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はてなキーワード: ファンタジーとは

2018-01-09

精神年齢小学生は凄い

あー自分なんて精神年齢小学生だなと思っていたんだけど、

ファミレスママ友軍団を見て考えを改めた。

正確に言うと彼女らが連れている小学校低学年くらいの男の子たちを見たのだ。

あの小学生たちは全く何もない場所から伝説の剣」を取り出し、大衆の目など気にせずアクションヒーローになりきり、まるで目に映るものすべてがファンタジーでできているようだった。

しばらくしてママたちがドリンクバーに行けばアクションそっちのけで真っ先に駆け寄りこれがいいこれがいいと駄々をこねる。別になくなるわけでもないのに我先にと群がる。

そうかと思えばママに渡されたスマホを手に取りさっきの伝説の剣などまるで忘れてしまったように真剣に覗き込んでいる。

気付いてしまった。

そうか、小学生というのは目に映るものすべてが新鮮で感動に溢れていて、それでいて刹那的生き方をしているんだ。

周囲の目など気にせず己の世界・己の楽しみを追求し日常のあらゆることを楽しみながら生きている。

自分にはもうそんな生き方はできないなと思った。

大人になった今、周囲の目ばかりを気にし将来のことは常に不安ルーチンで溢れてしまった日常にはなんの新鮮味も感動もなくなってしまった。

感動と楽しさにあふれる精神年齢小学生というのがすごく羨ましく感じた。


anond:20180109233504

anond:20180109194928

あとinumashさんのセクサロイドの話でアレ?と思ったのは

「人を模する何かが出て来た時に、その属性の人に理想像押し付けられる」みたいな側面があり、それは悪だ( 今回は女性を模するモノ )

とした場合

例えば宝塚理想男性像を描いているし、実際にそれをもって現実男性より上だという主張もある( http://takaradukas.net/boy-543 )んだけど、こういうのも非難されるべきなんじゃないの? 昔から宝塚ファン現実男性より男役の方がかっこいいって言って男性を落としてる( 別にこれはこれで嫌じゃないし割とどうでもいいんだが )

あと少女漫画内の男子描写とかさ。inumashさんの主張を正しいとした場合女性向けファンタジーも同様に男性へのプレッシャーになる。セクサロイド宝塚も異性へのファンタジーはあって良いと思うのだけれども。

ポリコレで「差別的な物は全部なくなっていい」っていう人は本気なの?

ポリコレとか表現規制論争の時に、ほぼ毎回反ポリコレから「これが駄目ならバラエティ冗談ポルノ格闘技スポーツ、○○な物語ほとんどなくなるんだけど」みたいな意見が出るじゃない。

それに対し、「なくなればいい。人を傷つけてまでそんなもの残す必要ない」とか「きれいさっぱりなくなったらそれから新しいものが生まれればいい」みたいなこと言う人が時々いるんだけど。

あれってどこまでマジなの……?

普段言動が反表現規制の人が、皮肉とか逆説みたいな、「ガチガチポリコレ主義者はこれくらい破滅的な未来に導こうとしてるよね」という意図で言ってるなら分かる。

でもポリコレ側、規制側で一貫してる人が言ってる場合もあって、あれはマジなの?

こんなテンプレファンタジー人類絶望して文化崩壊させようとする大魔王みたいなこと本気で言う?

それがよくわかんなくて見るたびに首をかしげしまう。

2018-01-08

2017個人的ベストマンガ

すでに8日ですが書きます

・最も繰り返し読んだマンガ

「あたらしいひふ」 高野

本当に繰り返し読んだ。購入直後に何回も読んで、しばらくたってからもまた読んだ。「新刊面白いのないなー」と思ったときキンドルリストからクリックするのはコレだった。

高野雀は「さよならガールフレンドからわりとずっと好きで、出てるものは一通り買ってるかんじ。

It’s your (new) ID.」の構成楽しい統一されたテーマを持ちつつ独立して展開する作品の間にインタールードぽく入ってくるしーちゃんとゆみちゃん。そして最後のやり取り。

冒頭も説明的にならずにテーマ説明していたり、ホントよくできてるよなあと思う。何度読んでも楽しい

「あたらしいひふ」の後書きにあった「くそおしゃれ」って評価は当てはまっていないと思う。この人の作品はたぶん「気が利いている」んだと思う。少なくとも自分にはそう見える。

それが波長が合わない人には「おしゃれ」に見えるんだと思う。

この人の作品全般に、日常+もう一歩ぐらいのサックリした踏み込み具合に見える。深い何かを求めて読んだ人の辛口レビューをたまに見かけるけど、たぶん楽しみ方を間違えていると思う。

少し踏み込んだあたりで、面白い/新鮮な言い回し表現して見せてる感じ。

画も好き。顔、人体、背景、どれもうまい統一された世界構成していると思う。

会話とモノローグで引っ張るところが多いのでバストアップが増えがちだけど、全身とかも多くて楽しい。構図が実写っぽい気がする。

もっと評価されて良い作品だと思うし、作家だと思う。


・最も引っかかったマンガ

「スペクトラルウィザード」模造クリスタル

以前読んだ「ビーンク&ロサ」がちょっとひっかかっていたので読んだんだけど、良かった。

荒さやチープさもあり、ややダルイ話もあるんだけど、それでもグッとくる作品だった。

世界のあり様について「そういえばそうか。。」と思わせられた。

世界はあるレイヤではウィザードたちを排除し、しかしその外部レイヤでは彼女らを包含し続けているという、言われてみれば当たり前なんだけど、言われないと意識しない世界のあり様を見せられてハッとさせられる。

