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2022-08-14

脳に男女差はあるの?無いの?

インターネットで調べると脳に男女差があるという記事、男女差が無いという記事

どちらも見つかるが、どちらが正しいのだろうか。

調べたら次のような記事が出た。

男性脳」「女性脳」に根拠はあるか 性差より個人

2022/6/3

https://style.nikkei.com/article/DGXZQOLM276XJ0X20C22A5000000/

男女の脳の違いを示す根拠として「左右の脳をつなぐ脳梁(のうりょう)の太さに差があり、女性のほうが太い」という研究結果がしばしば引用されますが、これは今から約40年も前の1982年に、男性9人、女性5人という限られた数の解剖データを元に書かれたものです(*1)。この見解否定する研究結果も複数出ており、今も信じている研究者は少ないと思います

2021年05月17日 21時00分サイエンス

30年分のデータ調査した結果「男女の脳に有意な差はない」と判明

https://gigazine.net/news/20210517-male-female-brain-no-meaningful-differences/

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu0/shiryo/attach/1267330.htm

 例えば、「右脳人間左脳人間」「男性脳女性脳」「睡眠学習」等の多くは科学的根拠に乏しく、最近では「神経神話(Neuromyth)」と呼ばれ注意喚起がなされている(※28)。脳のある部位は特定精神能力や行動傾向に対応するという単純な素人理解は、研究者たちの意図に反して生物学決定論へと傾いていき、結果として犯罪者精神障害者の差別排斥等の重大な人権侵害が生じる可能性がある。



これを見ると、脳に男女差があるという話が疑似科学であり、

科学的に正しいのは男女差が無いという話のように思う。

2022-08-10

文部科学省 神経神話について批判的な見解

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu0/shiryo/attach/1267330.htm

 例えば、「右脳人間左脳人間」「男性脳女性脳」「睡眠学習」等の多くは科学的根拠に乏しく、最近では「神経神話(Neuromyth)」と呼ばれ注意喚起がなされている(※28)。脳のある部位は特定精神能力や行動傾向に対応するという単純な素人理解は、研究者たちの意図に反して生物学決定論へと傾いていき、結果として犯罪者精神障害者の差別排斥等の重大な人権侵害が生じる可能性がある。

2022-08-09

anond:20220808222456

かに動物かもしれんが、動物からこそいろいろや。

 

うちには猫ちゃんが3匹おるのだが、1匹だけどうもカリカリを渋々食べおる。

たまに出てくる高いエサでないのが不満らしい。

腹減ってるんだから種の保存のために食えばいいものを。

 

そんなわけで、遺伝決定論を行動や意識理由に結び付けるのは、ほどほどにしといたほうがいいぞ。

そういう傾向が実在するのは確かとしても、傾向なんぞ、個性のブレが簡単に覆す。

お前が好きな個性の男も当然おるし。

2022-07-23

当たる占い師

占いに凝っていたことがある。

しばらくして、何の根拠もないな、とごく普通結論に至って熱が冷めた。

その後、家族が某心理系診断にハマった。(どうぶつ占い的なやつ)

よくもまあこんな詐欺的なものを大層な名前でやっとるなと思ったが、それ(診断結果)を踏まえて行動様式を変えようというアプローチには百歩譲って一理あるなとも思わないでもなかった。(まあ大元が腐ってそうなのと、根拠ないことを理解してない人いっぱいなので拒否反応しか出なかったが)

本題。

まず占いが当たると仮定してみた。

そうすると2系統に分かれる。当たる占い師。

ひとつは、相手の話を聞いたり反応を見たりで、結果をアジャストしていく占い師。

タロットでも他の占いでも、読み取り方によってどっちともとれることが多い。

別れ、清算意味するカードだと、彼氏との関係との別れともとれるし、不安定な状況の清算みたいに肯定的にもとれる。例があってるかどうかはもう忘れたが。

こっち系の占い師は、まあ相談者として無益ではない。


もう1系統の当たる占い師はほぼオカルトだ。

たまたま”都合よくタロットシャッフルできる偏り(運命)をもって生まれた人。

たまたま自分占い合致やすい客が訪れやすい人。

馬鹿馬鹿しいようにも思えるが、運の偏りはあると思ってる。

カオスとかバタフライエフェクトとか、量子力学っぽい浅井千絵とかかじったらそっち系の考えが浮かぶ

そこからなんだかんだあって結局、決定論非決定論とか自由意志の有無みたいなころで行き詰まる感じ。

シミュレーション仮説とかまで広がってまた平常に戻って占いとか細かいこととか深っぽいこととか気にしなくなってのループが始まる。

2022-07-22

スピリチュアル的なものに関しての男女差

今はどうかわからないし、一部にしか当てはまらないとも思うけど、主体性だと思った

女子あくま占い師なり本なりが本尊

占いを信じてラッキーカラーを身に付けたりおまじないを実行したりの行動は指示されるまま、というのが多い。信じるし疑わないし、踏み込まない。そのうち飽きる。

男子自分主体

オカルト知識を活かそうとする。万一妖怪出てきた時のために攻撃手段として九字覚えたり。

幅広く色んなオカルトを試してみる。気が向いたら踏み込んで調べる。ムーとか読む。そのうち飽きる。

飽きる前に、踏み込んでるか、疑ってるか、それに妥当性がないことを薄々気づけているかという差が出てくる。

いわば免疫みたいなもので、中二病経由の男子のほうがオカルトとかスピリチュアルものや偽科学にハマりにくくなっていそう。

逆に、そういう精神安定剤的なものがないかおっさんで苦労してる人も多いが。


ここからは余談。(ここまでも余談みたなものだたt)

