はてなキーワード: ドナーとは
当方30代後半の男性、幸いにも健康診断はまだ何も引っかかっていない健康体である。
はじめは勤めている会社に献血のバスが来たので、興味本位で参加してみた。
体重が50kgちょっとしかない自分の体から400 mLもの血液が出ていったらどうなるのだろう、といった感じだった。
結果としては体調に何の変化も生じなかった。お礼としてティッシュペーパーをもらった。
会社に来る献血のバスとのスケジュールが合わなかったので、市中の献血センターに行った。
また、寝っ転がっているだけでも褒められるし、社会貢献までできる。
元増田さんは「民間調査機関がドイツ全体の新生児の10%が血縁関係がないと推計したよ」とおっしゃっています。
元増田さん的にはドイツの托卵率10%という数字の元ネタをこれだと推測しているのかもしれません。
しかし恐らく10%という数字は別のところからきています。その理由は、"托卵"率が10%と言うのが一昔前の通説だからです。
例えばLancetの1991年の論文MacIntyre & Sooman (Lancet:1991)では
"Medical students are usually taught that the rate is 10-15%; 10% is a figure widely used in DNA studies and quoted in standard genetics textbooks;"
医学部生は通常その比率(non-paternity rate: 非父系率=托卵率)を10~15%と教わります;10%という通説は広く範囲のDNAの研究に用いられ遺伝学の教科書でも引用されています;
と述べられています。1991年の時点でそう言われるほど人口に膾炙した説だったわけですね。
"We would guess that the higher estimates are probably exaggerated for the general population in the UK, but have no way to assess the accuracy of the frequently quoted figure of 10%. We would be interested to hear of any reliable data."
我々はそのような高い推定値が、UKの一般的な母集団に対して過大評価であろうと考えています。しかし我々はこの10%という頻繁に引用される通説の正確性を評価する術を持っていません。我々は信頼できるデータを求めています。
事実、比較的近年の研究では托卵率の推定値は1~4%程度(e.g., Anderson (Curr Anthropol:2006)、Voracek et al. (Psychol Rep:2008))、ごく最近の研究では1%前後(e.g., Greeff & Erasmus (Nature:2015)、Larmuseau et al. (Trends Ecol Evol:2016))と従来の10%と比べてかなり低く推定されています。
私としてはドイツに限った話じゃない"10%"という数値が、何の拍子かドイツ特異的な話になり、いくつかの逸話と一緒にネットロアと化したのではないかと推測しています。
ドイツの托卵率についての論文は3つあります。Krawczak et al. (Forensic Sci Int:1993)、Henke et al. (Forensic Sci Int:1999)およびWolf et al. (Hum Nat:2012)です。
Krawczak et al. (1993)では托卵率が16.8%、Henke et al. (1999)では50.2%とくそ高いですが、これは係争中の父子鑑定の結果です。「お前は俺の子じゃない!」と父子鑑定をしてそれが的中したパーセンテージですね。ドイツの一般母集団を反映しているとはとても言えません。
その点Wolf et al. (2012)は質が良く、ドイツの一般集団を反映していると考えられる研究です。
概要を軽く説明しますと、この研究は小児白血病患者とその骨髄ドナーのHLA型を用いて托卵率を調べたものです。
骨髄移植にはドナーとレシピエントのHLA型が一致する必要があるためデータ化されているのですが、このHLA型は親子の推定にも使用可能です。
時に皆さんは自分の子供が白血病になって骨髄移植が必要という時にまずどうしますか?そうですドナー登録ですね。
つまり、小児白血病患者とその骨髄ドナーのデータを使えば子と親の鑑定用DNAデータがセットで山と手に入るわけです。
さらに病気は人間よりかは平等ですので、バイアスも少なくなります。プライベート情報を削除してしまえばコンプラ的にも安心。