そしてその世界の在り方は、その中で生きるウィザードたちは俯瞰することができず(クリスタルには見えていたが)、そのためガーゴは誤った範囲世界を壊しかけ、スペクトラは世界に背を向けようとする。

スペクトラとガーゴは世界を見誤ろうとしていたが、彼女らを直接的に取り巻く世界からすれば無理もないわけで、それがまたやるせなく切ない。

結果として世界破滅を免れるが、ウィザードたちにとってそれは希望なのか徒労なのかはわからない。俯瞰してしまえばクリスタルの言う「変化」の一言に回収されてしまうんだろうけど、スペクトラやガーゴの目にはどのように映るのか。

それが作者の意図だとは思わないけれど、どうしても現在人類世界にあてはめたくなる。

画は(たぶん意図的に)チープではあるけれど、上手いと思う。作品世界効果的に見せているように思う。


・2017発売じゃないけど

「ホブゴブリン 魔女と二人」つばな

2015の発売。見落としてました。面白い。ここ何年かで最も面白いファンタジー

ずいぶん前の発売だけど、それでも取り上げたいと思わせる作品

つばならしい荒唐無稽世界正統派ファンタジー完璧マッチしてて凄い。

現代世界舞台にするよりずっとよくマッチしてると思う。完璧すぎる。

全体におかしみやかわいげがあって読みやすく、世界に入りやすい。説明的にならずに世界表現しつつ、話のテンポも良くて自然に入って行ける。

テンポよく、しかし丁寧に世界を描きつつ話を展開させているんだけど、中盤以降は畳み込みのスピードとパワーが素晴らしい。

マンガ以外のメディアも含めて、これだけ良質なファンタジーはなかなか無いと思う。

作品サイズのわりに製作は長くかかったみたいだけど、展開が完璧構成されているのが凄い。

画も良い。第七女子会彷徨はやや引いた画が多いかなという印象だったけど、この作品ではその辺のバランスが良い。

人も背景もすごく良い。背景密度高い。森とか鳥足の家が最高。




リスペクト枠ではない

チンプイ藤子・F・不二雄

F作品今日的な視点評価した場合、「エスパー魔美」が挙げられることが多いが、個人的には「チンプイ」のほうが面白いと思う。

ドラえもん上位互換だと思う。

ドラえもんと比べて、話の強引な展開を上手く(面白く)消化できてる。

チンプイドラえもんゲス面白いところをさらに洗練させてる。

のび太カワイイ女の子に置き換えるというアイディアが凄く今日的。

友達連中はまんまドラえもん踏襲だけど、宇宙人取り巻きキャラ面白い

画も良い。スタッフがたくさんいたのかもしれないけど、全コマ手抜きなし。

人の正面アップが連続したりしない。舞台的な感じの見せ方が多くて、今見るとけっこう斬新。

ページあたりのコマが多くて一コマコマが狭いんだけど、適切なバランスに畳み込んでて凄い。

コマが狭いので人の等身が低いんだけど、自然に見える。状況でもう少し高く描いているところも多いけど、統一感を失うことが無い。

ほとんどのコマで全身描いてる。(ページあたりのコマが少ないうえに正面バストアップばっかりの作家は見習ってほしい。)

2017に読んでも普通に面白い

2018-01-07

anond:20180107112608

ちょっと話がずれるけど、この不燃ゴミの人の意見だと、女性向けのファンタジー規制しないと不味くないか

宝塚男役女性にとって都合のいい男性像を男性に押しつける、という。

男性女性独立してファンタジーを消費していいんじゃねーの、と思うんだが。

anond:20180107030552

んー、ないからな、実際。

お前の言ってるスタントはせいぜい綾瀬はるかNHK大河ファンタジーでやってるレベルから

2018-01-06

anond:20180105124411

あれは独身向けのファンタジーだと思う。既婚男性女子40代主観だが。あれが響くのは、ぎりぎり50代男性かな、そういう幻想があるのか分からないが。

2018-01-05

何かその作品なりの良さがあるんだったら多少ほかが崩れてるのは気にならないんだよね

好きなホラー映画は「REC●」と「ディセント」 男は闘ってガンガン死ね!しぶとくてもいい! ラブコメはどうでもいい!

ナンセンスギャグは好き! ファンタジー好き 友情努力勝利

一方夫はラブコメ割と好きで、本人も恋愛体質でかなりのモテ男ゾンビ物は嫌い。B級嫌い。画質厨。

サイエンスフィクション好きだけど、ファンタジー、スペースファンタジー嫌い。

ホラー悪魔憑き系が好きなのかな。正体が分かってる怪人物は×

こんな二人で先日の「君の名は」を見たんだけど、

3年前だった!って所はおお!っと思ったけど、

なんか二人で会った?なんで出会えてるの?とかなって、掌に名前を書こうみたいな辺りで意味わかんなくなって引っかかってる間に話が進んじゃって

隕石避難させろワーワーみたいなのをもっとメインに据えてほしかった

その後の再開までの話しが長すぎる、そこさらっとでいい

夫「シュタゲでよくね????」

うん、おもしろいよねシュタゲ

でもサマーウォーズよりは面白かったかなあ~

2018-01-04

君の名は。の三大矛盾

超常現象ファンタジー映画なのにガチSF勘違いして考察する奴が出て来る

最後髪型ポニーテルじゃない

あと1つは?

