はてなキーワード: 定位置とは
生き物が特別好きというわけではなく、係決めのジャンケンに負けたから仕方なくやっていた。
飼育係は何人かいて、それぞれ生き物の担当が割り当てられるのだが、私は校舎内で飼っている水生生物の担当だった。
毎日放課後になると彼らのところへ行き、エサをやる。水槽のフィルターを掃除する。ウンコで水が汚れていれば、新しい水に替えてやる。
毎日そんなことをしていると少しずつ愛着もわいてくるもので、カメなどはその性格がわかるようになってきた。
カメは大小2匹いたのだが、小さい方はよく暴れるが実は気が小さい、田舎のヤンキーのようなやつだった。大きい方は、一見おとなしいが実は大胆なことを考えるやつで、何かやらかすとしたらこいつだった。
一度こいつが脱走し、それが原因で私が教師にこっぴどく説教される事件があったのだが、それはまた別の機会に書くとする。
ある暑い夏の日だった。
その日の放課後も私は彼らの元へ行き、すっかり慣れた一連の作業を行った。
いつもならそこですぐ帰るのだが、なぜかその日はもう少し世話を焼いてやろうという気になった。
目に付いたのはナマズの水槽だ。こいつらの家は水生生物エリアの中で最も隅に追いやられており、随分退屈しているように見えた。
今日の私は機嫌がいい。普段は薄暗い生活をしている君達に、今日は特別なものを見せてやろう。
そう思って水槽を持ち上げ、外の景色が見える窓際の特等席に置いてやった。
満足した私は、意気揚々と家に帰った。
次の日、いつものように彼らの世話をしに行った私は、それを発見した。
ナマズが、腹を上に向けて、浮いている。
衝撃的な光景にしばらく立ち尽くしていたが、しだいに昨日の出来事が蘇ってきた。
隅に置かれた水槽。照りつける日差し。汗ばんでいる自分。窓際の熱気。輝く水面。踊るナマズ。
死体が浮く水槽に恐る恐る人差し指をつけると、お湯になっていた。
私が死なせたのだ。
犯人が取る次の行動は、証拠隠滅だ。私はナマズの水槽を持ち上げると、隅っこの定位置に戻した。お湯は抜き取り、新たに水を加えた。
次は、第一発見者を装って通報だ。私は教師のところへ慌てた感じで走って行き、「ナマズの様子がおかしいです」と言った。
教師によってナマズの死亡が確認され、病気か何かだろうと教師は勝手に納得していた。
私は"不思議だ、よくわからない"という態度を終始とっていたし、まじめに世話をしているという日頃の行いもあって、私に疑いがかかることはとうとうなかった。
「毎週」「月一」のような頻度のものは、習慣にならなくて無理だった。
だから、できるものを毎日やってる。非効率だなァとは思うけれど、やれないよりマシだと思って。
毎日できるようになったのは「洗濯ほし」「洗濯とりこみ」「料理」「皿洗い」「キッチンの掃除(コンロ)」「キッチンの掃除(水回り、排水溝)」「風呂場の掃除(壁を一面だけ)」「ごみだし」。
料理以外は10分以内に終わる。料理は30分程度。料理はつまみ込みで5品くらい。すぐ終わるもの以外は続けられないのを知ってるので、1つの家事のクオリティは低いと思う。洗濯だったら、シワとかあんまりとってないし干し方は雑だし、料理は衣つけてあげるだけとか、切って焼くだけ程度のものが多い。なので他人にとっては許せないクオリティかもしれない。でも、私は気にならないからいいか、と思ってる。
今後は「床のほこり掃除」を組み込みたい。1LDK。できれば5分以内おさめたい。どうしてもこいつの習慣づけができない。スタートが片付けからになる日があるともうダルい。ルーチン崩れてやれなくなる。
こうなってくると「床のほこり掃除」の前に、難敵「床にものを置かない程度の片付け」を先に習慣づける必要があるんだけど、このルールの適応したときのタスクの発生頻度が高すぎる。こいつ、本当に難しい。基本なんかした後は片付けるって、回数多過ぎない?きがついたら、床にズボンとかティッシュとか化粧品とか耳かきとか転がってる。
使うものの定位置を決めてしまうのが常識かと思うんだけど、これがまた本当に難しい。しまう場所を忘れる。しまう場所を間違える。しまう場所までの距離が遠いとダルい。しまうことも忘れる。(※1)。しまった場所がわからなくなる。
これらのことが組み合わさると片付けをしようもんなら毎日ものを探すようになる。ものを探す時間って本当に不毛で精神的に良くない。
こうなってくると本当にむずい。探さなくて良い分かりやすい場所かつ使う場所から近いって条件でものを配置する必要があるけれど、物って無限にある。それもしまう場所を覚えなきゃならない。なんだこりゃ低スペックな自分にとっては難易度高すぎる。
家事は難しい。なんでも。
お家が清潔になってるレベルを維持するの、とんでもなく時間食うと思ってる。掃除する場所は無限にあるし。まず片付けの難易度が高すぎる。毎日ぜんぶやってたら死ぬ。でもホコリがないほうが空気が気持ち良い。汚れのない便器でうんこした方が颯爽とした気分になれる。
料理はデフォで時間食う。あいつ、美味い綺麗栄養があるをぜんぶクリアしようとすると死ぬ。食べれる、そこそこ栄養があるが精一杯。
世の中の家事できるひと、すごい。どうやってるんだろう。なんでできるんだろう。とにかくすごいと思ってる。
基礎代謝の低下ってやつなんでしょ?
