の件数一件でも増やせばええんやろなという自戒のつもりでの「手を動かせ」でした
感想が誰でも書けるっていうのはほんとに質の高い感想が誰にでも書けると思ってるわけじゃなくて、感想一般については絵とか小説よりハードルの低いもの(受け手側、施される側が出すもので神の創作物より下に位置する物)として自分は見ていて、でも弱小の書く誰にも読まれない小説より感想屋の書く感想が強かったら羨ましいし妬ましいし悔しいしアーーーってなるだろうなということ
「創作物」と「感想」を比べたら創作物の方が上だと思ってるのに、弱小創作物より感想屋の感想が上だったら死にたくなるなって勝手に自己投影した結果(自ジャンルには感想屋みたいな存在はまだ見られないのでただの想像)