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2023-11-22

氷河期世代は何故闘わなかったんだ」と言われても

いつどこで見たかはすっかり忘れてしまったが、リベラル言論で著名な方が、以下のようなことを言っていた。

氷河期世代不況のせいにして就職できず流されてきて、今になって苦しいという。何故20代の時にお国と闘わなかったんだ。今更苦しいと言っても自業自得

仰っていることは尤もなのだが、しかし当時は連帯しようとかデモをしよう、国に掛け合おうなどという考えはないに等しかった。何故だろう? と氷河期世代たる増田は考えて、すぐに結論が出た。

左翼の皆さん、我々の世代に嫌われてたんだよ。左翼にも色々あると言われそうだけど、あの頃の左翼的な思想を持った連中なんて、どれもこれも十把一絡げで嫌われていた。

日教組のせいである。

昭和50年代生まれの我々は義務教育間中、一度や二度はいわゆる日教組アカ教師と遭遇し、嫌な思いをさせられている。かつて学生闘士と呼ばれていたような、親より少し年上の定年間近の老教師が、特に地方の、子供も少なく1クラス30人にも満たないような増田学校にも必ず1人はいて、何かと教育現場を引っ掻き回していた。最近まり聞かれなくなった式典での国旗掲揚不起立や教科書君が代ページを貼り合わせる問題が、周囲を田んぼと山に囲まれたど田舎の我が母校でも起きた。

増田担任にはならなかったが、当該クラスPTA会長の子供もいたことで、その後大人たちの間では大変な騒動にもなっていた。

教師体罰がまだ当たり前だった時代アカ教師は手こそ上げないものの、従順女子児童への露骨な依怙贔屓や反抗的男子児童への横暴な発言は、学年を超えて伝わってきて嫌われていた。

その頃はインターネットがなく、テレビ新聞が主な情報源だった。番組改編時にはよく衝撃映像昭和の記録映像として東大講堂での騒乱やよど号ハイジャック事件あさま山荘に鉄球をぶつけるシーンがよく流れていた。その度に「かつての日本は荒れていたのだな」「その原因を作ったのはあのアカ教師の仲間なんだな」と、幼心に刷り込まれていたのかもしれない。

あの頃は、一部のメディアにも左翼活動忌避する空気が作られていたのかもしれない。いわゆる自虐史観が幅を利かせていた教育業界に新しい教科書を作る会が出てくる一方で、司馬遼太郎によるドラマティックな司馬史観がこれでもかともてはやされている時代でもあった。

高校大学(増田が通ったのは地方駅弁ですらない田舎にあった)と進学するにつれ、ますます左翼的な勢力は目につかなくなっていった。教師教授陣にそれっぽい思想を持っている人がいなかったわけではないが、押しつけることはなく、オルグされる同世代も見かけなかった。他の大学学園祭に行った時、明らかに学生らしくない数人のおっさん垂れ幕の前で9条がー、と威張り散らしているのを見かけたくらいだ。

ちなみに阪神・淡路大震災増田学生時代に起きた。燃え落ちた街、横倒しになった高速道路映像はあまりにも衝撃的だった。現代でこんなことが起きてしまうのかと呆然としたのを覚えている。救援活動に来た自衛隊批判する勢力は、露骨に白い目で見られていた。

オウム真理教問題を起こしたのも同じ年だ。あの頃のマスコミの狂乱は、今の統一教会報道の比では無かった。テレビには毎日のように信者が登場してめちゃくちゃな言動を繰り広げ、一般紙からスポーツ新聞までが彼らについてあらゆることを書き立てた。氷河期世代過激新興宗教に拒絶的な態度をとりやすいのも、オウムや、その他宗教団体が原因である

オウムだけではなく、当時はあらゆる新興宗教団体がしつこい勧誘で嫌われていた時代だったのだ。少し大きな駅に行くと、手相の勉強をしていると称する者は壺や印鑑を売ろうとしてくるし、あなた幸せを祈らせろとつきまとってくる者もいるし、選挙があれば○○党に投票しろ新聞をとれとうるさい。個人情報ダダ漏れ時代ということもあり、これらの勧誘を掻い潜るのは至難の業だった。

増田宗教2世である同級生から勧誘辟易とし、家族の闘病について信仰心が足りないからだと言われた時には速やかに絶縁を申し出た。元同級生が悲しそうな顔をしていたのを、今でも覚えている。かつてはスニーカー文庫を貸しあった仲だったのに残念だった。

