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はてなキーワード: トルソとは

2022-08-17

シャツアイロンをかける

この作業やめたい。でもクリーニングに出すと服が傷む&汚れが落ちないので仕方なくやっている。

穴開きトルソに着せたら溶剤マイクロバブル超音波噴射されてきれいになって仕上げまで全自動でやってくれる機械作りたい。

溶剤蒸留回収する)

しかサンコーで風船に着せてアイロンかけする機械あったと思うが耐久性がしんどそうなので手を出していない。

脳は暇なのでBGMとかBGVが重要

工学的にはいかに短い時間できれいアイロンをかけるか、については意外に学びが多い

どの辺の品質妥協するか、スチーム・霧吹き・シリコンスムーザを使うか否か、馬はどんなものが良いか乾燥時の注意点、材質などなど

トーマスメイソンの生地は大体アイロンかけやすい。さすが高級品。

2022-06-29

https://anond.hatelabo.jp/20220629082354

リストほとんどがお気に入り漫画か未読のどちらかだったので、好みが合うかなとギブアンドテイクで書いてみる。

増田リストは宝の山みたいでしばらくの楽しみが増えて嬉しい。

メノタ「果ての星通信」(SF・全5巻)

https://pash-up.jp/content/00000375

地球から誘拐された主人公の異星間交流。異星の文化描写がすごく良い。

しょうもないのうりょく(現代ファンタジー・連載中)

https://seiga.nicovideo.jp/comic/47001

現代人全員がささやかすぎる異能を当然に持っている世界観日常もの。くすっと笑いたいときに。

澤江ポンプパンダ探偵社」(現代ファンタジー

https://comic.pixiv.net/works/5375

身体が徐々に動植物に変化していく「変身病」のある世界探偵社の話。連載が続かなかったのが残念。

迷子プリンタニアニッポン」(SF・連載中)

https://matogrosso.jp/serial/printania_00-8/

生体プリンタから出力された生き物とのほのぼの生活……の合間からちらりと覗く管理社会描写がよい。

さもえど太郎「Artiste」(現代お仕事もの・連載中)

https://www.comicbunch.com/manga/bunch/artiste/

パリ舞台にしたフレンチ料理もの特別に味覚・嗅覚に優れているけれど、気弱な青年シェフの成長譚。

トルソの僕ら」(ファンタジー・全2巻)

https://comic.pixiv.net/works/4203

鳥のような種族との異種交流を描いたオムニバス。同作者の『人馬』もおすすめ(ただ、増田リスト作品よりはテイストが若干ハードかも)。

坂月さかな「星旅少年」(SF・連載中)

https://pie.co.jp/series/4858311/

星々を旅する主人公出会いオムニバス。御伽噺にも似た、不思議で静かな世界観

灰原薬応天の門」(歴史もの・連載中)

https://www.comicbunch.com/manga/bunch/outen/

菅原道真在原業平がバディとなって怪異解決する、連作ミステリー

吟鳥子「アンの世界地図 」(現代もの少女漫画・全5巻)

入江 亜季「乱と灰色の世界」(ファンタジー・全7巻)

2022-04-28

anond:20220427205532

トルソじゃなくてモデル使うとか動画上げるとか返品OKとかってファッション通販なら当たり前だと思うけど

(こういう零細ブランドでは当たり前じゃないのかもしれないが)

分かってるじゃん。

重要なのは巨乳モデルだって所なんだよ、無いからねそういうの、あんまり

大元益田の通り巨乳既製服を着ると胸だけがパッツンパッツンになるし胸に布を引っ張られて首は締まるんだよ(意訳)

