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はてなキーワード: ずんずんとは

2024-10-01

最後にうれしいことを思いついた。美禰子は与次郎に金を貸すと言った。けれども与次郎には渡さないと言った。じっさい与次郎金銭のうえにおいては、信用しにくい男かもしれない。しかしその意味で美禰子が渡さないのか、どうだか疑わしい。もしその意味でないとすると、自分にははなはだたのもしいことになる。ただ金を貸してくれるだけでも十分の好意である自分に会って手渡しにしたいというのは――三四郎はここまで己惚れてみたが、たちまち、 「やっぱり愚弄じゃないか」と考えだして、急に赤くなった。もし、ある人があって、その女はなんのために君を愚弄するのかと聞いたら、三四郎はおそらく答ええなかったろう。しいて考えてみろと言われたら、三四郎は愚弄そのものに興味をもっている女だからとまでは答えたかもしれない。自分の己惚れを罰するためとはまったく考ええなかったに違いない。――三四郎は美禰子のために己惚れしめられたんだと信じている。  翌日はさいわい教師が二人欠席して、昼からの授業が休みになった。下宿へ帰るのもめんどうだから、途中で一品料理の腹をこしらえて、美禰子の家へ行った。前を通ったことはなんべんでもある。けれどもはいるのははじめてである。瓦葺の門の柱に里見恭助という標札が出ている。三四郎はここを通るたびに、里見恭助という人はどんな男だろうと思う。まだ会ったことがない。門は締まっている。潜りからはいると玄関までの距離は存外短かい長方形御影石が飛び飛びに敷いてある。玄関は細いきれいな格子でたてきってある。ベルを押す。取次ぎの下女に、「美禰子さんはお宅ですか」と言った時、三四郎自分ながら気恥ずかしいような妙な心持ちがした。ひとの玄関で、妙齢の女の在否を尋ねたことはまだない。はなはだ尋ねにくい気がする。下女のほうは案外まじめであるしかもうやうやしい。いったん奥へはいって、また出て来て、丁寧にお辞儀をして、どうぞと言うからついて上がると応接間へ通した。重い窓掛けの掛かっている西洋である。少し暗い。  下女はまた、「しばらく、どうか……」と挨拶して出て行った。三四郎は静かな部屋の中に席を占めた。正面に壁を切り抜いた小さい暖炉がある。その上が横に長い鏡になっていて前に蝋燭立が二本ある。三四郎は左右の蝋燭立のまん中に自分の顔を写して見て、またすわった。  すると奥の方でバイオリンの音がした。それがどこからか、風が持って来て捨てて行ったように、すぐ消えてしまった。三四郎は惜しい気がする。厚く張った椅子の背によりかかって、もう少しやればいいがと思って耳を澄ましていたが、音はそれぎりでやんだ。約一分もたつうちに、三四郎バイオリンの事を忘れた。向こうにある鏡と蝋燭立をながめている。妙に西洋のにおいがする。それからカソリック連想がある。なぜカソリックだか三四郎にもわからない。その時バイオリンがまた鳴った。今度は高い音と低い音が二、三度急に続いて響いた。それでぱったり消えてしまった。三四郎はまったく西洋音楽を知らない。しかし今の音は、けっして、まとまったものの一部分をひいたとは受け取れない。ただ鳴らしただけである。その無作法にただ鳴らしたところが三四郎情緒によく合った。不意に天から二、三粒落ちて来た、でたらめの雹のようである。  三四郎がなかば感覚を失った目を鏡の中に移すと、鏡の中に美禰子がいつのまにか立っている。下女がたてたと思った戸があいている。戸のうしろにかけてある幕を片手で押し分けた美禰子の胸から上が明らかに写っている。美禰子は鏡の中で三四郎を見た。三四郎は鏡の中の美禰子を見た。美禰子はにこりと笑った。 「いらっしゃい」  女の声はうしろで聞こえた。三四郎は振り向かなければならなかった。女と男はじかに顔を見合わせた。その時女は廂の広い髪をちょっと前に動かして礼をした。礼をするにはおよばないくらいに親しい態度であった。男のほうはかえって椅子から腰を浮かして頭を下げた。女は知らぬふうをして、向こうへ回って、鏡を背に、三四郎の正面に腰をおろした。 「とうとういらしった」  同じような親しい調子である三四郎にはこの一言が非常にうれしく聞こえた。女は光る絹を着ている。さっきからだいぶ待たしたところをもってみると、応接間へ出るためにわざわざきれいなのに着換えたのかもしれない。それで端然とすわっている。目と口に笑を帯びて無言のまま三四郎を見守った姿に、男はむしろ甘い苦しみを感じた。じっとして見らるるに堪えない心の起こったのは、そのくせ女の腰をおろすやいなやである三四郎はすぐ口を開いた。ほとんど発作に近い。 「佐々木が」 「佐々木さんが、あなたの所へいらしったでしょう」と言って例の白い歯を現わした。女のうしろにはさきの蝋燭立がマントルピースの左右に並んでいる。金で細工をした妙な形の台である。これを蝋燭立と見たのは三四郎の臆断で、じつはなんだかわからない。この不可思議蝋燭立のうしろに明らかな鏡がある。光線は厚い窓掛けにさえぎられて、十分にはいらない。そのうえ天気は曇っている。三四郎はこのあいだに美禰子の白い歯を見た。 「佐々木が来ました」 「なんと言っていらっしゃいました」 「ぼくにあなたの所へ行けと言って来ました」 「そうでしょう。――それでいらしったの」とわざわざ聞いた。 「ええ」と言って少し躊躇した。あとから「まあ、そうです」と答えた。女はまったく歯を隠した。静かに席を立って、窓の所へ行って、外面をながめだした。 「曇りましたね。寒いでしょう、戸外は」 「いいえ、存外暖かい。風はまるでありません」 「そう」と言いながら席へ帰って来た。 「じつは佐々木が金を……」と三四郎から言いだした。 「わかってるの」と中途でとめた。三四郎も黙った。すると 「どうしておなくしになったの」と聞いた。 「馬券を買ったのです」  女は「まあ」と言った。まあと言ったわりに顔は驚いていない。かえって笑っている。すこしたって、「悪いかたね」とつけ加えた。三四郎は答えずにいた。 「馬券であてるのは、人の心をあてるよりむずかしいじゃありませんか。あなた索引のついている人の心さえあててみようとなさらないのん気なかただのに」 「ぼくが馬券を買ったんじゃありません」 「あら。だれが買ったの」 「佐々木が買ったのです」  女は急に笑いだした。三四郎おかしくなった。 「じゃ、あなたお金がお入用じゃなかったのね。ばかばかしい」 「いることはぼくがいるのです」 「ほんとうに?」 「ほんとうに」 「だってそれじゃおかしいわね」 「だから借りなくってもいいんです」 「なぜ。おいやなの?」 「いやじゃないが、お兄いさんに黙って、あなたから借りちゃ、好くないからです」 「どういうわけで? でも兄は承知しているんですもの」 「そうですか。じゃ借りてもいい。――しかし借りないでもいい。家へそう言ってやりさえすれば、一週間ぐらいすると来ますから」 「御迷惑なら、しいて……」  美禰子は急に冷淡になった。今までそばにいたものが一町ばかり遠のいた気がする。三四郎は借りておけばよかったと思った。けれども、もうしかたがない。蝋燭立を見てすましている。三四郎自分から進んで、ひとのきげんをとったことのない男である。女も遠ざかったぎり近づいて来ない。しばらくするとまた立ち上がった。窓から戸外をすかして見て、 「降りそうもありませんね」と言う。三四郎も同じ調子で、「降りそうもありません」と答えた。 「降らなければ、私ちょっと出て来ようかしら」と窓の所で立ったまま言う。三四郎は帰ってくれという意味解釈した。光る絹を着換えたのも自分のためではなかった。 「もう帰りましょう」と立ち上がった。美禰子は玄関まで送って来た。沓脱へ降りて、靴をはいていると、上から美禰子が、 「そこまでごいっしょに出ましょう。いいでしょう」と言った。三四郎は靴の紐を結びながら、「ええ、どうでも」と答えた。女はいつのまにか、和土の上へ下りた。下りながら三四郎の耳のそばへ口を持ってきて、「おこっていらっしゃるの」とささやいた。ところへ下女があわてながら、送りに出て来た。  二人は半町ほど無言のまま連れだって来た。そのあい三四郎はしじゅう美禰子の事を考えている。この女はわがままに育ったに違いない。それから家庭にいて、普通女性以上の自由を有して、万事意のごとくふるまうに違いない。こうして、だれの許諾も経ずに、自分といっしょに、往来を歩くのでもわかる。年寄りの親がなくって、若い兄が放任主義から、こうもできるのだろうが、これがいなかであったらさぞ困ることだろう。この女に三輪田のお光さんのような生活を送れと言ったら、どうする気かしらん。東京はいなかと違って、万事があけ放しだからこちらの女は、たいていこうなのかもわからないが、遠くから想像してみると、もう少しは旧式のようでもある。すると与次郎が美禰子をイブセン流と評したのもなるほどと思い当る。ただし俗礼にかかわらないところだけがイブセン流なのか、あるいは腹の底の思想までも、そうなのか。そこはわからない。  そのうち本郷の通りへ出た。いっしょに歩いている二人は、いっしょに歩いていながら、相手がどこへ行くのだか、まったく知らない。今までに横町を三つばかり曲がった。曲がるたびに、二人の足は申し合わせたように無言のまま同じ方角へ曲がった。本郷の通りを四丁目の角へ来る途中で、女が聞いた。 「どこへいらっしゃるの」 「あなたはどこへ行くんです」  二人はちょっと顔を見合わせた。三四郎はしごくまじめである。女はこらえきれずにまた白い歯をあらわした。 「いっしょにいらっしゃい」  二人は四丁目の角を切り通しの方へ折れた。三十間ほど行くと、右側に大きな西洋館がある。美禰子はその前にとまった。帯の間から薄い帳面と、印形を出して、 「お願い」と言った。 「なんですか」 「これでお金を取ってちょうだい」  三四郎は手を出して、帳面を受取った。まん中に小口当座預金通帳とあって、横に里見美禰子殿と書いてある。三四郎帳面と印形を持ったまま、女の顔を見て立った。 「三十円」と女が金高を言った。あたか毎日銀行へ金を取りに行きつけた者に対する口ぶりである。さいわい、三四郎は国にいる時分、こういう帳面を持ってたびたび豊津まで出かけたことがある。すぐ石段を上って、戸をあけて、銀行の中へはいった。帳面と印形を係りの者に渡して、必要金額を受け取って出てみると、美禰子は待っていない。もう切り通しの方へ二十間ばかり歩きだしている。三四郎は急いで追いついた。すぐ受け取ったものを渡そうとして、ポッケットへ手を入れると、美禰子が、 「丹青会の展覧会を御覧になって」と聞いた。 「まだ見ません」 「招待券を二枚もらったんですけれども、つい暇がなかったものからまだ行かずにいたんですが、行ってみましょうか」 「行ってもいいです」 「行きましょう。もうじき閉会になりますから。私、一ぺんは見ておかないと原口さんに済まないのです」 「原口さんが招待券をくれたんですか」 「ええ。あなた原口さんを御存じなの?」 「広田先生の所で一度会いました」 「おもしろいかたでしょう。馬鹿囃子稽古なさるんですって」 「このあいだは鼓をならいたいと言っていました。それから――」 「それから?」 「それからあなた肖像をかくとか言っていました。本当ですか」 「ええ、高等モデルなの」と言った。男はこれより以上に気の利いたことが言えない性質である。それで黙ってしまった。女はなんとか言ってもらいたかったらしい。  三四郎はまた隠袋へ手を入れた。銀行の通帳と印形を出して、女に渡した。金は帳面の間にはさんでおいたはずであるしかるに女が、 「お金は」と言った。見ると、間にはない。三四郎はまたポッケットを探った。中から手ずれのした札をつかみ出した。女は手を出さない。 「預かっておいてちょうだい」と言った。三四郎はいささか迷惑のような気がした。しかしこんな時に争うことを好まぬ男である。そのうえ往来だからなおさら遠慮をした。せっかく握った札をまたもとの所へ収めて、妙な女だと思った。  学生が多く通る。すれ違う時にきっと二人を見る。なかには遠くから目をつけて来る者もある。三四郎は池の端へ出るまでの道をすこぶる長く感じた。それでも電車に乗る気にはならない。二人とものそのそ歩いている。会場へ着いたのはほとんど三時近くである。妙な看板が出ている。丹青会という字も、字の周囲についている図案も、三四郎の目にはことごとく新しい。しか熊本では見ることのできない意味で新しいので、むしろ一種異様の感がある。中はなおさらである三四郎の目にはただ油絵水彩画区別が判然と映ずるくらいのものにすぎない。  それでも好悪はある。買ってもいいと思うのもある。しか巧拙はまったくわからない。したがって鑑別力のないものと、初手からあきらめた三四郎は、いっこう口をあかない。  美禰子がこれはどうですかと言うと、そうですなという。これはおもしろいじゃありませんかと言うと、おもしろそうですなという。まるで張り合いがない。話のできないばかか、こっちを相手にしない偉い男か、どっちかにみえる。ばかとすればてらわないところに愛嬌がある。偉いとすれば、相手にならないところが憎らしい。  長い間外国旅行して歩いた兄妹の絵がたくさんある。双方とも同じ姓で、しかも一つ所に並べてかけてある。美禰子はその一枚の前にとまった。