働きだしてから、といっても増田就職できずフリーターになったのだが、ようやく田舎にもインターネットというものが普及してきた。2ちゃんねるが登場したが、そこでも左翼馬鹿にされる対象しかなかった。制服強要されているのが虐待だと国際的な場で主張した政治家の息子が笑われたりしていたのもその頃だ。

からその後、若者を中心としたSEALDsが出てきた時はびっくりした。いつのまにか、増田の親世代ですら触れたがらないアカ思想にばっちり染まった彼らは、SNSでつながることに抵抗を持たない世代としての強みを活かし、あっというまに増えていった。いつのまにそんな思想が、もう絶滅したと思っていたアカ若者の口を借りて復活するとは予想外だった。

30歳を超えた増田には、SEALDsの輝きが眩しくうつったが、羨ましくはなかった。主張があまりにも幼く感じたからだ。かつてアカ教師に仕込まれ児童湾岸戦争時の自衛隊派遣に絡めて「戦争には反対です。憲法9条に反するから自衛隊はやめた方がいいと思います」と言わされていたのを思い出させた。このとき自衛官親族に持つ子供が他の学年にいて、家族学校クレームを入れて大問題になった。

増田ネット匿名文化にも浸っていたため、「学生のうちにこんなに顔を晒し発言していたらこの先大変だろうな」と思ったりしたものだ。

結局SEALDs解散したが、その後、リベラルと言われる勢力は以前よりも目につくようになってきた。だがやはり、氷河期世代の姿は少ない。

そんな中で発せられたのが「氷河期世代は何故闘わなかったのか」である

正直に言おう。

我々の世代に、国と闘う余裕はなかった。そんな暇があれば働くことを選んだだろう。

そして、あの横暴で陰険な、アカ教師のような人になりたくなかったのだ。

その結果、「闘わなかった」と怒られる。

今の視点で見れば、何とでも言えるよな。あの頃のリベラルなど、今よりずっと情けなかったのに。

ここからは余談。

数年前、増田が住む街の施設日教組全国大会があり、警察規制線を張っていた。警察が守っているのは、会場へ向かう年老いてしょぼくれた、とっくに定年退職を迎えて何年も経た老人の群れである。みんな「日教組○○県支部」と書いた幟をもって、俯きがちにトボトボと歩いている。総じて服の色は地味で、男女問わず髪の毛もボサボサで、見た目にも元気がない。

その規制線の外、ギリギリ場所愛国的なことを叫ぶ街宣車が止まっていた。車の上から老人たちに向かって元気に「国賊」などとがなりたてている中年男性は、増田と同世代か少し上くらいに見えた。

どこにも若者がいない。交通規制を促している警察官が一番若いくらいだ。

かつてはヘルメットかぶりゲバ棒を手に機動隊に向かっていたかもしれない人々が、中年にどやしつけられ(ほぼ因縁だが)、国家権力に守られながらトボトボと歩いている。

どんな気持ちで歩いているのだろう。会場には共産党代表する大物政治家が来場するとポスターにあった。世代交代を頑なに拒み、トップに君臨し続けているその政治家を見て、彼らの心は慰められるのだろうか。

だが天下をとれなかった彼らも、闘わなかったと言われる氷河期世代も、下の世代からは同じに見えているのかもしれない。これを書いている増田に、左翼日教組共産主義新左翼革マル中核派赤軍派リベラルも、まるで区別がつかないように。

仕方ない、そういうものだ。

これを読んでるみんなは、俺たちのようになるなよ。

2023-11-21

anond:20231120191422

反米やりたいだけ、は間違ってないが、中高年以上の煽っている、活動している世代青春時代記憶から新左翼シンパや考え方を取り入れちゃってる層がいるんだろうなとも思う。

2023-11-20

anond:20231120125439

都落ちありだと大富豪はとにかく全員に先んじて勝ち続けることを強いられるわけで

そうなると革命以外の強弱逆転や縛りはあまり多いと邪魔だし

はっきり言うとイレブンバックなんか愚の骨頂なんだよね

革命の安売りしすぎて新左翼か何かかお前はっつう

2023-11-15

anond:20231115153431

マトモなやつから離れてって、残ってるのはどんどん先鋭化したキチガイばかり。

新左翼とかと同じよな。

2023-10-15

anond:20231015092637

ユーミンは、安保闘争新左翼内ゲバに嫌気がさして飽きてきた転換期に、ブルジョア恋愛至上主義を歌った、資本主義バブル礼賛のシンボルの一番手だったから、そりゃ左翼からすると憎いだろう