ムーワンダーライフMMRとか読んでてそれこそ中学生の頃は半分信じてた。

そっち系ネタで仲間内で盛り上がったし。

ほどなくして自分霊感とかないことで絶望する。現実を見てしまった。ここ何年もかめはめ波が撃てるか試してない。どどん波ぐらいならワンチャンとはひそかに思っているが。

20歳超えてから、まだ可能性を捨てきれず、第二次オカルトブーム的なのが到来して、風水タロット数秘術を学んだ。

学んだといっても図書館にある本だいたい読んで、アマゾンで数千円する書籍を5冊ぐらい買って読んだだけだけど。

色んなジャンル占い本を読んでみると、おお、根拠がねーと気づく。

同時期量子力学に興味を持ち始めた。

科学的側面からオカルト力を発揮する道筋がないものかと検討してみた。脳量子波みたいなのがあればワンチャン

哲学の読み物とか読んだりしてると、決定論的なのと非決定論的なので悩む。世界はどちらか。

そこでまたスピリチュアルなところと会合する。

自分増田)は全部薄く浅くしか知識がないが、科学を突き詰めていくと宗教的な考えに至る(高名な学者エピソードをちらほら聞いたことあるのだけど実例は一個も出てこない。)のもなんとなく理解できる気がする。

それは真理の追究を放棄したわけでもなく、古来の教えやどこかの教祖の言うことをそのまま信じるのでもなく、なんとなく非科学的なもの(今はまだ科学とされていないもの)がぼんやりと遠くに霞んでいるのを感じたような。

2022-05-03

[]生きるに値しない命

優生学ナチス安楽死計画、T4作戦の全ての始まりの書「Die Freigabe der Vernichtung Lebensunwerten Lebens (生きるに値しない命を終わらせる行為の解禁)」(1920年刊行) にて記述された言葉

重度重複障害者による介護者の拘束や子孫、税などの非生産的資産の損失を考慮して、生きるに値しない命と表現される。

国家視点に立てば確かにそうだろう。社会ダーウィニズム遺伝決定論依拠した人種改良論と強制的優生政策行使というのは大事だろう。

だがそれは事故病気自身が重度障害者になった場合非生産的行為からと言って自身安楽死出来るだろうか。

2022-02-27

フェミは18歳~60歳♂を徴兵するウクライナ政府に対してどういう意見なの?

フェミニズム論理に基づけば、18歳~60歳の男性のみに国防義務を課すのは明白な性差別であり、

それを正当化するいかなる理由生物学決定論であり、性差別の換言に過ぎないということになりそうだが。

青識亜論が俺と同じような疑問をめちゃくちゃ不穏当かつ不適切に提起したせいで炎上してたけど、

実際フェミニスト国防に対して、男性のみならず女性平等に参加するべきという立場なのだろうか?

理想論では、男性女性不本意国防義務を背負わされるべきではないと思うが、このようなケースにおける

現実論としてのフェミ側の意見を知りたい。

例えば、60歳の老年男性よりも20代の若年女性の方が兵士として有用であることも十分に考えられるので、

有用性という観点から男性のみに限るというのは「総じて男性の方が兵士として優秀である」という生物学決定論に基づいた事実に反する性差別と言えるだろう。

2022-01-25

anond:20220125142522

今回の盛り上がりで気づいたのは、学と思想混同よりも、遺伝子決定論と優性思想混同のほうが問題だと思った。

 

「優性学正しくね?」とかナチュラルに言っちゃうやつらが思い浮かべているの、

優性思想ですらなくて、素朴な遺伝決定論だった。

2022-01-23

関数型言語という宗教世界は不変と直観する信者たち。

プログラミング世界に、関数型言語というのがあります

(私は入門書(象の絵のやつ)を読んだことがあるだけで、使ったことはまだありません。)

で、関数型言語の良さをアピールするひとからは、いい意味でのの宗教性というか敬虔さを

私は感じるんですよね。

現実世界は不変だから 関数型プログラミング銀の弾丸であるという主張

本題。「関数型プログラミングが『銀の弾丸である という非常識常識 2022」 と題された長い文章をみつけました。

ここ。https://kentutorialbook.github.io/functionalprogramming2022

まるで熱心な信者による経典なので、ほとんどちゃんと読んでないし読む気も起きませんが、

流し読みをしていて、目に入った 次の一節 がとても私の心に刺さりました。

ーー我々が暮らしている「現実世界」はミュータブル(mutable)なのです。

撤回させていただいて、

現実世界数学物理学的な俯瞰では、immutableです。

( https://kentutorialbook.github.io/functionalprogramming2022/#n0.19337518569281165 )