anond:20180103201947

ファンタジーを信じる信じないは各自自由。ただ悪質なファンタジーを見せた奴は非難された方が良いかな。

女性向けの悪質なファンタジーってあるよね。

2017-12-31

(俺が決める)2017アニメランキング (追記あり)

正体不明の連中を集めて組織票させるよりも、一人の人間独断偏見で決めたほうが正しい結果になるのではないだろうか

そんな思いつきから増田代表して俺が今年のアニメランキングを付けることにした。

採点方法

客観的評価個人的評価独自計算式に当てはめ独自方法で算出。

点数は未公開のため傍から見ると100%個人的趣味で決まっているようにしか見えない。

結果発表 上位30作品一覧表

1 メイドインアビス

2 少女終末旅行

3 宝石の国

4 サクラダリセット

5 魔法陣グルグル (2017年)

6 リトルウィッチアカデミア

7 けものフレンズ

8 キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series

9 エロマンガ先生

10 ID-0

11 正解するカド

12 GRANBLUE FANTASY The Animation

13 ノラと皇女と野良猫ハート

14 有頂天家族2

15 終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?

16 昭和元禄落語心中 -助六再び篇-

17 プリンセス・プリンシパル

18 天使の3P!

19 アリスと蔵六

20 武装少女マキャヴェリズム

21 カブキブ!

22 結城友奈は勇者である -勇者の章-

23 異世界はスマートフォンとともに。

24 AKIBA'S TRIP -THE ANIMATION-

25 ナイツ&マジック

26 血界戦線 & BEYOND

27 異世界食堂

28 小林さんちのメイドラゴン

29 この素晴らしい世界に祝福を!2

30 DYNAMIC CHORD

上位5作品へのコメント

優勝 メイドインアビス

 原作付きアニメ至上命題である原作の良さの延長線上を歩いた上で限りなく先までたどり着く』を今の技術でやれる限りやり遂げたひたむきさの勝利ハード世界観に対して可愛らしすぎるキャラクターを生き生きと画面内に描き出していた事が強く印象に残っている。メルヘン世界暮らしていそうな少年少女をひたすら酷い目に合わせてその高低差エネルギー気持ちよくなりたいという原作者アニメスタッフの熱い思いを毎週ひしひしと感じさせていただいた。

準優勝 少女終末旅行

 雪と鉄に覆われた物悲しい世界と、その世界をそっと照らすような少女たちの明るさや緊張感の無さのコントラストが愛おしかった。「月は空に空いた穴だ」とは誰の書いた物語言葉だったか、あの世界において2人の少女はまさに闇に覆われた世界に天の光を漏らす穴のようであった。少女たちの瞳というファインダーを通すことで観測者を失った世界に再び光が当たる。廃墟探索の醍醐味とは、意味の失われた場所意味が再び与えられることにあるのではなかろうか、そんな気持ちになれる作品だ。

三位 宝石の国

 傑作アニメーションである好き嫌いを抜きにして、純粋に今年のアニメで何が一番かを語るのならばこの作品を挙げていたかも知れない。とにかく映像として綺麗なのだ身体宝石でできた少女という設定と、3DCGという表現技法が完全に噛み合っている事も素晴らしい。この作品アニメ化に際してこの表現の仕方を選んだという時点で既に勝っているのだ。そして、勝っている状態から更に何度も貪欲に、ここでこれを選んだ時点で勝っていると言いたくなるような手を打ち、それらを尽く完成させている。今の時代からこそこのアニメは美しいのだろう。3DCGもっと当たり前になった時代でも、3DCGがまだまだ未発達な時代でもこの感動はあるまい。執念とアイディア幸運結晶だ。

四位 サクラダリセット

 ハルキリセットだ。決め台詞と共に世界グルリと巻き戻る。オタクアニメ世界ではもはや食傷気味とも言える時間ループ、その圧倒的すぎる力に対して改めて向き合った作品。大いなる力には大いなる責任が伴う。その責任を前にして、揺れ動く思春期の繊細な心模様。それらを描ききるには、作り手にもまた繊細な神経が求められる。この作品はその点においてしっかりと繊細に作られていた。ド派手なハッタリと、揺れ動きやすく夢見がちとも思える心の機微、この2つが揃ってこそのジュブナイルであり、ラノベアニメなのではないだろうか。ふとそう思えてくるようなアニメだった。

五位 魔法陣グルグル

 一作目のアニメでは4クールかかった道のりを2クールで消化という超特急アニメ化。それでありながら、見ていて不満になるような所はほとんどなく拾うべき所はとことんまで拾っていた。それを可能にしたのは原作や、旧作アニメへのリスペクトなのではないだろうか。OPの演出に見られるパロディ最終話での挿入歌など、グルグルというシリーズが持つ歴史のものを受け止めるかのような作品作りだった。無理なく無駄なく完成された丁寧な作品でありながらも、メタフィクション的なギャグファンタジーに欠かせない遊び心も詰まったナイスリメイク

おまけ

(俺の)今年のアニメのおおまかなまとめ

アニメ作品:約220作品

完走済み作品:約65作品

1話以上視聴:約130作品

視聴時間1話未満作品:約90作品

(ヘボットのような2016年から継続しているアニメがあるためある程度の取りこぼしが予想される)


