はてなキーワード: 顔料とは
A.MRIは心臓ペースメーカーや人工内耳が入っている人は『絶対禁忌』ですが、入れ墨(タトゥー)は『相対禁忌(条件付きで検査可能)』です。
MRIは『大きく強力な磁場』であることから、高周波磁場による発熱作用があります。
タトゥーやアートメークの顔料に酸化鉄などの金属材料が使われている場合、撮影部位が照射コイル内にあると、ラジオ波発熱によるやけどの可能性があるので要注意です。
ただし施設基準によっては、単位重量あたりの熱吸収比であるSAR(Specific Absorption Rate)の低減や、スキャン時間の短縮などで対応することもあるようです。
2017/06/26
2016年12月20日、日本のテレビ東京系のテレビ番組「開運!なんでも探偵団」で「衝撃的なニュース」が報じられた。番組始まって以来最大の発見として、世界で4個目となる中国宋時代の陶器「曜変天目茶碗」が発見されたというのだ。番組の中で、日本の著名な美術鑑定家の中島誠之助氏は、「12~13世紀の中国南宋時代に福建省の建窯で焼かれた『曜変天目』に間違いない」と述べ、2500万円の価値があるとした。
「曜変天目茶碗」は中国の宋時代に作られ、その窯は建窯と呼ばれた(歴史的には建陽窯とも呼ばれる)。現在の福建省南平市建陽区水吉鎮にある。この茶碗は釉薬が焼成の過程で流れ落ちて厚く溜まり、一部は凝集して滴を作る。この滴の周囲で特殊な窯変反応が起き、七色に輝く光彩を生じる。その輝きはまるで夢幻かあるいは変化する気象のようで、色鮮やかな霞をまとっており、神秘の小宇宙に輝く星空のようだ。この種の茶碗が焼けるのは極めてまれな偶然によるもので、一説には窯変過程でこのような効果が生じるのは数百万個に一個ほどと言われる。現在世界に存在する完全な「曜変天目茶碗」はわずか3個で、東京の静嘉堂文庫、京都の大徳寺龍光院、大阪の藤田美術館が所蔵し、すべて日本の「国宝」に指定されている。中国には現在「曜変天目茶碗」の陶片が1点あるのみだ。
天目茶碗は宋代に制作され、その生産は元時代の初期まで続いたが、以後は二度と作られていない。中国では明や清の時代に曜変の再現が試みられたが成功しなかった。日本では江戸時代から再現が試みられており、美濃や瀬戸で「白天目」などは生産されたものの、「曜変天目茶碗」の再現には至らなかった。1974年、日本の化学者安藤堅は48歳で、それまで定収入が得られていた仕事を辞め、高級住宅も売却して「曜変天目茶碗」を再現するための研究を始めた。彼は貧困の中で困難な研究を続け、ついに1977年に古代の「曜変天目茶碗」に似た最初の作品を焼くことに成功した。安藤に続いて、日本の陶芸家の林恭助、桶谷寧、長江惣吉や中国の人間国宝(国家級非物質文化遺産建窯代表性伝承人)である孫建興らが曜変に似た作品を作っている。
番組の放送後、徳島県教育委員会はこの茶碗を県文化財に指定するための調査を計画した。
しかしここで、日本の陶芸家や専門の研究者から「曜変天目茶碗である」という番組の鑑定に対して疑問が投げかけられた。愛知県で古くからの窯が多い瀬戸市に住む陶芸家の長江惣吉氏は家業の陶工を継ぐ9代目で、父親の曜変天目研究を継承している。彼は父の業績を引き継ぎ、「曜変天目茶碗」の再現に一定の成功を収めた。1996年以来、中国を28回も訪れて建窯の研究を行っている。中国では中国科学院上海珪酸塩研究所と連携して陶磁器の国際研究会にも参加し、中国の陶磁専門家に友人も多い。中国古陶磁の再現についても意見交換を行っている。その長江氏が番組に異議を唱えたのだ。彼はインターネットで、福建省周辺で作られた「曜変天目茶碗」の複製品を購入し、これが番組の認定した「曜変天目」と出所が同じだと考えている。
「この茶碗には顔料(スピネル顔料)が使われています。この顔料はヨーロッパで18世紀に発明されたもので、曜変天目が作られた宋代(12~13世紀)には存在しません。ですから、こういった顔料が宋代の茶碗に使われることはありえません。この顔料の主な成分は、化学的に製造されたコバルト、クロム、セレン、カドミウムです。これらの元素が多く含まれていれば、例の茶碗を分析すれば各々の顔料部分からこれらを検出できるはずです。これらの元素は完全に天然原料から作られた当時の建盞には全く含まれません。仮にこれらの元素が天然原料に不純物として含まれていたとしても、その量は 0.01% 程度にしかなりません」
「曜変の光彩はオパールのように、見る角度が変わると光彩も変化します。非常に美しく、人を魅了するものです」
「いわゆる「曜変」という言葉の意味は、輝きが変化するということです。(長江氏がネットで購入した茶碗を示しながら)しかしこの茶碗は、単に青・緑・赤の顔料が発色しているだけです。この種の茶碗の場合、釉薬の成分(リン酸)の関係で、顔料釉と白濁釉にわずかな光彩が出るのみです。曜変の明るい光彩とは比べ物になりません。私がネットで買った茶碗を番組の茶碗と比べると、赤色の内側部分がよりはっきりしていて白い部分はありませんが、これは顔料で描くときの方法の違いや白濁釉と顔料の濃淡の違いによるもので、実際のところはどちらも同じですよね?」
長江さんは後で筆者に述べた。
「あの茶碗は中国の福建ではどこでも見られる商品です。「曜変天目茶碗」に似ていると言う人もいるかもしれませんが、これは偽物として作られた物ではなくただの商品で、非常に安い値段で売られています。番組の中でテレビ東京はあの茶碗を宋代に作られた「曜変天目茶碗」だと説明しましたが、これは「鹿を指して馬だと言う」ようなものでしかありません。」
中国陶磁史と中国陶磁考古学の分野で世界的な影響を持つ権威である沖縄県立芸術大学教授の森達也氏も、筆者の取材に対してこう述べた。
筆者がその理由を尋ねると、森達也氏は以下のように述べた。
「1. 日本国内には3個の「曜変天目茶碗」があります。私は杭州で出土した「曜変天目茶碗」の破片も手に取って見たことがあります。「曜変天目茶碗」の外側にはテレビ東京の番組の茶碗のようなはっきりした模様はありません。
2. テレビ東京の番組の茶碗に見られる模様は雲のようですが、これは曜変天目の模様とは全く異なります。本物の「曜変天目茶碗」の模様は白くて丸い斑紋で、その周囲には虹のような色鮮やかな光芒が出ています。
