はてなキーワード: 足跡とは
俺たちはドッペルの真意を読み取り、その葛藤を理解しなければならない。
だけど今の俺たちでは話にならない。
そもそも現時点で分かるようなことなら、こんな事態には陥っていないだろう。
そのために、まずは情報収集だ。
「アテはあるの?」
「少なくとも道端には転がってないだろうな」
あいつは引っ込み思案だ。
大して面識のない相手から情報を得ても、それがドッペルのことなのか判断できない。
となると、信頼できる情報ソースは限られてくる。
「カバンの中、机の中!」
「どうやって調べるんだよ。もしバレたら、それこそ絶交ものだぞ」
「まあ、身近な物を調べたり、身内に聞くのが近道なのは確かだろうね」
「やっぱり、子供のことを知ってるのは親でしょ」
「いや、身近な相手だからこそ秘密にしていることだってあると思うよ」
「どちらにしろ親に聞くのはナシだ。自分の親が『あの子はこんな感じなんです~』とか友達に話してるの想像してみろよ」
「……キツいわね」
けれど、それはドッペルの家に土足で入るような方法ばかりだ。
まあ国によっては家の中でも靴を履いたままらしいけれど、問題はそういうことじゃあない。
俺たちが今やってるのは、ドッペルのことを理解し、尊重するためのプロセス。
それで人様の家に足跡をつけておいて、「お前のことを尊重している」なんて嘘つきのやることだろ。
郷に入れば郷に従え、親しき仲にも礼儀ありってことだよ。
だから細心の注意を払い、俺たちは最低限のピースだけで何の絵かを当てなければならない。
そこで挙がってきたのが俺の兄貴だった。
「思ったんだけど、私がマスダのお兄さんとドッペルのことを聞いたのが始まりでしょ」
「いや、ことの発端はそうかもしれないけど、直接の原因はそこじゃないよ」
「まさか、タオナケ。兄貴とドッペルをどうこうすれば万事解決すると思ってるのか? 少女漫画じゃねえんだから」
「え~? タオナケの読んでる漫画って、そんな感じなんだ……。つくづく流行ってのは読めないね」
「あんたらの少女漫画に対する偏見は保留にしといてあげる。私が言いたいのは、お兄さんに聞けば間接的なヒントくらいは得られるんじゃないかってこと」
「ああ、そういうことか……」
だけど兄貴の知ってることも俺たちと似たり寄ったりだと思うんだよなあ。
とはいえ、他に聞けそうな人が思いつかないのも確かだった。
無職の俺が言うのもなんだが、本当に死ぬほどやることがない時にだけ、普段使っていないFacebookを開くことがある。
開くとまず、知らない奴とか10年くらい連絡とってない奴の誕生日が3日前でした、みたいな通知が5件くらいあって、未だに何故かFacebookを使い続けてる奴のTwitterみたいな投稿が目に入る。自分の投稿を見返したところ、自分も6年前までは同じ使い方をしていたらしい。
だが俺の本当の目的は今や全く別のところにある。ここに来て急に「友達かも」のページをみたり、繋がっている友達伝いに小学校の同級生を探し出すのだ。
俺の通っていた小学校は、それこそ全校生徒がランドセルに熊よけの鈴をつけて登下校するレベルの山奥にあった。トラクターが農道を闊歩する割と本格的な田舎だ。だから小学校から中学校、下手すると高校まで同じ顔触れで、死ぬまで実家暮らしなんてのも多分珍しくない。
というのも、俺は中学から親の都合などを経て都市部に引っ越したため実情を知らない。小学校の同級生と未だに連絡を取っているようなことも全く無い。高校生の時に何度か違うクラスの奴と会ったはいいけど全然何話して良いかわからなかった。多分みんなそんなもんなんじゃ無いかなと思っている。
そんな時に見るべきなのがFacebookである。今となっては猫も杓子もTikTok、InstagramなどのイケイケSNSに夢中な中、それらの始祖にして現代ネット社会における九龍城、そしてディストピアとなったFacebookには今、俺が必要としている情報の全てがあるのだ。
まず友達伝いに名前に見覚えがある気がする奴のページに飛ぶ。どうせ足跡が付くわけでも無いし付いてたとしてもはや誰もFacebookなんか見てないから気にせず画像や誕生日の投稿へいつ頃まで反応していたかを見ていく。俺と同級生だから当然3割くらいは誰だか知らない奴と結婚してる。だがさして興味はない。なんなら病気してても、たとえ死んでたとしても、へー、で済む話である。ガンガン見ていく。
あ、こいつ養護学級スレスレだったやつだ。アニメアイコンだしヤな予感すんなあ、とか思ったら内容こそ穏やかだけど匿名掲示板で暴れ回ってるキチガイと同じ文体で、それもつい数日前まで投稿してる。匿名掲示板荒らして回ってる奴の気が知れないとは思ってたけど、本当にこういう奴らがやってんだなって確信してなんか悲しくなった。
