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はてなキーワード: 偏重とは

2023-11-28

受験英語は悪。無知でも書を捨て英会話しまくるべき←これ

英語ガチ勢こそ笑うらしいな。

文法単語偏重受験英語日本語母語者が英語習得するのに悪いことなんもなくて、

これにプラスして発音矯正ガチるのが最強なんだと

2023-11-26

漫画原作ドラマ

今季もたくさんあります

否定派ではないにしろ最近漫画原作多すぎない?というのを思ってもう10年くらいたった気がする

特にこの数年はほどよく人間ドラマで重くなりすぎず食べ物料理を中心に据えた「ちょうどいい」ドラマになりそうな漫画制作側があたりをつけて探しているのかな……なんて想像してしま

しかしばかになんて全然できないもので、今年はちょっといろいろみてみようかなと思って全く期待せずに見た好きな漫画原作ドラマがよくできていた

ドラマ化にあたってエピソードキャラクターをいったん解きほぐして再構成再構築することによってむしろ原作の方を読んでいるときに感じていたキャラクターのブレや粗やテンポの悪さや画面のガチャガチャ感がうまいときれいに整えられていて、一部改変されている設定があるにも関わらずそれでいて原作エッセンスは損なわれてもなくそれぞれのキャラクターがより強固に立ち上がっていてなんか感心してしまった

役者さんもみんなうまいし浮ついたところもなくていい意味で本当に「ちょうどいい」ドラマになっていてあえて佳作って呼びたい滋味のあるドラマになっててとてもいいので続けて見ている どの作品とは言わないけど

一方でどの作品とはやっぱり言わないけどシーズン2でこんなにダメになる……?と個人的に感じてしまドラマもあったりしてそっちの方がより好きな作品だったので残念

キャラブレというか多分この人はこんなこと言わないんだよなっていうのが複数キャラクター連続したのと単純にとても頭がいいはずの人が喋る日本語が急に拙くなっていたりという面でがっかりするのと

どんな事情があったかはなんとなく察しはつくけどその改変はこのドラマでやる意味がないな……その改変にすることでとたんに陳腐にチープになる物語という感じになってしまって

人間ドラマの方を偏重しはじめようとキャラクターにすべてを喋らせるのでさらにそれが加速する……みたいなとこが残念で次話はもういいかな、となってしまった

あと「私物化」っていうくらいすごい演じ方をする人のいるドラマって見るの結構疲れてしまうし

もう一つのドラマ結構がんばってるけど、主人公のお母さんがめちゃくちゃ解釈違いで残念だった

あの主人公のお母さんが普通におしゃれで品のいいマダムではだめだろう、それでは多分あの主人公内面現在人生にはならんだろう、彼女が育たないだろうみたいな部分で冷めてしま

原作の守らないと物語が180度とは言わずとも90度くらい変わっちゃう部分を変えられてしまうと違和感が出やすくて、そうでないところは大胆に改変しても作品テーマ人物の芯をとらえていれば根本が変わらないみたいなドラマづくりの巧拙のようなものを感じた2023年の秋冬です

どれがどれとは言わないけど

たまにドラマ見るの楽しい

なおもう一つのドラマ絶対なんかいたたまれない気持ちになりそうで最初から見てない

センセーショナルな要素だけすくって現実の絵面でやるとアクしか出てこなそうで原作の繊細すぎるほど繊細な部分全部なくなってそうで怖くて見れないよ、うまいこと作られてるかもしれないけど私は勇気なくて無理

大好きなあの先生作品何気に実写化率高い

2023-11-20

今の結婚制度セックス偏重してないか

なぜ夫や妻以外の人間セックスしたらすぐ離婚沙汰になってしまうのか?

逆に当人間のセックス頻度が少ないだけでも離婚事由になってしまうし

そんなに結婚におけるセックス重要性って高いのか?

というか実際高いのだとして、そんなに高くする必要性あるか?

