はてなキーワード: くらまとは
海外ファンタジーはなかなか翻訳されることがなく、翻訳されてもシリーズが途中で止まることも多い(マラザンみたいにね)。
ということで必然的に原書で読むことになるんだけど、同好の士の参考になればと思い、近年読んだものも評価をまとめた。
ファンタジーに限らず、出版社からちゃんと出版されるものと自費出版とがあって、近年は自費出版ものも質が大変向上している(とはいえ玉石混交)。ざっくり言うと、自費出版の大半はライトノベルのような内容とクオリティ。
アポカリプスものが大流行したSF界のような大きな傾向がファンタジーにあるかというと、ちょっとよくわからない。エピックファンタジーよりもダークなものが売れているように思う。
てことで近年読んだ本の中からいくつか紹介。あくまでも個人的な趣味です。
(後半疲れたので作品紹介は適当になった。これは一部でまだ大量にあるので時間があれば)
最of高。ダークが好きなら迷わず読め!!
Rukaという主人公はここ10年で読んだ小説の登場人物でトップクラスに好き。
「Ruka, called a demon at birth, is a genius. Born malformed and ugly into the snow-covered wasteland of the Ascom, he was spared from death by his mother's love. Now he is an outcast, consumed with hate for those who've wronged him. But to take his vengeance, he must first survive. 」
母の教えに従いRukaは自分が殺した相手の墓を心の中に作り埋めてあげる。そのうち、心の中の墓場に幽霊が出てきて……
ダークでグロテスクなラヴクラフトを思わせる独特の世界観。とても良い。
「One hundred years ago Nall's Engine was fired on the enemies of the Republic, and in its wake it left a blackened and scarred landscape known as The Misery. Beyond The Misery, a wasteland of corruption and dark magic, reside the even darker entities known as The Deep Kings. They want nothing more than to destroy the Republic, the realm of men」
「誰かが俺たちがくることを忠告しやがった。信者たちは空の部屋と違法の経典をいくつか残して姿をくらました。食べかけの皿、開きっぱなしの箪笥の引き出し。持てるものだけ持ってThe Miseryに逃げ込んだ。制服を着てたころ司令官が言ってたな。The Miseryに好き好んでいくのは追い詰められてヤケクソになってるか馬鹿野郎か欲に駆られた奴だけだって。あいつらはそれだけヤケクソになってるんだ。俺は10人くらいの馬鹿で欲深い男たちを集めて奴らを始末しに出かけた。」
武侠/ドラゴンボール/RPGの影響感じさせるシリーズ。とても好き。
madraというエネルギーを使えるものだけが様々な武力や能力を向上させることができる世界で、madraの適性がない少年Lindonは「空」と書かれたバッヂを胸に下げている。
ある日、天上人に命を救われた彼は、未来を見せてもらうが、そこで見たのはなんとかmadraを使えようになり幸せに生きる自分の姿だった。しかし、同時に村が神獣に破壊される運命であることも知ってしまう。村を救うために、死に物狂いの特訓が始まる。
・Founders 三部作(未完結):魔力をベースに構築されたスチームパンク世界。
「You've got to be careful when you're chasing a murderer through Bulikov, for the world is not as it should be in that city. When the gods were destroyed and all worship of them banned by the Polis, reality folded; now stairs lead to nowhere, alleyways have become portals to the past, and criminals disappear into thin air.」
ゴミを漁って生活しているRachelが、馬鹿でかい熊の化け物Mord(空も飛べたりする)の毛にくっついていた変わった生き物を発見してBorneと名付ける。Borneはすくすくと成長していき……
これまたダークな作品。
魔力を持ってると殺されてしまう世界で生まれた少年の話。ありがちだけどよくできてる。
「押しよせる帝国軍. 迎え撃つは空に浮かぶ要塞―― 女帝ラシーンが帝位に就いてから七年。以来マラザン帝国は多くの自由都市に侵攻し、大陸をまたぎ、海を越えて版図を拡大してきた。そして侵攻作戦がジェナバキス大陸に及んだ今、若き貴族将校パランは、秘められた魔道の力を知ることになる……空中要塞や異種属との攻防、兵士たちの野望と葛藤、そして渦巻く神々の思惑――猛り狂う運命の波濤を荘厳かつ凄惨に描き、現代最高との呼び声も高いファンタジイ群像劇」らしいよ。
少しだけ翻訳されてたけど、原書は完結済み。キャラクタードリブンではなく世界観を見せていくやつなので、合わない人には全く合わない。あと一巻が読みにくいので、そこを過ぎれば、なんとか行けるかな。
ちなみに、8巻まで読んで今は休憩中。
賛否あると思うけど、4巻の「House of Chains」までは読んで欲しい。
シリーズ名の通り、次々と登場人物が死ぬ。しかし、死んだ人物が普通に活躍したりもするので、その辺が後半になると弱い感じがしてくるところか。
「A nobleman from an infamous family, imperial legionary officer, fighter and a right proper bastard of a man… Captain Ben Stiger finds himself reassigned from a crack legion to the rebellion simmering in the South. Placed in command of a truly terrible company, the 85th Imperial Foot, he is unknowingly sent on a suicide mission to resupply an isolated outpost, the garrison of Vrell.」
割とたまによくあるんだけど、ローマ帝国風とファンタジー要素を合わせたやつ。
結構読ませる。
「The king's scholar, the magus, believes he knows the site of an ancient treasure. To attain it for his king, he needs a skillful thief, and he selects Gen from the king's prison. The magus is interested only in the thief's abilities. 」
「When Caldan’s parents are brutally slain, he is raised by monks and taught the arcane mysteries of sorcery.」既視感のある設定!