2023-09-24

自治会ダミーサークル問題案の定沈静化してて笑う

アベの一件でもうちょっと盛り上がってくれるかなーと思ったけど、やっぱりダメだったな

まあそりゃそうだよね

共産党新左翼も同じことやってんだから、つつかれたくないもんね

個人的には昔からあの原理研とか死ぬほど嫌いだったんだよ

なぜならダミーサークルが「CARP」とか名乗っていやがったか

カープファンとしてはその時点で論外でしょこんなん

逆に言えば革マル革マル名乗って堂々と活動するなら、昔みたいにゲバ棒振り回して暴れでもしない限り、そんな文句ないのよ

でもそうじゃないでしょ

自治会(今じゃだいたい非公認自称、ひどいのになると学籍すらなし)とか「社会ナンタラ研究会」とか平和団体みたいな名乗りで、常にその辺ごまかしてくる

新歓シーズンになると「この団体ヤバいです」みたいな注意喚起が出てたけど、わかってんならはよ追い出せやとしか思えなかった

そういうところがセコいなーって思うワケ


それともカルトオルグ洗脳で、左派オルグは本人の自主性によるからセーフってこと?

共産主義っつーかご都合主義ですなあ


anond:20230923180246

2023-09-05

anond:20230905234910

新左翼日本ではカルト扱いだからしかったんだろうね

本邦では日本共産党こそ正当な左翼でありそれ以外は分派異端というレッテルを貼られるから左派運動共産党本流から広がらない特徴がある

2023-07-05

anond:20230704192359

むかしむかし(1980年代前後)、原理研新左翼セクト民青場合もあり)は、物理的に殴り合ってた不倶戴天の敵だったんだよ

2023-06-11

anond:20230611014035

ひとつ便乗して言えば昔は左翼同性愛批判してバカにしていた

社会党ブレーンの向坂逸郎は、東郷健ゲイ人権を唱えて雑民党を結成した人)に対し

社会主義が実現すればお前の病気ホモ)は治ると暴言を吐いた

小説チャイルド44」にも出てくるがソ連ではホモ弾圧対象中共も然り

どうも同性愛社会病理または資本主義的退廃な変態性欲の一種と見なしたらしい

うそ元増田意見によれば性にオープン左翼もいたが

それはもっぱら1960年代以降の新左翼イメージ

もっと古いスターリン時代左翼は性にうるさかったし変態性欲を許さなかった

変態性欲の代表格みたいなサド侯爵とかフランス革命前の大貴族だったわけやん

よって貧しい民衆健全な性欲を持ってるが変態金持ち悪者性癖と見なされ

同性愛もその一種みたいに考えられてだろうな

まり貧乏人のホモはいないと思われていた!今にして思えばすげえ偏見だな

※長めの追記あり

けっこう忘れ去られてる事実かもしれないが、ちょっと昔は、左翼は「不謹慎万歳」だった。

ポルノ体制の抑圧に抗する人間性解放象徴だとして称揚していた。

「不健全表現存在してはならない」なんて、宗教右派特高警察かみたいなこと言ってる現在とは正反対だ。

「昔の左翼はえらかった」などという話ではない。だってあんまりメンツ入れ替わってないからな。共産党の主たる票田は昔も今も団塊世代だろう。

いか左翼正義が何にでも結合するのかということだ。無農薬野菜にも反原発にも、エログロにもポルノ廃絶にも、アニメにもオタクバッシングにも、反戦にも戦争賛美にも、宗教にも宗教弾圧にも、何にでも取り憑いて寄生してしまう。

ブコメ読んで思ったことなど

まあそれはそうなんだけど。もっともな動機に根ざした暴走こそタチ悪いというのもあるし。

のもその通り。

いわゆる保守体制側は、締め付けるにしても緩めるにしても風向き次第・エライサンの胸先三寸というところが元来有る。

本邦において左翼に期待される役割は、そういうヌルヌルの動きに要所で釘を刺すことのはずだ。

保守伝統と呼ばれる暗黙知ベースに共有してる(ことになっている)からなんとなくで動いてもいいんだ。

左翼はそうであってはいけない。理屈で動かないと意味がない。でももう「戦後ももはや「歴史」になり、左翼にもなんとなく感覚的に依拠できてしまう「伝統」が生じてしまったんだろうな。

