はてなキーワード: 焦燥感とは
昨日アマプラ会員向けに配信レンタルが安くなるセールがやっていてその中に『花束みたいな恋をした』が入っていた。
普段ならこの映画の宣伝の仕方とか、ぱっと見の内容を想像するに見ないようなジャンルの映画だなと思っていたんだけど、
以前この映画の感想がはてぶでもホッテントリしてたりして、みたいなと思っていたのでこれ幸いと思い視聴した。
で、まあ、すごく面白かった。終始どこか痛々しさを感じっぱなしで、共感性羞恥?というやつをくすぐられ続けた。
ああ、自分もこうだったなと。主人公の二人の麦くんと絹ちゃんが、所在のなさを、自己の存在の価値をなんとか感じるために、
サブカルチャー(この表現が正しいのかはわからないけれど)で壁を築き、自分を感受性の高い特別な人間でありたいとするが、
同しようもない薄っぺらさが漂う。それは例えば、天竺鼠のライブを好きなはずなのに当日に放り出したり、二人とも作家の固有名詞を羅列する
だけで、内容に関する話がなく、そうではなくてまるでその作家や作品の固有名詞をいかに多く知っているかの知識に価値があるかのような二人の
やり取りの悲しさ。そうすることでなんとか自分たちを特別な人間であろうとし、周囲の人間をある種見下す特権意識の現れ。
じゃんけんに関するエピソードで、グーよりパーのほうが強いのは納得いかないと言った一度は誰でも思うような事をなにか特別なことのようにことさら感じたり、
「電車に揺られる」といったありふれた陳腐な表現なのに、そうした表現を使用することで自分たちは違うんだ、特別なんだと思いたい若さゆえの痛々しさ。
また、終電を逃し居酒屋で二人でいるとき、途中から入ってきた麦くんの同級生に対する絹ちゃんのと拍子のない態度や、麦くんのなんとなくのいけてなさ、
そこはかとなく、周囲から浮いている、居場所のなさを暗示しているように感じる。
麦くんが就職し、働き始め、忙しさから次第に、かつて好きだったものへの興味を失い、頭に入ってこなくなる。パズドラしかできなくなる。
ああ、そうだよなっとついつい共感してしまう。生きていくことだけに目を奪われ、自分の現状への焦りや、未来への焦燥感や不安が募り、かつて大好きだった作品が頭に入ってこなくなる。
いやそもそもそこまで好きではなかったのかもしれない。麦くんの書いていたイラストは所詮イラスト屋で代替可能なレベルのものなのだ。
一方で昔のまま変わらないであろうとする絹ちゃんに麦くんは苛立ちをつのらせすれ違っていく。
麦くんが麦くんなりに「大人」になったように、絹ちゃんは絹ちゃんなりに「大人」になって行くのであって、これはどちらが現実的だとかそういう話ではない。
そうして二人はすれ違っていくわけだが、最後に二人でカフェで別れ話をするシーンには、かつての自分たちを彷彿とさせる若いカップルを見て
涙を流す。ああ、自分たちは特別ではなくどこにでもいる代替可能なbotでしかないんだなと二人はそこでひしひしと感じる。
麦くんの言うように、彼らにも子供を作ってワンボックスカー乗って、ディズニーランドへ行くそういったよくある様な家庭を築けたかも知れない。
しかし絹ちゃんは言う、いや、そうじゃないんだと。そういうのじゃないでしょと。
全編を通して自分自身の若い頃の痛々しさ、未熟さ、滑稽さ、いやらしさを感じさせられ、本当にグサグサきた。
でも、麦くんは絹ちゃんがいただけ良かったなと。自分には何にもなくって、自我を必死に保つための選民意識で壁を作り、
もうどうしようもないぐらい取り返しのつかないとこまで来てしまい、本当に薄っぺらい代替可能なbotでしかないんだなと。
https://anond.hatelabo.jp/20220505163243
確かに、自分ももうどうしたらいいんだろう。仕事に興味もないし、パートナーも家族もいない。
好きだった、小説、映画、マンガも頭になかなか入ってくなくなって、スマホゲームすらすぐに飽きて、twitterやはてぶの記事を眺めるくらい。
