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はてなキーワード: ろうそくとは

2021-08-12

anond:20210812001054

うまく説明といわれましても。発火点ってそれ純粋物質での比較の話だからさ。

ナチスがやったアレは人間とか石炭という火元があるからね。

ろうそく考えてね。芯がないと点火できないでしょ? 

旅館鍋料理固形燃料も燃料よりさら燃えやすい着火フィルムにつつまれてるでしょ?

生肉ってもともと燃えいか石炭灯油かけて着火剤にする。

火葬場ってのも結構燃料つかってるよね。二次大戦末期では燃料を航空用に供出していて火葬場が渋滞してたって話もあるね。

からナチスだろうが着火剤はつかう。

人をもやすと炭になって「ろうそくの芯」になる。あるいは髪の毛や着衣のままだともっと簡単だね。油をしみこませたら着火剤になる。

燃え始めればはしから炭が生成するんだからどんどん燃え進むだろうね。焼き肉やでは端っこに火がついた肉はあわてて消すけどけさなかったら消し炭だってつくれるし。

その炭ももっと早く燃やし尽くしたいので水分の多い内臓とかで火が弱まったらそこに廃脂肪(食ったり石けんとかくさくてできないし)を再利用する。おわり。

話はかわるけど「184度で発火する」ってマジ?ww

そんなこといってたら天ぷら屋さん全員命がけじゃんwっw

エビは190度、野菜は170度だぞwっっwhttps://cookpad.com/cooking_basics/8058

男ってほんとバカだなー

生活してないで机上の空論戦争ごっこ大好きw

親にキャンプにつれていかれないと料理もしないのか

anond:20210811090042

「紙は燃えるけどプラスチックとか金属とかは溶ける」←細かくして空気送り込めば燃える

プラスチック砂糖は紙と同じ有機物だけど火がつくイメージがない」←紙のほうが細かくなってて空気酸素との混合が進んでいるからね。紙の原料の材木はそれほど燃えやすくない。

「加熱して溶けるもの燃えるものの違いをグーグル先生に訊いても発火点が云々と言うだけ」たいてい溶けたあと蒸発して空気とよく混ざることで燃えるようになる。形をこまかくして空気とよくまぜれば粉砂糖でもろうそくの芯にしみこんだパラフィン(天然プラスチックのようなもの)でもすぐ燃える

「なので、結晶構造とか酸化反応とかが関係ないのであれば」なくはない。酸化反応は燃焼そのものだな。

「鉄もどろどろに溶けてもなお加熱し続ければ火がつくのだろうか?」それだけではだめで酸素を大量におくりこまないといけない。表面だけ燃えたのが「錆」だ。溶鉱炉では酸素を送り込むが、先にコークス石炭)と酸素が反応して消費されるので、もし溶鉱炉の中の空気人間が(冷まして)すっても酸素がなくなっているので窒息する。

「炎は光エネルギーであって物質でないということは最近やっと頷けるようになった」そりゃよかった

ざっくりだぞ、ざっくり温度説明する

100度 水が沸騰

180度 天ぷらが揚がる、プラスチックが種類によっては溶ける

300度 細かくしたサラダ油砂糖燃え出す、たいていのプラスチックが溶けて空気送り込めば燃える、たいていの金属は平気

1000度 金属溶ける、細かくした金属酸化=燃焼が始まる

 

ガソリンは零下でも空気すこし送り込んでプラグで火をつければ爆発的に燃える。なので南極でも自動車が走れるので燃料に使われる。

逆にそれほど燃えやすものこそが燃料である

2021-08-10

anond:20210809210539

引火点250℃は引火性液体のうちの指定可燃物の下限で危険物との境やね

250℃で引火するような製品環境次第で危険物になるからよう売らへんわ

から一般的食用油もっと引火点が高くて300℃以上にならんと引火はほとんどせーへんよ

 

全然知識もない素人考えなんやけど頭の体操適当に書いてみるわ

床に撒いた食用油ライターで引火させられへんのは

加熱対象が油だけではすまへんから

油と床と周囲の空気がすべて引火点を超えな引火はせえへん

床が冷えとったら熱した端から冷えるわな

夏やし空いとる電車なら冷房で床も空気も冷え冷えやろ

さらにはライターの炎の最高温度となる先端部分が床面の油に接触せえへんから

加熱温度はせいぜい600℃かそこらになるしもっと歩合が悪いわ

油と周辺が300℃超える前にガス欠か熱くて持ってられんようになるわな

現実問題、床に撒いた食用油ライターで燃やすのは無理やわ

ガストーチならできるかもしらんね

 

揚げ物で火災になるんは引火点とは別に発火点があるからやな

うろおぼえやけど380℃くらいやったか

燃焼は可燃物が酸素と結合する現象

発火点を超えると油と酸素が結びつきやすくなって火元が無くても燃えだすんや

これが増田のいう活性化エネルギーの話につながるんやな

しらんけど

 

ろうそくは芯材に主に使われる木綿の特性があって

木綿は熱に強いんやけど油を吸うと発火点が120℃くらいまで下がるんや

ここまで低くなると時間はかかるがドライヤーの熱風でも発火させられるんよ

から火を近づけたらすぐ燃え

もうちょいこまかいこというと油がなくとも芯の先をほぐすと体積がものすごー小さいから瞬時に引火点まで達するんよ

油が染みとったら油の体積も小さくなっとるからおんなじことが起きるんやね

さらに束ねられた繊維は毛細管現象で油を吸い上げるから燃える端から油が吸い上げられて

炎に熱されて気化して燃えてを繰り返すから油がある限り芯は燃え切らずに油だけが燃え続けるんよ

同じことが起きればええから束ねた針金とか折り方工夫したアルミホイルでも芯の代わりにはなるんよ

キャンプ災害の時に役立つから覚えとき

anond:20210810111335

ワイは子供のころサラダ油で提灯つくったりして遊んでたんやが、ろうそくの芯みたいに細長く加熱しやすくしたものでも着火するまでにちょっとかかることを考えると、服みたいに厚みがあって熱が逃げるだけの大きさがあるものに火をつけるのは衣服を着てる人の協力が必要

2021-08-09

サラダ油は引火しない

というお話。ここ数日Twitter上で話題になっているが、旧帝国大学化学を専攻している私にとっても言われてみれば…という話だった。

私はサラダ油ライターで火をつけられない理由化学的な観点からいくらでも説明できるが、犯人を「化学知識のない馬鹿」と批判する人は以下の問いに答えられるか試してみてほしい。



