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「パンデミック」新型コロナ 学会が症例、診断遅れで重症化報告も
3/16(月) 16:34配信
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新型コロナウイルスによる感染症は、中国や日本、韓国にとどまらずイタリアなどの欧州、イランなど中東、米国などにも拡大し、甚大な影響を与えている。国際保健機関(WHO)は世界的な大流行を意味する「パンデミック」と認定した。中でも、感染経路が追いきれない「市中感染」は発見が遅れ、重症化しやすいと指摘されている。日本感染症学会は所属する全国の感染症の専門医から実際に診療した患者の病態や推移について募集、ホームページ(HP)上で公開している「緊急報告としての症例報告」の中から、市中感染の事例を紹介する。
twitterで検査しているのは技師なんだ!って動画がバズりました。著作権の問題はあるけど、あるあるが詰まってて面白かったです。臨床検査技師が少し注目されたので、公開されている情報を元に新型コロナウイルスの検査キャパが増えたにも関わらず検査数があまり増えていない理由を主に「国がどうやって検査キャパ数を増やしたか」を中心に推察していきます。
みなさんが思っている論点と違っててタイトルで釣ったと思われる方がいたらすみません。
タイトルを「国が〜」とかにすると政治的な意図があると思われそうだからやめました。
前提として全数把握をしない理由は、様々な先生方がおっしゃっている通りだと思っています。現在、陽性者は軽症・重症にかかわらず原則入院の措置がとられています。(病床数の都合で一部は違うみたい)軽症のコロナ患者に感染症病床をとられてしまうと、空気感染するような麻疹や結核などの感染力の強い感染症の患者を隔離できなくなってしまうことが危惧されます。
あまり身近には感じないかもしれませんが、結核患者数は年間1万5千人を超えており死亡率は20%弱(平成28年)です。麻疹に至ってはワクチンがあるにも関わらず未だにゼロにできていません。
この病床数の点については、この先新型コロナの感染者数がもっともっと増えてくれば、軽症患者は自宅隔離の処置がとられると個人的には予想しています。
さて、本題です。
ここでは以下の4点を踏まえて検査キャパ数に比較して検査数が伸びない訳を推察していきます。
1. 増田について
1. 増田について
臨床検査技師。一般市中病院の微生物検査に数年、病理検査に十数年いた中堅技師。病理検査はフラジャイルをご存知の方であればわかるかも。森井君と同じ仕事をしていました。ちなみに大学の卒業研修はTaqManプローブリアルタイムPCRを使った、ガン遺伝子の定量(身バレ防止でざっくりすぎ)。今は事情があって退職し主婦をしています。
現場で働いている人たちは守秘義務もあってなかなか発信しづらいし忙しいだろうから外にいる増田が個人的見解をみなさんにお伝えします。
当初、新型コロナのPCRは国立感染症研究所のマニュアルに基づき、一部の地方衛生研究所が実施していたようですが、2月14日に厚生労働省は日本臨床検査技師会(日臨技:全国の臨床検査技師が所属する団体)の理事長あてに協力要請を出しています。おそらく、ダイヤモンドプリンセス号の検体を大量に検査しなきゃいけなくなった頃なんじゃないだろうか。これに対し、関東圏に所属する技師が1日に数名〜10名ほど派遣されています。
*1 新型コロナウイルスに関連した感染症対策における協力要請について
http://www.jamt.or.jp/information/tuuchi/asset/pdf/yosei-3.pdf
*2 派遣の状況
https://www.jamt.or.jp/covid-19/
派遣された技師がどこで何をしたかは把握できませんが、タイミング的には検体採取後のように思えるので新型コロナの検査に関わっていたものと予想されます。
また、*1のPDFを読むと、2月17日には日本衛生検査所協会(全国の検査受託会社が所属する団体)宛てに厚労省から検査協力の要請がなされています。
ざっくり内容をみると、「検査試薬をお試し分だけ提供するから欲しい人は言ってね。検査できそうだったらどれくらいできそうか教えてね。」ということが書かれています。
それに対し、SRLやBML、LSIといった大手をはじめ複数の検査受託会社がうちはこれくらいやれますよと協力を表明したようです。
どの会社がどれくらいかはわからないけど。自社のホームページで公表している会社もあります。
これにより1日に検査できる数を増やし検査可能件数が約7000件と見積もられたものと予想されます。
ここまでがキャパが増えた経緯。
*1には協力要請とともに
「感染者が増えてきたら、地方衛生検査所は疫学調査、クラスターや接触者追跡のための検査をするから、診療に必要な検査は検査受託会社で検査お願いね。」といった意味にとれる文があります。
まずこの文章から、現在症状は無いし感染者との接触も明らかでないけれども不安だから調べたいという人の窓口は無い、ということがわかります。
ある程度検査を重ねて陽性例・陰性例が積み上がってきた中で、やっぱり海外渡航歴のある人や換気が不十分な部屋にいた集団、それらの濃厚接触者に陽性者が多いみたいだとわかってきた。だから、保健所を通した地方衛生検査所は、濃厚接触者を中心に検査をしてクラスターを追っていきたいという意図がみてとれる。それを踏まえてtwitterで検査拒否された人のツイートをみてみると地方衛生検査所は接触歴のない人の検査はお断りしている可能性がある。
繰り返しになるけど、接触歴の明らかでない風邪っぽい人(=診療に必要な検査)は病院から検査受託会社に検査に出すことを想定しているから。
実際はどうかわからないけど。