本当になんにもないんだよ。
年末年始位しか休みがほぼ無いブラック企業だったけど人間関係は良好で、仕事もやり甲斐があったし体調も問題無かった。
ある日ネットで、ニートが楽しそうに日々謳歌しているという内容の記事を見た。
毎日好きな時間に起きて、好きな物を食べ、好きな事をして、好きなだけ寝る、という何ら生産性の無い内容だった。
アホくさと思いつつ、社会経験が豊富な自分ならこのニートより楽しい事を、あんな事やこんな事する妄想をしていた。
妄想で終わらせておけば良かったのに次の日に退職届を提出していた。
その時はまだ、専門性の高い仕事だったから1年位遊んで暮らしてまた働けばいいやと軽く思っていた。
辞めてからの1、2ヶ月は、バイクでツーリングしたり、飲食店巡りをしたり、新しい趣味を探したりして充実していたが今思うと無理矢理ニート期間を楽しもうとしていたのかも知れない。
夕方に目が覚め、ウーバーイーツで倍ダブチを食べて、夜明けに眠るのがルーティンだった。
冬以外は裸で過ごし、頭の痒みが我慢できなくなったらシャワーをあびた。
まだ余裕と思っていた。
1年が過ぎた。この頃はなろう小説を読み漁り、田舎でスローライフ妄想するのがたのしかった。
主食は相変わらず倍ダブチだった。
体重が100㎏を超え、貯金が百万を切り、そろそろ働くかと思いはしたが、コロナが流行りだしたため就活は先延ばしした。
まだ余裕と思っていた。
1年半が過ぎた。この頃から昔の出来事がフラッシュバックするようになったが基本的には楽しかった事で、たまに黒歴史を思い出す程度だった。
貯金が70万を切ったが、コロナが猛威を振るっていたため就活は先延ばしした。
自堕落な生活だったが、焦燥感や自己嫌悪とは無縁だった。まだ余裕と思っていた。
2年が過ぎた。
この頃から死んだ母の記憶がフラッシュバックするようになった。
公園で一緒にシーソーをし、ゴーカートで競争し、街灯のない雪が積もった道を手を繋ぎながら歩く光景をよく見た。
役所に保険の減免手続きをするさい、人と目が合わせられず、舌が回らず、思考が纏まらなくなったことに気付いた。
貯金が50万を切ったが、自分みたいな人間は誰も採用しないだろうと思い就活は先延ばしした。
焦燥感や自己嫌悪まみれでも自堕落な生活は辞められなかった。まだ何とかなると思っていた。
2年半が過ぎた。
小学生の頃周囲に実は嫌われていたとか、
あの時職場で小声で話していた同僚は自分の陰口を叩いていたとか思うようになった。
父から数年ぶりに連絡があった。定年退職する報告とその会社のお局と再婚する報告だった。
前妻の物が気に触るらしく、自分に母の遺品やアルバムを送ってきた。
体重が120㎏になり100m程歩くだけで息が切れるようになった。
このままではまずいとママチャリを買ってサイクリングしようとしたが購入初日にパンクしやる気がなくなった。
貯金が30万を切ったが、面接会場に行くことさえできないと思い就活は諦めた。
焦燥感や自己嫌悪まみれでも自堕落な生活は辞められなかった。もうどうにもならないと思っていた。
3年が過ぎた。
重い腰を上げて家の大掃除をした。
メルカリやジモティー、不用品回収を利用し、10年過ごした家にはアイロンテーブルと毛布一枚と貴重品を入れる金庫と日記以外何もなくなった。
換気扇にはいつも雀が巻き込まれるし冷蔵庫のしたには誰かの気配を感じるようになった。LEDは勝手に調光するし養命酒がいつも空になっている。
思考がおかしくなっているのを自覚しているのにもしかした本当の出来事と思っている自分もいる。
3年前とは別人で笑ってしまった。
最初は万年筆をつかい内容もその日した事や感じたことを綺麗な字で、漢字で書いていたのに
途中からは、クリップペンシルやホワイトボードマーカーでその日見た夢や妄想を汚いひらがなカタカナで書きなぐっていた。
日々、脳が縮小していく。
人の目が見れず、人の目が気になる。
