はてなキーワード: 販路とは
かみさんはとある大手下着メーカーの「販売正社員」。デパートやスーパーに常設されたメーカーブースに派遣されて、お客さんと対面にて商品の良さを伝え、適切なバストサイズの計測を行いフィッティングをし、購入につなげるプロだ。彼女のプロ意識や商品への愛着はとても清々しく尊敬に値するといつも思っている。
そんな彼女が最近、出勤したくないという。もちろん理由は「新型コロナ」のせいだ。
彼女がいま勤務しているのは、直近で新型コロナウィルスに感染した人が出た店舗だ。ただその店舗ではクリーニング後半日で営業を再開しているし、患者が出た階はかみさんのいる衣料品販売をしているところではないとのことで、「安心してくれ」とのアナウンスがあったそうだ。
そんなアナウンスに対し、かみさんは「何を安心すればいいんだ?」と疑問を抱え最近毎日僕自身のまえで愚痴っている。またかみさん含む販売正社員のLINEグループ内では、やはり同じような危機感を覚えている人も多いようで、「なぜ会社は出勤停止にしないのか」「こんな環境で安心してお客さんに商品アピールはできない」という声もあがっているようだ。またこの前段として、北海道で緊急事態宣言があった際にも何の対策もなく会社から通常勤務を命じられたことが、不安をいや増す形にしているように見える。
もちろん昨今の流れで対策をしていない訳ではないらしい。明らかに濃厚接触となる、フィッティングルームに入ってフィッティングをサポートするということは会社から禁止として指示が降りたそうだし、それらの指示に関する張り紙もしているそうだ。
一方で、そこそこ高いブラを買いに来ているお客さんは言わばバストに対して意識が高いため、コロナだろうがなんだろうがフィッティングのサポートを要求するし、何故かフィッティングルームではマスクも取るらしい(マスクを取るのはn数少なめなので全員とは言わない)。しかもこのご時世だから「空いている」と判断してわざわざ買いに来るらしい。かみさんからすると、こうしたお客さんがリピーターになるため無下にはできず、ストレスがいや増す結果となっているようだ。
そこにきて、昨日の緊急事態宣言に関する話。僕とかみさんが住んでいるのは、当該の地域。そして店舗も当該の地域にある。
一方で今朝の報道を見ていると、デパートはどうやら営業停止になる可能性が高いようだが、かみさんが勤務しているのは食料品を扱う(すなわち緊急事態宣言後も営業している)大型スーパーの上層階に設置された衣料品コーナーだ。
そこでかみさんの疑問とストレスになっているのは、「下着って今必要か?」というところだ。
下着メーカーからすると売らなければ売上が立たない、その販路はこうしたスーパーやデパートとなる、だから販売を続けなければならない(でも内勤の人間はリモート)という理屈が成り立つ、とかみさんは激高している。かみさん自身バストに対して意識が高い人間なので、プロとしてバストにいいものを届けたいという気持ちは人一倍強い。おっぱい好きとしては尊敬に値する妻だが、だからこそそのおっぱいプロたる意識を安月給で使い捨てにするような態度には、我慢がならない。
多分彼女のことなのでこれが生活を支えるインフラたる商品を扱っていたとしたら、ストレスを抱えながらも仕事を続けていただろう。そこは夫として心配はするし利己的に仕事へ行くなと言いもするかもしれないが、そこは彼女の意思を尊重しながらの話になるだろう。
その疑問は、プロたるかみさんの頭にすっかりこびりついているし、僕自身は必要ないと思っている。手持ちの下着で十分だ。
今朝もかみさんは不満とストレスを抱えながら店舗へと出勤した。
僕は彼女と同じく家庭をともにする子供が心配なので、緊急事態宣言発動後に彼女が望んだら「めんどくさい夫」となって、店舗へクレームも出すし会社へクレームも出すだろう。結果彼女が会社を辞めることになっても、僕が生活を支えるシフトは組むことができる。そうした話までは対話をして完了している。
https://anond.hatelabo.jp/20200211202529
さて、続きだ。ゲーム業界の流通において初心会がやってきたこととその最後を述べてきたが、今回は初心会を葬った旧SCE、ソニー流通を中心に街のゲーム屋的な小売店視点で色々語ろうと思う。しかしこの期間は非常に起きた出来事が多くかつ入り組んでいるので、あえて細かな要素をオミットして正確さよりもわかりやすさを重視することにする。それにデジキューブの銃撃事件の真相なんざわからないからな。
時代はプレイステーション参入前。任天堂エンタテインメントが行き止まりに行きつつある頃だ。そのことについては前回語ったが、さて、任天堂以外の、NEC(PCエンジン)やセガ(メガドライブ)あたりはどうだったのだろうか? 初心会が横暴なら、こちらのほうに注力するという手段もあったのでは?