絶対に読まない方が良い。
最初に断っておくと当然リボとか年利15%みたいなアホアホ借金は論外だし、返す当てのない借金も論外だよ
ボーナス一括払金利ゼロ円てまじかよ!全然知らなかった。すげーな。こんな美味しい機能完全に見落としてたわ
いや、十分目にしていたけど借金について全然考えてこなかったから完全に意識の網からこぼれ落ちていたんだろう
短期の借入とはいえ数ヶ月も支払いを待ってもらって金利発生ゼロとかうますぎるんだがー
現在の現金よりも未来の現金のほうが価値は低いので(特に今のようなブル相場は)、格安の借金たすかりまんがな〜
昔なんかの本で「利子が低くて借金出来るなら借金にしたほうがお得」だの「支払いは後ろに伸ばせば伸ばすほどお得」みたいな説明読んでピンとこなかったんだけど、最近資産管理していてめっちゃ実感している
未来のお金をワープで持ってきて、レバレッジ効かせて運用するとか、現金がなくても将来大きな収益が見込めるときってのはあって、そういうときに十分金利の低い借金を使えるのはめちゃめちゃフレキシブルに行動が出来る
しかし世の中には返す当てもなく、家族や友人からお金を借りるの恥ずかしいからとかいうバカ丸出しの理由でカードローンつまむバカが居るんだよなぁ。俺の兄弟だよ
どんな思考してたら、破滅街道まっしぐらの無担保借金をなん100万もふくらませるんだよ。資産ゼロの状況で、バランスシートぶっ壊れ借金とか狂ってるの自覚できてるんだろうか。他人の目が気になりすぎてて脳が焼き切れてるんだろうな
借金なんてせいぜい個人だと総資産の30%くらいが限界だろうな、所有資産の50%の借り入れとか自分なら精神が持たないと思う
世の中の人ってよく借金してまで新築プレミアム上乗せの家買えるよな。あれってプレミアム価格のおうちを担保にしてるんだろう。
LTV95%とか言ってるの見かけちゃったけど、お家の値段ちょい下がっただけで担保価格下回って爆発すると思うんだけど、計算できてるんだろうか。
まぁ住宅ローンは金利安いので人生でつまづきさえしなきゃなんとかなってしまうだろうけど、挫折ばっかりの人生を歩んだ人間としては、よくもまぁ自分の人生をそこまで楽観的に生きられるよな〜って思いました
さて、殺人事件から十日程たったある日、私は明智小五郎の宿を訪ねた。その十日の間に、明智と私とが、この事件に関して、何を為し、何を考えそして何を結論したか。読者は、それらを、この日、彼と私との間に取交された会話によって、十分察することが出来るであろう。
それまで、明智とはカフェで顔を合していたばかりで、宿を訪ねるのは、その時が始めてだったけれど、予かねて所を聞いていたので、探すのに骨は折れなかった。私は、それらしい煙草屋の店先に立って、お上さんに、明智がいるかどうかを尋ねた。
「エエ、いらっしゃいます。一寸御待ち下さい、今お呼びしますから」
彼女はそういって、店先から見えている階段の上り口まで行って、大声に明智を呼んだ。彼はこの家の二階を間借りしているのだ。すると、
「オー」
と変な返事をして、明智はミシミシと階段を下りて来たが、私を発見すると、驚いた顔をして「ヤー、御上りなさい」といった。私は彼の後に従って二階へ上った。ところが、何気なく、彼の部屋へ一歩足を踏み込んだ時、私はアッと魂消たまげてしまった。部屋の様子が余りにも異様だったからだ。明智が変り者だということを知らぬではなかったけれど、これは又変り過ぎていた。
何のことはない、四畳半の座敷が書物で埋まっているのだ。真中の所に少し畳が見える丈けで、あとは本の山だ、四方の壁や襖に沿って、下の方は殆ほとんど部屋一杯に、上の方程幅が狭くなって、天井の近くまで、四方から書物の土手が迫っているのだ。外の道具などは何もない。一体彼はこの部屋でどうして寝るのだろうと疑われる程だ。第一、主客二人の坐る所もない、うっかり身動きし様ものなら、忽たちまち本の土手くずれで、圧おしつぶされて了うかも知れない。
「どうも狭くっていけませんが、それに、座蒲団ざぶとんがないのです。済みませんが、柔か相な本の上へでも坐って下さい」
私は書物の山に分け入って、やっと坐る場所を見つけたが、あまりのことに、暫く、ぼんやりとその辺あたりを見廻していた。
私は、かくも風変りな部屋の主である明智小五郎の為人ひととなりについて、ここで一応説明して置かねばなるまい。併し彼とは昨今のつき合いだから、彼がどういう経歴の男で、何によって衣食し、何を目的にこの人世を送っているのか、という様なことは一切分らぬけれど、彼が、これという職業を持たぬ一種の遊民であることは確かだ。強しいて云えば書生であろうか、だが、書生にしては余程風変りな書生だ。いつか彼が「僕は人間を研究しているんですよ」といったことがあるが、其時私には、それが何を意味するのかよく分らなかった。唯、分っているのは、彼が犯罪や探偵について、並々ならぬ興味と、恐るべく豊富な知識を持っていることだ。
年は私と同じ位で、二十五歳を越してはいまい。どちらかと云えば痩やせた方で、先にも云った通り、歩く時に変に肩を振る癖がある、といっても、決して豪傑流のそれではなく、妙な男を引合いに出すが、あの片腕の不自由な、講釈師の神田伯龍を思出させる様な歩き方なのだ。伯龍といえば、明智は顔つきから声音まで、彼にそっくりだ、――伯龍を見たことのない読者は、諸君の知っている内で、所謂いわゆる好男子ではないが、どことなく愛嬌のある、そして最も天才的な顔を想像するがよい――ただ明智の方は、髪の毛がもっと長く延びていて、モジャモジャともつれ合っている。そして、彼は人と話している間にもよく、指で、そのモジャモジャになっている髪の毛を、更らにモジャモジャにする為の様に引掻廻ひっかきまわすのが癖だ。服装などは一向構わぬ方らしく、いつも木綿の着物に、よれよれの兵児帯へこおびを締めている。
「よく訪ねて呉れましたね。その後暫く逢いませんが、例のD坂の事件はどうです。警察の方では一向犯人の見込がつかぬようではありませんか」
