2017-05-24

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豊田市美術館に行ってまいりましたわ。

平日なのにすごいお客様で驚きました。大半がお年寄りでしたわ。

敷地の端に建っている櫓をみて盛んに「城」とおっしゃっているのを耳にして、

天守どころか櫓でも城とイコールにされてしまうのだと世間感覚を思い知りました。

ここのものは七州城の復元櫓ですが、あのような認識の方が多いのでは

復興天守流行るわけですわ。

さて美術館の中では二十世紀画家東山魁夷による

唐招堤寺御影障壁画展が開催されていました。

歴史教科書でも有名な鑑真和上に捧げられた御堂の襖絵が、

そのままの配置で展示されています

恥じらいもなく大量の群青と緑青を使った波濤の絵は圧巻です。

岩に張り付いたど根性松には絵なのに思わず

声援を送ってしまいそうになりますわ。

和上の故郷である中国の襖絵は墨絵で描かれています

なぜか「黄山暁雲」だけは襖の金具が気になってしまいました。

全体的に薄暗くなっていたのは、顔料が繊細な日本画の保存のためだと

思われますの。

透明感のある青みがかった緑色の出し方を知りたいものです。

また抽象の力展も同時開催されており、

扇で口元をおおって賞玩されがちな戦間期以降の抽象芸術

頭の良い監修者がうまく説明されていました。

なにせミュージアムショップカタログが売り切れているというのですから

監修者も豊田市民もたいしたものですわ。

フレーベルモンテッソーリ知育玩具が素敵で、

これをおもちゃに育った子供お話してみたくなりました。

コンクリートの容器に、コンクリートの破片を詰めた高松次郎作品

コンクリートの単体」はわたくしには理解しかねました。

からないものでもヒルマ・アフ・クリントの初期抽象作品はなんとなく

好きになれました。

いちばん分かりやすかった抽象芸術コンスタンティンブランクーシ

若い男のトルソⅡ」ですの。

これはどうみても、こんじきのぉちんちんですわ!!!

こんな破廉恥な展示が許されるのかしらと作品の前でどぎまぎしてしまいましたわ。

対応しそうな作品としてルーチョ・フォンターナのピンクに塗りたくったキャンバス

赤い縦の貫通穴をほどこした作品もありましたけど、

コンスタンティンブランクーシのせいで、そういう目になっていただけかもしれません。

あと、追悼小嶋悠司展も開かれていて、仏教画に影響を受けた

恐ろしげな世界をあじわえました。

ファイナルファンタジーの初期イラストを描かれた天野先生作品

少し印象が似通っています

小嶋悠司作品抽象の力にあった、熊谷守一作品「轢死体」とならんで

SAN値を下げてくださいました。

再入場できない東山魁夷作品最後に見るべきでしたわ・・・・・・

豊田市美術館建築もたいへんおもしろもので、

抽象の力展で使われている展示室は入った瞬間に行き止まり

感覚を与えながらちゃんと次の展示室に繋がっています

唐招堤寺御影堂の間取り再現するスペースをもっていたりして、

実用性・採光性・空間演出力を兼ね備えた優れた建築であると感じましたわ。

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