これらに加え、化学以外の内容を含む問いではあるが



これらを説明できて初めて化学知識がないと煽る資格があると思う。

答えはここには書かないが、「活性化エネルギー」という言葉を使っていればこれらの現象化学的に理解できている可能性が高い。

個人的に「料理していたらサラダ油に火はつかないし、天ぷら油は放置しておいても揮発しない」という指摘は化学からはズレる気がする。

なお、危険物取扱者乙四の内容が"化学一般常識"であるというなら反論余地はない。

anond:20210809123513

植物性サラダ油ろうそく的に芯に着火して使うにはコスパいいけど、炎上させるのは難しいな。

液温が高まると可燃性のガスがでて火が付くと手が付けられない燃料として重油があげられるが。

乙4保持者より。素直にガソリン選ぶところを選ばなかったのは金がなかったのかしら。

anond:20210809124500

しかもそれうまく行ってもろうそくみたいに芯のとこが燃えるだけやからなw

2021-06-26

干された洗濯物を見ているのが好きな話

俺の暮らしている家には洗濯機がないので、浴槽を選択用の桶に転用して、休日になるとぬるま湯を張って布類と洗剤をぶっこんでいる。当然、脱水も手作業だ。何が言いたいかというと、洗濯のものは俺にとって苦行でしかなく、バスタオルシーツ類を手絞りでギリギリやりながら風呂場で荒い息を吐いていると、俺は何をやってるんだろう、という気になる。指の皮とかがよく剥ける。

一方で、干し終わったあとの洗濯物を眺めること、これは好き。大好きと言っていい。

理由はまったくわからないんだけども、竿に吊るされたシーツとかハンガーに下がった大小の衣類が風に揺られているのを見ていると、ものすごく満ち足りた気持ちになる。洗濯物のそれぞれによっても風を受けたときの反応が違っていて、ハンカチだとか靴下なんかはささいなそよ風でも大きくひるがえるし、バスタオルなんかはかなりどっしりしていて、ちょっとやそっとの風では動かなかったりする(何しろ手で絞っているので水が抜けきっていないだけの可能性もあるが)。

洗濯物が干されている光景というものの何がそんなにいいのか、あらためて考えてみると、例えば自然界にf分の1ゆらぎという概念があって、あるいはそれに近いんじゃねえか、と思ったりする。

wikipediaでの説明は正直ちんぷんかんぷんだが(https://ja.wikipedia.org/wiki/1/f%E3%82%86%E3%82%89%E3%81%8E)、一般的には「規則性と不規則性とが適度に混成された現象」と説明されることが多い。視覚における例ではろうそくのゆらめき、聴覚ではさざなみ等が例に挙がる。

言ったもん勝ちじゃねえの? という気もするが、実際、俺は火を見ているのも(焚き火のASMRとかあるのだ)波音を聴いているのも好きなので、洗濯物もあるいはそういう類かもしれないと思う。

風という、本来は不可視のものが、それを受ける対象によって見えるようになっている、とかそういうことだ。まあそれらしい説明はなんとでもつく。

ただ、もう一つの理由としてさら漠然と感じるものがあって、俺は洗濯物ってなんだか人に似ているな、と思うんだよな。

風にいくつもの洗濯物が揺れているのをぼんやり見ていると、頭に浮かぶ表現が、「幸せそう」というものだ。洗濯物を見ていると幸せそうだと思ってしまう。

何かの小説歌詞でそういう言い回しに触れたのかもしれないが、ググってみても見つからなかった。

洗濯物の大きさによって風にあおられたときの反応は違うが、強く吹かれた際は、みんな同じでばたばたはためく。それは家族って感じの一つの集合に見えなくもないし、はしゃいで遊んでるみたいだな、とも思う。

俺は脱水作業のあとで疲労しているところで、もしかすると、これを1万倍ぐらい強めると、子供のいる親が車で行楽地にお子さん連れていって、到着した先で娘や息子が駆け回ってるの見るときとか、しんどさも誇らしさも近いのかもしれねえな、と考えるが、子育てをナメるなよ、と言われたらぐうの音も出ないので、まあ洗濯物ってなんか家族っぽいよな、ってぐらいに留めておく。これなら主観なので言い訳も立つ。

ちなみに、はじめてお子さんが生まれから最初乳児衣類の洗濯を、「世界一幸せ洗濯」と呼ぶそうだ。「洗濯幸せそう」で検索たらこればかり出てきた。俺には嫁も子供もいないし、干してあるのはおっさん肌着であって、浴槽に漬けると台風の後の川みたいな泥水が出てくる。

2021-06-10

sky 星を紡ぐこども達の愚痴

このゲーム基本的無料なのだ

なにせ重いし、バグが多い

致命的すぎる友達と移動して遊ぶゲームなのにエリア移動したら逸れるところからゲーム範囲外の世界に行けたりと

なにせバグが多い

イベントが追加されるたびに バグが増えている

そんな中プレーヤに不満が残るのも仕方ないのだが

やばいなーって案件が先日やっと解消された

課金プレイヤーしか入れない秘密場所があるのだけれど

そこにデバックで入れる方法があったので 自警団 ができてしまって一種紛争だった

デバックで入れる方法に 普段機械的に反応していた運営が 対応して解答し それをユーザーが公開した

それが引き金だったようで((正義はなんでもしていい派が過激な行動に出た))

(ここで知ってほしいのだが、運営公式で発表する以外の回答を個人勝手晒す行為運営に非常に迷惑なので控えようね)

デバックはつい最近解消された ヨカッタネ 問題いっぱい起きて辛かったけど

私は静観していたのでいいのだが この秘密エリア存在 とってもイヤらしいのだ

ゲーム性にあってなさすぎるといっても過言ではない

1、秘密エリアは 購入者に入れてもらってから買うアイテムしか入れない

これの何が問題って 購入者が上の立場になるってことで こっちは金払って買ったんだからろうそくを出すのは当たり前でしょ

などの問題が起きるのである

これ、ゲーム性に当ってなさすぎる 本来階級ができないように作ったコンセプトらしいが階級ができてるのである

から自警団もできたんだろうなって思った

秘密エリアゲーム世界から逸脱しているから という理由で入らないと買えないらしい が・・・・・

2、限定アイテムが 秘密エリア限定販売

ハロウィンアイテム まさにこれだった わざわざ限定アイテム秘密エリア限定販売

秘密エリアに入れるアイテムは 普段ゲームアイテムのただの色違いで いつかどこかで手に入るんだろうな ぐらいには思う が

ハロウィンアイテムはどうみても どこで買ったんですか状態

短期限定アイテムを 特定購入者しか買わせないシステム  商売として下手くそしか思えない

なぜこのアイテム普通に買わせてあげないのだろう 

別段世界観を壊しているわけではない というより普段エリア内で自由に着れるなら世界観壊すもクソもないのである

まぁこれはただの愚痴なのだが 同じ値段で他ゲームでは買ってもらうために豪華な作りになっているのだが・・・このアイテム素人の私でも作れそうな出来栄えなのだ  正直 購入意欲 でなかった )