明智は例の、頭を掻廻しながら、ジロジロ私の顔を眺めて云う。
「実は僕、今日はそのことで少し話があって来たんですがね」そこで私はどういう風に切り出したものかと迷いながら始めた。
「僕はあれから、種々考えて見たんですよ。考えたばかりでなく、探偵の様に実地の取調べもやったのですよ。そして、実は一つの結論に達したのです。それを君に御報告しようと思って……」
私は、そういう彼の目付に、何が分るものかという様な、軽蔑と安心の色が浮んでいるのを見逃さなかった。そして、それが私の逡巡している心を激励した。私は勢込いきおいこんで話し始めた。
「僕の友達に一人の新聞記者がありましてね、それが、例の事件の係りの小林刑事というのと懇意なのです。で、僕はその新聞記者を通じて、警察の模様を詳しく知ることが出来ましたが、警察ではどうも捜査方針が立たないらしいのです。無論種々いろいろ活動はしているのですが、これという見込がつかぬのです。あの、例の電燈のスイッチですね。あれも駄目なんです。あすこには、君の指紋丈けっきゃついていないことが分ったのです。警察の考えでは、多分君の指紋が犯人の指紋を隠して了ったのだというのですよ。そういう訳で、警察が困っていることを知ったものですから、僕は一層熱心に調べて見る気になりました。そこで、僕が到達した結論というのは、どんなものだと思います、そして、それを警察へ訴える前に、君の所へ話しに来たのは何の為だと思います。
それは兎も角、僕はあの事件のあった日から、あることを気づいていたのですよ。君は覚えているでしょう。二人の学生が犯人らしい男の着物の色について、まるで違った申立てをしたことをね。一人は黒だといい、一人は白だと云うのです。いくら人間の目が不確だといって、正反対の黒と白とを間違えるのは変じゃないですか。警察ではあれをどんな風に解釈したか知りませんが、僕は二人の陳述は両方とも間違でないと思うのですよ。君、分りますか。あれはね、犯人が白と黒とのだんだらの着物を着ていたんですよ。……つまり、太い黒の棒縞の浴衣なんかですね。よく宿屋の貸浴衣にある様な……では何故それが一人に真白に見え、もう一人には真黒に見えたかといいますと、彼等は障子の格子のすき間から見たのですから、丁度その瞬間、一人の目が格子のすき間と着物の白地の部分と一致して見える位置にあり、もう一人の目が黒地の部分と一致して見える位置にあったんです。これは珍らしい偶然かも知れませんが、決して不可能ではないのです。そして、この場合こう考えるより外に方法がないのです。
さて、犯人の着物の縞柄は分りましたが、これでは単に捜査範囲が縮小されたという迄で、まだ確定的のものではありません。第二の論拠は、あの電燈のスイッチの指紋なんです。僕は、さっき話した新聞記者の友達の伝手つてで、小林刑事に頼んでその指紋を――君の指紋ですよ――よく検べさせて貰ったのです。その結果愈々いよいよ僕の考えてることが間違っていないのを確めました。ところで、君、硯すずりがあったら、一寸貸して呉れませんか」
そこで、私は一つの実験をやって見せた。先ず硯を借りる、私は右の拇指に薄く墨をつけて、懐から半紙の上に一つの指紋を捺おした。それから、その指紋の乾くのを待って、もう一度同じ指に墨をつけ前の指紋の上から、今度は指の方向を換えて念入りに押えつけた。すると、そこには互に交錯した二重の指紋がハッキリ現れた。
「警察では、君の指紋が犯人の指紋の上に重って、それを消して了ったのだと解釈しているのですが、併しそれは今の実験でも分る通り不可能なんですよ。いくら強く押した所で、指紋というものが線で出来ている以上、線と線との間に、前の指紋の跡が残る筈です。もし前後の指紋が全く同じもので、捺し方も寸分違わなかったとすれば、指紋の各線が一致しますから、或は後の指紋が先の指紋を隠して了うことも出来るでしょうが、そういうことは先ずあり得ませんし、仮令そうだとしても、この場合結論は変らないのです。
併し、あの電燈を消したのが犯人だとすれば、スイッチにその指紋が残っていなければなりません。僕は若しや警察では君の指紋の線と線との間に残っている先の指紋を見落しているのではないかと思って、自分で検べて見たのですが、少しもそんな痕跡がないのです。つまり、あのスイッチには、後にも先にも、君の指紋が捺されているだけなのです。――どうして古本屋の人達の指紋が残っていなかったのか、それはよく分りませんが、多分、あの部屋の電燈はつけっぱなしで、一度も消したことがないのでしょう。
君、以上の事柄は一体何を語っているでしょう。僕はこういう風に考えるのですよ。一人の荒い棒縞の着物を着た男が、――その男は多分死んだ女の幼馴染で、失恋という理由なんかも考えられますね――古本屋の主人が夜店を出すことを知っていてその留守の間に女を襲うたのです。声を立てたり抵抗したりした形跡がないのですから、女はその男をよく知っていたに相違ありません。で、まんまと目的を果した男は、死骸の発見を後らす為に、電燈を消して立去ったのです。併し、この男の一期いちごの不覚は、障子の格子のあいているのを知らなかったこと、そして、驚いてそれを閉めた時に、偶然店先にいた二人の学生に姿を見られたことでした。それから、男は一旦外へ出ましたが、ふと気がついたのは、電燈を消した時、スイッチに指紋が残ったに相違ないということです。これはどうしても消して了わねばなりません。然しもう一度同じ方法で部屋の中へ忍込むのは危険です。そこで、男は一つの妙案を思いつきました。それは、自から殺人事件の発見者になることです。そうすれば、少しも不自然もなく、自分の手で電燈をつけて、以前の指紋に対する疑をなくして了うことが出来るばかりでなく、まさか、発見者が犯人だろうとは誰しも考えませんからね、二重の利益があるのです。こうして、彼は何食わぬ顔で警察のやり方を見ていたのです。大胆にも証言さえしました。しかも、その結果は彼の思う壺だったのですよ。五日たっても十日たっても、誰も彼を捕えに来るものはなかったのですからね」