賢い方法ですね。
この研究の結果、推定されたドイツの托卵率は0.94% (95%CI: 0.33-1.55)でした。
Wolf et al. (2012)も完ぺきではありませんが、ドイツについて現状手に入る中で最も質の良い研究ですので、「ドイツの托卵率は?」という質問に対しては「約1%です」と答えるのが科学的な態度と言えるでしょう。
これは2008年です。2005年にあったのは別のもっとマイナーな改正です。
元増田さんの引用にもある"否認手続から独立した父子関係明確化のための法律/Gesetz zur Klärung der Vaterschaft unabhängig vom Anfechtungsverfahren"が発効したのが2008年なのです。
さらにややこしいのですが、これとは別に"遺伝的診断法/Gendiagnostikgesetz"、正式には"ヒトの遺伝子検査に関する法律/Gesetz über genetische Untersuchungen bei Menschen"というものもありまして、こちらは2010年に発効してます。
さらにさらにややこしいことに、勝手なDNA鑑定を禁止したのは"遺伝的診断法"で、"否認手続から独立した父子関係明確化のための法律"の方は"秘密の父子鑑定(当事者の同意を得ない遺伝子鑑定)"は証拠採用されないとされた一方で、裁判所からの命令があれば当事者が拒否してもDNA鑑定を命令できるという、双方向に配慮された法律なのです。
正式名称からわかる通り、遺伝子診断全般に関わる法律です。親子関係の推定については法律の"セクション3:親子関係を明確にするための遺伝学的検査/Genetische Untersuchungen zur Klärung der Abstammung"で規定されています。
要約すると
親子関係を明確にするための遺伝学的検査は、当事者(父、母、子)の同意を得た上で一定の資格を持つ専門家によって行われなければならない。無断でやったら罰金。
です。
ちなみに
これはシンプルでして、同意が必要な相手が未成年の場合、親権者が決定の代行者になります。父親が鑑定の請求者である場合、自動的に残った母親が代行者として同意/非同意することになります。つまり仮に母親が請求者だった場合は父親の同意が必要になるわけです。
この法律が求めているのは、遺伝情報という究極の個人情報を親とは言え勝手に使うな、あと品質の保証のない民間企業に頼るのはやめなさい特に家族が崩壊しかねない親子鑑定では、というもの。
近年の分子生物学の発展的にみて、いずれ必要となる法律であろうな、というのが私の評価。
これについて説明するには前提知識がいるので少し長くなります。
ドイツには法的父親/母親というものがあり、出生に合わせて自動的に決定されます。
まず異議申し立ての資格者は(1)法的父親ab、(2)受胎時に法的母親と親密(意味深)だった男、(3)子供、(4)母親、です。
「お前は俺の子じゃねえ!」という異議申し立ての他に「お前なんて俺の/この子の父親じゃねえ!」という異議申し立てもあるわけですね。
まず(1)による異議申し立てを裁判所に申し出る場合、親子関係に対する合理的な疑いの根拠を提示しなければなりません。
判例にもとづけば、
一方で「自分と(子供の)容姿が似てない」程度の疑いでは異議申し立ては認められません。
"否認手続から独立した父子関係明確化のための法律"が出てくるのはまずこのタイミングです。
この法律は合理的な疑いの証拠として遺伝子診断の結果を用いることを合法化しました。以前は証拠として使えるか曖昧(たいていは却下)だったのですが、この法律で基準の明確化とともに採用可能になったのですね。
ただしこのタイミングで提出する遺伝子診断の証拠には、母親(と子供)の同意が必要となります。同意のない診断結果を出しても証拠として採用されず、 2010年以降は遺伝的診断法に基づいて罰せられます。
そしてこのプロセスがつつがなく進んだ結果、最終的に裁判所が遺伝子診断による父子鑑定を命令します(既に遺伝子診断の結果が証拠として提出されていない場合)。
これは母親(と子供)の同意が無くてもできるため、これによってほぼ決着がつくわけです。
そして、この裁判所による鑑定命令もまた"否認手続から独立した父子関係明確化のための法律"によって制定されたものなのです。
初手秘密鑑定結果ぶっぱが封じられた一方で、丁寧に手続きを進めれば裁判所権限でDNA診断による親子鑑定をしてもらえるという点で、バランスの取れた法律であると思います。
以前は初手ぶっぱしても証拠採用されるのは厳しかったわけだから、異議申し立て側にとっては正味プラスでは?とも。
前述の父親認定に対する異議申し立てが成功裏に完了し、法的父親から他人に変わるとどうなるでしょうか?