自分がこんな醜悪な生き物に成り下がるとは思ってもいなかった。
・プライドを捨てるな、恥を捨てるな
・歯を磨け、毎日磨け
・酒を飲むな、タバコは控えろ
・タクシーをすぐ使うな
後は思いつかん。
しょっちゅうそういう気分になって、何か食べないとと思っている時間が長い。
ベースブレッドすら食べたくない。カロリーメイトは切らしている。うどんでも茹でるかと思うが温かいものを食べる気がしない。コンビニの棚を順に思い浮かべてみるが、あれもこれも気分じゃない。
ご飯時なら絶対おいしいやつを宅配してもらうこともあるが、お金もかかるし他のものでなんとかしようと思っているうちにどうにもならない時間になる。
もう一日半くらいラムネでごまかしていて、空腹よりも焦燥感や義務感が強い。
何を常備しておけば解決するのか…。
抑うつ症状がたまに出るので病院では相談している。ちゃんと食事するのって健康な人でも大変なので、何かは食べていればいいよって言ってくれる先生で助かる。内科の産業医に強めにとにかく食って寝ろと言われたの嫌だったなあ。それ解決手段じゃなくてゴールだろ。
食欲を出す訓練はしているが、条件づけが効く前に食事に対するネガティブなイメージで毎日上書きしてしまう。無理やり飲み込むことはできるがどんどんつらくなる。やっとおいしいものなら楽しめることも増えてきたのに。
何なら食べられるかなという気持ちを堪えて、何を食べようかな、と無理やり思う。毎日毎日。
チーズがあったので明日の昼までは保ちそう。昼には何かは食べないといけないのか。いや違う。どんなおいしいものを食べようかな、楽しみだな…
で検索しても、
ロシア国民に対して支援ができる窓口がほとんど見つからなかった。
を見つけることができた。
念のために言っておくが、私はロシア政府が今やっていることを全く支持していないし、先日のニュースでロシア軍による虐殺行為をでっち上げと主張した駐日大使の意見を到底受け入れることはできない。
このような政権を支持してしまった多くの国民に対して責任が全くないとは言えないかもしれないが、少なくとも参政権の全くない未成年者や在露外国人には一切の責任はないし、参政権のある国民からしても、実質的に国家権力によって選別(検閲)された情報しか受け取ることのできない状況下で、戦争に異を唱えることは難しく、仮にそうしたとしても過酷で理不尽な刑事罰を受けるリスクがある。
そして何よりも私が恐れているのは
このままでは現在のロシアの状況が将来の我が国の姿となってしまう可能性があるということだ。
先に述べた駐日大使の言動にしろ、プーチン大統領の言動にしろ、侵略行為を堂々と正当化するこのような態度は、過去に日本国民を第二次世界大戦の悲劇に巻き込んでしまった指導層や、近年の政治的茶番で詭弁を弄するしょうもない政治関係者の姿と重なってしまい、正視に耐えられないというか、より今的なニュアンスで言えば「痛い」。もうしばらくすればそのような言い方は公を茶化したものとして処罰の対象になる可能性も否定できず、心の奥底では恐ろしい。
もっと日本の民主主義が成熟しなければ、このままでは大変なことになるという焦燥感のようなものを感じる一方で、もしそれが叶わず、私の危惧が現実のものとなった時に、世界的状況が今のウクライナに一方的に支援が集まるものと変わらなければ、日本国民の落胆と国際的孤独、不条理感はさらに厳しく辛いものとなるだろう。
もし我が国がロシアのような状況になった時、我が国の対戦国の国民に対してのみ、諸外国からの人道支援が一方的に集まるという状況が起きたら、我々はどのような心境になるだろうか?
「政府が勝手に始めた戦争に国民は勝手につきあわされているだけなのに」
「私は戦争に賛成していない」
「あっちの国民と俺たちと一体何が違うんだ? 俺たちだって別に何も悪いことをしてないのに」
「私達のほうがよっぽど食い物に困ってるのにあっちの国にばっかり支援が行ってるのはおかしい」
何を馬鹿なことを、と思うだろうか?
