デジタル塗りのような均一な塗りが可能なうえに、デジタル塗りのようなグラデーションも作れる。
正しくは、塗るのではなく摺るということが大きく影響する。
擦り重ねでわかったと思うけど、浮世絵の場合、赤の上に青を摺ることで、紫になるし、黄色の上に青を摺ることで緑になる。
赤の上に青を重ねれば青、黄色の上に青を重ねても青。
しかし、版画になると違う。
"ばれん"という道具に秘密があり、不透明なはずのポスターカラーを使って同じことをしても、かなり同じように透明な性質が再現される。
小学校で使う偽物なんかじゃなく、本物のばれんの話だ。
ヨーロッパ人が「こんな青色みたことねぇ!絵具なに使ってんだ!?」
とビックリしたのは、ヨーロッパで発明された顔料、プルシャンブルーでしたというのは、有名な話。
ところで、本物の"ばれん"って、一枚7万とか10万とかするんだぜ?信じられるか?見た目はただの鍋敷きなのに。
均一な塗り、均一なグラデーション、レイヤーの乗算、言ってみればイラレに近い。
「君の名は」よろしく、空気や風、雨、空、水、そういう形のないものを積極的に絵の中心にもってこようとしたのもそのころの浮世絵が元祖だね。
人物が主で背景が従ではなくて、まったく逆に雨が主で、人物は従、空が主で人物は従、そういう絵がわんさと発明された。
北斎という努力型の超人と、広重という天才の働きは大きいことは認めるが、デジタル塗りに近い木版画の特性によるものが大きいと俺は思う。
ウキウキ浮世絵~! ワタクシ!中山道広重美術館に行って参りましたわ。 動の葛飾北斎、静の歌川広重の広重ですわ。 このたびは特別展「絵師広重の歩み 前期」が開催されていて...
版画の色彩というのはちょっと異常なものだ。 デジタル塗りのような均一な塗りが可能なうえに、デジタル塗りのようなグラデーションも作れる。 正しくは、塗るのではなく摺るという...
三ヶ月ぶり二度目の中山道広重美術館リターンズですわ! 前回が「絵師広重の歩み」前編で、今回は後編ですわ。 中編なんてありませんでしたわ。いいですわね? 解説を読む読むと...
実際、名所江戸百景は他の浮世絵よりもちょっと手がかかってる。 普通、浮世絵というものは板が5枚以内で作られている。 主版と呼ばれる輪郭線の板は裏をつかわず片面で板一枚、そ...
中山道広重美術館に行ってまいりましたわ。 三回目ですわ。 保永堂版「東海道五拾参次之内」の企画展が開かれていました。 東海道五拾参次之内の作品をみて気づいたのですが、 近く...