元法的父親は過去に遡及して養育等の父親の責務として支払ったもの等々への請求権を得ます。
請求先は母親でも子供でもなく真の父親です。真の父親の払うべきものを立て替えてた扱いになるのですね。
そして真の父親は異議申し立て完了後、法律に従って裁判所が法的父親として指定します。法的父親の説明で挙げた(c)のことです。
しかし……真の父親はいずこに?それがわからなければ請求も何もできません。
知っているのはきっと母親でしょう。聞きださなければなりません。真の父親候補……"推定上の父親"を。
しかししかし、2015年に「母親に"推定上の父親"について話すことを強制するのはプライバシーの侵害である」という判例が出てしまいました。
流石にそれはちょっと……ということで、父性の異議申し立てが成立した場合、母親は"推定上の父親"について"重大な理由"が無い限り黙秘できないという法案が出てきたわけです。
まだ成立はしてなかったはずなので、この先どうなるかは分かりませんがね。コロナもいるし。
ここ10日ほどの増減では、バングラデシュの感染減少が鈍化しているのがわかる。
増減率グラフから脳内近似曲線で単純に外挿すると来週には増加に転じてしまう。
不吉な予感しかない。
*なお、この記事はバングラデシュの感染状況をウォッチする記事の3回目です
前回https://anond.hatelabo.jp/20210504165055
おりしも昨日、インド株関連が懸念される2つのニュースがあったばかり。
ひとつは、バングラデシュでついにインド株が確認されたというニュース。
https://time.com/6047019/india-coronavirus-bangladesh/
5月8日(土)、バングラデシュ保健当局は、インドで確認されたコロナウイルスの変異株が初めてバングラデシュで検出されたと発表した。詳細は明らかにされていない。この数週間、バングラデシュで解析されたサンプルでは、南アフリカの亜種が主流だったが、これらの変異株は、より容易に拡散し、第一世代のワクチンは変異株に対してあまり効果がないのではないかと懸念されている。
一刻も早いワクチン接種が急がれるが、当のワクチン供給国のインドが供給を停止する事態に陥ったままだ。
日本帰国者のなかにバングラデシュで行動歴のある陽性者が見つかった、というニュース
https://this.kiji.is/764055688978251776
バングラデシュから日本にたどり着く経路は相当限られてきているので、どの経路で入国してきたかは定かではない。
陸路でインドかな。。いずれにしても、出国前にPCR検査を受けることが義務付けられていることから、
PCR検査から漏れた感染者だった可能性もあるが、現地空港や機内、トランジット先、成田ゲートの
上記のインド株確認のニュースと合わせると、3行しかない短いニュースのなかに、恐ろしい未来が見えてくる。
蟻の一決というアレだ。
バングラデシュでは、ラマダン(断食)の終わりを祝うイード(ラマダン明けのお祝い)を迎え、帰省する人々でごった返している。
https://www.afpbb.com/articles/-/3345815
この写真は、ガンジス川で沐浴するインドの光景と同様、おぞましいものだ。
町中の様子は写真はないか?と思ってツイッターを検索すると、こんな感じ。
https://twitter.com/taslimanasreen/status/1391048425060257792
ちなみにバングラデシュは、ロックダウンを16日まで延長、依然、警戒を続けている。
4月初めには7千人を超えた新規感染者数もここ数日は2千人をきっている。当局もイードを警戒しているからこそロックダウンの延長を決定しているのだろう。
いずれにしても、ラマダンとロックダウンへの疲れ、イードへの期待、
これらが人々の緩みにつながっているのは間違いない。
日本政府は、インドに加え、隣国のパキスタン、ネパールの3か国からの水際対策を強化。
見出しをみた瞬間、ユルい!緩すぎる!と叫んだ人も多いに違いない。
水際対策の問題点はここ(APPLE文体の増田)がわかりやすい
私の結論からいうと、水際対策対象リストも問題。確認できた感染者の情報をもとに実施するのでは遅すぎる。
情報が不確かであっても、地域全体の状況から、ありうる未来を予測して予防的に行うべきだ。
今の水際対策のままだと、インドばかりみていて、両サイドがら空き状態。
特に見落とされていると思うのが、まさに私が注目しているバングラデシュ。
感染爆発が収束しているようにみえるがゆえに上記3か国のリストから漏れているが、社会経済のつながりは
