はてなキーワード: 市場原理とは
情報システムに限らず、公共設備ってのは、建築と同じやり方で作ってる。つまり、作る前に業者が入札をして、落札者がその金額で作って、契約のメンテやアップデートも行う。
でもさ、もう契約してるのにシステム改良したりしないだろ? 入札時に技術コンテストするわけでもないし。実績の書類だすどけで。
だから、まず事前入札をやめる。
入札参加者には全員、モノを一回つくってもらおう。完成版を見て審査し、メンテやアップデートの契約も対処する。ただで作れは無茶なので、最初の一回は参加だけである程度工賃を払う必要があるかもしれんな。
メンテの入札も年に10年とか5年とかやめて、1年ごとぐらいで。その時にも今より良いシステムつくりました! という人にだけ入札権があることにする。
これでどう?
作る側には厳しいが、普通のダウンロードアプリのランキングどうこうもまずは作ってからなんだし、そうしないと市場原理が働かないと思うんだ。
「酷い目」って言うけど、別に殴る蹴るされたわけでもないのにぎゃあぎゃあ騒ぐなって。「女とみればマウント取る」奴が後を絶たないように「女とみればご機嫌うかがう」奴も後を絶たないからしょうがねえな。女だろうがなんだろうが、「ありうる範囲内で社会的に起こりうる範囲のことが起きた」に過ぎないことを、子猫か赤ん坊をあやすように言うのはオレは間違いだと思うね。
マニア向けの専門店なんて特殊な場所に決まってんだろ。「お客様」なんて通用しやしない。レアもの扱う同人ショップであれ文化財級の品を扱う古道具屋であれ、そこはおんなじだ。「客」でなく「司祭から神の秘蹟を授かる信者」のごとき姿勢と態度で臨んでようやく、なんだよ。恭しく、慎んだ態度で、おそるおそる「拝見させていただく」し、「金出すから売れ」じゃなくて「しばしの間お借りさせていただく保証としてお金を預けさせていただきとうございますよろしいですか」って世界なんだ。そこに男だの女だの関係ねえや。たとえばそのレトロゲーム屋にチャラ男が入ってきたら同じくらいのレベルで警戒されるか追い出されるかするんだろうし、古道具屋に明らかに値打ちの分かんなそうな偽物のブランド品身に付けた阿呆が札束切りながら入って来やがったら謹んで無難にお帰りいただき申し上げるとこだろう。間違っても目玉の品なんぞ見せないよ。「心ある」店なら当然のことだし、そういう心意気で店ってのは守られるんだ。市場原理が働かない狭い世界における経済ってのは、信仰と交流に基づく飛躍なんだよ。
まあ、その店主が「レトロゲーム好きの女子高生がいる」と思わなかったのは認識の不足ってやつかもしれないが、「レトロゲーム」という時点で、そこそこ金のある好事家で、年は40以降がメインターゲットってことなんだから、それ以外の一見の客なんざ8割方不審者と思われて当たり前だよ。元増田だって、いくら金があって物好きでも、国宝級の古道具屋扱う店にふいと入ってじろじろ見回して歓迎されるとは思ってないだろうし、たとえば北欧輸入の素朴な赤ん坊用品店にどう見ても未婚の学生オタクみたいな奴がニヤニヤうろうろしてたら『ちょっと店員さん声かけて追い出してくんねーかな』くらい思うだろう。「敷居が高い」ってなことを昔はいったね。今はそういう感覚がねえんだろう。だが、そいつは結構大事なもんなんだよ。
元増田は、声かけられたときに「金ならあります」、これがまたダメだったね。金の問題じゃねえんだ。言うべきだったのは「レトロゲーム大好きなんです! ○○の○○とか好きで、今日はその実物だけでも一目見たくてこの店に来たんです。いつかお金貯めて買うのが夢なんです。」ってな感じだ。金じゃなく信仰を語らなきゃ。それならまだ目はあったさ。「へぇ、本当かい。その年で○○なんてよく知ってんな。ふぅむ。なんだい、見たところ若いのに何でまたこんなのに興味をもつようになったんだね」てなもんだよ。分かるかい。
だから、元増田がしたのは「酷い店で酷い目にあった体験」じゃなくて「社会勉強」てもんなんだよ。「良い勉強したな、次は参考にして出直してきなっ!」ってな。それを「ヨシヨシいいこいいこ」して台無しにしやがるのは、ちょっと感心しないね。まこと野暮の極みってもんだ。精進しなよ。