では、症状があるのに調べて貰えないのはなぜか?次に続きます。
症状のない人に対して病院では検査ができないのは皆さんご存知の通りです。保険診療の対象にならないからです。なので上で述べたとおり、症状のない人の窓口は無いに等しいです。
では、症状があれば検査してもらえるのか。おそらく簡単には検査してもらえないと思っています。ここからはかなり個人的な推測が強くなります。訂正してくださる医師の方お待ちしています。
*3 検査料の点数の取り扱いについて
http://www.hospital.or.jp/pdf/14_20200304_01.pdf
ここには、新型コロナのPCR検査が保険適用になった旨を通知する内容がかかれています。
難しいことがたくさん書かれていますが、重要な部分をかいつまむと、「認可された検査施設で認可された試薬を使って検査してね。検査するときは明細書に検査が必要だと判断した医学的根拠を書いてね。」という意味だと思います。(保険診療の但し書きはいつも解釈が難しいです)
つまり、医学的根拠のない人は簡単には検査してもらえないようなのです。
医学的根拠が具体的にどんなことをさすのか技師の私にはわかりません。すみません。
しかしながら、日本環境感染学会から出ている医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド
*4 医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド 第 2 版改訂版 (ver.2.1)
http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/COVID-19_taioguide2.1.pdf
を読むと、肺炎の存在が証明されないケースは感染リスクがなければ積極的に検査すべき対象とは言えないと書かれています。(今のところ感染リスクがある人=濃厚接触者は保健所対応)
また、新型コロナウイルス感染症に特異的な症状や所見がないと書かれていることからも、まずはコロナ以外の肺炎の除外が先になります。
ということは、新型コロナ検査の適応になる人は、胸部X線やCT、採血、喀痰培養(数日かかる)、迅速キットなどで細菌性・マイコプラズマ・インフルエンザなどなどによる肺炎が除外された原因のわからない肺炎にかかった人ということになるのではなかろうかと個人的には思うのです。おそらくあんまり多くない。
http://www.jrs.or.jp/quicklink/journal/nopass_pdf/044120906j.pdf
*6 肺炎予防のために 知っておきたいこと
http://www.saitama-med.ac.jp/hospital/division/25respiratory_medicine/images/kanazawa02.pdf
診療方針については専門外なので検査室から電カルをみてた経験からの想像。すみません。もしかしたら、いや別にもっと簡単にコロナの検査出せるよと言われれば、あ、そうなんだ。って感じです。
あと、個人的には検査は適切な治療を行うための一つの手段だと思っています。今の状況をみていると、医療従事者側は患者の治療が目的なのに対して、患者側は新型コロナの検査を受けることが目的となってることによる混乱なのかなと思っています。
国や病院側の方針は患者の目的を果たしてくれるようなものでは今の所ないです。たぶん。しらんけど。
(患者がコロナかもと言い出すと病院にかかることすらもできなくなっていることも検査数が少ない原因の1つかもしれません。これは余談だけど、重症化しちゃったらコロナかどうか調べて貰えないことよりも、肺炎(もしくはそれ以外の病気)の治療をしてもらえないことの方が困るので、接触した覚えがなくて自宅療養してたけどつらいってなったら、保健所にコロナかもって電話するより病院に接触者じゃないことをきちんと伝えて周りに移さない対策をとりつつ普通に診察してもらって通常の検査受けた方がいいんじゃないだろうか?確率的にはコロナ以外の方が高いし、除外されればコロナの検査に正規ルート?でたどり着く。のか???)
実際どのくらいの検査が行われているのか、どのくらい増えているのか、は私が調べた範囲ではわかりませんでした。もしかしたらどこかにあるかも。先に書いた通り、病院からの検体は保健所を通さずに検査受託会社に回されるので、情報収集に時間がかかるのかも?
ちなみに、新型コロナの検査料は都道府県が負担をするそうなので、PCR検査料の患者負担はないようです。他の検査や処置料はかかるよ。
*7 新型コロナウイルス検出のためのPCR検査、3月6日から保険適用
https://gemmed.ghc-j.com/?p=32688
上記の理由から検査数が増えていないと思っているので、PCRが簡単かそうでないかはあまり関係ないと思っていますが参考まで。
PCRにもいろいろあって、手順が簡易化されたものや細かい濃度調整や設定が必要なものがあります。一般の市中病院内で行われているPCRは大体がメーカーがキット化した簡易的なものです。おそらく皆さんが想像してるのはこういうやつ?
https://jata.or.jp/rit/rj/339p11.pdf
正確にはLAMP法はPCR法とは異なります。ちょうどいいPCRの資料が探せなかった。PCRはもうちょっと複雑になるけど院内でやれるPCRのざっくりしたイメージはこのくらい。リヴァイ班いなくてもできそう。うん。緊急度の高い結核菌PCRや検査頻度の高い淋菌・クラミジアPCRあたりが実施されています。
一方で、新型コロナのような新しい項目でキット化されていないものや検査頻度の低い項目は、採算性や精度管理などの点から多くの病院の検査室では実施せず、検査受託会社に外注されているのが現状です。
ではPCRの何が難しいのか?