だからちょっと気にして職場までの5階を階段で一段飛ばし登ったり、
昼飯食わないで散歩したり、炭水化物をとらないようにとか、糖質がどうとかしてみた。
でも全然減らねえ。
なんだこれ。
よく昼飯とか油そばダブル(油そば 東京油組総本店 仙台組)とか食ったりしてたんだけど
それを食わないで散歩してるんだからもう痩せるしかねーだろ!って思ったんだけど
ぜんっぜん減らねえ。
食っても食わなくても定位置。
それが先週から。
そんで今日。
お昼どこいくんですかーって聞かれたのでおれここ最近昼飯食ってないんだわーって言ったんです。
「あ、お疲れ様です」
うん、その同僚きちゃった。
ついさっき俺最近昼食わないんだわーって謎のマウントとったのにwww
うわーwwwはずかしいーwww弁明してええww
そんな午後。
2日間で暮らしを建て直す。
ペーパーでトイレ掃除をする(3分) 陶器の便器に石みたいなのがついていて汚れが落ちにくい→アマゾンでサンポール注文した
②洗濯機1回目 洗濯槽の掃除からしないとなんかかび臭い→過炭酸ナトリウムと洗濯洗剤で空洗浄した。(今日は短縮30分) 12時終了予定
12;00になったので、とりあえず脱水
④家事タスク時間管理のタイマーがなかった。スマホでもいいけど使い勝手が悪いから専用に購入しよう→アマゾンでタイマー注文した。
⑤デスクの上の掃除 定位置が決められないものをどんどん隣のエリアに移していく。
掃きだして、片づけていけばいつかは全体が収まるだろう。そもそも物量はそれほど多くないのだから。
デスクの上の清掃完了。にきびの薬とか日焼け止めとか化粧品類が結構デスクにある。これをとりあえずサイドテーブルに移す。
マイクロSDとか定位置決まらないけどとりあえず引き出しに投げこんで後で考える。
これでデスクは片付いた。
デスクの上と同様、大物をとりあえずエリア外に出して、不要物、ペットボトルや瓶など洗濯物を所定の位置にもっていく。
PC周りの配線は根本的に手入れが必要だけど、今はとりあえずおいておく。
掃除機で綿埃を吸う。あとはフローリングを水拭きすればだいぶマシになるはずだ。
だが信頼できる雑巾がない。今洗面所にある雑巾で床を拭くと雑菌播種行為になりそう
→バケツに雑巾と次亜塩素酸ハイターを入れて雑巾の信頼性を高める。濃度と温度のレシピがないけど適当にやる。
ここも大物をエリア外に出してごみを拾い、掃除機をかけて水拭きする。
⑧洗濯機2回目開始 13時15分 靴下とかパンツの口ゴムがあるものをとりあえず常温の水道水で洗う。
洗濯洗剤と気持ちだけ過炭酸ナトリウム追加 意味があるかどうかは不明→14時まで放置
おなかすいた・・・けど食糧があんまりない。とりあえずレンジでご飯炊くようにだけ無洗米をセットした。→14時まで放置
⑨順調なのですこし油断が出てきた。ここで気を引き締めなければ。クリーニング関係とアイロン関係と重要書類関係の山がある。
床を片付けているとカバンとか皮革製品がある。これの手入れをどうしたらいいかよくわからない。
水牛底皮のリュックは、とりあえず無印の皮革用クリーム、っていうやつをウエスで塗り込んだ。悪くない。
ついでに靴も一足略式で磨いた。皮革製品の手入れは何をどうしたらいいか未だよくわからない。クリーナーとクリームと靴墨と防水スプレーがあるけど・・・コロンブスから何か高いものまでどれを買えばいいのか。。。
⑩洗濯3回目開始(15:15) 2回目では靴下15足、パンツ8枚を洗浄。 3回目ではTシャツ、タオルなどを投入 →16時まで放置
少し飽きてきた。綿のハンカチ3枚アイロン掛けして仕舞う。台に平置きにしていたのでアイロンかけは楽だった。
⑪17:00洗濯三回目終了、バスタオルとTシャツを干す。4回目を投入、ワイシャツ2枚と枕。枕は防ダニとかで目の細かい布なので水が沁みとおらない。なんとか空気抜きながら酸素漂白剤入りの洗濯機に突っ込む。でも完全に沈まない。あとで天地返し必要。
⑫暑さも落ち着いてきたので買い出しに出よう。食料、水その他。その前に今の状態だと無精髭が伸びていてびっくりされるので髭を剃っていくことにする。無駄だけど社会参加税と思う。
⑬20:00 買い物終了。少しばててきた。今日はこのくらいか。あとは寝るまで大きくバタバタしないようにしてはやめに寝よう。
でもさ、誰も昇ってない地下五階分くらいはあるのではないかっていう長い長いエスカレーターの片側をもそれでも、いつ誰が昇る人がいるかわからないって理由で空けとかなきゃいけないの?
