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はてなキーワード: 描写とは

2022-11-12

すずめの戸締まり とても良かった

「本作には、地震描写および、緊急地震速報を受信した際の警報音が流れるシーンがございます警報音は実際のものとは異なりますが、ご鑑賞にあたりましては、予めご了承いただきます様、お願い申し上げます。」

公式HPにあってかなり身構えながら観に行ったけど、じんわり前向きな鑑賞後感があって、映像の美しさもあってとても映画に入り込めた。

君の名はスカッとした感じとも、天気の子の若干モヤっとした部分を残す感じとも違う、じんわりした感じ。

ロングラン上映になるだろうし時間が経ってからもう一回観に行こう。

交通事故描写PTSD発症する人は大勢いるのに、そういうのをスルーしてきた自分を棚にあげて、自分体験した被害を描かれたから怒ってるのは想像力が足りないと思うわ

すずめの戸締まり

2022-11-11

anond:20221111212237

嘘松

文学志望者の創作だろう。

嘘でも創作でも構わないが、話に大きな矛盾があるのはダメだ。

から歩いて一分ほどのところにある鴨川

鴨川京都市流れる河川なので、店も京都市であるとこがうかがえる。しかし…

北にある政令指定都市の方から会社学校帰りの人が流れてくる

お店からおよそ10km離れた政令市

京都市の北に政令指定都市は無い。

それに、京都市から最も近い政令指定都市大阪市である距離は30km以上は離れている。

もしかして京都以外にも鴨川という名前河川があり、京都市とは全く別の政令指定都市の近くが舞台かと思いきや…

そこは腐っても京都府内だ

念のために捕捉すると、鴨川は起点も終点京都市である

好意的解釈しようとも、主要となる舞台設定に矛盾があると言わざるを得ない。

なんとなくおしゃれっぽい雰囲気を出そうと鴨川舞台としたものの、プロットがまともに作れていないことが露呈している。

もっとも、話のオチをつけることすら放棄している時点で、プロット以前の問題でもあるのだが。

そのかわりに、冒頭と終盤で読者に語り掛けるテクニックだったり細かい人物描写だったりと、小手先技術文学らしさを作り上げようという努力はみられる。

ぎらぎらとしているようで、どこかあどけない感じもして、しかし落ち着いている。只者じゃない。修羅の目だ。多くの物事と戦ってきたに違いない。人生の重みは表情に出る

上述の細かい人物描写はその顕著な例だ。

結果として元増田文章は、読んだとて何の知見にもならないただの文学っぽい文字の羅列にしかなっていない。

元増田文学を気取ってばかりで中身のない伊達な人であることは間違いない。

しかも、こんな無駄文章を作り上げるだけでなく世界中公表するとは酔狂の極みだ。

2022-11-10

anond:20221110192408

「そういう女性」は結婚までの過程を、少なくとも出会いやどういう点で意気投合たかなど

きっかけをしっかり描写していて、よくある話のようにいきなり生えてこない、という話

小説 野崎まど know

氏のSF小説は二作目かな。

情報社会が実現した未来身の回りの全てから大量なデータが取られる世界でその処理を補佐する装置をほぼ全員が装着し、いやおうなく収集されるプライベートや秘匿情報は多情報に加え他人を見れる・自分を見られない(隠せる)上位と情報制限されさら他人を見られない・自分を見られる(主語がないと日本語って難しい)下位という階級制度ができあがっていた。

そんな世界でおおむね一般人の最高階級であるクラス5(大臣級が最高位の6)の主人公はありえないような情報を扱う能力を持つ…いわば"クラス9"の少女出会う。

みたいな。話。知識とは全知とはといったモノがテーマです。

知るknowと脳の同音異義語の単純なお遊びがタイトルっすね。

んー感想としては面白かった!でもあっさりだね!なんかちょっとはぐらかされた気もするぞ。

全知の果ての結末があれとリンクするってのはとても興奮した。

主人公少女にわざと情報を渡さなかったものがあったからそれをもってして全知の欠けとして引き止めるのかと思ったらそれを渡して送り出すのはそっちかぁぁぁぁ!となりました。

中盤でクラス*というキャラがでてきて謎の概念バトルが始まってですね。なんだか描写とある魔術の禁書目録みたいだなぁと笑った。気が抜けた…のがマイナスといっていいか。一回こっきりだったけど。オマージュだったのかな?息抜きにはなった。

他、好きなシーンは坊さんの知識をちゅうちゅう吸い尽くすシーン。問いに答えているテイがいつの間にか無理やり知識を吐き出されている関係に変わり本人はそれに気付かず疲弊していくっていうのが好き。吸智鬼って感じ。

全知の表現は他に、十分な情報とそれを処理する能力があれば未来予測したり人格再現できるってものもある。あと他者に何か決定的な予感を抱かせるなにかもありそう。

未来予知はどちらかと言えば決定論寄りな立場なんじゃないかなぁと思った。それでいて仏教悟りとか聖書比喩ったり日本神話時代古代史に触れたりちょいちょい宗教的な部分が入る。門を開くシーンはもう奇跡を起こす、啓示をもたらす聖人みたいな書き方じゃなかった?