蛇足(追記)

6 リトルウィッチアカデミア

 日本アニメディズニーになれないのかも知れないけど、日本には日本なりのアニメ作りがある。作中の動画クオリティ視聴者にそう語りかけてくるような入れ子構造有言実行が良い。アニメを題材にアニメを作るとメタの絡み合いが起きるのが面白い

7 けものフレンズ (アニメ)

うーん。この豆腐の白は現代社会の闇を描いてますね。追いかけてくるアライさんはモラトリアムの終わりを、カバンちゃんがヒトではなくカバンちゃんを名乗り続けたのは、現代社会におけるアイデンティティ本質人種や門戸ではなく個々人に宿ることのメタファーですなー。うーんこの豆腐は白いぞー。

8 キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series

 半分新作、半分同窓会といった印象。思い出補正抜きで見た人がどう感じたのかが気になる。あとがきの国とかは原作を知らないと完全に置いてきぼりだし、全体としてファンサービスに力を入れすぎてたような気もする。俺はそれで別に構わんのでこの順位だけど。

9 エロマンガ先生

 山田エルフ先生完璧な負けヒロインっぷりが素晴らしい。エロマンガ先生ルート分岐し終わっている所から遅れて幻想的な告白シーンをかますという手遅れっぷり。ifルート分岐でもしたのかと時系列の歪みを感じるほどに、完璧山田エルフ先生ルート回想シーンが挟まれている。でも既に勝者は決まっているから逆転は無理。気合の入りっぷりと、フラグ状況のギャップに負けヒロインの有終の美が宿っていた。

10 ID-0

 オリジナルSFアニメを1クールで綺麗に纏めている。設定の説明もしっかりされていたし伏線の回収もばっちり。笑いあり涙ありアクション多めでバランスよく必須栄養素が揃って完成度が高い。こういう肩の力入れっぱなしでも抜きっぱなしでもないアニメ個人的には一番見やすい。

11 正解するカド

 ガチガチハードSFかと思いきや恋愛至上主義の如きオチに開いた口が塞がらない。じゃあ納得が出来ないのかというと、あの解法が間違っているとも言えないのでなんとも。やたら恋愛シーンが多かった時点でこうなる事に気づいておくべきだったんだろうね。

12 GRANBLUE FANTASY The Animation

 なんでこの順位なのか自分でも謎。ただ、映像はよく出来てたし、冒険譚として王道を進んでいたし、キャラ可愛いし、OPも魅力的だったし、偏見の目で見なければ普通に良いアニメだった。

13 ノラと皇女と野良猫ハート

 ヤギ。あれでやられた。

14 有頂天家族2

 テンポがいい。中でもヒキや場面転換が上手かった。見てる側が迷子にならないようにしつつ退屈もしないようにコントロールしてくれたので、こっちもテンポを合わせやすかった。

15 終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?

 王道、いいよね。

16 昭和元禄落語心中 -助六再び篇-

 語の上手さに尽きる。

17 プリンセス・プリンシパル

 打ち切りみたいな終わり方だけどあれで良かったのかは自分には分からない。個人的にはスパイアクションを楽しませてもらっていたのでストーリーの方はそのための舞台装置だったと考えればいいかなと。殺陣百合を楽しむ作品だったんですよ。

18 天使の3P!

 小学生は最高だぜ!

19 アリスと蔵六

 小学生は最高だぜ!!

20 武装少女マキャヴェリズム

 ポン刀は絵になる。そこに尽きる。

21 カブキブ!

 歌舞伎っていきなり言われても何のことだがよく分からんから、まずは今風に丁寧に解説してみましょう。を作中でやって作品自体でもやった入れ子構造自分はこういうメタ的な要素に弱いのかも知れない。

22 結城友奈は勇者である -勇者の章-

 女の子を酷い目に合わせまくったらこれ以上酷い目に合わせられなくなった。だから過去編をやったり奇跡的に治したりしてまた酷い目に合わせるよ。いいねえ。やりたい事がハッキリしてるのは大事な事。

23 異世界はスマートフォンとともに。

 異世界チーレムの解体ショー。段々失速したのは個人的はいただけないのだが、それも計算の内なのだとしたらまことに恐ろしい作品である

24 AKIBA'S TRIP -THE ANIMATION-

 古さを懐かしさと感じられるかどうかが試される。どっちかというと、懐かしさの正体が古さだと直視した上でそれを良しと思えるかどうかが試された。

25 ナイツ&マジック

 異世界で僕だけのロボを作って飛空艇を倒そう。シンプルだけどいいよね。やりたいことがハッキリしてる。

26 血界戦線 & BEYOND

 かっこよかった(小学生並みの感想

27 異世界食堂

 おいしそうだった(小並感

28 小林さんちのメイドラゴン

 カンナちゃんがかわいかった(小並感

29 この素晴らしい世界に祝福を!2

 別に無理せず前と同じようにやればいいってことをスタッフ理解してたので勝ち。平常心平常心

30 DYNAMIC CHORD

 「ダイナミックだよね」「ダイナミック」(ダイナミック同士多くを語らない)