anond:20241001222935

ベニスでしょう」

 これは三四郎にもわかった。なんだかベニスらしい。ゴンドラにでも乗ってみたい心持ちがする。三四郎高等学校にいる時分ゴンドラという字を覚えた。それからこの字が好きになった。ゴンドラというと、女といっしょに乗らなければすまないような気がする。黙って青い水と、水と左右の高い家と、さかさに映る家の影と、影の中にちらちらする赤い片とをながめていた。すると、

「兄さんのほうがよほどうまいようですね」と美禰子が言った。三四郎にはこの意味が通じなかった。

「兄さんとは……」

「この絵は兄さんのほうでしょう」

「だれの?」

 美禰子は不思議そうな顔をして、三四郎を見た。

だって、あっちのほうが妹さんので、こっちのほうが兄さんのじゃありませんか」

 三四郎は一歩退いて、今通って来た道の片側を振り返って見た。同じように外国景色かいものが幾点となくかかっている。

「違うんですか」

「一人と思っていらしったの」

「ええ」と言って、ぼんやりしている。やがて二人が顔を見合わした。そうして一度に笑いだした。美禰子は、驚いたように、わざと大きな目をして、しかもいちだんと調子を落とした小声になって、

「ずいぶんね」と言いながら、一間ばかり、ずんずん先へ行ってしまった。三四郎は立ちどまったまま、もう一ぺんベニスの掘割りをながめだした。先へ抜けた女は、この時振り返った。三四郎自分の方を見ていない。女は先へ行く足をぴたりと留めた。向こうから三四郎の横顔を熟視していた。

里見さん」

 だしぬけにだれか大きな声で呼んだ者がある。

 美禰子も三四郎も等しく顔を向け直した。事務室と書いた入口を一間ばかり離れて、原口さんが立っている。原口さんのうしろに、少し重なり合って、野々宮さんが立っている。美禰子は呼ばれた原口よりは、原口より遠くの野々宮を見た。見るやいなや、二、三歩あともどりをして三四郎そばへ来た。人に目立たぬくらいに、自分の口を三四郎の耳へ近寄せた。そうして何かささやいた。三四郎には何を言ったのか、少しもわからない。聞き直そうとするうちに、美禰子は二人の方へ引き返していった。もう挨拶をしている。野々宮は三四郎に向かって、

「妙な連と来ましたね」と言った。三四郎が何か答えようとするうちに、美禰子が、

「似合うでしょう」と言った。野々宮さんはなんとも言わなかった。くるりとうしろを向いた。うしろには畳一枚ほどの大きな絵がある。その絵は肖像画である。そうしていちめんに黒い。着物帽子も背景から区別のできないほど光線を受けていないなかに、顔ばかり白い。顔はやせて、頬の肉が落ちている。