今の多くのロシア国民の心境とはあまりにもかけ離れているだろうか?
政府を利することなく国民に支援を行き渡らせることは21世紀の今でもやはり不可能なのだろうか?
それともこうだろうか?
「侵略行為に対する単なる正当防衛だ。私達の一体何が悪いって言うんだ?」
・よかった
オリジナル書けません漫画が描きたいというより「萌え」を描きたいから二次創作描いてますタイプは根本的なとこから違うから思ったより加齢により二次創作しなくなったクライシスの特効薬にはならんかったわ
オリジナルかけるひとすごい
あとルックバックもだけどやめるやめる詐欺の人とかもだし「かくひとはかく」なんだなあみつを
社会人漫画描いてる人とか結婚して段々漫画かかなくなった人とかの気持ちもかいてくれててよかった「漫画をかかなくなった自分にがっかりしない~」的なやつとか
昔ほどはまれなくなった自分に焦燥感もってるのが「他にもそうやって冷静?になってく人もいるよな」ってちょっと焦りが落ち着くから
フルタイムの事務職だけど、8:20に起床して始業時間8:30ギリにPC開いてた頃はまだ良い方で、最近は9:00過ぎにとりあえずベッド脇でPC開いて上司に在宅開始連絡して、今この時間(10:30)もまだベッドでダラダラまとめサイトとか見てる。
そして日に日に酷くなってる。
かといって「サボり最高~!!!」みたいな感じで満喫してる訳でもなく、目が覚めてからずっと「起きなきゃ…このままじゃダメだ…」って思いながらTwitterやってるから完全にクズ人間。
起きちゃえば普通に仕事するし、むしろ作業は早い方だしルーチン仕事だから1ヶ月の中でちゃんとやるべきこと終わらせて帳じり合わせてなんなら同じグループの人のサポートもがっつりやるから誰にも文句言われないんだけどさ。
だったら早起きして先に仕事終わらせて残りの時間罪悪感なく自分の時間を満喫するとか、いっそ開き直って「サボり最高~!!」って楽しめればいいんだけど、ただただ焦燥感と罪悪感のなか布団のなかで頭が痛くなるまでもう見るものもなくなったスマホを猿みたいに見続けてる。
どうやら自分は「仕事を始める」ということにめちゃくちゃハードルがあるみたいだ。在宅始める前は「出社しなきゃヤバい」という有無を言わせない強制力があったから、多少しんどくても、起きて家をでて会社に向かう間に自然とそのハードルを越えられてた。
それが出社という強制力を失った途端に、自力で「仕事を始める」ハードルを越えなければいけなくなった。でもそれができない。仕事に対する漠然とした不安感が常に付きまとっていて、それを振り切るようにPCを開くことを考えただけで辛くなってしまう。
正直一定の時期を除けばさほど忙しい訳ではない。だからこんな状態でも何とかなる。でもこんな状態から抜け出せない自分と甘受できない自分の間で苦しんでる。
恵まれてるのは分かってるけど、辛い
28歳男プログラマー。地方零細IT企業に勤めてるけどコロナをきっかけに求人の選択肢が増えたのと年齢的に焦りが出てきたので転職(+婚活)活動中。
Webプログラマー+自社サービス+フルリモートで初年度年収600万目指してるけどうまく行かない、今のところ3社落ちた。
1社目は面談時に噛み合わない感じがあったのでまあしゃーなしかなって思った。1次面接落ち。
2社目はその会社が出してるサービスとほぼ似たようなサービスを開発主導したことあったので「御社の○○で使われているXX機能(プレスリリース打つレベル機能)とほぼ同じものをRTA感覚で実装して2日でリリースしました」とかアピールしまくったのに余裕の1次面接落ち。倍率高そうだしこんなもんかーって思った。
3社目は「あなたのテックリード経験などは経歴的に弊社の求める人材とマッチしていてポートフォリオに載せてる個人開発アプリの○○なども魅力的で是非一緒に働きたいと~」っていう600万のスカウトが来たのに書類選考で落とされた。んな馬鹿なと思った
正直学歴とかは偏差値の概念すらないようなものだけどテックリード経験ありでDDDやらクリーンアーキテクチャやらCIやら主導して導入経験もある俺は余裕で無双できるもんかと思ってた。
でもそれだけじゃ600万は流石に難しいのかなあ。単価高いフルリモート求人じゃ多分全国の数十人の中の1番に選ばれんといけん感じだもんなぁ。東大卒のガチガチ勢に叩きのめされてたらどうしようもないもんな。
冴えない男に生まれた以上はスキルを上げて経験積んで資本主義社会で殴り合って金なり地位なり手に入れなきゃ俺なんて誰一人にも見向きもしてくれない。
食うにゃ困らんが、食うのに困らんだけの男など誰の視界にも入らない。負けたら死ぬまで孤独が続くだけ。
鬱になって分かったけど、鬱になるとこれが全部できなくなるぞ!