もちろんここで左翼とか保守とか雑語りしてるのは「敢えて」なんで、細かいツッコミ無視で。

結局のところ「日本社会って変だね」という話ではある。ウヨサヨ相克史という切り口からはむしろその変さは整理できないだろう。

ところで「けしからん表現の取り扱い」については欧米もたいがいわけのわからない紆余曲折を経てきており、それが本邦の国内状況に混乱を添えている。

そこで保守に期待される役割は「うちにはうちのルールがある」という毅然たる態度のはずだがおとうさんもうふにゃふにゃだからな。

その辺のディテールは言わなくても知ってる同士(というか世代)での書き方しかしてないからな。ちなみに78年生まれ愛のコリーダだののリアタイ世代ではない。

表現規制とかセックスジェンダー関係の話ってウヨサヨヘイトプロレスネタとして消費されやすい。

別にただちに生き死にに直結する話でもなし、まともな人は火の粉をかぶらないよう距離をとることが分別ではないか基地外と踊るべきではない、そのように受け取られがちだ。

でもそうじゃあないんだね。こういうのをグダグダのままにしておいたら我々はクソみたいな「戦後」の文化言論空間をどこまでも(団塊の死後も)ズルズルひきずることになる。

2023-04-04

anond:20230403180139

今の日本リベラル学生運動時代新左翼と言われた層が主な源流になる

こいつらは経済発展目覚ましい日本左翼活動を始めたので、そもそも経済問題は重視していない

新左翼以前の左翼世界では資本主義では労働者は豊かになれないと考えられていた。

なぜなら労働者搾取されてしまうから

から共産主義はみんなが平等に豊かになれて素晴らしいと思われていた。

まり資本主義vs共産主義は旧左翼にとってはどっちがみんなを豊かにするかの戦いだった。

ところが新左翼が台頭し始めた60年代の終わり頃にはもう資本主義でもみんながそこそこ豊かになり始めていた。

こうなると資本主義ではみんな搾取されて貧乏なっちまうぞ!という脅しは大衆通用しなかった。

仕方がないので新左翼環境とか男女平等とか心の豊かさとか、

経済的豊かさ以外のところに体制批判ネタを探し始めた

こうした新左翼活動思想がさまざまなチャンネルを通して脈々と受け継がれて今にいたるのが日本リベラルってわけ

奴らは非正規貧困とか経済問題になんてその出自からしてそもそも興味がない

2023-02-12

共産党が「今」批判を浴びているのはなぜか?

日本共産党が今、党首交戦制を公に主張した党員を除名した件で各方面から激しい批判を浴びている。

批判道筋もっともな内容であるけれど、日本共産党がそういう組織運営を行ってきた政党であることは、多少知識のある者なら昭和の昔からみんな知っていることだ。

それが朝日新聞東京新聞まで批判論陣を張る大きな流れになっている。

なぜ、今になってにわかにここまで問題視されるに至ったのか?

結論から言うと、広範囲左派リベラル圏の主導的地位をめぐる大綱引き合戦が起こっているのだろう、と思われる。

戦後左派ムーブメントは大きく、共産党系と非共産党系に担われてきた。朝日などが推す左派リベラル系の運動は、どちらかと言えばより間口の広い非共産党系人脈に軸足を置いていた。共産党場合によっては共闘相手にもなったが、新左翼などにとっては不倶戴天の敵だった。要は本流じゃなくクセの強い独自路線の傍流だった。

それが今、左派リベラル圏の軸として期待されてきた立憲民主党あたりがどうもあてにならなくなって、その分共産党系比重が増してきている。そんな状況に対して、非共産党系の支持者から左派リベラル全体を仕切りたいなら、党内体制どうにかしろや。今のままじゃ認められん」という声が起こっているのだろう。

共産党がこれに応えるとは思えない。要は「民主や立憲みたいになれ」ということだから

2023-02-06

anond:20230206114703

統一教会創価学会新左翼と同じく大学構内で偽装勧誘やってる連中なのになんで嫌われてないと思い込んでるのか本当に不思議だよな

2023-01-29

鈴木邦男と朝まで生TVネット団塊叩き、三島切腹関係

鈴木邦男が亡くなってしまった。ご冥福をお祈りする。

鈴木陣営外の人にも話が通じる右翼として有名だったが、実は朝まで生テレビの成立に大きな関りがある。鈴木が居なければあの番組は無かったんである

また風桶式に鈴木が居ねばネット団塊叩きも無かったんであるちょっと説明しようと思う。

 