次はこいつか、車高短なんかFacebookに載せんなよ、うわこいつも載せてんな、しかもスポーツ学科、このギャル名前見たことあるな可愛かった子か、あいつはヤンキーになってんのか、うわきったねえギャルだ、車高短だ、うわギャルだ、ヤンキー…
ガイジとヤンキーとギャルしか居ねえってなんだ。そりゃみんなFacebookやめるわ。畦道走ってイオン行けばみんな居るしな。どうせ高校まで一緒だったんだろうしどうでもいいかやっぱり。
だが何故、いわゆる陽キャになろうとした結果が画一化されたヤンキーやギャルなのか。影響されあっているとしたらこんなにダサくて生産性のない足の引っ張り合いは無いだろう。というか、それに気付かず迎合してしまうから田舎に留まろうとするのか、田舎に留まっているから感性が死ぬのか。俺にはもうよくわからない。
先日失踪した10年来の友人はいわゆるシティボーイだった。のにも関わらず、都会の隠れビッチに惑わされ、家や友達の全てを捨てて失踪し、SNSからもその存在を消そうとした。自分のプライドを糧にやってきたことを全否定して消えようとすることは、結果だけ見れば俺の居た田舎でヤンキーやギャルになるのと同じはず。全てを捨てようとした時、やはり田舎で珍走団になろうというのが真っ当な思考回路なのだろうか。
少し前の話だし、同じような話を既に散々してる人もいると思うけど、思った話なので書く。
2020年11月中頃、スパコン「富岳」が二期連続の世界一を達成した。そこで思い返されるのは、「2位じゃダメなんでしょうか?」という蓮舫議員の発言であった。この喜ばしいニュースに対して、「2位じゃダメなんです」といったものや、「今振り返ってみても、恥ずべき発言であった」などの意見が相次いだ。
民主党政権当時、事業仕分けの名のもとに様々な研究開発予算が削られることとなった。例えば、iPS細胞の研究費150億円は、事業仕分けによって3分の1に減らされる危機に瀕し、危機感を感じた山中教授は趣味のマラソン大会を通じてカンパを募るほどだった。そして、当時研究開発が行われていたスパコン「京」の研究開発においても例外ではなかった。
そんな渦中に飛び出した「2位じゃダメなんですか?」の発言。批判が多いこの発言の本意とは何だったのかを今一度おさらいしたい。
当時の事業仕分けの議論に実際に立ち会った人物が、その時の流れを解説している記事がある。少し長い文章であるが、引用したい。
○2社の撤退によって大きくハードが変更になった中で、ソフト開発を同時に行う意味があるのか。
○スピードだけを求めるのではなく大事なのは利用者(研究者)の使いやすさ。例えば、1台のスパコンに10ペタを搭載するよりも、1ペタのスパコンを10台作って実際に利用する全国の若手研究者のいるところに置くなどの考え方もあるのではないか。10ペタのスパコンを開発すること自体が目的化していないか。
○10ペタのスパコンに対する産業界のニーズが本当にあるのか。
○アメリカが2012年までに10ペタのものを作ろうとしている中で、仮に一度日本のスパコンが世界最速になったとしてもいつまで世界一でいられるのか。
○「サイエンス」には費用対効果がなじまないことは理解するが、1000億円以上もの税金が投入されることの成果がまったく見えてこない点は、改善すべきではないか。
このような議論の過程で、蓮舫議員から「世界一になる理由は何があるんでしょうか? 二位じゃだめなんでしょうか?」という言葉が出た。
要するに、スピードが世界一になったところで利用者の使い勝手が悪ければ使われない、しかもすぐに抜かれるだろうという予測もある、なぜそれなのにスピードばかりにこだわるのか?という趣旨だった。
『スパコン「京」の運用終了。「2位じゃダメなんですか?」は何だったのかを改めて整理する』-https://news.yahoo.co.jp/byline/itoshin/20190909-00141136/
つまり蓮舫議員の発言の本意は、「1位でも役に立たないスパコンを作るくらいなら、2位でも役立つスパコンを開発すべきだ」というものだったのである。
そして、富岳は「世界1位をもぎ取るための圧倒的なスピード」ではなく、「使いやすさ」を重視した設計思想で開発された。
後継機「富岳(ふがく)」の開発に携わる理化学研究所計算科学研究センター長の松岡聡さん(56)は、京の足跡に敬意を表しつつ「富岳(の演算速度)は世界2位でも全然かまわない」と話す。