 

結婚というのはある家族の一員と別の家族の一員が契約して新しい家族を作る行為のはずだ

その新しい家族安定的に持続させるために、たとえば経済的豊かさや身体安全性心理的安全性が重視されるのは、わかる

貧乏だと生活がままならない

家庭内暴力常態化していれば自身生存が危ぶまれたり、子の健全な成長を妨げる

モラハラが酷いと家族運営する上でのフェアな意思決定ができないし、最悪精神を病んだり、これまた子の健全な成長を妨げることになる

から浪費癖DVモラハラが「もうあなたとは家族をつづけることができません」という理由になるのは当然だと思う

でもそれらに比べて、不貞行為(=浮気不倫)やセックスレスって次元が違くないか

言っちゃ悪いが些末なことじゃないか

 

いや、もちろん酷いのがあることは認める

たとえば他所の女に入れ込んで金を使い込んだり、間男の子を孕んだり、変な病気うつされて不妊になったりね

でもそれらも突き詰めれば経済的問題身体問題が重大なのであって、他人とのセックス自体問題なわけではないだろ

他人とのセックスを起点として家族の持続性を危ぶませる事態が発生しているのは事実だが、かといってすべての他人とのセックス家族破壊する事態を引き起こすとは限らないはずだ

セックスレスだってそうだ

セックスレスそのもの問題というよりそれに伴って生じる精神不安家族間の不和家族破綻させる

 

そう考えると不貞行為がそれだけで離婚事由になるという現行の結婚制度はどこか恣意的だと思わないか

きっと今の結婚制度を作った大昔の人はセックスが好きすぎて頭が狂っていたんだと思う

非婚者がこれだけ増えて、同性パートナー制度や子を持たない家庭が当たり前になりつつある今、家族のカタチが変わるなら結婚のカタチも変わって当然だろう

いまここでもう一度、冷静に結婚制度見直してみないか

「家族」という関係性、契約、仕組みにとって、どのくらいセックスが重大で、あるいは重大でないのか

そこを整理し、再定位することで、きっと救われる家族は増えるだろう

本当はそんなにセックス重要ではないのに世間体現代セックス偏重主義価値観内面化によって苦しみ、悩んでいる人がたくさんいるのだから

2023-11-18

anond:20231118115419

欧米コミュ障も含めたチームでやってるから戦略が違うやろ

それこそChatGPTとか作れるくらいの巨大チームができるくらいのコミュ力までつけられれば別にコミュ力偏重でもいいけどな

日本そもそもチーム組まないじゃん?管理職層の能力のなさが一番ひどいっていうのはよく知られた話だが、交際共同研究も少ないし国内ですらチームを組まず存在感すらないのに、

昔の逸話とか残ってるタイプ独立して異彩をはなってるタイプ駆逐されちゃったか

欧米劣化コピーを1年遅れでやって国に報告してはお小遣い数百万もらって喜んでる、一般向け(官僚向け)に見栄えのいい研究者ばっかになってるよ

予算獲得のリストを見てもまぁどっかで見たことある結果もだいたい想像つく話をそつなくやってんなぁって感じだし、国が緩やかに死んでいくってこういうことなんだなっていつも体感してる

2023-11-16

民主主義全体主義

ドイツ首相が「イスラエル民主主義国家から全体主義国家ではない」とか変なことを言っている。

民主主義全体主義共存させるルートはだいたいこんな感じ。

民主主義

民主主義多数決偏重流れる

多数派民族による民族主義(民族ではない何かの集団になることも)に流れる

民族主義国家の存続を国是とした全体主義国家流れる

まぁ「多数決偏重民主主義」の時点ですでに正しくは民主主義じゃないとも言える。

そしてイスラエル場合建国当初から民族主義国家である

今までのイスラエルは「イスラエル人の人質一人と数千人のパレスチナ人捕虜を交換する」みたいな国だったらしいのだが、現政権は「人質が死んでもパレスチナ攻撃する」と言っているそうだ。

2023-11-06

anond:20231106185639

無形偽造とかしてわざと冤罪被せられる例も例外的にありそうだな

自白偏重司法というからなあ

2023-11-03

anond:20231102184541

女性を増やすとその分男性が減るのですが、それで底辺が大きくなるということは増えた女性底辺層に偏重しとりゃしませんかな?