貧乳からこそ美しいであろう多くのモデルトルソーじゃ参考にならないんだよ。

でも巨乳肥満じゃないから、性的に見せたいわけじゃないけど持ってる巨乳は美しいシルエットとして見せたいの。潰すと美しくないの、肉が上下左右に流れるから

あと本当に返品できなかったり、面倒だったりするよ「零細ブランド」だと。

返品だって普通はしたくないでしょ面倒だし「胸がきつい」って理由で返品するのしんどいじゃん。返品理由に書くかどうかはともかく。

巨乳モデル吟味して買うのと貧乳モデルで返品上等で買うのとでは返品回数も違うし。

このあたりが「ちゃんとしてた」ように見えるのがブランドの良いトコだったわけで。

代えがないの、あんまり

普通サイズブランドだと「胸が入るか心配なので」っていう相談は「肥満ではない」という共通認識を作る所から始まるので当事者は大変にしんどい。

「胸が入る」うえで「美しいシルエットになるか」的な所が重要じゃん?着飾る系では。ただ入ればいいわけじゃない。

ビジネスシーンなら特にサイズが合わない服はみっともなく見られる。だからって胸パッツパツだと下品に見られる。このあたりをうまくカバーしてくれてたの。だからビジネス服として見たら価格許容範囲。というか、ちゃんとして見える系のビジネス服としたら価格はこのくらいじゃない?プチプラじゃないよ?



で、信者まで行かなくとも、なかなか無いコンセプトで売り方(巨乳モデル)ので有り難く利用している層も居るんだ。

その信者たちの写真巨乳をガン見して自分に落とし込みつつポチるのが返品しなくてすむ近道。

巨乳用のブラがセクシー系か肌色しか売ってない悲しみの隙間産業だったので、なくなると悲しいみたいな気持ち伝われ。

セクシャル系のイメージ付くと着られなくなるっていう心配もありつつ「無難」なデザインならバレなくね?とも思う。

本当にココ叩いてるのって貧乳メンヘラじゃん?少数派な気しかしない。

2022-04-26

ハートクローゼット関係者の方と黒澤さんへ

■前提

黒澤さんが言及していた漫画、及びその広告記事自体についての是非について記載するものではありません。

そちらに関する議論がしたい方には期待外れの内容となります

筆者はハートクローゼット洋服に3~5万/月ほど課金しており、ブランドの良さについて理解しているつもりです。

また、他のユーザーさん数十人ともクローズドコミュニケーションしていますが、みなさん今回の騒動について非常に心を痛めています

まりにもひどい言説が多いため、ハートクローゼット中の人、そして黒澤さんに届いてほしいと思い筆をとりました。

■お伝えしたいこと

■今回良くなかったと考えている点

■どうすればよかったのか

■黒澤さんが言いたかったと思われること

チェリーピッキングツイート抜粋してきて、1年前と今とで黒澤さんの発言が全く違う、などのデマツイートをしている人がいましたが姿勢は変わっていません

個人的な思い

胸が大きい女性は、胸が大きくなってからずっと自分自身がどうであるかに関わらず、異性同性問わず、それどころか家族からすらも「存在のもの性的である」として扱われ続けています

体に合わない服しかなかった頃、胸の部分が苦しくてピッタリしてしまえば「なんでそんなに見せつけているの?」「破廉恥でみっともない」「商売女みたいな格好はよしなさい」などと言われることは日常茶飯事です(実体験)。

他の女性普通にしているように、流行りの服を着ておしゃれしたくても、胸が入らない服を着ることはできません。それを打破してくれたのが、ハートクローゼットブランドを立ち上げてくれた黒澤さんでした。

通勤に使えるようなシャツジャケットデート食事にきていけるようなフォーマルワンピース日常使いできるカットソーパーカー流行りの袖が膨らんだトップス、前を開けなくても着ることができる暖かいコート

着たいと思っても、存在すらしなかった、たくさんの洋服を選ぶことができるのです。一般の人にとっては当たり前のことでしょう。でも私達にはそんな自由すらなかったんです。

おしゃれしたい女性洋服を着て、写真を共有することは当たり前なのに、私達が同じことをすると性的に扱われます。そのため写真共有すらなかなかできなかった。

  

でも、代わりにハトクロは胸の大きな女性を何人もモデルに起用して、ありとあらゆる角度から写真を撮って掲載してくれました。

モデルになった方々は、タレントさんやグラビアモデルの方など普段はお写真モデルをされていなかったそうです。5~600人以上の方をリストアップしてモデル交渉にあたったとおっしゃっていました。

普通ECサイトならトルソ洋服着せて、写真撮影すれば終わりなのでとても大変。でもユーザーさんのことを考えたらたくさん写真を見せたい」とも。

そしてたくさんの写真動画Instagramにアップしてくださり、モデルさんにも撮影時の写真動画自由に使って良いと言ってくれました。

  