結局、全知な人間なんて書けないわけですよ。だから全知な人間思考言葉は全知でない一般人には理解できないってことにして最後の対談はまあ置いてけぼりにされてちょっとスカされた気分になったよね。それで行き着く先が聖書のアレ。日常的な情報を全て知れる全知の人間が求めるのが宗教的未到達点や古代の秘匿情報というのはわかるんだけども。誰もわかってないか描写も誤魔化せるし。だけどもね。

うーん…そっち行っちゃったかぁ。という残念な気持ちがある。結果的古代聖書のアレが比喩として使えそうなことに偶然なった。と言い訳はできるけどこれはフィクションから作者が聖書のアレを使かおうとして逆算でこうなったわけで現代人よりはるか情報が少なかった古代聖書情報の、人の到達点で起きることを予期されていたってのはSF的にNG感はあったかなぁ。

人の脳が「量子コンピューターの性能10倍以上の差」を覆すのもね。量子コンピューターって…!もっとこう…!すごいものだろ……!!!みたいなイメージがある。あった。

それを人類の秘めたる力で覆されちゃう科学の信奉者(でもないけど)としてはがっくりくるものが多少はあるよねー。

展開的には燃える、熱い、そうくるのかぁー!となるんだけどね。納得できない自分10%ほど含有されています

これガンダムニュータイプ覚醒最後に全部かっさらちゃう感じに似てる。ってZとユニコーンぐらい?Z見てないや。適当書いたかも。

(全知すら知らない人類の未知の分野を書かないで済ますというのもしかたないけどずるいぞ兄ちゃん!ってなるよねー。結局、全知の彼女から読者の自分が受け取った全知者特有の何かってないのかもしれない。だって作者は全知じゃないから…。でもなんかこんなんだったよー!っていうフィクションが見たかった!)

それはそれとしてライトノベル重要なのは少女ヒロイン度だよね。

もちろんクラス9である彼女大人である主人公より圧倒的に情報を持ちまた扱えるわけで。そこで重要なのが少女少女性だよね!

すごい人間だけどいかにただの少女の部分があるかってのを魅せるのが大事大事

その点はまあ成功してたんじゃないかな。極端な幼さは見せなかったと記憶しているけれど節々の立ち居振る舞いは可愛かったよね。ドレスを選ぶシーンとか好き。

それとサブヒロイン?出番は極小で居なくても問題ないキャラなんだけど、上司主人公が嫌いででも能力は認めてて多分身近で一番の主人公理解者で嫌いだけど好き、固執してるってポジション女性。ツボです。一言で言える言葉ができてジャンル化しねーかなー!!!!!!

ナウシカクロトワ、ブリーチの七緒?古典部伊原?左門くんとてっしー?

昼行灯相方ツンデレは違うなぁ…。

こういうキャラをどしどし摂取したいものである

…だけどマジで本筋に一切絡まないとはね。ラストの展開は大好き。





結ぶと、この物語は終始、彼女情報収集能力と処理能力でもって最初から導き出された未来へひたすら突き進むものだった。最後の未知の領域でさえ彼女、彼のそうあってほしい、できるはずだという希望的観測予測を見事に引き寄せた。ただただ予定調和物語だったわけである

それを退屈だと論じる自分もいるけれど、大部分の自分はこれは面白かったと言っている。

未来世界、謎、ヒロイン性。どれもが十分であった。ならば面白くなかったといえば断じて嘘であろう。

しかし、しかし。それは作者の筆力で飲み込まされたものではなかろうか。「もしこの作品野崎まど以外が書いていたら」初めて読む作者だったらつまらなかったと言っていた可能性がないわけでもない。が、どうあがいても野崎まどが出した作品であるし、私は野崎まどファンなのでknowは面白いという結論に変わりはなかったのだ。



あ、最後に。主人公はそんなに好きじゃないかなぁ。童心は好きなんだけれど、適当女性と一夜限りのメイクラブを楽しんで雲隠れするって属性がなぁ。またそれが14歳少女に手を出せる理由付けって感じのお話の都合上の属性っぽくて作り物クサい。

目指せと言われてクラス5になったんだから彼も何がしかなしえてたら良かったのにね。彼自体空っぽで好きになれなかったです。ある意味彼がかわいそう。

anond:20221110173137

なんか知らんけど、最終行には同意

オタクは「これがキモがられるのはおかしい、あの大流行作品だって似たような描写あるじゃん!」とよく言うけど

実際は全然違ってて、それらを一緒くたにする感覚が更に気持ち悪いってのよくあるよな

anond:20221110142250

ダルマエルフ奴隷を買ってあげる優しい主人公

という設定が普通の人には気持ち悪すぎて無理なんだよ。

これに拒否反応を出さずスルー出来てしまう時点でもう異常だということを理解しろ

盾の勇者無職転生でも似たような描写があるように感じるかもしれないが、あれは青切符レベルだ。

「股を開いて自分から性交をねだる全裸の肉便器

なんてものは出て来ないんだちゃん流行作品には。

ネット文化に毒された異常者のオタクからすればわずかな隔たりに感じるだろうが、正常な人間価値観ではその隔たりの間には巨大なクレバスが開いているのが見えるのだ。

チェンソーマン 性的モノ化





モヤッとする部分が、、、、

3話は特に感じたのですが、主人公が、「女性キャラ悪魔)の胸を揉みたい」という動機で戦ったり、やる気を出したりしている、という点です。

もちろん、ギャグ的な意味もあると思うのですが、戦闘中にも「胸を揉みたい」的な発言をして、力を発揮するシーンがあります

性的モノ化

人によって捉え方は異なりますが、私は、チェンソーマンでのこれらの描写は、女性身体のパーツを性的なモノとして捉えている「性的モノ化」の見方がわりと強く出ているように感じます

キャラ人格無視して、胸というパーツにだけ注目しているように見えてしまいました。

もちろん、ジャンプで連載されている作品なので、男性視点で描かれる事自体問題ないと思います

しろ問題なのは、この作品MAPPAという日本屈指のアニメーション会社が全力で制作する事で、ものすごいクオリティ作品になっている、という点です。

少年マンガ少女マンガ市場規模の違い

少年マンガ少女マンガ比較した場合一般的には少年マンガの方が社会話題になることが多いと思いますアニメ化された時の注目度や、予算のかけ方も少年マンガ男性向けマンガ)の方が大きいのでは無いかと思います