新興宗教2世六本木道場

鈴木の親は民族主義新興宗教の「生長の家」の熱心な信者だった。その為大学時代六本木にあった生長の家道場の寮に住み込みんで大学に通うと共に国粋宗教活動学生運動に身を投じ、全共闘左翼学生と殴りあいをしていた。最近話題宗教二世だったのだな。

この道場乃木坂の緑の中にあった。https://goo.gl/maps/tv9eakNek34ZLQXU6

今では生長の家の3代目がエコロジー志向になったので建物も塀も取り払われて開放的な森として一般にも開放されているが、一昔前は周囲の階段が「おばけ階段」と呼ばれるほど鬱蒼とした場所だった。

日本会議の中核メンバーも多くここに入寮しており実はこの寮は戦後右翼運動胎盤みたいな場所なんである安倍政権日本会議が急接近した事で政治にも影響を与えた。米議会安倍政権日本会議関係問題視していたのでこの寮の輩出者も分析把握されているかも知れない。

この敷地内には日本教文社という出版社もあってこれは生長の家教祖谷口雅春の著書を出版して思想教義を広める為に設立された出版社だ。しかフロイトの『精神分析入門』や『夢判断』、ユングの選集などをいち早く出版するなど、実は学術分野でも存在感を示してきた社でもあった。

 

余談だが防衛庁(当時)の庁舎2000年まで六本木にあり(現ミッドタウン)、更に60年代まで門が開いていたので近所の人は庁舎内の売店で買い物をしていたそうである六本木赤坂物価より安い上に生長の家道場防衛庁庁舎は目と鼻の先だったので鈴木も利用して安いパンツ等の購入に重宝していた。

ところがある日、左翼学生による防衛庁突入事件があり、それ以来門は閉められ部外者売店使用することは出来なくなった。

六本木交差点の先や青山まで行ってハイソ価格パンツを買うしかなくなってしまった為に怒り沸騰、全共闘と衝突した際には「お前らのせいでパンツが安く買えなくなっただろ!」と叫んで相手を殴っていたとの事である相手も何を言われているのか不明だったろう、と鈴木述懐していた。まー、面白おかしく話を盛ったんだろうけど。

 

盾の会と森田必勝

1970年三島由紀夫市谷駐屯地東部方面総監部占拠割腹自殺事件が起きて世間を揺るがしたが、三島介錯、つまり斬首をしたのが森田必勝。森田もまた割腹介錯された。この森田必勝は鈴木の後輩で、思想的に鈴木の影響を強く受けていたという。

この為に鈴木は強く動揺、やがて右翼として生きる事を決意する事になる。やがて勤めていたサンケイ新聞退職してしまう。(デモでの狼藉解雇されたとの話)

鈴木はこの事をずっと気にしていて十字架を背負っているかの如くだったが、2000年頃になると「森田氏」と敬称を付けて呼ぶようになった。十字架を下したのかもしれない。

 

余談だが、小泉政権時代男性女性判らんと評判になった井脇ノブ子という政治家が居たが、彼女学生時代右翼学生運動のマドンナで、ドラクロワの『民衆を導く自由の女神』の様に数万の男塾みたいな学生の先頭に立ち、当時新右翼学生運動プリンス立場だった森田との交際の噂もあったとの事である

1977年google:image:『おまえらがかわいいけんなぐるんや!』は井脇31歳の時の刊行だが表紙写真の井脇は暴力教師だかダチョウ倶楽部上島だか素人には見分けがつかない。

 

黒塗り街宣車軍歌最初に止める

鈴木らは「新右翼」であり、これは全共闘などが含まれ新左翼に対抗する為に生まれ政治権力癒着した旧右翼らと違う軸を志向した。そもそも対抗する相手新左翼自体が、日本共産党暴力路線放棄する事に反発して生まれもので、要するに暴力vs.暴力

最初から硬派なバンカラと軍国路線で、彼らが卒業して政治結社を結成するようになると国防色(カーキ)の街宣車を使うようになった。これが80年頃になると威圧感を与える黒塗り街宣車旭日旗日章旗軍歌を流すというスタイルが定着した。