満員電車なのに、頑なに奥に進まず、乗降の邪魔になろうがドア横の定位置になにがなんでも張り付いたり、イヤホンの音漏れだったり、すし詰めの中で人の背中に当たってるのにスマホ見てたり、歩きスマホしてたり、傘を横に持って子供の目線に傘の先が来て危なかったり、マナーやら空気読んでないってやつら、朝夕のラッシュの駅には腐るほどいるのに。
なんなら、階段だって上りと下り、きちんとわけてあるのに、無理矢理逆行してくる奴も結構、目につくのに。
なんでエスカレーターだけは聖域なのか、本当に謎。
リーダーをやっている、現場には長い、職責は同格だが年齢はそこそこ下
彼は後輩にあたるし、上下関係を重視する彼が私に失礼な態度をあからさまに取ったこともない
過去に似たようなタイプの同僚に嫌な思いをさせられたことも 敬遠する理由になっていると思う
私に話しかけるのも後輩に話しかけるのも取ってつけたような雑談も全て 点数稼ぎだ
周囲の人間とうまくやろうと思っているだろうけれど、自分が下に見た人間にはまるで興味もない
飲み会では上司の席の雑用係が定位置、後輩やらパートナーさんに話しかけもしない
唯一話しかけるのはそんな彼を先輩と持ち上げてくれる入ったばかりの愛想の良い新人
そういう子だ
実際に人と接して教育しマネジメントしているのは別の若手社員だが、その彼を使ってるという態度を崩さない
情報のコントロールは別の若手社員がほぼほぼやってるような状況なのに
なんというかみっともなくて恥ずかしい
そういう人間を見るのは辛いし
彼が私に雑談してきて、僕は気がきく優秀なリーダーやってますよね(評価してくれ)みたいな態度も押し付けがましくて重い
そんなわけで私は彼が苦手だ
好意的に思っていられれば色々うまく行くことが多い
特別好きではなくとも良かったのに
遠くの歩行者や車がハッキリ見えるように3000程度ないと自転車の前照灯あつかいされない法律にしてほしい。
モバイルバッテリーも今となっては容量6000でも3000円なんだから明るさや照射角度をけちるの止めてほしい
あと固定位置も低すぎだ
前かごの前方の一番上に平面型で1500ルーメンのLEDを2つつけてほしい
ぜんぽう5-10メートルを蛍の明かりのように細々と照らす今のLEDはキット車からも認識されづらいと思う
自分だけでなく車や歩行者からも明白に目視されるべく3000を法律で義務化して2999以下の自転車を流通できなくしてほしい
そのことを考えていたら、昔のことやら色々思い出してしまった。
今朝起きたことはこうだ。
毎朝のことではあるが、本日の私はやらなければいけないことや、昨日中に起きた細かい色々についての対処をどういった順番でどのような手段で処理していくかなど、頭の中で1日の予定を確認しながら身支度を整えていた。
洗面台を、あともう少しで使い終わろうとしている頃合いでのことだ。
母は私に向かって、「汚したままにしないでよ?ちゃんと片付けて行ってね」と言った。
この一言に、何故かどうしようもなく腹が立った。というか、色々なものが一気に思い出された。
私の心が狭いというのはあるかもしれない。
しかし、だ。
私の予定というか、『当然やるべきこと』のうちに、洗面台を片付けてから服を着替えるという流れは既にあった。当たり前のこととして。
『洗面台を汚したまま出かけてしまうこと』が母の嫌がる行為だとして、まだ何もされていないうちから「これやらないで、ああはしないで」と言ってくるのはどうなのだろうか?
これを言われた時、私は咄嗟というよりも半ば反射的に「まだ使い終わってもない(のに何言ってるの)」と言ってしまった。
それから、私が家を出るまで母は始終不機嫌だった。
私が悪いのか?
後から起きてきた父は私たち2人の醸し出す雰囲気を見て至極面倒臭そうにしていたが、私だって面倒臭い。
何故計画的に、なるべくスムーズに諸々をこなそうと動いている最中、あたかも私が家を汚したまま出ていくかのような言われ方をしなければならないのか。
もしも私が洗面台を汚したまま出かけたのなら、その時に言えばいい話である。もっとも、先から洗面台を『汚す』と書いてはいるが、歯ブラシを歯ブラシ立てに立てる立てない・うがい用コップを元の位置に戻すもの出さない程度のことであり、私を始め家族の誰もが元からある洗面用具以外のものを持ち込んで散らかし放題なんてことは一切しない。水しぶきだってみんな当たり前のように拭ってから洗面台を離れる。
私を含め、家族に洗面台を汚く使う人間はいないし、直近に誰かが汚したままにしたという話もなければ、母も取り立てて潔癖というわけでもない。
だから、そもそもの話、「汚くするな」と言われることこそがわりと首をひねりたくなる指摘ではあったのだが。(もっとも、そこで引っかかったおかけで、過去の諸々も思い出せた)
たまたま母の機嫌が元から悪かった可能性も考えたが、それはない。
私が洗面台に向かう直前まで、余計な口を出してくる時でさえ、母はいつも通りだった。なんならいつもより機嫌は良かったかもしれない。
でもまあ、私も「まだ使い終わってもないのに」と、言いたいことはその場で伝えてあるのでこの件は私の中では終わっていた。
なのに、この母の不機嫌だ。
何故あなたがヘソを曲げている。
どうにも解せないのと、朝から気分が悪いのとで、支度が終わった後、母に直接訊いてみた。
「なんで怒ってるの?」と。
したら、母はこんなことを言う。
「怒っているのはあなたでしょう」
「だって、まだ何も間違ったことはしていない状態なのに、どうしてあんな文句調で、汚すなだのそのまま出ていくななどと言われなくてはいけないのか」
「汚されたら嫌だと思って言っただけでしょ。あなたのために言ってるの」
「まるでこれから汚すと決めつけられているようで、気分が悪かった」
母が言うコップの定位置とは洗面台の端のことで、軽いコップの位置なんて、ただ母が洗濯物を洗ったり取り出したりする時にだって、簡単に落ちてしまう。過去の私が元の位置に戻さなかった、いつも戻さないといった事実は無いのだ。