ぶっちゃけこっちはもっと酷かった。ソフトが売れないというわけではない。10万本売れるソフトはあった。あったのだが問題はプラットフォーマーが用意した他の大量のソフトだ。
当時、任天堂に対抗するためにNECやセガは自社プラットフォームの発売カレンダーの空白をなんとか埋めようと躍起になっていた。サードが自主的にソフトを作ってくれるのならそれに越したことはないが、そうではない場合は自分たちで用意する必要もあった。自分たちがパブリッシャーとなり開発会社に委託してゲームを作らせる。さらにはサードに対しても「ウチの流通に乗せますので○万本は絶対に売れますだから作ってください」みたいなアプローチも行った。そうして「とりあえず」カレンダーを埋めることができたソフトは、「とりあえず」問屋が頑張って小売に売った。在庫になっても不良在庫になるだけなのがわかっているので大バーゲンで売った。小売はもともとの卸値が安いため、最初から値引きして売る。売れ残ったら損だから博打みたいなものだ。そうしたソフトが並ぶと小売価格そのままのソフトは見向きもされなくなるのであわせて値引きされる。PCエンジン末期、餓狼伝説2(クソゲーではないのだけど)が100円で棚に50本くらい並んでいるのを見たことがあったが、あれは問屋の不良在庫を捨て値で小売が拾ってきたんだな。
どこかで見た状況と思わないか? そう、アタリショックだ。ゲームの在庫が問屋にも小売にも溢れわけがわからない状態になっていた。価格が崩壊し定価が意味をなさなくなっていた。
任天堂は初心会が横暴、セガとNECは頼りにならない。こんな状況の市場に次世代機の波と共に救世主がやってきた。ソニーだ。ソニーが直接小売店と契約するというのだ。
衝撃は大きかった。CD流通の流用で、「リピートを早く」「小売価格の大幅な値下げと小売店に対するマージンの確保」「掛け率は大量に取ろうが少量だろうが同じ」という特徴をもち、かつ「中古売買の禁止」「値引き販売の禁止」という成約があったが、それでも多数の小売店からは好意的な反応を得た。そもそも初心会でも値引き販売は原則としては禁止だったのだから。
そして何よりプレイステーションが小売店に好まれたのは、ゲーム機本体の卸値が安く、プレイステーション1本体だけを売っていても結構な利幅があったこともあげられる。これはかなり珍しいことで、通常は卸値と小売価格はほとんど変わらない。Xbox360の発売当初は二次問屋の都合一部の小売店において卸値が小売価格を超えたという珍事すらあったという。プレイステーションとサターンは発売時期がほとんど一緒で、スタート時点ではサターンのほうが優勢だった。しかしこれがじわじわと小売店をプレイステーション派に偏らせていった。プレイステーションは小売店にハードでもソフトでも確かな利益を確立してくれた。
そうしてFF7が、DQ7がプレイステーションで出るという流れが生まれ一気にプレイステーションが圧倒的な優勢を保持するようになるわけだが、この流れのなかでゲーム屋は何かが違うと確信した。プレイステーションが救世主になってくれたはずだった。しかしFF7を発売するスクウェア(当時はエニックスとの合併前だった)が打ち出したデジキューブは、既存のゲーム屋にツバを吐きかけるようなものだった。なにせ目玉タイトルのFF7の出荷本数の半分をコンビニに任せるというのだから。これではゲーム屋はやっていけない。いくら本体を売れば儲けになるといっても一人にせいぜいが一台が限界だ。ソフトをたくさん売れなければしかたない。
そしてソニーの態度もなにかおかしくなりはじめていく。元々の小売店への説明会では「返品はNG」ということになっていた。なっていたのだが、個別の対応としてソニーの担当者が返品を受け付ける旨を話していた。そのため小売店のなかでは安心して在庫を抱える店もあったわけだが、返品したいと言い出すと担当者の態度がころりと変わる。前に言っていたことと違うことを言い出す。ようやく返品受付をしてもらうも半額返金……。そのような事例が発生した。結局ソニーとしては二度返品を「特例」として受け入れるのみにおわり、いよいよもって「返品NG」が周知徹底されることになった。
頼りにするミリオンソフトは入荷しない、個別対応で約束していた返品制度はなくなった。このような状況下でもなおソニーは「中古取り扱い禁止」「値引き販売禁止」を打ち出していた。中古を取り扱った店や値引き販売した店は、不思議なことに”配送事故”が発生してソフトの入荷が遅れるようになった。