近年話題になった作品を思い返しても「鬼滅の刃」「呪術廻戦」「ワンピース映画)」など、ニュースでも取り上げられるレベル作品男性向けの物が多いです。これらの作品と同じくらい話題になる女性向けのマンガはニュースなどでもあまり耳にしない印象です。

こういった男性向けマンガがトップレベル制作会社によって圧倒的なクオリティで作られていると、どうしても「日本代表するアニメーション」のように見えてしまます表現問題が多少あっても「成功した正しいアニメーション」のようにも見えてしまうのでは無いでしょうか。

表現自体NGというわけではありません。少年マンガ青年マンガとして、対象の年齢/性別が読む媒体掲載されている分には、それほど問題にはならないかと思います

しかし、少年マンガ少女マンガ市場規模の差や、テレビアニメになることで、より多くの人の目に触れてしま場合、もう少し表現配慮があってしかるべきではないでしょうか。

私のからだは私のもの

女性の胸は男性に揉まれもの」という価値観がこの作品を見た人に広まらないと良いなと思います

成人した大人であればそんな事は思わないかもしれませんが、中学生高校生など思春期男性が、この作品を見て、主人公をカッコいいと思う場合に、その考え方まで正しいと思わない事を望みます

……考えすぎですかね……?

盛り上がっている作品に水をかけるような内容を書いてしまいましたが、面白いことは間違いないので、今後も視聴したいと思っています









ああああああああ。こういう教科書通りにしかものを見れないやつほんと嫌い。

意外と『ニセモノの錬金術師』が語られていない

近年において最もホットウェブ漫画の一つに数えられてもいい『ニセモノの錬金術師』が、はてなではあまり語られていない。満を持して増田で一本書いてみたいと思う。


『ニセモノの錬金術師』は、2020年から現在に至るまで連載されている、杉浦次郎氏によるウェブ漫画である

ジャンルはいわゆる異世界生モノだが、既存作品とは明らかに方向性を異にしており、その方向性とは作者特有とも言える人間精神性を執拗描写していくスタイルだ。

人を愛すること、人を呪うこと――主にその二つを軸に世界観が構築されており、そのような精神性は主に「呪術」という作中独自技術体系によって表現されている。世界は愛と呪いに満ちている――それが恐らくは、この『ニセモノの錬金術師』を語る上での基本的世界観であろう。


あらすじ

主人公は、かつて地球にて生を送っていたサコガシラという名前男性である。ある日交通事故に遭い、異世界へと転生させられる。

その際に神的存在によって高度な錬金術とも呼べる能力を与えられ、その能力によって彼は錬金術師として様々な困難を潜り抜けていく。そんな中、気まぐれに立ち寄った奴隷商人の店内にて、彼は一人の女奴隷出会う。

――というのが物語の大まかな粗筋である

あらすじだけを見れば、既存異世界転生系作品との差別化が不十分であるとも取られかねないと思う。とは言え、読めば分かるのだが、本作は既存の同ジャンル作品とは全くもって方向性を異にする作品である。現状では全話無料で読むことが可能なので、是非ともその目で最終的な評価を行ってほしい。


以下、この『ニセモノの錬金術師』について、個人的に魅力的だと思っている箇所を列挙していく。


呪い』について

『自らの愚かさに嘆き ただ苦しみ 痛み 辱められ 毎日に怯え震えて 生きることを命じる』

本作で描かれる『呪い』の描写は極めて綿密であり、作者の思想や、また恐らくは人生経験が濃密に反映されている。この『呪い』を巡る描写において、個人的特に感銘を受けたのは、節タイトルの「呪い」についての描写である

主人公奴隷として購入された異国の少女ノラは、かつて優秀な呪術師の父によって呪術の手解きを受けており、あるとき彼女と同じく奴隷商の商品であったエルフ女性、ココにかけられた膨大な呪い存在を察知する。ココは四肢を切断されており、また目と鼓膜と発声器官を念入りに損傷させられているため周囲の人々とのコミュニケーションを取ることができず、長い間その致死的な呪い存在に周囲の人間は気付くことができなかったのである

ノラはサコガシラ邸にてその呪い分析を行う。自らココにかけられた呪いの一端を体験しつつ、その呪い根本命題へと深く探訪するのである。最終的にノラは、ココにかけられた呪いが、ココを呪った何者かによるあまりにも深い慈愛からやってくるものであることを悟る。ココにかけられた呪いの奥深くに潜んでいた根本命題とは、「自らの愚かさに嘆き ただ苦しみ 痛み 辱められ 毎日に怯え震えて 生きることを命じる」という陰惨なものであった。しかし、同時にその呪いには深い慈愛の影があったのである。ノラはその事実に深く混乱すると同時に、自らが学んだ呪術という技術体系に対する深い侮辱の念を覚える。そして、その何者かに対しての憎悪を露わにするのだ。


呪いというものは誰しもの心に自然に生まれもので、それは人間の心にとってひどく自然な営みであると、作中では語られる。誰かを呪う気持ちなくして人間は生きることなどできないのである。その、人間にとって自然感情コントロールし、時に人間営為に役立てるために生み出されたのが、作中における呪術という技術体系なのだ少女ノラは、その技術に深い愛着を持っていた。それ故に、ノラはココの『呪われ方』――深い慈愛と共に、おぞましいほどにまで対象呪い抜く偏執性――に歪つさを見て取ると同時に、反発を覚えるのである

作中で最初に重度の呪いが描かれるのが、節タイトルのシーンであり、私はこの呪いのシーンが好きだ。呪いとは、自然な心の働きであり、それは愛することと同様に人間と切り離すことのできない営みなのである――だからこそ、ノラはその営みに深い拘りを持っており、その拘りが示されるこのシーンは作中全体における、『呪術』に関するハイライトとなっているのだ。このような、ノラが持つ『呪い』に対する自然な拘りは、ある意味では作者が抱える『呪い』に対する拘りと鏡映しの関係になっている。作中の様々なシーンから、作者の『呪い』に対する拘りの深さ、あるいは、含蓄の深さを覗くことができる。