そんなの洋服を買わせるためのマーケティング手法でしょう?とバカにするかもしれませんが、私達には自由写真動画を公開して共有する経験すら積めなかったのです。

それを擬似的に体験できることは大きかったです。そして、自衛のために洋服情報交換用アカウント作成し、Instagramアカウントも連動させてちょっとずつユーザー同士もコミュニケーションできるようになっていきました。

もちろん、気持ち悪いコメントを投げかけてくるひとはいましたが、そこまで注目されていなかったので細々と交流することは可能でした。

インスタライブで黒澤さんとスタッフの方とのやり取りを楽しく視聴しながら、お互いにコメントすることができたのはようやく作り上げられた安心して交流できる「コミュニティ」でした。

本来なら洋服を試着したいのはやまやまですが、試着する場をリアルに作ると不審者も多くなる。私達には洋服を試着する自由すらありません。

そのため、写真動画を沢山公開し、それでも手元に届いてサイズ感が合わなかったら、交換可能ですと常に仰ってくださっていた。

  

今回の騒動を受けて、よく知りもしない人が他のブランドPやOを使えばいいと言及しているのも多く見かけました。

その2ブランドとは全く違い、群を抜いて素晴らしいサポートをしてくださっていたのがハトクロでした。利益率を考えたらとてもこのような対応はできないのでは、と常々心配するくらいです。

  

でも、残念ながら、今回の騒動ささやかながら安心して楽しめる「コミュニティ」は壊れてしまいました。

不審ユーザーから見られることを恐れて、いままで情報交換していたユーザーアカウントは軒並みクローズドになってしまいました。

黒澤さんは経営者として、自分の思いを主張する前に従業員関係者ユーザーのことも考えて然るべきでした。

しかしながら、本来問題なのは、私達が胸が大きいというだけで勝手性的に扱ってくる人達です。黒澤さんは今回のことを整理して見直してまた出直せばいいのです。

たった一度、とはいえ大きな過ちなのですから、しっかり見直してやり直すしかありません。一度失った信頼を取り戻すのはとても大変ですが、できないことではありません。

  

黒澤さんのことを強く責め続けている方は、今一度何が問題だったのか考え直して欲しいです。黒澤さんが強い思いを持った背景には、「胸の大きな人を一方的性的にみなす人がいる」ことが強くあります

非難している方は、そのような目線になったことはありませんか?非難をする前に一度、胸に手を当てて考え直してみてください。そこがこの問題の発端です。

  

改めてお伝えしたいのは、企業としてのハートクローゼットから情報発信を待っているよ、ということです。

おつらい気持ちもあると思うのですが、ハートクローゼットの、黒澤さんからの発信を待っています

新作、みんなとても楽しみにしていますよ。どうか、ハートクローゼット関係者の皆様、そして黒澤さんに届きますように。

2018-06-22

からマネキンとかトルソがすげえフェチにはまって、部屋に自作彫刻に女物の服着せたアレなオブジェが数点あるんだけど

これできたばっかの彼女招いたら一発レッドカードな奴だろうか、服脱がしてデッサン用とか言っときゃセーフ? 全部女性型なんだけど

2017-08-29

Call Me By Your Name@miffレビュー

8月29日、思ったより拡散したため追記。自分ではネタバレなしのつもりで書いて、ツイートにもそう明記してしまったが、ネタバレという言葉には個人差があることをすっかり忘れていた。ネタバレ見たら死ぬタイプの風上にも置けない。地雷を踏んでしまったら申し訳ない。配慮したつもりですが、どうぞご注意ください。太ももの話以外もします。

なにせ太ももがすごいらしいのである

俳優アーミー・ハマーの太ももである

サンダンス映画祭直後、賞賛と祝福の声とともに、あまりの刺激のために悩殺されてしまったという感想ツイート散見されて、映画祭参加の幸運に預かれなかったファンはもどかしさに身悶えしたのであった。

Call Me By Your Name1983年北イタリアとある町のひと夏を舞台にした、二人の青年あいだの恋を描いた映画である。くわしくはimdbを参考にされたい。

http://m.imdb.com/title/tt5726616/

この映画2016年5月世界中の一部界隈にて話題になった。言わずもがなアーミー・ハマーファン界隈である。そのあまりに蠱惑的なあらすじにつられて手に取ったのが原作小説である