この私の話を、明智小五郎はどんな表情で聴いていたか。私は、恐らく話の中途で、何か変った表情をするか、言葉を挟むだろうと予期していた。ところが、驚いたことには、彼の顔には何の表情も現れぬのだ。一体平素から心を色に現さぬ質たちではあったけれど、余り平気すぎる。彼は始終例の髪の毛をモジャモジャやりながら、黙り込んでいるのだ。私は、どこまでずうずうしい男だろうと思いながら最後の点に話を進めた。
「君はきっと、それじゃ、その犯人はどこから入って、どこから逃げたかと反問するでしょう。確に、その点が明かにならなければ、他の凡てのことが分っても何の甲斐もないのですからね。だが、遺憾いかんながら、それも僕が探り出したのですよ。あの晩の捜査の結果では、全然犯人の出て行った形跡がない様に見えました。併し、殺人があった以上、犯人が出入しなかった筈はないのですから、刑事の捜索にどこか抜目があったと考える外はありません。警察でもそれには随分苦心した様子ですが、不幸にして、彼等は、僕という一介の書生に及ばなかったのですよ。
ナアニ、実は下らぬ事なんですがね、僕はこう思ったのです。これ程警察が取調べているのだから、近所の人達に疑うべき点は先ずあるまい。もしそうだとすれば、犯人は、何か、人の目にふれても、それが犯人だとは気づかれぬ様な方法で通ったのじゃないだろうか、そして、それを目撃した人はあっても、まるで問題にしなかったのではなかろうか、とね。つまり、人間の注意力の盲点――我々の目に盲点があると同じ様に、注意力にもそれがありますよ――を利用して、手品使が見物の目の前で、大きな品物を訳もなく隠す様に、自分自身を隠したのかも知れませんからね。そこで、僕が目をつけたのは、あの古本屋の一軒置いて隣の旭屋という蕎麦屋です」
古本屋の右へ時計屋、菓子屋と並び、左へ足袋屋、蕎麦屋と並んでいるのだ。
「僕はあすこへ行って、事件の当夜八時頃に、便所を借りて行った男はないかと聞いて見たのです。あの旭屋は君も知っているでしょうが、店から土間続きで、裏木戸まで行ける様になっていて、その裏木戸のすぐ側に便所があるのですから、便所を借りる様に見せかけて、裏口から出て行って、又入って来るのは訳はありませんからね。――例のアイスクリーム屋は路地を出た角に店を出していたのですから、見つかる筈はありません――それに、相手が蕎麦屋ですから、便所を借りるということが極めて自然なんです。聞けば、あの晩はお上さんは不在で、主人丈が店の間にいた相ですから、おあつらえ向きなんです。君、なんとすてきな、思附おもいつきではありませんか。
そして、案の定、丁度その時分に便所を借りた客があったのです。ただ、残念なことには、旭屋の主人は、その男の顔形とか着物の縞柄なぞを少しも覚えていないのですがね。――僕は早速この事を例の友達を通じて、小林刑事に知らせてやりましたよ。刑事は自分でも蕎麦屋を調べた様でしたが、それ以上何も分らなかったのです――」
私は少し言葉を切って、明智に発言の余裕を与えた。彼の立場は、この際何とか一言云わないでいられぬ筈だ。ところが、彼は相変らず頭を掻廻しながら、すまし込んでいるのだ。私はこれまで、敬意を表する意味で間接法を用いていたのを直接法に改めねばならなかった。
「君、明智君、僕のいう意味が分るでしょう。動かぬ証拠が君を指さしているのですよ。白状すると、僕はまだ心の底では、どうしても君を疑う気になれないのですが、こういう風に証拠が揃っていては、どうも仕方がありません。……僕は、もしやあの長屋の内に、太い棒縞の浴衣を持っている人がないかと思って、随分骨を折って調べて見ましたが、一人もありません。それも尤もっともですよ。同じ棒縞の浴衣でも、あの格子に一致する様な派手なのを着る人は珍らしいのですからね。それに、指紋のトリックにしても、便所を借りるというトリックにしても、実に巧妙で、君の様な犯罪学者でなければ、一寸真似の出来ない芸当ですよ。それから、第一おかしいのは、君はあの死人の細君と幼馴染だといっていながら、あの晩、細君の身許調べなんかあった時に、側で聞いていて、少しもそれを申立てなかったではありませんか。
さて、そうなると唯一の頼みは Alibi の有無です。ところが、それも駄目なんです。君は覚えていますか、あの晩帰り途で、白梅軒へ来るまで君が何処どこにいたかということを、僕は聞きましたね。君は一時間程、その辺を散歩していたと答えたでしょう。仮令、君の散歩姿を見た人があったとしても、散歩の途中で、蕎麦屋の便所を借りるなどはあり勝ちのことですからね。明智君、僕のいうことが間違っていますか。どうです。もし出来るなら君の弁明を聞こうじゃありませんか」
読者諸君、私がこういって詰めよった時、奇人明智小五郎は何をしたと思います。面目なさに俯伏して了ったとでも思うのですか。どうしてどうして、彼はまるで意表外のやり方で、私の荒胆あらぎもをひしいだのです。というのは、彼はいきなりゲラゲラと笑い出したのです。
「いや失敬失敬、決して笑うつもりではなかったのですけれど、君は余り真面目だもんだから」明智は弁解する様に云った。「君の考えは却々なかなか面白いですよ。僕は君の様な友達を見つけたことを嬉しく思いますよ。併し、惜しいことには、君の推理は余りに外面的で、そして物質的ですよ。例えばですね。僕とあの女との関係についても、君は、僕達がどんな風な幼馴染だったかということを、内面的に心理的に調べて見ましたか。僕が以前あの女と恋愛関係があったかどうか。又現に彼女を恨うらんでいるかどうか。君にはそれ位のことが推察出来なかったのですか。あの晩、なぜ彼女を知っていることを云わなかったか、その訳は簡単ですよ。僕は何も参考になる様な事柄を知らなかったのです。僕は、まだ小学校へも入らぬ時分に彼女と分れた切りなのですからね。尤も、最近偶然そのことが分って、二三度話し合ったことはありますけれど」
「では、例えば指紋のことはどういう風に考えたらいいのですか?」