相手禁忌を知れ、その禁忌を踏みにじらせろ』

この一節は、ノラの父によってノラに対して語られる、言わば呪術の基本のキに当たる基礎的な方法である禁忌を破ることと呪いを受けることはイコール関係になっており、時に呪術師はその呪いを強めたり、あるいは和らげもするのだ。

呪術は度し難い技術であるしかし同時に、呪術とは人間の心に自然と生じる、深い憎悪を鎮めるための技術でもあり、その背反性が作中では極めて自然に溶け合っている。


主人公サコガシラについて

本作の主人公サコガシラ自己評価が極めて低く、自身の命を極端に軽視するという傾向を持っている。これは、サコガシラ自傷的傾向があるという意味ではない。純粋自尊心が低すぎ、また、自己評価が極めて低すぎるがために、自分の命を消費可能手段であるしか認識できなくなっているのである

そのため、困難に出会い身近な人間が脅威に晒された際には、その救済のために自己犠牲を必ずといっていいほど為そうとするのである。誰かを救うための選択肢が幾つかあるとして、その第三候補くらいまでに必ず一つは、「自らの命を犠牲にして――」という選択肢が生じてしまう、そんな人物が本作の主人公である普段生活において全くその傾向をおくびに出すこともなく、またサコガシラ本人さえ無自覚であるものの、その傾向は歴然としており、基本的に彼は自分の命に価値があると思っていない。卑屈になっているわけではなく、自分の命に価値を見出すことが、どうしてもできないだけなのである。そのような歪つさを彼の周囲は彼との交流の中で少しずつ認識していくのだが、その危うさにむしろ惹きつけられていく。

また、彼の心理の内奥にあるものが作中で示されるのだが、それはあまりにも深い『好奇心であると本編で語られている。サコガシラは、目の前にいる人物がどんな悪人であれ、どんなに救いようのない人物であれ、その人物に何らかの『可能性』を認める限りで、その人物に対して強い興味――『好奇心』を持ってしまうという、彼自身にさえコントロール不可能な強い傾向を持っている。恐らく、このような他者に対する強い傾向は、上記自分自身価値を軽視する傾向と深く関わっているように思われる。

このような歪つさと純粋さが深く絡まりあったキャラクターは、主人公に限っての話ではなく作中に数多存在している。

歪んでいると同時に純粋であれ――その、作者によるキャラクター造形の原理が、この主人公の特徴からはっきりと伺えるのである


その他、魅力的なキャラクターについて

サコガシラの前に現れる敵について

主人公サコガシラの前には様々な敵が現れる。彼らは決まって忌まわしき存在であり、主人公の大切な存在を常に貶めようとするか、奪おうとするか、あるいはそれらの両方を為そうとするおぞましい存在である。とは言え、それにも関わらずニセモノの錬金術師において現れる敵はとても魅力的に描かれている。

ネタバレになるので詳しくは書かないが、彼らは必ず深く歪んでいて、そしておぞましいほどに純粋なのである。その純粋さが彼ら独自正義を追求していく過程で、彼らは度し難いほどに他害的な傾向を持つことになる――そのような背反性は往年のライトノベルブギーポップシリーズ』にも見て取れる傾向であると感じられる。

それはともかくとして、主人公の周囲に集まってくる純粋に善なる人々とは対照的に、それらの人々に対する悪の存在純粋で危ういものとして描かれる。その、悪役における人間性の絶妙機微が本作における重要な魅力の一つになっていることは、論を待たないであろうと思われる。


まとめ

以上、ひとまず思いつく限りで『ニセモノの錬金術師』の魅力について書き散らしてみた。

amazon(kindle)ニコニコ静画pixivといったウエブサイトにて、本作は現在無料で閲覧することができる。杉浦次郎氏の描く深く純粋で歪んだ世界観に、是非とも耽溺してほしいと思う。


anond:20221110000120

しっかり止めとけよ

天気の子安易被災描写で不穏さ全開だっただろ

2022-11-09

すずめの戸締りの安易3.11描写

311と明確に言ってるわけで

まああんま、いい大人批判に傾いてしまうだろうし…誰か止めなかったんだろうか

深く考えれば不快が広がる描写と内容だぞ

もはや2011年記憶がない低年齢向けだわ

anond:20221109105843

世界観設定が楽だから以外に理由はない

大河ドラマ戦国時代ファンタジーが受けやすいのも世界観を共有しやすいか

同性愛コンテンツも受けやすいのは百合路線BL路線であってリアリティのあるゲイレズビアンコンテンツは共有できるほどには広まっていない

異世界設定が楽なのは戦国時代ファンタジーのように中世ヨーロッパファンタジーが広く知られていたか

その土壌がなくて素人あん中世ヨーロッパ風の物語を展開しても誰も読まない

戦闘描写恋愛描写漫画ライトノベルから模倣

世界観設定にこだわる作品プロでも簡単には受けない

そんなことにこだわらない人がキャラクターの魅力で受ける作品を作っていってる

なろうはそういうこだわらなくてもいい世界観を用意してるだけ

2022-11-08

anond:20221108182430

逃げ恥にしてもおっさんずラブにしても金カムにしても「ポルノ」ではないでしょ

いつからポルノ地上波テレビヤンジャンで公開できる世の中になったんだ

ってか性描写ねえぞ

2022-11-07

anond:20221102171017

私は左右どっちかといえば左のほうだが、それでもあの政治関連の描写は下らなく見えて無いわと思った。

いい役者を揃えといてやらせたのはつまらん物真似かよっていう。

そもそもとして石ノ森章太郎原作なんだから仮面ライダーBLACKにも多かれ少なかれ政治性があるのは当たり前なんだが、それを銀魂蓮舫disレベルの糞下らない揶揄程度でやって何がたのしいのか。