この口論まがいなやり取りをしている間、母は父のための朝食を作っていた。目玉焼きを焼いていた。
「母さんが言っているのは、まだ失敗していないうちから、『焦がすなよ、油をコンロに飛ばすなよ、皿を割るなよ』と口うるさく言われることと変わらないのではないか」
「そうかな。仮にそうだとしても、聞き流せばいいだけ」
暴論すぎる。
「言われた本人が、ああいう言い方はやめてほしいと言っているのに対し、聞き流せばいいと返すの?」
「汚してほしくないと思ったから言っただけで、悪いことは言ってないし」
「こういう言い方は嫌だよと言われたら、『わかった』だけで良くないか? 仮に承服しかねても、相手が嫌な気分になった事実だけは受け止めるなりしないと、今のあなたは聞く耳持たずでまったく会話になってないよ」
「はいはい、じゃああなたにはああいう言い方しないように気を付ければいいんでしょ」
こんな具合だった。
朝からこんなことがあり、今でも私は今朝の出来事を思い返したりしているが、思えば私の幼い頃から母はこういった教育の仕方だったように思う。
子供が、何をする前に、「するかもしれない悪事の可能性」を全て述べて、してはいけないと諭す方法だ。
その結果何が生まれたかというと、著しく積極性を欠き、拭っても拭いきれないほどの劣等感を抱いた下の兄弟だ。この2つは、程度が下の子の比ではないにしろ私にも要素はあるかもしれない。
母は、事前に「ああはしないで、こうはしちゃだめだから」と伝えておくことで、万が一子供達が粗相をしでかしたときに「だから言ったじゃない、ちゃんと言っておいたのに」という怒り方をする。
子を持たない私でも、こういった叱り方はあまりよくないものだとわかる。
この叱り方は、子供を臆病にさせる。
なぜなら、事前にあたかも私たち子供が悪事を働くことを前提にしたかのような言われ方をすると、「私は、母にそんな懸念を抱かせるような子供なのだな」という意識が知らず識らずのうちに根付いていく。
今でこそ、今朝のようなやり取りをしても(私ももういい大人なので)思考は母のやり方への疑問にとどまるが、これが仮に上司から放たれた言葉だったならどうだろう。新入社員時代に上司からこういったやり方をされたなら、たちまち自信喪失して言われたことしかできない役立たずになっていた自信がある。少なくとも私は。
母が私たち子供に与えた影響は、主には下の子に、良くない形で現れてしまった。
下の子は自分に自信がなく、誰かの指示を待ち、自分からは動けない子になってしまった。数年前までは、明確な指示が出るまでは動かずとも(怒られていないのだから)何も問題ないとさえ思っている様子だった。良いことも悪いこともまったくせず、動かないことこそが安全だと思っているというか。その思考回路は、「だって何も言われていないし、私なんかが勝手に動いたら迷惑をかけたり、何を偉そうにとか思われるかもしれないから」らしい。深刻だ。
一方、私の方はというと、下の子ほど臆病にはならなかったものの、仕事などの面では結構なせっかちにはなってしまった。「◯◯なんて失敗はしないでね(後が面倒だから)、△△だけはやらないで(後が面倒だから)」と言われたくないばっかりに、学生時代の部活や就職してからも、一刻も早く上の人や周りの求めていることを察して動き出さないとと常に急いでいた記憶ばかりだ。言われたくないなら言われるより前に成功させてしまえばいいの思考だったのだろう。少しでも失敗する可能性や、わからない部分がある場合は、事前牽制をされるよりも前に積極的に上の人に聞きに行った。少しでも母のやり方に重なるような言い方(こちらが失敗をするかもしれないと思われているのかもと感じてしまうような言い方)をされるのが苦手だったから、注意はなるべくされるよりも前にこちらから確認しにいくようにしていた。
本当に、
「◯◯しないでね、△△は勘弁してよ」という牽制が、心底苦手だ。
注意事項を盛り込んだ事前説明などはまったく問題ない。あれは、「あなたが失敗すると決めつけているわけではないけれど、以前にこういう事例があったので注意を払って進めていこうね」という教えだ。
母のやり方には、「あなたが失敗すると決めつけているわけではないけれど」という前提が大きく欠けているのだ。
洗面台を綺麗にしてから出かけて欲しいのなら、そう言えばいい。
「(まだ使ってる最中から)汚さないで、片さないまま出かけないで」より、「洗面台を綺麗な状態で保ちたい」と言われる方がどんなに良いか。
もしかしたら、母は私が指摘した『前提』の部分は、自分では言った気になってるのかもしれない。
いや、言ってないからな。
今日初めて聞く言い方なら気に障ることもなかったのだろうが、昔の諸々を一気に思い出してしまった。
幼い子がこれをやられると、「そんなに悪い子だと思われてるのか」という自信喪失にしか繋がらない。
こういう教育をしている人は、言い方一つ変えるだけなので、是非気をつけてほしい。下手をすると、私の下の兄弟のように、就活どころか学生バイトですら苦労する子になる可能性がある。
私の住むアパートは灯油ストーブが使えないのでエアコンに頼るしかないのだが、昨夜の冷え込みには力不足だったようで、私は寝酒をサッとかっ食らってとっとと寝てしまうことにした。
だけど、いつもより一時間も早く布団にくるまったからといってすぐに寝つけるもんでもない。
寝よう寝ようと念じながらとりとめのない思考を巡らせてるうちに、ふと昔のことを思いだした。
言うまでもなく長野は東京よりずっとたくさんの雪が降る。そして寒い。
家族が起きているうちはストーブを炊いているからいいのだけど、火の気がなくなると途端に冷気が忍び込んでくる。
夜も更け家の中がすっかり冷え切ったころ、私の部屋のふすまがガタガタとやかましい音を立てながらスッと10センチばかし開く。
そして空いた隙間からのそのそ入り込んでくるのは2匹の猫だった。
2匹とも団子みたくまんまるに太っていた。