国立感染症研究所のホームページに新型コロナウイルスPCRのプロトコルが公開されています。
*9 病原体検出マニュアル 2019-nCoV Ver.2.8
https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/2019-nCoV20200304v2.pdf
キット化されていないというのはこういうことです。読むだけでしんどいです。
DNAに比べRNAの扱いはシビアです。すぐ壊れる。手順がすごく多くて扱う試薬も多い。機械が自動でやってくれるのは7ページの3)の部分あるいは11ページの7)の部分。あぁ、疲れてきた。
手順や試薬が多いとミスが起こります。1で増田は卒業研究でPCRやっていたと書きましたが、例にもれずコンタミネーションを起こし、ある一定の時期からネガティブコントロールに弱い反応が出続けるという地獄をみました。
おそらくピペットのチップを交換し忘れ、共通試薬にターゲットを混入させるとかいう超凡ミスをやらかしたのだと思います。
逆に共通試薬を入れ忘れれば全て陰性になってやり直し。ぴえん。
あとで原因がわかればまだましで、間違った結果を出してしまうと最悪です。しかもこんなに手間暇かけて一生懸命やっても感度はそんなに高くない。感染にも配慮しなきゃいけない。
このプロトコルをひたすらやっている姿を想像するとつらくなっちゃいます。
臨床検査技師であっても大学の講義・実習でちょろっとやっただけの人がほとんどです。ご年配の技師の中にはPCRの原理説明できない人もたくさんいます。本格的なPCRが精度よくできるのは研究所や大学病院クラスの大きな病院、研究熱心な一部の病院、検査受託会社の担当者くらいです。なので、いきなりマニュアル見てやってねと連れてこられても結構難しい。
検査受託会社がどうやって検査枠を増やしたのかはわからないけれど、検体検査は資格を問わないので、もともと理学部卒とか農学部卒とかも多いし集めやすいのかも。(病院の検査室は採血とか他の業務もあるし資格のない人を採用しているところは少ないです)
感度・特異度の高い簡易キットが開発されて検査する人の負担が少なくなるといいね。
最後に
ここまで読んでもらえると、ネットで騒がれている
病院の検査室は忙しい、だから新型コロナの検査はしない。という状況ではない
多くの検査は検査受託会社が請け負うので、病院検査室が忙しいのはまた別問題。
おそらく大変なのは検査対象でない患者の対応に追われてる保健所と濃厚接触者の検体を受け入れてる地方衛生検査所とか。
検査数がみんなが思っているより少ないのは、あくまで国内の感染コントロールの方針や治療方針によるものであると個人的には思います。
もう少し気軽に検査出せるようになってもいいと思うけど。まあ外注だしすぐに結果わかるわけじゃないから微妙か。
急激に増えてきたのがわかったらしれっと消します。
検査はすでに増えてるのかもしれないし、言っていることが矛盾していたり、誤字脱字があったりするかもしれませんが、臨床検査技師なんてただの凡人ですし、わたしはリヴァイ班でもありませんのでご容赦ください。
間違っていることがあればご指摘いただけると幸いです。
長々とまとまりのない文章を、ここまで読んでいただいた方、ありがとうございました。
ていう人。いるよね。私もそうだった。
休むのが一番だけど、どうしてもいかないと死ぬときは、なるべく喋らない、距離とってしゃべる、食事の時間ずらす、会社で共有してる電話・PC・自販機・券売機・食器・文具などなどは触らない、触ったら消毒か洗う。
くらいはしてもらえると少しは違うかも?
逆にそれらの共有物は汚染されてると思った方がいいです。
飛沫感染よりも手についたウイルスが目鼻口から入る接触感染の方が多いっていわれてるから目鼻口の周りを触るときには必ず手洗いしてね。
あと、すれ違っただけなら感染しないよ。
それと咳したときにグーの手とかで受け止めるのはほんとやめてよそのウイルス(コロナに限らず)の付いた手どーすんの?すぐ洗えんの?!
あと日本はワクチン制度の不備で感染症が多く感染症の輸出国とされていた時期も長い
(最近はマシになったが)
日本人が海外留学するならその前にワクチン大量に受けなければならないとか
COVID-19という嫌らしい感染症は、ワクチンを使った集団免疫に頼らないと抑え込むことは難しいようだ。関連する科学者たちは全力を挙げてワクチン開発に取り組んでいることだろう。「SARSやMERSですらまだ有効なワクチンがないのにそう簡単にできるわけがない」という悲観論もあるが、CRYSPR-Cas9などの遺伝子編集技術といった、当時は確立していなかったツールもあることだし、ワクチンの近い将来の開発・実用化には楽観的見通しを私は持っている。
SARSやMERSは抑え込みに概ね成功したこともあり、ワクチン開発にリソースをつぎ込み続ける動機付けにはならなかったと想像するが、現時点でCOVID-19ワクチン開発に多くのリソースを注ぎ込む動機があり、しかも実際そのリソースがあり、対象とする検体を最も保有するところはどこかというと、言うまでもなく中国である。ワクチン開発には人体への影響を調べるための多段階の試験が必要となるが、武漢で不足するインフラ労働者としてウィグル人を送り込んでいるという不確定情報もあり、中国なら彼らを使った人体実験もやりかねない。そもそもCRYSPR-Cas9を世界で初めて人体実験した国である。ワクチン開発加速のためのとんでもないリソースを持っているのである。
さて、COVID-19ワクチンを中国が世界に先駆けて開発・実用化するとどうなるか。その化学構造と製造方法を世界各国で特許取得すれば、中国で製造したワクチン(またはライセンス製造させたワクチン)を、中国の意向に逆らう国に使わせないようにすることは、法治主義に則る西側諸国で実施することは簡単だ。つまり、中国に逆らうとワクチンが使えないのだ。想像するだけで恐ろしい未来ではないか。
数日前、「オランダの科学者が世界で初めてCOVID-19の抗体を分離識別した」とのニュースが流れたが、なんだか白々しいと思わないか。武漢であれだけ多くの症例を経験した中国の科学者たちが、まだ抗体を見つけていないはずがない。発表が禁じられているだけだ。ワクチン開発も、二歩も三歩も進んでいるはずだが、中国にとっては軍事機密と同じ扱いなのだ。決して明るみに出ることはあるまい。
愚かな私は今朝になってようやくこのことに気づいたが、このことに気づいた世界の賢人たちは既にたくさんいることだろう。ビル・ゲイツがマイクロソフトを放り出して自身の財団業務に専念するのも、おそらくワクチン開発で中国に西側の特許を取らせないために違いない。
これは戦争だ。人類の未来のために、中国に支配される暗い未来から逃れるために、西側のワクチン開発の科学者たちには全力で頑張ってもらいたい。たとえワクチン開発では先を越されても、せめて特許だけは回避できるよう、一矢報いてほしい。
もしかして、人体実験で得られた知見では特許は認めないという条項があるのか?詳しい人がいたら教えてほしい。一条の光となるかも。
まず、なぜピークカット理論における曲線が正規曲線に近い形を描くのか、理解できていますでしょうか?