生産者です。初めて書いた匿名ダイアリーがホッテントリ入りしてびびってます。
コメントが1つでも付くといいな、くらいに思っていたらたくさんコメントいただきましたので、いくつか返答しつつ、こういう情報にも需要あるっぽいんで、あとちょっとだけ書きます。
ありがとうございます。バンバン書いたら、読む人置いてきぼりな長文になっちゃったんで、だいぶ縮めました。
元増田さんの内容を読んでいて、風に言及するのは珍しいな、と思ったので私も書いてみた次第です。
乾燥にも重要なんですが、光合成にも必要なんです。というのも、気孔から二酸化炭素を取り込むのに、葉の表面にびっしりとあるトリコームが邪魔になるんですね。たとえば、マスクをしたら呼吸がちょっと苦しい、みたいなもんです。風を送る事で、比較的二酸化炭素の多い空気を、植物体表面付近の、二酸化炭素が少なくなった空気と入れ替える事ができるため、光合成を促進すると考えられています。
喜んでるけど、すぐ枯れた方がたくさん売れるぜ~系の生産者の方が儲かってシェア取っていくんだろうな~ってのが市場原理の皮肉…。
そんなもんです。でも、うちで育てたのは長持ちって評判を聞くので、それだけでまぁいいかなって気分になります。
ありがとうございます。このコメントが一番うれしかったです。
ごく薄く薄めた液体肥料をたまーにやるくらいで十分です。水分を取り込む時に、一緒に養分も取り込んでます。根は、固定のためだけ、という説もありますが、実際には水分・養分も吸収しているらしいです。
着生している木に落ち葉や虫のフンが貯まる所が出来る→微生物によって分解される→雨と混じって液肥の出来上がり→木を伝って垂れてくる→エアープランツたちが吸収
これが、種(タネ)の戦略にも影響していて。いわゆる「種」のイメージって、養分たっぷりですよね。でも、エアープランツ…というか、着生タイプのチランジアの多くは、種には養分が少ししか含まれていません。
なぜかというと、大量の種を広い範囲に散らばらせ、生育に適した環境に着いた物だけが育つ、という事に最適化されている事が理由らしいです。十分な養分を種に持たせようとすると、たくさんの種を作るにはエネルギーが足りなくなりますので。たとえば上記のように、木を伝って栄養が来る、さらに明るさ・風通しもよい…というような所に着いた種が発芽・生育し、次世代を残す…という事になっているようです。
職業で言うと単に農業になっちゃうんですけどね。農業は副業で、本業はフリーランスでIT関連の便利屋みたいな事をやってます。今回ホッテントリ入りしたのを見た時は、本番環境でやらかしてApacheのテストページしか出てこなくなっちゃった時くらいビビりました。
ですよね。なので、書くかどうか迷いました。英語の発音だと、Trichomeなのでトライコームに近いのですが、エアープランツ関連だとトリコームって書かれる事が多いようです。語源としては、ギリシャ語のtrichoma、毛が生えてる…って意味らしいです。他の植物の、葉に生えてる産毛のような物も同じくtrichomeなんですけど、こちらは毛状突起と訳される事が一般的なんですよね。不思議。
国産だったのか…。
最近は以前よりもだいぶ流行ってるんで、海外から輸入して売ってる所も多いですね。
ごめんね。代わりと言っちゃなんだけど、できるだけ快適に過ごせる環境で元気に育ってもらえるようにするよ。
あとは、個人的に初めて知った時はへぇーーーってなった部分ですが、細かい内容なんで、オタクが早口で何か言ってるくらいに思ってください。
エアープランツの多くは、光合成がCAM型と言って、昼の暑い時は気孔を閉じていて、夜間気孔を開くしくみです。ただ、夜であっても、環境条件が合わないと気孔を開かないんですね。条件としては、外気の湿度が大きな影響を与えています。しかも、ストックよりもフロー重視というか、植物体の持っている水分量はあまり影響を与えないようです。すなわち、十分に水をやっていても、夜間空気が乾燥した状態だと、気孔はわずかしか開かない、という特性を持っています。