1200円でシーズンイベントアイテムが頑張れば10個ぐらいもらえるのだけど

3600円でアイテム2個 

秘密エリア限定販売サポーターみたいな形なので3600円で ただの色違いマントと消費アイテムでまぁまぁ・・・って思ったが

3600円で素人でも作れそうなアイテムが2個  正直いって購入意欲全くない 普段マントが黒赤になって傘みたいな形になっただけでほとんど手が加えられてないのだ

しかも、無課金でも黒色は手に入る

もうちょっと何か工夫しなかったんだろうか・・・・・・・?

まぁこんな愚痴を言ってもテメェが購入層ではないんだとかい階級がうるさいだけだけど)

まぁこんな感じで 秘密エリアによって 世界観とは真反対に ギスギスしているのだ

消費アイテム毎日ゲーム内で集められるので みんなが必死に集める

それが秘密エリアにはたくさんあるのだ

もちろん限定購入者に頼むのだけれど 頭を低くしている

そんなに入るなら買えばいいじゃないかって誰が囁くのだろうかとビクビクしているので買うしかないのだ

日中に買うと思う (こいつまた頼んでるよ) って言われながらハブられる 絶対この問題ゲーム内で起きる

これって学生時代のアレと似ている

ここ最近そんなゲームだったっけと思う・・・・・・・・・

2021-03-27

初代ゼルダの伝説は最高のゲームである

今のゲームと比べれば、グラフィックはちゃちいしクリアまでのプレイ時間の長さもそれほどではない。

が、なぜ初代ゼルダは最高と言えるのか。

マップが広く感じる。全体で言えば小さいマップだが分割マップが長い旅路を作る─

1スクロールごとに画面の端から端まで歩くために長い距離を歩いた気になる。

サウンド冒険しているという気持ちにさせる─

フィールド迷宮も主要アイテムを手に入れた時もトライフォースゲット時のサウンドも、

全てが次の冒険を期待させる。

それほど多くない楽曲ループしているだけなのに飽きない。

─単調なアクションだが難易度は高くなくプレイするには丁度いい─

昔のゲームと言えば理不尽難易度なんかが多かったが、ゼルダの伝説は子供向けで程よい難易度だった。

謎の村雨城よりかは難易度は低めと感じた。

─隠れたモノを見つける事や謎解きが面白い

爆弾ろうそくの火で岩を砕き洞穴を見つけたり、木を燃やすことで階段を見つけたりできるというシステムは探す楽しみを教えてくれた。

また謎解きも程よいヒントがあったりで解明する楽しみもあったし、ボス戦でも特定アイテム武器を使うことで倒せるといったギミック面白かった。

パスワードではなくセーブが出来たという画期的さがあった─

当時といえば、だいたいパスワードだったがディスクシステムセーブというシステムゲーム保存が楽だった。

─登場キャラは少ないのにドラマを感じた─

説明書ゲーム内の説明、主要キャラの短いセリフだけだったのに、

現代と違いムービーがなかった分、自身脳内ドラマの構築が止まらなかった。

─裏ゼルダさら冒険を誘う─

ようやくクリアたかと思ったら難易度の高い裏ゼルダが始まりさらにPLAYERたちを熱くさせた。

結構難易度が上がったので当時の少年少女たちは苦しんだ。


この他にも魅力はあるが、結局の所プレイやす難易度サウンドが全てを物語ったのだと思える。

追記:なぜか本人を無視して言及での諍いが始まっていた。なぜに罵りあっているのか分からないが、増田同士仲良くしたりできないのかなと。

ついでにブクマもそうだが、ゼルダの伝説が最高というのは個人の感想であって、そうじゃない人は多くいる。

からといって否定をするためにボロクソ言うのはおかしな話だよなと。

そこまで言う必要ないよね?というくらい徹底的に叩こうとする人がいることが信じられない。

ゼルダの伝説が最高という話で親でも殺されてしまったのだろうか?

2021-03-22

赤い部屋

異常な興奮を求めて集った、七人のしかつめらしい男が(私もその中の一人だった)態々わざわざ其為そのためにしつらえた「赤い部屋」の、緋色ひいろの天鵞絨びろうどで張った深い肘掛椅子に凭もたれ込んで、今晩の話手が何事か怪異物語を話し出すのを、今か今かと待構まちかまえていた。

 七人の真中には、これも緋色の天鵞絨で覆おおわれた一つの大きな円卓子まるテーブルの上に、古風な彫刻のある燭台しょくだいにさされた、三挺さんちょうの太い蝋燭ろうそくがユラユラと幽かすかに揺れながら燃えていた。

 部屋の四周には、窓や入口のドアさえ残さないで、天井から床まで、真紅まっかな重々しい垂絹たれぎぬが豊かな襞ひだを作って懸けられていた。ロマンチック蝋燭の光が、その静脈から流れ出したばかりの血の様にも、ドス黒い色をした垂絹の表に、我々七人の異様に大きな影法師かげぼうしを投げていた。そして、その影法師は、蝋燭の焔につれて、幾つかの巨大な昆虫でもあるかの様に、垂絹の襞の曲線の上を、伸びたり縮んだりしながら這い歩いていた。

 いつもながらその部屋は、私を、丁度とほうもなく大きな生物心臓の中に坐ってでもいる様な気持にした。私にはその心臓が、大きさに相応したのろさを以もって、ドキンドキンと脈うつ音さえ感じられる様に思えた。

 誰も物を云わなかった。私は蝋燭をすかして、向側に腰掛け人達の赤黒く見える影の多い顔を、何ということなしに見つめていた。それらの顔は、不思議にも、お能の面の様に無表情に微動さえしないかと思われた。

 やがて、今晩の話手と定められた新入会員のT氏は、腰掛けたままで、じっと蝋燭の火を見つめながら、次の様に話し始めた。私は、陰影の加減で骸骨の様に見える彼の顎が、物を云う度にガクガクと物淋しく合わさる様子を、奇怪なからくり仕掛けの生人形でも見る様な気持で眺めていた。