ちなみに、ミュータブルは「可変」、 イミュータブルは「不変」の意味

私の俗な反応 - 数学物理学がどうあれ、世界は可変

まあ私も世俗的なSEをやってるので、まっさきに、↓くらいのことは、思うわけです。

多分、プログラミング世界での、世間一般の反応も似たようなものかと。

ところがですね。

レトリックによって伝えられようとしている信念

ところがですね。これ、意見戦わせても、たぶん議論でどうにもならず、宗教間の対立みたいなものになる気がするんですね。

というのも。上の文章でとりあげられている数学やら物理やらというのは、おそらくレトリックしかなくて。

そのレトリックで、伝えられようとしているものは何かというと、

そもそも世界決定論的にしか記述できないのだから

 ビジネス世界だろうが何だろうが、本来世界は不変なものとして記述されるべき」

というような 信念(信仰であるような気がするのです。

なぜなら、私が隠し持っている信念が、まさにそれに近しいものからです。

私の本音 - 数学とか物理学か抜きにしても、本当は、世界は不変であるという直観離人症世界観。

私は数学物理学全然からない、文系人間ですが。

物理学法則が成り立たとうが、物理学の通じないアナーキー世界であろうが

世界は不変であり、私自身による世界への介入なぞありえない、と直観的に思っています

から 「やればできる」 「世界は変えられる」 「努力は裏切らない」 みたいな言葉は大嫌いなわけです。

この直観を私は自分勝手に、「離人症世界観」と名付けています

この世界観の持ち主は多分少数派で、社会から見れば異端どころか、害悪とみなされるかも。だから、隠し持っている。

関数型言語好きな人も、おそらく私が似た直観と似たものを隠し持っているのでは、と、

私は思うのですね。

関数型言語が受け入れられる社会

もし、離人症世界観に基づくコミュニケーション社会に浸透し、

自分意志感情」すら、あたかファーストクラスオブジェクトとしての関数のように、

客観的に表明されるようなコミュニケーションが、もしこの世の中に広まれ

関数型言語も当たり前のように、普及するのだろうと思います

そうでもならないと、関数型言語流行らないだろうな。というのが私の予想。

ま、宗教ものは、広まるときは、あっと言う間らしいですから

ひょっとしたら20年後くらいには、手続き型言語が滅びているかも。こればっかりは分かりませんけどね。

以上!

2022-01-22

anond:20220120142843

まあ、なんちゅうか、トラバも盛大に伸びているので、私の書くここまで、元増田は辿り着かないかもしれませんが・・・

私はゲノム科学者ですが、元増田の持つ疑問は、別に自然ものだと思うんですよね。というより、ゲノム配列決定が非常に身近になっている昨今、ちゃんと向き合っていかなければならない疑問だと思っています。私は私の持つ知識範囲で、疑問にお答えしたいと思います倫理は専門外なので扱いません。タブーとか扱いません。裏の意図を読もうとしているブコメが多数ありましたが、理系なのでよくわかりません。

まず、元増田の挙げているような、運動能力将棋能力、見た目の美醜とか、学歴、といったヒト個人ごとに異なる特徴を「形質」と言います。形質を遺伝学の観点から見ると大きく分けて二つあり、単一遺伝子型(メンデル型)と多遺伝子型(多因子型)です。

おそらく優生学にせよ遺伝にせよ、専門外の人が通常頭に思い浮かべるのは単一遺伝子型です。この場合メンデル法則により顕性(優性)または潜性(劣性)のモードで、親から子に形質が伝達されます単一遺伝子型の形質として最も簡単に思い浮かべられるのは遺伝病です。あと、お酒飲める飲めないもギリギリそうです(これは本当は少数遺伝子+多遺伝子型だけど)。あと、耳垢が乾いてるか湿ってるかとか。親指が90度以上後ろに曲がるかとか。

そして、この遺伝病に対して優生学政策を行ったのがナチスドイツというわけです。遺伝病の人を断種させようとしたんですな。流石に元増田はそんなことが良いと思っているわけではないと思いますが。

遺伝病の断種は、遺伝病の根絶について特に有効ではないと考えられています。まず、潜性遺伝病の場合どうでしょうか。これは、両方の染色体に、多くは遺伝機能欠失型の遺伝変異があると起こります。親は、片方しか持っていなければ健康なのですね。すると、両方の遺伝変異を持つ遺伝患者を断種させたところで、片方だけを持つ親が世の中にたくさんいるわけです。どれくらいの数いるか?実はね・・・地球上の全人類で、これを持ってない人はいないと考えられています。今、個人の全ゲノム塩基配列決定とか普通にできてますからね。観察的にそうです。さてそれでも、両方の遺伝子欠失を持つ遺伝病の人を断種させれば、徐々に遺伝病は減っていくでしょうか?実はね・・・そうならないと考えられますハーディワインベルク法則って言うんですけどね。

さてそれでは、顕性遺伝病の場合どうでしょうか。これは、染色体の片方にでも遺伝変異があれば発症するもので、つまり遺伝病を発症している人を断種させれば理論的に根絶できます、が、実はね・・・ヒトゲノムには突然変異が起こるのです。もちろんこれが進化原動力なわけですが、これにより、顕性遺伝病も発生します。つまり、両親が健康で、遺伝変異を片方持つわけではない場合でも、子に突然変異が発生して顕性遺伝病は起きるのです。デノボ突然変異って言います

