豊田市美術館に行ってまいりましたわ。
平日なのにすごいお客様で驚きました。大半がお年寄りでしたわ。
敷地の端に建っている櫓をみて盛んに「城」とおっしゃっているのを耳にして、
天守どころか櫓でも城とイコールにされてしまうのだと世間の感覚を思い知りました。
ここのものは七州城の復元櫓ですが、あのような認識の方が多いのでは
そのままの配置で展示されています。
恥じらいもなく大量の群青と緑青を使った波濤の絵は圧巻です。
全体的に薄暗くなっていたのは、顔料が繊細な日本画の保存のためだと
思われますの。
また抽象の力展も同時開催されており、
頭の良い監修者がうまく説明されていました。
なにせミュージアムショップでカタログが売り切れているというのですから、
コンクリートの容器に、コンクリートの破片を詰めた高松次郎の作品
わからないものでもヒルマ・アフ・クリントの初期抽象作品はなんとなく
好きになれました。
いちばん分かりやすかった抽象芸術はコンスタンティン・ブランクーシの
こんな破廉恥な展示が許されるのかしらと作品の前でどぎまぎしてしまいましたわ。
対応しそうな作品としてルーチョ・フォンターナのピンクに塗りたくったキャンバスに
赤い縦の貫通穴をほどこした作品もありましたけど、
コンスタンティン・ブランクーシのせいで、そういう目になっていただけかもしれません。
恐ろしげな世界をあじわえました。
ファイナルファンタジーの初期イラストを描かれた天野先生の作品に
少し印象が似通っています。
小嶋悠司作品は抽象の力にあった、熊谷守一の作品「轢死体」とならんで
SAN値を下げてくださいました。
再入場できない東山魁夷作品を最後に見るべきでしたわ・・・・・・