2021-04-25

白血病患者の為にドナーになった体験記

記事タイトルに「ドナー提供」と書いてたところ人売りやんけというツッコミをいくつか頂いたので修正しました。

白血病へのドナーっていうと腰に針刺して採取した骨髄を移植ってイメージあると思うけど今回は末梢血幹細胞移植っていうやつです。

これを行う為の機械医師たちが少ないっぽくてどこでもできるって訳ではないらしい。

このエントリ入院中の暇つぶしも兼ねてその日感じた事をだらだらと書き綴っただけのものなので読み物としては優れていないと思うのでご了承を。

入院中の様子のみを主観的に書いた記事になります

・1日目

午前に入院手続きを済ませた後、病室へ案内されて身長体重・体温・血圧採血と諸々を計測、採取される。

今日白血球を増やす薬を21時に使う以外はただただ時が過ぎるのを待つのみ。

昼食は酢豚焼売酢豚から味を感じなかった。

16時現在寝不足だったし軽く寝ようと思っても看護師やお世話になる先生挨拶に度々来るので断続的な眠りになってしまう。ねむい。

ドナー側は朝に採血して夜に薬を使うサイクルを採取の日まで続けるだけなのでとにかく暇との戦いである。

18時に夕食。炊き込みご飯・焼き鮭・ふろふき大根わかめサラダオレンジというメニューであるが、デザートとしてオレンジが用意されているというのにみかんわかめサラダに混ぜられていた。