まずは風呂に入らなくなって、次に眠れなくなって、気づいたら食欲もなくなってた。酷いときは、トイレに行くのがギリギリのライン。トイレに行って、水を少し飲んで、ソファに座って、無気力とたまに襲ってくる焦燥感と無力感に振り回されて、でも何もできない…と思わされながら、いつからかテレビで再生されていたYouTubeを見るわけでもなく、いつの間にか外が暗くなって明るくなって、あれ?寝たっけ?寝てなかったっけ?薬飲んだっけ?飲んでなかったっけ?あぁ~~ちょっと落ち着いてから考えよう…みたいな感じで過ごす日々になる。
両親は割と早めに俺を捨て以来親戚の子となり二人暮らし。親は趣味は貯金かってくらい金を使わないので貯蓄がまあある。それと都内に一戸建てと駅近のマンション一部屋を持ってる。
小学校から私立に通わせてもらったけどサボることを覚えつつ大学受験3回やって結局いまは医療系Fラン。資格職だから食うには困らないんだろうがもうすでにダブらず卒業できるかすら怪しい。
恐ろしいほど自分の人生に当事者意識がなく、ただ低きに流れる方を選びここまできた。ここまでサボったのにまだ大学に通えてるのはやはり親が太いおかげ。
親との仲はかなり良好。最近は遅く帰る度に例の彼女?笑とか聞いてきてちょっとウザい。
作ってくれるご飯は美味しい。だけどなんで俺こんなにダメ人間なのに普通に接してくれるんだろうとかたまに思う。
ワイはドワーフになってコチコチと小さなノミを叩いて岩を削ってはフーフーとしてる、夢の中。
もっと破壊的な物理でくだかないと埒が明かないのはわかっているけれど、
そんな破壊的な行為で岩を砕いたら間違って奥深に眠る貴重な鉱石まで破壊しないかと心配になって小さなノミでしか叩けない。
それでは駄目なんだ。貴重な鉱石なんてそんなことでは見つからないんだよ!!
ワイは焦燥感にかられてる。どれだけノミを叩いても岩は削れるだけで砕けないしそれでは大事なものは見つからない。
でも出来ねえんだよ、破壊できねえんだ。ワイの大事な鉱脈なんだから。
だいたいそういう悪夢を見ると、ハッ!と目覚めるのではなくて
ゆっくりとジワーッとかなしばりが徐々にとけるような覚醒の仕方する。
しびれる感じが体に残ってるような気がするからカフェインで眠気を飛ばす。
今年で数え年の25歳になった。
留年した挙句拾ってくれた会社である。受験期の高校生より馬鹿な私立文系のカスを何人も採用してくれる懐の深いIT系の会社だ。
それでどうやって生きてきたのかなという程処理能力が遅いカス、寿司打で一生ミスタイプのSEを響かせてそうな程タイピングはやばいカス。そんなカス達を2ヶ月程で鍛えたのち「バックアップ体制はちゃんとある」と言い、カス達にとっての未開の地(常駐)に放つ大胆さもある。安心する言葉ではある。現に自分には入社3年目のとても頼もしい先輩がついてくれることになった。「余裕余裕!」と嘘みたいに狭い喫煙所でワイワイ笑った。
おすすめの店があるんだよと言われ連れてかれた店が『安安』だったときはどう反応すれば良いか理解らなく、少し抜けたところもあるのかなと笑えた。基本的には面白く優しく仕事も出来る人だった。趣味も合った。麻雀、競馬、野球。タバコ休憩中は常に話が盛り上がった。男はギャンブルとサッカーか野球を知っていればどこでもやっていけるのだと思った。
ある日、とても頼もしい先輩が消えた。LINEはUnknownだった。どうやら退職代行を利用したらしく、本気で使う人いるんだと最後にちょっと笑っちゃった。