鈴木代表を務める一水会も黒塗り街宣車軍歌を流して通行人威圧して居たが、やがて鈴木はこのスタイルは良くないと考え出す。こんなスタイルでは話を聞いてくれる人が居ない。

という事で今の機動隊バスのような爽やかなブルーに塗り直して大音量軍歌も怒鳴り声も止めた。これは今で言うとテニスサークルヤクザとか好青年暴走族みたいな強烈なミスマッチである。(考えれば機動隊バス国防色止めたのも同じ動機だ)

すると傍目には社会党などの街宣車に見えるから、すれ違う右翼街宣車に怒鳴られる事もあったそうである。「あー、てめえらふざけんじゃねえぞおいゴラ!」「あ、一水会さんでしたかどうもすいませんでした」って事が度々あったそうだ。

 

ただ、話を聞いて貰えないスタイル流行したのは大人の事情もある。威圧感があって相手が震えあがるというのは、例えば企業相手の抗議に行くとき相手が折れてやり易い訳だ。

更に活動費というのは支持者の寄付機関紙の購買費で稼ぐのだが、相手が折れた先に機関紙の購買も持ち掛ければ受諾されやすい。そこで心付けを渡してくる相手もいる。

するとシノギ手段としてヤクザが参入してくるようになる。民事介入暴力だ。ヤクザは元々旧右翼と不可分だったが、それが新右翼スタイル模倣して参入するわけ。威圧感を高める為に街宣車もカーキや灰色じゃなくて黒塗りの方がいいし、車格も小さいライトバン等より大型のワゴンバスの方がいい。こういうのを警察用語右翼標榜暴力団という。当時沢山いたヤクザが参入する事で「業界」のパイも大きくなった。

 

激突全共闘新右翼から朝生

鈴木はこういう威圧じゃなくて議論対話を好むスタイルだったので、敵のはずの新左翼側とも交流があり、新左翼出版社から自書を出版して居たりもした。それで「一般人の方も向いている面白右翼」という評判が高くなっていた。

そこで1985か86年に全共闘上がりの活動家と鈴木含む新右翼の大討論会というのを開催する事になった。司会はあの田原総一朗である

 

この当時は全共闘とか学生運動というのは完全に過去のものになっていて嫌悪さえされていた。流行っていた思想ポストモダンで、モダンの内容も踏まえずに言葉の戯れを繰り出すのが流行していた。これは凄惨内ゲバを繰り返して自滅したのに青臭い異議申し立てさえすればよいという立場で「議論」の場に居座っていた学生運動的なものに参加したくない、そうではないものが新しい価値ある態度なんだという、以前の政治的なものへの強い忌避、反感がベースにあった。あの田中康夫も事あるごとに全共闘残滓の異議申し立て的態度や代ゼミ講師的ノリをコキ下していた(湾岸戦争日本が参戦を求められた事に衝撃を受け転向)。

 

そんな時代背景では政治議論なんてものはカビが生えた扱いで部外者には面白い訳がない。

そう思われていたのに、いざ討論会をやってみたら部外者にもかなりウケがいい。やってる方も面白い。

それでこれはいけるぞと踏んだ田原総一朗テレ朝に持ち込んだ企画朝生だったんである

当時、エロ一本鎗だった深夜放送枠でフジTVが色々実験的な番組放送し始め、その深夜枠のいい加減さも相俟って好事家的視聴者層にウケていた。そこにCNN放送権をゲットして社会路線で行きたかったテレ朝が乗ったのだろう。

 

こういう経緯だから最初の頃の朝生体制派vs.反体制派orリベラルという構図が鮮明だ。田原最近朝生は最早保守左翼だという時代ではないというのが朝生を始めた動機だ」みたいな事あちこちで言ってるんだが、この経緯を見ればこれが嘘って事は判るだろう。ボケちゃってるんじゃないの?討論なんてウケない時代に「激突全共闘新右翼討論会成功で行けると踏んだのが朝生なのだから

そしてこの討論会鈴木の左右を超えた交流議論好きの人格が無ければあり得ず、田原も来なかった筈なのだから鈴木存在朝生を産んだと言って差し支えないんである

 