FF7発売の頃にはすでに任天堂は初心会を解散させていた。ニンテンドウ64を発売し、ポケモンを大ブームにさせた任天堂ならこの頃のゲーム屋の救世主なり得ただろうか? 残念ながらこの頃の任天堂(正確には任天堂系列の問屋だが)は「小売価格を下げつつ小売店への卸値を上げる」という暴挙に及んでいる。それでもポケモンが死ぬほど売れたのだから恐ろしい。
ソニーが信用できず、任天堂はあてにならない。そうした状況で頼りになるのはセガ……ではなかった。セガはメガドライブの反省を活かしおもちゃ卸問屋をまとめてセガ・ユナイテッドという流通会社を立ち上げる。大手のゲーム屋には直接卸し、小さな街のゲーム屋には二次問屋を使って卸す、ちょうど初心会とソニー流通の間のようなハイブリット流通機構を作り上げた。在庫管理とコストダウン両方の面でなかなか上手くいったはずだが、いかんせんプレイステーションの圧倒的ソフトラインナップには敵わなかった。自社でなんとかできる力はあるのだが、セガにはポケモンがなかった。しかしメガドライブ末期の状況からここまで着実に改革を進められたのは称賛に値する。NECは途中で死んだのに。
そしてついに中古裁判が勃発する。1998年1月には公正取引委員会がソニー流通の「値引き販売禁止」「中古売買禁止」が問題視され排除勧告を受けた。しかしこれで下がらずソニーは他メーカーを巻き込んで中古禁止裁判を起こす。ゲームメーカーvs小売の裁判だ。その一方で株式会社上昇(ようするにカメレオンクラブだ)がエニックスを訴える。「新作ソフトは扱わない」「ロイヤリティとして中古売上の7%を支払う」といった提案を出したものの実際にエニックスからソフトの出荷停止を食らってしまったがゆえの反撃だ。なおこの頃にはソニーがスクウェア(デジキューブ)だけを優遇することが問題視されて、各社サードメーカーも自社流通で小売店に卸すようになっている。
2つの裁判が同時に起きて別々の判決が生まれて、ここらへんは非常にややこしい。ややこしいが小売店は公然と中古を売るようになった。値引きもするようになった。自社流通に切り替わった各社ゲームメーカーも忌々しく思っていたが裁判と流通とは別との判断だったのか、おおっぴらに”配送事故”が起きることはなくなっていく。
ちなみにこの頃、セガはドリームキャストに向けさらなる流通改革を行い、セガユナイテッドをセガミューズへと編成しなおす。これは老舗おもちゃ問屋ムーミンがセガユナイテッドに合流した形だ。ムーミンはメガドライブ(もしかしたらもっと前?)の頃からセガと共闘しているお得意様だった。なお、ソニーを学んだのか「値引き販売禁止」「中古売買禁止」を小売店に押し付け、同じく公正取引委員会より立ち入り審査を受けるはめになる(もっともこれは後日小売店と契約しなおしをすることによって審査は打ち切られた)。小売店の救世主はなかなかいない。
中古裁判は最高裁にまでもつれ込んだが、ようやく結論は出た。中古販売は合法だった。小売店は大手を振って中古売買ができるようになった。値引き販売をしてもお咎めはなくなった。小売の完全勝利だ。「ファミコンショップ」はPS2の時代にまでいたりようやく安心できるようになったかのようにみえた。
そうではなかった。むしろゲーム屋地獄はここからが本番だった。
まず大店法の改正があった。巨大店舗の小売店が各地に出来上がる。そして家電屋の店舗の巨大化がどんどんと進む。巨大化した店舗で何を扱うか。ゲームも扱うようになった。ゲームは美味しい商材だと思われた。そして今までグレーゾーンだった中古に合法判決が出た。取り扱わない理由がなくなった。
そのため大手販売店は客寄せのために新作ソフトを大きく値引きする。これが卸値と同価でも構わない。とりあえず客が来て、他の家電もついでに買ってくれれば儲けものだからだ。そして中古も多数取り扱う。ゲームの利益の確保はこっちだ。そこそこの価格で引取りそこそこの価格で販売する。これも回転が早ければ利益が稼げる。ビデオレンタルのゲオとツタヤが入ってきたのも大きかった。街のゲーム屋さんにできることは限られていた。大手資本に真正面から戦って敵うわけはなかった。中古販売という最高の武器を手に入れたかわりに、同じ武器をもった最強の敵が現れたのだ。多数のプレイヤーがそちらに流れた。売っているものが同一なら、安いところで買うのが当たり前だからだ。
その後まったく救いがなかったわけではない。DSの大フィーバーがこの後起きた。ゲームに触れたことがない新規層でも直感的なタッチパネルを備えたデバイスはゲーム市場を一気に活性化させた。誰もがみなDLライトを買い求めてゲーム屋と家電屋を往復した。飛ぶようにDSライト本体と脳トレとどうぶつの森が売れた