バックアップ体制というものは一度なくなったら整えるのは一筋縄ではいかないらしく、自分一人で全てを処理する必要があり残業につぐ残業だった。「まあ辛くなれば普通に逃げればいいしな…」と当たり前のことを常日頃考えていたし、今までの人生でもそういう辛いことあれば逃げてきた人間だったのに、そのときは何故か踏ん切りがつかず結局寝→労働→寝→労働の日々が数ヶ月続いた。
気取って立ちながら仕事できるスタンディングデスクというものが未開の地にはあったので、気取りながら仕事していたところ、急に目眩がしてきた。「ヤニクラかな?」と思いつつまあなんとか耐えていたのだが、あまり今まで自分が感じたことのない苦しさになり、トイレに駆け込んだところ酔ってもないのに初めて吐いた。なんかやばいなという焦燥感よりも「やっとこれで理由ができた」という安堵感の方が強かったのを覚えている。
翌日は日曜日で休みだったので初めて精神科に行った。理由付けを貰うのには一番ぴったりな場所だと思ったからだ。
その日の自分は素晴らしい役者だったので、演技とは思えないくらい自然に泣くことが出来た。先生と話をした後に、理由付書を4,000円で書いてもらいお薬ももらった。もう解放された気分だったので、書いてもらったあとは串カツ田中で独りで美味しい物を食べた。お薬は今も飲んでいる。
今の時代ネットで簡単に異性と知り合うことが出来る。自分はルックスもいまいちだし、高校時代クラスの女子が家庭科の授業中ワイワイ話し合ってた『クラスの中で一番付き合いたくない男子ランキング』で見事ワースト2位だった。
大学時代、初めて出来た彼女に対し「自分は顔が良くないから」とネガティブな発言をしたら「そんなことないよ!」と返され、その優しい一言が、今の自分がまだ恋愛に対して一歩踏み出せる勇気をくれていたのだと思う。
その彼女は別れた後、ゼミ内で自分の容姿を貶してきた男と付き合っていたが。
新しい彼女はとても気の良い子で、料理が得意で、オシャレで可愛い女の子だったと思う。多少ぶりっ子の感じはあったので、男にウケ、女には…なタイプだ。そして巨乳だった。好きになれば関係ないよなんて言うが、自分的にはあればあるだけプラスになるし、虜にもなる。
彼女とは色んなところに行った。転職して土日は不自由なく動けるようになったし、彼女とも予定は合った。自分は地方出身で彼女は横浜出身だった。あちらのほうが都内の地理には明るく、新しい発見を色々させてもらった。
ある日、原宿に行った。原宿駅のすぐ近くには明治神宮がある。自分は明治神宮が好きだった。あんな都会に緑がいっぱいで、歩いていてとても落ち着くところだった。テンションが上がり、じゃあ行こうかとなったところで彼女の顔色はそんなに明るくなかった。「ちょっと疲れてるからカフェでも入ろうか」と言われたのでそうした。素直に従ったが休憩後にも明治神宮には行けなかった。
それから日が空くが、デートをする約束の日に、自分は直前の予定が押してしまい遅刻してしまった。謝ったが、彼女はまったく怒らず「大丈夫だよ」「偶然街で昔の友達と会ったからお茶してていい?」と優しく返事をしてくれた。もちろんダメと言えないし、1時間程遅れてしまうのでむしろ偶然の友達に感謝をした。
駅に着きLINEをすると、まだお茶をしているみたいで一旦彼女と友達がいるカフェまで来て合流しようかという話になった。知らない人なのになという思いは多少あったが、非はこちらにあるので素直に向かった。
2人がいるカフェに入り合流をした。席に着いて2,30分くらいは普通の話をした。まだ付き合って日が浅いけど結構色んな所へ行きましたよとか、彼女の作るミートスパゲティはとても美味しいんですよとか。
そんな話をしていたが、2人が「トイレ行ってくるね」と同時に席を立った。そろそろ良い時間にもなるしここで解散かなと思っていた。
2人は戻ってくるとさっきまでと雰囲気が違っていた。