結局のところ原作仮面ライダーBLACKの様な画を作りたいだけで政治批判ネタも一つのそれっぽいお飾りって程度ならば、わざわざ実在人物肖像権侵害せずに独自に今風アレンジを加えたキャラを作り出せばよかったんじゃないの。

うる星やつらOPに見るZ世代への表象

 うる星やつらリメイクされた。最高レベルスタッフが惜しげもなく投入され、凄まじい金が動いている。

前置き

 コンテンツとしては四十年の歴史を持っており、コスプレ文化日本根付かせることにも一役買った今作においては、OPクオリティーが非常に高い。音楽映像共にキャッチ―で高品質になっている。

 改めてOPをマジマジと見ると、明らかにZ世代へと向けられたメッセージが込められている。例えば、ところどころ挟まれゲームを模した表現90年代流行した携帯型ゲーム的な映像や、00年代前後ギャルゲー表現など、これらは明確にZ世代に向けられた演出表現――表象であると言えるだろう。また、OP冒頭に登場するインベーダーゲームは本作『うる星やつら』と同じくして四十年前から根付き始めたコンテンツであり、Z世代範疇からは少しずれるが、四十代から三十代の後半といったZ世代に対する境界世代に対しても強く働きかける演出となっている。

 同時に、SNSマッチングアプリといった、十代二十代のZ世代若年層をも今作のOP対象にしており、概してZ世代対象にした演出が行われていることは明らかである


特に地球儀に関する演出を推す

 何でこんなことを書き始めたかと言えば、公式アカウントyoutubeアップロードしているノンクレジットOP映像の、01:07~01:08に流れる、『地球儀』に関する表現個人的に刺さりまくったかであるノスタルジアで心がバッキバキになった。

 本テキストにおいては、以降この『地球儀』に関するたった一秒間の演出に焦点を当て、記述していく。

 『地球儀』をご存知であろうか? Z世代ならば当然知っているであろう、公園遊具である

 そして、この遊具現在公園には存在していない。何故なら遊具で遊んでいる子供たちに重大事故が多発したため、危険と見做され撤去されたかである。時流としては当然の対応と言えるだろう。この遊具遊んだことのある人々は多いであろうが、遊具使用中に大きなスリル経験する人々も多かったことと思う。つまり、この遊具根本的に危険なのである

 それでも、この遊具に関する良い思い出を持っている人々はZ世代を中心に多いことと思われる。明らかに、今作のOPはそのようなZ世代の人々の思い出に働きかける構成となっている。ノスタルジアに浸ることのできる良い演出である

地球儀表象分析する

 地球儀とは、つまり今喪われつつある一つの世界』の喩えであると言える。

 本OPにおいては、恐らく主人公諸星あたるがこの地球儀の内側に引きこもる形で存在しており、その地球儀ラムが外側で浮遊しつつぐるぐると高速回転させている。その様子が諸星あたる主観視点によって描写されている。そして、ラム諸星あたるの表情を見てか、ニコリと微笑むのである。(あまりにも高速で回転する地球儀の中心に座り込む、主人公の怯えの表情を喜びの表情と錯覚して、ラムは笑ったのであろうと思われる。)たった一秒間の映像であるが、この一秒間にはOP演出家の粋が籠っている気がしてならない。

 まず、節冒頭で書いた通り、この地球儀は、今喪われつつある(撤去されつつある)世界表象していると言えそうである。かつては子供たちの間で楽しまれ、親しまれていたものの、今や危険視され排除されていく何かが、この地球儀には表象されている。

 また、地球儀というものは当然ながら球形をしており、地球という我々にとっての世界表象していると同時に、緩やかに我々の意識世界や内的世界表象しているとも言える。我々にとって、あくま世界は手の届く範囲のものしかない。我々は、日本にいながらにして地球の裏側にあるブラジルの人々の生活をつぶさに見て取ることは、殆どできない。つまり、我々の世界場合によっては手の届く範囲――半径にして凡そ一メートル弱の球形の世界において完結しているとも言えるのである。つまり、この地球儀は、我々の手の届く範囲での世界――我々の(そして諸星あたるの)〈閉じた〉内的意識や内的世界表象しているとも言えるのではないだろうか。

 つまり、この地球儀は、様々な要素を多義的表象していると言える。喪われつつある愉しかった頃の思い出、完結した内的世界――などなど。この、『地球儀』は非常に表象論的に優れたイコンであると私は思う。この『地球儀』に目をつけたOP演出家に賛辞を贈りたい。

 そして、同時にこの地球儀は、「内側にいる人間だけで遊ぶことはできず、外側にいる他者依存して初めて楽しさを感じることができるもの」としての側面を表象している。つまり、この場合には、ある程度間接的ではあるが、他者がいなければ成り立つことのない心情、恋心の存在が、緩やかに表象されていると言っていいかもしれない。そして、その地球儀は、空中を浮遊する超常的存在であるラムによって、とてもではないが緩やか、とは言えない超高速で回転させられる。そして、ラムは喜色一面に微笑むのであるラムしかできない形で諸星あたる世界が回転しているのだ。このように回転する『地球儀』は、諸星あたるジェットコースター的に起伏に富んだ生活人間関係を、そして、それらを含む彼の内的意識表象していると言える――そして、遠から諸星あたる心中に芽生えるかもしれない感情にも、その表象は緩やかに繋がっていると言えるのかもしれない。

 世界が回転する――これもまた、一つの表象であると言える。ラムによって諸星あたる世界駆動し、心は動くのである。怯えと、スリルと、説明不能感情。それらの心は、ラムの指先によって躍動感もあらわに駆動するのである


まとめ

 これが、ノスタルジアでなければ何であると言うのか。もうバッキバである。心が。

 こんな優れたOP看板にしたリメイクうる星やつら流行らない理由がない。というか、流行れ。流行ないといかん。

https://www.youtube.com/watch?v=pEVhv4eB8Q8&t=1s

anond:20221107141344

Twitterでは、キュレーションの正確性、公平性、公正性について、高い基準を維持することを目指しています

 