元気になった全共闘上がりへの反発

こういう風に鈴木活動と波及した社会現象は停滞して煙たがられていた政治議論活性化した。すると全共闘上がりの人士らは元気になって「異議申し立て必要だ」「もう一度騒いでもいいだろ」と言うようになった。これらを受けて刊行されたのが1994年の『全共闘白書である

この動きに対し、同世代松原隆一郎文藝春秋社の雑誌諸君!』で批判を加える。更にこれを受けて諸君!誌では「うるさいばかりで無責任 上と下からぶっ叩け全共闘世代」という特集を組んで、その名の通りに上の世代と若手の執筆者全共闘叩きをする記事を寄せた。

まりはこれがネットで長年繰り返された団塊批判の始まりなのだ。この全共闘的振舞いへの批判から団塊Jr.世代増田もそう)の日本支配するオヤジ世代へのルサンチマンと甘えが被さり、「団塊世代」全体を叩くという風にスライドしてきたのである。そこでは例えばいい年になっても漫画を読んでるというスタイル確立したのが団塊だ(劇画市場の成立)とか子供部屋が個室とか結婚は好きな相手とすれば良いしなくても良いという常識とか若者向け流行歌の市場とか個人プライバシーとか時給制アルバイトとかが団塊世代わがままをしたせいで出来たって事にも向き合わないで済んだ。

 

些か「風が吹けば桶屋が儲かる」的だが、鈴木活動が無かったら全共闘上がりが活性化して『全共闘白書』が刊行されることも、それに対して下の世代が反発する事も無かったのである。そしてそれがネット民の甘えを吸収して団塊叩きに変化する事になったのだ。

 

鈴木赤報隊

最後現在統一教会との関係で取り沙汰される朝日新聞襲撃殺人事件赤報隊に関して。

1990年代新右翼を名乗る男の脅迫柳美里サイン会が中止されるという事件が起きた。鈴木SPA!誌に連載を持っていてそれを批判したところその男が抗議してきた。その中で男が赤報隊の名を語った為、鈴木は「赤報隊とは面識がある、名前を騙ったお前を赤報隊は必ず殺すだろう」と伝え、懺悔言葉を引き出す事に成功し、それを連載記事に書いた。

すると、直ぐに警察が何らかの容疑で令状を取り事務所を捜索して書類の類を皆押収してしまったのである赤報隊情報を得る為の別件事件だ。これに鈴木は怒って赤報隊情報は二度と官憲提供しないと書いてそれきりになってしまった。

結局赤報隊鈴木の面識が脅迫犯へのブラフだったのか真実だったのかは不明なんである

 

ヤクザ人権デモ

ヤクザの根絶やしを目的とする暴対法施行される事になった時、任侠右翼とも付き合いがある野村秋介鈴木ヤクザ人権を守れデモに参加しようと強く誘われたが、鈴木は「イヤですよヤクザなんて」と気乗りがしなかったが、野村親分肌なので断れない。仕方なしに参加したら呉智英らに「アウトロー人権とは笑止」などと言われてしまった。

2023-01-11

JRって昭和残りすぎ

JR東京葉線千葉)の60代車掌が乗務中に電子タバコ吸って、乗客に指摘されたとか。

60代ってあたりがもう終わってるなーとか、動労千葉か?中核派のお友達案件か?とか思ったりするけど、

新左翼とか関係無かったとしても、こういう安全意識ゼロの奴が未だに少なからず居るあたりJR組織的に終わってる。

そんなのが、組合運動安全がー、平和がーとか言ってるの頭おかしい。

anond:20230109120646

アンフェ、ミソジニーたちから差別だ! 党派性など関係ない!

ハッシュタグ #colaboに連帯します 

現実から目を背け必死抗うのも痛々しいし、「連帯」というワードも気になる。


連帯とは

連帯カトリック社会教説においても重要概念であり、したがってキリスト教民主主義的な政治理念の中核となる概念である

おっ東京都新宿区西早稲田かな?

google:東京都新宿区西早稲田2-3-18


革命的労働者党建設をめざす解放派全国協議会の出す機関紙名称

[wikipedia:革命的労働者党建設をめざす解放派全国協議会]

革命的労働者党建設をめざす解放派全国協議会(かくめいてきろうどうしゃとうけんせつをめざすかいほうはぜんこくきょうぎかい略称解放派全協)は、社青同系の日本新左翼党派の一つ。1980年から1984年にかけて革労協狭間から分裂して結成された。別称は労対派。警察極左暴力集団マスコミは「過激派」と呼んでいる。

[関連項目]

























真っ赤やないか..........