ーー(中略)ーー
一方、松岡さんは「特殊なソフトでしか動かせないなど汎用性(はんようせい)に乏しく、商業的に京が成功したとはいえない」とみる。富岳では、世界的に普及するマイクロソフト社製の文書作成ソフト「ワード」でさえ動かせる汎用性を重視。性能は京の最大100倍を目指すが、それ以上に、富岳用に開発した技術が広く社会に普及することを重視しているという。
松岡さんは「世界ランキングは、結果的に1位を取るかもしれないが、われわれは気にしていない」とし、「国民の関心が高い医療や防災、産業、エネルギーなどの分野で成果を挙げることを重要な目標にしている」と話す。
『スパコン「京」電源ダウンへ 後継「富岳」使いやすさ重視』-https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201908/0012646505.shtml
つまり何が言いたいかと言うと、富岳は蓮舫議員の発言の本意と全く同じ理念で開発されたスパコンであり、蓮舫議員の発言は全く間違っていなかったのだ。演算速度世界1位を優先した結果、「京」の汎用性には問題があったし、使いやすさを重視して開発された「富岳」は、演算速度が早いだけではなく、様々な分野での活躍が期待されている。
そして、蓮舫議員の発言に対する、批判とも言えないようなお粗末な意見は、まったく物事の芯を捉えていないことは明白である。「蓮舫さんww、やっぱり1位じゃなきゃダメなんですよwwwww」などという発言は、非常に短絡的でブッ飛んだ発言なのだ。
少し調べれば分かるような事実すら知ろうともしないで、適当に何かを褒め称え、何かを叩き、悦に浸る。そこには何の知的活動も存在せず、あるのは「自分が気持ちよくなりたい」という欲望だけ。昔のドラマに「好奇心や、探究心のない人間は人間じゃありません。猿以下です。」というセリフがあったが、まさにその通りかもしれない。
そして、忘れてはならないことがある。それは、日本という我らの国を、誰が動かしているのかということだ。
政治家や官僚が国を動かしていると思われがちであるが、それは全くの間違いだ。民主主義国家である日本において、本質的には、日本という国のハンドルは日本国民が握っている。
そして、そのハンドルが人間の手から、猿以下の存在に渡ってしまう危機を、この出来事は暗に示している。政治の動向や議論の内容を全く理解できない国民は信じられないほど多く、その連中が政治に積極的に介入したらどうなるのか。
もし、そうなったら日本という国は、中長期的な利益や、少し考えれば分かるような事実やリスクを鑑みず、「国民の欲望を短期的に満たしてくれるかどうか」のみを判断基準にして突き進もうとする国になってしまう。日本が誇る技術や文化は全て消えさり、過去の栄光にすがるだけの悲惨な国になってしまう。もしくは、ナチス・ドイツのような悲惨な結末を辿るようになるのだろうか。
猿以下の存在が大船のハンドルを回す日は、もうすぐそこに迫っている。もしかしたら、もう既にそうなっているかもしれない。
...いい加減目覚めなさい。
いや、なんとしても目覚めなければならない。もし、辛く苦しい暮らしではなく、心から素晴らしいと思える暮らしををしたいと思うのなら。自分の親族や、孫やひ孫、そのまた更に遠い世代の事を想うのなら。そして、日本という国が大好きで、もっとこの国をより良くしたいと願うならば。
本当に目覚めなければならない。
ツイートしても誰が見てるかわからないじゃん、まあそのインプレッションとかエンゲージメントとかのアクセスカウンターみたいな数字は出るけど、誰が見たかはわからない。
どんなフォロワーがちゃんと自分のことを見てるのかわからないじゃん、いいねもRTも全くつかないしリプも貰えないし。コミュ障だし。
自分から日常ツイに絡みに行けばいいのか? こまめに? そういうのしないからコミュ障なんだろうか。・・・。
オーケーオーケーわかる。わかるよ言いたいことは。そう、もちろんフリートは自動で流れて表示されていくので、ガッツリちゃんと見てたり聞いてたりするとは限らない。それはわかっている。
俺だって台所で皿洗ったりフロでヒゲ剃りながら見てたりするから、あ、ちょっと目そらしてたわ。ってうちに流れていくものもある。そういうのも足跡は残る。
でもその残った足跡のうち何人かは、何秒かは見てたかも知れない。というかすかな希望を抱くことができる。
インプレッションの数字だけじゃ誰が見たのかわからないじゃん。
しばらくフリートと、その足跡チェックを続けていると「いつメン」が見えてくる。見えてこない?