モーメントでは、さまざまな内容の魅力的なオリジナルコンテンツを取り上げます。モーメントに掲載するツイート動画の選定では、内容や画像/動画に加え、投稿者プロフィール画像ユーザー名も検討対象となります

 

公平性: 議論を呼びそうな話題に関するツイートを選定する際には、データに基づいて決定を行い、すでにTwitterで大きな反応を呼んでいるツイートを見つけます。公の議論に関するトピック場合可能な限り多様な視点提示するように務めますキュレーターは、Twitterでのありのままの会話を客観的に映し出すことを目指し、公平性を期すためのトレーニング継続的に受けています

 

正確性: キュレーション目的は、正確な情報提示する質の高いツイートを紹介することにありますキュレーションチームは、ソーシャルメディア検証方法に関して定期的にトレーニングを受けています。また、ほとんどのモーメントは、レビュープロセスを経てから取り上げられます

 

誤情報の訂正: 万が一、取り上げた情報が誤りだったことが判明した場合には、モーメントに目に見える形で訂正を加え、その旨をツイートで発表します。ただし、稀に当該モーメントを削除し、関連する国のTwitterアカウントを使用して、誤情報撤回する旨をツイートする場合があります

 

基準: ニュース性の高い会話を紹介するために必要場合を除いて、冒涜暴力、裸体など、センシティブであるとみなされるコンテンツは選定の対象から外されます。また違法行為描写したり、助長したりするようなコンテンツ採用しません。センシティブであると受け取られる可能性のあるコンテンツがモーメントに含まれ場合、警告を表示します。

 

確認したけど、これをそう捉えるのはかなり難癖のような

 

そもそもハフポストバズフィードが多いか問題だと言われても、同程度に質の高い右派メディアそもそも存在しないのだから偏るのは仕方ないのでは

ネットギーク保守速報、Dappi、月刊Hanadaの記事キュレーションされるべきというなら、そう主張してほしい

2022-11-06

anond:20221106194107

呪術廻戦のいじめ描写みたいな奴っって

リアルでもあるんだあ、と思いました

民度低くて今時リアリティないと思ってた

anond:20221106183345

ゴールデンカムイは女だと思いつかない発想や描写がかなりある

兄弟彼氏がいたって無理だと思うわ

あれを作者女と言い切る奴は頭どうかしてるのでは。

anond:20221106152424

性器描写が無くなれば次は性行為自体が駄目、おっぱいが駄目とどんどん規制が進むだけでは?

今はOKとされてる描写の中から次の生贄が選ばれるだけなんじゃないのか?

それでいいんじゃね?

ゲーム最初からそういう運用だけど問題になってないよ?

本も同じでよくね?

一歩下がれば規制は更に踏み込んでくる。ラインは後退していく一方なんだ。

何と戦ってんの?

こういう事言うから戦士」って揶揄されるんじゃねーの?

BL規制されたら次は青年誌」の真意

男性向けは既に18禁として売られていて厳密にレーティングゾーニングされている。

これは果たして本当か?

幅広く漫画を読んでいればすぐに気付くはずだ。

一般でもこれぐらいの描写するんだ」と。

https://togetter.com/li/1968680

かに性器を直接描いているかいないかで分かれているようにも見える。

出版社なりの基準はあると思われるが、それって本当に自明基準か?

その基準を守れば確実に有害図書指定されないのか?

「まるで生贄にするが如く毎月最低1冊指定されてる。惰性で運用されてるとしか思えない」なんて言われてるんだぜ?

性器描写が無くなれば次は性行為自体が駄目、おっぱいが駄目とどんどん規制が進むだけでは?

今はOKとされてる描写の中から次の生贄が選ばれるだけなんじゃないのか?

一歩下がれば規制は更に踏み込んでくる。ラインは後退していく一方なんだ。

ここで青少年健全育成条例有害図書指定にノーを突きつけないといけない。

エロに対するゾーニング必要かどうか

エロは隠すべきという意見はなんだかんだ根強いだろう。

でもその根拠青少年健全育成条例やそれによる有害図書指定を逃れるためでいいのか?

作家出版社本屋ユーザー合意の中でゾーニングしたければすればいい。

そうあるべきだろう?

信任を得て選ばれたわけでもない委員密室の中で決めていいことではないはずだ。

過激BL規制されるべき!」って人らは、

悪法もまた法なりで今は従うしかないが法(この場合条例)には反対していくという立場なの?

それとも青少年健全育成条例内面化しており、その存在基準も認めてるの?

女性憎悪を煽る連中の口車に乗るな

フェミ腐女子ではないし、腐女子フェミでもない。

今回の騒動フェミ関係ない。

その立場で口出してる奴が居たらただのノイズだ。

そいつらを仮想敵に据えてる奴もノイズだ。

女性憎悪を煽って分断しnoteを売る死の商人に与するな。

・それでもBL規制(ゾーニング)せよと言うのなら

あなたは立派な表現規制派だ。

自分表現の自由を求めてるなんて自認は捨ててくれ。

ぼく勉ではなく漫画でのパラレルストーリーが悪い

https://anond.hatelabo.jp/20221105115632

ぼく勉と五等分、かぐや様とではクオリティに差があるのだからパラレルストーリーが悪いのではなくぼく勉が悪いのだという説が散見される。

これはぼく勉の話がつまらなかったから盛り下がったのだという趣旨で一理あるように見える。

しかしあえてぼく勉ではなくパラレルストーリー自体が悪いのだと私は主張する。

まずメディアミックスであるがぼく勉より単行本売り上げが低かったゆらぎ荘の幽奈さんですらゲーム化している。

単に人気が低いというだけではゲームより遥かにコストが低いボイスドラマが打ち切られる理由にはならないだろう。

またそもそもジャンプで2年以上連載していた作家に対してお前がうまく出来なかったから悪い、もっとうまくやれたはずだと言うこと自体傲慢まりないと一蹴しても良いだろう。