2022-12-18

表現の自由の話が出たら『共産党宣言』を思い出すようにしてる

インターネットでは日夜いろんなところから「こんな表現は許されるのか?」みたいな話が出るけど、この手の話を見かけたら必ず『共産党宣言』の存在を思い出してる。

共産党宣言』ってそれなりの規模の本屋に行けばほぼ確実に置いてある本だけど、あれに感化された人間がやったことは凄まじい。共産党非合法時代はいろいろやらかしてるし、新左翼に関しては言うまでもない。

これだけの規模と数の事件を起こした共産主義を広めた本なんて発禁にされても文句は言えないだろうに、今でも販売されて続けている。

このことを思い返すと、不愉快になったくらいで本などの様々な表現正当性を考えること自体、その価値基準適当さに笑えてきてしまう。

2022-12-16

anond:20221215205853

でも「共産党新左翼は仲が悪いんだああああ!!!」つったって、結局五輪反対デモとか個別話題になると、そいつらが混ざってることは全然問題になりゃしねえわけじゃん

祝電ひとつでズブズブとか言うならあんたらだって同じことでしょ

anond:20221216175616

ワイは横からまとめに来ただけおじさんやで まとめただけやからワイに事例を言えと言われても困るやで

まぁ一応かつての内ゲバ殺し合いとかを、どの派閥否定的に総括してはいないわけで、

赤軍派革命左派が一緒になった連合赤軍が山岳ベースリンチ事件起こしとるし(あれは教条主義からの争いとはまた違う気もするが)

新左翼好きな人間ほどあいつらが手を結ぶとは思えんのや

もう弱り過ぎて背に腹は代えられん精神で手を組んでるとしたら、ものすごく悲しいんやで……

2022-12-15

anond:20221215163547

運動系譜という意味では、4トロ太田竜指導立場だったというのが重要な点なんだよね。

太田は、東アジア反日武装戦線1974年三菱重工爆破事件を起こす)の理論的支柱であり、要するに、「一般市民差別に関しているので敵、それと戦ってる俺たちはマイノリティ側で正義」って思想根底に流れている。

4トロ含めて新左翼1970年華僑青年闘争委員会から「お前らマイノリティをいい様に使ってる差別者だ」って糾弾されたこと(華青闘告発)を受けて、マイノリティ側に立つことで、一般労働者側に立つ既成左翼日本共産党)と一線を画す「血債主義」に走ったんだけど、太田竜特にその中でも極まってる感じのアレ。

そんな4トロが、ABCD問題という内部でのレイプ事件を起こして自己批判することになり、この「血債主義」が猛烈にドライブする形でAPP研が生まれて、キモオタ20年来敵対することになったという歴史があるんだよね。

さらに、1991年ソ連崩壊からグローバル化が進んだ結果、先進国労働者階級が没落して労働組合も弱まった結果、「一般労働者側に立つ既成左翼」というのが維持できなくなってきて、日共なんかはそれまで適当にあしらってきた外国人問題女性問題にグッと肩入れするようになった。

さら女性問題は、反ポルノという意味で(宗教保守派相乗りするという部分があって、これが問題さらにややこしくしている感じ。

anond:20221215205853

元増田です。ブコメで「お金貰えるなら多少の思想の違いは許容する」「なぁなぁにネゴってるメンバーがいるんじゃないの」とか言われてる点について補足。

あのですね、そんなことして党員や支持者になんて言い訳するつもりだと思ってるのですかね?

対立している「反革命党派と裏でコソコソ手を結んでたなんてことは絶対に許されないですよ。もしそんなことをやってると知った内部の党員ただちにこれはどうなんだという意見書を全党回覧に出したり、内部告発的に暴露するでしょうね。関係する党員みんな抱き込むなんてこともよっぽど小さい党派でないと不可能でしょう。

現代では新左翼なんて化石扱いされてるので仕方ない面はあるにせよ、彼らを舐めすぎですね。新左翼党派の中でトップクラス排他性が強い革マル派ですらそういうところはちゃんとしてますよ。最近革マル派(探究派)なる分派ができて活発に情報発信してますね(しかはてなhttps://tankyuka.hatenablog.com/ )。それぐらい正しさにこだわりが強い界隈だということです。ブコメで言われているような金のための謀略なんてできません。

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