あと1年だけ続けてみる。
(以下本文)
この仕事を始めて2年が経とうとしている。
それ以前は全然違う仕事をしていたけど、ある日突然、マッチングアプリの運営会社に出向することになった。
楽しくやってると言えば嘘になる。
最初の頃は何もかもが新鮮だった。出会い系に代わる、新しい形の人と人とを繋ぐサービスの管理・運営を担うんだという自負があった。
今では心に澱が溜まっている。愚痴のようになるけど聞いてほしい。三点ある。
これを書いている今はなんとも言えないけど、もしも気分が乗ったら、最後にアプリの攻略法みたいなものを書いてみようと思う。俺も他社のマッチングアプリをやりこんだ身として、真剣に恋愛を考えている人のためになればと思う。
1.マッチングアプリをやっている人たちへの所感
これを読んでいるあなたは、マッチングアプリをやったことがあるか、または興味のある方だと思われる。
…インターネットの掲示板を見たことがあるだろうか。マッチングアプリの。
どんな印象があるだろうか。とんでもなく偏った考えをもった連中が、とんでもなく毒のある書き込みをしまくっているみたいな印象があるのでは?
まさにそのとおりだ。最初にそれを見た時に悲しい気分になった。というのも、まさにマッチングアプリで活動している人たち(特に男)の一般的な行動傾向にそっくりだったからだ。
・圧倒的なまでの卑屈さ。自分はどうせダメだと思いながらも、恋愛を諦めきれない思いでマッチングアプリをやっている。でも、ちょっとしたことでダークサイドに落ちてしまって、メッセージ画面で相手に非常識な言葉をぶつけたりする(ex 死ねやブサイクなど。もちろん一発で警告を飛ばす)
・欲望の権化。悪質な場合、免許証などの身分証を偽造して登録し、嘘の経歴を盛り込んだプロフを作って経済力重視の女性を狙う。彼らの面白いところは、ほとんどがメッセージのやり取りすらままならずに失敗する一方で、ごく一握りの、悪い意味で知的レベルが高い人(※後述)が成功をおさめていることだ。
・恋愛弱者が多い。上二つは男性を非難するものだったが、ここでは女性について言わせてもらう。「それじゃ彼氏なんてできんやろ」みたいなアプリ内行動をしている人が多かった。プロフの傾向でいうと、運営が用意したテンプレをそのまま使っていたり、主体性を感じない文章(ex 友達に誘われて登録しました、出会いがないので登録しました、こういうところに登録するのは抵抗がありましたが~など)だったり、マッチングしてもほとんど受け身の状態だったり、短文でしかメッセージを返さなかったりする。
マッチングアプリに登録しているのは、まさにこの『恋愛弱者』と呼ばれる層が多い。リアルで恋愛をする意思や能力を欠いている、あるいは恋愛できる環境がまったく整っておらず、修行をする機会がなかった人達だ。
恋愛力のある人はリアルで恋人を作れるし、恋愛力はあっても、(物理的な意味で)出会いがゼロの人は結婚相談所で伴侶を見つけることができる。
蛇足になるが、「出会いがなくて登録した」みたいなことをプロフに書いている人達がいる。その大半は間違っている。実際に出会いはあるが、出会う対象に満足できないからマッチングアプリに登録している。
彼ら彼女らを見ていて哀れな気分になることがある。
と思わされてしまう。つまり、実際に出会いはあるのに、出会う相手の質に満足できない自分に気が付いていない。
俺は色んなモノを見過ぎて疲れてしまった。これまで多くの会員を見てきたが、その度に心が蝕まれて今に至る。
2.ヤバい人について
上に挙げた、『ごく一握りの、悪い意味で知的レベルが高い人』について説明する。ダントツで記憶に残っているのが1人いる。これは2年も前の話だし、俺はもうこの会社から退職しようと思っているし、時効といっていいだろう。そういうことにしておいてくれ。頼む。
その彼は、マッチングアプリで二度生まれたと言っていい。どういう意味かというと、1周目(?)と2周目で違う人間になっていた。
1周目の彼は、なかなかのスペックだった。東京生まれの東京在住で、慶応義塾大学を卒業していて、総合商社に勤めていて、資格をいくつか持っていて、年収も高かった。写真もイケメンだ。遠景から友人に撮ってもらった風の写真だったが、少なくとも俺にはイケメンに映った。