あと、昼夜の気温差が少ないと、これまた光合成速度は低下します。植物は、光合成でエネルギーを貯め、呼吸でそれを消費して生命を維持しているので、光合成速度が低下して、生命維持に必要なエネルギー生産量を下回ると、最終的には枯れます。生命維持に必要な量を超えると、超過分が植物体の成長等に使えるわけですね。なので、枯らさない/早く育てる、というのは、いかに光合成に適した環境を与えるか、という事にかかっているわけです。
覆ってた理論は新自由主義。規制緩和や、既得権益者を攻撃し、政府がやることを減らし、何もしなければ景気が良くなる。という理論。もう30年やってたが完全に日本の衰退を作った。
攻撃された既得権益者というのは、単に市場原理に沿いにくく、国の保護が必要だった、医療、介護、教育、児童保護、大学基礎研究、図書館、博物館、そして、労働者という他の庶民。
黒田がちょっとマシなぐらいでしょ。だけど、黒田も金融だけでできることは限られていると白旗を上げている。そりゃそうだ。経済って国全体の金の動きの総和だもの。
金融でできるのは資金調達をしたいというやつに手助けをしてやるぐらいで、そもそも民間企業も家計も資金調達しない基では、政府が大量に借金して景気を支えるぐらい。
ただし、それは財政均衡派の攻撃の的となる。あと、企業が設備投資、研究投資しないのを放置するから、最終的には日本の産業が弱くなり、輸入超過、ひいては経常赤字になる。
上段が「ウーバーイーツ配達員」、下段が「プログラミングスクール講師」
三人ではなしていて、思ったこと。
それは事情を承知しているからで、一般の客からすると単に「覚悟の表明かな?」と
悪い印象は受けないんじゃなかろうか。
実売部数の公表が出版社や書店など業界向けに影響を与える手段だったことを
考えると、実力派の編集者が「明確に見城徹にNOをつきつけます」というメッセージを
意識せざるを得ないわけで。
市場原理のようなマスを変えるためには
直接マスに働きかけるのではなく、一部の少数者による最先端の行動こそが重要で、
それがマスを牽引する役割を果たすという考え方もある。
https://www.youtube.com/watch?v=egaQnwg1qxE
幻冬舎も箕輪も嫌いだけど、この件については箕輪の言うことがもっとも。
「この本が売れなかったら、私は編集者を辞めます。」というコピーって、今回の騒動を知らない一般読者からしたら「?」だよね。
売上という評価軸で幻冬舎や見城に対抗するなら、売るための努力をすべき。
文芸なんて売れないのが当たり前、『日本国紀』やレイシスト本の実売を超える作品がなくても、文化的に価値があるんだということを伝えればいいじゃないか。
「編集者辞めます」宣言で、見城の認識を変えるほど件の著書が売れることはまずない。
幻冬舎憎しのはてなーもブコメでマウントとって満足するだけだから売り上げにはほとんど貢献しない。
見城と津原泰水の喧嘩きっかけで噴き上がった連中が、いったい今まで津原泰水を買い支えてきたのか。文芸を買い支えてきたのか。疑問に思えてしょうがない。
それらと違って門戸広いわりに本当に文字通り教科書読めば、究極的には1年くらいで誰でもできるような仕事がホワイトなわけないでしょ、適正な市場原理
はてなやSNSで意識高いこと言ってる胡散臭いエンジニアが十何年も喚き散らしてる「IPAの国家資格なんて役に立たない」っていうののあれ
コンピュータ科学は難しいとか高度っていったって、IPAスキル4まで計画的な勉強時間取れば、はてなの意識高い系の主要層っぽい高卒や専門のバカだって運の要素を抜きにしたとしても、最短1年でとれるからな(前期APで午前免除でPMとか)
FEとかやたらバカにされてるけど、じゃあアンタFE持ってんの?ないなら今年取れるよね?簡単ならっていうと発狂して取り巻きファンネルでセコい叩き始めるでしょ、業界通のブロガーエンジニアとかw
ぶっちゃけて言えば、金にならないクソみたいな学問分野でも教養2年、専攻2年で4年学んで、研究して卒論だして、ようやく入り口に立てるくらいというのに、CSとか全然そんなことないっしょ?象牙の塔でやってるCSに関しては、そりゃ凄いと思うけど、在野のカスがいくら喚いたって、IT後進国なんだから、OSSなんて誰でも見れるようなコアコンピタンスでさえない技術を極めて、金になると思ってんの?