まり断種政策遺伝病の抑制有効ではないと考えられます

ただしね・・・現在では、人工授精の際、受精卵の染色体ゲノム配列を調べて、遺伝病になるゲノムを持つ受精卵を選択しない、という医療、これって、実現化してるんですよ。ダウン症はすでに一般化してますが、単一遺伝子疾患もできます。この、遺伝の子になるなら産まない選択・・・これは優生学判断ではないのか?これってめっちゃ難しく、元増田を多くの人が簡単批判しているほど単純な問題ではないと思います。私は、個人選択優生学とは言わず個人自由であるとは思うものの。倫理専門家ではないので理論武装がしっかりしているか、自信はありません。受精の時点で人権が生じるという考えからすれば、これは殺人であり、虐殺です。ただ一つ言えるのは、ナチスドイツの断種法と異なり、この受精選択は、科学的に有効医療であると言うことです。

さて、ここまで読んでくれば読者は気づいたでしょうが運動能力、見た目の美醜、学歴、といったものは、これは単一遺伝子型ではありません。もし、学歴を問わない父親と、東大卒母親からまれた子の1/2が東大卒になると言うなら、これは単一遺伝子型の顕性遺伝と言うことになりますが、そんなわけはありません、経験的に。誰も行かないこともあるし、佐藤ママみたいに4人全部行くこともあるでしょう。単一遺伝子型なら、こういうばらつきは起きません。ばらつきが起きるが、一定遺伝性はあるように見える形質、これは多遺伝子型です。

単一遺伝子型は、確かに遺伝情報を調べると病気になるかどうかかなり高い確率がわかって、この事実だけを見ると、遺伝決定論を信じたくなります。ところがですね、幸いなことに、遺伝病ってとっても稀なんです。世の中のほとんどの病気は多遺伝子型です。あなたコレステロール値すら予測が難しい。多遺伝子型は、遺伝変異が多数関わるだけでなく、環境によって大きく変化するんです。学歴も、運動能力・・・そして見た目もです。

この多遺伝子型の形質には、単一ではないとするならどれくらいの数の遺伝変異が関与するでしょうか。これはここ10年くらいで確定してきた最新のところではあるのですが、どうも最低数千あるようです。それぞれの形質に、それぞれ数千です。こんなにたくさん因子があるとどうなるかというと、中心極限定理により正規分布します。多遺伝子型の形質は、正規分布するのです。すると何が起こるでしょう?

平均への回帰です。

いみじくも優生学創始者ゴールトンが明らかにしたのが、親の身長とその子身長比較すると、極端に身長の高い親の子は、どちらかというと平均側、普通っぽい身長の方にシフトする、と言う現象です。それで回帰というわけですね。平均に戻る、ってことです。どういうことでしょうか。メジャーリーグMVP大谷翔平の子は、みんなメジャーリーグとかよりもずっと普通っぽい才能になるだろう、ってことです。ええ、皆さん、知ってますよね。長嶋茂雄の子もそうだった。野村克也の子もそうだった。あれが理論通りなんです。教育環境がいいから、それでも普通よりはいい方に行くわけですけど、親と同じような超絶スーパーエリートにはならなくて、それは統計学的に予想通りでして、確率統計の基礎の基礎、正規分布性質により説明できます。大体さ、大谷翔平の親はどうなのよ。メジャーリーガーだったわけじゃないわけですね。

まあ、それでも、意味があるじゃないかっていうかもですね。平均への回帰って言っても極端だったのが極端でなくなる、ってわけで、身長が高い親の子平均値は、身長が低い親の子平均値よりは高いです。平均だけの話で、大幅にオーバーラップしますが。それでも平均を徐々に上げていけばいいじゃないかと。ところが、多遺伝子型には数千もの遺伝変異関係するというのはどういうことかというと、単一遺伝子型のように、どれか一つの遺伝変異はどれか一つの遺伝病に対応する・・・ということになりません。重複しちゃうんです。ある遺伝変異は、ある形質にも、別の形質にも、関係する。多面的関連と言います。例えば身長を高くする遺伝変異は、同時にがんになりやすくする多面的関連を持つことが多いことがわかっています。するとどうなるか。身長を高くするように、集団結婚相手操作していくと、がんが多くなって寿命が短くなるでしょう。では学歴はどうか?学歴を高くする遺伝変異は・・うつ病になりやすくすることがわかっていますどうでしょうか。基本的優生学というのは、国家文脈で語られます学歴の高い国民をより多数生み出し、国家生産性を上げたい、というわけです。しかどうでしょうか。うつ病が増えると、生産性どうでしょうか。私はうつ病の人は生産性が悪いと言いたいわけではありません。しかし、優生学論者のロジックは成立しますか?(明示的に成立するとは言えないのではないですか?)と言いたいのです。

遺伝子型の遺伝構造はまだわかっていないことも多く、「優生学操作」をしてどうなるかすらわかっていないんですよ。形質に遺伝的因子があるなら、優生学操作をすれば人類は必ず優秀になる・・・というのが元増田議論の開始点だと思いますが、そこ、すでに間違ってるんです。

2022-01-21

anond:20220121150248

本能の語が用いられなくなった理由ひとつは、これが説明的な概念としてはあまり役に立たなかったためである。(中略)アメリカ科学史カール・デグラーによれば、1920年代から30年代にかけてアメリカ人類学心理学の文献からこの語が急速に消えた。これは人種主義と結びついた優生学運動の人気の凋落と、行動主義文化決定論のような空白の石版説の人気の高まりの時期と一致する。

