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2023-07-26

損保マンの憂鬱

渦中の損保の元社員ビッグモーターのような大手ではないけれど、モータチャネルと言われる中小の整備工場保険代理店を主に担当してた。

損害保険会社保険代理店組織組織なら商品サプライヤー側が強いのだけど、現場営業部門ではそうはいかない。今どきの代理店複数保険会社の取り扱いがあるところがほとんどだし、代理店の思惑一つで自賠責任意保険を他社に切り替えられちゃうわけよ。もちろん、顧客側がネット系を含む保険会社指定することはあるけど、ディーラーで車を買うと同時に勧められるがままに加入している人はかなり多いよね。

なので、代理店担当する営業社員はまぁ完全に首に縄をつけられた小間使いと化すわけ。相手の機嫌を損ねたら他社に数百万の挙績が移るし、その結果は上席者からの鬼詰なわけだからそらなんだってするよ。自動車保険商品力の差なんて知れてるし、営業人間力(=滅私奉公)に全てがかかってるからね。自分場合も土日のお祭り草野球ゴルフ商店街旅行と散々額に汗を流しました。営業時に必ず家族との夕食に同席させてくれたIさん、今も元気で過ごしてるかな?

サービスが行き渡ってる以上、保険会社トップラインを伸ばすには他社のシェアを奪う必要があるし、そのためには乗合代理店から顧客への切り替え提案を引き出すのが一番手っ取り早い。危ない橋ながらも目先の利益に飛びつくインセンティブは少なくとも営業社員にはめちゃくちゃある。今回のケースもそういった中で火中の栗を拾いに行ったのでしょう。

もちろん、保険会社にもリスク査定する部門はあるし、そういったところからブレーキがかかった可能性は高いと思う。ただ、往々にして保険会社営業が強いし(査定本社を非現業と下に見る文化は各社にあるのでは?)、話題損保は昔から強烈な営業偏重姿勢で有名。営業社員は報告時に後ろぐらさを伏せるのでどこまで社内に危機感が共有されていたのかはわからないが、まぁ起こるべくして起こった事件だなと感じた。

 
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