こういう構造に気が付かないと本質が見えてこないし、聞こえない見えない主語がでかいって不安感抱えて喚き続けた結果が、今のIT業界なの、おわかり?
「周囲が引く」とかのマナーの問題にしかできないなら論じるべきではない。いわゆる「お気持ち」批判を受けるだけ。
まず最初に問題にするべきは法律とローカルルール(具体的にいえば、それが「色紙禁止ルール」「一点物禁止ルール」のある即売会かどうか)だよね。
勉強会出てればこんなことより先に問題にすべきことが多々あるってわかる。
(デゼニとかなま物とかジャンルによりやっていいこと悪いことがあるのはわかってるだろう)
個人的オークション売買も(めだたないところでやる分には漫研女子ケースと同じだと思うが)、
虹絵ってわかる状態でやってるなら
そもそも「著作権法上の」違法性を問題にすべきものではないし実際とりしまってるケースでもその他の法律ですでにやられている。
そもそも、あなたは公式トレスと画風があきらかに違う二次創作とを一緒くたにしてるのでは。
本人作品と銘打ちまたはまぎらわしく出品したら、
ジ●ンプなんかも荒木先生画業●年おめでおめでとう色紙っつって徐々キャラを他人が書いた色紙を読者に配ったりしてるわけで。
(●ルトか●ンピだったかもやってたと思うよ)
これもカネ、人気トリ案件だよね。
「色紙がイヤだ」「カネがイヤだ」っていっしょくたに捉えるまえにもっと勉強しなよ。
もともとの事件をよくしらんからすでにやってそうだと思うんだけど
「※色紙の絵はのちに等倍でフルカラーイラスト集同人誌に収録します」
ならなぜか落札価格も安くなり、なぜか色紙だけ高いとの文句もなくなるんだろ。
待てばだれだって手に入るんだから待つわって人とその二次創作者は神だから指紋にお金積むわって人、両方すみわけりゃいい。
今どきはアニメDVDだって初回限定サイン色紙つきボックスと普通のバージョン、amazonだってどこだって両方取り扱って選べるようになってる。
色紙だけが高いことがなぜそんなに気に食わないのか。原本だからか?市場原理だからか?
そもそも高いってどんくらいなの、1兆円くらいなの?