そもそも本能」という概念自体優生学的なんだね。

2021-12-25

統計学者を信用するな

タイトル釣りだが、統計学者たちが科学研究の「正しい」方法論について語りだしたら、即座に信用するのはやめたほうがいい。実際、論者によってその方法論がどうあるべきかについて差がある。統計学者は科学全般に物申すことが多いので、謙虚さのない統計学者はたちが悪い。(論者によって差があってどれが正しいか自明ではない場合があるのに、自分の信じる理論けが唯一正しいと主張して、ツイッターという道具を用いて影響力を行使するのは相当の傲慢さを感じる)

類推的ではあるが、物理学の分野でも狭いコミュニティの中で集団思考に陥っている。隠れた変数理論というのがあるが、量子の動きを正確に予測するニューラルネット学習するための実験データ収集方法確立すれば隠れた変数存在していることを示せるかもしれない、ぐらいのことは確か言われているが ( https://arxiv.org/pdf/2010.01324.pdf )、どういうわけか量子スケールにおいて決定論存在しないという見方多数派として固定化されてしまっている。

言いたいことは、フォロワー数が多い自称サイエンティストみたいな連中のツイッター上のマウンティングに刺激されたからといって、なんでもかんでも盲信するのはやめたほうがよいという話。盲信する前に、複数の異なる見解を持つまともな専門家論文を嫁。日本語情報だけに頼るな (もし科学について何か言いたいなら)。

2021-12-20

anond:20211220182630

「正当じゃないよ。罰せられるべきだよ。俺は反対していたよ」(団塊クソじじい)

「正当だよ。むしろ結果的植民地解放につながったよ」(アホ右翼

「正当かどうかはともかく勝てない戦争をしたのは失敗だよ」(穏健派・主流学説

「正当かどうかはともかく仕方なかったよ」(決定論者)

2021-11-25

anond:20210617064202

これは神学命題プロテスタンティズム決定論に対して言及がないので不完全。

アメリカ歴史の初期においてピューリタン重要役割を果たした。彼らの思想の一部は今も残ってる。

フス戦争カルヴァン主義やその前史にまで言及すると長くなりすぎるので省くが、重要な要素が【予定説】(神学決定論)であるカンタンにいえば「全知全能の神。神は全知全能なのですべて予定済でお前の自由意志なんかねーよ!なので善行した"から" 天国に行けるとかあるわけねーじゃん。俺が "善行する" と思うことまで神は予定済なの!」

というのがあった。

こうなると、「えーじゃあ善行しようと思うこと意味なくね?」ってなって人々は悪事を働きそうなものであるが、実際にはそうはならなかった。

人々は「私は神によって救済される(=天国に行く)ことが予定済の人間なので、そうあるべくふるまう(=善行を行うしより良くなるため努力する)」となった。

因果が逆転してるというかなんというか。

この因果の逆転によって、ダラダラ働いてシエスタするようなカトリック圏と異なり、プロテスタンティズム圏では修道院のように禁欲的に働き、禁欲的に自己研鑽し、禁欲的に金儲けをしその利潤を禁欲的に再投資する…ことによって世の中を良くする。なぜなら私達は神に選ばれているので!それができる!

となっていった。

(※ 禁欲的に慎ましく暮らすタイププロテスタントもあります

世俗社会修道院化」によって、日常生活の全てを信仰労働に捧げる。

節制禁欲のために複式簿記を導入…。合理的精神禁欲的に社会を発展させる(なお奴隷制ry)。。

この辺の時期の代表例としては、ベンジャミン・フランクリン(アメリカ建国の父にして実業家であり学者であり外交官。そして偉大な政治家。今も100ドル札に顔がある)など。

勤勉性、探究心の強さ、合理主義社会活動への参加という18世紀における近代人間像の象徴

…というあたりで、発展しすぎた禁欲資本主義本来宗教性を失い、資本主義になり、「内なる光=神との対話」みたいなあたりが「自由意志」に変わっていく。

自己研鑽しない者たちに対する憎悪侮蔑は、従来の「つまり定説におけるアイツラは地獄行きになる怠け者」から、「侮蔑すべき怠け者」だけが残った。

・・・というあたりはマックス・ヴェーバーが"プロテスタンティズムの倫理と資本主義精神"という本とかで書いてたこと。

今のアメリカ人は直接プロテスタントというわけではないが、連綿とこの思想を引きずっているのである

(なぜならそのほうが発展に有利だからね)

----

補足すると、こんだけ「プロテスタンティズムがー!」と書いておきながら、実は西海岸カリフォルニア州は全米でももっともカトリックが多い地域である。なぜならもともとあそこはメキシコであり、今でもスペイン語圏からカトリック移民が多いからです。

ただ、思想的な主流派は?というと難しい。モルモン系やユダヤ教徒(思想原理は異なるが同様に資本の蓄積が宗教的OK)もスゴイ多いし、西海岸を語るなら中華系の人々に言及を避けることが出来ない。

そして何より、【西海岸リベラリズム】と対極っぽそうな南部バイブルベルト。

この地域基本的プロテスタントだ。そしてめちゃめちゃ保守的

ただまぁ、この辺はそもそもバプテスト派なので同じプロテスタントと言ってもなというのと、更には南北戦争で負けたエリアっていうのと、そもそも南北戦争以前から移民が少なかったため思想固定化されたっていうのとかありそう。

2021-07-31

anond:20210731011754

この10年の間に転向したんだろな。

確率論的な死より、運動会修学旅行等の学校行事とか音楽ライブとか飲食文化決定論喪失のがよくねえでしょ、って考えらしい。

2021-06-20

anond:20210620161355

まれ育った県や町から一生出ないで過ごす子供を育てるなら金はかから

は本人の資質努力や運という不確定性に依存しない決定論的な命題になっているということ?