3. テレビ東京の番組で鑑定された「曜変天目茶碗」には、茶碗の底に「供御」という二文字があります。確かに建窯の窯跡では「供御」と書かれた陶片が見つかっていますが、割れていない完全な陶磁器でこの二文字が刻まれたものは世界中で一つも見つかっていません。模倣品でこの二文字を刻んだものは数多く存在します。テレビ東京の茶碗は本物の「曜変天目茶碗」とは全く異なるものですが、最近中国で流行している模倣品とは非常によく似ています。」
「テレビ番組としては劇場的な効果さえあればよく、科学的な研究は要らないのです。あの茶碗が日本の3点の国宝と同じであるなどというのはナンセンスな話ですが、陶磁器科学の研究を行っている人々からすればこれは非常に残念なことです。」
この論争は中国にも広がっている。中華陶磁芸術設計大師の資格を持ち、国家級非物質文化遺産建窯代表性伝承人(日本の人間国宝に相当する)でもある建窯陶磁研究所所長の孫建興氏は、「曜変天目茶碗」を再現し建窯を再び曜変の産地とする事業に40年にわたって取り組んでいる。彼はこれまでに黒釉の天目茶碗や黄(赤・青・金・銀)などの兎毫盞、異毫盞、虹彩(金縷、白点)、鷓鴣斑、鐵銹斑、毫変、国宝油滴、金(銀、虹彩)油滴、黄天目、蓼冷汁、灰被、玳瑁、柿紅、虹彩、金(銀)彩文字、木葉、窯変、曜変天目などの一連の作品を作ってきた。彼が長江惣吉氏に送ったメールで、彼は述べている。
「これは曜変の偽物で、現代に焼かれたものです」
筆者も電話で孫氏と長時間話をした。彼は筆者にこのように述べた。
「テレビ東京で放送された茶碗はせいぜい数年前に作られたものです。」
新聞や雑誌で真贋論争が過熱した後、この「曜変天目茶碗」の所有者は茶碗を奈良大学文学部文化財学科教授の魚島純一氏に渡し、分析を依頼した。魚島教授は蛍光X線装置を用いて茶碗表面の色の部分を分析した。
魚島教授は物質に含まれている元素を検出できる蛍光X線分析装置で、茶碗表面の各色にX線を照射して元素の種類と量を測定した。その結果、アルミニウムなど10種類の元素を検出したが、化学顔料に使われる元素については発色に影響しないほどわずかな量しか検出されなかった。
魚島教授は述べている。
「X線分析の結果、表面のどの色の部分かによらず、検出成分はほぼ同じであった。このことから、茶碗に使われている釉薬は1種類であると考えられ、この分析結果からは茶碗が偽物であることは断定できない。」(《德島新聞》,2017年2月28日)
一方、長江氏は筆者に対して次のように述べた。
「魚島教授は、釉薬の発色に影響するだけの量が検出されなかったため、判断ができないと言っている。であれば、魚島氏は最低限どれだけの量が含まれていれば発色に影響するのかを具体的に言った上で、分析の結果その最低量を下回っていたことを示さなければならない。しかし、魚島教授のデータには下限値の数値も書かれていないし、彼が分析で得た数値も書かれていない。よって彼の判断には根拠がない。」
日本の複数のメディアの報道によれば、その後、茶碗の所有者から茶碗についての資料が提供されないため、徳島県は文化財指定のための調査を中止した。
私自身、「開運!なんでも鑑定団」は好きな番組だ。自分も中国の古陶磁を蒐集しており、骨董の鑑定について10年近く独学で学んでいる。浅学ながら陶磁器の本や文章なども執筆してきた。私は中島誠之助さんの陶磁器鑑定、特に日本の陶磁器鑑定については相当の経験をお持ちで深い造詣を有していると思っている。
だが、中島さんと彼の鑑定についてはともかく一般論として、一人の鑑定士の鑑定範囲が日本だけでなく海外をもカバーして、なおかつ正確であることを求められるというのは、鑑定士にとっては間違いなく一種の冒険と言ってよい。陶磁器は全世界に存在し、最古の陶器は数万年以上の歴史を持っている。一人の鑑定家が古今東西全てについて完全に判定できて一度も間違えないなどということが可能だろうか? 一度間違えればその後も間違いの危険は存在するのだ。
「荘子」で述べられているように、「吾が生や涯(かぎり)有り、而(しか)も知や涯無し。涯有るを以て涯無きに随(したが)うは、殆(あやう)きのみ」(我々の人生は有限である。しかし人間の知は無限だ。有言の身で無限のことを追い求めるのは危うい)なのだ。
このことは、最も権威ある陶磁器研究者であっても忘れてしまうことがある。例えば、1959年、国際的に知られた陶磁研究の専門家で日本陶磁研究の第一人者でもあり、当時日本の文部省の技官として文化財専門審査会委員を務めた小山富士夫氏が、「永仁の壺」と呼ばれた陶器を日本の重要文化財に指定するよう強く推薦したことがあった。これを受けて同年6月27日、文部省は「永仁の壺」を鎌倉時代の古瀬戸作品であるとして重要文化財に指定した。
その後、日本の有名な陶芸家であった加藤唐九郎が海外に渡航した際に、唐九郎の息子である加藤嶺男が「いわゆる「永仁の壺」は自分が作った」と述べた。唐九郎の帰国後、彼はメディアが大騒動になっているのを目の当たりにした。1960年9月23日、唐九郎は「永仁の壺」は1937年に自分が作ったものであることを認めた。(真の作者が誰であったのかについては異なる見解がある。)「永仁の壺」が本物である証拠は、古瀬戸の「松留窯」で発見された陶片が「永仁の壺」の胎釉と一致するという点にあったが、実は「松留窯」自体が加藤唐九郎による捏造で、陶片も彼が偽造したものだった。
このようにして、「永仁の壺」を含む重要文化財3点が指定取り消しとなり、小山富士夫は委員会を辞職した。ゆえに、賢明な鑑定家は誰であれ、古物の鑑定には、異議の申し立てが容易に行えるように、議論の余地を残しておかねばならないのだ。
私は中島氏の鑑定が間違っていたと言っているのではない。第一に、私はこの分野の専門家ではない。この件で私が真贋を判断するのは無意味だ。第二に、厳密にいえば、文物の鑑定とは考古学、歴史学、美学、自然科学にわたる総合的な学問である。全面的に、かつ正確に古代の文物の年代を特定・鑑定する厳密な科学的方法は存在しない。言い換えれば、こういった議論で100%の是非を決める結論を得るのは難しい。
筆者は言いたい:このような重大な鑑定では、もっと広く意見を求めるべきだったのではないか?