「君は、僕があれから何もしないでいたと思うのですか。僕もこれで却々やったのですよ。D坂は毎日の様にうろついていましたよ。殊に古本屋へはよく行きました。そして主人をつかまえて色々探ったのです。――細君を知っていたことはその時打明けたのですが、それが却かえって便宜になりましたよ――君が新聞記者を通じて警察の模様を知った様に、僕はあの古本屋の主人から、それを聞出していたんです。今の指紋のことも、じきに分りましたから、僕も妙に思って検しらべて見たのですが、ハハ……、笑い話ですよ。電球の線が切れていたのです。誰も消しやしなかったのですよ。僕がスイッチをひねった為に燈ひがついたと思ったのは間違で、あの時、慌てて電燈を動かしたので、一度切れたタングステンが、つながったのですよ。スイッチに僕の指紋丈けしかなかったのは、当りまえなのです。あの晩、君は障子のすき間から電燈のついているのを見たと云いましたね。とすれば、電球の切れたのは、その後ですよ。古い電球は、どうもしないでも、独りでに切れることがありますからね。それから、犯人の着物の色のことですが、これは僕が説明するよりも……」
彼はそういって、彼の身辺の書物の山を、あちらこちら発掘していたが、やがて、一冊の古ぼけた洋書を掘りだして来た。
「君、これを読んだことがありますか、ミュンスターベルヒの『心理学と犯罪』という本ですが、この『錯覚』という章の冒頭を十行許ばかり読んで御覧なさい」
私は、彼の自信ありげな議論を聞いている内に、段々私自身の失敗を意識し始めていた。で、云われるままにその書物を受取って、読んで見た。そこには大体次の様なことが書いてあった。
嘗かつて一つの自動車犯罪事件があった。法廷に於て、真実を申立てる旨むね宣誓した証人の一人は、問題の道路は全然乾燥してほこり立っていたと主張し、今一人の証人は、雨降りの挙句で、道路はぬかるんでいたと誓言した。一人は、問題の自動車は徐行していたともいい、他の一人は、あの様に早く走っている自動車を見たことがないと述べた。又前者は、その村道には二三人しか居なかったといい、後者は、男や女や子供の通行人が沢山あったと陳述した。この両人の証人は、共に尊敬すべき紳士で、事実を曲弁したとて、何の利益がある筈もない人々だった。
私がそれを読み終るのを待って明智は更らに本の頁を繰りながら云った。
「これは実際あったことですが、今度は、この『証人の記憶』という章があるでしょう。その中程の所に、予あらかじめ計画して実験した話があるのですよ。丁度着物の色のことが出てますから、面倒でしょうが、まあ一寸読んで御覧なさい」
それは左の様な記事であった。
(前略)一例を上げるならば、一昨年(この書物の出版は一九一一年)ゲッティンゲンに於て、法律家、心理学者及び物理学者よりなる、ある学術上の集会が催されたことがある。随したがって、そこに集ったのは、皆、綿密な観察に熟練した人達ばかりであった。その町には、恰あたかもカーニバルの御祭騒ぎが演じられていたが、突然、この学究的な会合の最中に、戸が開かれてけばけばしい衣裳をつけた一人の道化が、狂気の様に飛び込んで来た。見ると、その後から一人の黒人が手にピストルを持って追駆けて来るのだ。ホールの真中で、彼等はかたみがわりに、恐ろしい言葉をどなり合ったが、やがて道化の方がバッタリ床に倒れると、黒人はその上に躍りかかった。そして、ポンとピストルの音がした。と、忽ち彼等は二人共、かき消す様に室を出て行って了った。全体の出来事が二十秒とはかからなかった。人々は無論非常に驚かされた。座長の外には、誰一人、それらの言葉や動作が、予め予習されていたこと、その光景が写真に撮られたことなどを悟ったものはなかった。で、座長が、これはいずれ法廷に持出される問題だからというので、会員各自に正確な記録を書くことを頼んだのは、極く自然に見えた。(中略、この間に、彼等の記録が如何に間違に充みちていたかを、パーセンテージを示して記してある)黒人が頭に何も冠っていなかったことを云い当てたのは、四十人の内でたった四人切りで、外の人達は山高帽子を冠っていたと書いたものもあれば、シルクハットだったと書くものもあるという有様だった。着物についても、ある者は赤だといい、あるものは茶色だといい、ある者は縞だといい、あるものはコーヒ色だといい、其他種々様々の色合が彼の為に説明せられた。ところが、黒人は実際は、白ズボンに黒の上衣を着て、大きな赤のネクタイを結んでいたのだ。(後略)
「ミュンスターベルヒが賢くも説破した通り」と明智は始めた。「人間の観察や人間の記憶なんて、実にたよりないものですよ。この例にある様な学者達でさえ、服の色の見分がつかなかったのです。私が、あの晩の学生達は着物の色を見違えたと考えるのが無理でしょうか。彼等は何者かを見たかも知れません。併しその者は棒縞の着物なんか着ていなかった筈です。無論僕ではなかったのです。格子のすき間から、棒縞の浴衣を思付いた君の着眼は、却々面白いには面白いですが、あまりお誂向あつらえむきすぎるじゃありませんか。少くとも、そんな偶然の符合を信ずるよりは、君は、僕の潔白を信じて呉れる訳には行かぬでしょうか。さて最後に、蕎麦屋の便所を借りた男のことですがね。この点は僕も君と同じ考だったのです。どうも、あの旭屋の外に犯人の通路はないと思ったのですよ。で僕もあすこへ行って調べて見ましたが、その結果は、残念ながら、君と正反対の結論に達したのです。実際は便所を借りた男なんてなかったのですよ」
読者も已すでに気づかれたであろうが、明智はこうして、証人の申立てを否定し、犯人の指紋を否定し、犯人の通路をさえ否定して、自分の無罪を証拠立てようとしているが、併しそれは同時に、犯罪そのものを否定することになりはしないか。私は彼が何を考えているのか少しも分らなかった。
「で、君は犯人の見当がついているのですか」
「ついていますよ」彼は頭をモジャモジャやりながら答えた。「僕のやり方は、君とは少し違うのです。物質的な証拠なんてものは、解釈の仕方でどうでもなるものですよ。一番いい探偵法は、心理的に人の心の奥底を見抜