ネパールと同様、相当高い。
それはスリランカだ。
https://ourworldindata.org/covid-cases
で分析された実効再生産数はここ数日およそ1.6。1.25あたりを推移するインドよりも高い。
新規感染者の増加率もインドより急こう配。百万人当たりの新規感染者平均値は日本の倍以上、先日水際対策を強化したペルー並の値。
こうした周辺国とインドの感染の連鎖を考えるうえで重要な視点は、出稼ぎ経済だ。
労働力の国際移動をもうちょっと分析する必要があるのではないか。
スリランカは西は中東湾岸諸国、東は韓国に至るまで、出稼ぎ労働者の送り出し国。
日本との関連でいえば、攘夷派で名高い入管当局が収容していたスリランカ女性を死亡させた事件。
海外に出稼ぎ労働者を送り出す一方で、スリランカは外国人労働者を受け入れてもいる。
特に南インドとの歴史的なつながりも深く、多くのヒンドゥーが出稼ぎにスリランカに来ているという実態がある。
ところで前回の記事で、バングラデシュの感染がそれほど爆発的になっていない背景を、社会階層の分断が少ないことも一因なのでは、と分析というか想像してみた。分断というのは階層や人種によって死亡率に大きな差があるアメリカが典型的な事例。つまり黒人やラティーノは医療へすぐにアクセスできないことが多く、また感染リスクの高い職種に就くことが多いなどのことを指している。バングラデシュでは、ことに感染症対策については、例えば結核にしてもNGOが機能していて、地域住民へのリーチアウトがしっかりとできている国なのだ。ドヤ顔するとすぐ感染が急上昇、という法則があるのであまり言いたくないが。
結論からいって、社会階層の分断政策をウルトラ強力に推進している、政治的に危うい状況がみえてくる。
ラージャパクサ大統領の選挙勝利(2019年)がひとつの大きな転換点だった。ラージャパクサ兄弟という視点でいえば返り咲きだ。
同大統領就任後、中国との関係強化を露骨に進めているスリランカ。
中国はやったぜとばかりにオセロをひっくり返すかのように、他ドナーを蹴散らし、次々に融資を強化、権益を強めている。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM2707Y0X20C21A4000000/
日本の援助をはじめ、各国ドナーは後退を余儀なくされているのは知っていたが、
内政的にもイスラム抑圧を進めるなど危うい面が表面化してきた模様だ。
社会階層の分断によって、ある種のエスニックコミュニティや社会階層へのリーチアウトができず、実質アンタッチャブルになることで感染がコントロールできない、という分析はブラジルのスラムでの感染爆発で経験したことだ。
これは想像だが、スリランカの感染爆発が、もし仮に南インドからの出稼ぎ労働者(ヒンドゥー)で、今なお、社会的少数者として不利益を被っているヒンドゥーの感染症対策が放置されている、あるいは見過ごされている、とするならば、スリランカの今後の状況はとても厳しいものになるのではないかと思う。
新規感染者の増加率はここ数日、若干低下してきた様子なのが安心材料ではあるが。。
2週間くらい経った5月下旬、スリランカ、バングラデシュも水際対策を強化、というニュースをみないように、先手先手の対応を祈っている。
バングラデシュ、スリランカ、パキスタン、ネパールからの入国を12日より制限する措置を発表。
湾岸諸国で主要空路ではカタールがまだ残っているが時間の問題だろう。
タイ、マレーシア、シンガポールも先週、すでに上記国からの入国制限済み。
なお、インド株については、すでに韓国(4/19)、日本(4/22)、香港(4/30)、マレーシア(5/2)、シンガポール(5/3)で確認されている。
さらに今週10日から12日にかけ、アジア各国から続々とインド株の報告が上がった。
タイ、スリランカ、インドネシア、フィリピン、カンボジアの5か国をネット記事で確認することができた。
て言う人の気持ちが全然分からなかったんだが、最近知事会見を数回見てみて少しわからんでもないな、と思うようになった。
「見える」といったのは、どう考えてもそれあんたの自業自得やん、とか話すり変えてますよねってのもいくらか含まれてる(体感2~3割)からだ。
ただ、きちんとこれまでの事実関係を追ってなかったり、TVで吉村ageageな雰囲気をばらまかれてたりするとそういうの全く気にならないで、本当にちゃんとやっているように見えるのかもしれない。
また、吉村は弁護士だしここまで何年も首長やってきただけはあって口は回る(痛い所を突かれた質問には割合言いよどんだり詰まったりはするのだが)。また、基本的に質問に答えるための知識はそれなりに頭に詰まってるし、答えにくい事を誤魔化すだけの頭も菅首相に比べれば随分ある方だ。