確かにテレビ番組では、科学研究の場合のように「この品物が疑わしい」と言うのは難しいことだ。しかし、結論を出すのが難しい文物、特に「鑑定団史上最大の発見」といった結論や、「現存4個目の中国宋代の陶器「曜変天目茶碗」」のような鑑定については、中国建窯の専門家と日本の権威ある専門家の意見を求めるべきではないだろうか。筆者はテレビ東京の番組担当者に、この論争についての意見を求めて何度も電話をかけ、メールを送った。しかしこの原稿を執筆している時点では、彼らからの返答はない。「週刊ポスト」の報道によれば、この件についてのテレビ東京の見解は以下の通りだ。「鑑定は番組独自の見解であり、お答えすることはございません」(《週刊ポスト》,2017年6月23日,146頁)
だが、もしもっと広く意見を集めることができたら、例えば中国で初めて建窯の陶磁器の再現に成功した前述の孫建興氏のような専門家の意見を求めてはどうだろうか? 彼の「曜変天目」に関する研究と実験は非常に深いものだ。彼は考古学、鑑定、科学実験の各方面に非常に造詣が深い。こういった人々の意見には重みがあると言えないだろうか。もしテレビ東京がこのような人々にもっと意見を求めるようにすれば、論争は減るのではないか?
もう一つの問題は、文物の鑑定に自然科学が介入するという話だ。実際、今のところ文物を科学的に鑑定する完璧な方法というのは存在しない。多くの人が挙げる放射性炭素年代測定法は、自然界に存在する炭素14という同位元素を使ってもともと生きていた動植物の年齢を決める放射年代測定法だ。動植物が生きている間は生物の新陳代謝によって生体内の炭素14の量は一定に保たれる。生物が死ぬと体内の炭素14は崩壊して減り続ける。だが磁器・陶器・青銅器などは無機物だ。しかも時代の古い文物の場合、炭素14年代測定では年代の上下の誤差が大きい。一方で、1000年から2000年前という比較的新しい歴史的文物の場合、基本的には炭素14鑑定は使えない。
また、熱ルミネッセンス法と呼ばれる鑑定方法もある。陶磁器が焼かれるときに500℃以上に加熱されると、外部から吸収した輻射エネルギーが放出される。その後、焼成から年月が経つと、年月の長さに応じた量の輻射エネルギーを再吸収していく。熱ルミネッセンス法の原理は、古陶磁の内部に蓄えられているこの輻射エネルギーの量を計ることで年代を測定するものだ。誤差範囲は一般的に±20%程度で、相対的には正確な方だ。
しかしこのような報道もある。
「数年前、北京の二つの有名な博物館がそれぞれ六朝時代の陶器を古物市場で20万元で購入したが、後にそれらがすべて贋作であることが判明した。これらの品は河南省の某博物館の下で作られたアンティーク工芸品であったが、なぜこれらが北京の潘家園旧貨市場に流れたのかは分かっていない。ある古物の専門家が古物市場を訪れ、そこで売られている品物を熱ルミネッセンス法で調べると、約1600年前という測定結果が出た。そこで誰もがそこの品物を買った。買われたことが知られると、同じような品物が古物市場にどんどん出現した。そこで国家文物局がすぐに公安部に通報した。公安部の担当者は、「墓が荒らされて大量の遺物が盗まれる事件が発生している」と説明した。警察が現地に到着すると、地元の住民が自宅で贋作を作る作業をしているのを発見したという。彼らは六朝時代の墳墓から盗掘したレンガを削って粉にしていた。この粉を贋作に使えば、熱ルミネッセンス法にかけても墳墓の中で長年溜め込んだ輻射を出すので贋作を判別できなくなる。また彼らは、こうして作った粉で六朝陶器を偽造するための特別な装置も使っていた。このようにして、熱ルミネッセンス法での検査は失敗してしまうのだ。」 (《鑒定家VS造假者》,新華網,2005年03月15日)
魚島教授が蛍光X線分析を用いた点に関して、森達也教授は私に述べた。
筆者は魚島教授にも、蛍光X線検査について質問を行った。彼は言う。
「私はあくまでも顔料部分の元素を調べる目的でこの装置を用いました。私が調査結果を発表した際に、茶碗が偽物であると考える人たちから非難を受けましたが、私は真贋鑑定をしたわけではありません。」
筆者:
―― それはつまり、あなたの検証結果は、この茶碗には18世紀以降の顔料は使われていない、ということですよね。
魚島教授:
「それは新聞がいい加減に書いていることです。私は18世紀以降云々といったことは言っていません。私はただ、現代のものと考えられるような種類の顔料は検出されなかった、と言っているだけです。」
筆者:
―― 言い換えれば、18世紀以降に発明された化学顔料は使われていなかった、ということですよね?
魚島教授:
「これらの顔料が使われているから茶碗は偽物なのだと主張する人々もいますが、私はただ、そのような顔料は検出されなかった、と言っているだけです。私は陶磁器鑑定の専門家ではありません。あの茶碗が偽物だと主張する人々は、化学顔料の元素が茶碗に含まれているはずだ、と言っています。私は単に、その元素があの茶碗に本当にあるかないかだけを調べたのです。どの時代に作られたものか、という調査をしたのではありません。ただ、あなた方が言っているような元素はありませんでした、と言っただけです。」
筆者は質問した。
―― 例えば、もちろんこれは(例の茶碗のことではなく)仮定の話ですが、誰か現代の人間が、今回指摘されたような元素を含む現代の化学顔料ではなく、昔の顔料を使って茶碗を作ったとしたら、あなたの検証方法では今回と同じような結果が出ますか?