anond:20171231111303

守り人の三作目の「夢の守り人」を思い出した。

貧しい農村まれで一回り以上年上の男と結婚させられる事となり、今後は働きながら子供産んで育てて貧しいまま死ぬのであろうと言う人生絶望した少女カヤと、

かつてカヤと同じような人生を歩んで絶望し、そこから逃げて呪術師としての遣り甲斐のある人生を得る代わりに

その代償として普通人間としての人生は失った若きトロガイと、

トロガイと同じように「普通の人の人生から外れた人生を歩んでいる(但しトロガイと違って自分でそれを望んだ訳ではない)主人公バルサと、

そんな庶民たちと比べたら王妃として(客観的には)遥かにまれ人生を歩んでいる筈だが、子供依存していて

子供が死んだ事で絶望している一の妃

という、子供を産んだ女と、産まなかった女と、産んだけど子が死んだ女の人生の対比が印象的な話だったな。

都合よく「子供を産むのが一番の幸せ」とも、「子供を産まないで自由に生きるのが幸せ」とも結論付けず、

どちらも幸せもあるが辛い事もある(と言うか概ね辛い事の方が多い)、と言うリアリティある描き方で、

児童書としては救いがなさ過ぎるんじゃないかとも思うけど、小学生のうちから女子が読んでおくべき話だよなーとも思う。

「お姫さまは王子さまと結婚して幸せになりました」や「自由結婚出産も当たり前のように手に入れて幸せ」と言う

ファンタジーらしいファンタジーだけではなく。

anond:20171231105944

女性作家ファンタジーで、そういう子供が女の腹からまれて来るのではない設定にしてるのって

出産から逃れたい女の欲望がもろ表れてる感じがする

子供は女の腹からまれる」というリアル設定を守るなら

主人公がまだ幼い少女でそこまで考えなくて良い状況にするか

姫嫁もののように子供は産んだとしても自分で育てなくて良い(乳母使用人がいて当然の)身分にして、出産シーンはリアリティを出さずにすっ飛ばすか

守り人みたいに主人公は年食っていても結婚出産もしない故にそこから逃れられているという設定にするか

(その場合、他の脇役の女の多くは皆家庭に縛られてて主人公のような人生は生きられていない…となるんだけど)

庶民女の結婚出産物語性のある人生って、なかなか両立して描けないよね

2017-12-29

 二次元依存するオタクほとんどは、全員がそのまま死んでいく──。その言葉を聞いて呆然とした。どこにもないファンタジーを信じて、現実をなにも知らないまま死んでいくのはあまりに淋しくないか

(「はじめに」「 秋葉原中年童貞天国 」より)

anond:20171229093511

そうなんだよなー。弱者男性を(強者男性弱者女性を養っている程度に)養わないなら、強者女性が現れるほど、弱者男性が救われないって事になってしまう。

若い男性におかれましては、まぁフェミには反対しておいた方が得って事になる。自分強者になるか弱者になるか分からいからね。

(ただ結婚適齢期男性においては、フェミ的な思想中年女子向けファンタジーは一応把握しておいて、尊重できるようになっておいた方が結婚生活うまくいくと思う)

灰と幻想のグリムガル」とか「クジラの子らは砂上に歌う」とか、

FF2とかロマサガのような大人ファンタジーという感じで、いいな。

こういう萌え萌えじゃない絵柄でちょっぴりダークな路線アニメは他に何があるのだろうか。

異世界シャワー」は表現として雑(雑であることが悪いとは言ってない)

JKハルシャワーうんぬんについてそれはもう十人十色の反応で見てて面白いけど、山本某の批判無理筋ってのはその通りだとしてもディティールが雑ってのは言い逃れ用のない事実だと思うんだよね。

ただ、あの物語においてそもそもそんなディティールにこだわる必要性があったのか、ディティールにこだわることでクオリティが上がるのかっていうのはある。

異世界シャワーがあるのが自然か不自然かは個人感覚しかないけど、シャワーという表現に対していわゆる現代的なシャワーからシャワー類似した異世界独自の何かの可能性の示唆まで見てるとハルシャワーを浴びる場面っていうのは人それぞれで想像する絵が違うんだろうなって感じるし、自分なんか結局その絵そのもの想像できない。

このへんのどんな絵を想像していいのか分からない、そもそも想像する必要すらないことを手抜きとか雑って言えばそれはその通りでしかない。

○○時代にはシャワーの原型があったとか、○○したら簡易シャワーなんてすぐにできるとか、そういうシャワーらしきものの話が出てくれば出てくるほど逆にシャワー一言説明をすませたのは雑だってことになる。不自然かどうかじゃなくて解釈の幅の広い単語を前振りなく出してきたって意味で。

けど、じゃあそれによって物語の本筋を理解することに影響があるかって言われたら全くない。本筋に関係ないことに説明の尺を取られてしまうとその分だけテンポも悪くなるわけで、小説特にした方がいい手抜きとか読者が好きに想像していい部分ってのはある。シャワーはそういう部分だったってだけだ。

実際あそこの場面でシャワー説明なんかされたらはぁ?ってなるだろうし。

でも、同時にそういう本筋と関係ないことがひっかかって先に進めない人がいるのもわかる。

なんか人気で映画にもなった「博士の愛した数式」って本があるんだけど、あれ興味があったけど本は手に入らなくて当時の通ってた図書館で聞いたら掲載された雑誌ならあるから貸し出してくれることになったのね。そしたら超すごい数学者記憶障害があっても数学のことだけはスラスラ解けるみたいな博士が、一番好きだったはずの素数の話をする場面でその素数定義を間違えるっていうクソみたいなミスしてたんですよ。本になったときに直されたみたいだけど。