anond:20210620161245

それは本人の資質努力や運という不確定性に依存するんだから決定論的な命題としては成立しないだろ。

2021-06-17

anond:20210617064202

これは神学命題プロテスタンティズム決定論に対して言及がないので不完全。

アメリカ歴史の初期においてピューリタン重要役割を果たした。彼らの思想の一部は今も残ってる。

フス戦争カルヴァン主義やその前史にまで言及すると長くなりすぎるので省くが、重要な要素が【予定説】(神学決定論)であるカンタンにいえば「全知全能の神。神は全知全能なのですべて予定済でお前の自由意志なんかねーよ!なので善行した"から" 天国に行けるとかあるわけねーじゃん。俺が "善行する" と思うことまで神は予定済なの!」

というのがあった。

こうなると、「えーじゃあ善行しようと思うこと意味なくね?」ってなって人々は悪事を働きそうなものであるが、実際にはそうはならなかった。

人々は「私は神によって救済される(=天国に行く)ことが予定済の人間なので、そうあるべくふるまう(=善行を行うしより良くなるため努力する)」となった。

因果が逆転してるというかなんというか。

この因果の逆転によって、ダラダラ働いてシエスタするようなカトリック圏と異なり、プロテスタンティズム圏では修道院のように禁欲的に働き、禁欲的に自己研鑽し、禁欲的に金儲けをしその利潤を禁欲的に再投資する…ことによって世の中を良くする。なぜなら私達は神に選ばれているので!それができる!

となっていった。

(※ 禁欲的に慎ましく暮らすタイププロテスタントもあります

世俗社会修道院化」によって、日常生活の全てを信仰労働に捧げる。

節制禁欲のために複式簿記を導入…。合理的精神禁欲的に社会を発展させる(なお奴隷制ry)。。

この辺の時期の代表例としては、ベンジャミン・フランクリン(アメリカ建国の父にして実業家であり学者であり外交官。そして偉大な政治家。今も100ドル札に顔がある)など。

勤勉性、探究心の強さ、合理主義社会活動への参加という18世紀における近代人間像の象徴

…というあたりで、発展しすぎた禁欲資本主義本来宗教性を失い、資本主義になり、「内なる光=神との対話」みたいなあたりが「自由意志」に変わっていく。

自己研鑽しない者たちに対する憎悪侮蔑は、従来の「つまり定説におけるアイツラは地獄行きになる怠け者」から、「侮蔑すべき怠け者」だけが残った。

・・・というあたりはマックス・ヴェーバーが"プロテスタンティズムの倫理と資本主義精神"という本とかで書いてたこと。

今のアメリカ人は直接プロテスタントというわけではないが、連綿とこの思想を引きずっているのである

(なぜならそのほうが発展に有利だからね)

----

補足すると、こんだけ「プロテスタンティズムがー!」と書いておきながら、実は西海岸カリフォルニア州は全米でももっともカトリックが多い地域である。なぜならもともとあそこはメキシコであり、今でもスペイン語圏からカトリック移民が多いからです。

ただ、思想的な主流派は?というと難しい。モルモン系やユダヤ教徒(思想原理は異なるが同様に資本の蓄積が宗教的OK)もスゴイ多いし、西海岸を語るなら中華系の人々に言及を避けることが出来ない。

そして何より、【西海岸リベラリズム】と対極っぽそうな南部バイブルベルト。

この地域基本的プロテスタントだ。そしてめちゃめちゃ保守的

ただまぁ、この辺はそもそもバプテスト派なので同じプロテスタントと言ってもなというのと、更には南北戦争で負けたエリアっていうのと、そもそも南北戦争以前から移民が少なかったため思想固定化されたっていうのとかありそう。

2021-06-09

anond:20210609225758

不確実性のある状況下では決定論的なアルゴリズムの性能が常に高いとは限らない

2021-05-31

anond:20210531001003

本当に読んだならくどいほど「あくまレトリック遺伝子意思があるという意味ではない」「遺伝子決定論ではない」って釘を刺されてるはずなんだが

2021-05-03

中野信子の言っていることはおかしい、具体的に何がおかしいか挙げる

きっかけは母親が「空気を読む脳」を買ってきたことだった。以前からこの人の主張はおかしいと思っていて耐えられなくなりこの人の他の本も読み、言動についても調べた

酷い。矛盾だらけ、エビデンスにならない動物実験ソース、人を見た目で判断することは科学的に正しいという主張、本人の言っていることとも矛盾した倫理観

彼女がいつも言う「日本人セロトニントランスポーターが少ないか不安に駆られやすい」という理論、まずこれが怪しい。SSRI選択的セロトニン再取り込み阻害薬)について知っている人なら奇妙に感じるだろう。この薬は、セロトニントランスポーター機能をあえて弱めることでシナプス中のセロトニン濃度を増やし不安を和らげる薬だとされている。つまり彼女理論SSRI作用機序についての理論正反対なのだ。モノアミン仮説にもやや怪しい部分はあるが、正反対解釈というのは流石におかしい。神経科学専門家はどう思っているのだろうか。