魚島教授:
「その可能性はあります。」
しかしながら、中国では古代の陶磁器を偽造または模造する際に化学釉薬を使うことは多くない。中国の多くの地方には陶磁器の偽造工房があり、こうした工房の多くには専門技術を持った人間がいるわけではない。地元の農民が、数千年間にわたって埋まっていた陶土を掘り出し、古代の方法で焼いているのだ。匿名で語ってくれた、中国で著名な建窯の研究家や考古学者、鑑定家たちが筆者に述べたところでは、現在中国には建窯産品のコピー品工房が1600以上存在する。その多くは偽造品を作りたいわけではなく、単にアンティーク風の品や旅行土産を製造するのが目的だ。もちろん中には偽造品の製造を目的とする人々もいるが、偽造品の製造方法はどこにでもあるような手法だ。科学的な鑑定が困難になるように、古い器の底の部分だけを新しい器に接合したり、古い胎土に新しい釉薬を使ったり、古い胎土に古い釉薬を使ったり、その他いろいろな方法を使っている。
このことは、古物鑑定が文化や歴史年代、改竄や継承といった問題と関わっていることを示している。加えて社会的な影響や国際的な影響も大きい。今回の鑑定やテレビ東京の件は別にしても、日本の博物館や歴史研究部門では、中国の文物を鑑定する際に同じような問題に直面しているはずだ。それゆえ、重大な結論に至るような場合には、我々は注意深くなる必要があり、広く意見を求めるべきなのだ。
張石 略歴:
1985年、中国東北師範大学外国語言文学系研究所卒業、修士号を取得。1988年から1992年まで、中国社会科学院日本研究所助手研究員、 Permalink | 記事への反応(0) | 00:35
豊田市美術館に行ってまいりましたわ。
平日なのにすごいお客様で驚きました。大半がお年寄りでしたわ。
敷地の端に建っている櫓をみて盛んに「城」とおっしゃっているのを耳にして、
天守どころか櫓でも城とイコールにされてしまうのだと世間の感覚を思い知りました。
ここのものは七州城の復元櫓ですが、あのような認識の方が多いのでは
そのままの配置で展示されています。
恥じらいもなく大量の群青と緑青を使った波濤の絵は圧巻です。
全体的に薄暗くなっていたのは、顔料が繊細な日本画の保存のためだと
思われますの。
また抽象の力展も同時開催されており、
頭の良い監修者がうまく説明されていました。
なにせミュージアムショップでカタログが売り切れているというのですから、
コンクリートの容器に、コンクリートの破片を詰めた高松次郎の作品
わからないものでもヒルマ・アフ・クリントの初期抽象作品はなんとなく
好きになれました。
いちばん分かりやすかった抽象芸術はコンスタンティン・ブランクーシの
こんな破廉恥な展示が許されるのかしらと作品の前でどぎまぎしてしまいましたわ。
対応しそうな作品としてルーチョ・フォンターナのピンクに塗りたくったキャンバスに
赤い縦の貫通穴をほどこした作品もありましたけど、
コンスタンティン・ブランクーシのせいで、そういう目になっていただけかもしれません。
恐ろしげな世界をあじわえました。
ファイナルファンタジーの初期イラストを描かれた天野先生の作品に
少し印象が似通っています。
小嶋悠司作品は抽象の力にあった、熊谷守一の作品「轢死体」とならんで
SAN値を下げてくださいました。
再入場できない東山魁夷作品を最後に見るべきでしたわ・・・・・・
なんでも鑑定団で国宝級の曜変天目だと鑑定した問題について、ネットのまとめサイトなどのコメントが九代目長江惣吉に対する誹謗中傷であふれている
それが単に理路整然とした批判なら何の問題もないけど、意味不明なコメントばっかりだ
気持ち悪いと思うほど批判がひどいので自分なりの考えを書こうと思う
③奈良大が科学的に鑑定した結果、単一の釉薬であり化学顔料は検出されなかった
翻訳:曜変天目の第一人者である俺様を無視して番組を作ったのが許せない
嫉妬しすぎ
陶芸マニア()公共の場で責任持って鑑定士てる人間に何を言うか
自称専門家の長江惣吉さん(54)って自分では何もしないなテレビ見て文句言うだけ
引っ込みがつかなくなった感
この人、自分で自分の格下げて何したいのかな。私は盲目ですいうてるようなもんです。
番組の最後に「番組の見解であり…真偽のほどはわかりません」みたいなテロップなかったっけ?そこまで必死になって模倣品にしたいのは何故?
現存3つしかないのに、それの専門家って?しかも再現できてないし。万が一似たようなものが再現できたら、それって模倣品って鑑定にならない?
九代目っていうところが怪しい
もし本物だったらこの方、今の商売は辞められるんですよね。男が一度言ったんだ、その覚悟で訴えてもらわないと。
事の始まりは曜変天目が出品された際は(自称)第一人者である自分に鑑定団としてのオファーがあると奢ってた部分だろ、自分を蚊帳の外でやられた事への不満がこういう行動に動かした。
そのまとめサイト↓
http://arutopi.net/archives/655
http://topic-intro.net/?p=2448
上記のサイトは意図的に批判的なコメントを多く掲載しているようにも思える
ただ、ネット上にはこういった意見ばかりではなく、偽物だとする意見も多いことをことわっておく
③陶芸家より鑑定士のほうが見る目がある
というのも長江は親の代から「完全」再現を目指して取り組んでいる
https://www.youtube.com/watch?v=FY_2FHh6wrY
彼の作品も「完全」ではないが光沢に関してなどかなり再現が進んでいることが容易にわかる
少なくとも曜変天目に関しては中島よりスペシャリストであることは間違いない
③についても同様である
彼や専門家はただ再現するだけではなく本物の茶碗の調査なども行っている
自分も中島先生の鑑定やしゃべりが好きだし、長江が間違っていたとしてもやめる必要などない
⑤アホ
日本語わかる?