やつらはベッド前までやってくると、「へへっ、温かいところをみつけたニャ」とばかりに私の上に飛び乗る。
足をジタバタさせてもちっともどいてくれる気配はない。
私は仕方なくやつらの重みから逃げるようにして布団の中で体育座りみたく脚を畳むしかなった。
おかげで大人になってからも脚を畳んで寝る癖がすっかり身体に染み付いてしまった。
私の背があまり伸びなかったのは寝姿に原因があったような気がしないでもない。
あのころからずいぶんと時が経ち、すっかり大人になった私は布団の中で脚を伸ばしてみる。
お邪魔なやつらはもういない。
だけど、どうにもしっくりこなくて、私は結局いつものように脚を畳んで眠りに落ちるのを待つのだった。
そんな、東京に雪が降った日のこと。
コロプラが任天堂の特許を侵害したことに気が付かずにバーチャルジョイスティックをブランド化してカプコンなどゲーム会社相手にライセンス商売しようとしていたところで任天堂に訴訟されてネットを大いににぎわせているが、ここでもう一つ「コロプラがVRの特許ゴロ行為をしている」という噂が流れてきた。
増田はツイッターのツイートから5chのスレにたどり着き、情報を集めると「コロプラがVRの特許をすでに120件申請している」というのが噂の原因のようだ。どうやら「en-courage」という求人サイト(自称キャリア支援団体)のコロプラのページに掲載されている情報らしい。
https://en-courage.com/2019/company/ae7765fe247a897d948bd60118461f5bcff729c207f021ddd556de17cf249b65
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2015年:VR専門TV局「株式会社360channel」設立
2016年:世界最大級(1億USドル)のVR専門ファンド設立
2016年:Oculus Riftローンチタイトル世界最多リリース
2017年:「TITAN SLAYER」VRゲーム売上世界一
※なおこれまでに取得したVR関連特許数は120を超える
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以上の年表がコロプラの実績らしいが、VR業界有数のVRハードウェア「Oculus Rift」の発売日時点でリリースしたタイトル数がコロプラが世界最多といっても2本同時という意味だし、TITAN SLATERがVRゲーム売り上げ世界一といってもPCゲーム売り上げ統計サイト「Steamspy」を参照してもせいぜい3700本(Steamspyは1万本以下の売り上げのタイトルの正確さは保証外)でOculus StoreやViveportなど他プラットフォームを考慮しても5000本だし、この時点でいろいろと盛り過ぎである。ちなみにHTC社のファンドも1億ドル(を複数回)の規模なので、コロプラも結構お金に余裕あるんですね。
http://colopl.co.jp/products/vr/(コロプラのVRタイトル)
http://www.moguravr.com/colopl-oculus-touch-vr/(Oculus Riftのロンチ時点のコロプラのリリースタイトル)
http://steamspy.com/app/528260(TITAN SLAYERの売り上げ)
コロプラはVRで既に120件の特許を申請したとのことだが、はてブのホットエントリにもランクインした記事「任天堂に訴えられたコロプラが妙に強気な「真意」を分析してみた(パテントマスター・宮寺達也のブログ:https://tmiyadera.com/blog/1326.html)」によると「実はコロプラはベンチャー企業としては異例な程に特許に熱心な会社である。2013年に佐竹さんという弁理士の方が入社されており、非常に特許出願を推進している。特許の数は2013年・0件、2014年・3件、2015年・6件であったが、2016年・78件、2017年・124件とここ2年で飛躍的に伸ばしている。任天堂の2017年の特許件数が137件なので匹敵する勢いである。」とのことであり、120件という数の特許の申請はかなり多いことがわかる。
また、自称:イノベーション企業のフィラメントに掲載されている前述のコロプラの佐竹氏へのインタビュー記事『「特許」と「オープンイノベーション」のオイシイ関係!? コロプラ弁理士が解説(http://thefilament.jp/dialog/1129/)』によると
佐竹 ここ数年、どんどん特許を取っています。中でも、VRの分野での取得が多いですね。VRはここ数年、一気に盛り上がってきた感じがしますね。でも技術自体は何十年も前からあるんですよ。ここへきてやっと盛り上がってきたのは、グラフィックの描画レートが上がったために、ようやく見るに耐えるものになった。昔はマシンパワーが足りなくて、VRゲームなんてものは作れなかった。工場の危険な設備点検のシミュレーションをするためなどに実用化されていましたが、ゲームとなると、描画速度が必要だったし、操作の要素も必要になってくる。
そういうところが特許の狙い目なんです。「ちょっと前まで技術開発がされていなかった理由」が分かれば、チャンスです。ゲームでいう描画速度みたいな音声コントロールも、ここ数年のことです。Siriなんかは先行してあったけれど、簡単なことしかできなかった。あれがようやく進化してきたということは、色々特許を伴った新技術があるはずなんですよ。音声認識があることを前提にしたサービスってまだあまりありません。そこに可能性があるわけですね。
とのことなので、コロプラの佐竹氏は「VRの特許をたくさん取得している」ことを自覚していて、引用外のインタビュー内の記述によると「宝の山」だと認識しているので、「VRの特許を積極的に取得しているんだなあ」ということがわかる。
前置きが長くなってしまったが、それではコロプラのVR特許をいくつかピックアップしてざっくりと見てみよう。