自分がそうなのだが、口下手だとあそこまで口は回らない。そういうところをみて一般人的には自分にはできない事をやってはる、吉村はん凄い!となるのはわからんでもない。
大阪で医療崩壊が起こり、大阪では急な大怪我しても入院できるかわからなかったり、いつドナーが現れるかも分からない脳死移植待ちの患者の希望を滅したり、入院待機ステーションで苦しんでる患者の様子を見たりして、ここまでの事態に追い込んだ吉村・維新の能力をきちんとはかって頂きたいものだ。
元増田の末梢血幹細胞の提供日記を読んだので、のっかってみる。元増田は家族間提供、私は骨髄バンク経由なのだけど、日記の内容は殆ど違いがない。
「あー、そうだったそうだった」と思いながら書いている。
私の時はだいたい
・入院初日(水曜日):健康診断→自由時間→夕飯→自由時間→寝る
・2日目~4日目:朝一採血・回診→飯→9時頃G-CSF→自由時間→昼飯→自由時間(朝の採血結果をこのあたりで聞く。)→夕飯→自由時間→寝る
・5日目:朝一採血・回診→飯→G-CSF→10時ごろ末梢血幹細胞の採取開始~13時過ぎ終了→車椅子で部屋に戻る(昼飯は時間が過ぎているので、院内の売店で事前に購入しておく)→自由時間→夕飯→自由時間→寝る
・6日目:採血・回診→「既に患者さんには投与されました。必要量あったので問題なしです。明日退院」→昼飯→自由(以下略)
・8日目:出社
みたいな流れであった。暇すぎる。
・ドナーになるとどうなるか?
1. ドナー手帳が交付される。 https://www.jmdp.or.jp/documents/file/02_donation/donor_techo202008.pdf みたいなやつ。
これは骨髄移植でも末梢血幹細胞提供でも中身はおなじ。家族間提供でも同じものをもらうみたい。ここに注意事項とか記載されている。
自分の提供スケジュールとか、提供までの緊急連絡先(事故などで提供できなくなった場合のバンクや病院への連絡先)を書く。
2. 骨髄バンク経由の場合、かなり頻繁にコーディネータから現状確認の電話がある。風邪引いてないかとか、不安はないかとか。オカンかってくらい心配される。
3. 骨髄バンク経由の場合、提供にかかる費用は原則負担しない。
私の場合、田舎にすんでいるのだが、ドナー候補者としての説明(これだけ最寄りの大規模な病院であった)、提供の意思確認~提供後1ヶ月検診まで、提供のために必要となった交通費は支給された。入院中、個室になったがこれも私は負担していない。
患者さんが個室料金を負担されたようだが、高い負担で大変だなと思う。ドナーは健康な体なので病院側としても病人や怪我人と同じ部屋にするのにリスクを感じるのだろうな。
4. 骨髄バンク経由の場合、提供後に事実を証明する書類を発行してくれる。近年は市区町村の条例で骨髄・末梢血幹細胞を提供すると補助金を出してくれたり、医療保険で請求できる場合があるが、このときに使用する書類である。
1. なぜ提供したのか? …… ①骨髄バンクのことは過去何度か献血をするなかで、パンフレットなどをよくみたため知っていた。 ②知人がバンク経由で骨髄移植を受けて復職した。 提供してみようと思ったのはそういう理由。
2. 骨髄提供か、末梢血幹細胞か選択できるか? …… 原則できない。どちらが患者さんの状況に適しているのか、によって採取する方法が決定される。
3. 仕事はどうしたのか? ……有給を使用した。提供時期はたまたま忙しくない時期だった。これもまた、患者さんの状況によって決定される。このあたり、ドナー選定時に確認されるため、「忙しいけど提供させられた!」みたいなことはない。提供できるような時間的余裕があるときにだけ応じたらよい。
4. 入院中は何してた? ……自由時間はだいたい読書か動画。個室なのでテレビカードなくても見放題だったが。あと、飲酒喫煙を除き飲食に殆ど制限がないので、おやつ食ってもいい。
元増田も書いているが、ドナーには医療上の特別な制限はほとんどない。病院の入院上のルールくらい。なお、入浴は他の患者さんとの調整が必要なので、若干制限されることがあるかも。
5. 提供中は何してるの? ……末梢血幹細胞提供は両腕に針刺して、片方から血を抜き、幹細胞を分離してからもう片方の腕に返すため、なにもできない。
暇潰しの準備をするようアドバイスされる。元増田も書いているが、タブレットとかノートパソコンを持ち込んでもいいし、飲食も準備しておけば手伝ってもらえる(今はどうなんだろう、コロナの件もあるからだめかも?)