「大事な話があるんだけど聞いてくれるかな」と彼女が真面目な顔で言った。なんで初対面の人がいるこの状況なんだよと思ったし、戻ってきて顔見た時点で嫌な予感は凄くしていたけど、何故か格好つけて良いよと答えた。
「本当に信じてるものがあって、君にも理解ってもらいたいんだ」と言われた。
頭の中で最悪の選択肢が2つあったけど、難しい方だったみたいだった。マルチ商法であれば真っ向から否定できた。でも言われたことは恐らく宗教のことで、それをマルチ商法と同じように否定するのは憚った。ある意味その人の全てだろうし、真っ白になってしまった。
彼女が言った細かい話はもうあまり覚えていない。自分は「ここでこの話をするのはもうやめたいんだけど」としか言えてなかったと思う。その度に「大事な話だから」と同じ内容を繰り返された。
話は入ってこないし、平行線のままでいたが、「震災でも信じてた人は助かったの」と言われたのはずっと覚えている。
それは自分にとってとても人を馬鹿にした発言に思えた。「それ以上この話を続けるならもう出ていくね」と言っても、あっちはまだ続けようとするので5,000円をテーブルに置き、そのまま店を出た。追っては来なかった。
駅まで歩いて、最寄り駅に着いて、家までまた歩いてるときにちょっと泣いた。家に着いた時点で彼女からは何も連絡はなかった。
今までのことは全部嘘なのかなとか、セックスだって普通にしたんだけどなとか、あっちも勇気出して話した結果こうなってどうなんだろうとか、色々思うところはあったけど、考えれば考えるほど自分がキモくなってその日は終わった。何故か物凄く眠れた。
次の日に「考えは否定しないけど理解は出来ないし、今までみたいには行かないから別れよう」とLINEを送った。彼女は「納得いかない」と言っていたが、修復なんて考えられなかったので、ひたすらゴメンなさいと返し続けた。
別れることに合意はしてくれたのだが、定期的に連絡が来て怖かったので最終的にブロックした。
「久しぶりにご飯でも食べない?」
結構ウキウキで準備をしていたと思う。当時は自分がガキすぎて不細工に見合わない言動をしてしまったせいでヒビが入り別れてしまった。それ故にあちらからまた連絡をしてきてくれたのがとても嬉しかった。
ちょうどあちらの誕生日も近かったので、好きだったハンドクリームをプレゼントとして買うくらいには浮かれていた。
店は焼肉屋で、酒類提供禁止も明けていたのでお互いビールを飲み良い気分になっていた。元カノはどちらかといえば少し気が強く、思考が男寄りなのもあって、話をしていてとても楽しく感じた。あのときはくだらないことで拗ねてゴメンねとか気軽に言えたりもした。
3,4杯飲んで、じゃあ次の店でも行こうかとなった時に、「ウチに来ない?」と言われた。正直急だったし驚いたが、お酒も入っていたので断る理由はなかった。3年ぶりに手を繋いで心臓がバクバク言ってたのを覚えている。
次の日が仕事だったしもちろん着替えもなかったが、そんなことも気にならないくらい良い夜だった。
馬鹿なもので一度ヤれば「復縁かな?」と考えにもなったし、翌日の仕事中はこれからのことで頭がいっぱいだった。
また、次の日が祝日だったので「会えるかな?」とLINEを送った。
返ってきたのは「やっぱりごめん。昨日のことはなし。」という返事だった。立場が逆ならそこらへんにある話だと思うが、その文面を見た瞬間こういうパターンもあるのねと落胆した。
自分本位で上手くいくことを想像すると得てしてそうはならないと今までの経験で十分理解しているはずなのに。
打ちのめされた気分になったので、「わかった」とだけ返信をし、その日は久しぶりに独り酒をした。
2022年は最高の年にしたい。