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はてなキーワード: はにわとは

2021-05-15

いくらなんでもオタクってスケープゴートしすぎじゃね?

なにか事件炎上があるたびに

「アイツは本当のオタクじゃないから!」とかこういうのばっか起こるよね?

ウマ娘なら「アイツはにわか!」で開き直り

とくさんは「アイツはアズレン厨!中共の手先!」

青葉が京アニ燃やした時は「アイツはガイジ!断じてオタクじゃない!」

海外アニメオタクが銃乱射したら「あっちの社会は生き辛いからな!」

っていっつもおまえら責任転嫁してるよな?

2021-05-10

anond:20210509140639

中古も去年8月の時点ですでに2006年以来の高水準とかで需要爆発しているんだよ。

アメリカ人借金して月々支払うのが基本だから金利住宅ローンによる需要の増え方は日本人はにわかに想像し難い部分があると思う。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-09-22/QH2CAYT1UM1H01

2021-05-04

とんでもないことを言う精神科医見つけたんだが、これって良いのか?

発達障害者への就労支援を行っている会社サイト内で、とても正しいとは思えない内容を話している対談を見つけた。


ある小学生の子が、学校に足が痛いから行きたい。神経内科やあちらこちら回ってきてなにもないか車椅子でうちに来たんですよ。こんな鉛筆みたいな足になっちゃって。典型的ヒステリー症状ですよね。なんとなく顔を見てその評定にイラッと来ました。ヒステリー診断基準はこっちがいらつくことなんです。操作されて嬉しい人いませんよね。てめえ、大人舐めんなと思ったので(笑)病棟に入れ、親御さんたちにしばらく面会に来ないでくださいね電話もなしですよ。ということでサヨナラし。その子に歩けないのに、ご飯食堂まで歩いていって食べてくださいね、といってさようならといって会いにもいかないわけです。2日目ぐらいには這っていって食事を摂り、一ヶ月後には学校に行ってました。

精神医学って、そんな診断基準運用されているのか?

苛ついた、大人舐めんな(笑)で、私権制限して病棟に入れるのか?

ふざけてこういう言い方をしているのかもしれないけれど、診察した患者をこんな形で冗談タネにしていいのか?


フロイトでは内省がなくて、簡単に言えば自我機能が働いていないんですね。そこがないから、自分本能的なものが求めているものを、大脳皮質側で抑え込んでいるような気がするんですよ。それがフロイトのメインの理論です。そうするとヒステリー症状が出ちゃう今思えば、発達障害の人はみんな自分感情を振り返る能力がない感じがするので、無茶なんですよね。仕事がなくなると死ぬしか無い、とか極端なことを言いますよね。あれ?でも貯金に3億円ぐらいあると聞きましたけれども?と。ああいうのは都合が悪くなると失神(解離性失神)してしまう、ヒステリーと同様なものだと思うんですよ。

精神科医分析によると、発達障害者ってみんな自分感情を振り返る能力が無いらしい。

本当か?


ワンステップスクール寄宿舎民間自立支援施設)の方にも行っているんですが、甘いって、言っているんです。朝なんか爆音で起こしてしまっていいんです、と言っているんです。社長さんの言っている可塑性は後ですよね。

これに関してはなんとも言えないが、精神科医臆面もなく言っていると恐怖を感じる

ちなみに、このワンステップスクールについて調べてみたら、集団提訴を受けて今裁判やってるっぽい

(ひきこもり自立支援施設手法拉致監禁、元生徒7人が初の集団提訴へ 相次ぐ引き出し屋の被害(上)

https://diamond.jp/articles/-/252344)


精神科医やそれに準ずる知識のある方、これについて見解を教えてほしい。

個人的はにわかには信じがたいし、倫理的問題があるように思える。


引用元

Kaienはスパルタが足りないのでは? : 医師と語る 現代発達障害

https://www.kaien-lab.com/talk-with-doctor/dr5c/

2021-04-23

anond:20210423174856

鳴神の逆で、Vを褒めまくるっていうのはどうだろう?

色々なVをやれば、Vのファンが「お、こいつ良い事言うな!」「推しのVが褒められて気分いいな!」ってチャンネル登録してくれるやろ

そういうのはにわかV好きでは出来なくて、Vを追っかけて過去アーカイブを熟知していないと真の魅力を引き出せないか需要はあると思うよ

2021-04-12

日本人あるある

誰も試合見てないくせに騒ぎたがる

今日はにわか同士の会話がどこでも繰り広げられている

2021-03-27

バカフェミスパイラル

 共産党池内さおり議員電車に乗る際に男性意図的にぶつかられたとツイートした件が話題になっている。

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/twitter.com/ikeuchi_saori/status/1375318333776535553

 この件については補助知識としてここ数年ネット上で話題になっている「ぶつかりおじさん」というものを知っておく必要があるだろう。女性が歩いていると意図的にぶつかりに来るおじさんがいる、という男である自分なんかからするとにわかには信じがたいものだが、証言複数あるだけでなくその姿が動画に収められたこともある。

https://www.google.co.jp/search?q=%E3%81%B6%E3%81%A4%E3%81%8B%E3%82%8A%E3%81%8A%E3%81%98%E3%81%95%E3%82%93&source=hp&ei=DwVfYN6GBpL8wQPwuqnoDA&iflsig=AINFCbYAAAAAYF8THzptVbM_p9-dgI5nKXvowBae9-Qx&oq=%E3%81%B6%E3%81%A4%E3%81%8B%E3%82%8A%E3%81%8A%E3%81%98%E3%81%95%E3%82%93&gs_lcp=Cgdnd3Mtd2l6EAMyAggAMgIIADICCAAyAggAMgIIADoKCAAQsQMQgwEQBDoICAAQsQMQgwE6BggAEAQQAzoHCAAQsQMQBDoICAAQsQMQsQM6BAgAEAQ6DggAELEDEIMBELEDEIMBOgYIABAEEB5QzgtY2BpghR9oAHAAeACAAV-IAcEJkgECMTWYAQCgAQGqAQdnd3Mtd2l6&sclient=gws-wiz&ved=0ahUKEwieysaXntDvAhUSfnAKHXBdCs0Q4dUDCAk&uact=5

 1人から証言を聞いただけではにわかに信じがたい話なので、より詳しいことについては雑にググって出てきたページを雑にいくつか見てほしい。

https://www.huffingtonpost.jp/2018/05/31/butsukariotoko_a_23447463/

動画のある記事こちら。

 ぶつかりおじさんの被害の規模や実態については今のところまだよくわかっていない。煽り運転社会問題として大きくクローズアップされたのは記憶に新しいが、あれはドライブレコーダー映像が残されていたというのが大きい。人間ドラレコは付いていないためぶつかりおじさんの犯行の様子を動画に収めるのは難しい。上に貼った記事動画ではぶつかりおじさんは20代くらいに見える風貌だが、スーツ姿の40代くらいの人が多いという声もある。

 動機についても女性への悪意が根底にあるケースが多いのか、それとも反撃されなさそうな弱そうな人を狙うがために被害女性に集中するのかもよくわからない。なので、池内議員が「女性差別」と訴えていたり社会政治の責任言及している点についてはかなり迂闊な物言いをしているなという感想を抱いている。

 とりあえず現状間違いがないと言えそうなのは、ぶつかりおじさんは都市伝説でなく実在するということと、ぶつかりおじさんは1人だけの異常者ではなく何人もいるということだ。おそらく痴漢の一形態と捉えるべきものなのだろうと個人的には考えている(つまり治療対象ということ)。

 このような実態を踏まえた上で池内議員ツイートに戻ると、池内議員被害の訴えには不自然な点は特にないということが言える。ぶつかりおじさん被害の報告として典型的範囲に綺麗に収まっている。彼女共産党政治家であることや、その後連なる意見については他の被害報告との違いとなるが、事実としてこういうことがあったのだという点に関してはなんら不自然なところはない。

 問題はこのツイートに対して「お前が降りる人を待たずに乗ったせいでぶつかったんだろ」という反応が多く寄せられていることだ。しかし、この自分からぶつかったという解釈は不自然だ。

 まず第一池内議員ツイートを読むと「降りようとする人も2人」という記述があり、降車する人の様子を余所見せずに見ていたことが伺える。仮に彼女が降りる人を待たずに電車に乗り込んでしまったのだとしても、この状態でぶつかってしまうというのは非常に不自然だ。降車客が2人なのであれば同時に乗ろうとしてしまったとしても余所見していなければまずぶつかることはない。スペースが不足してひっかかるような形になってしまうということは十分に考えられるが、強い衝撃を受けるようなぶつかり方をするというのは考えられない。もしも降りる側が余所見していたとしても池内議員側が余所見していなければぶつかることはないだろう。ぶつかるためにはどちらかの足元が相当にふらついているような状況を想定する必要がある。