後の通報をきっかけとして行った調査の結果、彼は毎日数百人に足跡をつけていた。それでいて、1日に10~15程度のいいねを獲得し、登録日から一か月後にはいいね数は300を超えた。
東京から地方へと現住所を変更し、プロフから慶応義塾大学という文字を消し、総合商社という文字を消し(大手企業なのはわかる仕様)、資格の一部を消し、年収を一回り下げた。
プロフ写真も変えた。遠景のイケメンから、ちょっと顔が近づいた感じになった。こちらはイケメンではない。ブサメンではないけど、女性にとっては笑顔が素敵なのかもしれない。そんなイメージだ。わかるかな?わかんないだろうな…。
彼は地方でもモテた。相変わらず毎日数百人に足跡をつけていた。もらえるいいねの数は段々と減っていったが、彼が退会する時までいいね数は200を超えていた。
どうして通報されたのかは言うまでもない。プロフを詐称しているという通報が数件あったからだ。メッセージの履歴を見ると、それなりに会っていたのかなという印象はあった。
彼に警告を与えることはできなかった。違反行為の確たる証拠がなかったからだ。出身地は東京のままだったし、現住所が変わったのは引っ越した可能性があるし、プロフから大学名や保有資格を消すことに問題はないし、勤め先を総合商社から大手企業に変えるのも問題ない。年収が下がったのは転職したからかもしれない。
写真についても、絶対に別人とは言い切れなかった。そういう微妙なラインを突いていた。限りなく黒に近いグレーだった。彼は経歴を偽っている!
毎日数百人、多い日で千人以上に足跡をつけていたのは特におかしい。日中は働いているはずだからだ。巡回ツールのセンサーにはかからなかったので、多分もっと単純なツール(フリーソフトの自動クリックとか?)を使っていたのではないかと思う。
ある時、異業種交流会でフリマアプリの運営をしている人と話したことがある。
その人は、今年の初め頃にあったマスク転売問題について、酒を飲みながら悔しそうにクダを巻いていた。
その人が所属する部署では、マスクの転売で医療従事者が困っているニュースが報道された時点で、自主的にマスク転売を取り締まろうとしていたらしい。でも、偉い人が、「ちょっと待て。協議するから」と止めに入って、さらに2週間以上が経過し、ついに国が動いて、有名各社にマスク転売を規制する旨の通達が届いて、それで今に至るわけだが…
どこまで本当の話かわからない。でも、本当だとしたら悔しかったのではないか?というのも、日本の社会の一部を自分達で守ろうと判断したにもかかわらず、事実上の保留になって、しまいには国から尻尾に火をつけられたみたいになったんだから。彼女は口惜しかったに違いない。
俺も、気持ちだけなら同感だ。自分の仕事が社会の役に立っている気がしない。マッチングアプリは社会に必要なんだろうか?ツイッターでたまに見る画像に、藤沢数希が作ったようなマッチングアプリを皮肉っている図表があるだろう。いらすとやのやつだ。
https://togetter.com/li/1359921
10/31 追記 togetterに図表を上げていた人が消していた。この記事からの流入数に驚いたのだろう。謝罪する。
https://neputime.com/matching-app-himote/
ここには図表が残っている。ブログ自体もマッチングアプリをよく研究している。
あれを見たとき、心がガクッとなった。自分たちは社会に役立つものを作れてないんじゃないかと。あの図表でいうところのイケてる男子というのは、はっきりいって女を食うことしか考えてないし、イケてる女子はただ承認欲求を満たしたいからやってるだけで、出会う気はさらさらない(ほとんどいいねをしない)。現実世界に彼氏がいるからだ。非モテ男子と非モテ女子は、上の1.に述べたとおりの状況だし、実際に現在のマッチングアプリはこの構造に近いものがある。
もう疲れた。どうすればこの状況を打ち破れるのか想像がつかないし、打ち破れるルールを作ったとしても、今度はマッチングアプリそのものの収益が低下して運営が成り立たなくなるのではと思う。
気分は乗らないがちょっと書いてみる。