元記事 (https://medium.com/@joschabach/flattening-the-curve-is-a-deadly-delusion-eea324fe9727) は、
「我々は曲線を正規曲線として単純化する」(we furthermore simplify the model into a normal distribution)といってるが、この時点でこの記事はアウトだし、これを参照するこの記事もアウトです。もう少し、曲線そのものを自分で描けるようになるまで感染の理解を記事に入れて頂ければ、信頼性も増すと思います。
感染曲線の「ピークを下げる」というのは、たとえば学校閉鎖だったり、行動自粛だったり、個々人に衛生習慣を高めることで、医師・技師の単位時間あたりの稼働量を減らすことであって、集団が免疫を獲得することを目的としているわけではありません。
そのピーク下の面積で算出される集団感染者の総数を目標値(https://www.ft.com/content/38a81588-6508-11ea-b3f3-fe4680ea68b5 によれば、イギリスは総人口の60%)にもっていくのではなく、この曲線のピークを下げた結果、総感染者数が曲線下の面積になり、それを総人口でわったら60%になるのです。
あともう少し、生物学的要素を考慮していただきたいです。SARSやMERSが流行しなくなったのは、またはエボラなどの風土病が特定地域でしか流行らないのは、全人類がこれらの免疫を獲得したためではないですし、感染者を全員捕まえたわけでもありません。
とはいえ、ブコメで散見される「ワクチンができるまでの時間を考慮していない」という意見はガン無視して良いです。ウィルスのワクチンは一般に作成が困難であり、その中でもコロナウィルスは極めつけに難しく、作れたらノーベル賞クラスとも言われています。コロナのウィルスのワクチンができて、それが全国民に接種できるようになるまで、どんなに楽観的に見ても2年はかかるし、それどころか10年かけてもできないのではないか、とも思います。
(もっとも医療研究予算のなかで、コロナウィルス系の研究は比較的少なかったのですが、今回の件で各国が研究予算・資源をコロナに全振りしてきたらひょっとしたらどうにかなるかもしれません)。
とりあえず筆者が感染方程式(感染率が時間で変化することを基づく微分方程式)を立ててくれないので、もう少しわかりやすいサンプルを探したら、https://www.mag2.com/p/news/444079 があったのでこれでも参考になるかと思います。
ピークを下げれば、感染症の収束までに感染する個体の数も下げられるのだ、ということを、まずはちゃんと理解いただきたいです。
致死率はSARSに比べて低いから心配しなくて大丈夫ですとか言ってた感染症のスペシャリスト。
1月終わりの時点でそんな楽観的なこと言ってなければ、「これは良記事」とか言って警戒緩めて広めたツイッター民、はてな民含めて、もっと危機感持って対処できてたんと違うんか??
今後イギリスみたいに日本もほとんどの国民が感染して、何万人もの家族や友人が死ぬまで終わらないという方向になりうるし、
http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/COVID-19_taioguide2.pdf
"新型コロナウイルス感染症は指定感染症に指定されています。それに伴い、中東呼吸器症候群(MERS)や重症急性呼吸器症候群(SARS)と同じ2類感染症と同等の措置が取られます。
具体的には患者を診断した医師は直ちに報告義務があり、都道府県知事は患者に入院を勧告し、全国約400の指定医療機関への入院措置が行われます。
患者には一定期間、就業制限の指示を出すことができます。なお、入院中の治療費は公費負担となります。
なお、緊急その他やむを得ない場合につき、感染症指定医療機関における感染症病床以外に入院させること、又は感染症指定医療機関以外の医療機関に入院させることが可能となっています。"
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou15/02-02.html
感染者がまだ少ないうちは軽症者も含めて今の感染症対応の病院で見るでいいでしょうし、病床数をもっと確保していく必要はあるでしょうが、イタリアのような爆発状態になるとそうせざるを得ないかもしれません。
観客が感染するなんてどうということはない。
アスリートって体が弱っている状態だから免疫力が低下して感染症に弱い。選手としてのコンディションをピークへ調整するほど感染しやすい状態になってしまう。
選手村のクラスター化は避けられないと思うし、陸上競技なんかは重症化もあるかもしれない。
いやー我々アジア人をさんざんコロナコロナと呼んで嫌がらせしてきたヨーロッパが今やCOVID-19流行の最前線とは、胸が熱くなりますね!
アジアからの新規渡航者を警戒するだけならまだしも、すべての東洋人へのレッスン中止とか、なかなか素敵なことやってくれた教育機関もありましたしね!
やっぱり日本各地の大学ではヨーロッパ人への授業を中止したほうがいいんじゃないですか?