「明らかに」贋作だと判断したからこそテレビ越しに批判したんでしょ
ネットでは中島はものすごい鑑定家であり、骨董全般の知識がすごいという扱いを受けている(実際そうかもしれないが)
だから絶対に間違いがないとでも言いたいのだろうかしらないが、間違いもあるかもしれない
骨董も分野がすごく広いのですべての骨董品について詳しく知っているとは限らないと思うのが普通ではないだろうか
そもそも天目茶碗というのがあってその中でもある条件を満たしたものだけが曜変天目と呼ばれている
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9B%9C%E5%A4%89%E5%A4%A9%E7%9B%AE%E8%8C%B6%E7%A2%97
国宝なら何億円、何百億もするはず
孫建興や謝道華といった中国の研究者も偽物であると主張している
⑤「国宝級かどうか」「曜変天目かどうか」「本物か贋作かどうか」は別である
どういうわけか「本物か偽物か」ということばかりに論点が行ってしまうが
そもそも(本物の)天目茶碗のうち、特に優れているものを曜変天目と呼ぶのであれば、本物の天目茶碗という可能性だってあるのではないだろうか
⑥鑑定の結果は偽物か本物かということとは直接関係ない
考えつくもので、
②なんでも鑑定団およびテレ東がいわゆる愛されている番組・テレビ局であること
④上記による中島の鑑定に間違いはないという思い
⑤本物としたい人による工作
⑥いたずらによるコメント
というのがあげられるのではないだろうか
言いたいことはこの茶碗が本物かどうかとかそういうことではない
たとえ、長江が間違っていても中島が間違っていたとしても、だれも彼らを叩く必要など全くない
参考までに
https://matome.naver.jp/odai/2148611572478652601
②普通の天目茶碗
④わからない
ちなみに僕は②の普通の天目茶碗ではないかなと思います(素人目ですが)
だからこと贋作との批判でごたごたしているのではないでしょうか?
どのみち、いつかは決着がつくので楽しみですね
現在でも化学顔料を用いずに同様のものを作成することは可能。あくまで「18世紀以降に普及した化学顔料を用いていない」ということのみの裏付け。
化学顔料を用いずに曜変、油滴、禾目に近似した構造色を発生させる手法は既に確立済み。長江惣吉氏の手法も化学顔料は用いていない(はず)。
後述する評価可能性を全てすっ飛ばして「国宝級の曜変天目」とぶち上げた当該テレビ番組関係者と実物も見ずに「化学顔料を用いた現代の模造品」と決めつけた長江惣吉氏。
現在でも化学顔料を用いずに同様のものを作成することは可能。あくまで「18世紀以降に普及した化学顔料を用いていない」ということのみの裏付け。
化学顔料を用いずに曜変、油滴、禾目に近似した構造色を発生させる手法は既に確立済み。長江惣吉氏の手法も化学顔料は用いていない(はず)。
後述する評価可能性を全てすっ飛ばして「国宝級の曜変天目」とぶち上げた当該テレビ番組関係者と実物も見ずに「化学顔料を用いた現代の模造品」と決めつけた長江惣吉氏。
デジタル塗りのような均一な塗りが可能なうえに、デジタル塗りのようなグラデーションも作れる。
正しくは、塗るのではなく摺るということが大きく影響する。
擦り重ねでわかったと思うけど、浮世絵の場合、赤の上に青を摺ることで、紫になるし、黄色の上に青を摺ることで緑になる。
赤の上に青を重ねれば青、黄色の上に青を重ねても青。
しかし、版画になると違う。
"ばれん"という道具に秘密があり、不透明なはずのポスターカラーを使って同じことをしても、かなり同じように透明な性質が再現される。
小学校で使う偽物なんかじゃなく、本物のばれんの話だ。
ヨーロッパ人が「こんな青色みたことねぇ!絵具なに使ってんだ!?」
とビックリしたのは、ヨーロッパで発明された顔料、プルシャンブルーでしたというのは、有名な話。
ところで、本物の"ばれん"って、一枚7万とか10万とかするんだぜ?信じられるか?見た目はただの鍋敷きなのに。
均一な塗り、均一なグラデーション、レイヤーの乗算、言ってみればイラレに近い。
「君の名は」よろしく、空気や風、雨、空、水、そういう形のないものを積極的に絵の中心にもってこようとしたのもそのころの浮世絵が元祖だね。
人物が主で背景が従ではなくて、まったく逆に雨が主で、人物は従、空が主で人物は従、そういう絵がわんさと発明された。
北斎という努力型の超人と、広重という天才の働きは大きいことは認めるが、デジタル塗りに近い木版画の特性によるものが大きいと俺は思う。
ググると革の栄養だの呼吸だの疲労だのエセ科学っぽい言葉が沢山並んでいるが大別すると革靴に塗るものは5種類。
油脂:保革油とも。革を柔らかくし、水分を保つ。塗りすぎると細かなひび割れの原因になるらしい。
顔料:色を付ける。黒なら黒を使うが、茶色など他の色の場合は革の色よりも少し薄目のモノを使う。
蜜蝋:革の表面に蝋で保護膜を作り、革本体を保護する。もしくは革の表面のでこぼこを蝋で埋め、なだらかにすることで鏡面磨きや傷の補修を行う。
それらの要素を複合した商品を革に塗る。
オイル:ミンクオイルなど。油そのものだが、ワセリンを多く含んでいるらしい。
乳化性クリーム:油と顔料。油性ワックスより水気がある。絵の具のよう。
デリケートクリーム:乳化性クリームより水分が多く、蝋が少ない、もしくは全く含まない。その名の通りデリケートな革に剥いている。
つまりオイル、乳化性クリーム、デリケートクリームを塗るだけで良い