「模写ですね」と野々宮さんが原口さんに言った。原口は今しきりに美禰子に何か話している。――もう閉会である来観者もだいぶ減った。開会の初めには毎日事務所へ来ていたが、このごろはめったに顔を出さない。きょうはひさしぶりに、こっちへ用があって、野々宮さんを引っ張って来たところだ。うまく出っくわしたものだ。この会をしまうと、すぐ来年の準備にかからなければならないから、非常に忙しい。いつもは花の時分に開くのだが、来年は少し会員のつごうで早くするつもりだから、ちょうど会を二つ続けて開くと同じことになる。必死勉強をやらなければならない。それまでにぜひ美禰子の肖像をかきあげてしまうつもりである迷惑だろうが大晦日でもかかしてくれ。

「その代りここん所へかけるつもりです」

 原口さんはこの時はじめて、黒い絵の方を向いた。野々宮さんはそのあいだぽかんとして同じ絵をながめていた。

「どうです。ベラスケスは。もっとも模写ですがね。しかもあまり上できではない」と原口がはじめて説明する。野々宮さんはなんにも言う必要がなくなった。

「どなたがお写しになったの」と女が聞いた。

三井です。三井もっとうまいんですがね。この絵はあまり感服できない」と一、二歩さがって見た。「どうも、原画が技巧の極点に達した人のものから、うまくいかいね

 原口は首を曲げた。三四郎原口の首を曲げたところを見ていた。

「もう、みんな見たんですか」と画工が美禰子に聞いた。原口は美禰子にばかり話しかける。

「まだ」

「どうです。もうよして、いっしょに出ちゃ。精養軒でお茶でもあげます。なにわたしは用があるから、どうせちょっと行かなければならない。――会の事でね、マネジャー相談しておきたい事がある。懇意の男だから。――今ちょうどお茶にいい時分です。もう少しするとね、お茶にはおそし晩餐には早し、中途はんぱになる。どうです。いっしょにいらっしゃいな」

 美禰子は三四郎を見た。三四郎はどうでもいい顔をしている。野々宮は立ったまま関係しない。

「せっかく来たものから、みんな見てゆきましょう。ねえ、小川さん」

 三四郎はええと言った。

「じゃ、こうなさい。この奥の別室にね。深見さんの遺画があるから、それだけ見て、帰りに精養軒へいらっしゃい。先へ行って待っていますから

「ありがとう」

「深見さんの水彩は普通の水彩のつもりで見ちゃいけませんよ。どこまでも深見さんの水彩なんだから。実物を見る気にならないで、深見さんの気韻を見る気になっていると、なかなかおもしろいところが出てきます」と注意して、原口は野々宮と出て行った。美禰子は礼を言ってその後影を見送った。二人は振り返らなかった。

 女は歩をめぐらして、別室へはいった。男は一足あとから続いた。光線の乏しい暗い部屋である。細長い壁に一列にかかっている深見先生の遺画を見ると、なるほど原口さんの注意したごとくほとんど水彩ばかりである三四郎が著しく感じたのは、その水彩の色が、どれもこれも薄くて、数が少なくって、対照に乏しくって、日向へでも出さないと引き立たないと思うほど地味にかいてあるという事である。その代り筆がちっとも滞っていない。ほとんど一気呵成に仕上げた趣がある。絵の具の下に鉛筆輪郭が明らかに透いて見えるのでも、洒落な画風がわかる。人間などになると、細くて長くて、まるで殻竿のようである。ここにもベニスが一枚ある。

「これもベニスですね」と女が寄って来た。

「ええ」と言ったが、ベニスで急に思い出した。

「さっき何を言ったんですか」

 女は「さっき?」と聞き返した。

「さっき、ぼくが立って、あっちのベニスを見ている時です」

 女はまたまっ白な歯をあらわした。けれどもなんとも言わない。

「用でなければ聞かなくってもいいです」

「用じゃないのよ」

 三四郎はまだ変な顔をしている。曇った秋の日はもう四時を越した。部屋は薄暗くなってくる。観覧人はきわめて少ない。別室のうちには、ただ男女二人の影があるのみである。女は絵を離れて、三四郎真正面に立った。

「野々宮さん。ね、ね」

「野々宮さん……」

「わかったでしょう」

 美禰子の意味は、大波のくずれるごとく一度に三四郎の胸を浸した。

「野々宮さんを愚弄したのですか」

「なんで?」

 女の語気はまったく無邪気である三四郎は忽然として、あとを言う勇気がなくなった。無言のまま二、三歩動きだした。女はすがるようについて来た。

あなたを愚弄したんじゃないのよ」

 三四郎はまた立ちどまった。三四郎は背の高い男である。上から美禰子を見おろした。

「それでいいです」

「なぜ悪いの?」

「だからいいです」

 女は顔をそむけた。二人とも戸口の方へ歩いて来た。戸口を出る拍子に互いの肩が触れた。男は急に汽車で乗り合わした女を思い出した。美禰子の肉に触れたところが、夢にうずくような心持ちがした。

「ほんとうにいいの?」と美禰子が小さい声で聞いた。向こうから二、三人連の観覧者が来る。

「ともかく出ましょう」と三四郎が言った。下足を受け取って、出ると戸外は雨だ。

「精養軒へ行きますか」

 美禰子は答えなかった。雨のなかをぬれながら、博物館前の広い原のなかに立った。さいわい雨は今降りだしたばかりである。そのうえ激しくはない。女は雨のなかに立って、見回しながら、向こうの森をさした。

「あの木の陰へはいりましょう」

 少し待てばやみそうである。二人は大きな杉の下にはいった。雨を防ぐにはつごうのよくない木である。けれども二人とも動かない。ぬれても立っている。二人とも寒くなった。女が「小川さん」と言う。男は八の字を寄せて、空を見ていた顔を女の方へ向けた。

「悪くって? さっきのこと」

「いいです」

だって」と言いながら、寄って来た。「私、なぜだか、ああしたかったんですもの。野々宮さんに失礼するつもりじゃないんですけれども」

 女は瞳を定めて、三四郎を見た。三四郎はその瞳のなかに言葉よりも深き訴えを認めた。――必竟あなたのためにした事じゃありませんかと、二重瞼の奥で訴えている。三四郎は、もう一ぺん、

「だから、いいです」と答えた。

 雨はだんだん濃くなった。雫の落ちない場所わずしかない。二人はだんだん一つ所へかたまってきた。肩と肩とすれ合うくらいにして立ちすくんでいた。雨の音のなかで、美禰子が、

「さっきのお金をお使いなさい」と言った。

「借りましょう。要るだけ」と答えた。

「みんな、お使いなさい」と言った。

2024-08-25

anond:20240825051341

増田は外に出た。全裸で。冒険である冒険といえば国道246号線だ。増田国道246号線をずんずんと進んだ。全裸で。

2024-08-11

擬音祭り

ぴょんたこらん

どんちゃか

ぴったん

こりん

ぴりぴり

くるりんぱん

すこすこ

ぽよんぽよん

ずんずん

ぱたぱた

ふりふり

びょんびょん

どかんどかん

すっちゃかめっちゃか

ぴりぴり

どんどん

ぽんちゃか

くしゃんくしゃん

ぴょんたら

ぴこぴこ

びゅんびゅん

すっぽんぽこりん

ちゃらんちゃらん

もりもり

ふわふわ

びゅびゅん

ばたばた

ぺったん

こしょこしょ

ずんちゃか

ぴったん

くるくる

ぱたぱた

どんすこどんすこ

ぴんぴん

きらりんこ

ぴっぴ

きゅるりん

ちょんちょん

ぽんたす

びゅんびゅん

すぱすぱ

ぽよよん

ぴりぴり

ぱんぱん

ぴこぴん

もちゃもちゃ

ふにゃらららん

ぽんたすぽんたす

びょんびょん

くしゃんくしゃん

ぴょんたこ

らっしゃい

こしょこしょ

ずんずん

ふにゃふにゃ

すっちゃか

ぴったん

ずんずん

ふりふり

どんぱふ

くるくる

びゅんびゅん

びょんびょん

どんどん

ちゃかぽん

ぴきゃらぽろり

どんぱふしゃん

2024-07-07

anond:20240707222527

保護施設必要だとしても法曹やら医師やらがずんずん顔突っ込んできて余計な被害を増やしそうでヒヤヒヤするわ

鈴木大拙みたいなね

2024-05-19

モンハンnow面白すぎてやばい

モンハンnowリリースからずっとやってるが、途中に少しだけ飽きたりしつつも、なんだかんだ日課的に続いてた。

だが、以前チャックスが実装されて以来面白すぎてやばい

ひたすらモンハンするため、ひたすら竜玉を集めるため、どんどん歩く、ずんずん回り道をする。

何がヤバいかというと、休日モンハンするためだけに外出してること。

完全に中毒です。

そして歩きスマホのしすぎで、顔の肉が垂れてきた。そして、デートスケジュールする時に、この日は十分モンハンできそうか?と考えてしまう。

もうあのゲーム面白すぎだろと思う。わかる人いるか? それともここでもやはりいまだにnowやってるのは異常者なんだろうか?