まあ個人的にはふーんてなもんだけど、ガチ理系からはあれで完璧にしらけたという評価を頂きました。(そのほかの部分についても博士理系じゃない人間想像した理系って感じで違和感しかなくて血の通ったキャラに見えなくていまいちだったらしい)

から見たらささいなことでも、特にそういった方面知識があると、そういう些細なことこそ本当は違うのにっていう部分が気になって(まあ今回の場合は本当なんてものはないけど)話に入り込めないなんてことは普通にあるわけで、そういう観点から見たとき別にあのシャワーってシャワーである必要性は全くないんじゃないかと思うんだよね。体洗ったって話ができりゃいいんじゃない?と。

その本筋とは無関係の雑さによって顧客を逃していたとしたらもったいないと思うし、シャワーを体を洗ったと書いたところでそれこそ本筋の面白さに影響なんてないんだから、そこはそれこそそういったSFファンタジーオタクを見てきた編集者とかがアドバイスしてもよかったのかもしれないね、とは言えるかもしれない。

ただそれは「こうしたらもっとよかったかも」という話でしかないし、それが正解だとも限らないわけで、ダメな点では決してないと思う。

あとこれも本題関係ないけど「シャワーがあってもおかしくないだけの説明がある」(から雑じゃない)という反論についてはそれってあの世界は雑な世界ですと説明されていると言ってるだけで雑であることそのもの否定にはならないよなーと思う。雑であることそのもの意味があるとか雑であっても問題ないっていう反論はとてもよくわかるし同意するけど、説明されてるからセーフっていう論調は雑な説明と雑じゃない説明がある以上それだけだと雑であることの否定はできない。

2017-12-27

anond:20171227122922

たぶん例のアレことなんだろうけど

ファンタジーとか言いながら実在する特定世界価値観に寄りすぎてるから

世界自体が作り物の書き割りみたいに見えて、そうやって突っ込まれるんだろうね

世界観から緻密に練り上げる本格ファンタジー

適当な「剣と魔法世界」ってだけのライトファンタジーの違いって

ファンタジーオタクの間では散々言われてる事では

んでファンタジーと言うからには本格ファンタジーしか認めん、って人もいる

JKハル場合文章崩壊とかあってそれ以前の問題らしいけど

あれ、以前に増田で絶賛してる人いたよなー

別にステマとか言いたいわけではなく、それだけ人気あるから商業出版されたんだろうが

恋空みたいなもので、あくまweb小説であって本格小説と思って読んじゃだめなものだったんだな

「そういう世界から」を描ける人描けない人

「この世界人間の他に、動いて喋る二足歩行アンパン天丼カバがいます!でも犬は喋りません!特に理由はないけどそういう世界です!!ファンタジーから!!分かるね!!?

って納得させられる力量を持つ作り手と

中途半端リアリティライン設定しちゃって「そういう世界」を描ききれずに

舞台は○○世紀の××国っぽいけど何でじゃがいも出てきたの?当時の××国にじゃがいも流通してないよ?」とかツッコミを入れられることになる


ただ、

作り手はちゃんと「そういう世界」を描いているのに

「そういう世界」を読み取る力のない人が「何で犬だけ喋らないの?何で動物に混ざって人間がいるの?何で?何でアンパン首取れても平気なの?何で何で何で?伏線収回いつ?世界観説明回は?合理的説明は?イミフイミフ現実的じゃない!駄作だ!!」とか言うパターンもあって

なんなんだろうなあれ

幼少期に絵本をどれだけ読んだかどうか、みたいなのが関係してるんだろうか

動物二足歩行で服着て喋って料理する話もあれば人間ペットに甘んじてて全然喋らないのもあって

話によって全然違うわけで

あいうの見て育ったら作品によって作中世界の常識が違うことくらいスッと受け入れられると思うんだが

なぜスターウォーズ 最後ジェダイダメなのか

※ この記事にはネタバレが含まれています

公開初日最後ジェダイを見て来たのだが、何とも言えないモヤモヤが残り続け

自分の中ではずっと評価保留になっていた。

色々と他人感想を聞くにつれ、モヤモヤの正体が見えてきたので聞いてほしい。

前作であるep7「フォース覚醒」はパーフェクトではなくとも、それなりに楽めた。

ep6「ジェダイの帰還」から作中でも実世界でも30年越しの新作、ファンとして興奮しないわけがない。

ep7を鑑賞した後、次回作の展開について頭の中で空想を巡らせた。初めてスターウォーズを見た子供のように。

レイスノークの正体は?ルークはどんな活躍をするのか?カイロ・レンはアナキンの後継足り得るのか?

今になって思えば、公開前までが一番ep8「最後ジェダイ」を楽しむことができた、幸福時間だった。

実際にep8を鑑賞すると、想像していたような展開は何一つとして実現せず、常に観客の裏をかく脚本に仕上がっていた。

もちろんこれは意図的路線変更であり、明らかに過去作との差別化を目指している。

過去キャラクターとの決別や「お約束」の排除、「神話」と揶揄される古いヒーロー像の否定・・・

これらは確かに旧作ファンからすると寂しいものがあるが、私は実のところこういった「テコ入れ」は嫌いではない。

少し話が逸れるが、私はスクリプトをこねくり回すような職についていたことがあるのだが、

国内外わずシリーズものが強いコンテンツ業界においては「テコ入れ」や「リブート」は必須スキルだ。

これは持論だが、テコ入れはいくつか定型パターンがある。

構造の変更」とは例えばギャグ漫画がバトル漫画になったり、

冒険譚が日常系になったり、物語フレームを取り替えてしまう。

舞台の変更」とは例えば現代の話が江戸時代タイムスリップしたり、

SFになったりファンタジーになったり、「海外編」が始まったりする。

キャラクターの変更」とは例えば敵キャラ主人公に抜擢されたり

性別を変えてみたりキャラクター解釈を変えてみたりキャッチーな新キャラを登場させたりする。

演出の変更」とは絵柄や作画担当を変えたり、アニメ化実写化もこれに当たるかな?