使用によって汚れが付着したり、油が劣化すると皮を痛めるので半年に一回くらいはリムーバーやシャンプーで掃除する。
【油性】
・ゼブラフォルティア300、ゼブラスタイラスC1、ぺんてるe-ball、※OHTO B・pocket、※OHTO 木軸ボールペン、パイロットスーパーノック、パイロット2+1LIGHT、パイロット4+1LIGHT、ロケット柄のボールペン3本、※デルフォニクス木軸ボールペン
【新油性】
・ゼブラスラリシャーボ2000、スラリ4色、ジェットストリーム(0.38黒、0.5黒赤、0.7黒)、ジェスト3色(0.7)、ジェスト2&1(0.7)、ジェスト4&1(0.7)、ピュアモルト4&1(ジェスト0.5)
・PILOTVペン(黒)、ペチット(青)、PILOT習字ペン(ブルーブラック)、プラチナ万年筆プレピー(02ブルーブラック、03ブルーブラック・黒、05黒)、プラチナデスクペン(黒)、ぺんてるトラディオ
【水性】
・※PILOTハイテックポイントV5(黒)、Vコーン(黒赤)、三菱ユニボールプロテック(黒赤)、ぺんてるB100(黒)、OHTOリバティ(黒)
・三菱ユニボールシグノ(ブルーブラック)(0.28、0.38)、トンボモノボール黒
・※PILOTハイテックC025(黒赤)、※ぺんてるスリッチ(0.25黒・ブルーブラック、0.3黒、0.4黒・ブルーブラック、0.5黒)、※エナージェルユーロ(0.35黒青)、※エナージェルトラディオ(0.5黒青)
・※ぺんてるハイブリッドテクニカノック035(黒赤)、三菱ユニボールシグノRT1(0.28、黒赤)、ユニボールシグノノック(0.5黒)、ゼブラサラサクリップ(0.3黒赤、0.5黒赤)、サラサスタディ(黒赤青)、PILOTジュース(0.5黒)
・※ぺんてるエナージェル(0.3黒、0.5黒)
・三菱スタイルフィット(1色4本、3色2本、マイスター3色、マイスター5色)、※PILOTハイテックCコレト(2色4本、4色3本、5色2本)、ゼブラプレフィール(1色4本、4色1本)
【消えるボールペン】
・PILOTフリクション0.4(赤、ブルーブラック)、0.5(黒・赤)、0.7(黒)、フリクションノック0.5(黒・赤)、フリクションボールスリム(黒・赤・青)
【シャーペン】
・三菱クルトガ(0.3、0.5)、ピュアモルト(0.5)、ウチダドローイングシャープ(0.3)、ぺんてるグラフレット(0.3)、グラフギア500(0.5)、KERRY(0.5)、スマッシュ(0.5)、タフ(0.7)、きらり(0.9)、マークシートシャープ(1.3)、PILOT S20(0.3)、S3(0.3、0.5、0.7)、ゼブラカラーフライト(0.3、0.5)デルガード(0.5)、トンボモノグラフ(0.5)、オルノ(0.5)、コクヨフィットカーブ(0.5)、鉛筆シャープ(0.9)、ステッドラー925-25(0.3)、925-65(0.3、0.5)、LUNA(0.5)、ファーバーカステルFE3000(0.3)、大人の鉛筆
う~ん、100本越えてたか、どうやって減らそう
とんでもないものに出会ってしまったとしか言えない、凄い衝撃であったことは間違いない。
科学技術については日本は西洋に劣っているが、アートについてはヨーロッパは日本が上だと言ったのは誰だったろう。
ヨーロッパ人が土人に敗北宣言するというのは凄いことだ。
もう、周回差つけるくらいぶっちぎってたということだ。
絵とか興味なかった俺でもわかる。
北斎、広重に比べたら、ダヴィンチもフェルメールもレンブラントもぜんぜん勝負にならない。
そんな浮世絵が、茶碗の包み紙として新聞紙みたいな使われ方をしてたのだもの、ヨーロッパ人は驚くわな。
版画だよ?木版画。
それが、油絵をぶっちぎった。
さて、それがさ、今でも復刻版が1〜2万で買える。
破格に安い。
わかりやすく例えると、川瀬巴水の大正昭和の作品を買うと100万する。
ところが、版木が残ってるので、本人の死後に最近摺ったものもある。
これは超安い。
2万くらい。
色褪せがないし、大正昭和の染料顔料は今でもだいたい調達出来るし。
初期のほうが版木がへたってないからなんとやら、というけど、あれは嘘。
新版画は1000枚以上摺ることを前提の浮世絵の技術で作ってるんだ。
そう簡単には版木へたらん。
オリジナルの100万と後摺りの2万の差額の98万は、歴史ロマンの差が97万くらい。
まず版木をつくるのが高い。
職人が一カ月かけて彫らないといけない。
摺りも当然職人。
そこまで手間暇とお金をかけて、巴水なんかよりずっと安い。
超お買い得だし、買ってあげることが、彫りの職人を後世に残すことにつながる。
江戸時代当時の作品なんか集めたって、職人の技術の継承には伝わらない。
買いまくるしかないだろう。
フェルメールもレンブラントも過去の人にしてしまった、浮世絵という芸術の頂点を、手元に置くことが出来る素晴らしさ!
と、いろんなところで熱弁をふるってみたんだが、なかなか伝わらない。
そうそう、こないだ、
「(国立新美術館に)いっしょにルーブル美術館展観に行きませんか?」
って誘われたんだ。
フェルメールの有名な絵がきてるとかで。
おい、女、こないだ印象派が好きとか言ってたじゃないか。
なんで今更フェルメールなんだよ。
iPhone6ユーザーが今更ブラックベリーみにいくようなもんじゃん。
と言いたかったが抑えた。
それから、浮世絵の摺りの実演会と、CLAMPの原画展が隣接して催されていて、CLAMPの原画展のほうに行きたいとかいう女もいた。
目、大丈夫か?
と思ったんだが、その時も抑えた。
どうしてみんなわかんないの?