2024-03-08

コロナの影響でロンドンナイトクラブなどもずんずん閉鎖しているのと漫画家の早世と関係ない?

残念だな…

2024-01-16

anond:20240116133628

ピストンに関しては諸説ある気がするんだよなぁ

平均的ペニスによるずんずんピストンを好む女はけっこういる気がする

でも俺は奥まで入れてグリグリ

2023-11-24

anond:20231123184004

子供のころ、漫画家になりたい的なことを口走ったら、父が「じゃあとりあえず一番売れてるジャンプを読まないとな」と言うので、とりあえず買ってみることにした。漫画家になりたいなどと言いながら漫画雑誌を買う習慣を持っていなかったのである。早くも暗雲が立ちこめておるな。ちなみに父はスピリッツを読んでいた。

 

週刊少年ジャンプは当時200円もしなかったくらいだったろうか。当然すでにアニメ化されている超有名作品が連載されていたりしたのだが、なにしろ連載作品というのは連載の途中なので、読んでるこっちはストーリーがよくわからんのに作品のほうは読者がよくわかってるものとしてなんの遠慮もなくずんずん進んでいくのである。ついていけん。

 

記憶に残っているのは新連載作品。なんかよくわからん一門だか一族だかが法で裁かれぬ悪人をよくわからん技で操ってむごたらしく殺すのである

 

ということで立ち上がりに居合わせ特に好みでもないよくわからん仕事人漫画と、勝手ストーリーが進んでいく連載作品我慢して読み続け、そして8週でギブアップした。僕に週刊漫画のペースは早すぎた。

 

それ以降ジャンプは1回も買っていない。読者としてもそうなのだから、仮に漫画家になれたとしても、とても週刊作家は務まらなかったろうなあとは思う。

 

ちなみにそのなんかよくわからん宮下あきら作品は、後年になって神戸少年事件犯人がなんか引用したとかいって取り沙汰された。その犯人と同世代の僕自身、いま書き連ねたように印象には残っていたが影響はまるで受けていないので、どんな作品にも刺さりまくるやつとそうでないやつがいるのだなということを思った。そういやトライガンでも同じようなことがあったな。

2023-11-23

奥さん」という呼称について

相変わらずジェンダーがどうとかつまらない話が多いので、過去の用例から奥さん」あるいは配偶者呼称についていろいろ考えたいなあ。と思って書きます

勿論、女中などに似ようはないと、夢か、うつつか、朦朧と認めた顔のかたちが、どうやらこう、目さきに、やっぱりそのうつ向き加減に、ちらつく。従って、今声を出した、奥さんは誰だか知れるか。

 それに、夢中で感覚した意味は、誰か知らず、その女性(にょしょう)が、

「開けて下さい。」

 と言ったのに応じて、ただ今、とすぐに答えたのであるが、扉(ひらき)の事だろう? その外廊下に、何の沙汰も聞えないは、待て、そこではなさそう。

「ほかに開ける処と言っては、窓だが、」

 さてはまさしく魘(うな)された? この夜更けに、男が一人寝た部屋を、庭から覗き込んで、窓を開けて、と言う婦(おんな)はあるまい。(「沼婦人泉鏡花、1908(明治41年

奥さん」は、自分配偶者というより既婚女性に対する敬称として用いられています。「女中などではなく」自分夢想する上流階級を思わせる女性奥さん)が誰か分からないが、夜更けに訪ねてきた「女性(にょしょう)」は普通の「婦(おんな)」ではないだろう……という流れですが、この呼び分けは、日本語代名詞の豊かな言語世界垣間見せてくれますね。

奥さん」という語がめちゃくちゃ出てくる小説と言えば、やはり夏目漱石こころ」(1914(大正3年))でしょう。前半では「先生」の妻である静さんの呼称として、後半では先生青年期に下宿していた、静さんの母親呼称として「奥さん」が登場します。この作品は、一人称の語り手による手記の体を(前半後半とも)取っているため、固有名詞を避ける書き方をしており、その結果であると思われます

私はすぐ玄関先を去らなかった。下女の顔を見て少し躊躇してそこに立っていた。この前名刺を取り次いだ記憶のある下女は、私を待たしておいてまたうちへはいった。すると奥さんらしい人が代って出て来た。美しい奥さんであった。

奥さんらしい人」という表現から、「奥さん」が「配偶者」の意味で用いられていることが感じられます。ただ、自分配偶者を呼ぶ呼び方ではないですね。

 私の知る限り先生奥さんとは、仲のいい夫婦の一対であった。家庭の一員として暮した事のない私のことだから、深い消息は無論わからなかったけれども、座敷で私と対坐している時、先生は何かのついでに、下女を呼ばないで、奥さんを呼ぶ事があった。(奥さんの名は静(しず)といった)。先生は「おい静」といつでも襖ふすまの方を振り向いた。その呼びかたが私には優しく聞こえた。返事をして出て来る奥さんの様子もはなはだ素直であった。ときたまご馳走になって、奥さんが席へ現われる場合などには、この関係が一層明らかに二人の間に描き出されるようであった。

こころ」は新聞連載ですが、奥さんの初登場は先の連載4回目、その後奥さん先生(夫)の重要なシーンである第8回を経て、この第9回で初めて名前が登場します。この作品先生訪問してきた「私」と奥さんが共に食卓を囲むシーンなどが多くあり、この夫妻は大正当時の一般的夫婦関係よりも幾分現代に近い感じで描かれているように思います

次は、「先生」が若いころ、その奥さんの自宅に下宿をしたとき奥さん母親を「奥さん」と読んでいたというシーンの引用です。(中略があります

 それはある軍人家族、というよりもむしろ遺族、の住んでいる家でした。主人は何でも日清戦争の時か何かに死んだのだと上さんがいいました。一年ばかり前までは、市ヶ谷士官学校そばかに住んでいたのだが、厩(うまや)などがあって、邸(やしき)が広過ぎるので、そこを売り払って、ここへ引っ越して来たけれども、無人で淋しくって困るから相当の人があったら世話をしてくれと頼まれていたのだそうです。私は上さんから、その家には未亡人(びぼうじん)と一人娘と下女より外にいないのだという事を確かめました。私は閑静で至極好かろうと心の中に思いました。

(略)

 私は未亡人に会って来意を告げました。未亡人は私の身元やら学校やら専門やらについて色々質問しました。そうしてこれなら大丈夫だというところをどこかに握ったのでしょう、いつでも引っ越して来て差支えないという挨拶を即坐に与えてくれました。未亡人は正しい人でした、また判然(はっきり)した人でした。私は軍人妻君というものはみんなこんなものかと思って感服しました。感服もしたが、驚きもしました。この気性でどこが淋しいのだろうと疑いもしました。

(略)

 私は未亡人の事を常に奥さんといっていましたから、これから未亡人と呼ばずに奥さんといいます奥さんは私を静かな人、大人しい男と評しました。それから勉強家だとも褒めてくれました。けれども私の不安な眼つきや、きょときょとした様子については、何事も口へ出しませんでした。

「上さん」「未亡人」「妻君」「奥さん」は全て同じ人物を指していますが、それぞれの場所ニュアンスが異なることが分かります。それぞれ「下宿屋の女主人」「(夫を亡くした)配偶者」「配偶者尊称)」「既婚女性尊称)」くらいに捉えるのが適切でしょうか。