2023-10-12

anond:20231012130532

え、いやだから「高い」人ですらニュース聞き取れないのなら、それは勉強の仕方が根本から違うんじゃない?っていう話なんだけど…

勉強の仕方を根本から変えたら聞き取れるのかは知らんけどもさ、韓国の方はけっこう結果出てるって聞くからそっち見習ってみたら?って

具体的には、リーディング偏重じゃなくてリスニングアウトプット日本より多いって曖昧な内容しか知らないけども

ていうかコンビニ外人さんやインドカレー屋の人達わりと日本普通に話せる人けっこういない?

彼らは書くのはもしかしたら難しいのかもしれないけど、その聞く話す能力の身につけ方は参考にならないのかなという話

2023-10-06

anond:20231006075835

これだよこれ

理系科学への偏重人間

理系社会に何をもたらすのか?技術しかもたらさないんだよね

ただの技術破壊にも汚染にも争いにも転んでいくから、高い技術を持つ文明があっても必ず滅んで人類過去数千年間まともに発展できなかった

社会の発展は常に文系科学に支えられてきたわけ

2023-09-29

先生、お願いだから音楽を教えてください

歌が一番わかり易いのだが、音に込める感情の起伏や細やかさといった表現レベルと、音程発声といった技術レベルは正比例していることが多い。

これはまあ当たり前で、表現を突き詰めるために高度な技法があるわけだし、表現の高みを目指すモチベーションこそが、実力を高める原動力になるのだから

したがって技法の身につけ方も、まず最初に「あるべき理想」を思い、恋い焦がれ、それを実現するために技術を身に着けていく。

音程の正確さだったら、そのフレーズ理想を思い描き、そこにマッチする音をはめ込んでいくことで正確さを実現するわけだ。

そのとき練習意識は「自分の出したい音のために、ちゃんと音符がハマらないと気が済まない。だから頑張る」という感じ。

そしてこれは歌に限らず楽器もそうで、一番の好例はエレキギターベースギターだろう。

音程精緻さという観点で見ると荒削りではあるんだけど、でも圧倒される音/痺れる音を実現するのに十分ハマった音程なわけで。

しかし、このアプローチが全く当てはまらない楽器も世の中に存在するのだ。

その最たるものヴァイオリンで、次点吹奏楽の、特にコンクール偏重環境管楽器を学んだ人達かな。

どういうことかというと、

「そんな微妙過ぎる表現で、音程けがそこまで正確に合うはずないんだけどな…」

と感じる演奏が極端に多いのだ。

ちなみに微妙というのは大味or貧弱だけでなく、指導されるがまま演奏してるのが見え見えな、悪い意味指導者の劣化コピー的なわざとらしい表現も含む。

これは、「表現よりも先に正確さだ!」という方針で、そもそも表現とは?音楽とは?みたいな話を学習者が理解できないうちに、指導から一方的に芸を仕込まれた結果である

具体的には、フレーズの中の音譜を1個ずつ取り上げては「高い」「低い」あるいは「フォルテフォルテ!」という具合だ。

こういう、学習者の自発的音楽へのモチベを引き出さないどころかガン無視するような指導は、習う方からしたら苦痛しかない。

そして上達するために必須の条件というか適性が、この練習苦痛に耐えることになってしまう。

この時点で多数の脱落者が出ることは確定である

脱落しなかったとしても、表現技法アンバランスな、「普通の下手」よりも聴くに耐えない演奏をする、雑魚奏者を量産する可能性が高い。

音楽を習うのに、音楽を後回しにするんだから当然の結果だろう。

しかも、あるべき表現というセンスの涵養を後回しにしてしまう結果、何かの曲の演奏を完成させるにも試行錯誤の回数だけが桁違いに。

(逆にどう表現したいかが先に定まっていれば、そのために必要試行のものシンプルなのだ。)