そんなごく軽くかつ不純な動機で読み始めたAndré AcimanによるCall Me By Your Nameだが、回顧体で描かれた物語に一瞬で虜になった。

冒頭のシーンからして心憎いのである

まりにも印象的な出会い、一生を変えてしまうたった一言から語り始められるその物語は、意識の流れを実に巧みに取り込んだ、プルースト研究者でもある著者ならではの文体で読者を陶酔させる。やがて語り手であるエリオと一体化した読者はオリバーの冷淡さに苦しみ、意外な素顔を見せられはっと息を呑み、ただ呆然と結末を迎えることになる。

ツルゲーネフの「はつ恋」やらナボコフの「ロリータ」やらをこよなく愛するわたしにとっては好み直撃ど直球であり、そのうえアーミー・ハマーの太ももやばいとあってはなにがなんでも映画を見なくてはという気持ちになった。

しかネタバレ見ると死ぬタイプオタクにつき、どうしても世界公開より先に見たいという気持ちを抑えられない。はたしてMIFF(メルボルン国際映画祭8月3〜20日、CMBYNは4日と6日上映)に飛んだのである

笑ってほしい。

かなり早い段階でチケットも売り切れ(一度キャンセルが出たが、最終的に上映日までには両日完売!)ていたため、予想はしていたが、当日は冬のメルボルンにて1時間から長蛇の列である

席は早い者勝ちなのでみんな普通に必死だ。特に二度目の上映での、劇場をぐるり半周する列は写真に撮らなかったのが悔やまれる。みんなが手の端末にQRコードを表示させ、南半球ならではの冷たい南風に身を縮めながら待機している。

2度のCMBYN上映の他は同じくアーミー・ハマー出演のFinal Portraitに参加したばかりだが、それに比べるとやや平均年齢が下がるかなという感じ。

それでも、老若男女ということばがふさわしい、実に幅広い客層。

そんなことより映画だ。ここからネタバレはなるべく避けて進める。なにせネタバレ見ると死ぬタイプなので安心してほしい。後日一部シーンバレ感想もあげるつもりでいる。万全の態勢です。

さて、本編はピアノ音楽によって始まる。

劇中曲について、MIFFのQ&Aにてルカ・グァダニーノ監督が語っていたことだが、基本的には登場人物が耳にした音楽……エリオの弾くピアノ曲ギターオリバーが身を委ねて踊るダンスミュージック家族が耳を傾けるラジオレコード……に限った、とのことである。それを知らされるまでもなく、最初楽曲から没入感があり、一息に世界に引き込まれる。

そしてオリバーが現れる。イタリア太陽である。明るい陽光主人公エリオのいる部屋の暗がりを際立たせる。

エリオを演じる当時弱冠20歳ティモシー・シャラメは終始少年健全さと病的な魅力をひとしくたずさえて美しいが、とりわけ夜、ベッドでのシーンでの肌は内部から光を放つようだった。

アーミー・ハマーが、その見せ場においてはつねにイタリア太陽に照らされて灼けたなめらかな肌とあかるい金色に見える髪を輝かせているのと好対照で、一場一場面が絵画を見るようだった。あるいは、冒頭でわれわれを一息に映画世界に引き込む、連続的な彫刻群のショットのようだ。

この対照関係意識されたものだと思う。

エリオオリバーに魅了されるのはかならず真昼の屋外だし、エリオオリバーを室内に引き込むと、オリバーは初めて(ようやく、と言ってもいい)エリオに見とれるのだ。

野外と屋内、昼のシーンと夜のシーンが交互にさしはさまれて、われわれ観客はふたりうつくしい青年に2時間超の間目まぐるしくも目移りしてしまうのだった。

そしてくだんの、アーミー・ハマーの太ももである

ももに殺されたひとびとのツイートがいまならよくわかる。

しかしいざ太もも談議をするとなると血で血を洗う戦争になるにちがいない。

短いショーツか、あるいは水着でのシーンが大半で、太ももは終始晒されているので各人のフェイバリットももがあることだろう。

マイフェイバリットももとある場面にてエリオとともに床にぺったりと座るオリバーの太ももである。だが自分多数派である自信はない。これについてはまたあとで。

オリバー原作よりもなお複雑で謎めいたキャラクターになっていると感じる。

原作では物語がすすむにつれ、読者はエリオとともにオリバーの知らなかった一面に驚かされるのだが、映画ではむしろ序盤からオリバー大人の男としての魅力と奔放な子どものような無垢さが入れ替わり立ち替わり現れてエリオないし観客を翻弄するのである