仕事中にシャツの胸ポケットに挿しておくボールペンをずっと探しているのだが、
いくつか条件があって
1.当たり前だがクリップがついてること
2.見た目と書き味にはそこそここだわりたい
5.手に書けること
6.軽量で、できれば短いこと
8.フリクション滅ぶべし
となっているが、すべての条件をそろう物が今のところ見つかっていないのである。
うっかり物なので、ノック式だとペン先を出したままポケットに挿して大惨事、という情景が思い浮かぶ。
また、ペン先が外気にさらされているノック式をシャツに挿して、しばらく使用せずにいると湿気と綿ボコリでダメになりそうでもあるので、ペン先が密閉されているキャップ式であることが必須だと考えている。
また、同じ理由でいくらキャップ式でも水性ボールペンはNGである。
透明軸の直液式水性ボールペンって、大抵グリップのところがシマシマになっていて、インクがだんだん根元から浸食して来るじゃないですか?じわりじわりと知らない間に。
なのでPILOTのVペンみたいな万年筆ライクなやつも除外されてしまう。
(ところで、ボールペンを紹介するサイトだと、たいていPILOTのVコーンがおじさん達に熱狂的な信者が多いって書かれるけど、自分の周りのおじさん達に好かれてる水性ボールペンは三菱のユニボールプロテックだと思う、見た目が渋いからかな。)
(条件)手に書けること
これは『手に書けないボールペン』の説明をした方が早いと思うので、「それはおまえの手脂のせいだよ、普通に書けるよ。」と言われないかヒヤヒヤしながら書く。
世の中には手のひらにメモできないボールペンというのがあり、それはざっくり言うと『ノック式ゲルインキボールペン』である。
油性はキャップ式・ノック式に関わらずおおむね書ける(でも新油性で最もなめらかをうたっているビクーニャは書けなかった)、水性ボールペンとキャップ式のゲルインキボールペンも書ける(ノック式の水性って見たことないが)、でもノック式ゲルインキボールペンは書けないのである。
これはペンの太さや顔料・染料といったインクの種類は関係ない。顔料インキのユニボールシグノキャップ式が手に書けたと思ったら、ノック式のシグノRTは手に書けないし、ハイテックC0.25が手に書けてもハイテックCコレトは書けない。
なぜかと考えたが、キャップ式とノック式ではペン先の構造が違うことが関係しているのではと考えるようになった。
キャップ式の水性・ゲルインキボールペンというのはキャップを外したまま放置すると、ペン先のインクが乾燥・固着するなどして書けなくなってしまう。キャップ式のボールペンで、インクが残っているのに書けなくなってしまうトラブルのかなり多くは、キャップをつけずに放置してしまった事に由来する。
にもかかわらず、ノック式ボールペンはそのペン先が常に外気にさらされていても、ペン先が固着することが無い。これはペン先に、ボールを極小のバネで押さえ込むなどのインクの乾燥を防ぐ機構を備えているためらしい、その代わりノック式ゲルインキボールペンには、書き始めにわずかにインクの出が悪くなるといったデメリットがあり、利便性はよいがやや書き味に劣るノック式、利便性はやや劣るが書き味がよいキャップ式といった棲み分けが出来ている、ということらしいのである。
そのノック式ゲルインキボールペンの、インクの乾燥を防ぐ機構が邪魔をして手に書けなく(書けるにしてもものすごく筆圧をかけないといけなくて痛い)しているのでは、と考えているのだ。
が、そもそもこれらのノック式の特徴、一番最初に「キャップ式に限る」とノック式を除外しているんだから関係ないじゃん、と思われたかもしれない。なぜキャップ式とノック式のペン先の構造について長々書いているのかと言うと、そこに例外のボールペンがあるからだ。
それは『ぺんてる エナージェル』
染料系で、濃い色と速乾性をうたったゲルインキボールペンで、ノック式は通常と廉価版、キャップ式も通常・エナージェルユーロ・エナージェルトラディオとどんどん新商品が出てくる現在一押しっぽいボールペンである。
しかしこれがよほどインクの出に自信があるのか、ノック式もキャップ式も中に入っているリフィルが一緒なのである。なのでいくらキャップ式で新商品が出ても、それは手に書けないのだ(書けないことはないが、痛いぐらい押しつけないといけない、ニードルポイントなので痛さも倍)。こっちはキャップ式=手に書けると思って買うのにがっかりなのである、やめてよねと言いたい。
(条件)軽い・短い・安い
(理由)重いとポケットが広がるし、そもそも長すぎるとクリップで留まらないから。あと高いものは無くしたときショックがでかいので。
【現在】
長くなってしまったが、書き味にもこだわりたいのでインクは新油性かゲル、でも新油性のキャップ式ボールペンなんて見たこと無いので、自然と選択肢はキャップ式ゲルインキボールペンと言うことになってしまう。
なのでいくつか試した結果。
見た目があまりにも事務々々しすぎる、そもそもが最初これを胸ポケットに挿していて、なんか長すぎるなー他に変わるボールペン無いかなーと探し始めたのが最初なのである。
この子ってちょっと繊細じゃないですか?マメに使ってあげてないとすぐ期限損ねてインクの出が悪くなっちゃう感じ。ニードルチップは好きなんだけど。自分は胸ポケットにずっと挿していて、1日1・2回だけとか、もしくは数日使わないで放置していても必要な時にばっちり書けるペンが欲しいのだ。
新しく出たハイテックCマイカは女子っぽい見た目でクリップなし、使えん。
で、今コレを使っている。染料系ゲルインキでニードルチップ、色数豊富とほぼハイテックCの対抗商品といった感じ、でも見た目は女子々々している。ハイテックCより気楽に書けて細くて軽いし、ペンの後端からクリップの付け根までの距離もシグノより短いのでまあまあ、でも見た目が女子すぎる…なんか他にないかな、と今代わりを探しているといった感じ。
【結論】
なのでなにかいいのがあったら教えて欲しい。もしくはぺんてるさん、男らしい見た目のスリッチか、手にも書けるエナージェル作ってよ、というのが結論っぽい気がする。
コンビニで売ってた無印のキャップ式0.25mm六角ボールペンが中身スリッチだったのでどれどれと思って買ってみたけど、あまりピンとくる感じでは無かった。プラスチックすぎるのか。
【余談】
他に使ってるボールペンとかを