ちなみに、そうやって暇潰しの準備をしたが、立ち会いの血液内科医や看護師とお話しするほうが面白かった。
6. G-CSFってなに? どうなるの?……簡単に言えば、血液中に幹細胞などをたくさん放出させるためのお注射。インフルエンザの予防接種くらいの痛み。毎日、注射してもらう腕を交互に変えてもらった。
あと、3日目くらいから、骨のいたみがあった。私の場合は腰だけでなく、胸の間の骨(胸骨圧迫するときに手をあてるあたり)。この痛みはロキソニンが欲しくなるくらいズキズキくる。
注射を止めて1週間くらいまで残った。
7. 宝くじあたった? ……全部外れた。
・ 今どうしているか
1. 患者さんとドナーとは1年間で2回まで手紙のやりとりができるが、1回だけした。正直書きたいこととかはあんまりなかったし、どうされているかとかもあまり知りたくない。患者さんが元気になってくれればと思うだけ。
2. ドナー登録は削除した。提供後は自動的に保留となるが、1年経過後はまたドナー候補となる。これ以上提供しようって気にはならない。
これは患者さんがどうとか今回の提供がどうとかっていうより、自分の家族のことを考えての判断。あと、ドナー候補に選定されてから、抹消血幹細胞を提供しおえて採取室から車椅子で運びだされる瞬間までの緊張感(何かあったら患者さんの命が! とか思うと、寝られん日もあった)はけっこうつらい。
3. 厚生労働大臣の感謝状を貰ったが、スッポンスッポンする賞状入れの筒にはいったまま。飾ってどうってはなしでもないしね。
4. 市町村の補助金を頂戴した。上でも書いているが、市区町村の条例で骨髄・末梢血幹細胞を提供すると補助金を出してくれる場合がある。ドナーとして活動するために必要な日数×単価みたいな内容なので、1ヶ月後の検診もカウントしていただいた。あと医療保険のドナー給付金も。頂けるものは頂いた。
上記の緊張感とか仕事を調整することの負担を考えると、こんなお金を目当てにするのは割にあわないと思うよ。
5. 献血は、ドナーとして選定されてから提供後半年くらいまでできない。半年ちょっとたってから再開した。最後に献血したときとかわらず、とくに異常はなかった。
おしまい。
※記事タイトルに「ドナー提供」と書いてたところ人売りやんけというツッコミをいくつか頂いたので修正しました。
白血病へのドナーっていうと腰に針刺して採取した骨髄を移植ってイメージあると思うけど今回は末梢血幹細胞移植っていうやつです。
これを行う為の機械や医師たちが少ないっぽくてどこでもできるって訳ではないらしい。
このエントリは入院中の暇つぶしも兼ねてその日感じた事をだらだらと書き綴っただけのものなので読み物としては優れていないと思うのでご了承を。
・1日目
午前に入院手続きを済ませた後、病室へ案内されて身長・体重・体温・血圧・採血と諸々を計測、採取される。
今日は白血球を増やす薬を21時に使う以外はただただ時が過ぎるのを待つのみ。
16時現在、寝不足だったし軽く寝ようと思っても看護師やお世話になる先生が挨拶に度々来るので断続的な眠りになってしまう。ねむい。
ドナー側は朝に採血して夜に薬を使うサイクルを採取の日まで続けるだけなのでとにかく暇との戦いである。
18時に夕食。炊き込みご飯・焼き鮭・ふろふき大根・わかめサラダ・オレンジというメニューであるが、デザートとしてオレンジが用意されているというのにみかんがわかめサラダに混ぜられていた。
21時、消灯前に薬を2本皮下注射される。2本も打たれると圧迫でじんじんと痛みが出るんだって知見を得た。
その後意識は飛び飛びに、深夜3時に完全に覚醒。暇を持て余し虚無る。
・2日目
この日の朝ごはんはなかなかに雑なものだったが、初めて汁物が付いた。
お昼はカレーと味のしない野菜&玉子とフルーツゼリーのヨーグルト掛けみたいなやつ。
そうした事の副作用として発熱頭痛、骨の痛みなどが起きる場合があると説明された。
説明された途端にそんな症状が出てる気がしてきたが恐らく気の所為。
・3日目
深夜3時前には覚醒。暇を持て余しながら朝まで過ごす。