元増田みたいに「同人誌は安いからいい、高い色紙のみが問題」っていってるのって、
自分が市場についてよく考えもせず感覚だけで「上の人」だの「みんな」に文句言いたいだけの怠慢じゃないかね。
市場の勉強も即売会からの指導だのツイッター経験談などの形ですぐ手に届くところにある。
無知で無茶なとびこみやらかしは2度めはないなーとおもって眺めてりゃ勝手に潰れるだけだし。
買いたい本人にとって金を出すのが合理的ならはたから何をどういってもネタミヒガミでしかない。
売る側にそれだけの作品の力や価値があって直接取り引きすること自体にはマナーなぞ愚痴にすぎず直接規制はかけられない。
あと、元増田はたぶん腐女子女性だと思うんだけど、男子オタクどもはもっと先鋭化してるだろ。
犯罪スレスレとかズバリ犯罪もいる状況でマナー云々いってもうけつけないわけで、
「これが男子オタク相手だとしてお気持ち、マナーをいって通じるかな。
とはいえ家の断熱性能というのは、住んだ後に実感できることです。
そのため今の住宅業界は、見栄えだけをよくして、買った後のことを軽視するハウスメーカーが有利な状況です。
そこで、欧米から遥かに遅れてようやく日本も住宅の性能基準を2020年に義務化すると発表してきました(省エネ基準適合義務化)。
ところが。
これが見送りになったようです。
普通は住宅の性能を担保できないような業者は市場原理によって淘汰されるものだと思います。
ただしこれは消費者に適正に判断できる情報が与えられていて初めてできることです。
結局、家の温度環境の良さは一見しただけではわからないため、みてくれだけを良くして購入者を騙す会社が今後も有利になってしまいます。
自販機でペットボトルの水を買ったら、中味は水道水だったって感じですね。でも水として売っているので嘘はついていません。
一応、省エネ基準に適合するかを“説明する”ことが義務付けられるようですが、家の見た目だけを良くするような会社が果たしてどんな説明をするのでしょうね。
さて、このエッセイについて
作家の森下くるみさんが過去に出演したアダルトビデオの二次利用としての配信販売の停止の依頼をしたという内容です。
これについて、以下のようなブコメがあり、スターを多く集めていました。
b:id:aramaaaa これは微妙な問題を含んでいて、通常の映画作品で出演者の誰かが販売を停止したいと考えた場合できるのかってこと。AVとはもちろん若干違うのだが、法律上は同じ「映画の著作物」ではないかと思うので
b:id:unfettered アダルトだけに、この行為は理解できるものの、今後あらゆる表現物が、出演者の「忘れられる権利」によって廃盤にされたり本人出演シーンにぼかしが入れられたりすることにはならないか、が心配。
確かに、こういう点は気になるかと思います。ですが、結論から言うとそのご心配は「杞憂」です。アダルトビデオを含む「映画の著作物」は、通常は出演者の意向によって廃盤になることはありません。
アダルトビデオといえども、著作権法上における「映画の著作物」であることは基本的に否定され得ないですが、その出演者であるAV女優には、出演したアダルトビデオの著作権は別途契約上の定めがない限り与えられません。
しかし、このような「映画の著作物の出演者」を含む「実演家」に対しては、著作権法は「実演家の権利」を与えています。
例えば、著作権法91条1項は、実演家の有する「録音権及び録画権」について次のように定めます。
これによって、AV女優は、アダルトビデオのメーカーに対して、自らの演技を録画させることを許諾することができるわけです。同様に著作権法は実演家に対して「放送権及び有線放送権(テレビ・ラジオに限りネットは含まない)」「送信可能化権(平たく言うと、ネット配信のためにデータをサーバにアップする権利)」「譲渡権(録音物録画物の頒布の権利)」「貸与権(音楽のみ。映画は含まない)」を与えています。
そうすると「なんだ、実演家の権利で簡単に出演作の販売差し止めできるじゃん」と思うかもしれませんが、話はそう簡単ではありません。
「映画の著作物」に出演した実演家の権利は、著作権法は非常に厳しい制限をかけているのです。
先ほど上げた実演家の録音権録画権に関する著作権法92条2項は以下のように定めます。
前項の規定は、同項に規定する権利を有する者の許諾を得て映画の著作物において録音され、又は録画された実演については、これを録音物(音を専ら影像とともに再生することを目的とするものを除く。)に録音する場合を除き、適用しない。