概観的なものになる。登録後、基本操作をマスターした後の流れを掻い摘んで説明する。
検索欄に「マッチングアプリ 攻略」と入れると、いろんなアプリの攻略法が書かれたページが表示されるはずだ。そのうち、気に入ったやつを一個くらい見つけてくまなく読んでいこう。それで終わりだ。
なぜひとつのサイトでいいかというと、どこも似たり寄ったりだからだ。
例えば、どこのサイトもマッチングアプリのランキングを載せているが、あれはすべてアフィリエイトだ。すなわち営利目的。だから、男女向けに恋愛指南をしているサイト(Smartlogなど。ほか多数)みたいに、どこのサイトも記事の内容が似たり寄ったりになる。コンテンツ・記事を楽に作るため、他社の掲載内容をパクリ合っているのだ。だから、あなたが気に入ったひとつだけを読めばいい。
5ちゃんねるなどの掲示板も読まなくていい。少し前にプチバズッた増田風に言うなら、あれを読んでいると「精神的に不健康」になってしまう。覗かないこと。
上で見たサイトに、いいねをもらうために一番大切なことは何て書いてあった?写真が一番大事と書いてあったはずだ。
そのとおりだ。いいねをされる最大要因は写真なので、とことんこだわろう。
男性の場合:清潔感のある服装(できれば白系で。簡素がいい)で、日中に他撮りな感じで笑顔。地鶏はだめ。
女性の場合:顔が大事なので、とにかく顔を可愛く撮る。体形に難があると感じたら隠す。会ってしまえばどうにでもなる。あなたの恋愛力を信じよう。
③プロフィール文を作る
上で挙げた2周目の人の特徴として、プロフィール文を作り込んでいた。ほかの男性会員を研究している様子が感じられた。
・簡潔な文体で、具体的な表現を心がける。あなたのプロフを読む人は、隅から隅まで読んだりはしない。大抵は流し読みだ。流し読みでも理解されて、面白い内容にすることを心がけよう。女性の場合もそうだ。
・文章量は200字~300字がいい。あまり長いと読んでもらえない。人気会員に限っていえば、みんな大体このぐらいだ。女性はもっと少ない。
・【】や『』や〇などの記号や、改行を駆使して分かりやすくする。上にも書いたが、あなたのプロフは基本的に流し読みされる。必要な情報がすぐに読み取れるようにする。
差別化は大事だ。この人は違う!と思われるようにする。女性の場合はそこまで拘らなくてもいいが、プロフ文は必ず書こう。テンプレではなく自分の文章で書く。いいね数が多くて現実でもモテる男(かつヤリモクではない)は気合いが入っている女性でないといいねを送らない。
男性向け;
女性は、男性のいいね数を見る傾向にある。最低でも平均レベルのいいね数を求める。「この人は私だけじゃなく、ほかの人もいいと感じている」という保証がほしいのだ。だから、まずは平均以上のいいねを集めよう。
いいねをしまくる作戦はおすすめしない。いいねはすぐになくなるからだ。節約してもすぐになくなるので、目当ての人にしか送ってはいけない。
まずは毎日ログインして、無料のピックアップは必ず押す。学校や会社から帰ったら、頑張ってスワイプやクリックをしよう。販売されているツールは絶対に使うな。バレたら一発で退会になる。
女性向け;
男性の場合、あなたの年齢と容姿が許容範囲内で、ほかに難がなければいいねを送る(いいねが残り少ない時と、毎日更新のピックアップは除く)。写真とプロフ文を用意して静かに待とう。男性は、タイプであれば相手のいいね数が少なくても気にしない。むしろ、タイプだった人のいいね数が少ないと喜ぶ。ライバルが少ないからだ。
男性みたいにあしあと巡りをしてはいけない。どんどんいいねがついて、あっという間に数百にはなるだろうが、男だってアホじゃない。賢い奴は、「この女はいいね乞食だな」とすぐに見抜く。あしあとを巡るのであれば、厳しい条件で絞込検索をかけてからにする。
これ以降は一般論に留める。①~④までは誰に対してもこうした方がいいと言えるのだが、⑤はその人と相手のキャラクターによって答えが違うので、誰に対しても通用する答えは出せない。
ここでは、男女別に恋愛の一般論を述べる。男性向けに3つ、女性向けに1つ。人によっては耳が痛いかもしれない。