この傾向は曲が難しくなればなるほど加速度的に大きくなるため、最終的には百万回さらう体力・精神力要求されるようになる。

こういう指導幸せになれる人は、最初から表現モチベーション燃え燃え、あるいは練習の早い段階でモチベに火が付き、それを最後まで絶やさず続けられた人だけである

飲み込みが早い/要領がいいのも必要条件ではあるが、それだけだと「自分のやりたいことはコレジャナイ」という思いを秘めたたまプロとして食うしかないという、これまた苦しい人生が待っている。

というわけで、ごく一部のモチベーション超人かつ強靭な体力気力の持ち主しか楽しい音楽人生を送れない構造なのだ

とはいえ、少なくともヴァイオリンについてはもう少し本人も周囲も幸せになるような育成をして欲しいと思う次第である

幼少に初めたヴァイオリンで自らの雑魚演奏に苦しみ、大人になって再入門後に長い年月を経て、ようやく憧れだった結構難しい曲(音大入試レベル)を心底楽しく学んでいる筆者の、ささやかな願いだったり。

anond:20230929094541

直近で今まで珍しかった戦後鎌倉時代平安時代を題材にしているでしょ?

近年の大河ドラマは正に戦国幕末偏重からの脱却を測ってる訳で、

未だにこんなポストをする人はそもそも大河見た事ないしこれからも見ない層だと思う

あと飛鳥奈良はまだしも古墳時代より前は歴史学じゃなくて考古学領域だろう

そんな題材で1年50話のドラマ本気で見るつもりがあるんだろうか?多分特番ですら見ないだろう

ちなみに本当に古代史のドラマに関心がある人にはNHKの「聖徳太子」「大仏開眼」「大化改新」をオススメしておく

2023-09-15

anond:20230915003415

作品記憶に残る部分が物語の要素に偏重してるので、それを紡いだのは誰なのかが歴史に残るという作用が起こる。

結果として原作クレジットされるもの原作者の作ったメディアが残るので、アニメは単に映像化されたものとして記憶される。

原案くらいに映像化した際に仕事した人の色が出る作品ならば監督やら脚本名前も残ると思う。

2023-08-26

anond:20230826184643

左翼活動家トリチウムにぎゃあぎゃあ言い過ぎたせいで、国の対応トリチウム偏重になってるらしい

2023-08-12

日本の取り調べを改善すると犯罪者が野に放たれるけど大丈夫

この記事の話ね。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230812/k10014160721000.html

酷いよね、日本警察の取り調べ。

自白強要人質司法

現代人権感覚からしたら批難されるのが当然だし、改革すべきだと思う。

で、その上で。

そういった自白偏重捜査や取り調べを改善することの弊害もあるよねという話。

端的に言うと、今まで有罪になっていた本当の犯罪者無罪になって堂々と社会に戻ってくる。

これはデータがどうとかお気持ちとかの話ではなく、単純な確率の話。

今まで人権無視した取り調べによってどのくらいの人が有罪になっていたかはわからないけど、その全員が本当に無実の罪だった、ってのは相当考えにくいよね。

ほぼ確実に「物証はないけど本当の犯人」って人は混ざっているし、たぶん過半数は超えている(と信じたい)。

そうすると、人権を守った取り調べを行うことによって、本当の犯人無罪とされるケースは大幅に増える。たぶん、無実の人が助かるケースより増える。

そしてこれは刑事司法であらかじめ想定されている。というか、基本的思想でもある。

推定無罪原則10人の真犯人を逃すとも1人の無辜を罰するなかれ)」ってやつですね。

ただ、これみんな本当に望んで…というか、想定している?許容している?という気は正直している。

原則として定められているということは、逆に言うと「真犯人100% 有罪になって無辜の人は100%無罪になるような都合のいい話はない」ということでもある。両者は常にトレードオフ関係と考えなければいけない。

あいつは絶対犯人だけど、物証が挙げられなかったのでお咎めなしで堂々と釈放されました」というケースが増えたとき、仕方ないと思えるだろうか?例えばその被害者自分の身内や知り合いでも?