かみさん奥さんの用例としては、

そういうわけで、私たちは家の主婦奥さんと呼んでいました。下宿屋のおかみさん奥さんと呼ぶのは少し変ですが、前にも言う通り、まったく上品で温和な婦人で、どうもおかみさんとは呼びにくいように感じられるので、どの人もみな申合せたように奥さんと呼び、その娘を伊佐子さんと呼んでいました。家の苗字は――仮りに堀川といって置きましょう。(「白髪鬼」岡本綺堂、1923(昭和3年))

…「下宿屋のおかみさん奥さんと呼ぶのは少し変」という言語感覚から、「おかみさん」「奥さん」の使い分けがくっきりと見て取れて面白い用例ですね。この話は、発表は昭和ですが、岡本綺堂明治まれですし、物語時間10数年前(つまり震災前)という設定ですから言語感覚としては漱石の少し後、大正期の中頃を反映していると言った方が適切かもしれません(まあ、それを言うなら「こころ」の場合、おおむね時代明治期の想定と言えそうですが。)

昭和に入ると、「奥さん」が配偶者を指す呼称としてライトに用いられ始めたように思います。太宰はこういう言葉ちょっとしたニュアンスが本当に上手な作家で、次の用例の言葉の使い分けは非常に印象的です。

奥さま、もうすこしのご辛棒しんぼうですよ。」と大声で叱咤しったすることがある。

 お医者奥さんが、或るとき私に、そのわけを語って聞かせた。小学校先生の奥さまで、先生は、三年まえに肺をわるくし、このごろずんずんよくなった。お医者一所懸命で、その若い奥さまに、いまがだいじのところと、固く禁じた。奥さまは言いつけを守った。それでも、ときどき、なんだか、ふびんに伺うことがある。お医者は、その都度、心を鬼にして、奥さまもうすこしのご辛棒ですよ、と言外に意味をふくめて叱咤するのだそうである。(「満願太宰治、1938(昭和13年))

医者が、夫の体の静養のためにセックス禁止して…というちょっとした掌編なのですが、最初の「奥さま」は、医者患者配偶者である若い奥さんに言い聞かせるとき呼称医者の「奥さん」は医者の(やや年配の)配偶者ニュアンスで用いられていますが、地の文での「奥さま」と「奥さん」の使い分けで、雰囲気表現されているのは実にうまいです。

最後に、呼称という点で、最初に見かけてこれは書き留めておきたい(ぶっちゃけこの記事を書くきっかけになった)のがこちら。

 は水の引くように痩せて、蚊帳の中で死んでしまった。死ぬ前「今度奥さんを貰う時は、丈夫な奥さんを貰ってね」と言った。

莫迦、お前が死んだら俺は一生独身でいるよ、女房なんか貰うものか」

 彼は妻の胸に涙を落しながら言った。その涙をふいている内にふと俺は嘘を言ってるのかも知れないと思った。

 しかし、妻が死んでしまうと、彼は妻に言った言葉を守ろうと思った。死んだ人間に対しては、もう約束を守るよりほかに何一つしてやるものがないのだと思った。

(「蚊帳」織田作之助、(初出が調べられなかったのですが、上の満願より少し後の1940年前後だと思います。))

この3つの呼称の呼び分けを、代名詞豊富でない文化圏の人にどうすれば伝えられるだろうなあ、と思ったりします。

さて、蛇足ながら、このエントリを書いた理由について。呼称代名詞というのは、時代によって変遷し、人の心を映すもの。だから、いろいろな意見議論はあっていいと思いますし、そもそも言葉時代ジェンダー観を反映するというのは、取り立てていう必要もないくらい当たり前のことではありますが、そういった、人々の内心の方を変えるのが面倒だからといって、言葉の方に罪を着せるようにして言葉狩りじみたことをするのは、正直「違うんじゃないかなあ」と思います。人々の心が変化すれば、誰が強制しなくても言葉は廃れ、変化していきます。〇〇という言葉を使うな!なんて言わなくても、それが指す事象が消えたり変化したりすれば、あっという間に言葉は移り変わっていくものです。だから、変えるべきことを人々の総意に基づいて粛々と変えるよう努力するのが重要であって、「言葉狩り」みたいな遊びで何か大きな社会貢献を為したような気分になるのは、正直やめてもらいたいなあ、と思っています。そんな感じのことを感じていただけたのなら、この記事を書いた意味があったというものです。ありがとうございました。

2023-07-13

今日は雨だ。

雨の日は好き。長靴を履けるから

長靴は無敵だ。土の上も草の上もずんずん歩ける。ちょっとくらいなら川の中も進める。

水たまりをパシャパシャ歩いた。

2023-04-30

anond:20230430120817

今回のものは大変面白いと思ひます。落ち着きがあつて巫山戯ていなくつて、自然そのままの可笑味がおつとり出ている所に上品な趣があります。かういふものをこれから二三十並べて御覧なさゐ。増田で類のない番付横綱になれますしかし「字下げ」だけでは恐らく多数の人のコメントが付かないでせう。うpされてもみんなが黙過するでせう。そんな事に頓着しないで、ずんずん御進みなさい。群衆は眼中に置かない方が身体の薬です。

2023-02-11

Ingressおかしくなって和歌山県山中正気を取り戻した話

なああんた、あんたはゲーム脳って信じるか?

ゲーム脳なんてインチキだ、って答えるだろうなあんたは。オレも信じちゃいない。それでもゲーム人間が狂っちまうことはある。あのときオレは復讐者になっていた。警告がてら、ちょっと思い出話に付き合ってくれ。

何年か前にIngressってゲーム流行っただろ。青組と緑組にわかれて陣取りゲームやる、ポケゴーの元になったゲームだ。ポケゴーのジムポケストップIngressではポータルって呼ぶが、占拠したポータル同士を直線で繋ぎ合わせて三角形をつくると自分の色の陣地にできて、ヘッドフォンからは「素晴らしい成果です」とお褒めの言葉が流れてくる。シンプルに見えて奥の深いゲームだったからオレはやる気になって青色三角をつくりはじめた。

Ingressは誰かがポータル占拠したり三角を作ったりするたびに行動ログ流れるから、オレの成果はすべてのエージェントプレイヤー)に筒抜けになっている。はじめのうちは会社帰りに大きめの青い三角きれいな三角をつくって帰宅し、風呂からあがってビールを飲みながらパソコンの画面で自分の成果を確かめドヤ顔していた。遊べば遊ぶほど成果が可視化されて他のエージェントにそれを誇示できるゲーム。それがオレが遊びはじめた頃のIngressだった。

エージェントレベルA8になる頃には夜遅くまで近所をうろつきまわるようになった。他の娯楽はどうでもよくなってIngressだけ遊び続けた。ビールのかわりにプロテインを飲んで寝て、早朝からIngressをやった。ヘッドフォンからは絶え間なく「素晴らしい成果です」というお褒めの言葉が流れてきた。実際、最盛期の成果はほんとうに素晴らしくて自宅から会社までの約5kmが青色三角数珠つなぎになっていた。パソコン画面から眺めるとオレの成果は神龍のようなかたちに見えて、たくさんの青色三角が龍のうろこのように輝いていた。緑組のエージェントが襲ってきてポータル占拠するたびに青色のうろこが剥がれ落ちたが、そのたびオレは現地に向かってポータルを再占拠青色のうろこを保守した。

ここまでは良かった。オレがおかしくなっていったのはここからだ。

そうやって半年ほど遊ぶうちに緑組のエージェントが2~3人で襲ってくるようになった。車に乗り合わせて襲ってきたり北側南側から同時攻撃されて包囲されることもあった(Ingress三角の内側では三角が作れないルールなので包囲されたらほとんど行動不能になる。だから当時は日本列島を丸ごと三角で包んで日本じゅうのエージェントを行動不能にするようなスーパープレイもあった)。緑組のエージェントなかには、ニートなのか夜勤なのか昼間のうちにオレの自宅や会社のまわりを緑色三角で包囲してしまうやつがいた。オレはだんだんイライラしてきて夜中までIngressをやるようになった。物資が足りなくなったら隣町のファーム武器などが補給やす状態ポータルが集まっている場所)に出かけて補給した。それでもオレの通勤圏内は少しずつ緑組優勢に変わっていった。たまに隣町の青組メンバー遠征に来てくれたが焼石に水だった。頭がどうにかなりそうだった。