・恋愛は常に男から行くものだ。交際までに必要なステップが10あったとすると、すべて男から仕掛ける必要がある。女から仕掛けてくれることもあるが、まずないと言っていい。気分が乗らない時も自分から話しかけよう。断られたら嫌だなと思っても食事に誘おう。恐怖を感じたとしてもあなたから告白しよう。女は待っている。
※1 厳密には、女性もあなたにアプローチをしている。バーベキューの時、紙コップに氷を入れに行く際にその子も同じタイミングで取りに行くのが続くとか、後ろから二の腕や肩甲骨に触られたりするとか、あなたと目が合った時に大きく見開くとか、そういうレベルだが。あなたを気になっている女性は、できるだけあなたに近づいたり目につこうとする。それが女性からのアプローチだ。
※2 恋愛初期には女から積極的にアプローチすることもある。挨拶する必要がないタイミングで「おはようございます」と声をかけたり、満面の笑みで男の顔を見たりする。
・女性は毎日違う人間だ。気分がいい時もあれば悪い時もある。話しかけた時の反応が悪くても終わりじゃない。次は態度が変化するかもしれない。接触する回数をとにかく増やす。頑張ってソツのない用事を作ろう。
・好き避け。女には気になる男を避けようとする性質がある。具体的には、廊下で挨拶をしてもぶっきらぼうな返し方(ex 顔を背けながら「お疲れ様です」)だったり、症状がひどい子だと声をかけたら小走りで逃げたりする。見分け方は視線だ。好き避けする子も、しない子も、あなたと目が合った時、気があるのであれば――真下か斜め下にサッと目を逸らすことが多い。真横に逸らしたり、だるそうに逸らすのはだめだ。気がない。
・男性が何から何までグイグイ引っ張ってくれるなんてことはない。気になる相手がいるのなら、ちゃんと行動で気持ちを示そう。男でも嫌われたり振られたりするのは怖い。女からモテない奴は集団内で馬鹿にされる。モテないのは嫌なのだ。だから、気になる男性が話しかけてきたら、どんな時でも笑顔でいよう。もっと話しかけて、という雰囲気を表現する。食事に誘われたいなら、それっぽい言葉で誘導する。「外食はいつもどんなものを食べる?」みたいに、男性が誘いやすいように導線を張ってみよう。
最後に
もういっそ、『恋と嘘』の世界みたいに、政府がマッチングアプリ的なサービスを運営したらいいんじゃないか? 病院で生まれた時に、その子の遺伝子をちょっともらって、データベースに登録して、相性バッチリな2人が大人になったら通知を送り、結びつけるというのはどうだろう。
あの世界ではマッチングは半強制だけど、現実世界では希望制にすればいい。人権問題は回避できる。
そんな世界ができたらいいな、と思いながら日記を締めることにする。
ここまでお読みいただきありがとうございました。今年度中に辞表を出します。さようなら…
当初は、ffrogさんに関する疑問をここに書いていた。でも、こういう公開の場でみんなに質問をするのは、やはりffrogさんに失礼だと思って削除した。今朝起きたら、fの意味が閃いたよ。教えてくれようとした人がいたならごめんなさい。
同人歴15年くらいあるけど4分の3くらいはオンリーワン~片手で人口を数えられるレベルのジャンル(あるいは一次創作要素を含むジャンル)にいる。そのせいか知らんけど「布教したい」ってより「こういう素敵エピソードがあるんですよ~!(そしてそれに萌えてる人がここにいるんですよ~!)」ってことを知ってもらえればそれで満足って思うようになっている。とりあえず認識してもらえたらというか、興味を持ってくれるまでいかずとも記憶の片隅に足跡くらい残せたらいいなっていうか……
元から(残り4分の1のメジャージャンル含め)ほぼ壁打ちだし、他人の作品を見るのが苦手っていうこともかなり影響しているんだろうけど最近穏健引きこもり派になったなぁというのを感じたので。
資料をまとめていて、ふと昔の事を思い出した。
仕事をする上で昔の会社では業務がまとまってもなく資料的な物も無いのでシステムのルールから何から手順書等を作成した。
業務として認められると思っていたが、会社の人間は自分がやった事を利用する癖に「まとまっていない」」「ここがまだ分かりにくい」「こんな物誰だって出来る」と散々な結果だった。
人によっては加筆だけして上司の肝入りで考慮点にする人もいた。