 私は、自分では確かに正気の積りでいますし、人も亦またその様に取扱って呉くれていますけれど、真実まったく正気なのかどうか分りません。狂人かも知れません。それ程でないとしても、何かの精神病者という様なものかも知れません。兎とに角かく、私という人間は、不思議な程この世の中がつまらないのです。生きているという事が、もうもう退屈で退屈で仕様がないのです。

 初めの間うちは、でも、人並みに色々の道楽に耽ふけった時代もありましたけれど、それが何一つ私の生れつきの退屈を慰なぐさめては呉れないで、却かえって、もうこれで世の中の面白いことというものはお仕舞なのか、なあんだつまらないという失望ばかりが残るのでした。で、段々、私は何かをやるのが臆劫おっくうになって来ました。例えば、これこれの遊びは面白い、きっとお前を有頂天にして呉れるだろうという様な話を聞かされますと、おお、そんなものがあったのか、では早速やって見ようと乗気になる代りに、まず頭の中でその面白さを色々と想像して見るのです。そして、さんざん想像を廻めぐらした結果は、いつも「なあに大したことはない」とみくびって了しまうのです。

 そんな風で、一時私は文字通り何もしないで、ただ飯を食ったり、起きたり、寝たりするばかりの日を暮していました。そして、頭の中丈だけで色々な空想を廻らしては、これもつまらない、あれも退屈だと、片端かたはしからけなしつけながら、死ぬよりも辛い、それでいて人目には此上このうえもなく安易生活を送っていました。

 これが、私がその日その日のパンに追われる様な境遇だったら、まだよかったのでしょう。仮令たとえ強いられた労働しろ兎に角何かすることがあれば幸福です。それとも又、私が飛切りの大金持ででもあったら、もっとよかったかも知れません。私はきっと、その大金の力で、歴史上の暴君達がやった様なすばらしい贅沢ぜいたくや、血腥ちなまぐさい遊戯や、その他様々の楽しみに耽ふけることが出来たでありましょうが、勿論それもかなわぬ願いだとしますと、私はもう、あのお伽噺とぎばなしにある物臭太郎の様に、一層死んで了った方がましな程、淋しくものういその日その日を、ただじっとして暮す他はないのでした。

 こんな風に申上げますと、皆さんはきっと「そうだろう、そうだろう、併し世の中の事柄に退屈し切っている点では我々だって決してお前にひけを取りはしないのだ。だからこんなクラブを作って何とかして異常な興奮を求めようとしているのではないか。お前もよくよく退屈なればこそ、今、我々の仲間へ入って来たのであろう。それはもう、お前の退屈していることは、今更ら聞かなくてもよく分っているのだ」とおっしゃるに相違ありません。ほんとうにそうです。私は何もくどくどと退屈の説明をする必要はないのでした。そして、あなた方が、そんな風に退屈がどんなものだかをよく知っていらっしゃると思えばこそ、私は今夜この席に列して、私の変てこな身の上話をお話しようと決心したのでした。

 私はこの階下のレストランへはしょっちゅう出入でいりしていまして、自然ここにいらっしゃる御主人とも御心安く、大分以前からこの「赤い部屋」の会のことを聞知っていたばかりでなく、一再いっさいならず入会することを勧められてさえいました。それにも拘かかわらず、そんな話には一も二もなく飛びつき相そうな退屈屋の私が、今日まで入会しなかったのは、私が、失礼な申分かも知れませんけれど、皆さんなどとは比べものにならぬ程退屈し切っていたからです。退屈し過ぎていたからです。

 犯罪探偵遊戯ですか、降霊術こうれいじゅつ其他そのたの心霊上の様々の実験ですか、Obscene Picture の活動写真や実演やその他のセンジュアル遊戯ですか、刑務所や、瘋癲病院や、解剖学教室などの参観ですか、まだそういうものに幾らかでも興味を持ち得うるあなた方は幸福です。私は、皆さんが死刑執行のすき見を企てていられると聞いた時でさえ、少しも驚きはしませんでした。といいますのは、私は御主からそのお話のあった頃には、もうそういうありふれた刺戟しげきには飽き飽きしていたばかりでなく、ある世にもすばらしい遊戯、といっては少し空恐しい気がしますけれど、私にとっては遊戯といってもよい一つの事柄発見して、その楽しみに夢中になっていたからです。

 その遊戯というのは、突然申上げますと、皆さんはびっくりなさるかも知れませんが……、人殺しなんです。ほんとうの殺人なんです。しかも、私はその遊戯発見してから今日までに百人に近い男や女や子供の命を、ただ退屈をまぎらす目的の為ばかりに、奪って来たのです。あなた方は、では、私が今その恐ろしい罪悪を悔悟かいごして、懺悔ざんげ話をしようとしているかと早合点なさるかも知れませんが、ところが、決してそうではないのです。私は少しも悔悟なぞしてはいません。犯した罪を恐れてもいません。それどころか、ああ何ということでしょう。私は近頃になってその人殺しという血腥い刺戟にすら、もう飽きあきして了ったのです。そして、今度は他人ではなくて自分自身を殺す様な事柄に、あの阿片アヘン喫煙に耽り始めたのです。流石さすがにこれ丈けは、そんな私にも命は惜しかったと見えまして、我慢我慢をして来たのですけれど、人殺しさえあきはてては、もう自殺でも目論もくろむ外には、刺戟の求め様がないではありませんか。私はやがて程なく、阿片の毒の為に命をとられて了うでしょう。そう思いますと、せめて筋路の通った話の出来る間に、私は誰れかに私のやって来た事を打開けて置き度いのです。それには、この「赤い部屋」の方々が一番ふさわしくはないでしょうか。

 そういう訳で、私は実は皆さんのお仲間入りがし度い為ではなくて、ただ私のこの変な身の上話を聞いて貰い度いばかりに、会員の一人に加えて頂いたのです。そして、幸いにも新入会の者は必ず最初の晩に、何か会の主旨に副そう様なお話をしなければならぬ定きめになっていましたのでこうして今晩その私の望みを果す機会をとらえることが出来た次第なのです。

 それは今からざっと三年計ばかり以前のことでした。その頃は今も申上げました様に、あらゆる刺戟に飽きはてて何の生甲斐もなく、丁度一匹の退屈という名前を持った動物ででもある様に、ノラリクラリと日を暮していたのですが、その年の春、といってもまだ寒い時分でしたから多分二月の終りか三月の始め頃だったのでしょう、ある夜、私は一つの妙な出来事にぶつかったのです。私が百人もの命をとる様になったのは、実にその晩の出来事動機を為なしたのでした。