あいさつで気軽にハグやキスをするから感染が広がってるみたいな側面もあるらしいですね。
確かアフリカでエボラ出血熱がアウトブレイクしたときは、葬式で遺体に取りすがって悲しみを表すアフリカの文化に対して「そんな文化があるから流行るんだ。変えていかないと」みたいな論調だったように記憶してますので、ぜひいい機会ですからハグとかキスといった感染症を撒き散らす原因になる文化を変革していくべきなんじゃないですか?
アジア人に対してやってきたことやアフリカ人に対して言ってきたことをヨーロッパ人にそのまま投げつけるべき時ですよこれは。
いやー実に清々しいですね。
まるで武漢肺炎とか中国人お断りとか言ってたら自国の防疫措置がザルすぎて国内で蔓延して逆に自分たちがお断りされる立場になったどこぞの島国みたいな見事な因果応報ですね!
ドライブスルーを導入した韓国って研究者の多い国だってご存知でした?
ガンガン検査テストをしているけど死亡率が低いドイツって医学部がお安いのご存知でした?
医者と研究者が多いだけの日本とは大違いですね。マジでイノベーション以前の問題
[日本医事新報社]【識者の眼】「新型コロナウイルス感染症蔓延で思うこと─世界から遅れをとる日本の感染防御」
私は国際協力機構(JICA)の依頼で、15年ほど前からタイの国立皮膚科研究所で講義をしている。
そこでわかったことは、日本の医療は東南アジア諸国より劣っていることである。
確かに日本は病院数や医師数も多く、医療インフラは発達している。そのため日本では貧しい人も医療を受けることができる。
しかし問題は、医療の質である。実際に日本では専門家と称される人は多いが、本当の専門家は少ない。
そのため日本では世界標準治療ではなく、日本独特の治療であることが多い1)。
(略)
実際はPCR検査ができるのに、検査の条件を厳しく設定していることである。
感染防御で最初に行うべきことは、感染者を特定することである。診断がつかなければ、治療方針が立てられないのと同じである。
政府に近い人は検査をしても意味がないようなことを言っているが、感染者を特定しないでどうやって対策を立てるのであろうか。
日本には何千件の検査が可能な民間会社が多く存在する。なぜ検査をする余地がないというのであろうか。
(略)
確かにPCR検査は100%正確ではないが、これが今のところ唯一の検査法である。またPCR検査で陰性になる人がいるが、それは感染していないか、感染初期でウイルスがまだ十分増殖していないか、
もう一つはウイルスが存在する部位から検体を採取していないからである(爪白癬では真菌が存在する部位を知らない専門医が大勢いるため、検査結果が陰性になることが多い)。
そのため数日前のPCR検査で陰性だった人を下船させ、公共交通機関を利用して帰宅させるのは(日本以外の国では2週間施設に隔離)、感染防御を知らない人のやることである。これが日本の医療の現実であり、日本の医療が東南アジアより遅れている原因でもある。
関連増田:
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小木≫街のクリニックでもやや混乱が生じているようですけれども、では、感染症の指定医療機関ではどのような状況に立ち向かっているのか、重症者もそして軽症者も治療にあたっているという、こちら、中継をつないでお話を聞きたいと思います。
横浜市立市民病院で新型コロナウイルスの治療にあたられています立川夏夫医師と中継がつながっています。先生、よろしくお願いします。
まず、視聴者の皆さんにもこちらの写真をご覧いただきたいんですが。
立川先生とは別の先生だということですが、これは、集中治療室で重症患者の治療にあたっている写真だということですが。
ちょっとだけ右端患者さんが写っていますけど、立川先生、だいぶ太い頭の部分、酸素か何かを先生も…。触れないようにしているんですか。
立川≫これは、処置がなかなかエアロゾルが発生するような処置かもしれないということで。ヘパフィルターを通しながら息ができるようになっているという装置です。
小木≫ここまで重装備でないと治療にはあたれないんでしょうか。
立川≫いろいろ考え方はあるんですが、当院はまず、医療者も守るということで重装備させていただいています。
小木≫そして、およそ20人の入院患者さんの中でどのぐらいの方が重症になっているんでしょうか。
立川≫大きく分けると4つのパターンがあると思うんですけれども。当院では、無症状の方が2例。発症するけども軽症だった方が13例、肺炎を発症しましたけれども回復された方が2例、そして、肺炎を発症して重症化された方が3例というような感じでした。
小木≫ということは重症化した方は今までの見た方の中でのおよそ2割以下ぐらいですかね。
小木≫ここの境目といいますか診断をして難しいところといいますか肺炎を発症した人で回復した人。それから4番目の重症化した人。ここの境というのはどういうところなんでしょうか。
立川≫それは、もうみんな知りたいところなんですが、現在、分かっているのは基礎疾患がある方、それから、高齢の方はそうなりやすいというところまでしか、分かっていません。
小木≫先生がご覧になっている患者さんの中で重症化する瞬間といいますか、重症化していく過程というのをご覧になって、何かほかの病気と違うとか、新型コロナウイルスの特徴はどういうふうにつかんでいらっしゃいますか。
立川≫このパターン4が中国の先生たちも特徴的だとおっしゃるんですけども、数日間、5日間から7日間病態がくすぶったあとに突然、1日のうちに重症化して、人工呼吸器を使うような状態になってしまうという特徴があります。
小木≫突然というのは朝、診ている人の様子が、全く呼吸にも問題ない方が変化するんですか?
立川≫当院の例は前日の夜までは、お元気だったのに、朝になったら、担当の先生が息苦しいことを発見されて、当院に転院されてその日のうちに人工呼吸器になられたという方がいらっしゃいます。
小木≫その兆候がみんな知りたいところだとは思うんですけれども。重症化して、実際治療薬等はどうされたんでしょうか。
立川≫いわれているような抗HIV薬ですとか、その他の薬を使わせていただきました。まだ、数例ということではありますけれども、少し、ひょっとしたら効くんじゃないかなというような感じています。
森川≫初めてのウイルスと闘っていくうえで、どう治療していいかはかなり難しいところではあると思いますが、そういった情報というのは、医師の中で共有とかはされるんですか?