 そして第二に男は無言で立ち去っている。無言で立ち去ったという直接的な描写はないが、なにか一言あったとするなら書かないわけがないので無言で立ち去ったものと推察される。しかし、何の悪意もなくぶつかってしまった場合普通人は「すみません」とか「大丈夫ですか」とか言うものである相手から一方的にぶつかられてムカついていたからそういうことを言わなかったという解釈もありえるが、それはそれで舌打ちも悪態も何もないのはやや不自然さが残る。

 まとめると、「池内議員はぶつかりおじさんの被害にあった」と考えるのは自然なのに対し、「池内議員は自らの乗車マナーの悪さゆえに他人とぶつかった」と考えるのは不自然だ。後者絶対100%ありえないというわけではないが、他に自然解釈があるのに不自然解釈を選び取るのは不合理だろう。

 ではなぜ多くの人が不自然な方の解釈に飛びついてしまっているのか。

 これは「フェミニストというのは針小棒大に、あるいは被害妄想で女性差別だなんだと喚き散らす馬鹿の集まりだ」という偏見まみれの脳内ストーリーに不自然な方の解釈合致しているからだろう。

 この現象の恐ろしいところは何があってもどんどん偏見が強化されていくという点にある。

 この手の人はフェミニストが何か言っているぞと話題になるたびに不自然であろうがおかまいなしにフェミ馬鹿なことを喚いているという解釈を選び取る。そのため、頭の中ではあのときもこのときもいつもフェミ馬鹿なことばかり言っているという認識になるのだ。

 フェミ馬鹿だという偏見があるがゆえにフェミの言うことを悪意をもって解釈する。それによってフェミ馬鹿だという偏見さらに強化される。この無敵のスパイラル構造の中で、この手の人は自らの頭をどんどん悪くしていくのである

2021-03-22

又三郎

風の又三郎

宮沢賢治


どっどど どどうど どどうど どどう

青いくるみも吹きとばせ

すっぱいかりんも吹きとばせ

どっどど どどうど どどうど どどう

 谷川の岸に小さな学校がありました。

 教室はたった一つでしたが生徒は三年生がないだけで、あとは一年から六年までみんなありました。運動場もテニスコートのくらいでしたが、すぐうしろは栗くりの木のあるきれいな草の山でしたし、運動場のすみにはごぼごぼつめたい水を噴ふく岩穴もあったのです。

 さわやかな九月一日の朝でした。青ぞらで風がどうと鳴り、日光運動場いっぱいでした。黒い雪袴ゆきばかまをはいた二人の一年の子がどてをまわって運動場にはいって来て、まだほかにだれも来ていないのを見て、「ほう、おら一等だぞ。一等だぞ。」とかわるがわる叫びながら大よろこびで門をはいって来たのでしたが、ちょっと教室の中を見ますと、二人ふたりともまるでびっくりして棒立ちになり、それから顔を見合わせてぶるぶるふるえましたが、ひとりはとうとう泣き出してしまいました。というわけは、そのしんとした朝の教室なかにどこから来たのか、まるで顔も知らないおかしな赤い髪の子供がひとり、いちばん前の机にちゃんとすわっていたのです。そしてその机といったらまったくこの泣いた子の自分の机だったのです。

 もひとりの子ももう半分泣きかけていましたが、それでもむりやり目をりんと張って、そっちのほうをにらめていましたら、ちょうどそのとき川上から

「ちょうはあ かぐり ちょうはあ かぐり。」と高く叫ぶ声がして、それからまるで大きなからすのように、嘉助かすけがかばんをかかえてわらって運動場へかけて来ました。と思ったらすぐそのあとから太郎さたろうだの耕助こうすけだのどやどややってきました。

「なして泣いでら、うなかもたのが。」嘉助が泣かないこどもの肩をつかまえて言いました。するとその子もわあと泣いてしまいました。おかしいとおもってみんながあたりを見ると、教室の中にあの赤毛おかしな子がすまして、しゃんとすわっているのが目につきました。

 みんなはしんとなってしまいました。だんだんみんな女の子たちも集まって来ましたが、だれもなんとも言えませんでした。

 赤毛の子どもはいっこうこわがるふうもなくやっぱりちゃんとすわって、じっと黒板を見ています。すると六年生の一郎いちろうが来ました。一郎はまるでおとなのようにゆっくり大またにやってきて、みんなを見て、

「何なにした。」とききました。

 みんなははじめてがやがや声をたててその教室の中の変な子を指さしました。一郎はしばらくそっちを見ていましたが、やがて鞄かばんをしっかりかかえて、さっさと窓の下へ行きました。

 みんなもすっかり元気になってついて行きました。

「だれだ、時間にならないに教室はいってるのは。」一郎は窓へはいのぼって教室の中へ顔をつき出して言いました。

「お天気のいい時教室はいってるづど先生にうんとしからえるぞ。」窓の下の耕助が言いました。

しからえでもおら知らないよ。」嘉助が言いました。

「早ぐ出はって来こ、出はって来。」一郎が言いました。けれどもそのこどもはきょろきょろ室へやの中やみんなのほうを見るばかりで、やっぱりちゃんとひざに手をおいて腰掛けにすわっていました。

 ぜんたいその形からが実におかしいのでした。変てこなねずみいろのだぶだぶの上着を着て、白い半ずぼんをはいて、それに赤い革かわの半靴はんぐつをはいていたのです。

 それに顔といったらまるで熟したりんごのよう、ことに目はまん丸でまっくろなのでした。いっこう言葉が通じないようなので一郎も全く困ってしまいました。

あいづは外国人だな。」

学校はいるのだな。」みんなはがやがやがやがや言いました。ところが五年生の嘉助がいきなり、

「ああ三年生さはいるのだ。」と叫びましたので、

「ああそうだ。」と小さいこどもらは思いましたが、一郎はだまってくびをまげました。

 変なこどもはやはりきょろきょろこっちを見るだけ、きちんと腰掛けています

 そのとき風がどうと吹いて来て教室ガラス戸はみんながたがた鳴り、学校のうしろの山の萱かやや栗くりの木はみんな変に青じろくなってゆれ、教室のなかのこどもはなんだかにやっとわらってすこしうごいたようでした。

 すると嘉助がすぐ叫びました。

「ああわかった。あいつは風の又三郎またさぶろうだぞ。」

 そうだっとみんなもおもったときにわかにうしろのほうで五郎が、

「わあ、痛いぢゃあ。」と叫びました。

 みんなそっちへ振り向きますと、五郎が耕助に足のゆびをふまれて、まるでおこって耕助をなぐりつけていたのです。すると耕助もおこって、

「わあ、われ悪くてでひと撲はだいだなあ。」と言ってまた五郎をなぐろうとしました。

 五郎はまるで顔じゅう涙だらけにして耕助に組み付こうとしました。そこで一郎が間へはいって嘉助が耕助を押えてしまいました。

「わあい、けんかするなったら、先生ちゃん職員室に来てらぞ。」と一郎が言いながらまた教室のほうを見ましたら、一郎はにわかにまるでぽかんとしてしまいました。

 たったいままで教室にいたあの変な子が影もかたちもないのです。みんなもまるでせっかく友だちになった子うまが遠くへやられたよう、せっかく捕とった山雀やまがらに逃げられたように思いました。

 風がまたどうと吹いて来て窓ガラスをがたがた言わせ、うしろの山の萱かやをだんだん上流のほうへ青じろく波だてて行きました。

「わあ、うなだけんかしたんだがら又三郎いなぐなったな。」嘉助がおこって言いました。

 みんなもほんとうにそう思いました。五郎はじつに申しわけないと思って、足の痛いのも忘れてしょんぼり肩をすぼめて立ったのです。

「やっぱりあいつは風の又三郎だったな。」

二百十日で来たのだな。」

「靴くつはいでだたぞ。」

「服も着でだたぞ。」

「髪赤くておかしやづだったな。」

「ありゃありゃ、又三郎おれの机の上さ石かけ乗せでったぞ。」二年生の子が言いました。見るとその子の机の上にはきたない石かけが乗っていたのです。

「そうだ、ありゃ。あそごのガラスもぶっかしたぞ。」

「そだないでああいづあ休み前に嘉助石ぶっつけだのだな。」

「わあい。そだないであ。」と言っていたとき、これはまたなんというわけでしょう。先生玄関から出て来たのです。先生はぴかぴか光る呼び子を右手にもって、もう集まれのしたくをしているのでしたが、そのすぐうしろから、さっきの赤い髪の子が、まるで権現ごんげんさまの尾おっぱ持ちのようにすまし込んで、白いシャッポかぶって、先生についてすぱすぱとあるいて来たのです。