特に増田懸念しているのは性犯罪関係かな。体液が残る強姦事件は別として、性犯罪物証が残りにくいよね。

社会治安については因果関係が複雑すぎるから予測が難しいけど、まあ普通に考えて犯罪へのハードルは下がるんじゃないかなという気がする。

捕まっても逃げられる確率が上がるわけだから

というリスクがあるわけだけど、我々はそれをしっかり呑み込んで日本司法における人権状況の改善要求すべきだよね、そこまで想像覚悟して言っているよね?

2023-08-09

やっぱ夏の甲子園を続けるのは限界あるわ

今すぐにやめろとは言わんけど、10年後20年後は無理だわ。

絶対死人が出る。

でも選手大丈夫だと思う(鍛えてますから)。

死ぬとしたら観客か監督だろうね。

大垣日大坂口監督(79)を見てみろよ。

ヨボヨボのお爺ちゃんじゃん。

あんなのいつ死んでもおかしくないわ。

もはや勇退が先かベンチで息を引き取るのが先かのチキンレースだよ。

ただ、選手達の夏の甲子園への憧れはとてつもないもので、あそこには小学校に入るか入らないかの時から夏の甲子園に憧れ続けた選手が800人以上集まってる。

そこに危険からやめろなんて言っても誰も納得はしないんだよな。

危険だとわかってやらせるのが大人のやることではないのは当然だけど、大会の姿を変えることで選手達が悲しむのを知っててやるのもまた大人のやることではないからね。

少なくとも、全国高等学校野球選手権大会は今後甲子園でやることはないですと言って、強豪校を中心にほとんどの球児が納得してくれるような状況を作らないといけない。

まぁ、出来ることと言ったら夏の報道量を減らしてその分センバツ神宮大会報道を増やして、それらの大会形態も変えて、もっと夏以外の大会に憧れてもらうようにするしかないのかな。

春も夏も新聞社主催してるんだから、そういう情報操作は得意でしょ?

まだ生まれていない、未来高校球児が持つ高校野球全体への憧れや熱意の総量を減らさずに、異常なほどの夏偏重の考えをなくしていかないといけない。

100年以上続く歴史によって作られた強固なブランドイメージに立ち向かうのは容易いことではないけど、やる前からああだこうだ言っても意味いからね。

みんなも夏の甲子園危険からやめろって言うなら、夏の価値相対的に下げるために、もっとそれ以外の高校野球の話をしようよ。

2023-07-31

チョウかジュウか!?

偏重 へんちょう

鈍重 どんじゅう

自重 じじゅう | じちょう どちらの読みも存在するが意味が異なる。例:体調が悪いので自重トレーニング自重する。

2023-07-28

anond:20230728151658

ダメージうけるのしんどいで距離置けるの普通に偉いわ、格差目にしてかTLにお気持ちボンバーしてくるあたおか奴もおったし、交流偏重しすぎて家庭崩壊した奴もみた。

のめりこんで生活崩さずに冷静に判断できてるの本気で偉いと思う。

2023-07-26

anond:20230725231257

おもしろミステリとは何か」を語るなら、まず「ミステリとは何か」を定義する必要がある。私は以下のように定義をしている。

 

 

倒叙ミステリ」のように犯人側が殺人を犯す心理を描いていく作品もあるのだが、本エントリではとりあえず上記定義を厳密に適用し、倒叙ものミステリではないとする。また東野圭吾容疑者Xの献身』のように、犯人側と探偵側の視点が入り混じり、その構造自体が読者へのサプライズになるような高等テクニックを用いた小説もあるのだが、こういうものも一旦ミステリではないとする(古いミステリファンならご存知だろうが、実際に『容疑者Xの献身』が本格ミステリなのか否かで、大議論が起きましたな)。