そもそもの話として、ぼく勉に話の良さは求められていたのだろうか。

ぼく勉は元々1話完結を繰り返す構成であり、長編と言われるものでも4話程度の連続した話しかない。その中ですら粗が目立った。

そして本編終盤の強引さを鑑みればその後のパラレルストーリーの出来についても推して知るべしであったが、そのような中でも多くのファンパラレルストーリーを歓迎していた。

同じ作者が描くのだから、話のクオリティが急に上がるわけがないのは誰しもがわかっていたはずだ。

まりぼく勉は話の良さなど期待されていなかった。強引でもいいか自分の好きなキャラの思いが成就することだけがまれていたのであり、実際にそれは叶った。

読者の求めていたことを叶えて、それでも盛り下がってしまったのだからこれはぼく勉が悪いわけではないだろう。

まとめると

ぼく勉に話の良さを期待していたファンなどほとんどいなかったのだから、話の出来が悪かったから盛り下がったのだという主張は失当である

となる。

ぼく勉はキャラの可愛さで人気を獲得し、長編の話作りが下手であることもわかった上でパラレルストーリーが歓迎されていたのだからファンが望んでいたのもキャラの可愛さだけのはずだ。話の出来の良し悪しは関係ない。

作者は今まで通りキャラの可愛さを引き出していたのだから、十分にうまくやったと言えるだろう。(理珠ルートキャラが出なかったのでまあうん)

もっともこれはぼく勉は話を期待されていない漫画から、話の出来が悪いのが悪いという批判は成り立たないということに過ぎず、話を期待されている漫画であれば話が良ければ受け入れられたのかという課題が残る。

そこでぼく勉が仮にストーリー面も期待されていたもの仮定して、以下にパラレルストーリー自体問題点を上げていくことにする。

必然的な読者の減少

パラレルストーリー問題点はまず読者が減っていく点にある。

読者が自分推しキャラが終わった時点で満足して読まなくなることは想像に難くなく、読者が減るのも当然である

ぼく勉の場合、頭3つほど抜けた人気のあった真冬ヒロインであった最後ルートですら大した盛り上がりを見せず(事実単行本売り上げが他より上回っているわけでもない)、最終回でもトレンド入りすらしなかった。

トレンド入り自体ジャンプ打ち切りになるレベル漫画(例:レッドフード)でもすることがあるものであり決して高いハードルではない。アニメ化していない作品ですら円満終了なら最終回トレンド入りは定番となっているので、ジャンプ連載作品ではむしろしないほうが珍しいと言って良いだろう。

読者が減少するということはすなわち作品が連載中であるにも関わらず、話が進むごとにどんどん盛り上がりが減っていくということになり、活気の減った漫画は余計に見向きがされなくなるという悪循環を生んでしまう。これはぼく勉に限った問題ではなく普遍的課題だろう。

作品内容が語られなくなる

他に読者が作品を語らなくなるという問題もある。

五等分の花嫁かぐや様では作中の描写がどうだ、ここの描写がああだと言った考察が盛り上がっていたが、ぼく勉はパラレルストーリーが始まった時点でこれまでの描写が語られることがほぼなくなり、考察ブログ更新を停止することが目立った。

これはパラレルストーリーが本編の描写連続するものでない以上、何がきっかけで彼を好きになったのか、何がきっかけで彼女を好きになったのか。そういったことを本編の描写から考察することが出来ないのだから当然だろう。したところで意味は無い。話を期待されていたのであれば、なおのこと虚しくなるだろう。

個別ルートは本編の描写と繋がっていない。であれば推しキャラを持つファンは本編の描写を語ることが虚しくなるだろう。それが個別ルートまでの間にあった出来事なのかどうかわからないのだから

全く語らないことはないだろうが、以前までと同じ熱を持って語ることは出来ない。同じキャラを推すファン同士であれば個別ルート話題で盛り上がれるだろうが、違うキャラを推すファンとはそれで盛り上がることは難しい。無意識にどこかで俺の好きなキャラルートではその出来事はなかったという冷めた目線が生まれしまう。

よって違うキャラ推しとは思い出の共有が出来ないのだ。

SNS時代の今、語られなくなることは作品にとって致命的であるパラレルストーリー二次創作需要の先食いですらなく、ファン交流の土壌ごと奪っていることに等しい。

これは恋と嘘のように最初からマルチエンドにすると決めていた作品であれば回避できる問題ではあるが、現実的には難しいだろう。週間少年漫画誌で人気と伏線を両立させることは困難であり、ぼく勉のように途中でなんとなく決まることが大半のはずだ。

ファンを満足させることの困難さ

最後にたとえパラレルストーリーをやったとしても各キャラファンを満足させることは難しいという最大の問題がある。

パラレルストーリーに対する各キャラファンの主な反応はこうだ。

  • うるか派 とにかく発表方法やその他の扱いにキレている。※
  • 理珠派 ほぼ関城さんがメインで理珠がサブ扱いなので不満の声が目立つ。
  • 文乃派 話自体にはそれなりに満足しているがパラレルがなければ本来は文乃が勝っていたはずだという幻想に縋って不満が渦巻いている。
  • あすみ派 とりあえずやってくれたことに満足している。
  • 真冬派 圧倒的な人気なのになぜか先生と生徒じゃなく先生先生恋愛になるという扱いにキレている。