 どこかで夜更しをした私は、もう一時頃でしたろうか。少し酔っぱらっていたと思います寒い夜なのにブラブラと俥くるまにも乗らないで家路を辿っていました。もう一つ横町を曲ると一町ばかりで私の家だという、その横町何気なくヒョイと曲りますと、出会であいがしらに一人の男が、何か狼狽している様子で慌ててこちらへやって来るのにバッタリぶつかりました。私も驚きましたが男は一層驚いたと見えて暫く黙って衝つっ立っていましたが、おぼろげな街燈の光で私の姿を認めるといきなり「この辺に医者はないか」と尋ねるではありませんか。よく訊きいて見ますと、その男自動車運転手で、今そこで一人の老人を(こんな夜中に一人でうろついていた所を見ると多分浮浪の徒だったのでしょう)轢倒ひきたおして大怪我をさせたというのです。なる程見れば、すぐ二三間向うに一台の自動車が停っていて、その側そばに人らしいものが倒れてウーウーと幽かすかにうめいています交番といっても大分遠方ですし、それに負傷者の苦しみがひどいので、運転手は何はさて置き先ず医者を探そうとしたのに相違ありません。

 私はその辺の地理は、自宅の近所のことですから医院所在などもよく弁わきまえていましたので早速こう教えてやりました。

「ここを左の方へ二町ばかり行くと左側に赤い軒燈の点ついた家がある。M医院というのだ。そこへ行って叩き起したらいいだろう」

 すると運転手はすぐ様助手に手伝わせて、負傷者をそのM医院の方へ運んで行きました。私は彼等の後ろ姿が闇の中に消えるまで、それを見送っていましたが、こんなことに係合っていてもつまらないと思いましたので、やがて家に帰って、――私は独り者なんです。――婆ばあやの敷しいて呉れた床とこへ這入はいって、酔っていたからでしょう、いつになくすぐに眠入ねいって了いました。

 実際何でもない事です。若もし私がその儘ままその事件を忘れて了いさえしたら、それっ限きりの話だったのです。ところが、翌日眼を醒さました時、私は前夜の一寸ちょっとした出来事をまだ覚えていました。そしてあの怪我人は助かったかしらなどと、要もないことまで考え始めたものです。すると、私はふと変なことに気がつきました。

「ヤ、俺は大変な間違いをして了ったぞ」

 私はびっくりしました。いくら酒に酔っていたとは云いえ、決して正気を失っていた訳ではないのに、私としたことが、何と思ってあの怪我人をM医院などへ担ぎ込ませたのでしょう。

「ここを左の方へ二町ばかり行くと左側に赤い軒燈の点いた家がある……」

 というその時の言葉もすっかり覚えています。なぜその代りに、

「ここを右の方へ一町ばかり行くとK病院という外科専門の医者がある」

 と云わなかったのでしょう。私の教えたMというのは評判の藪やぶ医者で、しか外科の方は出来るかどうかさえ疑わしかった程なのです。ところがMとは反対の方角でMよりはもっと近い所に、立派に設備の整ったKという外科病院があるではありませんか。無論私はそれをよく知っていた筈はずなのです。知っていたのに何故間違ったことを教えたか。その時の不思議心理状態は、今になってもまだよく分りませんが、恐らく胴忘どうわすれとでも云うのでしょうか。

 私は少し気懸りになって来たものですから、婆やにそれとなく近所の噂などを探らせて見ますと、どうやら怪我人はM医院の診察室で死んだ鹽梅あんばいなのです。どこの医者でもそんな怪我人なんか担ぎ込まれるのは厭いやがるものです。まして夜半の一時というのですから、無理もありませんがM医院はいくら戸を叩いても、何のかんのと云って却々なかなか開けて呉れなかったらしいのです。さんざん暇ひまどらせた挙句やっと怪我人を担ぎ込んだ時分には、もう余程手遅れになっていたに相違ありません。でも、その時若しM医院の主が「私は専門医でないから、近所のK病院の方へつれて行け」とでも、指図をしたなら、或あるいは怪我人は助っていたのかも知れませんが、何という無茶なことでしょう。彼は自からその難しい患者を処理しようとしたらしいのです。そしてしくじったのです、何んでも噂によりますとM氏はうろたえて了って、不当に長い間怪我人をいじくりまわしていたとかいうことです。

 私はそれを聞いて、何だかこう変な気持になって了いました。

 この場合可哀相な老人を殺したものは果して何人なんぴとでしょうか。自動車運転手とM医師ともに、夫々それぞれ責任のあることは云うまでもありません。そしてそこに法律上処罰があるとすれば、それは恐らく運転手の過失に対して行われるのでしょうが事実上最も重大な責任者はこの私だったのではありますいか。若しその際私がM医院でなくてK病院を教えてやったとすれば、少しのへまもなく怪我人は助かったのかも知れないのです。運転手は単に怪我をさせたばかりです。殺した訳ではないのです。M医師は医術上の技倆が劣っていた為にしくじったのですから、これもあながちとがめる所はありません。よし又彼に責を負うべき点があったとしても、その元はと云えば私が不適当なM医院を教えたのが悪いのです。つまり、その時の私の指図次第によって、老人を生かすことも殺すことも出来た訳なのです。それは怪我をさせたのは如何にも運転手でしょう。けれど殺したのはこの私だったのではありますいか

 これは私の指図が全く偶然の過失だったと考えた場合ですが、若しそれが過失ではなくて、その老人を殺してやろうという私の故意から出たものだったとしたら、一体どういうことになるのでしょう。いうまでもありません。私は事実上殺人罪を犯したものではありませんか。併しか法律は仮令運転手を罰することはあっても、事実上殺人である私というものに対しては、恐らく疑いをかけさえしないでしょう。なぜといって、私と死んだ老人とはまるきり関係のない事がよく分っているのですから。そして仮令疑いをかけられたとしても、私はただ外科医院のあることなど忘れていたと答えさえすればよいではありませんか。それは全然心の中の問題なのです。

 皆さん。皆さんは嘗かつてこういう殺人法について考えられたことがおありでしょうか。私はこの自動車事件で始めてそこへ気がついたのですが、考えて見ますと、この世の中は何という険難至極けんのんしごくな場所なのでしょう。いつ私の様な男が、何の理由もなく故意に間違った医者を教えたりして、そうでなければ取止めることが出来た命を、不当に失って了う様な目に合うか分ったものではないのです。