 みんなはしいんとなってしまいました。やっと一郎が「先生お早うございます。」と言いましたのでみんなもついて、

先生お早うございます。」と言っただけでした。

「みなさん。お早う。どなたも元気ですね。では並んで。」先生は呼び子をビルルと吹きました。それはすぐ谷の向こうの山へひびいてまたビルルルと低く戻もどってきました。

 すっかりやすみの前のとおりだとみんなが思いながら六年生は一人、五年生は七人、四年生は六人、一二年生は十二人、組ごとに一列に縦にならびました。

 二年は八人、一年生は四人前へならえをしてならんだのです。

 するとその間あのおかしな子は、何かおかしいのかおもしろいのか奥歯で横っちょに舌をかむようにして、じろじろみんなを見ながら先生のうしろに立っていたのです。すると先生は、高田たかださんこっちへおはいりなさいと言いながら五年生の列のところへ連れて行って、丈たけを嘉助とくらべてから嘉助とそのうしろのきよの間へ立たせました。

 みんなはふりかえってじっとそれを見ていました。

 先生はまた玄関の前に戻って、

「前へならえ。」と号令をかけました。

 みんなはもう一ぺん前へならえをしてすっかり列をつくりましたが、じつはあの変な子がどういうふうにしているのか見たくて、かわるがわるそっちをふりむいたり横目でにらんだりしたのでした。するとその子ちゃんと前へならえでもなんでも知ってるらしく平気で両腕を前へ出して、指さきを嘉助のせなかへやっと届くくらいにしていたものですから、嘉助はなんだかせなかがかゆく、くすぐったいというふうにもじもじしていました。

「直れ。」先生がまた号令をかけました。

一年から順に前へおい。」そこで一年生はあるき出し、まもなく二年生もあるき出してみんなの前をぐるっと通って、右手下駄箱げたばこのある入り口はいって行きました。四年生があるき出すとさっきの子も嘉助のあとへついて大威張りであるいて行きました。前へ行った子もときどきふりかえって見、あとの者もじっと見ていたのです。

 まもなくみんなははきもの下駄箱げたばこに入れて教室はいって、ちょうど外へならんだときのように組ごとに一列に机にすわりました。さっきの子もすまし込んで嘉助のうしろにすわりました。ところがもう大さわぎです。

「わあ、おらの机さ石かけはいってるぞ。」

「わあ、おらの机代わってるぞ。」

「キッコ、キッコ、うな通信簿持って来たが。おら忘れで来たぢゃあ。」

「わあい、さの、木ペン借せ、木ペン借せったら。」

「わあがない。ひとの雑記帳とってって。」

 そのとき先生はいって来ましたのでみんなもさわぎながらとにかく立ちあがり、一郎がいちばんしろで、

「礼。」と言いました。

 みんなはおじぎをする間はちょっとしんとなりましたが、それからまたがやがやがやがや言いました。

「しずかに、みなさん。しずかにするのです。」先生が言いました。

「しっ、悦治えつじ、やがましったら、嘉助え、喜きっこう。わあい。」と一郎がいちばんしろからまりさわぐものを一人ずつしかりました。

 みんなはしんとなりました。

 先生が言いました。

「みなさん、長い夏のお休みおもしろかったですね。みなさんは朝から水泳ぎもできたし、林の中で鷹たかにも負けないくらい高く叫んだり、またにいさんの草刈りについて上うえの野原へ行ったりしたでしょう。けれどももうきのうで休みは終わりました。これからは第二学期で秋です。むかしから秋はいちばんからだもこころもひきしまって、勉強のできる時だといってあるのです。ですから、みなさんもきょうからまたいっしょにしっかり勉強しましょう。それからこのお休みの間にみなさんのお友だちが一人ふえました。それはそこにいる高田さんです。そのかたのおとうさんはこんど会社のご用で上の野原の入り口へおいでになっていられるのです。高田さんはいままでは北海道学校におられたのですが、きょうからみなさんのお友だちになるのですから、みなさんは学校勉強ときも、また栗拾くりひろいや魚さかなとりに行くときも、高田さんをさそうようにしなければなりません。わかりましたか。わかった人は手をあげてごらんなさい。」

 すぐみんなは手をあげました。その高田とよばれた子も勢いよく手をあげましたので、ちょっと先生はわらいましたが、すぐ、

「わかりましたね、ではよし。」と言いましたので、みんなは火の消えたように一ぺんに手をおろしました。

 ところが嘉助がすぐ、

先生。」といってまた手をあげました。

はい。」先生は嘉助を指さしました。

高田さん名はなんて言うべな。」

高田三郎さぶろうさんです。」

「わあ、うまい、そりゃ、やっぱり又三郎だな。」嘉助はまるで手をたたいて机の中で踊るようにしましたので、大きなほうの子どもらはどっと笑いましたが、下の子どもらは何かこわいというふうにしいんとして三郎のほうを見ていたのです。

 先生はまた言いました。

「きょうはみなさんは通信簿宿題をもってくるのでしたね。持って来た人は机の上へ出してください。私がいま集めに行きますから。」

 みんなはばたばた鞄かばんをあけたりふろしきをといたりして、通信簿宿題を机の上に出しました。そして先生一年生のほうから順にそれを集めはじめました。そのときみんなはぎょっとしました。というわけはみんなのうしろのところにいつか一人の大人おとなが立っていたのです。その人は白いだぶだぶの麻服を着て黒いてかてかしたはんけちをネクタイの代わりに首に巻いて、手には白い扇をもって軽くじぶんの顔を扇あおぎながら少し笑ってみんなを見おろしていたのです。さあみんなはだんだんしいんとなって、まるで堅くなってしまいました。

 ところが先生別にその人を気にかけるふうもなく、順々に通信簿を集めて三郎の席まで行きますと、三郎は通信簿宿題帳もないかわりに両手をにぎりこぶしにして二つ机の上にのせていたのです。先生はだまってそこを通りすぎ、みんなのを集めてしまうとそれを両手でそろえながらまた教壇に戻りました。

「では宿題帳はこの次の土曜日に直して渡しまから、きょう持って来なかった人は、あしたきっと忘れないで持って来てください。それは悦治さんと勇治ゆうじさんと良作りょうさくさんとですね。ではきょうはここまでです。あしたかちゃんといつものとおりのしたくをしておいでなさい。それから四年生と六年生の人は、先生といっしょに教室のお掃除そうじをしましょう。ではここまで。」

 一郎が気をつけ、と言いみんなは一ぺんに立ちました。うしろ大人おとなも扇を下にさげて立ちました。

「礼。」先生もみんなも礼をしました。うしろ大人も軽く頭を下げました。それからずうっと下の組の子どもらは一目散に教室を飛び出しましたが、四年生の子どもらはまだもじもじしていました。

 すると三郎はさっきのだぶだぶの白い服の人のところへ行きました。先生も教壇をおりてその人のところへ行きました。

「いやどうもご苦労さまでございます。」その大人はていねいに先生に礼をしました。

「じきみんなとお友だちになりますから。」先生も礼を返しながら言いました。

「何ぶんどうかよろしくねがいいたします。それでは。」その人はまたていねいに礼をして目で三郎に合図すると、自分玄関のほうへまわって外へ出て待っていますと、三郎はみんなの見ている中を目をりんとはってだまって昇降口から出て行って追いつき、二人は運動場を通って川下のほうへ歩いて行きました。