いや、その頃には頭がどうにかなっていた。青色三角創造するIngressが終わって緑色三角復讐するIngressが始まった。緑色三角を壊すたび全身に快感が走って、強い酒を飲んでいるみたいに胃が熱くなった。緑組のカップルが街全体を包み込む巨大三角を作ろうと暗躍しているのを邪魔しきった時には笑いがこらえきれなくなって、真夜中の公園のベンチでオレは笑い転げた。警察がいたら職務質問されていたと思う。

それと当時のIngressにはガーディアンポータルという仕様があった。同じポータルを守り続けていると、日数におうじて銅→銀→金→プラチナオニキスの「ガーポメダル」が貰える。自宅や会社のまわりは緑組のエージェントがうようよしているのでオレは20㎞離れた山間部のポータルをいくつか占拠し、ガーポメダルが手に入るのを待っていた。ところがプラチナメダルがもらえる直前の日、山間部のオレのポータルが全部焼かれてしまった。行動ログによれば、襲撃犯のひとりは例のニート野郎でもうひとりは山間部に近い地域活動している知らないエージェントだった。生まれから今までであんなに怒り狂ったことはなかった。オレは復讐を誓い襲撃犯たちのガーディアンポータル探しに夢中になった。

それから色々あって奴らのガーディアンポータルをついに突き止めた。ニート野郎占拠するポータルいちばん息が長かったのは5㎞ほど向こうの神社鳥居だったのですぐに遠征して焼き払った。もうひとりの知らないエージェントの最長ポータル和歌山県山中登山道入口から5㎞ほど登った場所にあるお地蔵様で、これを一年近く守り続けている様子だった。ある土曜の早朝、オレは復讐するために和歌山県に出発した。新幹線特急を乗り継いで近くの駅でレンタカーを借り、登山道に着く頃には霧雨が降りはじめたが頭に血がのぼっていたのでずんずん進んだ。今思えば危険判断だったが当時は彼奴のガーディアンポータルを焼き尽くすことしか考えられなくなっていた。目標のお地蔵様に辿りついてバースターを撃ちまくるとガーディアンポータルはあっけなく占拠できた。ずぶ濡れになったままオレはゲラゲラ笑った。帰りの新幹線で寒気に襲われて高熱を出した。熱にうなされながら、あのお地蔵様をちゃんとお詣りしなかったから罰が当たったんだとか、とりとめのないことを考えていた。それからゲームのために和歌山県山中まで出かけてずぶぬれになり、高熱にうなされながら帰る自分はどうかしていると思った。それで気持ちが醒めてきてオレのIngressは終わった。

あんたにはこの話、バカみたいに思えるかもしれないな。だがあの頃の復讐心を思い出すとオレは今でも身体がざわつくしN社のゲームはもうやりたくない。AR拡張するのは喜びや驚きだけじゃない。憎しみや復讐だって拡張する。当時のオレはそれがわかっていなかったし、あんたの顔をみるに、あんたもわかってない様子だな。N社のゲームそれからARには気をつけろ。あんたはあのときのオレみたいになっちゃ駄目だ。

 

2022-10-25

anond:20221025173552

親父にしばかれた思い出でずっと忘れられないことがある

休日家族ででかけたピクニックかなんかで、山の中のアスレチックに親父と二人で行った

入場口とかなく、なんか無料適当に遊べる感じのコースだった

途中から調子にのって親父を置いて一人でずんずんと進んだ

コースを外れてしまったのか、もともとそこはちゃんと管理されてなかったのか

崩れかけたつり橋があった

気にせず渡った

しばらくして親父を待っていたか何かしてたら大声で親父が呼んでいた

引き返して合流したらめちゃくちゃ殴られた

そこら辺の記憶はもう曖昧だが、危ないとかそういう感じの注意だったと思う


親父にしばかれた思い出がそれだけだったら、

(今思い出したが、子供だけで川辺遊んだのがバレた時もめちゃくちゃしばかれた)

愛情があるからこそきつく怒られたという感じで、プラスに働いただろう

今でもあれは自分が悪いし、あの怒り方でひどすぎたとはあまり思わない

残念ながら親父はしょうもない理由日常的に暴力をふるうタイプだったか

それ以外にもしばかれまくってて、なんだかんだ人の顔色をうかがう気弱でメンタル弱い人間になったけど

適宜が適宜で済むなら可能性はあるが、親側がそんなコントロールできるできる可能性低いし、子供側も色々だから暴力なんて滅べばいいとは思う

2022-09-09

anond:20220908204147

産後の高テンション文章なんてわざわざ見ようとしない限り見ないよな。あるとしたら友達とかの繋がりか。

友人たちがまともな人間としての階段を上っていく中、それを得られずに苦しんで反出生主義という陰キャ御用達便所紙に食いついてしまたか

これから老い”という、自分が毛がないだけのキモい猿にすぎないということを絶対的に突きつけられるイベントずんずんのしかかってくるので歪んだ思想はどんどんエスカレートしていくことだろう。

仲間もおらず、吐き出すところは増田という肥溜めくらいしかない。ただ一人寂しく肉体を腐らせていくだけのモンスターの悲痛な叫びと思うと悲しいなぁ。

2022-06-04

地下鉄五条駅にて

本日お昼。

暑い地下鉄入口一生懸命さがし、ようやく見つけた入口に入ろうと道を曲がったら

「どけっ」と奥の方から一喝

みると通路の奥に車いす女性が。

なにを言われたのかすぐには理解できず、キョトンと棒立ちになっていた私にずんずん近づいてきて、すれ違いざま彼女は「お前は階段つかえやぼけーっ」と捨て台詞のように怒鳴り、去っていきました。

奥にはエレベーターが一つ、階段はありませんでした。

…いや、ここがエレベーターしかない入口だなんて私知らないから。

というか、私、あなたには普通に歩いているようにみえたかもですが、脚痛めて今階段普通には降りれないから(ー_ー;)

100歩譲ってもしそう思ったとしても、町中ではじめてすれ違う人に最初から怒鳴って言う内容ではないかと思うのです。

なんだか心も病んでる人だなーと…

東本願寺お参りして穏やかだった気持ちに泥を塗られたようで、ちょっとだけ京都が嫌いになりそうでした。

2022-04-18

やっと全滅したところまで増田到達した失タウト出す間で麻呂個と多湿麺背特屋(回文

おはようございます

最近楽しいゲームの話しばかりで恐縮なんだけど。

あのさ、

スプラトゥーンとかマリオカートとか

瞬間の集中力を維持させてプレイするようなタイプゲームって疲れちゃうからある程度の時間やったら

ナイスプレイがたたき出せなくなるのよね。

でさ、

私がチクチクやってこないだパーティーが全滅して心折れてレヴェルは育てたままの強さだけど所持金や所持アイテムマップを塗った実績はゼロになってしまって再開している「ダンジョンエンカウンターズ」は

そんなに集中力常に出し続けなくて長くプレイできるので、

ながながとプレイしているのよね。

あとで1日のプレイ時間時間数みたらゾッとするけど。

でね、

やっと!以前私が全滅した箇所を超えて先にやっと進めたのよ!

サムライだったっけ?あの敵が強いのよ!

こっちがある程度悠々とダンジョン走り回って、

ろくにバトルブックも見ずにこの文字の敵はなんだろう?って

初めて踏み入れる階とかの今まで見慣れていない文字の敵とエンカウントする文字は要注意よ。

新たに踏み入れるところは、

油断できないわ!こっちの強さとか関係なく

うどんな装備していても瞬間にやられてしまうのはゴメンよ!

そんでさ!

ワープして最終フロアに行ったんだけど、

セーブして試しプレイが出来なくて、

全滅したらロードしたら良いじゃん!ってことができないので、

不気味なフロア得体の知れない敵は本当におぞましいわ。

そっとフロアの敵の床を踏まないように、

またワープして戻ってきたんだけど、

アビリティで1箇所だけ場所記憶させておいて

ルーラみたいに戻れるアビリティがあるんだけど、

あれやられそうになって瀕死になって街まですぐ飛んで戻れるようにして置いた方が圧倒的に精神的に楽なのよね。

あんダンジョンの奥で回復パネル等もなく、

しかも未だに回復できない毒とかを喰らったら終いよ!