だいたいのことはコレですむ、でも重いので机の上からは出ない。高いし。
・PILOT 2+1LIGHTにスタイルフィットのジェットストリームリフィルを入れたもの
持ち運び用、バインダークリップがついてるのでノートに挟んで持って行く。
元々はサラサクリップの役割だったが、ネットで改造できると知って作ってみた、現在はこれ。
補足しておくと、2+1LIGHTに三菱のカスタマイズボールペン、スタイルフィットのリフィルが入る、といっても2+1のBKRF-6Fリフィルとスタイルフィットのリフィルが全く同一サイズ、と言うことではない。長さは一緒だが、スタイルフィット軸にBKRF-6Fを挿そうとしてもスポスポで刺さらず、外径が細いことが分かる。しかし、2+1軸は挿すリフィルの外径でなく内径が重要なため、スタイルフィットのリフィルを挿すことができるのである。
スタイルフィットの通常の多色軸はスライドレバーの固定が甘く、特にクリップがスライドレバーを兼ねている物など、筆記している最中にちょっとでもクリップに触れてしまうと「カシャン!」と芯が引っ込んでしまいとても実用に耐えない。
しかしPILOTの2+1LIGHTの軸をスタイルフィット用として使うと、300円で3色軸+後端ノック式のシャーペンユニット、バインダー式のクリップがついてきてお得だと思う。3色にしては細いしいかにも実用品ってデザインも好み。
ただし改造は自己責任で。
・ハイテックCコレト各種
2色軸が細くて好きなので、細かいメモなどで使う物を数本、そしてふざけた色を5色軸に入れて卓上カレンダーの予定をカラフルにして遊んでいる。高級軸はそんなに高級って感じでは無く、買うと損した気分になる、なった。
だいたい0.3mmだけど、黒だけ0.3と0.4の二種。
あと、コレトのシャープユニットはスライドレバーの根元がブラブラするようになっていて、軸の中でカチャカチャ動いて使用に耐えない、せっかく消しゴムユニットもあるのに残念。
キャップ式ハイテックCより安定感がある気がする、でもニードルチップの多色ペンはペン先がいかにも斜めに出ています、ってのが丸わかりなのが悲しい。
・エナージェル黒各種
ノック式やトラディオなど各種持っている、黒が濃くてはっきりしているので、自分より年上の方への手書きメモを残すときなどに使用。染料系で、速乾をうたっているのに後からの水には弱いので宛名書きなどには使わない。
0.7mmより太いとニードルチップじゃなくなるのでまたがっかり。
カスタマイズボールペンのスタイルフィットの高級軸、レバー式でなく軸をひねるタイプ。
真ん中を空白にし、右に回転させるとブルーブラックのシグノ0.5、左に回転させると赤にしている。最初は真ん中にシャープユニットが入っていたが、本体の口金との隙間が大きいのか、書くたびにカッチカッチ音が鳴ってうるさかったので外した。同じメーカーのジェットストリーム4&1のシャーペンではそんな金属音を感じたことが無かったが。緩めに作ってあるのかもしれない。
完全に衝動買いの趣味の品、顔料ゲルなので宛名書きとか、電話メモとか。持ち運ばない。
何回か増田に投稿してるメンヘラだけど、ぼくはほぼ引きこもりの精神障害者ニートなのでエボラにかかる確率は低いんだろうけど、もし自分がエボラだと知ったら、とにかく優秀な社会人様のいるところに行きたいなあと思った。できるかぎり日本社会に、憎い憎い日本人に迷惑をかけたいね。そう考えるとエボラは希望かもしれないね。優秀な社会人様もただの人間=肉の塊なわけで、生物としてはぼくら障害者のクズと大差ないわけ。そのことを思い知らせてやりたいね。まあぼくがエボラにかかる可能性なんてほとんどないんだろうけどさ。さあ、エボラ来いよ! ぼくはここで待ってるぞ!
○○ ○○様
株式会社○○○○
選考結果のご報告
このたびは、当社の社員募集にご応募いただき、ありがとうございました。
慎重に審査を行った結果、誠に残念ながら採用を見送らせていただくことになりました。
むかついたのは、「10月16日」の10と6、それからぼくの名前、そこだけすっげえ汚い字でボールペンで書かれてたこと。すごく下手な字。もっと丁寧に書けよ。応募者にはきれいな字の履歴書を求めるくせに、なんだこれは。ふざけるな。ぼくはもっとうまい字で書いたんだけど、時間をかけて、神経を集中させて、失敗したらちゃんと新しい履歴書に書きなおした。ちゃんとゼブラのサラサで。向こうは油性ボールペン0.7mmで書いているんだが、まったく意識が低すぎる。書類には耐水性、耐光性にすぐれた顔料インクのゲルボールペン(サラサとかシグノとか)を選ぶのは常識なのに。0.7mmの旧式の油性ボールペンってなんじゃそりゃ。それにこっちはいちいち一社ごとに書類作ってるのに、向こうはテンプレ作ってて、ただ日にちと名前書くだけ。なんだこれ。ふざけるな。
どうせ精神障害はいらなかったんだよね。社会人経験のある身体障害しか望んでないもんね。ああもう死ね。全員死ね。とにかく死んでほしいよ。頼むから死んでくれ……。
ああもういやだ。死ぬほどの苦痛を味わってやっと書類を出したのに、こんなテンプレ文書で返ってくる。しかも字が汚い。もう人類なんてエボラで滅んでしまえよ。
今、スタインベック読んでる。ぼくは底辺のクズ労働者の味方だよ。スーツ着て偉そうにしてる社会人様は全員死ねばいいのにと思う。昔から文学は社会の悪と闘ってきたのに、一向に社会は改善されない。なんだこれ。もう絶望しかないな。ぼくらは嘆きつづけることしかできないのか。
劣化が「完全にない」わけではないので注意。
ジェットストリームで一番有名な劣化は「油分のにじみ・裏抜け」だが、それ以外にも「書いた文字の経年消失」や「耐水性・耐光性」といった問題がボールペンにはついてまわる。
一般的に、顔料インクが耐久性に優れており、劣化しにくいとされている。一方、染料インクは耐久性という点においては劣っている。
「ローリー(単色版)」(ぺんてる)が顔料オンリーで油性の中では最も耐久性に優れている。それ以外に、過酷な環境で使えるとされる「パワータンク」(三菱鉛筆)も強い。最近のなめらか系油性(新油性)は耐久性には欠けるところが多いが、「スラリ」(ゼブラ)が公文書対応を謳っており、まだマシらしい。
顔料インクを使っている「サラサ」(ゼブラ)や「シグノ」(三菱鉛筆)あたりが安定。ほかに、「ジュース」(パイロット)や「ボールサイン」(サクラクレパス)なども良い。