 これはその後私が実際やって見て成功したことなのですが、田舎のお婆さんが電車線路を横切ろうと、まさに線路に片足をかけた時に、無論そこには電車ばかりでなく自動車自転車や馬車や人力車などが織る様に行違っているのですから、そのお婆さんの頭は十分混乱しているに相違ありません。その片足をかけた刹那に、急行電車か何かが疾風しっぷうの様にやって来てお婆さんから二三間の所まで迫ったと仮定します。その際、お婆さんがそれに気附かないでそのまま線路を横切って了えば何のことはないのですが、誰かが大きな声で「お婆さん危いッ」と怒鳴りでもしようものなら、忽たちまち慌てて了って、そのままつき切ろうか、一度後へ引返そうかと、暫しばらくまごつくに相違ありません。そして、若しその電車が、余り間近い為に急停車も出来なかったとしますと、「お婆さん危いッ」というたった一言が、そのお婆さんに大怪我をさせ、悪くすれば命までも取って了わないとは限りません。先きも申上げました通り、私はある時この方法で一人の田舎者をまんまと殺して了ったことがありますよ。

(T氏はここで一寸言葉を切って、気味悪く笑った)

 この場合危いッ」と声をかけた私は明かに殺人者です。併し誰が私の殺意を疑いましょう。何の恨うらみもない見ず知らずの人間を、ただ殺人の興味の為ばかりに、殺そうとしている男があろうなどと想像する人がありましょうか。それに「危いッ」という注意の言葉は、どんな風に解釈して見たって、好意から出たものしか考えられないのです。表面上では、死者から感謝されこそすれ決して恨まれ理由がないのです。皆さん、何と安全至極な殺人法ではありませんか。

 世の中の人は、悪事は必ず法律に触れ相当の処罰を受けるものだと信じて、愚にも安心し切っています。誰にしたって法律人殺しを見逃そうなどとは想像もしないのです。ところがどうでしょう。今申上げました二つの実例から類推出来る様な少しも法律に触れる気遣いのない殺人法が考えて見ればいくらもあるではありませんか。私はこの事に気附いた時、世の中というものの恐ろしさに戦慄するよりも、そういう罪悪の余地を残して置いて呉れた造物主の余裕を此上もなく愉快に思いました。ほんとうに私はこの発見に狂喜しました。何とすばらしいではありませんか。この方法によりさえすれば、大正の聖代せいだいにこの私丈けは、謂わば斬捨て御免ごめんも同様なのです。

 そこで私はこの種の人殺しによって、あの死に相な退屈をまぎらすことを思いつきました。絶対法律に触れない人殺し、どんなシャーロック・ホームズだって見破ることの出来ない人殺し、ああ何という申分のない眠け醒しでしょう。以来私は三年の間というもの、人を殺す楽しみに耽って、いつの間にかさしもの退屈をすっかり忘れはてていました。皆さん笑ってはいけません。私は戦国時代の豪傑の様に、あの百人斬りを、無論文字通り斬る訳ではありませんけれど、百人の命をとるまでは決して中途でこの殺人を止めないことを、私自身に誓ったのです。

 今から三月ばかり前です、私は丁度九十九人だけ済ませました。そして、あと一人になった時先にも申上げました通り私はその人殺しにも、もう飽きあきしてしまったのですが、それは兎も角、ではその九十九人をどんな風にして殺したか。勿論九十九人のどの人にも少しだって恨みがあった訳ではなく、ただ人知れぬ方法とその結果に興味を持ってやった仕事ですから、私は一度も同じやり方を繰返す様なことはしませんでした。一人殺したあとでは、今度はどんな新工夫でやっつけようかと、それを考えるのが又一つの楽しみだったのです。

 併し、この席で、私のやった九十九の異った殺人法を悉ことごとく御話する暇もありませんし、それに、今夜私がここへ参りましたのは、そんな個々の殺人方法告白する為ではなくて、そうした極悪非道の罪悪を犯してまで、退屈を免れ様とした、そして又、遂にはその罪悪にすら飽きはてて、今度はこの私自身を亡ぼそうとしている、世の常ならぬ私の心持をお話して皆さんの御判断を仰ぎたい為なのですから、その殺人方以については、ほんの二三の実例を申上げるに止めて置き度いと存じます

 この方法発見して間もなくのことでしたが、こんなこともありました。私の近所に一人の按摩あんまがいまして、それが不具などによくあるひどい強情者でした。他人が深切しんせつから色々注意などしてやりますと、却ってそれを逆にとって、目が見えないと思って人を馬鹿にするなそれ位のことはちゃんと俺にだって分っているわいという調子で、必ず相手言葉にさからたことをやるのです。どうして並み並みの強情さではないのです。

 ある日のことでした。私がある大通りを歩いていますと、向うからその強情者の按摩がやって来るのに出逢いました。彼は生意気にも、杖つえを肩に担いで鼻唄を歌いながらヒョッコリヒョッコリと歩いています。丁度その町には昨日から下水工事が始まっていて、往来の片側には深い穴が掘ってありましたが、彼は盲人のことで片側往来止めの立札など見えませんから、何の気もつかず、その穴のすぐ側を呑気そうに歩いているのです。

 それを見ますと、私はふと一つの妙案を思いつきました。そこで、

「やあN君」と按摩の名を呼びかけ、(よく療治を頼んでお互に知り合っていたのです)

「ソラ危いぞ、左へ寄った、左へ寄った」

 と怒鳴りました。それを態わざと少し冗談らしい調子でやったのです。というのは、こういえば、彼は日頃の性質から、きっとからかわれたのだと邪推して、左へはよらないで態と右へ寄るに相違ないと考えたからです。案あんの定じょう彼は、

「エヘヘヘ……。御冗談ばっかり」

 などと声色こわいろめいた口返答をしながら、矢庭やにわに反対の右の方へ二足三足寄ったものですから、忽ち下水工事の穴の中へ片足を踏み込んで、アッという間に一丈もあるその底へと落ち込んで了いました。私はさも驚いた風を装うて穴の縁へ駈けより、

「うまく行ったかしら」と覗いて見ましたが彼はうち所でも悪かったのか、穴の底にぐったりと横よこたわって、穴のまわりに突出ている鋭い石でついたのでしょう。一分刈りの頭に、赤黒い血がタラタラと流れているのです。それから、舌でも噛切ったと見えて、口や鼻からも同じ様に出血しています。顔色はもう蒼白で、唸り声を出す元気さえありません。