ちなみに増田はVR開発者気取りのワナビーですが人並み以上のVRの知識は有しているという自己認識です。間違っている箇所があればはてブやトラバで指摘お願いします。
前提条件として:VR知識がなくともある程度コンピュータ・ゲームへの理解や経験があれば言いたいことがわかる内容だと思うし、経験がなくともわかるように努力します。解決手段は読まなくともよいです。特許は番号が違っても内容が複数かぶるものがありますね。特許って分割できることを今回初めて知った。
【公開番号】特開2018-7227(P2018-7227A)、特開2018-7175(P2018-7175A)
【要約】 (修正有)
【課題】仮想空間へのユーザの没入感を損なわずに、仮想空間に没入するユーザに不意打ちを与える状況を防ぐことが可能な情報処理方法を提供する。
【解決手段】情報処理方法は、仮想カメラ300と、集音オブジェクト400と、音源オブジェクト500とを含む仮想空間を規定する仮想空間データを生成するステップと、集音オブジェクト400と音源オブジェクト500との間の相対位置関係に基づいて、音声データを加工するステップと、加工された音声データに基づいて、ヘッドフォンに音声を出力させるステップと、仮想カメラ300がヘッドマウントディスプレイの動きに連動せずに移動したかどうかを判定するステップと、仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の距離Dを特定するステップと、移動した仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の距離Dを徐々に縮めるように、集音オブジェクト400を移動させるステップと、を含む。
・例えるならホラーゲームなどでプレイヤーと怪物の距離や視界の向きに応じて警戒音の大きさを調整する特許でしょうかね?怪物とプレイヤーの距離が縮まるほど緊張感のある曲の音量が大きくなってプレイヤーの緊張感を駆り立てるとか。
【公開番号】特開2018-5610(P2018-5610A)、特開2018-5609(P2018-5609A)
【公開番号】特開2018-987(P2018-987A)
【要約】 (修正有)
【課題】直感的に視点を切り替えることができる表示制御方法を提供する。
【解決手段】ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を備えたシステムにおける表示制御方法であって、当該方法は、左眼用仮想カメラ300Lと右眼用仮想カメラ300Rとを含む仮想カメラを含んだ仮想空間を定義する仮想空間データを生成するステップと、仮想カメラの視野および仮想空間データに基づいてHMDに視野画像を表示させるステップと、所定の条件を満たす場合に、左眼用仮想カメラ300Lと右眼用仮想カメラ300Rとの間の距離を変動させることで仮想カメラによって描画される仮想空間の範囲Rを変化させるステップと、左眼用仮想カメラ300Lによって取得される左眼用視野画像と、右眼用仮想カメラ300Rによって取得される右眼用視野画像とをHMDに出力するステップと、を含む。
・プレイヤーが椅子に座った状態の頭の高さを基準として、プレイヤーが立つと視界のスケールが広くなって物体が小さく見えるようになり、プレイヤーがしゃがむと視界のスケールが狭くなって物体が大きく見えるようになる。また、移動距離のスケールも比例する。子供は視野が狭い(目と目の距離が狭い)から物体が大きく見えて、大人は視野が広い(目と目の距離が広い)から物体が小さく見えるというアレですかね。後者は大人と子供の歩幅の違いかな。視野のスケールをプレイヤーの頭の高さで変更させるVRの仕様は初めて見た。
【公開番号】特開2017-228322(P2017-228322A)
【要約】
【解決手段】回転モードにおいて、制御回路部は、ユーザの操作に基づき少なくとも回転方向を特定すると共に、ユーザの操作が検出され続ける間、仮想カメラ(1)または仮想空間(2)を回転させ続けながら、HMD110に視界画像26を更新させる。
・頭の左右旋回もしくはコントローラの入力でカメラもしくは空間を回転させる以上の内容には見えないんだけど、だれか詳しい人いたら教えてください。
【公開番号】特開2017-220224(P2017-220224A)、特開2017-220162(P2017-220162A)
【要約】
【課題】仮想現実の提供の際に映像酔い(VR酔い)が低減される技術を提供する。
【解決手段】仮想現実を提供するコンピュータのプロセッサが実行する処理は、メモリにおいて仮想空間を定義するステップ(S1010)と、HMD装置を装着したユーザが傾いている方向を検出するステップ(S1020)と、ユーザの傾いている方向に基づいて、仮想空間における仮想ユーザの移動方向を決定するステップ(S1030)と、仮想空間における仮想ユーザの視界が移動方向に移動するように、HMD装置に視界画像を表示させるための視界画像データを生成し、生成した視界画像データに基づいて視界画像をモニタに表示させるステップ(S1040)とを含む。
・底が丸い(鍋のような)板のコントローラの上に座るまたは足を乗せることでユーザーの傾きを検出し、仮想空間内でのプレイヤーの移動方法を決定する仕様のようですが、イメージ画像の図11と図12がどう見てもフランスの3DRudder社が開発した3DRudderそのものにしか見えません。日本国内への輸入はアスクが担当しています。(https://www.ask-corp.jp/products/3drudder/controller/3drudder.html)コロプラくんは一体何のつもりで特許を申請したのでしょうか。ASKに代わって自分が3DRudderを代理販売する予定なのか、はたまた自分でハードウェアを作る予定なのか、それとも…?