 

面白いミステリとは何か

ミステリとは〈謎を追う構造を持つ物語である。その謎には、大きく分けて二種類がある。〈人間の謎〉と〈トリックの謎〉だ。

ブコメでも出ているが北村薫の「私」シリーズ典型的な前者で、日常の中で発生する何らかの謎を解いていくと、その謎に関わった人間ドラマに突き当たるという構造を持つ(ざっくりと説明しているので、多くの例外を切り落としている)。ストーリーミステリ構造が使われていて、サプライズも用意されているものの、最終的には人間ドラマを描くことが主眼の小説と考えていい。

翻って「トリックの謎」というのはいわゆる〈本格ミステリ〉と呼ばれるジャンルで、絶対不可能方法殺人などが行われ、犯行に使われたトリック自体面白さで読ませるものと考えればよい。綾辻行人十角館の殺人』はもろにこちらに当てはまり、実際にトリック自体が斬新で衝撃があったため、名作としていまに至るまで読みつがれている。

ミステリを巡ってしばしば問題になるのが〈人間が描けていない〉という件だ。平たく言うと、トリック小説人間ドラマとの相性が悪いのだ。人を殺すならば夜道で後ろから刺せばいいだけで、わざわざ密室を作ってその中に閉じ込めたり、アリバイトリックを仕掛けて警察を欺いたり、クローズドサークルの中で大量殺人チャレンジしたりなど、コスパの悪い行動を取る必要はない(実際に、現実世界本格ミステリのような事件存在しない)。トリック小説としての面白さを作り込めば作り込むほど「こんなことをする人間がいるわけないやん」という問題が浮かび上がり、リアル人間ドラマからは遠ざかる。これは構造的に仕方のない問題であり、謎解きミステリ文学賞レースで弱い理由もここにある。

増田は〈トリックの謎〉に特化したミステリに対し〈キャラクター描写ストーリー偏重〉する読みかたをしており、こう読まれるといかに名作といえどつらいものがある。アダルトビデオを見て「ストーリーがめちゃくちゃじゃないか」と言っているようなもので、〈トリックの謎〉系の小説を読む際はモードを変えなければならない(とはいえ十角館の殺人』が小説として稚拙すぎるというのは私も同意するところで、いかトリックが斬新であろうともこんなもん評価できるかという増田の主張は、理解できる面もある)。

まとめると、ミステリには二つのタイプがあり、それぞれ別の軸で評価しなければならないということだ。〈人間の謎〉を描くタイプミステリでは、ミステリとしての驚き + 最終的に描かれる人間ドラマの深度が評価ポイントとなり、〈トリックの謎〉を描くタイプミステリでは、ミステリとしての驚き + トリック面白さが評価ポイントとなる。「面白いミステリ」とは、その作品が属するジャンルで高いポイントを得たものといえるだろう。両者をごちゃまぜにして測るべきでない物差しで測ってしまうと、価値を見誤る。

殺戮に至る病』は読んだのが昔なので覚えていないのだが、構造的にはサイコサスペンス + ラストに驚きがあるという作品だったと思うので、ここではミステリとしては扱わない。

上記2作はミステリとして何が優れていたのか

上述の通り。

自分ミステリを楽しむには何に着眼すべきなのか

キャラクター描写ストーリー偏重〉するのであれば、〈人間の謎〉を主眼に置いた作品を読むのがよいかと思う。とはいえ十角館の殺人』以降、綾辻行人はぐんぐん小説が上手くなった人なので、例えば代表作『時計館の殺人』なんかだと、あくまトリック小説ではあるのだが、小説としてのエグみは『十角館』よりもだいぶマイルドになっており増田も楽しめるかもしれない。

おすすめ作品

米澤穂信『王とサーカス

米澤穂信ミステリ構造を使いつつ、それを深みのある人間ドラマと融合させていくことに長年取り組んでいる人で、『王とサーカス』は代表作のひとつでもある。2001年カトマンズで起きたとある政変テーマとなっているが、殺人事件の謎を主人公女性記者が追っていくにつれ、〈報じるとはなにか〉という現代的なテーマが浮き彫りになる。磨き上げられた体温の低い文体も素晴らしく、読んでいる最中カトマンズの街を旅している気分になる。