時間 | 記事数 | 文字数 | 文字数平均 | 文字数中央値 |
---|---|---|---|---|
00 | 80 | 9095 | 113.7 | 45.5 |
01 | 95 | 8586 | 90.4 | 38 |
02 | 70 | 12266 | 175.2 | 61 |
03 | 32 | 7809 | 244.0 | 49 |
04 | 31 | 3735 | 120.5 | 44 |
05 | 29 | 2593 | 89.4 | 41 |
06 | 33 | 5428 | 164.5 | 98 |
07 | 40 | 2678 | 67.0 | 35.5 |
08 | 91 | 12729 | 139.9 | 49 |
09 | 141 | 13412 | 95.1 | 43 |
10 | 160 | 14485 | 90.5 | 46.5 |
11 | 227 | 15870 | 69.9 | 38 |
12 | 174 | 27581 | 158.5 | 49 |
13 | 173 | 32390 | 187.2 | 53 |
14 | 128 | 14379 | 112.3 | 41.5 |
15 | 109 | 13037 | 119.6 | 49 |
16 | 120 | 9019 | 75.2 | 38.5 |
17 | 141 | 19798 | 140.4 | 39 |
18 | 102 | 13336 | 130.7 | 39 |
19 | 143 | 11785 | 82.4 | 36 |
20 | 150 | 15852 | 105.7 | 39 |
21 | 98 | 15541 | 158.6 | 47 |
22 | 116 | 19515 | 168.2 | 43.5 |
23 | 121 | 28263 | 233.6 | 70 |
1日 | 2604 | 329182 | 126.4 | 44 |
ファミコンジャンプ(4), 佐々木氏(4), 完結出生児数(5), 呉座(8), ふくらませる(4), 混じえ(4), ママタレ(3), 呉座勇一(7), 佐々木宏(4), ブレスト(20), Cristoforou(3), ウマ娘(41), プラスチック(12), ウマ(12), 剣(11), ナンセンス(8), シン(11), 戦士(8), 表現規制(8), search(8), 党派性(7), 豚(27), 演技(15), クリエイター(13), 整形(13), エヴァ(23), 電通(10), LINE(27), 道徳(8), 地震(10), status(20), 容姿(28), アンチ(19), センス(15), 重視(13), 面白く(22), blog(12)
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佐々木宏氏の発言やそれへの批判について。ブレスト中の発言なら、差別だろうが何だろうが責任を問うのは、非常にナンセンスだ。
よく知られている通り、ブレストとは、集団で良いアイディアを出す方法で、
1. 粗野な考えを歓迎する
2. 批判しない
3. 質より量を重視する
4. アイディアを組み合わせる
もっとも、今や「ブレスト」という言葉自体はアホでも知っているので、きちんと方法論通りに実践されていることは、むしろ稀かもしれない。
ブレストである以上、一般には、その発言をした本人すら、その提案が良いとは思っていない。
もちろん、全くの粗悪なアイディアを提案するわけはない。「欠点はあって当然」「一部に良さがあるかも」というレベルであっても発言し、聞き手はその欠点を批判することなく、良さ活かしながらアイディアをふくらませるのがブレストの正しいやり方だとされている。
今回の話題で言うなら、差別的だという欠点自体は後で修正するという前提で、例えば
という程度の考えで、渡辺直美に豚の格好をさせる提案をしても良い。
重要なのは、そのような提案をしたからといって、本人すら、その提案が最終案として良いと思っているとは限らないということだ。
実際、私自身もあえて偏見を混じえた非倫理的な提案をすることは多い(その場合、対面コミュニケーションなら、自分で苦笑しながら提案するなど、倫理的に問題があるという認識自体は共有しながら発言することが多い)。
ブレストとはそういうツール/ルールであるということが理解されるべきだ。
したがって、ブレストでの発言に倫理的な責任を問うのは非常にナンセンスだ。
同様に、ブレストでは質が低くても良いという前提で発言される以上、提案内容を切り出して「面白くない」などと質を批判するのは全くの無意味だ。
発言に対しむやみに倫理的な責任を問うのは、みたに議員のツイートの通り、「クリエイターとしての仕事に過大な制約を課すことになりかねないし、将来にわたって大きな禍根を残すことになりかねない。」
一般論として、ブレストの発言に責任を問うのはナンセンスだと書いた。
まず、ブレストを行っていたLINEで、その場でメンバーから批判が出たという点だ。
上で書いた通り、ブレストでは批判を行わないのがルールだ。しかし、今回は批判が出た。
これは、メンバーが佐々木氏の提案を「粗野で良い」「欠点があって良い」「差別があっても後で修正できれば良い」とみなしていなかったということだ。
つまり、佐々木氏は「ブレスト中の発言だ」と弁明しているものの、メンバーはそれ以上に影響力のある発言だとみなしていたはずだ。
そのような文脈下で行われた発言として、佐々木氏の発言が責任に問われるのは理解できる。
言い換えれば、逆説的だが、佐々木氏の発言はスルーされず、ブレストのその場で批判されたからこそ、その内容には倫理的な責任がある。
繰り返すが、だからといって、「一般に」ブレストでの発言について責任を問うのは、非常にナンセンスだ。