立川≫今回は、厚生労働省それから感染症学会等が、症例の共有という場を作っていただいているので、そういうことで行っております。
小木≫やっぱり、今非常に問題にもなっていますが、軽症患者もご覧になってそして重症患者もいて、これを病院で診ていくといったときに、当然、重症患者を重点的に治療したいとなっていくと思うんですけど、その課題というのはどう直面されていますか?
立川≫現在は、軽症の方でも、当院では4週間ぐらい入院された方もいらっしゃいます。現在は、入院、退院が、法律等で決まっているような状態ですけども、現場の医師からすると入院、退院を、もっとフレキシブルに決めさせていただきたいというふうに思っています。
PCR検査というのが今、できない理由はPCR検査をしてしまうと軽症の方が多く見つかってしまって、その方たちは、法律で入院させないといけないと。
いったん入院すると長くなってしまう。そうすると重症の方のためのベッドがなくなってしまう。そこから逆算してPCR検査ができないという状態になっています。
小木≫先生、横浜市立病院はベッドは今の状況でどうなんでしょうか?
立川≫今は、大体14部屋ある中で陽性の方が4人、それから疑いの方が3人で、重症の方のためにとっているという状態になっています。
小木≫今、このままでいくともしかすると足りなくなるという状況は十分に考えられるということですか。
立川≫そうですね。
小木≫そうするとやはり今おっしゃったように、今、先生のところに軽症の患者がいても退院させるわけにはいかないということですよね。
立川≫そうですね。
小木≫これは、はっきりとした目安が欲しいということですか。
立川≫目安よりも、今少しせっかく治療に手応えがあってひょっとしたらもっといい治療法が見つかるかもしれない。
そのためには多くの患者さんを見つけて、多くの患者さんにたくさんの薬を使って、その中で、治療法を確立していくということが大事なんですけれども。
今、PCR検査をすると、そのためだけにベッドが軽症の方でいっぱいになってしまう。そこから逆算して、PCR検査ができないというふうに逆になっているんですね。
ですから、入退院がフレキシブルに決められるようになれば、どんどんPCR検査をして、どんどん患者さんを見つけてよい治療法に1日でも早くたどり着けるんじゃないかと希望しています。
小木≫具体的な仕組みをはっきり示してほしいということですね。
感染確認と死亡のニュースばかりで鬱々とするけど、感染症学会の報告などには治療の成果が出て退院した例も当然のように上がっているよ
http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200310.pdf
http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200303_02.pdf
http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200303_01.pdf
あと、厚労省発表を見れば、国内発生患者602人中115人は退院していることがわかるよ(死者19人で、他は治療中か確認中)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10187.html
ここに、
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/keikaku/pdf/h29_koudou.pdf
パンデミックを起こすのは新型インフルエンザ、特に、H5N1とほぼ狙い撃ちして対策を立てていたからだ。
ワクチンやら抗インフルエンザ薬といった、インフルエンザに絞った行動計画の細目はあるが、基本的な蔓延防止の施策については、どんな感染症についてもパンデミック時はこの行動計画が基本になっている。
今般のコロナウイルス感染症(COVID-19)での現状を顧みて、この行動計画がどの程度役に立ったのか、検証したい。
なお、
本政府行動計画の対象とする感染症(以下「新型インフルエンザ等」という。)は、以下のとおりである。
ただし、今般のコロナウイルス感染症(COVID-19)は「新感染症」には指定されないらしい。
SARSも一度は新感染症に指定されたにも関わらず、COVID-19が指定されないのはなぜなのかよくわからない。
「指定感染症」というカテゴリーに入れられたので、感染症法によって様々な制約と処置をうけることになったが、新感染症ではなく既知の感染症ということを強調している。
ただ、「指定感染症」のままでは、検査で感染が確定してしまうと、入院が確定してしまう。
原則的に感染症指定医療機関における感染症病床に入院しなければならないとされているからだ。
個人的には、指定感染症ではなく新感染症としたほうがよいと思うのだが(省令でよい)
この行動計画、「Ⅰ初めに 2.取組の経緯」にある通り、策定は2005年である。
パンデミックは現実に2009年に引き起こされたが、H5N1ではなかった。
幸いにも、病原性は従来の季節性インフルエンザ程度で済んだが、国外発生期はこうする、水際対策は、国内発生期は、と細かく設定していたものの、全く役に立たなかった。
通常、新薬は有効性や安全性を審査しなければならないのだが、全てを超法規的にすっ飛ばしワクチンを作らせたが、出来たころには流行は終わっていた。
個人的には、仮にH5N1インフルエンザであっても、対策は役に立たなかったのではないかと思う。
例えば、行動計画ではワクチンに期待している節があったが、未知の感染症に対する予防薬を作ることは不可能であるし(プレパンデミックワクチンとして当たりをつけて作るとされていた)、パンデミックが起きてから終息するまでの間に予防薬を作ることも不可能だと思う。
全ての新型インフルエンザ等患者の PCR 検査等による確定診断は、患者数が極めて少ない段階で実施するものであり、患者数が増加した段階では、PCR 検査等の確定検査は重症者等に限定して行う。
少なくとも、パンデミックがH5N1インフルエンザだった場合は国内発生早期においては全ての確定診断はPCRで行うつもりだったらしい。
これ、発生したのがCOVID-19じゃなくインフルエンザだったとしても、検査のキャパが足りてたとは思えない。
それから、鳥からヒトへのH7N9インフルエンザが大量発生した後も、SARS、MERSが発生した後も、パンデミック対策はH5N1インフルエンザを想定しつづけたというのはどうなのか?