 運動場を出るときの子はこっちをふりむいて、じっと学校やみんなのほうをにらむようにすると、またすたすた白服の大人おとなについて歩いて行きました。

先生、あの人は高田さんのとうさんですか。」一郎が箒ほうきをもちながら先生にききました。

「そうです。」

「なんの用で来たべ。」

「上の野原の入り口モリブデンという鉱石ができるので、それをだんだん掘るようにするためだそうです。」

「どこらあだりだべな。」

「私もまだよくわかりませんが、いつもみなさんが馬をつれて行くみちから、少し川下へ寄ったほうなようです。」

モリブデン何にするべな。」

「それは鉄とまぜたり、薬をつくったりするのだそうです。」

「そだら又三郎も掘るべが。」嘉助が言いました。

又三郎だない。高田三郎だぢゃ。」佐太郎が言いました。

又三郎又三郎だ。」嘉助が顔をまっ赤かにしてがん張りました。

「嘉助、うなも残ってらば掃除そうじしてすけろ。」一郎が言いました。

「わあい。やんたぢゃ。きょう四年生ど六年生だな。」

 嘉助は大急ぎで教室をはねだして逃げてしまいました。

 風がまた吹いて来て窓ガラスはまたがたがた鳴り、ぞうきんを入れたバケツにも小さな黒い波をたてました。

 次の日一郎はあのおかし子供が、きょうからほんとうに学校へ来て本を読んだりするかどうか早く見たいような気がして、いつもより早く嘉助をさそいました。ところが嘉助のほうは一郎よりもっとそう考えていたと見えて、とうにごはんもたべ、ふろしきに包んだ本ももって家の前へ出て一郎を待っていたのでした。二人は途中もいろいろその子のことを話しながら学校へ来ました。すると運動場には小さな子供らがもう七八人集まっていて、棒かくしをしていましたが、その子はまだ来ていませんでした。またきのうのように教室の中にいるのかと思って中をのぞいて見ましたが、教室の中はしいんとしてだれもいず、黒板の上にはきのう掃除ときぞうきんでふいた跡がかわいてぼんやり白い縞しまになっていました。

「きのうのやつまだ来てないな。」一郎が言いました。

「うん。」嘉助も言ってそこらを見まわしました。

 一郎はそこで鉄棒の下へ行って、じゃみ上がりというやり方で、無理やりに鉄棒の上にのぼり両腕をだんだん寄せて右の腕木に行くと、そこへ腰掛けてきのう三郎の行ったほうをじっと見おろして待っていました。谷川はそっちのほうへきらきら光ってながれて行き、その下の山の上のほうでは風も吹いているらしく、ときどき萱かやが白く波立っていました。

 嘉助もやっぱりその柱の下でじっとそっちを見て待っていました。ところが二人はそんなに長く待つこともありませんでした。それは突然三郎がその下手のみちから灰いろの鞄かばんを右手にかかえて走るようにして出て来たのです。

「来たぞ。」と一郎が思わず下にいる嘉助へ叫ぼうとしていますと、早くも三郎はどてをぐるっとまわって、どんどん正門をはいって来ると、

お早う。」とはっきり言いました。みんなはいっしょにそっちをふり向きましたが、一人も返事をしたものがありませんでした。

 それは返事をしないのではなくて、みんなは先生はいつでも「お早うございます。」というように習っていたのですが、お互いに「お早う。」なんて言ったことがなかったのに三郎にそう言われても、一郎や嘉助はあんまりにわかで、また勢いがいいのでとうとう臆おくしてしまって一郎も嘉助も口の中でお早うというかわりに、もにゃもにゃっと言ってしまったのでした。

 ところが三郎のほうはべつだんそれを苦にするふうもなく、二三歩また前へ進むとじっと立って、そのまっ黒な目でぐるっと運動場じゅうを見まわしました。そしてしばらくだれか遊ぶ相手がないかさがしているようでした。けれどもみんなきょろきょろ三郎のほうはみていても、やはり忙しそうに棒かくしをしたり三郎のほうへ行くものがありませんでした。三郎はちょっと具合が悪いようにそこにつっ立っていましたが、また運動場をもう一度見まわしました。

 それからぜんたいこの運動場は何間なんげんあるかというように、正門から玄関まで大またに歩数を数えながら歩きはじめました。一郎は急いで鉄棒をはねおりて嘉助とならんで、息をこらしてそれを見ていました。

 そのうち三郎は向こうの玄関の前まで行ってしまうと、こっちへ向いてしばらく暗算をするように少し首をまげて立っていました。

 みんなはやはりきろきろそっちを見ています。三郎は少し困ったように両手をうしろへ組むと向こう側の土手のほうへ職員室の前を通って歩きだしました。

 その時風がざあっと吹いて来て土手の草はざわざわ波になり、運動場のまん中でさあっと塵ちりがあがり、それが玄関の前まで行くと、きりきりとまわって小さなつむじ風になって、黄いろな塵は瓶びんをさかさまにしたような形になって屋根より高くのぼりました。

 すると嘉助が突然高く言いました。

「そうだ。やっぱりあい又三郎だぞ。あいづ何かするときっと風吹いてくるぞ。」

「うん。」一郎はどうだかわからないと思いながらもだまってそっちを見ていました。三郎はそんなことにはかまわず土手のほうへやはりすたすた歩いて行きます

 そのとき先生がいつものように呼び子をもって玄関を出て来たのです。

お早うございます。」小さな子どもらはみんな集まりました。

お早う。」先生はちらっと運動場を見まわしてから、「ではならんで。」と言いながらビルルッと笛を吹きました。

 みんなは集まってきてきのうのとおりきちんとならびました。三郎もきのう言われた所へちゃんと立っています

 先生はお日さまがまっ正面なのですこしまぶしそうにしながら号令をだんだんかけて、とうとうみんなは昇降口から教室はいりました。そして礼がすむと先生は、

「ではみなさんきょうから勉強をはじめましょう。みなさんはちゃんとお道具をもってきましたね。では一年生(と二年生)の人はお習字のお手本と硯すずりと紙を出して、二年生と四年生の人は算術帳と雑記帳と鉛筆を出して、五年生と六年生の人は国語の本を出してください。」

 さあするとあっちでもこっちでも大さわぎがはじまりました。中にも三郎のすぐ横の四年生の机の佐太郎が、いきなり手をのばして二年生のかよの鉛筆ひらりととってしまったのです。かよは佐太郎の妹でした。するとかよは、

「うわあ、兄あいな、木ペン取とてわかんないな。」と言いながら取り返そうとしますと佐太郎が、

「わあ、こいつおれのだなあ。」と言いながら鉛筆をふところの中へ入れて、あとはシナ人がおじぎするときのように両手を袖そでへ入れて、机へぴったり胸をくっつけました。するとかよは立って来て、

「兄あいな、兄なの木ペンはきのう小屋でなくしてしまったけなあ。よこせったら。」と言いながら一生けん命とり返そうとしましたが、どうしてももう佐太郎は机にくっついた大きな蟹かに化石みたいになっているので、とうとうかよは立ったまま口を大きくまげて泣きだしそうになりました。

 すると三郎は国語の本をちゃんと机にのせて困ったようにしてこれを見ていましたが、かよがとうとうぼろぼろ涙をこぼしたのを見ると、だまって右手に持っていた半分ばかりになった鉛筆を佐太郎の目の前の机に置きました。

 すると佐太郎はにわかに元気になって、むっくり起き上がりました。そして、

「くれる?」と三郎にききました。三郎はちょっとまごついたようでしたが覚悟したように、「うん。」と言いました。すると佐太郎はいきなりわらい出してふところの鉛筆をかよの小さな赤い手に持たせました。

 先生は向こうで一年の子の硯すずりに水をついでやったりしていましたし、嘉助は三郎の前ですから知りませんでしたが、一郎はこれをいちばんしろちゃんと見ていました。そしてまるでなんと言ったらいいかからない、変な気持ちがして歯をきりきり言わせました。

「では二年生のひとはお休みの前にならった引き算をもう一ぺん習ってみましょう。これを勘定してごらんなさい。」先生は黒板に25-12=の数式と書きました。二年生のこどもらはみんな一生

風の

どっどど どどうど どどうど どどう

青いくるみも吹きとばせ

すっぱいかりんも吹きとばせ

どっどど どどうど どどうど どどう

 谷川の岸に小さな学校がありました。

 教室はたった一つでしたが生徒は三年生がないだけで、あとは一年から六年までみんなありました。運動場もテニスコートのくらいでしたが、すぐうしろは栗くりの木のあるきれいな草の山でしたし、運動場のすみにはごぼごぼつめたい水を噴ふく岩穴もあったのです。

 さわやかな九月一日の朝でした。青ぞらで風がどうと鳴り、日光運動場いっぱいでした。黒い雪袴ゆきばかまをはいた二人の一年の子がどてをまわって運動場にはいって来て、まだほかにだれも来ていないのを見て、「ほう、おら一等だぞ。一等だぞ。」とかわるがわる叫びながら大よろこびで門をはいって来たのでしたが、ちょっと教室の中を見ますと、二人ふたりともまるでびっくりして棒立ちになり、それから顔を見合わせてぶるぶるふるえましたが、ひとりはとうとう泣き出してしまいました。というわけは、そのしんとした朝の教室なかにどこから来たのか、まるで顔も知らないおかしな赤い髪の子供がひとり、いちばん前の机にちゃんとすわっていたのです。そしてその机といったらまったくこの泣いた子の自分の机だったのです。