そして最後に「抽象度の変更」、これは物語リアリティレベルを変え、

リアルハードストーリーになったり、逆にマイルド子供向けになったりする。

ep8の「テコ入れ」で大きいのは「キャラクターの変更」と「抽象度の変更」だろう。

ep8ではジェダイ血筋神話性を否定し、これまで凡俗とされていた人々にフォーカスを当てた。

正直、このタイプテコ入れは大好きだ。大好物だ。

X-MENの新作「ローガン」では今まで考えられなかったウルヴァリンキャラクター性と生き様を描き、

シン・ゴジラ」では原点回帰意識させつつ妙なリアリティ説得力を持って庵野ワールド表現している。

しかし、ep8はどうだろうか。

本来この方針で行くならば徹底的にリアリティを追求して凡俗な者たちの力で泥臭く物語を進めたり、

新世代のジェダイ」は「滅びゆくジェダイ」と全く違う描き方をすべきだった。

凡俗な者たちの人間ドラマについても群像劇なりに感情移入できるだけの脚本力が欲しい。

しか実査には御都合主義的で破綻した脚本感情移入できないキャラクターたち、

とりあえず性別は変えたが扱いに困る「新世代のジェダイ」。

これが自分の中のモヤモヤの正体だった。

ついでに書くと、この方針転換はep7からやるべきだった。

ep7では旧作を意識した作りをして、旧3部作を踏襲するかのように思わせておいてep8でどんでん返しを決めた。

かに驚きはあったが、仮にep8の物語が上出来だったとしても幸福裏切りにはならなかっただろう。

最後に望むのは、ep9がep8の「テコ入れ」を上手く回収し、ep7からの3部作を「名作」たらしめて幕を下ろすことだ。

2017-12-24

ファンタジー世界の剣と魔法戦場の主役足り得るのはどの時代までか

最近ようやく最終巻を買ったのでこの際だからゼロの使い魔最初から読み返してる

ゼロ魔世界って三銃士元ネタにしてる部分が大きい

三銃士時代って世界史的には三十年戦争辺りになる訳だけど、あのくらいの時代ってなんというかちょうどいいとゼロ魔読みながら思った

ファンタジー小説って剣一本でズバズバ大勢をやっつける凄腕の戦士魔法使い戦術兵器さらに凄い戦士魔法使いだと戦略兵器扱いされてたりする訳じゃん

でも近代的な武器大軍運用するノウハウが出揃ってくるとそういう人達って相対的地位が下がっていく

個としての強さよりも数を揃えることとそれを運用することの方が重要になってくる

もちろん魔法や個として飛び抜けて強い人を近代的な戦術に組み込んでいく事は当然あると思う

でもそれってファンタジー世界の剣と魔法、分かりやす英雄譚としてのそれではなくなる

戦車魔法兵の話とか面白そうだけど、どう考えても泥臭い話になるじゃん

ゼロ魔主人公である才人は作中である事情から7万の大軍と単騎で対峙することになる

その結末は一応ネタバレになるからさておくとして、それがお話として成立するのはゼロ魔世界観文明レベルくらいが限界だと思う

そういう意味でもゼロ魔世界観の扱い方は凄く上手いなぁって思う

プロに上手いって偉そうだとは思うんだけどそれ以外の表現が思いつかない

コンパクトにまとめた世界観に色んな要素を詰め込んでる

惜しい人を早くに亡くしてしまったのだなぁと改めて思った

山本弘批判はどこが的外れなのか

https://togetter.com/li/1182893

 

シャワーはあるけど、コンドームはない(代わりにスキネ草がある)

コトが終わった後、「シャワーを浴びて」という文章に、思わず突っ伏して笑った。あるのかよ、異世界シャワーが!?

世界を描くにあたって現実世界と違う文化小道具を出してそれを表現するのは効果的だ。だからJKハル』においては書き出しでコンドームが草だということにハルが草を生やしている。

 あたしがこっちの世界に来てまず一番ウケたのが避妊具が草ってことで、「やべ、草生える」って爆笑したら、「生えませんよ」とマダムは真顔で言った。

「スキネ草も知らないの? もうかれこれ30年も前に錬成されてこの辺じゃどこの薬草屋にも売ってるけど。ずいぶん田舎から出てきたのねえ」

 スマホどころかネット電話も、そもそも電気もねぇ車も走ってねぇの世界の人によりにもよって田舎呼ばわりなんて、東京のみんなマジごめん。都市辱だよね。

避妊具が草という異世界文化が示され、ハルが「草生える」という日本スラングで応じる。するとマダム田舎者扱いされてしまう。異世界より文明の進んだ東京から来たというのに! この異世界現実世界文化が二度にわたって対比される冒頭は、普通に読めば相当ウィットに富んでいると思うが、しか山本はここを無視してシャワーがあるというだけで異世界想像力に欠けていると文句を言う。難癖もいいところであろう。