しかしここでも任天堂流通が小売の前に立ちふさがる。任天堂は小売店から受けた仕打ちを忘れていなかった。64よりもPS1,ゲームキューブよりもPS2を優先させた街のゲーム屋に、引く手あまたのDLライトを多く卸す理由がなかった。DSライトは任天堂流通のお得意様、デパートのゲームコーナー、おもちゃ系統の販路を優先して入荷していった。今まで子供向けのプレゼント用途にゲームキューブ、ポケモン関連をしっかり取っていた「実績」のおかげだった。街のゲーム屋が本当に一息ついたのはおそらくさらに後のモンハンポータブルの大ヒットあたりからだろう。
こんな流れがあり、地方から今現在ほとんどの「ファミコンショップ」が姿を消している。初心会を中心とした問屋は、成熟したゲーム業界がメーカーの自主流通を実現させたことでその役目を終えて消えていった。となれば、地方のゲーム屋もまた、成熟したゲーム業界によって役目を終えた存在としてみなされてしまったのだろうか? おそらくはそうだろう。そして将来的にはゲームを販売する大型店舗すらいなくなるかもしれない。ダウンロード販売をメーカーは推進しているからだ。
そんな流れのなか、この令和の時代に意地でも自前の店舗でゲームを販売している「ゲーム屋」を見かけることがある。業界の厳しい荒波に揉まれそれでも生き延びている人たちだ。私は彼らに尊敬の念を抱かずにはいられない。
彼らに幸あらんことを。
黄金のマリオ像、というものを知っているだろうか? 1990年代の子供たちの憧れであり、ゲーム屋の怨念を掻き立てるアレのことだ。
任天堂が始めた「任天堂エンタテインメント」というフランチャイズシステムがある。任天堂の卸を担当している初心会に金を払うことで、大作ソフトが多数回してもらえるようになるのだ。通常はゼルダの伝説が20本しか入らないのに、これに入会していると400本入ってくるというわけのわからないシステムだ。かわりに敷地が何畳以上とか、保証金が最低百万だとか、それなりにリスクも追うわけだが。で、入会すると貰えた店用販促物がこの黄金のマリオ像だ。これがおいてある店は結構子供心に輝いて見えたものだ。店主からしたら忌々しさもあったものだろう。
今ではなぜか初心会がかつてゲーム業界を牛耳っていた悪の大組織に扱われ、その象徴としてこのマリオ像がやり玉に挙がることもあるのだが、もうちょっと詳しくここらの事情を書き残すことにする。おっと、私は決して業界内の人間でないので、そんな人間でもわかる範囲内のことと、想像できるものの話ししかしないぞ。
昭和の時代、ファミコンというものが生まれておもちゃ市場は一気に変わっていった。玩具のなかにデジタルデバイスが入り込み、子供たちは夢中でファミコンゲームを買い漁った。マリオ、ドラクエ、ロックマン、スターソルジャー……いろんなゲームが生まれ飛ぶように売れていった。するとどうなるか。街にファミコンショップというものがどんどん増えていった。
任天堂はおもちゃ流通として使っていた初心会を利用してファミコンソフトを全国に出荷した。この初心会とはようするに任天堂と付き合いのあったおもちゃ卸業の親睦会だ。もともとそんな大それた組織というわけではない。
もちろん昭和の時代からすべての小売店が初心会の問屋と取引しているわけではないし、おもちゃ卸業の会社の大多数が初心会に入っているわけではない。そのため初心会に非参加の二次問屋も多数いた。その二次問屋を通ってファミコンソフトを仕入れる小売店もまた非常に多かった。ファミコンが売れると嗅ぎつけた奴らはこぞって店を立ち上げ、夢中でソフトを仕入れ売りさばいた。ゲーム市場がどんどん大きくなり、セガやNECも独自の流通をつかってゲーム市場に乗り込んできた(一部セガは初心会を使ったりもしていたそうだが)。
ファミコンからスーパーファミコンへとプラットフォームを移した頃、いよいよ任天堂と初心会に難題が降り掛かってきた。「小売店が多すぎる」問題だ。
スーパーマリオコレクションを例にあげようか。どうやっても200万本は売れるゲームソフトだ。工場もそれを見込んで確保する。ところが小売店からの注文を吸い上げた初心会への注文は、それを遥かに超える500万本になる。
なぜこのようなことが起きるのか? 小売店が欲しい数をそのまま問屋に注文するからだ。その地方にすむ子供の数を見込んで小売店は注文する。しかし近隣のライバル店も同じ数だけ発注しているのだ。品切れを恐れた小売店の注文は初心会でまとめられたところで重複に重複を重ねた数字になってしまう。
ではそのまま工場をフル生産して500万本作るべきだろうか? 論外だ。そんなことをしたら小売店には大量の売れ残ったマリオコレクションが棚を締めることになるだろう。その結果はどうなるか。値崩れだ。そしてアタリショックの二の舞になってしまう。