※参考

作者に嫌われているキャラクターを好きになってつらい

https://anond.hatelabo.jp/20200724234926

追記】作者に嫌われているキャラを好きになったら特典でも冷遇されてつらい

https://anond.hatelabo.jp/20210308181806

替え歌】作者に嫌われている。

https://nicovideo.jp/watch/sm40451991

このように手放しに満足しているのはあすみ派だけだ。

なぜ満足しているのかといえば、登場が遅く人気も低いためエンドヒロインになる芽が一切なかったのに、奇跡的にヒロインになる姿を見ることが出来たから満足しているのだ。

この点真冬も同じく設定的にエンドヒロインになる芽が一切なかった。ではなぜこちらはキレているのかと言えば、パラレルストーリーをやること自体真冬の圧倒的な人気を背景に生まれものだと信じられているかである

まりパラレルストーリーをやるきっかけが真冬の人気によるものなのだから、当然話のクオリティも素晴らしいものであるはずだという期待があったのに、その期待が裏切られたから不満を持たれているのだ。

このように元々芽がなかったキャラルートをやったにも関わらず、そのルートの出来が良くなければ恨まれしまう。

芽があったキャラであれば、話が良くても悪くても本来は勝っていたはずなのに二番手以降に追いやられたという逆恨みをされてしまう。

元々なければ諦めがつくが、中途半端に与えられると足りないものが目についてしまう。半端な救済は逆に恨みを買ってしまうという、社会問題でもよく見られる現象と同じことだ。

結局のところ満足ができるのは元々芽のなかった不人気キャラファンだけであり、人気キャラファンは余計に不満を持ってしまうのである

本来ルートがなければないであもので満足できる。五等分の花嫁を見ればわかりやすい。

一花のあの思い出だけは嘘じゃないんだよの泣き顔で切なくなれるし、二乃のあんたを好きって言ったのよという告白で痺れることができる。三玖の私は私を好きになれたんだという独白に感動できるし、四葉が私の分の仕事をお願いしますという台詞をようやく言えたことも胸を打つ。五月の私は私の意思で母を目指しますという宣言が嫌いな人間はいないだろう。

(各キャラ台詞は筆者の趣味ピックアップしたものであり、あくまで例である

結ばれようが結ばれなかろうがそれぞれのキャラに素晴らしいシーンは存在していて、通常キャラファンはいいところを見つけて満足できる。満足出来ないファンもこういうルートがあればよかったと理想を追える。

パラレルがある場合それは出来ない。各キャラファンが見たいのは結ばれるところであり個別ルートである

すなわちそれまでの話にいくらいいシーンがあったとしても、個別ルートの出来が良くなければ満足されないのである

そして一度公式提示された以上、それは違うこれが正しいと自分理想を追える気概のあるファンは少ないから、ファン活動ハードルパラレルの有無で段違いになってしまう。

自分の好きなキャラの思いが成就する場面をやるのであれば、誰だって自分の中の理想の形で成就することを想像する。当たり前だが多くの場合理想通りに行くはずはない。

漫画である以上、あまり長い話数は出来ないのだからなおさらだ

普通であれば期待外れに終わるのは一度だけ、一人のキャラファンだけだが、ぼく勉のようにした場合ヒロインの数だけ期待外れに終わることになる。

作者に対する失望が増えるほど作品に対する興味も冷めていく。当たり前のことであってぼく勉に限った話ではない。

失望されなければいいというのは一つの理想ではあるが、それは全教科満点取れば入試に受かると言っているようなものだろう。

まとめ

仮に話のクオリティが期待されていたとしても、パラレルストーリーを連載する以上

というパラレル自体問題点があり、仮に万が一クオリティが高かったとしても盛り下がっていたと考えられる。

よってぼく勉が特別うまくやれなかったのではなく、パラレルストーリーという形式そもそも悪いのだ。

なおパラレルストーリーという形式をぼく勉が選んだ事自体が悪いというのはそのとおりだろう。

ただその場合批判は、作品ではなくそれを選んだ作者に及ぶべきではないかと考える。


追記

ぼく勉のチャレンジ自体評価したい

マルチエンドをやろうとしたこと評価したい

これがまさにパラレルストーリーをやったことの弊害ではないだろうか。

作品の内容を評価される手前、パラレルをやった意義で評価されてしまうのだ。

この話題がぼく勉である意味は何もない。内容について踏み込まれいか作品理解を深めることは出来ない。

パラレル自体で盛り下がり、内容についても理解が深まらいから盛り下がったのだから悪かったのだろうとみなされる。

かにぼく勉は話自体も悪かったが、仮に良かったとしても内容について踏み込まれないなら同じ結果になるのではないだろうか。

anond:20221106083314

バスケ描写としてはネタになるレベルだけどw、

 

声優の演技は良かったし、原作の補完的なものがよかったよ。

オリジナル映画原作にない翔陽戦が描かれたのは良かったなあ。

 

OPEDは歌も含めて記憶に残ってる人も多いし今もファンが多い。

anond:20221105132114

いかわの原作構造的にダメなとこは、過去の色々を前提・参照すると何を意図しているか解読できそうな気分になる(または1か月後くらいに見返すと「この時の日常描写って今日公開されたやつの前フリか…」ってなる)クッソめんどくさい話を、本日さらっと短編読み切りフルーツサラダセリフ抜き)みたいなフリして出すところ

あれでは「連続性についてこれない」人が発生してファン意識認識が分断されるのはどうしても避けられない

敢えて避けてないような気もするし、気づいてもらえなくても別にいいって思ってそうだし、避けるように描いたら味がなんもしなくなると思うので、あれはもうあれで仕方がない

アニメ作ってる人はがんばってると思う

2022-11-05

せめて欠損描写が出てから鬱展開とか言って欲しい

いかわ怖すぎだろ

何を今更、みたいな反応ばかりで困る。

じゃあどうしても歴代の怖いちいかわを挙げてもらおう!

 

石化の蛇

モモンガの体乗っ取り

山姥(魔女

 

うーん、やっぱ今回は描写的にダントツの鬱展開だと思うわ。

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