 もひとりの子ももう半分泣きかけていましたが、それでもむりやり目をりんと張って、そっちのほうをにらめていましたら、ちょうどそのとき川上から

「ちょうはあ かぐり ちょうはあ かぐり。」と高く叫ぶ声がして、それからまるで大きなからすのように、嘉助かすけがかばんをかかえてわらって運動場へかけて来ました。と思ったらすぐそのあとから太郎さたろうだの耕助こうすけだのどやどややってきました。

「なして泣いでら、うなかもたのが。」嘉助が泣かないこどもの肩をつかまえて言いました。するとその子もわあと泣いてしまいました。おかしいとおもってみんながあたりを見ると、教室の中にあの赤毛おかしな子がすまして、しゃんとすわっているのが目につきました。

 みんなはしんとなってしまいました。だんだんみんな女の子たちも集まって来ましたが、だれもなんとも言えませんでした。

 赤毛の子どもはいっこうこわがるふうもなくやっぱりちゃんとすわって、じっと黒板を見ています。すると六年生の一郎いちろうが来ました。一郎はまるでおとなのようにゆっくり大またにやってきて、みんなを見て、

「何なにした。」とききました。

 みんなははじめてがやがや声をたててその教室の中の変な子を指さしました。一郎はしばらくそっちを見ていましたが、やがて鞄かばんをしっかりかかえて、さっさと窓の下へ行きました。

 みんなもすっかり元気になってついて行きました。

「だれだ、時間にならないに教室はいってるのは。」一郎は窓へはいのぼって教室の中へ顔をつき出して言いました。

「お天気のいい時教室はいってるづど先生にうんとしからえるぞ。」窓の下の耕助が言いました。

しからえでもおら知らないよ。」嘉助が言いました。

「早ぐ出はって来こ、出はって来。」一郎が言いました。けれどもそのこどもはきょろきょろ室へやの中やみんなのほうを見るばかりで、やっぱりちゃんとひざに手をおいて腰掛けにすわっていました。

 ぜんたいその形からが実におかしいのでした。変てこなねずみいろのだぶだぶの上着を着て、白い半ずぼんをはいて、それに赤い革かわの半靴はんぐつをはいていたのです。

 それに顔といったらまるで熟したりんごのよう、ことに目はまん丸でまっくろなのでした。いっこう言葉が通じないようなので一郎も全く困ってしまいました。

あいづは外国人だな。」

学校はいるのだな。」みんなはがやがやがやがや言いました。ところが五年生の嘉助がいきなり、

「ああ三年生さはいるのだ。」と叫びましたので、

「ああそうだ。」と小さいこどもらは思いましたが、一郎はだまってくびをまげました。

 変なこどもはやはりきょろきょろこっちを見るだけ、きちんと腰掛けています

 そのとき風がどうと吹いて来て教室ガラス戸はみんながたがた鳴り、学校のうしろの山の萱かやや栗くりの木はみんな変に青じろくなってゆれ、教室のなかのこどもはなんだかにやっとわらってすこしうごいたようでした。

 すると嘉助がすぐ叫びました。

「ああわかった。あいつは風の又三郎またさぶろうだぞ。」

 そうだっとみんなもおもったときにわかにうしろのほうで五郎が、

「わあ、痛いぢゃあ。」と叫びました。

 みんなそっちへ振り向きますと、五郎が耕助に足のゆびをふまれて、まるでおこって耕助をなぐりつけていたのです。すると耕助もおこって、

「わあ、われ悪くてでひと撲はだいだなあ。」と言ってまた五郎をなぐろうとしました。

 五郎はまるで顔じゅう涙だらけにして耕助に組み付こうとしました。そこで一郎が間へはいって嘉助が耕助を押えてしまいました。

「わあい、けんかするなったら、先生ちゃん職員室に来てらぞ。」と一郎が言いながらまた教室のほうを見ましたら、一郎はにわかにまるでぽかんとしてしまいました。

 たったいままで教室にいたあの変な子が影もかたちもないのです。みんなもまるでせっかく友だちになった子うまが遠くへやられたよう、せっかく捕とった山雀やまがらに逃げられたように思いました。

 風がまたどうと吹いて来て窓ガラスをがたがた言わせ、うしろの山の萱かやをだんだん上流のほうへ青じろく波だてて行きました。

「わあ、うなだけんかしたんだがら又三郎いなぐなったな。」嘉助がおこって言いました。

 みんなもほんとうにそう思いました。五郎はじつに申しわけないと思って、足の痛いのも忘れてしょんぼり肩をすぼめて立ったのです。

「やっぱりあいつは風の又三郎だったな。」

二百十日で来たのだな。」

「靴くつはいでだたぞ。」

「服も着でだたぞ。」

「髪赤くておかしやづだったな。」

「ありゃありゃ、又三郎おれの机の上さ石かけ乗せでったぞ。」二年生の子が言いました。見るとその子の机の上にはきたない石かけが乗っていたのです。

「そうだ、ありゃ。あそごのガラスもぶっかしたぞ。」

「そだないでああいづあ休み前に嘉助石ぶっつけだのだな。」

「わあい。そだないであ。」と言っていたとき、これはまたなんというわけでしょう。先生玄関から出て来たのです。先生はぴかぴか光る呼び子を右手にもって、もう集まれのしたくをしているのでしたが、そのすぐうしろから、さっきの赤い髪の子が、まるで権現ごんげんさまの尾おっぱ持ちのようにすまし込んで、白いシャッポかぶって、先生についてすぱすぱとあるいて来たのです。

 みんなはしいんとなってしまいました。やっと一郎が「先生お早うございます。」と言いましたのでみんなもついて、

先生お早うございます。」と言っただけでした。

「みなさん。お早う。どなたも元気ですね。では並んで。」先生は呼び子をビルルと吹きました。それはすぐ谷の向こうの山へひびいてまたビルルルと低く戻もどってきました。

 すっかりやすみの前のとおりだとみんなが思いながら六年生は一人、五年生は七人、四年生は六人、一二年生は十二人、組ごとに一列に縦にならびました。

 二年は八人、一年生は四人前へならえをしてならんだのです。

 するとその間あのおかしな子は、何かおかしいのかおもしろいのか奥歯で横っちょに舌をかむようにして、じろじろみんなを見ながら先生のうしろに立っていたのです。すると先生は、高田たかださんこっちへおはいりなさいと言いながら五年生の列のところへ連れて行って、丈たけを嘉助とくらべてから嘉助とそのうしろのきよの間へ立たせました。

 みんなはふりかえってじっとそれを見ていました。

 先生はまた玄関の前に戻って、

「前へならえ。」と号令をかけました。

 みんなはもう一ぺん前へならえをしてすっかり列をつくりましたが、じつはあの変な子がどういうふうにしているのか見たくて、かわるがわるそっちをふりむいたり横目でにらんだりしたのでした。するとその子ちゃんと前へならえでもなんでも知ってるらしく平気で両腕を前へ出して、指さきを嘉助のせなかへやっと届くくらいにしていたものですから、嘉助はなんだかせなかがかゆく、くすぐったいというふうにもじもじしていました。

「直れ。」先生がまた号令をかけました。

一年から順に前へおい。」そこで一年生はあるき出し、まもなく二年生もあるき出してみんなの前をぐるっと通って、右手下駄箱げたばこのある入り口はいって行きました。四年生があるき出すとさっきの子も嘉助のあとへついて大威張りであるいて行きました。前へ行った子もときどきふりかえって見、あとの者もじっと見ていたのです。

 まもなくみんなははきもの下駄箱げたばこに入れて教室はいって、ちょうど外へならんだときのように組ごとに一列に机にすわりました。さっきの子もすまし込んで嘉助のうしろにすわりました。ところがもう大さわぎです。