よく「クソゲーの氾濫でアタリショックが起きた」といわれるが、事実はまたもうちょっと違う。クソゲーの氾濫の他に「価格の崩壊」もあげられる。小売店は売れなかったクソゲーを値引きする。値引きしたソフトで消費者は買う。そうすると正規の価格ではそもそも見向きがされなくなる。そのため正規の価格が守られなくなりどんどん値下げに走り、撤退・倒産したメーカーが放出した在庫がさらに市場に流れ、価格はさらに落ち込み……というデス・スパイラルが、アタリショックだ。任天堂は絶対にこの現象を起こしてはならなかった。
適正量を見極め適正量の製品を出荷する。その結果は「儲けさせる小売と、そうではない小売とを選別する」必要に強いられる。すべての店に平等にマリオを出荷すべきだろうか? いや、そうではない。不人気ソフトでも買い取ってくれる、不良在庫を引き取ってくれる小売店を初心会は優遇しようと考えた。人気ソフトしか買わない小売店は卸からしたら不要なのだ。そんな店なら上得意の店に回したほうがマシだ、というわけだ。
それまで抱き合わせ販売をして初心会は小売店を選別してきたが、さすがにいよいよ無理がでてきた。この状況を打破するための小売店選別システム。それが上記の任天堂エンタテインメントであり、黄金のマリオ像なのだ。なんなら小売が卸を担当してマージン取って他の小売店にまわしてもよい(まあこれは表向きはNGということになっていたが)。なお、「敷地面積○畳以上」という条件を満たせなかったプレハブのようなファミコンショップも当時は結構あった。
ところがこのシステムもスーパーファミコン末期には崩壊する。任天堂エンタテインメントに参入する小売自体が増えすぎてきたのだ。さらにはその地方に一店も任天堂エンタテインメントに参入していないような状況だとむしろ在庫は拮抗して小売店にとっては不都合がなくなる。そうなると「誰も参入せずに困らない地方」と「全員参入してしまって困っている地方」とが生まれてくる。最終的に「入れば儲かる商材が大量に仕入れられる」から「入らないとそもそも入荷しない」にまで悪化する地方すら生まれたという。小売の選定にも限界が来てしまった。
そうした状況がプレイステーションによって完全に破壊された。ソニーは独自流通で直接小売店に卸たのだ。問屋は不要になった。問屋は今まで選定する立場にいたが、以降は選定される側に回った。初心会内で吸収合併が続き、数をどんどんと減らしていった。初心会外の問屋も潰れるか、吸収されるかになっていった。初心会はいくつかの改革を行ってきたものの、結局プレイステーションの攻勢に太刀打ちできず解散した。解散後も任天堂の意向を汲んだり任天堂に意見をいったりとしてそれなりに機能していたが、岩田社長へと社長交代が行われたあたりでその動きもだいぶ削がれていった。
なおソニー流通でもいくつかのごたごたがあり、最終的にはゲームメーカーが自社独自の流通を持ち直接小売店に卸すようになった。これがPS1後期。今では大手ゲームメーカーの自主流通に、中小サードがぶら下がる形でゲームは流通されている。みんな大好き日本ファルコムはコナミが流通を担当しているぞ。
初心会は決して業界を牛耳っていた悪の組織ではない。アタリショックの幻影に怯えそれを阻止しようと尽力し、結果滅んでいった(厳密にいえば滅びてはいないんだが……)清濁併せ呑む存在だ。黄金のマリオ像は小売からしてみたら忌々しさを覚える象徴だろう。しかし初心会からしてみたら、それなりに自己の正義というものがあったんじゃないだろうか。
※追記
こんなつまらない日記をブックマークしていただけて感謝。すごく嬉しい。いくつかブコメに返信する
>従事る
多数指摘をいただき大変申し訳無い。何分脳が8bit故許してもらいたい
>任天堂を絶賛するやつってこの話題絶対触れないよな。これのせいでメガドライブとPCエンジンのソフトがどれだけ買いづらかったか(入荷数が極端に少ないという意味)
たしかに小売に対して問屋が「他の所とは取引するなよ」と圧力をかけたという証言はあるのだけれど、じゃあ実際どうだったかというとNECがPCエンジンのCD-ROM2ユニットを売り出したときには至るところから寄越せ寄越せの大合唱になったということもあるんで、「上手いこと小売もやっていた」んじゃないかと思う。もしくは問屋も自分のところを経由する形なら文句言わなかったとかかな。
PCエンジンとメガドライブはただただ出荷量が少なかった。めちゃくちゃ売れたイース1・2やソニック・ザ・ヘッジホッグで30万本くらいだ。同時期のスーパーファミコンはミリオンソフトがずらりと並んでいる。小売は当然売れる商材を中心に揃えるわけだから、圧されてしまうのは仕方ないんじゃなかろうか。