 こうして、この按摩は、でもそれから一週間ばかりは虫の息で生きていましたが、遂に絶命して了ったのです。私の計画は見事に成功しました。誰が私を疑いましょう。私はこの按摩を日頃贔屓ひいきにしてよく呼んでいた位で、決して殺人動機になる様な恨みがあった訳ではなく、それに、表面上は右に陥穽おとしあなのあるのを避けさせようとして、「左へよれ、左へよれ」と教えてやった訳なのですから、私の好意を認める人はあっても、その親切らしい言葉の裏に恐るべき殺意がこめられていたと想像する人があろう筈はないのです。

 ああ、何という恐しくも楽しい遊戯だったのでしょう。巧妙なトリックを考え出した時の、恐らく芸術家のそれにも匹敵する、歓喜、そのトリックを実行する時のワクワクした緊張、そして、目的を果した時の云い知れぬ満足、それに又、私の犠牲になった男や女が、殺人者が目の前にいるとも知らず血みどろになって狂い廻る断末魔だんまつまの光景ありさま、最初の間、それらが、どんなにまあ私を有頂天にして呉れたことでしょう。

 ある時はこんな事もありました。それは夏のどんよりと曇った日のことでしたが、私はある郊外文化村とでもいうのでしょう。十軒余りの西洋館がまばらに立並んだ所を歩いていました。そして、丁度その中でも一番立派なコンクリート造りの西洋館の裏手を通りかかった時です。ふと妙なものが私の目に止りました。といいますのは、その時私の鼻先をかすめて勢よく飛んで行った一匹の雀が、その家の屋根から地面へ引張ってあった太い針金に一寸とまると、いきなりはね返された様に下へ落ちて来て、そのまま死んで了ったのです。

 変なこともあるものだと思ってよく見ますと、その針金というのは、西洋館の尖った Permalink | 記事への反応(0) | 22:33

2021-02-21

ミャンマーの思い出

最近メディアミャンマー情勢を聞くことが増えている。軍部クーデター情報統制が敷かれ自由が奪われ、国民弾圧されているというのだ。ニュースを聞いていると、少し昔にミャンマー旅行したことをふと思い出したので、備忘録的に増田に書き残しておく。

2014年、私はミャンマーを旅してた。この前年、ゴールデンウィークに旅していたウズベキスタンの乗り合いタクシーで偶然出会ったベテランバックパッカーから、『早めに訪れるべき国』と紹介されたのがきかっけで興味を持ったのだった。曰く、「数年前からテインセイン政権民主化をすすめていて、外国からヒト・モノ・カネが流入しだしている。そう遠くない時期にマクドナルドコカ・コーラ等の海外資本で町が埋め尽くされ、純朴な国民性が拝金主義に染まりメジャー東南アジア観光地のようにつまらない場所になってしまう。”素”のミャンマーが見れるのは今の時期しかない」とのことだった。その翌年だっただろうか、ANAヤンゴン新規就航した。クレジットカードポイントで『丘マイル』がたまってきていたので、今しかないと思ってミャンマーに飛んだのだった。

ところで、私が旅を決めた2014年当時、ミャンマー情報書籍上にもネット上にも乏しかった。(今でもかもしれないが。)非常にベタだが、自分なりにミャンマー知識を得るために、『ビルマの竪琴』を読み、高田馬場ミャンマー人街を訪れ、増上寺ミャンマーフェスに参加し旅の前に気分を盛り上げた。それら事前に集めた情報をもとに旅程を決めた。最大都市ヤンゴン古都マンダレーとパガンを3泊4日ですべて回る。そのためにルートづくりは難航したが、夜行バスや、エーヤワディ川の水上ボート等を組み合わせて何とかめどがついた。

初めに訪れたのはパガン。初日ヤンゴンから夜行バスで向かって、到着したその日の朝に到着。その足で宿に荷物を降ろし、仏教遺跡にむかう。パガンの仏教遺跡は当時、全く観光地化されていなかった(今はわからないが)。滅びた過去王朝の栄華を残す草原に埋もれた遺跡で、地元仏教徒が花やろうそくを備えて信仰のよりどころにしている。そんな感じのところだった。遺跡は非常に広大なため、効率よく回るために宿で中国製電動バイクを借りたのだが、これが曲者だった。バッテリーの残量メーターが適当で、まだ半分ほど充電が残っていると思っていたら、バッテリーふいにまり、南国の強い日差しのもと10km近い距離をただの重りと化した電動バイクを押して帰る羽目になったのだ。

ミャンマー古都マンダレーへは翌日の早朝に向かった。ミャンマー流れる大河エーヤワディー川観光ボートに乗って移動するのだ。朝日が昇る前に、宿の主人にお願いしてエーヤワディー川ほとりの船着き場に送ってもらい船に乗り込む。乗客ほとんどが欧米観光客で、日本人は私一人。東南アジアでよく見る中国系韓国系旅行者は一人もいなかった。船に乗り込んですぐに、日の出を見ることができた。大河から見る朝日は非常に美しく、カメラシャッターを切りまくった。だが航行時間10時間以上と非常に長く、暇を持て余す。近くの旅行者に話しかけるとドイツ人だった。大学時代に習った片言のドイツ語で、「Ich lerne Deutsch bitte.」と話すと猛スピードドイツ語会話が始まり、まったく聞き取れなかったので英語に切り替えてもらってコミュニケーションをとったりしていた。

10時間を超える船旅を経てマンダレーに到着した。マンダレー市街地は船着場から離れていたのでタクシーを借りて中心地に向かう。旅程に余裕がなかったので、そのままタクシーで主要施設を回ってもらい、観光をこなす。そのまま勢いで長距離バス乗り場へ向かいマンダレーからヤンゴンに向かう高速バスに乗り込む。ヤンゴンにはその日の夜10時ごろに到着。夜間の異動で治安不安だったが、特に問題もなく宿に到着。最終日に備えて睡眠をとる。

ミャンマー滞在最終日。最大都市ヤンゴンで街歩きをし、国民食のモヒンガーを食べたり、過去イギリス統治時代建築物を見たりして過ごす。町中の家には見たことのないような巨大なパラボラアンテナがつけられており、台風対策で軽量化する必要があったからだろうか、日本で見かけるものとは違い皿の部分がメッシュになっているのが印象的だった。街歩きついでにミャンマー国鉄で市内を移動したりもした。東京でいうところの山手線に相当する環状線ヤンゴンにもあり、Circular Lineと呼ばれているものだ。料金は非常に安く、日本円で10円くらいだっただろうか?車内に外国人は一人もいなかった。パガン~マンダレーで見たような欧米系の旅行客はタクシーチャーターして市内観光をしているのだろうか?しばらく客車に乗っていると、私が日本人とわかったのか日本滞在経験があるというミャンマー人に話しかけられたのだ。観光地で話しかけてくる現地の人は、たいていお金目当てなので警戒してたのだが、悪い人ではなさそうだったので聞くだけ話を聞いてみたら、バブル期名古屋期間工をしていたらしかった。