島田荘司『奇想、天を動かす』

人間の謎〉と〈トリックの謎〉は相反するというようなことを書いてきたが、それをムリクリ融合する試みも過去何度も行われており、島田荘司はそれを最高レベルで達成した作家のひとりである。『奇想、天を動かす』では作中で大トリックが使われているものの単なるトリック小説ではなく、読むにつれ戦後日本という巨大なテーマが立ち上がってくる。

連城三紀彦『宵待草夜情』

連城三紀彦は〈人間の謎〉を描くことに主眼を置くタイプミステリ作家で、吉行淳之介を思わせる優れた文体をもっているのだが、そういった文芸調の作品にやけにハイコンテクストで作り込んだミステリ様式を持ち込むあたりがユニーク作家である。『宵待草夜情』はいずれも重厚人間ドラマが描かれつつ、そこに作り込まれミステリの要素が投入されていて大変面白い最高傑作と呼ばれる「花虐の賦」も収録されている。

損保マンの憂鬱

渦中の損保の元社員ビッグモーターのような大手ではないけれど、モータチャネルと言われる中小の整備工場保険代理店を主に担当してた。

損害保険会社保険代理店組織組織なら商品サプライヤー側が強いのだけど、現場営業部門ではそうはいかない。今どきの代理店複数保険会社の取り扱いがあるところがほとんどだし、代理店の思惑一つで自賠責任意保険を他社に切り替えられちゃうわけよ。もちろん、顧客側がネット系を含む保険会社指定することはあるけど、ディーラーで車を買うと同時に勧められるがままに加入している人はかなり多いよね。

なので、代理店担当する営業社員はまぁ完全に首に縄をつけられた小間使いと化すわけ。相手の機嫌を損ねたら他社に数百万の挙績が移るし、その結果は上席者からの鬼詰なわけだからそらなんだってするよ。自動車保険商品力の差なんて知れてるし、営業人間力(=滅私奉公)に全てがかかってるからね。自分場合も土日のお祭り草野球ゴルフ商店街旅行と散々額に汗を流しました。営業時に必ず家族との夕食に同席させてくれたIさん、今も元気で過ごしてるかな?

サービスが行き渡ってる以上、保険会社トップラインを伸ばすには他社のシェアを奪う必要があるし、そのためには乗合代理店から顧客への切り替え提案を引き出すのが一番手っ取り早い。危ない橋ながらも目先の利益に飛びつくインセンティブは少なくとも営業社員にはめちゃくちゃある。今回のケースもそういった中で火中の栗を拾いに行ったのでしょう。

もちろん、保険会社にもリスク査定する部門はあるし、そういったところからブレーキがかかった可能性は高いと思う。ただ、往々にして保険会社営業が強いし(査定本社を非現業と下に見る文化は各社にあるのでは?)、話題損保は昔から強烈な営業偏重姿勢で有名。営業社員は報告時に後ろぐらさを伏せるのでどこまで社内に危機感が共有されていたのかはわからないが、まぁ起こるべくして起こった事件だなと感じた。

2023-07-25

逆に聞くが「おもしろミステリ」って何?

https://anond.hatelabo.jp/20230725215629

これ書いてる増田ミステリ全然読まないのね。で、知人から「まずは『十角館の殺人』とか『殺戮に至る病』読め」って言われて読んだのよ。

正直言うがこの2つ面白いか? キャラクター観が激古くて読むに堪えないって感想がかなりでかい

もちろん、大ネタトリックはそこそこ驚いたので悪くはなかった。でもそれにしたって描写がかなり厳しいと思っちゃったんだよ。

まあ本音を言えばタイトルアオリよ。自分がどうやら小説を読むときキャラクター描写ストーリー偏重しすぎるきらいがあるので、例にあげた2つのおもしろさがわからないのは当たり前というか、どちらもそういうのを狙ってる作品じゃないよね。だからおもしろく思えないのは単にnot for meってのはわかる。