【公開番号】特開2017-220219(P2017-220219A)、特開2017-220164(P2017-220164A)
【要約】
【課題】仮想現実の提供の際に映像酔い(VR酔い)が低減される技術を提供する。
【解決手段】仮想現実を提供するコンピュータのプロセッサが実行する処理は、メモリにおいて仮想空間を定義するステップ(S1010)と、HMD装置を装着したユーザの動作を検出するステップ(S1020)と、ユーザの動作に基づいて、仮想空間を飛翔する物体の飛翔方向を決定するステップ(S1030)と、仮想空間におけるユーザの視界が飛翔方向に移動するように、HMD装置に視界画像を表示させるための視界画像データを生成し、生成した視界画像データに基づいて視界画像をモニタに表示させるステップ(1040)と、物体が仮想空間の対象物に到達した場合に(ステップS1050にてYES)、仮想ユーザの位置を対象物まで高速に移動させるステップ(S1060)とを含む。
・プレイヤーの頭の向きやモーションコントローラ(WiiリモコンやPSMoveのようなもの)でプレイヤーのワープ位置を決める特許です。VRでは酔い対策のために今だに決め手となる移動方法が確率されておらず、現在最も効果的だとされている移動方法の一つがワープ移動です。プレイヤーのコントローラでワープ移動したい位置を指定して、ポインティングした箇所に一瞬でワープ移動するというもので、米Epic Games社が米VRハードウェアメーカーOculusの支援のもとで2015年に公開したVRデモ「Bullet Train」が最も有名な例とされています。ほとんどのVRがあまり動き回らない前提のものかワープ移動かの2択という状況で、コロプラがワープ移動を特許に申請したということは…?
【公開番号】特開2017-211912(P2017-211912A)
【要約】
【課題】仮想空間における非制作領域の視認を制限可能な表示制御方法を提供する。
【解決手段】ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を備えたシステムにおける表示制御方法であって、当該方法は、仮想カメラ300と非制作領域NRを有する少なくとも一つの対象物Wとを含む仮想空間を示す仮想空間データを生成するステップと、仮想カメラ300の視野および仮想空間データに基づいて、HMDに視野画像を表示させるステップと、HMDの移動量に応じて仮想カメラ300を移動させるステップと、HMDの移動量に基づいて仮想カメラ300と対象物Wとの間の距離を特定するステップと、当該距離が所定の閾値L1以下であると判定された場合には、当該距離が所定の下限値L2を下回らないように、仮想カメラ300の位置を制御するステップと、を含む。
・プレイヤーの視界を目標地点にまで等速直線運動で移動させる特許のようです。目標地点まである程度の距離に達すると移動速度が下がり、目標地点に到着すると止まります。VRはプレイヤーの視点となるカメラをアプリ側で動かすことはご法度とされていて、どうしても動かす場合は加速度運動は絶対に避けて等速直線運動のみで移動するのが一般的です。これはそれを特許として申請したもののようですね。
【公開番号】特開2017-208809(P2017-208809A)
【要約】
【課題】ヘッドマウントディスプレイにて動画コンテンツを再生する際に広告等の他のコンテンツを表示しても、ユーザの没入感に与える影響が少ない方法を提供する。
【解決手段】仮想空間に適合させて再生するための動画コンテンツの初期方向を特定するステップと、初期方向の水平方向における向きとHMDのロール方向の水平方向における向きとが一致するように仮想空間に前記動画コンテンツを適合させて再生するステップと、初期方向の後方側に、第1のサブコンテンツを表示するステップと、HMDの向きおよび傾きのうち少なくとも一方に応じて視野を更新するステップと、を含む。
・VR空間内でユーザーに違和感のないように広告動画を出す特許のようです。ユーザーの視線が広告にどれだけの時間向いていたかを計測するそうです。VR内の広告はGoogleやFacebookなんかが研究してそうな感じですが日本国内ではVR広告の話はあまり聞きませんね。
(追記)トラバの罵り合いは増田とは全く関係ない第三者同士の罵り合いです。
【公開番号】特開2017-208676(P2017-208676A)、特開2017-208808(P2017-208808A)
【発明の名称】仮想空間を提供する方法、プログラム及び記録媒体
【課題】ヘッドマウントディスプレイにて動画コンテンツを再生する際に、広告等の他のコンテンツを表示する方法を提供する。