(シーンバレありの記事にでも書くつもりだが)序盤からオリバーエリオよりも幼い子どものようないとけない振る舞いを見せ、グァダニーノ監督言葉を借りるなら、エリオより「なおイノセント」だった。

アーミーハマーファンの同志は心してかかってほしい。奇声を発するか原作エリオ言葉を借りるならswoonに至らないよう上映中握りしめるなり揉みしだくなりできる柔らかい布など持っていくことをおすすめする手ぬぐいとか)

そのような差異こそあれ、アーミー・ハマーオリバー原作を読みながら夢想していたオリバーほとんど完璧に一致していた。

この結論にはアーミーハマーのじつに感情たかな目の表現が大いに寄与しているのだと思う。たとえば「J・エドガー」でのクライドトルソン役において彼が見せたような目つきだ。沈黙の場面で熱っぽく目が話す。このものを言う目がとくに生きるのは、逆説的だが目の映らない場面で、たとえば映画の中でもひとつクライマックスにあたる戦争慰霊碑のシーンがその一例だ(トレーラーにも引用されていた)。

もうひとつ、結末に近い重要な場面でピントを外したカメラオリバーをとらえる。オリバーの顔が長く映されるのだけれど、けして鮮明な像を結ばない。観客は食い入るようにスクリーンを見つめてはじめて、自分エリオと同じようにオリバーの目に浮かぶ表情を読み取りたいと熱望していることに気づかされる。

目について語るならばティモシー・シャラメにも言及しなくてはならない。

ティモシー・シャラメは今後少なからず目にする機会が増える役者だとつくづく思いしった。身体の使い方が素晴らしく、手足の隅々まで神経を張り詰め、あるいは意図的脱力し、髪の先まで演技していると感じさせる。(この先エリオ面影を振り払うのが難しいのではとも感じるが、むしろその印象を己に利するものとして使ってほしいしこの期待は報われるにちがいない)

だがなによりも、その目つきである! トレーラーにも含まれていた、踊るオリバーをじっとりと見つめるあの目が全てではない。映画から小説通底する一人称の語りが省かれているものの(あれば安っぽくなり得たと個人的には思う)それを補って余りあるティモシー・シャラメの目つき。

まさに小説が羨む技法で、文字で書かれたフィクションを贔屓しがちな身としては、こういった映画化を見せられるとただひたすらに喜びを感じてしまう。

さてトレーラーといえば、あの実に夢見心地で幻惑的で、緊張感とせつない予感に満ちた映像を、わたしだってリリース直後には再生する手が止まらなかったほど熱愛しているが、 本編とは少しトーンが違っているとも思える。

トレーラーから、そして原作から想像していたものにくらべると、より明るく、ユーモアがあり、笑いだしてしまう瞬間がある。

かなりの頻度で笑いが起こっていたが、これは映画祭だったのと、おそらく英語圏中心とおもわれる観客層も関係してくるのかもしれない。

ただ、エリオ食卓でのとあるシーンについては国内映画館でも笑いが起きると予想できる。そしてその直後におとずれるエリオオリバー官能的な接触に息をのむことになることも。(さてくだんのマイフェイバリット太腿はこの場面で登場する。すくなくとも個人的にはこの場面はお祭りだった。細いのに肉感的な大腿部に釘付けになるあまり台詞をごっそり聞き逃したのだ……)

こういった感覚の急激な転換は映画全体を通して言えることで、一瞬たりとも気を抜けないと感じた。ほほえましく口元を緩めた直後に、心臓が指でひっつかまれるように締め付けられる。

ところどころに埋め込まれた、笑える箇所について、今ふと思ったが、これは原作にて重要役割果たしているが本来映画だと表現しにくい「時間性」をどうにか持ち込もうとした結果なのかもしれない。

10代のころの恋愛とか、恋愛でなくてもエモーショナルなやりとりは当時は必死真剣なんだけれど、そのときの行動を大人になって振り返ってみると、わがことながらおかしくて笑ってしまう、あの感じがよみがえるみたいだ。