ブコメを見ていると、天皇家や自民党議員への侮辱ならOKなんだろうという批判が★を集めている。
所詮はてなとはいえ、個人的にはこんなに愚かな論点ずらしが共感されているのは呆れる。
当然、天皇家であれ自民党議員であれ、ブレスト中なら侮辱してもOKである。それが集団による創造・発想のためには必要だ。
佐々木宏氏の発言やそれへの批判について。ブレスト中の発言なら、差別だろうが何だろうが責任を問うのは、非常にナンセンスだ。
よく知られている通り、ブレストとは、集団で良いアイディアを出す方法で、
1. 粗野な考えを歓迎する
2. 批判しない
3. 質より量を重視する
4. アイディアを組み合わせる
もっとも、今や「ブレスト」という言葉自体はアホでも知っているので、きちんと方法論通りに実践されていることは、むしろ稀かもしれない。
ブレストである以上、一般には、その発言をした本人すら、その提案が良いとは思っていない。
もちろん、全くの粗悪なアイディアを提案するわけはない。「欠点はあって当然」「一部に良さがあるかも」というレベルであっても発言し、聞き手はその欠点を批判することなく、良さ活かしながらアイディアをふくらませるのがブレストの正しいやり方だとされている。
今回の話題で言うなら、差別的だという欠点自体は後で修正するという前提で、例えば
という程度の考えで、渡辺直美に豚の格好をさせる提案をしても良い。
重要なのは、そのような提案をしたからといって、本人すら、その提案が最終案として良いと思っているとは限らないということだ。
実際、私自身もあえて偏見を混じえた非倫理的な提案をすることは多い(その場合、対面コミュニケーションなら、自分で苦笑しながら提案するなど、倫理的に問題があるという認識自体は共有しながら発言することが多い)。
ブレストとはそういうツール/ルールであるということが理解されるべきだ。
したがって、ブレストでの発言に倫理的な責任を問うのは非常にナンセンスだ。
同様に、ブレストでは質が低くても良いという前提で発言される以上、提案内容を切り出して「面白くない」などと質を批判するのは全くの無意味だ。
発言に対しむやみに倫理的な責任を問うのは、みたに議員のツイートの通り、「クリエイターとしての仕事に過大な制約を課すことになりかねないし、将来にわたって大きな禍根を残すことになりかねない。」
一般論として、ブレストの発言に責任を問うのはナンセンスだと書いた。
まず、ブレストを行っていたLINEで、その場でメンバーから批判が出たという点だ。
上で書いた通り、ブレストでは批判を行わないのがルールだ。しかし、今回は批判が出た。
これは、メンバーが佐々木氏の提案を「粗野で良い」「欠点があって良い」「差別があっても後で修正できれば良い」とみなしていなかったということだ。
つまり、佐々木氏は「ブレスト中の発言だ」と弁明しているものの、メンバーはそれ以上に影響力のある発言だとみなしていたはずだ。
そのような文脈下で行われた発言として、佐々木氏の発言が責任に問われるのは理解できる。
言い換えれば、逆説的だが、佐々木氏の発言はスルーされず、ブレストのその場で批判されたからこそ、その内容には倫理的な責任がある。
繰り返すが、だからといって、「一般に」ブレストでの発言について責任を問うのは、非常にナンセンスだ。
ブコメを見ていると、天皇家や自民党議員への侮辱ならOKなんだろうという批判が★を集めている。
所詮はてなとはいえ、個人的にはこんなに愚かな論点ずらしが共感されているのは呆れる。
当然、天皇家であれ自民党議員であれ、ブレスト中なら侮辱してもOKである。それが集団による創造・発想のためには必要だ。
長期の出張から職場に帰ったら、課内での喧嘩が勃発していました。
昨年から再任用となりました。元は支部長をするくらい偉いでした。悪い人ではないのだろうと思うですが、口の悪い人で、少々嫌味っぽいことを言ってしまう人です。
今年から最年長ということで、「チーフ」という職名で、部課長との間に立ち、僕らをまとめています。しかし、チーフとしての職務内容がハッキリしていなく、部課長からの急な問い合わせへの対応や、トラブル対応が多く、忙しすぎるせいか、少々困ったことになっています。
具体的には、言うことを忘れてしまう、言ったことを忘れてしまう、前回と180度真逆のことを言ってしまう、かなり大きな怒声で言ってしまう、単語だけを言って詳細を言い忘れてしまう、既存のマニュアルを無視したその場をしのぐ回答をしてしまう、どこかへ行方をくらませてしまう、などなど。
ある日も、「コピー!」とだけ言ってどこかへ言ってしまい、何をコピーするのか、何部コピーするのか、ステープル留めするのか等の詳細を伝え忘れてしまいます。事務職員さん達が萎縮してしまい、職場に不穏な空気が流れています。最年長ということもあって、同僚諸氏は遠慮して注意をすることができません。
その方は、自信がありそうに見えて劣等感が強い傾向があります。会話中に同僚から反論されると、優劣が逆転したかのように感じることが多いようです。劣勢に立ったと感じたチーフは、強いエネルギーを使って、劣勢を立て直そうとします。意見がぶつかり合うと、チーフは常に優勢を保とうとして、感情的な反論や尤もらしいけれども本指摘には解決には繋がらない意見を述べ、議論は堂々巡りをします。この堂々巡りは、きりがないので、「始めない(チーフを刺激しない)」「早々に降りる」を心がけるようにしています。また、腑に落ちない同僚には、牧野、物腰の柔らかな女性職員が声がけをして回ってくれていました。
それぞれの分担もあるため、女性職員さんのケアする手が回らなくなっていました。僕の出張に行っている間に、我慢の限度を過ぎたのか、攻撃的に接し返す同僚の1人が一戦交えたそうで、「不穏な空気」が発生していました。
暖かくなってきたといえば自転車。
ただちょっとまって。
自転車に乗るときはちょっとしたことに気をつけるだけで快適さが格段に上がるから!