昨今、マスクに感染予防の効果はないとされているが、この行動計画では推奨されている。
個人における対策については、国内における発生の初期の段階から、新型インフルエンザ等の患者に対する入院措置や、患者の同居者等の濃厚接触者に対する感染を防止するための協力(健康観察、外出自粛の要請等)等の感染症法に基づく措置を行うとともに、マスク着用・咳エチケット・手洗い・うがい、人混みを避けること等の基本的な感染対策を実践するよう促す。
一方で、
患者はマスクを着用することで他者への感染を減らすことができる。他者からの感染を防ぐ目的では、手洗い等との組み合わせにより一定の予防効果があったとする報告もあるが、インフルエンザの予防効果に関する賛否が分かれており、科学的根拠は未だ確立されていない。
つまり、国の推奨は、科学的根拠はないがマスクを着用すべきと言っている。
と言っている。
出来てるのかこれ?
国、都道府県、市町村は、新型インフルエンザ等対策の実施に当たっては、基本的人権を尊重することとし、検疫のための停留施設の使用、医療関係者への医療等の実施の要請等、不要不急の外出の自粛要請、学校、興行場等の使用等制限等の要請等、臨時の医療施設の開設のための土地等の使用、緊急物資の運送等、特定物資の売渡しの要請等の実施に当たって、国民の権利と自由に制限を加える場合は、その制限は当該新型インフルエンザ等対策を実施するため必要最小限のものとする。具体的には、新型インフルエンザ等対策の実施に当たって、法令の根拠があることを前提として、国民に対して十分説明し、理解を得ることを基本とする。
チュニジアで新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防にニンニクが効くというデマが広がり、世界保健機関(WHO)が注意を喚起しているにもかかわらずパニック買いが発生し、ニンニク価格が高騰している。https://t.co/YcQZm3wSsc— AFPBB News (@afpbbcom) March 13, 2020
コロナ「ばらまく」男性捜査へ 飲食店の従業員感染 愛知県警(時事通信) - Yahoo!ニュース
ついに威力業務妨害等の容疑で捜査が始まるらしい。ところでブコメでは傷害罪に問うべきという意見も多かったと思う。
ブコメでも出た性感染症の事例(昭和25(あ)1441)を見れば確かに傷害罪は成立しうるとも見える。
ただ個人的には今回の件と同一視できるのかという疑問もある。刑法に関してド素人中のド素人である自分が語っても仕方ないのだが、詳しい人がいたら意見をください。
(1) 因果関係
基本的に刑法では「その行為がなければその結果が生じないであろう」(コンディチオ公式)という条件関係が成り立たねばならないとされている。もちろん単純にこの公式が成り立てば因果関係が成立するというわけではない。例えばAが交通事故を起こして傷つけた相手Bが救急車に運ばれている最中に地震が起きてBが倒壊したビルに下敷きになり死亡した場合にAがBの死まで刑事責任を負うというのは考えにくい。まあ、このあたりは相当因果関係説やら客観的帰属論やらの領分だろうと思うので重要だろうが今回は無視する。
ところで、性感染症の事例ではこの公式は比較的容易に確かめやすい。飛沫感染や接触感染するわけでもなくほぼ性的行為やその類似行為をした場合に感染すると分かる。対象も絞れるしそこから性感染症の持ち主を同定するのも必ずしも難しいわけではない。要するに「その性的行為がなければ感染は起こらなかっただろう」というのがほぼほぼ分かると言ってよい。
一方で、新型コロナの場合はそうとも限らない。飛沫感染では可能性を絞り切れない。もちろん現状濃厚接触者の絞り込みはできていると言えなくもないが、もしかしたら自覚症状のない感染者と接触していた恐れがないとも言えない。実際今回は直接接客していない店員の感染が認められたという。すると結局「被告人の利益」ということで無罪推定原則の対象になるかもしれない。
一応関連して疫学的因果関係(疫学的条件関係)という考えもある。疫学的証明や病理学的証明により合理的疑いを超える確実な事実を認定するという考えで今回の件でも使えなくもないかもしれない。ただ、これが採用された判決の多くはさつま揚げ中毒事件のような広義の公害事件である。また千葉大チフス事件のようなものもあるが、こちらは医師が赤痢菌やチフス菌を食品に添付したり注射で投与したりしたというとんでもない事件なので、今回のように感染者個人が濃厚接触を試みるといった程度の話に援用できるかは微妙な気もする。
では、今回の女性のように、「故意に感染させるつもりがなかった」場合はどうなるのか。鈴木弁護士は、「過失と認定するのは難しく、感染させる可能性を認識しつつ認容していたら『未必の故意』があったと判断されるケースが多いのでは」と述べ、傷害罪が適用される可能性が高いと指摘した。
次の論点に行く前にここを押さえておきたい。要するに性感染症の場合に感染の認識があるのに感染リスクのある行為を行った時点で未必の故意が認められ傷害罪が適用されるだろうということが書かれている。では、少し話は変わるがインフルエンザの場合はどうだろうか?感染のリスクがある行為を行っただけで傷害罪となるだろうか?とすれば、インフルエンザに罹っているにも関わらず出勤するような行為は傷害罪に当たるのではないかという話が浮上する。だが、これは一般には認められないだろう。性感染症の感染リスクのある行為は性的行為でありしかも一般にそうした行為を行えばほぼ確実に感染するであろうという認識(実際にそうかはさておき)が存在する。例えば性感染症者と性行為をしたと判明した時と同僚がインフルエンザと判明した時を比べてみればいい。前者の方が感染しているかもと思うだろう。それなりにお気楽な気持ちで通勤してくるインフルエンザ患者がいる(しそれを許容ないし強要する会社がある)のはそういう理由である。つまり感染リスクといっても程度に差があり、性感染症の場合は結果の発生を認容しているだろうから未必の故意が認められインフルエンザのような場合は結果の発生を認容しているとまでは見ていないだろうから未必の故意が認められないということになるのではないか。しかし、だとしてもまだ問題がある。