どういうことかというと、映画のサントラに映画の音を録音する場合を除き、「一回出演OKって言ったら、その後あんたの録音権録画権を行使する機会はないからね」という意味です。つまり、昔だったら録った映画のフィルムを複製するのは映画会社の自由だし、いわゆる二次利用のためにビデオテープやDVDを作りまくるのも許諾なしにしていい。加えて、先程挙げた「放送権及び有線放送権」「送信可能化権」「譲渡権」全部そうです。つまり、撮影時のギャラだけ払って撮影OKと言ったら後は著作権者は二次利用し放題、再放送も映画専門チャンネルでの配信もパッケージソフトの販売もダウンロード販売も自由ということです。
なんでこうなっているかというと、まあ、映画産業においてこれを俳優に与えていたらとてもじゃないけど産業が成立しない、ってことなんですけどね。もちろん契約で上書きすることは可能ですけど、そんな面倒くさい俳優使う理由もないですし(大物になれば別かもしれませんけど)。
#ちなみにワンチャンス主義の適用のない音楽業界はどうかというと、これは録音時にレコード会社が「実演家の権利」を買い取ってしまうのが通例です。こっちはこれでなんで問題にならないかと言うと、まあ、そういうもんだで通っているからですかね。
というわけで、「映画の著作物」は、「通常の場合」出演者の意向によって廃盤になることはないのです。
とはいえ、もちろんこれは「出演に同意があった」場合の話です。昨今問題になった「出演強要」あるいは「台本と異なる強制性交」これらはもちろんのこと「出演の合意」など仮にあったとしても無効ですから、二次利用についても同様に消すことができます。そういう意味で言えば、アダルトビデオメーカー側も、女優と契約書を交わして「何がOKで何がNG」と女優の意思を残しておくことが、メーカーを守ることにもつながるのですけどね。これについては毎日新聞がいい記事を書いていてくれました。
森下くるみさんの場合は、契約書なんてなかったとはいえ、御本人の執筆活動などを通して「出演への同意はあった」ことは「黙示の同意」として明らか(なんか変な表現だな)ですから、ここは問題に成りえません。
また、アダルトビデオは通常の映画の著作物と異なり、一旦出演者が出演に合意したとしても、その後になって出演者の人権を著しく侵害するおそれを持ちうる性質のものです。こういうものに関しては、個別の事情ごとに考慮することで、人権と著作権のバランスに考慮するような裁判所の判断が下ることもありうるでしょう。
自主的な取り組みとして、AV人権倫理機構による配信停止申し込みの代行とそれに応じるメーカー、プロダクションの動きも重要です。これについては、AV人権倫理機構が自ら書いている通り、「当機構に賛同する枠組み内のAVメーカーやプロダクションを対象としております。それ以外のメーカーや無修正などのAV作品の場合、当機構では対応が出来ません」という限界はありますが、逆に言えばこれらのメーカーやプロダクションをユーザー側が支持することで、市場原理により賛同しないメーカーを市場から退場させることもできるでしょう(闇市場については完全に刑事機構に委ねるしかないため、そこは本稿では触れられません)。
アダルトビデオ専門チャンネルでAV大賞のようなイベントやAV女優のトーク番組を除く「放送するためだけのアダルトビデオ」を制作することがあるかどうかわかりませんがそれがないという前提で本論から外れるので補足としましたが、上記の「ワンチャンス主義」はあくまで「映画の著作物」に適用されるもので、TVドラマやTVアニメには適用がありません。
つまり、かつては「録音録画」の概念がなかった生放送は言うに及ばず、一旦収録した後編集等を加えてから放送するドラマやアニメにしても、こちらの二次利用(映像ソフト化やネット配信など)は、収録の契約とは別途の契約が必要になるのです。なお、放送の許諾を出演者から得た場合、放送のために一旦収録することや、それを系列局に送ったり他の局に放映権を売って放送することはできますが、その場合は出演者に「相当な額の報酬」を払わなければなりません。ブコメでid: shigak19 さんが書いていたのはこれに基づくものです。また、映像ソフト化やネット配信は当然できません。
なんで映画(含むパッケージソフト産業)とTV番組でこうも違うんだと言うと、まあ立法された1970年のメディア産業構造の違いによるとしか言えないでしょうね。その後で産業側の方が構造固定化されたために、実務上も問題になっていないということで。
ただ、この違いがとんでもない問題になっているのが「昔のTV番組のWEBアーカイブ化」で、映画(含むセルビデオ)は文化遺産としてのウェブアーカイブ化は著作権者の同意があればできるのに対し、TV番組は著作権者だけではなくエキストラの一人にいたるまで同意を得ないとWEBアーカイブができないのです。本人が死亡した場合は遺族の発見とか、存命中でも芸能界を引退した人とか、元子役とかだとまず連絡を取ることができません。しかも結構な大物でも、死後や引退後数年で簡単に連絡先不明になります。TV番組にワンチャンス主義が採用されていないのは、この点では問題なのです。