些細なことから飛躍して「日本人の脳」を論じる。

空気を読む脳」で日本人サイコパシーの傾向が強い人が「どちらかといえば」少ないから内側前頭前皮質が発達していて倫理や美醜の観念に厳しくそれが変わりやすいのだと書いていた。当たり前だがサイコパスの人の数を正確に見積もるのは難しいのであってそういった数字は単なる誤差か診断基準の違いによるものである可能性の方がずっと高い。仮にサイコパスの人が少なかったとしても内側前頭前皮質が発達している人が多いことを意味するわけではない。サイコパスとは行動や心理をもってそう判断されるものであって実際に内側前頭前皮質機能が弱いとは限らない。内側前頭前皮質機能が強い人も弱い人も共に少ないということもあり得る。

ついでに「不倫」では日本人保守的で変化を好まない民族だとも言っていた。それなのに倫理観が変わりやすいらしい。数年前には問題でなかったことが問題になるのは日本に限ったことではないし「日本人の脳」に原因を求めるのは無理がある。

戦国武将精神分析」では汚い手も使って勝った徳川家康が今でも日本人理想モデルとして存在しているとも宣っていた。日本人は美しい敗者を好むのではなかったのだろうか。美醜の観念が変わりやすいのではなかったか

美醜の観念が変わりやすいのに何百年にも渡って義経のような「美しい敗者」が理想化されているらしい。

不倫」でもこういった飛躍がある。たかだか寝かしつけの習慣があるからといって日本人オキシトシン受容体が多いのだということにしていた。もちろん実際に日本人の脳を調べたわけではなし。スキンシップの総量が他の国と比べて多いか少ないかからないのであるオキシトシンの多い人は不倫傾向が弱いとも書いていたが、日本人不倫が多いという同著での主張とも矛盾する。(よくよく見ると厳密には比較不能な国際調査国内調査比較していたが)

更に、セロトニン神経細胞にはオキシトシン受容体存在し、オキシトシンが増えるとセロトニンが増えるという事実は「日本人セロトニンが少なく、オキシトシンが多い」というモデルとも上手くかみ合わない。彼女もこの矛盾に気付いているのか、週刊新潮 2020年12月17日号での佐藤優との対談でまだ発見されていない要因があるのかもしれないと言っていた。

彼女日本人論は矛盾だらけだ。

更に中国韓国の「反日」まで「セロトニンが少なく、オキシトシンに頼りがちな遺伝特質」のせいにしているのには呆れを通り越して笑ってしまった。歴史上何度も革命を起こしている中国人もまた、保守的リスクを好まない形質の持ち主らしい。

サイコパス」でフロイトトンデモだという声もあるほどだなどと書いていたが、リビドー無意識という概念の代わりにセロトニンオキシトシンや脳部位が万能の説明法として君臨するようになっただけで間違い方に大して違いはない。

この記事でも指摘されているように、彼女不要場合でもひたすら専門用語を使って話す。https://anond.hatelabo.jp/20150908145246そういう言葉を用いれば多くの人間科学っぽく感じてしまうことをわかっているのだろう。

人間でもそうだという根拠にならない動物実験をたびたび引用して人間の話に繋げる。キツネマウスプレーリータネズミサバクトビバッタと…

「脳・戦争ナショナリズム 近代人間観の超克」(嫌な部分が剥き出しで、是非お勧めしたい本だ!)で人間に何世代も飼いならされたキツネ容姿が変わってくることを挙げて人を見た目で判断するのは科学的に正しいのだという主張に持っていっていた。少し脱線するが「空気を読む脳」でもたかだか0.126の相関で「容姿と知能に関係がないとは言い切れない」などと書いていた。それだけの数値なら関係いかあったとしてもごくわずかな関係しかないというべきだろう。

戦国武将精神分析」でマウスを取り上げて人間テレゴニーが起こらないと証明されきったわけではないなどと立証責任押し付けた。確かに人間にもマイクロキメリズムはあるがそれはテレゴニーとは違うものだ。それにしても不倫バッシング批判する中野がヒト・テレゴニー説に対して好意的なのは面白い

不倫」でプレーリータネズミのAVPR1a遺伝子を操作すると生殖行動が変わり、AVPR1a遺伝子が人間ボノボで「ほぼ」同じだからといって人間本来ボノボのように乱婚的だと示唆した。

そのわずかな違いが重要な違いであ可能性はあるしAVPR1a遺伝子も実際は空間記憶能力に関わる遺伝子で空気記憶能力の高いプレーリータネズミは行動範囲が狭く単婚的になるというのが実際のようであるhttps://www.eurekalert.org/pub_releases_ml/2015-12/aaft-_4120715.php中野はかなり単純化・歪曲して解釈している。

空気を読む脳」で書いていたサバクトビバッタに至ってはなんとセロトニンが多いバッタ集団志向になるのだそうだ。同著での主張とは真逆だ。

文藝春秋4月特別号の「脳科学者が小室圭を「分析」する 世間常識はなぜあの母子には通じないのか」でゴールドウォータールールに触れておきながら小池百合子ドナルド・トランプサイコパスだなどと言っている。精神科医ですらない人間が直接の診察もなしであの人はサイコパスだなんだと言っているのである