腰や背骨の骨痛について、痛みはあるが薬の副作用による物か半信半疑だったので朝は言わず。
昼前ぐらいに何をしても痛いことに気づいてこりゃ駄目だって事で痛みどめ貰って多少落ち着いた。
痛み止めを飲んだ後、暇だったので入院前にNETFLIXで予めダウンロードしてた「告白」を見る。
半分ぐらいまで見て、これは病院で見るべき映画ではないなって思いつつそのまま最後まで見た。
・4日目
3時頃に目覚め、6時頃に採血、8時に朝食のいつものルーティン。
初日と2日目の病院食は食べるのキツかったが、舌も慣れたのか3日目からマシになってきている。
特に3日目からは限られた塩分使用量でやりくりする中で美味しくしようという意図を感じる部分もある。
この日は日勤に推しの看護師が来てるので少し気分が楽になった。
翌日に末梢血幹細胞の採取を行うということで医師から説明があった。
説明内容は基本的には自分で調べても見つけられる情報とそう変わらないのでスムーズに頭に入ってくる。
白血球等を増やすためのG-CSFを打った後ってほっとけば自然に戻っていくか?とだけ、
不安でもないけど質問したところグラフに例えて説明してもらえた。今は毎日打って数値を上げていってるが打たなければスゥーと下がっていくらしい。
説明を受けてからどの血管から取るかを決めて、ペンで印を付けてもらった。
その後は夕飯→寝る→消灯前に注射→寝る→3時起床で暇を持て余すいつもの流れで5日目へ。
・5日目
3時起床してからフロアの共有スペースで時間潰したりして採血やら朝食の時間を待つ。
朝食は少なめに食べてほしいと言われていたのでご飯半分ぐらい残す。
10時30分からついに造血幹細胞の採取になるのでそれまでに絞り出すように排尿しておいた。
そして採取。まずはベッドに寝かされ、機器の準備を医師たちが進めていく。
血液を遠心分離すると3層に分かれて真ん中に目的の造血幹細胞を含む白血球や血小板などの薄い層ができ、それを回収して残りを体内に戻すって感じ。
患者側の暇つぶし用にノートPCなどを予めOK貰っていて、医師がわざわざ電源など配線してくれてとても助かった。
ヘッドホンの装着までして患者の暇を潰す準備が整ってから腕の血管を品定め。
左腕の血管がキレイに真っ直ぐですぐに出てくるって事で医師たち3人にめっちゃ褒められた。
両腕の血管に管を通し、右腕から機器へ吸い出し、左腕から体内へ戻す。始めは血管をスゥーっと冷たい感じが流れていく。
抗凝固剤としてクエン酸を使用している関係で体内のカルシウムへの影響があり、身体の一部が痺れる場合があるという説明を事前に受けていたが開始直後にそうした症状が現れた。
副反応が出るの早すぎて焦ったが、「温かいの入れます」との事で何らかの操作によって身体の血管を温かい感覚が駆け巡り、その感覚の最終地点は何故か股間であった為にまるで漏らしたかのようなジンワリとした温かさを股間に受けてソワソワするなどした。
(その温かいやつについて終わったら質問しようと思ってたけどし忘れて後悔してる)
そんなこんなでしばらく採取を続けているうちに、痺れについても検査の数値上問題ない範囲であるが出ているという事で感受性が高いっぽいという話になった。
無理に我慢するつもりもないが、極々軽い痺れ感については自分もスルーすることにした(数値上誤差レベルでしか変わってないっぽかった)
右腕は動かせないまま4時間は暇になるのでノートPCで適当に音楽を再生してリラックスしながら採取することに。
一応NetflixでDLしてた映画もあったけどどうせ見るならもっと集中できる状況で見たい。ので音楽のみ。
初めてということもあってか割とあっという間に4時間が過ぎたという感覚だった。
身体からの血液の送り出しがどうもなかなか安定しなくて腕の角度を変えたりとか、クッションをにぎにぎしたりで安定させていった。
後半は寝落ちしそうになると「にぎにぎしてー」という声で起きてにぎにぎした。
送り出しも安定するならそこまで手間掛けずともリラックスして寝てれば終わるみたい。
終わった直後、痺れについて患者によって表現が違うから症状の伝達が難しいと医者と談笑してた。