21時、消灯前に薬を2本皮下注射される。2本も打たれると圧迫でじんじんと痛みが出るんだって知見を得た。

その後意識は飛び飛びに、深夜3時に完全に覚醒。暇を持て余し虚無る。

・2日目

朝早くから2本採血人生で一番血液抜いてる気がする。

この日の朝ごはんはなかなかに雑なものだったが、初めて汁物が付いた。

お昼はカレーと味のしない野菜&玉子フルーツゼリーヨーグルト掛けみたいなやつ。

朝の血液検査の結果を聞くと順調に白血球が増えているらしい。

そうした事の副作用として発熱頭痛、骨の痛みなどが起きる場合があると説明された。

説明された途端にそんな症状が出てる気がしてきたが恐らく気の所為

・3日目

深夜3時前には覚醒。暇を持て余しながら朝まで過ごす。

朝食は今までで一番塩分を感じる献立だった。

腰や背骨の骨痛について、痛みはあるが薬の副作用による物か半信半疑だったので朝は言わず

昼前ぐらいに何をしても痛いことに気づいてこりゃ駄目だって事で痛みどめ貰って多少落ち着いた。

痛み止めを飲んだ後、暇だったので入院前にNETFLIXで予めダウンロードしてた「告白」を見る。

半分ぐらいまで見て、これは病院で見るべき映画ではないなって思いつつそのまま最後まで見た。

・4日目

3時頃に目覚め、6時頃に採血、8時に朝食のいつものルーティン

初日と2日目の病院食は食べるのキツかったが、舌も慣れたのか3日目からマシになってきている。

特に3日目からは限られた塩分使用量でやりくりする中で美味しくしようという意図を感じる部分もある。

この日は日勤に推し看護師が来てるので少し気分が楽になった。

翌日に末梢血幹細胞採取を行うということで医師から説明があった。

説明内容は基本的には自分で調べても見つけられる情報とそう変わらないのでスムーズに頭に入ってくる。

白血球等を増やすためのG-CSFを打った後ってほっとけば自然に戻っていくか?とだけ、

不安でもないけど質問したところグラフに例えて説明してもらえた。今は毎日打って数値を上げていってるが打たなければスゥーと下がっていくらしい。

説明を受けてからどの血管から取るかを決めて、ペンで印を付けてもらった。

その後は夕飯→寝る→消灯前に注射→寝る→3時起床で暇を持て余すいつもの流れで5日目へ。

・5日目

3時起床してからフロアの共有スペースで時間潰したりして採血やら朝食の時間を待つ。

朝食は少なめに食べてほしいと言われていたのでご飯半分ぐらい残す。

10時30分からついに造血幹細胞採取になるのでそれまでに絞り出すように排尿しておいた。

そして採取。まずはベッドに寝かされ、機器の準備を医師たちが進めていく。

人工透析用の機械に似てるが県内に5台しかない代物らしい。

血液を遠心分離すると3層に分かれて真ん中に目的造血幹細胞を含む白血球血小板などの薄い層ができ、それを回収して残りを体内に戻すって感じ。

患者側の暇つぶし用にノートPCなどを予めOK貰っていて、医師がわざわざ電源など配線してくれてとても助かった。

ヘッドホンの装着までして患者の暇を潰す準備が整ってから腕の血管を品定め。

左腕の血管がキレイに真っ直ぐですぐに出てくるって事で医師たち3人にめっちゃ褒められた。

両腕の血管に管を通し、右腕から機器へ吸い出し、左腕から体内へ戻す。始めは血管をスゥーっと冷たい感じが流れていく。

抗凝固剤としてクエン酸使用している関係で体内のカルシウムへの影響があり、身体の一部が痺れる場合があるという説明を事前に受けていたが開始直後にそうした症状が現れた。

副反応が出るの早すぎて焦ったが、「温かいの入れます」との事で何らかの操作によって身体の血管を温かい感覚が駆け巡り、その感覚の最終地点は何故か股間であった為にまるで漏らしたかのようなジンワリとした温かさを股間に受けてソワソワするなどした。

(その温かいやつについて終わったら質問しようと思ってたけどし忘れて後悔してる)

そんなこんなでしばらく採取を続けているうちに、痺れについても検査の数値上問題ない範囲であるが出ているという事で感受性が高いっぽいという話になった。

無理に我慢するつもりもないが、極々軽い痺れ感については自分スルーすることにした(数値上誤差レベルしか変わってないっぽかった)

右腕は動かせないまま4時間は暇になるのでノートPC適当音楽再生してリラックスしながら採取することに。

一応NetflixDLしてた映画もあったけどどうせ見るならもっと集中できる状況で見たい。ので音楽のみ。

初めてということもあってか割とあっという間に4時間が過ぎたという感覚だった。

身体から血液の送り出しがどうもなかなか安定しなくて腕の角度を変えたりとか、クッションをにぎにぎしたりで安定させていった。

後半は寝落ちしそうになると「にぎにぎしてー」という声で起きてにぎにぎした。

送り出しも安定するならそこまで手間掛けずともリラックスして寝てれば終わるみたい。

終わった直後、痺れについて患者によって表現が違うから症状の伝達が難しいと医者と談笑してた。

終わった後は立てなくもないし歩けるが、ちょっと不安を覚える程度には万全ではない状態

車椅子で病室に送ってもらいこれで採取は終了。明日の結果を待つのみ。

採取した成分量が足りなかった場合に備えてこの日の夜もG-CSFの投与がある。翌日の結果次第では翌々日に再度採取→更に翌日に退院となる。

この薬による骨痛にもすっかり慣れてきてしまい、別に全然えれなくはない痛みだけどあったらあったで微妙身体が怠く感じるしとりあえずロキソニン飲んどくか、って感覚

地味な痛みでしかないんだけど看護師からは「痛くなったらすぐナースコールして」と言われてて、しかしそこまでするほどの痛みじゃないので深夜は遠慮してしまう。他の患者起こしちゃうし。

・6日目

4時ぐらい起床。3~4時ぐらいに見回りに来る看護師に毎回会釈してしまう。

朝の検温等&採血時に(骨痛による)腰の痛みについて10段階でいくつか、と聞かれて「3ぐらいで全然耐えられるけど耐えたところで徐々に痛みが強くなったり別の場所も痛くなる」と答えた。