そうして売れる商材を揃えている初心会だからこそ、横暴なことをやっても小売は耐えてきたわけだ。単純に販路が弱いっていうのもあるはずだ。スーパーファミコンは初心会とそれに非参加の二次問屋を巻き込んで在庫のやり取りをしていたので品切れをしてもリピートの確保ができた。PCエンジン、メガドライブはそこに余裕がなかったので即メーカー発注になり、そこにも在庫がなければリピート待ちだ。
>権力もってる人間がオトモダチ優遇したりグレーな事やってたりするのを悪の組織と呼ぶべきではないかって言うと・・・
オトモダチ優遇なんて話しじゃないよ。単純なビジネス上の付き合い。ドラクエとマリオしか欲しくない小売は多かっただろうけれど、そんな小売は問屋からしたら何の魅力もない取引先だってことだね。
>ゴールドマリオ像懐かしいな/最近の任天堂絶賛派はこの件を知らないか、知ってても「流石山内組長は商売上手!」みたいに言うのではなかろうか
山内社長から出た案ではないと思う。というか任天堂発案ではないんじゃないかな。マリオ像も販促物も初心会名義だったので、集まった金は初心会で管理していたのだろう。任天堂からしたらどこの小売に儲けさせるか云々はさすがに範囲外だからね。
これに関しても面白い証言があった。確かにROMはリピートに二ヶ月以上かかり、CD-ROMは3週間ほどで生産できたというんだが、「在庫がなくても問屋にある。問屋になくてもメーカーにある。メーカーになかったらいよいよリピート待ちになるが、3週間後でも二ヶ月後でも結局熱が覚めてしまうから同じことだ」というもの。プレイステーションは問屋とメーカーが一体化していたから、初心会内でやりくりしていた任天堂と比較して在庫の数という面では不利になったかもしれない。ファイナルファンタジーみたいなリピート待ち必須の超人気ソフトはさすがに恩恵があっただろうね。
続きを希望されてて嬉しい。実はネタはあるから、気長に待っていて欲しい。初心会から開放された小売がどうなったかというと、あんまり明るい話題じゃないんだけどね。
- b:id:murishinai https://twitter.com/Shinai_Muri/status/1214775901079998465 発売して半年すら経ってない物を(マルチプラットフォーム前提でもないのに)別のプラットフォームに移植しろって話は本当に厳しい話だと思っている(ある種のポジショントーク) meta
- b:id:houjiT hyperpeppy氏のブコメ見て気付いたけど、はてなって基本アニメ・ゲームに親しい界隈なのにPSハード関係は変に冷めてるな。steamとswitchに二分され、どちらかの話題には非常に食いつくのに。何故なんだろ メタ
ということで以下そんなコメントをまとめてみた↓
- b:id:tattyu ゼルダbowが凄かったのはSwitchってハードの特性もあったと思うんだよな。直ぐ初めていつでも辞められるスタイルに合わせて作ってあった。このゲームも記事読む限りSwitch向きな気がする。据え置き機は辛い。
- b:id:imash switchで出ないかなぁ
- b:id:tana_bata switch移植待ち(絶望的か
- b:id:BT_BOMBER Switchかsteamに来てたら即買いしてた。専用機としてハード買ってもすぐに起動しなくなるのPSPで経験したので、これだけでPS4買うのは辛い/ところで急にネットに感想流れ出したけどステマじゃあるまいな ゲーム
- b:id:yuchuke270 やっぱ面白そうよなあ・・・Switchででんかなあ・・・
- b:id:miluru いろんなハード持ってるからこそどれで出してほしいと思うのは当然だと思うわ。自分の優先度では switch>steam>ps4=箱
- b:id:oshisage 紙芝居に少しシミュレーションを付けたようなゲームなのだとしたらswitch移植を求めるのは自然かと。
- b:id:lapk PS4持ってるけどswitchで出してほしいわ
- b:id:miquniqu ps4持ってるけど、ps4の起動が面倒なのでswitchでプレイしたい俺みたいなのもいるからクレクレとか関係なくてだなぁ
- b:id:gokkie あのスマブラ桜井が褒めるなんてねぇ。 と言う訳でswitch移植あくしろよ。 ついでにsteamでも販売して海外販路も作って売ろうぜ。
- b:id:posmoda Steamでだしてえええええ!