でもなお思っちゃうのはさ、世間的になんであんなにこの2作品が褒められてるのかが逆にわかんなかったんだよ。

で、逆張りでもなんでもなく知りたいのよ。ミステリファン的に

この辺でアドバイスあったら教えてくれないか? 世間的に褒められてる作品理解できないの、多分自分のレセプターが歪んでる可能性があるのでラーニングしたいんすよ。でもミステリに関する知識マジでいからとっかかりがなくてすごく困ってる。

追記

めっちゃコメントきてるありがとう!めちゃくちゃたくさん反応もらって追いきれてないけどすげえ助かる!整理するんで少し待ってくれ!

追記2

いきなり訂正なんだけど俺めっちゃミステリ読んでたわ! みんなが挙げてくれてた作品だとこんな感じだわ!

でも上に挙げた奴あんまりミステリミステリって気持ちで読んでなかったわ!

最初書かなかった事情を書くとさ、こないだたまたま見かけたおすすめミステリ100冊みたいな文章の冒頭に「『十角館の殺人』読んでないならまず読め。こんな文章読んでる場合じゃないんよ」って書かれてたから『十角館の殺人』読んだらピンと来なくて困ってたんだよ。「ミステリとは一体なんなんだ……?」みたいな気持ちですよ。でも全然読んでた! ごめん! 俺が間違ってた!

これはみんなが色々教えてくれて少しわかったと思う。そもそも本格ミステリ」と「新本格ミステリ」というジャンルの間に「社会派ミステリ」ってのがあったんだな。その反動新本格が出てきた。なんか「『本格って単語がついてるミステリ』がわからないならミステリのことがわかってない」みたいな気持ちになってたけどそんなことなかったんだな……。

十角館の殺人とかも、描写がちょい厳しいなってのも時代的なこと考えたら理解はできる。こないだヤマシタトモコの古い作品読んだら「ホモ」って言葉連呼されまくってて「マジで?」ってなったの思い出した。10年程度で感覚全然かわるし30年あれば言わずもがななんだよな。

いやさ「本格ミステリ」とか言われてる作品がピンとこなかったらちょいビビっちゃったんですよ。だって「本格」がわかんないなら「ミステリ」って何? って感じじゃん? でもあんまり気にしなくてよさそうだな。いろいろなミステリがあっていい! そういうことか!

自分が好きなSFとかが「SFとは認めん!」みたいなこと言ってる作家多かった経験からすげえジャンルに対して身構えていたんだけど、当たり前だがいろいろな楽しみ方があるんだな……。ありがとう。そこマジでわかってなかった。ミステリファンは全員「本格ミステリわからんやつはミステリことなんもわかってない」くらいに白眼視されると思ってた(冗談じゃなく本気で思ってた)。これは俺の偏見だったわ。本当にすまん。

どうやら世間的には日常ミステリとかキャラが経ってる新本格とかたくさんあるっぽい。みんなが面白いって言ってくれた作品追っかけてみる。ありがとう!!!

とりあえずみんなが言及してくれたレコメンド列挙した。

多いわ!!!

lady_joker 100文字では書けないのでこっちに書いた。推敲していないので、チビを迎えに行ってから直すかも https://anond.hatelabo.jp/20230726161801

fushigishiatsu 増田友達になりたい、という文章を書きました。https://twitter.com/3216/status/1684044848628916224

フレンド!!!

あと面白かったのがこの方のブコメ

bokmal 子供の頃親の本棚エラリー・クイーンを読んだらおもしろすぎて、小遣いで古本買い集めたけど、大人になってから読むと「おもしろいけどそこまでか…?」てなった。子供ゲームブックと小説区別しないしなー。

気のせいじゃなければエラリークイーン挙げたのこの方だけ?

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