そのようなノスタルジーを引き起こす展開に身を委ねるうち、二度の上映は割れんばかりの拍手でしめくくられた。自分も同じように手を叩きながらLater、と軽やかな別れの言葉脳内で繰り返していた。原作で読んで想像していたよりもなおあっさりと、冷淡で、なのに奇妙に耳に残るオリバーの声。

一夏の客人のその挨拶を、エリオが、母が、父が真似たように、自分もつい口にしたくなるはずだ。

じつは原作を読んだ時から自分は最適な読者じゃないと思っていた。

小説として心から好んではいものの、「この物語自分物語だ」「この物語によって救われた」「こういう物語が描かれるのをずっと待っていた」と感じる人がいることを、一行読むごとに、確信し続けたからだ。

この映画現代を生きるごく若いセクシュアルマイノリティに届くことを願っている。

キャロル』がそうであったように、相手性別特別なのではなく、ただその相手特別だっただけ、ということを描いた映画。だが一方で、両親という存在の描かれ方において、この作品はこれまでのクィア作品と一線を画している。

そして、『ムーンライト』があまりにも普通恋愛映画であるという事実特別だったのと同様に、Call Me By Your Nameエリオの一夏の恋愛は美しいと同時に「ごく普通青少年悶々とする」という部分が色濃くて、その事実をとにかく祝福したい。

自分はこの映画クィア映画だとは思っていないのだとグァダニーノ監督がQ&Aで語っていたが、この言葉がすべてだと思う。

10代の頃に出会ってたら人生が変わっていたなと確信を持つ映画はいくつかあるけれどCMBYNはそのトップに躍り出た。

現在のところレーティングはR18のようだけれど、そこまで直接的なショットはなかったように思う。

何かが起こったこと、そして何が起こったかから目をそらすという悪い意味での曖昧さは無いが、物語破綻させないように、そして必要以上にセンセーショナルに煽らないと努めての結果なのかもしれない。

からこそ、PG12かR15バージョンが作られるといいなと思っている。エリオと同年代の、この映画肯定感を本当に必要としているひとたちに見てもらいたい。

キャストきっかけに興味を持ったCMBYNだが、自分の中にそびえる金字塔を打ち立てた。日本に来た時にも従来の俳優物語ファンに愛されるのはもちろん、新しい映画として多くの観客に愛してほしい。そして本当に必要としているひとにぜひとも届いてほしいと思う。

ちょうどこのレビューを書いている最中8月23日)にMIFFの観客賞が発表され、Call Me By Your Nameが晴れて1位を獲得した。http://miff.com.au/about/film-awards/audience#

もちろん自分も最高点の星5つで投票したし、あの盛り上がりを考えると納得の結果だ。

アジア内では台湾映画祭での上映が決まっているCMBYN。東京国際映画祭に来ないはずがない、と信じている。

お願いします。

邦訳本もどうぞよしなに。

2017-05-24

[]

豊田市美術館に行ってまいりましたわ。

平日なのにすごいお客様で驚きました。大半がお年寄りでしたわ。

敷地の端に建っている櫓をみて盛んに「城」とおっしゃっているのを耳にして、

天守どころか櫓でも城とイコールにされてしまうのだと世間感覚を思い知りました。

ここのものは七州城の復元櫓ですが、あのような認識の方が多いのでは

復興天守流行るわけですわ。

さて美術館の中では二十世紀画家東山魁夷による

唐招堤寺御影障壁画展が開催されていました。

歴史教科書でも有名な鑑真和上に捧げられた御堂の襖絵が、

そのままの配置で展示されています

恥じらいもなく大量の群青と緑青を使った波濤の絵は圧巻です。

岩に張り付いたど根性松には絵なのに思わず

声援を送ってしまいそうになりますわ。

和上の故郷である中国の襖絵は墨絵で描かれています

なぜか「黄山暁雲」だけは襖の金具が気になってしまいました。

全体的に薄暗くなっていたのは、顔料が繊細な日本画の保存のためだと

思われますの。

透明感のある青みがかった緑色の出し方を知りたいものです。

また抽象の力展も同時開催されており、

扇で口元をおおって賞玩されがちな戦間期以降の抽象芸術

頭の良い監修者がうまく説明されていました。

なにせミュージアムショップカタログが売り切れているというのですから

監修者も豊田市民もたいしたものですわ。

フレーベルモンテッソーリ知育玩具が素敵で、

これをおもちゃに育った子供お話してみたくなりました。

コンクリートの容器に、コンクリートの破片を詰めた高松次郎作品

コンクリートの単体」はわたくしには理解しかねました。

からないものでもヒルマ・アフ・クリントの初期抽象作品はなんとなく

好きになれました。

いちばん分かりやすかった抽象芸術コンスタンティンブランクーシ

若い男のトルソⅡ」ですの。

これはどうみても、こんじきのぉちんちんですわ!!!