終わった後は立てなくもないし歩けるが、ちょっと不安を覚える程度には万全ではない状態。
車椅子で病室に送ってもらいこれで採取は終了。明日の結果を待つのみ。
採取した成分量が足りなかった場合に備えてこの日の夜もG-CSFの投与がある。翌日の結果次第では翌々日に再度採取→更に翌日に退院となる。
この薬による骨痛にもすっかり慣れてきてしまい、別に全然耐えれなくはない痛みだけどあったらあったで微妙に身体が怠く感じるしとりあえずロキソニン飲んどくか、って感覚。
地味な痛みでしかないんだけど看護師からは「痛くなったらすぐナースコールして」と言われてて、しかしそこまでするほどの痛みじゃないので深夜は遠慮してしまう。他の患者起こしちゃうし。
・6日目
4時ぐらい起床。3~4時ぐらいに見回りに来る看護師に毎回会釈してしまう。
朝の検温等&採血時に(骨痛による)腰の痛みについて10段階でいくつか、と聞かれて「3ぐらいで全然耐えられるけど耐えたところで徐々に痛みが強くなったり別の場所も痛くなる」と答えた。
事情は分からないけどあんまりロキソニンを出したくなさそうな雰囲気を感じてる。
この日は前日採取したものにどれだけ移植に使える細胞が含まれているかの検査待ち。
15時ぐらいに医者が病室に結果を伝えに来てくれ、移植7回分の細胞が取れたらしい。
ということで明日退院となる。することは終わったし、飯食って一泊してからでなくこのまま今日退院でも良い気がするんやけどな…
まぁ病院側の手続きの都合もあるんだろうと勝手に納得しておく。
・7日目
いつもどおり4時半ぐらい起床して共有スペースでまったりして時間潰して、ベッドに戻りだらだら。
あとは退院の時間を待ち、病衣代などの会計を済ませて家族の迎えを待つ。
迎えが来て無事退院。ナースステーションに一言感謝伝えたかったけど道中で移植コーディネーターの人に話しかけられて忘れてた…
・退院後
先日の採取の影響か体力が落ちてて、なんとなく動き回ったらすぐに息切れするんじゃないかってのが感覚的にあった。
そして帰宅後シャワーを浴びたらそれだけで疲れてしまった(入院中の垢を念入りに落としてたのもあるが)
シャワー後、午後2時に横になったらそのまま寝てしまい20時。
翌日は夕飯を友人と外食にした。
安価なチェーン店であるが個室の焼き肉食べ放題なので今のご時世でもまぁまぁ安全ははず?
食べ始めはあまり食欲はなかったが、食べ進めていくうちに食欲が湧いてだいぶ元気になった。
その翌日からは体力はかなり回復したように思えたのでやはり肉は偉大である。
退院後など気分が落ち込んでる人は肉を沢山食べよう。肉には人間に幸福感を与える物質が含まれてるみたいな話をどっかで見た。
医療処置による特別な制限も特に無いので、一般的な入院による不便が大半を占める。
G-CSFって注射の副作用が人によっては強く出るかもしれないのでそれによる体調の変化はしつこいぐらい確認してくれる。
ドナーの主観的な内容でも公益性があるかなって思い、これを書かせていただきました。
沢山のブクマありがとうございます。
ドナーになるキッカケについて気になっている方もお見かけしたのでそれだけ説明します。
ドナー側の体験ということで意図的に記述を避けていたんですが、実は骨髄バンクでの提供ではなく親が白血病になり、骨髄バンクに完全一致のドナーがなかったために必ず白血球の型が2/4一致する子である自分がドナーとなった形です。臍帯血バンクには候補となるドナーがありましたが、臍帯血の場合は細胞量が少なくて生着しない恐れがあるが末梢血幹細胞移植なら生着不全のリスクが低くなるので医師と相談の上そちらを選びました。(しかし型は半分一致なのでドナーの免疫が患者の身体を攻撃するリスクがあるので薬によってそれを抑える方針)
ですので骨髄バンクからのドナー提供とは少し前後の流れが違うかもしれません。
なんでそれについて書かなかったかというと、Twitterのフォロワーに共有しようかなと思ってたけどあまり重く受け止められてもお互い気を使っちゃうしと考えてました。