- b:id:mobile_neko 面白そう。switchで出して欲しいな
- b:id:masasia0807 SwitchかSteamで出して。
- b:id:hetoheto スイッチか携帯機なら買ったのだが
- b:id:sakuragani 気にはなるけどPS4なんだよなぁ。昔、とあるゲームのためにPS3買ってそのまま専用機になっちゃったことがあるけど今更そういうバイタリティはないのでSteamで出てくれるのを期待するしかない
- b:id:rin002 Steamで出たら買う勢が一定数いるから頑張ってくれ〜!!!やりたいけどできん!
- b:id:mame666 あまり興味なかったけどやりたくなった。が、PS4 長いこと買ってないんだよなぁ.......。ゲーミングPCは購入考えてるけど、どっちかで出ないかな。
- b:id:dollarss PC版を出してくれ今更プレステみたいな低性能ハードを買う気にはならない…
- b:id:runeharst Steamで出たら買うしかないな…
- b:id:ivory105 steamで売ってくれたらすぐ買うんだが
- b:id:sutax Steamで出てくれんかなあ
- b:id:shikiarai PS4置く場所ないからPCで出してくれねえかな。
- b:id:tetora2 各所で評判良いがPS4起動するのだりぃわ。スチームで出たら教えてくれ。
- b:id:gokkie あのスマブラ桜井が褒めるなんてねぇ。 と言う訳でswitch移植あくしろよ。 ついでにsteamでも販売して海外販路も作って売ろうぜ。
- b:id:masasia0807 SwitchかSteamで出して。
- b:id:sinamon_neko steamで出してちょ game
- b:id:north_god もはや家族がテレビを占拠してるので携帯機で早く遊べたい(マルチプラットフォームあるのかなあ
- b:id:mobile_neko 最近はSwitchで完全版みたいな感じの移植も多いからPS4で買うか迷うな。なんとなくPSnowとかに早く出そうな雰囲気もあるし
- b:id:cad-san PS4持ってないんだよなぁ。お布施として買っとくか…と思うにも躊躇する額だな、PS4のフルプライス ゲーム
- b:id:amikonds PS4は出来ないんじゃー
- b:id:kamezo ゲームしないけど押切蓮介のマンガはクリエイター()には刺さりそうだし、ちょっとやってみたくなった。が、PS4必須? 残念。うちにゲーム機はない(え? 古いのは少しある? 意味ないじゃん? 買う? えー) 隙あらば自分語り
- b:id:keshitai ニンテンドースイッチの移植が期待できないとしても、今だとPS4買わずにPS5待ちの時期だからなぁ
- b:id:shiju_kago 末期だというのにPS4買え勢がわらわら出てきているのが気持ち悪い動きだと思う
- b:id:princo_matsuri 自分に合わなくても勉強になりそうだ/○○のために本体買ったけど数本買ってそれっきりというのを何度か経験したのでPS4を買う気がおきない
- b:id:Dragoonriders このタイミングでPS4買うのはちょっと……(専用機になる)
- b:id:Yutarai このためにps4を買うか迷っている
- b:id:yuichi0613 いいなあと思ったけどps4もってなー ゲーム
- b:id:p_shirokuma 遊びたいんだけど、このタイミングでPS4購入は不可能なので遊べる圏内に入ってくるのをじっと待とうと思う。 オタク文化 本を買う
- b:id:tokosato すごくやってみたいけどハードがない困った
- b:id:kashi-da PS4が欲しくなってくるぞ
- b:id:kk_clubm デスストとこれをめちゃくちゃやりたいが、プレステ4を持ってない! ゲームSF
- b:id:Byucky はてなの時折ゲハっぼく殺伐とするコメ欄、味があっていいね。
- b:id:hinbass ゲハでやれやお前ら
- b:id:VikAkoona ブルマーの女をメインビジュアルにしてる時点で程度の低さも推して知るべし。
- b:id:VikAkoona 所詮JKでキモオタを釣るだけの萌えゲーやん。どこがどう尖ってんだか。
※書いて出しでフェイクもあるので雰囲気を掴んでいただければ幸いです。
弊社、上場してしばらくするんですけど色々変わってびっくりすることも多々。
いい方向もあれば、悪い(現場で手間)ことも含めて多々。
監査法人も弊社の監査対応も、名前は仰々しいけどやっぱり人がやってますので…的な要領を得ない指摘に対し、指摘をクリアできるようにするフローばかりが追加され、チェックリストにつぐチェックリストを呼び、人は追加されず、作業は増え、時短の改善はしろと指示を賜り…まぁよその会社も同じか。
一番驚いたのは新しい部署ができること。