こんな破廉恥な展示が許されるのかしらと作品の前でどぎまぎしてしまいましたわ。

対応しそうな作品としてルーチョ・フォンターナのピンクに塗りたくったキャンバス

赤い縦の貫通穴をほどこした作品もありましたけど、

コンスタンティンブランクーシのせいで、そういう目になっていただけかもしれません。

あと、追悼小嶋悠司展も開かれていて、仏教画に影響を受けた

恐ろしげな世界をあじわえました。

ファイナルファンタジーの初期イラストを描かれた天野先生作品

少し印象が似通っています

小嶋悠司作品抽象の力にあった、熊谷守一作品「轢死体」とならんで

SAN値を下げてくださいました。

再入場できない東山魁夷作品最後に見るべきでしたわ・・・・・・

豊田市美術館建築もたいへんおもしろもので、

抽象の力展で使われている展示室は入った瞬間に行き止まり

感覚を与えながらちゃんと次の展示室に繋がっています

唐招堤寺御影堂の間取り再現するスペースをもっていたりして、

実用性・採光性・空間演出力を兼ね備えた優れた建築であると感じましたわ。

2008-06-30

俺と友達のユウキは、今年の海水浴を楽しむべく水着バーベキューのための

設備を色々買い込むことにした。幸いにもバイトで貯まった金があるので、

今年こそは彼女いない歴=年齢のお互いが浜辺で女の子たちと仲良くなって

いいひと夏の思い出を作ろうぜ、と張り切っていた。

格好つけて濃い黒色の、タモリが普段使ってるようなサングラスをかけて

俺たちがデパート水着売り場まで行った時(当然その売り場でばったり

いい女の子と会ったらナンパでもしてみるか、と思っていたのだけど)、

ユウキが「おい、あれ見てみろよ!!」と指差した。

そこには等身大女性マネキンが立っていた。

大体マネキンというのは手足が途中から切り落とされてトルソーに頭を

くっつけた状態のものしかないのが定番だ。手足があればそれだけ

衣服を着させるのが面倒だからだ。

しかしそのマネキンは手足も揃っていて、眩しい笑顔が印象的なものだった。

多分手足を外して着せてまた手足をくっつけたのだろう。

着せられているのはどうやらどこかのスクール水着のようだ。

スクール水着特有の質感に少し息を呑んでしまう。

「随分マニアックな店だなここって。おい、あれの横に立ってみ?」

俺はそう言われてそのマネキンと並んだところ、ユウキ携帯を取り出した。

「何するんだよ?」と俺が言うとユウキは答えた。

せっかくだからマニアックスク水写真とって友達に送ろうぜ」

「お前そういうヘンタイ趣味あんのかよ。相変わらずだな」

「だってスク水だぜ? 萌えないか?」

「分かったよ」と俺は言ってマネキンと並んだ。全く、こういうオタク趣味

あるからユウキ敬遠されるんだよな、と思いながら。

「いくぞー」ユウキ携帯を取り出して俺たちの写真を撮影した。

「一応お前の知り合いにも送るわ」

「いーよ、そんなことしなくってさ」と俺は答えたが

ユウキスク水に興奮している。

ったく、ビーチでスク水なんか着てる女がいるかっての。

次の日ユウキと俺の友達からメールが届いてた。

ユウキってマジでスク水好きなんだな。マニアックっつーかアホというか。

 でもさ、折角の写真送ってもらって悪いけど、目瞑ってたぞ。間抜けだなー。

 大体一緒に泳ぎに行くんだろ? それなのにスク水ってってどんだけー

俺はふと寒気を感じて返信した。

「その写メール、俺ユウキからもらってないから

どんなのか見てないんだ。こっちに送ってくれ。出来るだけ早く。頼む!!」

 
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