事情は分からないけどあんまりロキソニンを出したくなさそうな雰囲気を感じてる。

この日は前日採取したものにどれだけ移植に使える細胞が含まれいるか検査待ち。

15時ぐらいに医者が病室に結果を伝えに来てくれ、移植7回分の細胞が取れたらしい。

ということで明日退院となる。することは終わったし、飯食って一泊してからでなくこのまま今日退院でも良い気がするんやけどな…

まぁ病院側の手続きの都合もあるんだろうと勝手に納得しておく。

・7日目

いつもどおり4時半ぐらい起床して共有スペースでまったりして時間潰して、ベッドに戻りだらだら。

検温・血圧・血中酸素を計ってしばらくまって朝食。

退院から約一ヶ月後に検診をということで日程確認して予約。

あとは退院時間を待ち、病衣代などの会計を済ませて家族の迎えを待つ。

迎えが来て無事退院ナースステーションに一言感謝伝えたかったけど道中で移植コーディネーターの人に話しかけられて忘れてた…

退院

先日の採取の影響か体力が落ちてて、なんとなく動き回ったらすぐに息切れするんじゃないかってのが感覚的にあった。

そして帰宅シャワーを浴びたらそれだけで疲れてしまった(入院中の垢を念入りに落としてたのもあるが)

シャワー後、午後2時に横になったらそのまま寝てしま20時。

適当ゲームして過ごす。

翌日は夕飯を友人と外食にした。

安価チェーン店であるが個室の焼き肉食べ放題なので今のご時世でもまぁまぁ安全ははず?

食べ始めはあまり食欲はなかったが、食べ進めていくうちに食欲が湧いてだいぶ元気になった。

その翌日からは体力はかなり回復したように思えたのでやはり肉は偉大である

退院後など気分が落ち込んでる人は肉を沢山食べよう。肉には人間幸福感を与える物質が含まれてるみたいな話をどっかで見た。

医療処置による特別制限特に無いので、一般的入院による不便が大半を占める。

G-CSFって注射副作用が人によっては強く出るかもしれないのでそれによる体調の変化はしつこいぐらい確認してくれる。

ドナー主観的な内容でも公益性あるかなって思い、これを書かせていただきました。

そんな感じで、今回のドナー体験記を締めます

(4/26 11:20頃)追記

沢山のブクマありがとうございます

ドナーになるキッカケについて気になっている方もお見かけしたのでそれだけ説明します。

ドナー側の体験ということで意図的に記述を避けていたんですが、実は骨髄バンクでの提供ではなく親が白血病になり、骨髄バンクに完全一致のドナーがなかったために必ず白血球の型が2/4一致する子である自分ドナーとなった形です。臍帯血バンクには候補となるドナーがありましたが、臍帯血の場合細胞量が少なくて生着しない恐れがあるが末梢血幹細胞移植なら生着不全のリスクが低くなるので医師相談の上そちらを選びました。(しかし型は半分一致なのでドナー免疫患者身体攻撃するリスクがあるので薬によってそれを抑える方針)

ですので骨髄バンクからドナー提供とは少し前後の流れが違うかもしれません。

なんでそれについて書かなかったかというと、Twitterフォロワーに共有しようかなと思ってたけどあまり重く受け止められてもお互い気を使っちゃうしと考えてました。

投稿してから結局共有しなかったのでまぁいっかってなってます

  • 個室でも同居人以外との会話しながらの食事はリスクあるで 入院中はシャワーできないん?

    • 完全なリスク排除にはなってないのは承知なんだけど、比較的感染が増えてない地域かつ人と接する機会が少ない職の二人との食事だったから栄えてるところで食べるよりはリスク少な...

  • 入院費用とかは相手持ちですか?

    • 記事内で言及しなかったけど今回は骨髄バンクによるものではなく家族への提供でした。 病衣代だけ退院時に払って、後の請求はその家族側に加算されることになってます。

  • やっぱりドナドナ熱唱した?

  • ドナーを提供するって人身売買じゃん

  • ワイは全身麻酔のフルで提供したで。 いまはめっさ痛い尿道カテーテルやらなくていいらしいので、これを見てる増田はレッツトライや。 いまなら田村厚労相の賞状もらえるで。

  • 甥が3歳で白血病診断された。 今元気に走り回ってるけど、この子が生きてられるのもあなたみたいな人のおかげだ。

  • 元増田の末梢血幹細胞の提供日記を読んだので、のっかってみる。元増田は家族間提供、私は骨髄バンク経由なのだけど、日記の内容は殆ど違いがない。 「あー、そうだったそうだった...

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