 

「異世界現実世界と変わった世界でなくてはならない」という不思議な信念に囚われているのは山本弘の方

問題書き手の側が、「異世界現実世界と変わらない世界でなくてはならない」という不思議な信念に捕らわれてるってことなんだよな。そんな意味のない縛りをはずしたら、もっと自由な話が書けるはずなのに。

「そんな意味のない縛りをはずしたら、もっと自由な話が書けるはずなのに」と言いつつ、他作家をそんなマイルールで縛ろうとし、不自由を強いてくるのは何なんだろうか? 自分勝手自分作品にそれを課していればいいだけであって、それをもって「想像力貧困小説」だと他作家作品批判するのは筋が悪すぎる。

山本は「わざわざ異世界に行く必要ないんじゃね?」と言うが、『JKハル』が異世界に行くのはもちろん理由がある。

ひとつは、「過酷男尊女卑世界東京JK娼婦となってサバイブする」というシチュエーションのためだ。これを現実世界でやろうとすれば両親の存在児童養護施設といった社会的セーフティネットを何らかの形で消化しないといけないし、ハルは18歳未満なのでソープで働けないという問題クリアしないといけない。自らウリをやるか非合法施設で働くとかそういう話になるが、そんなことを話の俎上にあげれば『JKハル』の主題からどんどん離れていってしまう。『JKハル』が描こうとしている話をやるためには誰もハルを助けてくれない異世界に放り出されるのが手っ取り早くかつ妥当なのだ

理由はもうひとつある。それは『JKハル』が異世界生モノへの批判と愛を内面化したメタ小説だという点だ(と書くと、「異世界生モノ馬鹿にしているのか」とか「異世界生モノメタったなろう小説はいくらでもある」とか怒り出すやつがいるが、別にそういう話はしていない。『JKハル』もまたメタ世界転生の要素をもった作品で、その消化の仕方が独特だというだけである)。これは読めばわかるし、既に指摘した感想なり論考がネットにあるため詳しくは解説しない。

 

JKハル』におけるセックスは抑圧や一方通行的なコミュニケーション象徴として描かれている

せっかく異世界なんだから魔法を使ったすごいセックスとか、非ヒューマノイド型のモンスターとのセックスとか、いくらでも突拍子もない想像力あふれるセックスが描けるだろうに、何でこんなつまんない当たり前のセックスばっかりなの?

これこそ山本弘の「想像力貧困」で、かつ『JKハル』が描こうとしているものをまったく理解できていないことを自ら告白する一文であろう。

JKハル』を読めば誰もが当たり前に理解することだろうが、あの作品別に魔法を使ったすごいセックスとか、非ヒューマノイド型のモンスターとのセックス」を描こうとしていない。そんなことを言い出してしまうのは戦国時代タイムスリップする話は常に現代兵器を持っていくべきなどと言うぐらいおかしな話であって、別にそういう話があってもいいが、全ての作品がそうあるべきと言ってしまうのはただの暴論だ。

JKハル』におけるセックスは、暴力的で抑圧的で一方的コミュニケーション象徴である男尊女卑の行き過ぎたあの世界で、多くの男性客はハルを含む娼婦暴力的セックスをする。実際に暴力を振るわれることもあるし、もっと屈辱悲惨なことさえ起こる。しかハルあの世界の女性たちは挫けず前向きに生きていこうとする。あの作品セックスが描かれるのはそういう意図から発したものであって、かつその構図を純化して描くための異世界でもあるのだ。

また、ここで言明しておきたいが、男は常に悪者とかそういう話ではない。

JKハル』が批判なのは他者理解しようとせず一方的コミュニケーションを取ってしまう者であってそこに男女の区切りはない。

物語の序盤では話を聞こうとしないシスターハルがめんどくさそうな態度を取るし、何よりハル自身が、もうひとりの主人公とも言える千葉に対して無理解であり、そのことを別の女性キャラクターに指摘されるくだりがある。『JKハル』が主人公女性をひたすら称揚し、男性であるというだけで批判する話でないことは、念のためここに付記しておく。

 

SF」や「異世界ファンタジー」にかぎらず、かくあるべしと古典を持ち出すのはただの老害である

もともと現実逃避のはずの異世界転生小説が、なぜ現実から逃避しようとしないのか?

いつ異世界転生小説現実逃避小説であると決まったのか。またそうであったとして、異世界舞台現実と戦う小説を書いてはならない理由はなにか。

SF」の古典に未知なる想像力を描いた作品があることは疑いようのない事実だが、それをもって「SF」は常に未知なる想像力を描くべきというのは暴論だろう。

また、未知なる想像力を描いた「SF」や現実世界とは違う異世界描写をした「ファンタジー」が素晴らしいというなら作品で訴えてこそ作家ではないのか。それを広く世に示す作品が書けず、あまつさえ他人作品の狙いや意図理解せずに古典的名著を棍棒にしてただ殴りかかるのであれば、山本には小説家としての矜持能力がないと言わざるをえないし、作家としての筆を、今すぐにでも折ったらいいのではなかろうか。

 

それにしても、一方的コミュニケーション批判的な視座を持つ『JKハル』に対し、作品理解しようとせずマイルールを押しつける山本弘は、作中2話に出てくるモブおっさんそっくりで、非常に皮肉が利いている。

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