ペルソナ」でセクハラ告発していたが、「脳・戦争ナショナリズム」では以前なら当たり前だったことも「セクハラ」「パワハラ」にされてしまうなどと言い、今日かわいいねと言ったら今まではかわいくなかったってことだと思って泣いた子供批判的に取り上げて世の中が過敏だというニュアンスを込めて論じていた。以前とは考えが変わったという見方もできようが最近でも「昔は乱婚だった、現在倫理を相対化すべきだ」という主張を繰り返している。当たり前だがある倫理が新しいことはそれを否定する根拠にはならない。私は乱婚社会を悪だとは思わないが。

ペルソナ」の話に戻ると、親と子の関係他人が口を挟むなとも書いていた。虐待の温床となる態度である。旧式の価値観に従っていい子でいるくらいなら~などと宣っているが、旧式の価値観にしがみついているのは彼女自身である

そして最後に「不倫」で書いていた、不倫遺伝子によって決定されているのだからそれを断罪することは差別優生学に繋がるという主張について批判しておこう。

別に不倫遺伝子とはあれば絶対不倫するという因果律支配する魔法のようなものではない。ある人はない人に比べてその確率が高くなるといった程度のものなのだ。もし殺人レイプのような重犯罪についてもそのような遺伝子があれば殺人レイプ断罪してはいけないことになってしまうだろう。不倫バッシング遺伝子のせいだとすれば不倫バッシング差別優生学だと断罪することもまた差別ということになり自己論駁に陥る。「あなたの脳のしつけ方」では後天的に脳を変えることもできるのだと書いていた。この頃はまだまともな内容を書いていた。

思うに、彼女の本がベストセラーになるのはこういった免罪的側面のせいなのだろう。そういった遺伝決定論に従えば不道徳な行動も遺伝のせいになり免罪される。世の理不尽なことも「脳や遺伝子のせい」とわかった気になれる。

橘玲の本のレビューにも「遺伝によって決まっているのだから学生時代あんなに頑張ることはなかった」とか「子育てするお母さんに読ませたい」というものを見た。遺伝率とは集団規模での決定係数のことであって個人レベルでは親のIQから予想された数値より高かったり低かったりして当たり前でどのくらい予想された数値と違うかも個人によるのだが。


この記事おかしなところがあったら、具体的な反論をしてほしい。私も流石に脳や遺伝子についてそこまで詳しいわけではない。中野の本を読み、関連する内容を調べた程度なのだ。それでもこれだけ矛盾が見つかる。

追記:2021/5/8

https://next49.hatenadiary.jp/entry/20161220/1482228666

2000年論文で「この損害回避セロトニントランスポータープロモーター領域遺伝子多型との関連を支持する研究と支持しない研究存在し,今後さらなる検討必要である」とあり、2009年メタ分析論文で少なくともフィンランド人サンプルにて不安遺伝子を持っているかどうかと損害回避性(harm avoidance)と神経症的傾向を持っているかどうか調べたところ関係があるという証拠はないという結果がでているのだからセロトニントランスポーター遺伝子が少ないから損害回避的にふるまう傾向があり、そのため、「上位の人間に対して勇気を持って行動できる性質」が日本人にないというのは適切でない主張。”

https://www.ncnp.go.jp/nimh/pdf/kenkyu59.pdf

さらに、この S/L 多型は、PET により測定される脳内 5-HTT 結合に影響しないこと、前述したように、5-HTTLPR の多型は S 型と L 型の 2 つではなく、14 種類のアリルからなり、それぞれの機能の異なる複雑な多型であることからS 型、L型の2分法での研究自体に疑問が生じているのが現状である

https://neurophys11.hatenablog.com/entry/2016/03/01/223747

ざっとこんな趣旨記事だが、先に書いたようにそんな気質のものがたった1つの遺伝子で決まるものでは無いんである。このセロトニントランスポーター気質を決めるというのは実は結構な前から沢山の論文が発表され、ある程度そう言える部分はありそうなのだが、それでもその決まる程度は極僅かで、決して「日本人気質」を作ってなどいない。

こういった「1つの遺伝子が性格を決めている」系の話は、すべて科学漫談として楽しんでおけばいい。特にセロトニントランスポーター気質を決めるという話は良く出てくるが、そんなにすごい力コレだけにはないですよ。”

https://www.amed.go.jp/news/release_20160128.html

SNP品質管理などから、最終的に1088名について解析を行いました。その結果、BMP2遺伝近傍SNPストレスフルライフイベント相互作用が、統計学的有意うつ状態と関連することを見出しました(図2、図3)。そして、抗うつ薬作用点であるセロトニントランスポーターなど、古くから知られる候補遺伝子には、有意な関連は認められませんでした。”

どうやらセロトニントランスポーターが「日本人らしさ」を決めているというのがトンデモだというのはまともな研究者ならすぐわかる話のようだ。中野信子はあまりにも本を流行らせ過ぎた。研究者はもっと積極的反論するべきだろう。

2021-03-15

anond:20210315005437

人生とは何かとか急に答えるのはムズイな

ただ自分は「自分なんて気のせいだから自分があるように振る舞うのはやめろ!!」と言われてある程度従っちゃう側なんで、決定論的に近いような、一つの川の流れのようなものかなと思うことが多いな。

ただ決定論的な世界観の上でも自分世界の中心にあることは成り立つと思うから、まあある程度うまいことやっていこうという意思の中で藻掻いてみる繰り返し、そんな感じのことが人生かなって今は思ってる気がする。

読むのより人生考えるほうがだいぶ時間かかっちゃったけどこんな感じけ?

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