その後落ち度は無いが左遷される事になった。
嫌われていたのだろう。
その際お前が作った無駄な物や不要な物も消していけと言われた。
私はその言葉その通りに行動した。
散々不要と判断されたはいたが、業務で自分で必要で作ったツールなど軒並み消したからだ。
誰にでも便利に使えるからもちろん彼も使っていた。
それが無いから要所要所の作業がいきなり全く出来なくなったと言う結果になった。
言葉にならない興奮具合で色々言っていた様だが、
誰にでも作れる物ですからご自分で作られたらどうですか?と答えた。
彼に作れるわけがない。
色々努力しても結果として左遷されて何も得るものは無かったが、人の為に会社の為にと色々やった所で無意味だったし、そんなお人好しな事も考えていたなと思い出した。
悪趣味かも知れんが、大好き
「ドキュメント 気象遭難」は、ほかの作品に比べて、ものすごく人が亡くなる。
吾妻連山の楽しい仲間たちでの中高年の登山から、道迷い、天気の悪化、体力がないことにより、一人また一人と欠けていく。
すごく怖い。
絶対山には登らないぞと思う
トムラウシのツアーによる大量遭難が有名だけれど、その前にほぼ同じ場所で類似の気象遭難事故があったことも知る。
悪天候なのによろよろと山頂を目指したのはどういう気持ちなんだろう。
間近で友人が絶命するとはどういった状況だろう。
こわい、絶対山には登らない
山岳部に所属する高校生が、近所の山で遭難する、「空と山のあいだ」も恐ろしい。慣れ親しんだはずの山が、突然牙をむく。
年末年始、剱岳に挑戦し帰ってこなかった3人のメンバーを、同じ登山会の人が目撃証言を辿って、行動を推測し、遺体の場所を特定する「いまだ下山せず」も面白い。
証言や性格から、足跡を辿って答えに至る様は、ミステリのようでもある
後者は、高度8000メートルを超える、その場所にいればいるほど死に近づくデスゾーンで、ほかの仲間のサポートをしていた、若い男性登山家が力尽きてしまう
その人が生き残ったのは、何がよかったのか、逆にそういう苦境に陥ったのは何が悪かったのか、が知りたいのかな、と思う。
何度も思い出してしまうのは、羽根田治「ドキュメント 道迷い遭難」にあった、遭難者が行き合った、犬を連れたおじいさんの話だ。
遭難者は不安になりながらも、「こちらだとおもう」と進んでいた。
そこでおじいさんに出会い、話す。
「この道で合っているか?」と尋ねられ、遭難者は「合っているとおもう」と返した。おじいさんは犬を連れて道を進んでいく。
その後、遭難者は迷っていたことに気が付き、生還することができた(自力で下山までできていたと記憶している)。
しかし、そのあと犬だけが戻ってきて、おじいさんの姿を見た人はいない。
そのエピソードがずっと胸に残って忘れられない
婚活レポ漫画で読むくらいしか知識なかった所謂マッチングアプリ、今日ふと入れてみた。
30代前半男性。
自分のこの情報を入力する段階になって、怖気付いたのかもしれない。
「異性として一度市場を調査してみよう」という、逃げとも取れる大義名分を思いつく。
写真は、流石にフリー素材を使うのは気が引けたので、ちょっと前に流行ったAI変換アプリで自前のものを準備。(少しでも可愛く見えるように盛ったけど、マッチングアプリ側での再加工ターン?で目線とかボカしたら結局意味なかった。)
とにかくこうして俺は、23歳女性ステータス「暇つぶし」となった。
登録5分もしない内に山のように足跡やらイイネがつくので驚いたが、これは想定の範囲内だった。
イイネ!してきた男のプロフィールを一つ一つ見る。結構みんなツマラナイやつばっかかと思ってたが、まれに話してみたい奴も居る。
でも基本なんかつらいな。
自分も人の事言えないが、自撮りが下手な男多くないか。表情ポーズがカッコよく撮れてないとかいう次元じゃなくて、とにかく暗い。
あとはバーなの?居酒屋なのか?店内で他人に撮られた写真を切り抜いたやつも暗いわ画質が悪いわでまあ酷い。
思ったよ、そりゃアウトドアしてるやつはモテる。だって自然光で写真撮ってる。その機会が多い。
お日様の下だと美形でなくとも生き生きして見える、顔が。
とにかく言いたい事はこれだ。
以上。