駆け足でいろいろな経験をしながらミャンマー観光を終えた私は日本に戻った。実際に現地を見てきたことで知的好奇心を満たされた私は、しばらくミャンマー情勢から興味を失っていた。が、最近またニュースで日々ミャンマー情報を見聞きするようになり、ふいに旅行した時のことを思い出したのだった。当時であった人たちは今も元気にしているだろうか?数年後にコロナ収束しても、軍部主導の政治体制外国人が自由ミャンマー旅行できる時代が再びやってくるのだろうか?今はただ、遠く離れた国を思い出しつつミャンマー国民の無事を祈るばかりである

2021-02-07

サプライズ自分ビビってやらなかった後悔の話

先日、誕生日を迎えた彼女に、ちょっとしたサプライズをしようと思った。

彼女が楽しみにしているコンセプトカフェゲームアニメコラボしてる系)を予約していたので、

誕生日なので、何か用意できるならお願いします」と予約時に伝えたところ、

誕生日用のプレートなら用意できるのでデザートに飾れます」とのことだった。

デート当日、カフェ作品イメージした料理ドリンクを二人で楽しみながら、私はデザートを頼むことを意識していた。

意識しすぎていた。正直、何を食べたのか、ろくろく覚えていない。

そして、彼女が、デザートを選ぶ時、

「こっちのやつと、こっちのやつで迷ってる。でも一皿食べきれないかシェアしようよ」

と言い出した。

片方は木の皿に乗ったやつで、もう片方は白い皿に乗ったやつ。

私は、『プレートが似合うのは白だろう』と思い、白い皿をお勧めした。

彼女は「やっぱりそっちだよね」と喜々として、店員さんに注文した。

その姿に、『プレートが似合うから』という基準オススメしてしまたことに罪悪感が湧いた。

とっさに私は「木の皿の方もください」と言ってしまった。

「そんなに食べられないよ?」と不審そうに言う彼女に、「私が食べるから」と言った。

そしてすぐ、私は席を立った。

ちょっと席外すよ」

彼女特に何も言わない。トイレか何かだと思ってるのだろう。

私が受付に向かって歩き始めたところ、店員さんが察して追いかけてきてくれた。

だけど、私は急に恥ずかしくなった。

はいったい何をしてるのだろうか。

サプライズデザートも全部、カフェがやってくれるだろう。

こういうことに慣れてそうなカフェだ。

きっと、店員さんが歌でも歌いながらやってくるのだろう。

あわせて親切なほかのお客さんも歌ってくれるかもしれない。

驚く彼女、注目されていることを恥ずかしがる彼女ろうそくを吹き消す彼女

想像してみて、まるで、私達らしくないことに気づいた。

いつもの自分たちの姿と照らし合わせると、まるで似合っていない。

彼女がそれをどう喜ぶだろうか。

ちょっと緊張した声と『よそいきの顔』で笑う姿が浮かんだ。


はいい年して何をしてるんだろうか。

受付に向かっていた足を回れ右して、席に戻った。

店員さんの戸惑う顔が見えたが、心の中で謝った。

その後、デザートは、木の皿のやつが先に届き、白い皿のやつは、随分と時間をあけてから届いた。

特にプレートなどは見当たらなかった。(当たり前だ)

きっと厨房でも混乱してただろう。

「乗せると聞いたかプレートを用意してるけど、どうすればいいんだ」的な話をしたかもしれない。

罪悪感でいっぱいになりながら、ほぼ二皿を一人で食べた。

会計前に、店長さんらしき人に「予約内容について少し確認が」と呼ばれて、受付まで行き、

プレートのご用意はありますが」と言われたので、心から謝罪した。

本当に申し訳ない。でも、もう必要なくなったんです。

席に戻ると、彼女が「予約内容の確認って?大丈夫だった?」と心配してくれた。

「予約時の電話番号が間違ってたみたいで」と嘘をついた。

今日は嘘ばかりついている気がした。


いろんな方に迷惑をかけた。

なにより彼女に嘘をついた。

それなら、いっそサプライズをやりきってしまうべきだったか

いや、そもそもサプライズ計画するんじゃなかった。

と、悶々と後悔している。

風呂入って寝ます

2021-02-02

過ぎたるは及ばざるが如し

きっと君が欲しいものはこれだろう。

千金。無いときはない。

大金持ちがろうそく1本

受験生ろうそく1本

欲しがっているとき

あなたろうそくを1本だけもている

どっちに上げるべきか?

 

答えは簡単大金持ちに上げればいい。同じことだから。これが経済法則

2021-01-29

義兄、ありがとう

先日、姪っ子が4歳になり、

誕生日ケーキろうそくを消す動画が義兄から送られてきた。

本当にありがたい。

 

私達姉妹父親は私が3歳時に病死した。

から父親というものをよく知らない。

義兄の振る舞いというか感じ?を見て、

これが父親なんだーといつも感心してる。

仕事で朝も夜も休日もいなかったりするけど、

大事イベントの時にはいてくれて、

ここぞという時は諭すように話してくれる存在らしい。

うわーこんな大きいのかあ。

まあ子供の頃は分からないだろうけど。

 

小さい頃に失われた何かは戻らないけど、

姪っ子と義兄を見ていると嬉しくなる。

そして私の父親いかに無念だったか。母がずっとどんあ気持ちだったか

 

 

義兄、生きてくれてありがとう

長生きしてほしい。

姪っ子に「ウチの家?フツーだよ」と言わせてやってほしい。

そして思春期に姪っ子とバチバチ喧嘩してほしい。

ウチの家系は女でも壁殴って穴を開けるよ。

私は3箇所。

姉は5箇所です。

気をつけて。

2021-01-07

anond:20210107033613

ファミマ基本的アブライズラブで有事にはろうそくの代わりになりそうな具材がウリだ

たぶんシャケおにぎりハラミアブライズラブの精神なのだろう

2020-12-17

参ってる

自分誕生日をめでたく感じない祝われてもあまり喜べないのは当日知人の自死だったりろうそく吹き消すタイミングでゴタゴタがあったりと思い出したくもない思い出が多いか

失った死者に捧げる祈りの方がよっぽど重たい

2020-12-06

[]2020年12月5日土曜日増田

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14155831653.730
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