「わあ、おらの机さ石かけはいってるぞ。」

「わあ、おらの机代わってるぞ。」

「キッコ、キッコ、うな通信簿持って来たが。おら忘れで来たぢゃあ。」

「わあい、さの、木ペン借せ、木ペン借せったら。」

「わあがない。ひとの雑記帳とってって。」

 そのとき先生はいって来ましたのでみんなもさわぎながらとにかく立ちあがり、一郎がいちばんしろで、

「礼。」と言いました。

 みんなはおじぎをする間はちょっとしんとなりましたが、それからまたがやがやがやがや言いました。

「しずかに、みなさん。しずかにするのです。」先生が言いました。

「しっ、悦治えつじ、やがましったら、嘉助え、喜きっこう。わあい。」と一郎がいちばんしろからまりさわぐものを一人ずつしかりました。

 みんなはしんとなりました。

 先生が言いました。

「みなさん、長い夏のお休みおもしろかったですね。みなさんは朝から水泳ぎもできたし、林の中で鷹たかにも負けないくらい高く叫んだり、またにいさんの草刈りについて上うえの野原へ行ったりしたでしょう。けれどももうきのうで休みは終わりました。これからは第二学期で秋です。むかしから秋はいちばんからだもこころもひきしまって、勉強のできる時だといってあるのです。ですから、みなさんもきょうからまたいっしょにしっかり勉強しましょう。それからこのお休みの間にみなさんのお友だちが一人ふえました。それはそこにいる高田さんです。そのかたのおとうさんはこんど会社のご用で上の野原の入り口へおいでになっていられるのです。高田さんはいままでは北海道学校におられたのですが、きょうからみなさんのお友だちになるのですから、みなさんは学校勉強ときも、また栗拾くりひろいや魚さかなとりに行くときも、高田さんをさそうようにしなければなりません。わかりましたか。わかった人は手をあげてごらんなさい。」

 すぐみんなは手をあげました。その高田とよばれた子も勢いよく手をあげましたので、ちょっと先生はわらいましたが、すぐ、

「わかりましたね、ではよし。」と言いましたので、みんなは火の消えたように一ぺんに手をおろしました。

 ところが嘉助がすぐ、

先生。」といってまた手をあげました。

はい。」先生は嘉助を指さしました。

高田さん名はなんて言うべな。」

高田三郎さぶろうさんです。」

「わあ、うまい、そりゃ、やっぱり又三郎だな。」嘉助はまるで手をたたいて机の中で踊るようにしましたので、大きなほうの子どもらはどっと笑いましたが、下の子どもらは何かこわいというふうにしいんとして三郎のほうを見ていたのです。

 先生はまた言いました。

「きょうはみなさんは通信簿宿題をもってくるのでしたね。持って来た人は机の上へ出してください。私がいま集めに行きますから。」

 みんなはばたばた鞄かばんをあけたりふろしきをといたりして、通信簿宿題を机の上に出しました。そして先生一年生のほうから順にそれを集めはじめました。そのときみんなはぎょっとしました。というわけはみんなのうしろのところにいつか一人の大人おとなが立っていたのです。その人は白いだぶだぶの麻服を着て黒いてかてかしたはんけちをネクタイの代わりに首に巻いて、手には白い扇をもって軽くじぶんの顔を扇あおぎながら少し笑ってみんなを見おろしていたのです。さあみんなはだんだんしいんとなって、まるで堅くなってしまいました。

 ところが先生別にその人を気にかけるふうもなく、順々に通信簿を集めて三郎の席まで行きますと、三郎は通信簿宿題帳もないかわりに両手をにぎりこぶしにして二つ机の上にのせていたのです。先生はだまってそこを通りすぎ、みんなのを集めてしまうとそれを両手でそろえながらまた教壇に戻りました。

「では宿題帳はこの次の土曜日に直して渡しまから、きょう持って来なかった人は、あしたきっと忘れないで持って来てください。それは悦治さんと勇治ゆうじさんと良作りょうさくさんとですね。ではきょうはここまでです。あしたかちゃんといつものとおりのしたくをしておいでなさい。それから四年生と六年生の人は、先生といっしょに教室のお掃除そうじをしましょう。ではここまで。」

 一郎が気をつけ、と言いみんなは一ぺんに立ちました。うしろ大人おとなも扇を下にさげて立ちました。

「礼。」先生もみんなも礼をしました。うしろ大人も軽く頭を下げました。それからずうっと下の組の子どもらは一目散に教室を飛び出しましたが、四年生の子どもらはまだもじもじしていました。

 すると三郎はさっきのだぶだぶの白い服の人のところへ行きました。先生も教壇をおりてその人のところへ行きました。

「いやどうもご苦労さまでございます。」その大人はていねいに先生に礼をしました。

「じきみんなとお友だちになりますから。」先生も礼を返しながら言いました。

「何ぶんどうかよろしくねがいいたします。それでは。」その人はまたていねいに礼をして目で三郎に合図すると、自分玄関のほうへまわって外へ出て待っていますと、三郎はみんなの見ている中を目をりんとはってだまって昇降口から出て行って追いつき、二人は運動場を通って川下のほうへ歩いて行きました。

 運動場を出るときの子はこっちをふりむいて、じっと学校やみんなのほうをにらむようにすると、またすたすた白服の大人おとなについて歩いて行きました。

先生、あの人は高田さんのとうさんですか。」一郎が箒ほうきをもちながら先生にききました。

「そうです。」

「なんの用で来たべ。」

「上の野原の入り口モリブデンという鉱石ができるので、それをだんだん掘るようにするためだそうです。」

「どこらあだりだべな。」

「私もまだよくわかりませんが、いつもみなさんが馬をつれて行くみちから、少し川下へ寄ったほうなようです。」

モリブデン何にするべな。」

「それは鉄とまぜたり、薬をつくったりするのだそうです。」

「そだら又三郎も掘るべが。」嘉助が言いました。

又三郎だない。高田三郎だぢゃ。」佐太郎が言いました。

又三郎又三郎だ。」嘉助が顔をまっ赤かにしてがん張りました。

「嘉助、うなも残ってらば掃除そうじしてすけろ。」一郎が言いました。

「わあい。やんたぢゃ。きょう四年生ど六年生だな。」

 嘉助は大急ぎで教室をはねだして逃げてしまいました。

 風がまた吹いて来て窓ガラスはまたがたがた鳴り、ぞうきんを入れたバケツにも小さな黒い波をたてました。

2021-03-18

なんでこんなにエヴァンゲリオン流行ってんの?

ガンダムみたいなロボットアニメで、本来女がすごい嫌うようなやつじゃん

おそらく「これは別格の作品」みたいに神格化されたから大量のにわかファン(女にはにわかが多い)に認められたんだろう。ガンダムの違いとしては。

にわかにわかを呼びブワアアって広まったんだろうな

2021-03-11

anond:20210311115719

ひろゆきはにわ知識を自信たっぷりに語るのが特技だから、話半分に聞いとくのが吉だぞ

2021-02-21

anond:20210221205918

自分知識量に自信がないんだろう

何にしても9割はにわかだから気にしないことだ

2021-02-10

マスクから鼻を出す老夫婦

昨日の事。買い物帰りにガラガラ電車で座っていたら、老夫婦が乗ってきて自分の正面の席に座った。

見ると2人とも揃ってマスクから鼻を出している

「なるほど、これがマスクから鼻を出す人間か」と思って凝視していると、婆さんの方が自分視線に気づいたのかマスクを引っ張り上げ鼻をしまった。

「ふーん、鼻はわざと出してるわけじゃなかったのか。つけてるうちにズレ落ちたんだな」と思って見ていると、爺さんも婆さんが鼻をしまったのに気づいてマスクを付け直した。

もしかしてマスクをつけると呼吸が苦しいから駅のホームとか外では鼻を出してマスクをしていたのかもな」と思ってしばらく見ていると、なんと、爺さんの方が一度しまった鼻を再びマスクから露出したのだ。

少し驚きはしたものの「ああ、爺さんは婆さんに合わせて仕方なくマスクしているってとこかな」と考え、目的地の確認のためGoogleマップを見ていると、今度は婆さんが動いた。

信じ難いことだが、爺さんが鼻マスクするのに合わせるように、婆さんも再びマスクから鼻を露出したのだ。何も言わず夫に合わせる様子はまさに旧態依然の女の姿。三歩下がって鼻を出す、とでも言うことだろうか……。

わたしはひどく混乱した。目の前の出来事はにわかに信じ難いことだった。かつてーーーまだくびれの無い腰にサスペンダースカートをさげていたーーー中学生のころ、みんなして靴下の長さまで周りと合わせようと必死だったことを思い出さずにはいられなかった。あの頃は、ヘアピンのさし方ひとつとっても人と違うことが許されなかったものだった。母に渡された柄入りの布マスクがどれほど嫌だったかことか。