街まで戻らないと話にならないわ。

そんで街まで戻るアビリティをセットしてまた転送装置で深部まで戻るというこれの繰り返しの攻略

地味だわー。

でもスゴいアビリティ見付けたのよ!

パーティー攻撃力がめちゃ上がるアビリティ

こんなことしてゲームバランス崩れるんじゃないの?ってぐらい敵に圧倒的に強くなれるんだけど、

これまた調子に乗っていたら、

しっぺ返しを喰らうのがこのゲームの作り手からプレイヤーへの心の折り方なので、

調子に乗らずに、

もう未踏の地のフロアの敵パネルはいちいちバトルブックを開いてこの敵なら勝てる!って予め調べて挑まないと、

瞬間やられてしまうのよ。

油断大敵とはこのことね。

そんで、

さっきも言ったけど

セーブしておいて先にダミーで進めてみてやられたらロードするって戦法が使えないので、

そう言った意味では

集中力こそそんなに必要ないけど緊張感があるわ。

もう絶対1秒でもネタバレしたくないか

関連情報ネットで調べたいんだけど、

一切見ないように自力でこれはマジやんないとね。

あと今段階で一番強い武器というかアイテムが時空時計

これってバトルでてきのATBタイムバーゼロにしてしまう必殺のアイテムで、

使用回数制限もないし、

これで敵に攻撃させなくするのが楽しすぎて、

地味だけど効くわ!

あとパウダーガンだったっけ?

敵を毒を喰らわすって武器

毒を喰らった敵は防御力の数値を削らずともヒットポイントをジワジワ毒で蝕んで減らすことができて、

必殺一撃!と言うまではないけど、

これも地味に陰険だけど効くわ!

デカ数字で殴ればいいってワケではなくなってきて、

ちゃんとより考えてのバトルが快調よ。

でもまたこ調子で勢いよくずんずん進んでいったら

絶対にしっぺ返しを喰らうので

こんなゲームで慎重さ発揮しなくちゃいけないのかよ!って思うほど

ゼルダの伝説で木を斧で倒して橋を作って谷を渡るより慎重し進まねば!って思うのよ。

あんまり武器屋とか防具屋にどのタイミングでニューアイテムが登場するのかよく分かってないけど、

新たな深部に潜ったらなのかしら?

未踏の地をなくしていって地図塗りつぶしていったら増えるタイミングなのかしら?

まあよく分からないけど、

落とし穴に落ちてみたくなる衝動って絶対にあるけど、

これはマジでセーブしてロードするって戦法が使えないので、

落ちるにしても飛ばされるにしても

本当に嫌だわー。

でもセットして覚えさせておいたところに戻れるアビリティさえあれば、

まあ異次元に行っても戻れる安心があるだけでもぜんぜん心細さが違うから

地味だけど街に戻れる!って心強いわ。

まあこのゲームやってない人からみたら全く何言ってんだ!?ってなると思うけど、

やっと地下50階を超えたところで半分やっと行ったわ!ってところなので、

より慎重さを増し増しに重ねて行くわ。


今日朝ご飯

おにぎりしました。

簡単にぱぱっと作ってきたやつを事務所で頂くのよ。

起きたてに食べるとなんだかお腹調子が悪くなるので、

いったん落ち着いてから食べることにしているのよ。

そうするとなんだか平気。

デトックスウォーター

そんなに寒くはなかったけど

ホッツ緑茶ウォーラーいただきました。

もちろん自分でいれたやつだけどね、

ゆっくり起きて身体を目覚めさせるわよ。


すいすいすいようび~

今日も頑張りましょう!

2022-04-15

anond:20220414151735

「魔術街サリア」を先に進んで「ミリセント」のイベントを進める。

片手を病気で失っても?使命を思い出して旅に出ると言う。なんだか大変そうな人だ。

「腐れ病の教会」のメッセージ見るに、わりと人気のキャラなんだろか。

「腐れ病の教会」近くに地下墓へのヒントを示す像あったので探してみるも、なぜか辿り着いたのが「英霊たちの地下墓」で、騎士集団戦に巻き込まれボコボコにされ退却。

どうやら正解の地下墓は「サリアの隠し洞窟」のようだけど、オープンワールドの隠し扉はさすがに見つけづらい。

ここは後回しでいいか…。

今度は「火山館」に行ってイベントが進むか確認するも「ラーヤ」が居なくなっただけで、とくに変化ない模様。

火山館」出てずんずん進んだ先にある祝福(罪人送りの道?)近くにいる「死ぬ巨人化する燃えてる人(名前不明即死攻撃うざい)」と「爛れた樹霊」を撃破

「小黄金樹」の先に進めば、どこか新しいエリアに行けるかと期待したけど、とくに収穫なし。

昨日はイベントもあまり進まず、新しい発見もなかった。

そろそろ「王都ローデイル」で「最初の王ゴッドフレイから進んだ先にあるボス部屋に入らんといかんのだろうか。

なんだか、ここ最近は「火山館」と「王都ローデイル」でループしてるな…。

「祝福の導き」はいっぱいあるけど、てんで方向バラバラで、次にどこに行けばいいか迷ってしまう。

今後のアップデート目標クリアした「祝福の導き」が消える仕様にならんだろか。

ようやく金曜、明日から土日ということで、以下、今後の目標

  1. 火山館」の周辺をもう少し放浪
  2. 「祝福の導き」の示す方向をいろいろ探る
  3. 王都ローデイル」と「忌み捨ての底」の探索とボス撃破

2022-01-21

もの凄く雪が積もった日の増田酢魔の非タッ持つ牡蠣ゆくゴスのも(回文

おはようございます

雪積もっちゃって

から歩くの大変よ!

事務所あたりここ久しくこんな積雪はなかったんじゃないかしら?

20センチメートルとまではいかないけど、

なんかそのぐらいの勢いというか寒いので雪のカサがいつもより多く見えるわ。

それにうんと寒いし。

から今日運動靴でしっかり歩けるようにしなくちゃって意味合いも込めて、

ひょっこりひょっこりペンギンさん歩きとかマジ冗談で言えないぐらい

滑ったら痛い目に遭うので、

よりいつもよりペンギンさん加減を増しつつ、

慎重に歩かなくっちゃって思うのよね。

新雪なら歩きやすくてキュッキュ!って音が雪国じゃない暮らしている人の

おまえら雪を舐めてるだろう!って言われそうなほど

少しウキウキする音なんだけど、

ワンちゃんとかって本当に雪嬉しいのかしら?

自分から雪山にツッコんでいくスバルの車みたいに

ざくざくなにも臆することもなくずんずんいくのよね。

ネコちゃんはいざしらず

玄関の前で出してくれ出してくれってワオーンってニャオーンってもうどっちか分からないような声上げて

外に出たいんですけどって切願されて出してあげるもの

瞬く間に雪にたじろいで戻ってくる様が

なんともネコらしいというか、

そういった感じなんでしょ?って

すいません、さっき出たいって言ってましたけどもう家に入ります、ってしゅんとしているわ。

ちょっとさー

デモマジでここのところの寒さ厳しい折、

暖房が効かないのよね

効いているけど効きがあまりの外気の寒さ厳しすぎて鬼気迫るものがあるわ。

28度設定にしても本当に暖かい常夏の夏とは違って

春先のポカポカよりもちょっと肌寒い感じなのよ。

灯油もさ高いけど、

これはちょっとマジで石油ファンヒーターの出番かしら?って。

案外加湿しながら暖房してくれるので、

それはそれで潤うとともに

やっぱり温かさの一つの要素で湿度ってのも有るから

ある程度湿り気がないとから寒いのよね。

そう!それでよ

今日はもうずっと寒いから食料もたんと買って備えて置いたんだけど、

瞬く間に昼の間に雪は溶けちゃって川になって流れていってツクシの子が恥ずかしげに顔を出しつつそうしているうちに春がやって来る松たか子さんってところで

1日外に出られない外出禁止かと思っていたのよね。

だけどあっと言う間に溶けてしまって、

もう道はアスファルトタイヤに切りつけられた痕がくっきりあらわになっていて

あーこないだあったビルボード小室哲哉さんのライブ配信があるから見てみたいなと興味津々中の津で、

あいった人の

どちらかと言うとスタジオに籠もってそうな人ってどういったパフォーマンスルするんだろう?ってだけで見たい気もするし、

そんなことを言っているうちに

やっぱりもう雪は全部溶けちゃって

雪国マイタケどころの話ではないのよ。

春が来る松たか子さんの話しで思い出したけど

シールを集めてもらえる白いお皿のテーマ曲でもあるとともに

残念ながら私の事務所の近くにそのシールの貼ってあるパンは売っていないのに

おにぎりにはパン祭のシールが貼ってあるという、

手に取った途端私も二度見してしまうレヴェルで

そのお店がなくなっちゃって

もうシールどころの話しではなくなってしまったんだけど、

でもその代わりに餃子食べてためるスタンプ

ラーメン鉢をもらったか

それはそれで松たか子さんじゃない?