別に本格的な自転車じゃなくても、ママチャリでも大事な部分は変わらないよ。
ということで一気に羅列!
自転車乗りには当たり前すぎることだけど結構抜けてる人いるよね。
タイヤに空気が入ると、タイヤ自体の地面に対する接地面が減るので摩擦が減ります。
摩擦が減るということは、つまり余計なエネルギー消失がなくなるということ。
つまりつまり漕いだエネルギーが失われづらくなるから、快適に進むってこと。
それに空気圧が低いと中のチューブがホイールと段差に挟まれてパンクも起こりやすくなるから危険です。
少なくとも月に一回、もしくは乗る前に必ずタイヤを指で押してみて、弾力が弱ければ空気を入れましょう。
・チェーンや駆動部の油
乗っているときにキコキコ言い出したらチェーンの油がなくなってると思ったほうがいいです。
ペダルをクルクル逆回転させながら、ギアとチェーンが噛み合う部分にスプレーすれば全体に満遍なく行き渡ります。
油をさすと錆びによる摩擦が緩和されるので、要するに余計なエネルギー消失がなくなって漕ぎやすくなるということ。
タイヤの付け根、ペダルの足を乗せる部分やギアの回転部分など。
要するに回転しながら摩擦が発生する場所に油をさしてあげることで回転をスムーズにすればいいって考えるとわかりやすいです。
・ブレーキ
このどちらもが作用することで、ブレーキを握っても効きが悪くなってきます。
ブレーキの効きが悪い=制動距離が長くなる分スピードが出せなくなる。という無意識にストレスの原因となります。
ブレーキを握ってみて、タイヤを押さえるときの力の伝わりが悪いなって思ったら、ワイヤーのテンションを調整しましょう。
ブレーキパッドは自分で交換もできるけど、左右の調整とか開きとかにちょこっとだけコツが必要なので、購入店で交換してもらうようにしましょう。
・サドル
いわゆる座るところ。
まずは高さについて説明。
サドルの高さは、基本的に無理なく地面に足がつく高さである必要があります。
道交法で定められたものでもありますが、いつでも足が地面につくという心理的安全性が何より大事だからです。
その上で、ペダルが一番下になったときにできるだけ足が伸びる高さに調整しましょう。
サドルが低すぎると、膝が中途半端に曲がったままペダルを漕ぎ続けることになり膝への負担が大きくなってしまうからです。
次に硬さや形状について。
ママチャリはゆったりと座って長時間乗ったり、街中の段差に耐えられるように比較的大きくてクッションが強い作りになっています。
しかし、例えばスポーツ自転車の場合だと、サドルが大きくて柔らかいと漕いだときにももが下に下がった状態になることをサドルが反発してしまいます。
そうなれば漕いだエネルギーが無駄に消失してしまうので、少しのクッションを犠牲にしてでも座面の小さい尖ったサドルのほうがおすすめになります。
まずは通販サイトなどで手に入る手頃な価格な割に評価の高いものなど試してみるとよいと思います。
ペダルの重さを変えることのできるギア調整について、いつも同じギアのままにしていたりしませんか?
どういうときに変えればいいのかいまいち分かりづらいギア比率ですが、とてもシンプルなルールがあるので覚えて帰りましょう。
それが、1分間に100回転です。
走行中に、ペダルを1分間に100回転させるくらいで走ると、もっとも負担なく走れる状態だと言われています。
つまり、漕ぎ始めはギアを軽く、スピードがでてきて足の回転が余剰になり始めたらギアを重くしていくという感じです。
100回転ってどれくらい?って思うかも知れませんが、1秒に1.5回転くらいと思えばなんとなくわかりやすいかも知れません。
重いギアのまま力任せに漕いでいる人をたまに見かけますが、すぐに足に乳酸が溜まってしまだけでなく、膝の故障にもつながりますので注意しましょう。
・ハンドルの高さ
自転車で快適に走行するためには、空気抵抗がとても大切になります。
スポーツタイプの自転車の場合、ハンドルの高さを下げることで上半身が下がり、空気抵抗が少なくなることで走行速度が改善されます。
ただし、常に前傾姿勢を維持することになるために、腕力を始めとする体幹の強さが必要になります。
自転車に乗りなれてきたら徐々に下げていくとよいでしょう。
・ライトの角度
夜道を安全に走るための注意点です。
最近では車のヘッドライトと見分けがつかないくらいに明るいLEDも増えてきました。
ここで注意したいのは、ライトがいわゆるハイビーム状態にならないようにすることです。
前照灯の役割は、はっきりいって対向車や歩行者に居場所を知らせるためだと思ってください。
特に街中では、暗い夜道を照らせるほどの光量がそもそもありません。
それなのに、前方の歩行者の顔が確認できるような高さに調整してしまえば、歩行者にとっては目くらましのような危険な状態を押し付けていることになります。
これは車のドライバーにも言えることで、そのライトが眩しすぎるせいで、周囲の安全確認が行えない状況に陥ってしまうことにもつながります。
本来、安全性を一番に考えるなら、3~5m先の地面が照らされている状況が障害物の発見などにつながり理想的と言えます。
夜道を走っているとき、数メートル先に前照灯の反射が見られないようであれば、角度が高すぎることを意味しているので、周囲の安全を確認した上で調整しましょう。
うん。というか、ハイビームのまま販売するような販売店は本当に滅びろって思う。お前らが啓蒙しなくて誰がするんだよ。
潜在的な事故の原因になりえてることなので、早急にメーカー団体などによるガイドライン化を望みます。
以上。コロナが流行ってから久々に乗ったなーって人は一度見直してみてください。
もし手つかずのまま乗っていたとしたら劇的な変化があるはず!
自転車はよく走ってよく止まるのが一番。