素人考えだが実はこちらの方が問題なのではないかと思っている。刑法には過失傷罪の規定がある。これは逆に傷害に該当する行為を特定する際に過失傷害のことを念頭に置いておかなければならないという意味ではないか。言い換えれば、故意を伴う特定の行為を傷害罪と認定した場合、故意はなくとも過失を伴う同様の行為をしても過失傷害として刑罰を与えなければならないということになるのではないか。例えば今回の新型コロナの事例では移す故意を持って濃厚接触した男性を傷害罪とした場合にインフルエンザを移す過失を犯した人も過失傷害で罰さなければならないという帰結になりはしないかということである。
自分が性病に感染していることに気付いていない場合には、理論的には過失傷害罪の成否も検討されますが、感染に気付くべきだったという注意義務の違反(過失)というものはなかなか観念しにくく、また立証の困難さを考えても現実にこれを処罰することは難しいと思われます。
まず性感染症の場合に過失傷害を想定するのは難しい。これは以上と(2)で引用した文に沿えば、(a)感染に気付くべきという注意義務が考えづらく(b)感染を認識した上で感染リスクのある行為(性的行為)をした場合には過失ではなく未必の故意があると認められる、という2点にまとめられる。しかしこれは性感染症の特質ゆえではないか。
例えばインフルエンザの場合を考えてみよう。インフルエンザの場合は大抵熱が出る。特に冬であれば少なくともこの時点で風邪かインフルエンザかという発想になるし、熱が高ければインフルエンザかもしれないと感付くだろう。つまり(a)感染に気付くべきという注意義務が想起されにくくとも感染の認識自体は朧気なりとも持っていることが多い。感染の認識をしやすいとも言えるかもしれない。新型コロナの場合は逆に風邪に似ていて逆に感染の認識をしづらいかもしれないが…。一方で、(b)先ほど(2)で述べたように未必の故意までそうそう認められないだろう。しかし、これは性感染症では未必の故意が認められる範囲が過失として認定されるという可能性を排除しない。
そこで新型コロナやインフルエンザに過失傷害の問題が生じる。性感染症と違い未必の故意をそうそう認めず「移してやる」という意思があると立証できた場合のみを故意とするよう厳格に解釈しても結局過失傷害の範疇から逃れられない。インフルエンザや高熱の認識があるのに通勤してきた人間は恐らく過失を認められるのではないだろうか。特に咳エチケットを守らないようなのは他者への感染という結果を全く回避するつもりがないと言わざるをえない。こういった事情を法令解釈に読み込んでよいのかという意見はあるだろう。しかし裁判官も人間であるから同程度に説得力のある解釈が2つあればいたずらに社会不安を招くような解釈でない方を(因果関係論など他の理由をつけて)選択しやすいというのもまた事実である。
(4) 以上のような指摘を回避できるか
と言っても上手く構成すればここまで書いてきた問題を回避できるかもしれない。
第一に新型コロナのような新しい感染症とインフルエンザのような日常的に存在する感染症を分けることができればよい。例えば次のような文章は風邪やインフルエンザであっても傷害罪の可能性はあるという前提の元で書かれているが、因果関係の問題で現実に処罰は困難だろうとしている。
また、誰からうつされたかという点についても、よほどの閉鎖空間で、特殊な病気を持っているのが加害者しかありえないということであれば、特定の人からうつされたと証明することも可能かもしれません。
しかし、多くの人は日常生活を送る中で膨大な数の人と接触していますから、病気をうつされたとしても、誰からどのように感染したかは分かりません。
そのため、現実的にはただの風邪やインフルエンザといった感染症をうつしてしまったとしても、傷害罪として処罰されることはないと考えてよいでしょう。
私は(1)で、因果関係について性感染症とインフルエンザ・新型コロナの間に線を引いたわけだが、インフルエンザと新型コロナの間に線を引ければ今回の新型コロナ患者を傷害にしようと多くの人に問題は生じない。つまり新型コロナは濃厚接触者が現段階でもある程度把握できることが多くこの程度の蓋然性の高さであれば因果関係を認めてもよいだろう。一方もはやよくあるインフルエンザでは飛沫感染とはいえ絞り切れないから蓋然性が高いと立証するのは現実に困難だとさえ言えればよいわけである。とはいえ、新型インフルエンザが突然生じて感染した場合にはおおよそ感染ルートが特定されてしまうので過失傷害罪で罰せられる可能性は否定できなくなってしまうようにも思える。
第二に過失犯の成立が困難であれば問題がない。要するに故意による傷害罪が新型コロナやインフルエンザで認められても過失が認められる要件が厳しければ多くの人には特に問題が起こらない。1つには過失傷害が親告罪であることを利用し一般市民の善性を信じるというわけである。もう1つには実際に理論上過失犯が成立する条件が厳しければよい。過失論はよく分からないが大抵義務違反などを想定するはずなのでそのあたりで何かできたらいいんじゃないか的な話で、まあそこは詳しい人に任せる。