【解決手段】仮想空間を定義するステップと、仮想空間において再生される動画コンテンツと、動画コンテンツの表示域の一部に表示されるサブコンテンツとを合成して合成コンテンツを生成するステップと、合成コンテンツを仮想空間に適合させるステップと、ユーザの視線を特定するステップと、視線に基づいて、視界領域を特定するステップと、合成コンテンツのうち、視界領域に相当する視界画像を生成し、HMDに出力するステップと、を含む。
・図11より、VR空間内の動画と広告を合成する技術の特許かつユーザーの視線の統計を取得する特許
【公開番号】特開2017-207898(P2017-207898A)
私は変わった人間と言われる。しかし人間なんて無くて七癖、どいつも変わったところの一つや二つはあって当たり前だ。みんな違ってみんないい。だから胸を張って言おう。私の他人と違っている点は、「スイッチ」を持っているということだ。ニンテンドースイッチではない。心のスイッチのことである。
「さあさあやるぞやるぞさあやるぞ!よしきたよしきたさあやるぞうおおおおおおおおおお!!!!」みたいな状態に心を持っていかないと、ついつい何でも後回しにしてしまう。今年から社会人になって働き始めて特にその傾向は顕著で、業務時間外での自分の日常は自堕落そのものとなっていた。仕事帰りの電車でBluetoothヘッドホンをつければ、だらけスイッチオン。掃除洗濯家事全般もうなーんにもする気がなくなる。昨日まで、三畳半の部屋は散らかり放題で、全てのものに定位置はなく、その真ん中に万年床だけが自分の居場所をどっかりと主張していた。しかし今、私は長い長い年末休みを頂き(邪推は無用。そういう業界なのだ。)、ついぞスイッチを入れ直す時が来た。この為に整理整頓術をググっておいた。それによれば、まず使用頻度の高いものと低いものに分類し、使用頻度の高いものを取り出しやすい位置に置いてから、使用目的別に分類するのが整理整頓の王道だという。ヘッドホンのスイッチを入れ、万年床をベランダに干してスペースを確保、その後は無心でひたすら、然るべきものを然るべき場所に移動していく。クローゼットに納まるもの、ハンガーラックに掛かるもの、ゴミ袋に詰められるもの、場所の貴賎ほどあれ、ものたちはそれぞれの居場所を見つけたようだ。最後に万年床が再び定位置に戻ったのは日が暮れた後だった。
部屋の整理整頓は終わった。今度は心の整理整頓が必要だ。せっかく長い休みをもらったのに、年始の予定がほとんど決まっていない。休みに入る前は漠然と、青春18きっぷでずっと電車に乗って、英語の勉強しながら旅気分も味わって過ごそうかと考えていたが、きっぷはまだ買っていない。年始の予定だけではない。自分がこれからどう働きたいのか、どんな人間になっていきたいのか、一度立ち止まって考えてみたい。
どんな人間になりたいのか。20年以上生きてきて、未だ答えを出せたことはないが、ただ一点、両親のような人間になりたくはないとだけは言える。両親は警察24時のような番組を好んで見る。警察に捕まり、取り乱して発狂する犯人を見て、「異常者だね」と呟く。私はそんな、異常か普通かという単純な物差しで人を測ろうとする人間になりたくなくて、世界を知りたくて、自分の知らない世界が世の中にいくらでもあることを知りたくて、英語を勉強したくて、TOEFLの対策予備校に通っていたのだった。9月末から2ヶ月間、一応、用意されていたカリキュラムが終了するまで通い続けたことになる。10人ほどのクラスの中で、先生の評価は2-3番目であったし、自分で言うのも何だが、まあまあやれていた。しかし、カリキュラムが終わってからの自己学習が思うように進んでいない。12月はちょっと高圧的な上司と一緒に働いていて、MPがガリガリと削られていたし、忘年会続きだし、準備は全て下っ端である私の仕事であったし、MPがガリガリと削られていた。そんなことを言い訳にしてしまう自分が恥ずかしい。
考えてみれば、今まで上に書いてきた文章は全て言い訳に満ちている。言い訳は必要ない。「やろう」と思ったことをしっかりやる。それを続けていれば、新しい世界を知り続けることができるだろう。いや、そこまではできないかもしれないが、少なくとも、自分の知らないところにも世界がある、と思い続けていられる。
松岡茉優が好きで、初主演映画「勝手にふるえてろ」を拝見する機会があった。主人公のヨシカは本当に言い訳ばかりで、「スイッチ」を持っている人だから、自分に重ねてしまうところがある。でもそんなヨシカも電気ストーブで家が燃えかけたのをきっかけに、「人間いつ死ぬかわからないから、自分のやりたいことをやってから死のう」という発想に至り、自ら作り上げた言い訳でできた世界を行動によって塗り替えて行く。
そんなことをこの文章を書きながら思い出していた。何が言いたいかというと、自分のような人間は映画「勝手にふるえてろ」から全てを学ぶことができるし、松岡茉優は最高だということだ。