だけどこのラーメン鉢は特殊な材質では無いらしいので

2階から落っことしたらちゃん割れラーメン鉢みたいで

パン祭のお皿とは随分耐久性が桁違いに違うらしいのよ。

から2階からラーメン!って

ヘイ!お待ち!って二階からラーメン提供する大将モノマネも出来ないしラーメン鉢に入れる親指も無いところだし

2階からラーメンを地でいけると思ったけど

やっぱりそう言うことは2階だからこそ文字通り意識高いラーメンの具少な目の

私的にはモヤシ以外のお野菜をたくさん増やして欲しいんだけど、

意識高くラーメンに挑んでいる人たちは

味集中システムに囲まれつつ具の少ないと言うか、

ほんとキクラゲしか入っていない、

そこで野菜補給地点として、

マラソンで水補給ポイントラーメン鉢でラーメン差し出されたら、

たぶんランナーの人はあまりの喉の乾きに、

給水ポイントでお水をもらうカップ条件反射でそのラーメン鉢も条件反射で受け取ってしまって、

マラソンランナーの人は自分でもそれがラーメンだってことに気付いているけど、

喉の渇きと給水ポイントのあの条件反射でよだれが出る犬の実験の結果みたいに、

そこで冷たいドリンクがドリンキングできる!って思い込み

絶対ラーメン鉢を手に取ってしまうのよ。

それでさらにタチが悪いのが

ラーメンだって気付いているにもかかわらず、

ゴクゴク飲みたくなるからラーメン鉢に口を付けてしまうの。

豚骨成分だけしか摂取できないと知りながらよ。

それで口元に少し豚骨成分を含んだ瞬間に

熱っ熱のラーメンやないかーい!って

半分気付いていながら気付かなかったかの如くそツッコミ入れてしまうのよ。

それでラーメン鉢をそれはそれは勢いよく地面に叩きつけたしまいには

マラソンの給水ポイント

ラーメンを振る舞っていたお婆さんには申し訳ないって良心の呵責に苛まれるの

お婆さんゴメンなさい!って

でもそのお婆さんはお婆さんで

そんなこと走りすぎるランナーがそんなことしてても

から次に来るランナーラーメン供給し続けなければいけない役割があるので、

意外とお婆ちゃんは酷いことしたな!って思っていても案外そう思ってないのよね

ラーメン提供するのに忙しいから。

でも中にはラーメンに対してもマラソン走るに対しても両方意識の高いラーメンランナー

ラーメン鉢をもったままゴールを迎えて

最後ウイニングラーメンを食べきるところが

ラン42.195キロメートル

ラーメン1杯とか何杯かを食べきる

トライアスロンラーメン版とでも言うのかしら

その競技でこそ

走りながらラーメン最後食べるってところが

まさに鉄人レースたる所以なんだなーって思ったわ。

私はそんなに意識高くないから、

普通にランナーが水分補給かと思って立ち寄るラーメン補給ポイント

ラーメン食べたいなって思うぐらいの意識でいいんだわって。

だけどもうちょっと私的にはラーメンには野菜たっぷり入れて欲しいと頃よ。

そこがラーメンに対する意識の低さたる所以でもあるかも知れないわね。

なんだかラーメン食べたくなっちゃったわ。

ずんっちゃずんちゃ!

ずんっちゃずんちゃ!

あ!これご機嫌でビート刻んでるんじゃなくて湯切りする音ね。

うふふ。


今日朝ご飯

雪でさ歩くのに時間がかかって

朝ご飯食べる時間がなくって超ショック!朝食だけにってわけではないけど。

でもカフェオレだけはミルクたっぷりでいただいたわよ。

雪雪雪!って本当に街中隣のお姉さんが言っていた今夜8時になればサンタさんがやって来るって曲でもちきりだわ。

あんなの絵本の中の話よね。

デトックスウォーター

寒いので熱めのストレート白湯ホッツウォーラーです。

朝陽が暗いと目覚めにくいわー。

温めて身体を起こすわよ。


すいすいすいようび~

今日も頑張りましょう!

2021-12-10

anond:20211209014836

子育てって不安だらけだからねぇ、まあ、それこそ教祖みたいな人にアドバイスしてもらった方がなんぼ楽かってことはよくあるよ。

公務員は定期的にポジションチェンジがあるから公的サポート実質的には連続して受けられないしね。

子供が生まれた時に話をしに来てくれた役所保健士さんが異動して1歳児検診の時にはいないとか普通にあることだしさ。

児童館でいろんなことを聞いていた先生も異動していなくなるしさ。

そんな中で、自分お金を払っている先生は変わらずアドバイスくれるよね。

まあ、そういう背景があるのを知っているから、なんでこんな"先生"の話聞いてるんだ?と思うようなお母さんは大抵実家サポートも夫サポートも無いというイメージだね。

ずんずん体操子ども殺しちゃったお母さんとかそっち系でしょ。

閑話休題

まあ、何を信じるかは自由だけど、ほかの人と信じるものがあまりにも違いすぎると結構苦しくないですか?とは思う。

しかし、増田が払った養育費教祖に貢がれているとなるとなんかやるせない感じはするな。

洗脳するには洗脳された人を全面的肯定しながらも教祖の中のほころびを見つけないといけないと思うんだけれどさ。

2021-12-03

街にゾンビが溢れかえっている、とかいベタすぎるところから、「あ、今夢を見てるな」とわかった。

明晰夢、ってヤツだ。

人によっては思いのままに夢の内容を操れるらしいが、オレの場合は、コントロール出来る範囲は半々と言ったところか。

ゾンビと戯れる気にはならないので、シーンを変えようと思った。

何故かソコはスーパー銭湯だった。

別に知り合いがいるわけでもなく、大浴場にひとり。

テレビはよくわからないアイドルたちがなんか言ってる。薄暗い(スーパー銭湯のくせに)洗い場ではオッサンたちがが頭や身体を洗っている。

なんだか居心地が悪くなってオレは外に出た。

シーンが変わる。

多分、帰宅なのだろう。

誰だかよくわからない女とともに電車に乗っている。

ゾンビいるか危険だし」

電車の中は安全なのだろうか、と心の中てツッコミを入れつつ、〇〇線の△△駅は安全だ、だのよくわからないことを喋っている。

後方の車両へ移動しながら、席に座る人々を見る。席の空白が飛び飛びにあるものの、ふたりで座る席が空いていない。

そのまま最後尾まで来てしまったところで、駅に着いた。

場面が変わる。

山道というよりほとんど崖のような、険しい道がある。

そこを何故か登っている。

女が「教祖様安全だと」とか言ってる。誰だよ。

道を登りきって、下り方向に階段が伸びている。緑色の細い鉄製の、階段と呼ぶにはあまりにも足の踏み場が細い(ほとんどハシゴのような)階段が下に伸びている。

尻を乗せて、1番ずつ座りながら降りていく。女の気配が左腕にのしかかる。

女は赤子になっていた。

左腕がずんずん重くなる。痺れる。もう限界だ。

オレは赤子を階段に置いた。

階段の隙間から、赤子が落ちる。

女の名前叫びながら、意識が急速に覚醒していく。

目が覚めた後、心臓が、動悸が激しいのを感じるが、「いや、そんなとこに置いたら落ちるに決まってるだろうがよ」と自分ツッコミ入れた。

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