爺さんと婆さん、いや、ジジイババアは鼻を出すにも出さないにもお揃いじゃなくちゃいけないのだろうか。

もう70を過ぎているだろう老人たちが、まるで13の子ものようにマスクを上げたり下げたりしている様はあまりに衝撃的であった。

しばらくして電車が止まり制服姿の学生たちがどっと乗り込んできた。その中には三つ子のようにお揃いのストレートヘアの女の子達もいた。今はお揃いの彼女たちも、10年後の同窓会では皆違った女性になるのだろう。周囲に合わせることに囚われるお年頃の彼女らが可哀想でもありどこか羨ましくもあった。

学生時代の友人とも、もうコロナで丸一年以上会えていない。白い不綿布のマスクの下小さく溜息をついた。

車内には西日が差していた。制服学生の群れの中に、帰宅するサラリーマンもちらほら増え始めていた。

鼻出しの老夫婦はお互い言葉を交わすでもなくじっと座っていた。

2020-11-29

彼との馴れ初め。

もう何年も前の事。

大学4年の春先ぐらいだったか、私には親しくしていた男性が2人いた。

仮にAとBとする。

Aはいわゆる陽キャ

いかにも大学生活を楽しんでいる感じだった。

私も遊んでいると陽キャの仲間入りをした気分になっていた。

Bはバイト先の先輩だった。

物腰が穏やかで、おっとりゆっくり仕事をするけど、趣味の話になると口数が増えた。

私も似たような趣味を持っていたので会話は弾んでいた。

ある日、Aと2人で飲みに行った日にAから告白されて付き合う事になった。

正直に言うとBにも好意を持たれている事は薄々勘づいてはいたけれど、見て見ぬふりをしていた。

Aとのお付き合いは……正直あまり楽しくなかった。

そもそも、私のような陰と彼のような陽の相性が良いわけなかった。

私は紛うことなオタクである

しかも腐った趣味を持ってから十数年と筋金入りだ。

見た目だけは気にして整えてはいるけど中身はただの陰キャである

彼は私の趣味にも理解を示そうとしてくれていた。

私の部屋にあった書籍類を見ても引かなかったし、

なんなら「これ知ってるキャラだ」とか言ってくれてた。

オススメの本貸してよー」とも言ってくれてた。

一緒に本屋さんに行った時の事である

漫画コーナーを見てると、彼が指を指して言うのである

「あ、これ知ってるやつだ」

「これも見たことある、〇〇だよね」

「あれもアニメになってた奴だよね」

オタクはにわかを嫌う生き物である

知ったかであるか否か。

エアプであるか否かを判断する能力がずば抜けている生き物である

証拠はなくても、何となく鼻につくのである

残念ながら彼のそれも例に漏れなかった。

正直かなりイラッとした。

理不尽まりないとは思うけど、その日から連絡を取る回数を極限まで減らした。

Aに対しモヤモヤしている間、Bの事を考えることが増えた。

Bだったら某ロボアニメの事を深いところまで話ができるのに。

Bだったら一緒にプラモとか作れるのに。

Bなら一緒にいて苛立つことはないのに。

Bに会いたいなぁ、と思うことが増えた。

あれ、私Bのことめっちゃ好きやん。

私はAにお別れを告げた。

Bの事好きだったのにAを弄んだ悪女である

本当に申し訳ないと思った。

Aとお付き合いをしている間、Bと連絡を取る

回数を減らしていた。

もちろんバイトシフトが被れば話はしていたが。

Aの話はしていなかったが、彼氏がいた事は気付いていたのかもしれない。

また、突然LINEの頻度が爆上がりした事で別れた事は察していたのかもしれない。

ある日。

シフトが被った際、公開中の映画の話になった。

Bは既にその映画を観ていたが、私はまだ観ていなかった。

「えーーーいいなぁ行きたい私も行きたい」みたいな感じでバタバタしていたら、

「あの、良かったら一緒に行きませんか」とお誘いが。

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!と思った。(古)

穏やかで如何にも奥手って感じのBからお誘いが来てめっちゃテンション上がった。

が、遠慮がちに「ええ、でも1回観てるんでしょう?いいんですか?」とか聞いた。

「もちろん。何回観ても面白い映画だと思うし」

ってBは穏やかに笑った。

正直なんかめっちゃ惚れた。

さてデート当日。

ファッションセンスは……って感じのBだが、

頑張ってお洒落して来たんだなぁって格好をして現れた。

似合っているかどうかはお茶を濁すとして、

試行錯誤してくれた事が分かってほんわかした。

何事もなく映画を見終わって、

ご飯を食べながら映画の話をして、

ぶらぶらとウィンドウショッピングをして。

夜、ドライブがてら海の見える公園まで来た。

浜辺まで歩いて出てきた。

ここまで穏やかにのほほんとお喋りをしてきた彼だが、

公園に着いた途端口数が激減した。

可愛い

汗を拭いたりしている。

可愛い

明らかに挙動不審である

物凄く可愛い

可愛いけど、ちょっと助け舟を出したくなった。

もしかしてなんですけど、何かお話があってデートに誘ってくれたんじゃないですか?」

「う……やっぱり分かりますよね」

はい、聞くまで私帰りませんよ」

彼はちょっと笑ってから

「好きです、付き合ってください」とお決まりフレーズを言った。

お決まりフレーズが嬉しくて爆発したので、

了承の返事とともに思わず抱きしめてキスしてしまった。

彼はめちゃくちゃ照れまくっていた。

どうやら初めてだったらしい。

ここから彼の初めてを奪いまくるのだが、割愛する。

というわけで、今年Bと入籍した。

来年挙式予定だけど、無事挙げれたらいいな。

未だに「初めて本気で好きになった人と結婚するとか2次元だけかと…」とか言うので今日も愛を囁いてきました。

おしまい

2020-11-25

彼との馴れ初め。

もう何年も前の事。

大学4年の春先ぐらいだったか、私には親しくしていた男性が2人いた。

仮にAとBとする。

Aはいわゆる陽キャ

いかにも大学生活を楽しんでいる感じだった。

私も遊んでいると陽キャの仲間入りをした気分になっていた。

Bはバイト先の先輩だった。

物腰が穏やかで、おっとりゆっくり仕事をするけど、趣味の話になると口数が増えた。

私も似たような趣味を持っていたので会話は弾んでいた。

ある日、Aと2人で飲みに行った日にAから告白されて付き合う事になった。

正直に言うとBにも好意を持たれている事は薄々勘づいてはいたけれど、見て見ぬふりをしていた。

Aとのお付き合いは……正直あまり楽しくなかった。

そもそも、私のような陰と彼のような陽の相性が良いわけなかった。

私は紛うことなオタクである

しかも腐った趣味を持ってから十数年と筋金入りだ。

見た目だけは気にして整えてはいるけど中身はただの陰キャである

彼は私の趣味にも理解を示そうとしてくれていた。

私の部屋にあった書籍類を見ても引かなかったし、

なんなら「これ知ってるキャラだ」とか言ってくれてた。

オススメの本貸してよー」とも言ってくれてた。

一緒に本屋さんに行った時の事である

漫画コーナーを見てると、彼が指を指して言うのである

「あ、これ知ってるやつだ」

「これも見たことある、〇〇だよね」

「あれもアニメになってた奴だよね」

オタクはにわかを嫌う生き物である

知ったかであるか否か。

エアプであるか否かを判断する能力がずば抜けている生き物である

証拠はなくても、何となく鼻につくのである

残念ながら彼のそれも例に漏れなかった。

正直かなりイラッとした。

理不尽まりないとは思うけど、その日から連絡を取る回数を極限まで減らした。

Aに対しモヤモヤしている間、Bの事を考えることが増えた。

Bだったら某ロボアニメの事を深いところまで話ができるのに。

Bだったら一緒にプラモとか作れるのに。

Bなら一緒にいて苛立つことはないのに。

Bに会いたいなぁ、と思うことが増えた。

あれ、私Bのことめっちゃ好きやん。

私はAにお別れを告げた。

Bの事好きだったのにAを弄んだ悪女である

本当に申し訳ないと思った。

Aとお付き合いをしている間、Bと連絡を取る

回数を減らしていた。

もちろんバイトシフトが被れば話はしていたが。

Aの話はしていなかったが、彼氏がいた事は気付いていたのかもしれない。

また、突然LINEの頻度が爆上がりした事で別れた事は察していたのかもしれない。

ある日。

シフトが被った際、公開中の映画の話になった。

Bは既にその映画を観ていたが、私はまだ観ていなかった。

「えーーーいいなぁ行きたい私も行きたい」みたいな感じでバタバタしていたら、

「あの、良かったら一緒に行きませんか」とお誘いが。

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!と思った。(古)