かといって警備や食堂、清掃等も必要ないため純粋な単純作業というのが社内のリソースとしては無い。
(顧客ごとの課題を個別に解決する…コンサルとか設計事務所、マーケティング会社みたいなイメージ)
そのために新しい部署を作って受け入れる。
まだ何をするのか分かりませんが、本業とビタイチ関係なさそうです。
かといって業者向けにできるほど数は作れない。
本業でない販路を開拓するツテもノウハウも人的資源ありません。
弊社の中で全く異質の部署として立ち上がることになるでしょう。
雇いたくないけど雇わねばならぬ。
他部署との接触を極力少なくすることで摩擦を減らし、ただいてもらうための部。
建前と体面と忖度とお付き合いと法令遵守がテーブルにのった結果として「臭いものにフタ」部が生まれてしまうのです。
■参考
https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201902/CK2019022102000157.html
人口減少で跡継ぎ問題などで跡継ぎ問題で自主廃業するのが増えてくる。
羽衣文具のように、アメリカの数学者が廃業する聞いて数年使えるように買いだめするような、良い製品がなくなるということだ。
目立ってないがアメリカに比べると日本の文房具は出来が良いし、色んな工夫がしてある。
スマフォがハードでなくアプリのカスタマイズで勝負しているのとは対照的だが、今の状況は数千万人が同じアプリを使わなければならないという状況だ。
優れたUI研究はされているが、1つのサービスを選んでしまうとUIは1つでしかない。にも関わらずパーソナライズが進んでいると認識されていて頭を抱えてしまう。
中小企業が自主廃業をしないようにすることが大事だ。そのためにマッチングサービスが必要になる。
就職希望社と企業とのマッチングや、人材派遣のマッチングばかりになってしまっているが、企業間のマッチングが必要だ。
企業規模が大きくなると設備投資のためのお金を借りやすくなるので、生産性が上がる。
なぜ中小か。
思い込んでません。
本に限らず、フェミニストの集団クレームや迷惑行為で撤回された表現は多くあります。
なぜ本に限るのか。
・で、いままでに一般女性が指摘したことで規制がかかった作品のリストはあるのかと尋ねたら
「子供が目にする可能性がある」ことは規制の理由になりません。「目にした結果どうなるのか」の証明が必要ですね。
子供が目にしてはいけない作品が女性用などに存在していないわけではなく(2つ上のリンクの指定図書リストにあるとおり)、
書店ではなく電子書籍かネット通販で買えばいいだけで、成人女性はたいていそうしている。
なぜ買えないと人権がないとおもったのか。
先にも書きましたが、「買えない」ことは人権侵害の弊害ではあるが主体ではありません。
私利私欲に基づく規制全撤廃派自由の戦士増田の主張が、現状の棲み分けの平和を脅かすテロ行為であり、全方面(フェミとよばれる一般女性や男性、コンテンツメーカー、販路たる書店)に迷惑だからです。
「なぜ日本人は『毒物を手間隙かけてカロリーゼロのこんにゃく』を作るのに『麦と水と塩で作れるパン』を作らなかったのか」に対する考察 - Togetter
「毒性のある球茎(コンニャクイモ)を食べる」
「球茎を潰して灰汁で煮る」
「球茎を乾燥させて粉状にする」
を別々に考えれば良い。
なぜ毒性のあるものをわざわざ食べるのか?
そのために飢饉のときでも最後までコンニャクイモは残っているのだ
コンニャクイモ以外でも、飢饉のときに野草の根だとかを三日三晩も煮込んで食べたなどという話は多くある。
灰汁で煮込めばいい。
灰汁(あく)とは、原義では灰(藁灰や木灰)を水に浸して上澄みをすくった液のこと。この灰汁を使って食品自体がもつ強くてクセのある味を処理した
灰汁(灰の上澄み液)を用いる方法はワラビやゼンマイなどのアク抜きに用いられる。灰汁(灰の上澄み液)はアルカリ性であり植物の繊維を軟化させる性質をもつことを利用し浸したり茹でたりすることでアクが溶け出すことを容易にする。
「アルカリ」という言葉がアラビア語の「草の灰」から来ているように、
灰は最も身近な塩基性(アルカリ性)物質として、古代から洗浄や消毒などに広く使われていた。
つまり、灰汁で煮るということ自体は、決して特殊な調理法ではない。
コンニャクイモを細かく割って灰汁で煮込むということは、まず中国大陸で古くから行われていたようだ。
独特の食感となることで、コンニャクは他の食材とは別に「珍味」としての地位も手に入れた。
薬としても食べられていたようで、日本にも最初は薬として伝来したという。
かの有名な中島藤右衛門が「粉こんにゃく」製法を発明するのはその1000年後である。
収穫した生芋は重量もあり,腐敗・凍結しやすかった。藤右衛門は安永5(1776)年ごろ,生芋を輪切りにし,自然乾燥ののち粉にすることを考案した。これによって長期保存や軽量化が可能となり,販路が拡大し,水戸藩特産物となる。
これも長らくアイディアが出てこなかっただけで、