穏やかで如何にも奥手って感じのBからお誘いが来てめっちゃテンション上がった。

が、遠慮がちに「ええ、でも1回観てるんでしょう?いいんですか?」とか聞いた。

「もちろん。何回観ても面白い映画だと思うし」

ってBは穏やかに笑った。

正直なんかめっちゃ惚れた。

さてデート当日。

ファッションセンスは……って感じのBだが、

頑張ってお洒落して来たんだなぁって格好をして現れた。

似合っているかどうかはお茶を濁すとして、

試行錯誤してくれた事が分かってほんわかした。

何事もなく映画を見終わって、

ご飯を食べながら映画の話をして、

ぶらぶらとウィンドウショッピングをして。

夜、ドライブがてら海の見える公園まで来た。

浜辺まで歩いて出てきた。

ここまで穏やかにのほほんとお喋りをしてきた彼だが、

公園に着いた途端口数が激減した。

可愛い

汗を拭いたりしている。

可愛い

明らかに挙動不審である

物凄く可愛い

可愛いけど、ちょっと助け舟を出したくなった。

もしかしてなんですけど、何かお話があってデートに誘ってくれたんじゃないですか?」

「う……やっぱり分かりますよね」

はい、聞くまで私帰りませんよ」

彼はちょっと笑ってから

「好きです、付き合ってください」とお決まりフレーズを言った。

お決まりフレーズが嬉しくて爆発したので、

了承の返事とともに思わず抱きしめてキスしてしまった。

彼はめちゃくちゃ照れまくっていた。

どうやら初めてだったらしい。

ここから彼の初めてを奪いまくるのだが、割愛する。

というわけで、今年Bと入籍した。

来年挙式予定だけど、無事挙げれたらいいな。

未だに「初めて本気で好きになった人と結婚するとか2次元だけかと…」とか言うので今日も愛を囁いてきました。

おしまい

2020-10-05

anond:20201005110031

おっしゃる通り独身田舎住まいだが、

東京最低賃金1000円ちょっとだろ

1日8時間、月25日働いたとしても月収20ちょっとだぞ。

そのくらいで生活してる人間がいる以上、1000万クラス貯金も出来ないってのはにわかには信じがたい。

ググってみたら年収1000万円の手取り収入は大体7百ウン十万くらいだそう。

としたら月平均で60万はあるんじゃないか?50万との差額10万は丸々貯金に回せそうな気がするが…。

まあ子供がいる前提なら、玩具を買って与えたり遊びに連れてってやらないといかから、そういう意味では本人の遊びや贅沢をする余裕は無いのかもしれないな。

2020-09-20

時代遅れ飲食業界の実情と、悪魔経営者

はじめに

近年、ITの発展や働き方改革の促進によって、多くの労働者が昔よりも働きやすい・より効率的労働環境を手に入れている。

しかし、飲食業界、特に個人経営による従業員10名未満ほどの店ではにわかには信じがたい風習労働環境が残されている。

この記事では、飲食業界の人間ではない私が、飲食業界(レストランや、パティスリーケーキ屋さん)で働く友人から聞いた経験談を元に、飲食業界の「労働者使い潰し」問題について考えたことを記述したいと思う。

なお、私が友人から聞いた実例は高々10ほどの店での話であり、サンプリングバイアスが多少存在するかもしれないことに注意。

課題1:経営者が労働基準法について知らない・守る意識が皆無であること

私が友人の話を聞く中で特に問題であると感じたのが、経営者の意識だ。

世間一般(飲食業界以外)では当たり前のことが、飲食業界では行われていないことにびっくりする。

 ・月の労働時間はゆうに300時間(1日12時間 * 月25日以上) を超えるのが普通経営者はそれに対して課題意識を持っておらず、労働時間を1日8時間以内に納めようとしない。労働者を、月額支払いの使い放題労働力である勘違いしている。

 ・上記のような異常な長時間労働に対して残業代は支払われない。手取り20万未満というレベル

 ・契約内容を記す労働条件通知書などはない。つまり経営者の一存で雇用形態労働時間などが変更できてしま状態

 ・有給休暇存在しないか、取る文化がない。

 ・ハラスメント暴力が横行している。

こんな環境で働くことを想像していただけると、自分プライベート時間など皆無であることが容易にわかると思う。

経営者達は、周りの店もそうだから、などという意味のわからない理由労働基準法を破る行為はいい加減やめよう。

労働者労働時間を抑えるために、徹底的に効率化を検討しよう。そんなに長時間店を開ける必要があるか?そんなに多くのケーキを用意する必要があるか?

しかすると、労働基準法を守ってると店が潰れて労働者雇用を守れない、なんて馬鹿たことを言う経営者もいるだろう。そんな店はさっさと潰してよい。労働者人生を潰してまで自分利益を追求しようとするな。

人を雇う以上、労働基準法についてしっかりと勉強し、きちんと守っていただきたい。

課題2:劣悪な労働環境に置かれていても、声をあげる従業員が少ない

飲食で働く友人は、「飲食に入ってくる人は、予め環境が劣悪であるということが分かって入っているのだから文句は言えない。」とよく言う。

飲食業界を変えるためには、経営者の意識を変えることはもちろん、労働者から声をあげる・要求していくことが不可欠であると考える。

労働時間メモを取るなどして、しっかりと残業代請求をしていこう。有給休暇取得の権利を主張していこう。匿名でもいいから労基に相談しよう。労働条件の明文化要求しよう。

自分たちの労働環境いかに劣悪であるか、自覚しよう。経営者と戦おう。あなた達は奴隷ではない。

これから飲食業界に入ってくる後輩のためにも自分たちを守るためにも、声をあげよう・行動しよう

経営者達へ

労働基準法を守れない経営者は、果たして自分の店が、労働者人生犠牲にしてまで、法を犯してまで続けていく価値のある店なのか、一度自問していただきたい。

私としては、このような店はどんどん淘汰されていくべきだと考える。法を守って経営できない時点で、それは経営破綻だと言える。ビジネスモデルをしっかりと見直すべきだ。

あなた達がやっていることは、人間として最低の行為であり、マクロ視点で見れば、若者の貴重な時間を自らの利益のために使い潰し、国力さえ低下させていることをしっかりと自覚するべきだ。そして、飲食業界の未来をいわば前借りして、自分利益を追求する行為である

そして、一番恐ろしいのは、このように飲食業界に"育てられた"若者が、いずれ自分で店を開くときに、また課題1に挙げたような経営方法実践してしまいかねないことだ。

彼らにとっては、労働基準法無視することが当たり前になってしまい、負のループ世代を超えて継承されていってしまう。

終わりに

以上、違う業界から飲食業界を見たときの素直な感想でした。

飲食業界の未来と、現在犠牲になっている多くの若者のために、少しずつでも変わっていくことを心から願っています

コメント

声を上げるにしても、中の人自助努力に任せるのは相当厳しい。

おっしゃる通りです。飲食業界は経営者と労働者の間に圧倒的な権力差がありそうです。

からこそ、経営者の意識や、行政による強いリーダーシップを伴う指導必要であると考えます

雇われる側も、考え方レベルからでいいので変わっていくといいなと思います

2020-08-12

ゲリラ豪雨」という言葉が嫌い

集中豪雨かにわか雨で良かったでしょ。

アハーンあなたはにわか雨と聞いても危険性がピンと来ないようだから

豪雨ゲリラをくっ付けて分かりやすく、かつ印象的な言葉にして拡散やすくしてあげたんだ

アタシの考えた言葉はわっかりやすいでしょホラホラ

みたいな強い圧を感じる

2020-07-26

質問 IT業界プログラマー年収が200万円台なら、IT業界普通の人は損したかもしれないけど、プログラマーはにわもこないし、しあわせだったんじゃない?おまえら給料200万円でもプログラマーやりたい?おれはやりたい。たまたま給料が480だっただけ。

2020-06-15

anond:20200615015005

Abemaトーナメント面白いよ。俺も将棋はにわかだけど楽しく視聴してる。

ただ元増田で途中言及されてるBL目線棋士を見ているかのような発言ものすごく気持ち悪くて不快だった。

カップリングとかイチャイチャとかなんとかかんとか。男性同士なら性的消費することは許容されるの?正直よくわからない。その嗜好は咎めないが広く受け入れられて当然とは思わないでほしい

2020-06-01

anond:20200601201615

35歳以上だから、50、60の役員クラスばかりってことなんだろうか。それにしても平均70万はにわかには信じ難い。

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