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はてなキーワード: 小説投稿サイトとは

2023-05-14

カクヨム児童書コンテストを定期的にやってるけど、児童カクヨムは見せられない。ゾーニングできてないから。

児童書が拡大傾向にあって児童書に力を入れたいのはわかるけど、児童には小説投稿サイトを見せられない矛盾

小説投稿サイトは読者の評価PV重要だけど、肝心の想定読者が読者の中にいないので、児童書コンテストでの評価順位は当てにならない。

あなたはこの小説児童に勧めたいですか?」みたいなアンケート順位を決めてほしい。

2023-05-07

chatGPT使ってるとか大っぴらに言わないで欲しい

小説投稿サイトの某コンテストレギュレーションであらすじをオチまで全部書かないといけないんだけど、chatGPT使って要約したって書いてある作品があってモヤった。

AIを使うのはいいよ。正直、文章で使われると見分け付かないし、日本語入力漢字候補出てくるのだって昔の原稿用紙に手書きだった時代からすれば十分チートだし、スマホなんかは単語候補で出てくるからね。文章書くのに便利になるのは構わない。今だって小説を賞に出す前に下読みしてもらってる人もいるし。

でも表立って書くなよってこと。こっそりやってくれ。

2023-04-30

小説投稿サイト副垢問題

小説投稿サイトでは副垢に対して厳しい処置がとられる

当然だろう。小説投稿サイトでは読者から評価によってランキングが決まりランキング上位はPVが段違いになる。副垢を認めてしまったら自分作品評価を入れるランキング操作不正ができてしまうのだ

では、副垢ランキング操作以外の需要はないのだろうか?

実はある

それはカテゴリ別のアカウントを作りたいという需要

なぜカテゴリ別にアカウントを分けたいのか?

たとえばカクヨムでは定期的に児童向け作品コンテストをしているが、他の投稿作品に性表現ありのレーティングがある作者の作品は取りにくいのではないかという懸念がある

他にも、BL作品一般向け作品は分けたいとか、アダルトホラーが苦手な人のためにゾーニングしてあげたいという気持ちがある

小説家になろう場合作品別にペンネームを設定できる機能があり、それを設定すれば元の作者のプロフィールには飛べなくなる。いわゆる裏名義だが、これはこれで裏名義のプロフィールページがないことに不満が残る

以前、カクヨムTwitter質問コーナーを受け付けていた時に、別名義機能がほしいという要望が意外と多くて驚いたと書いていた。それからカクヨムに別名義は追加されてないのでカクヨム副垢禁止しつつも別名義機能をつけて作者にゾーニングさせようとは考えてないということだろう

となれば、児童向け作品コンテストに応募中はレーティングがある作品は非掲載にするしかなさそうだ。もしも何かの間違いで受賞などしてしまったら一生カクヨムではレーティングがある作品は書けないのだろうか?

少しモヤッとする話なので気になった

2023-04-25

カクヨム小説書いてる

全然まれないけど増田宣伝するのは憚られる。だってここって匿名ダイアリーなので、身バレしてしまう。本名執筆やってるからね。

今、ちょうどカクヨムコンテストの読者選考が通って最終の結果待ちの状態だ。三年目にしてやっと通った読者選考。まだ期待でドキドキしてるけど、噂ではそろそろ受賞者には連絡が来てるはずってことなので、音沙汰のない俺はダメだったのかなって諦めはじめている。ま、来年頑張るさ。

そんな話はさておき、最近カクヨム一般文芸作品書籍化を増やしていて、小説投稿サイトラノベばかりという印象を払拭しようとしている。

この間、ホラー話題になった小説があったけど、カクヨムもっとからコンテストホラー部門を作ったり、投稿作品書籍化したりして、ホラーに力を入れていたんだ。つまりカクヨムホラーをヒットさせる土壌作りが実を結んだってこと。

人気のある作品があれば読者も集まるし、読者が多いとわかればレベルの高い作品も増える。そしてまたそれらの作品を求めて読者が集まってくるんだね。

追記:意外なカクヨムユーザー

円城塔

https://kakuyomu.jp/users/enjoetoh

田中

https://kakuyomu.jp/users/kuu_tanaka

他にもいたら教えてね。

2023-04-01

小説家になろうの今

小説家になろうと言えば、なろうテンプレと呼ばれる同じような世界で同じような話で長いタイトルランキングに並ぶというイメージがあるが、最近の傾向は変わってきている。

その理由小説家になろうに新たな評価軸が育ち始めているかである

そもそも、なぜ小説家になろうでなろうテンプレランキングを占めていたかというと、小説家になろう素人作家作品掲載する小説投稿サイトからだ。読者は素人のつまんない作品などに時間を取られたくないため、面白いかどうかをまず判断してから読み始めたいと考える。その判断材料は何かというと、タイトルとあらすじである。そのタイトルとあらすじを突き詰めていった結果が、同じようなテンプレ、長いあらすじだった。読者が求めた結果がランキングに反映されたのだ。この傾向は一部では今も変わらない。安易ランキングに載りたければ、タイトルとあらすじをテンプレにするのが早道である

さて、長らくそういうテンプレ無双の傾向にあった小説家になろうに変化が訪れる。

短いタイトルテンプレではない小説ランキングに上がり始めたのだ。なぜそうなってきたかというと、読者に新しい評価軸が生まれたかである

それは何か?

作者への信頼と読者への信頼である小説家になろうユーザーが増えて成熟した結果、多くの書籍化作家誕生と、プロ作家の参加が見られるようになった。それにより、この作者の作品は外れではないとか、プロフィールを見て書籍化の実績があるなら読んでみてもよいとか、読者がそういう判断ができるようになったのである

さらには読者への信頼が増えたことで、ランキングに上がっているテンプレではない作品面白いはずという判断もできるようになったのだ。

これは良い傾向であると思う。

2023-02-22

小説投稿サイト投稿されている作品に「念のためです」といって実際にはする必要がない

などのタグが設定されている場合結構割合である

タグというのは当てはまるものとそうでないもの区別するためにあるのだから、過剰に使ってしまうと区別のために使えなくなる。

これは基準曖昧であることが理由だと思うのでもうちょっと具体的に基準を示してほしいと思う。

けれど基準を示してしまうと基準に当てはまらないが実際にはそのカテゴリに当てはまるというようなラインを狙ってくるやつが出てきてしまうので明示しづらいというのもわかる話ではある。

難しいよな。

2023-02-08

承認欲求を満たす目的のChatGPTを使ったBotが増えそう

QAサイトとか小説投稿サイトとか、そう言うリアクションを求めるサイトボットが導入されるだろ。

2022-12-16

anond:20221216135314

三十年前ならパソコン通信、二十年前なら個人サイト、十五年前ならブログ、十年前なら動画サイト小説投稿サイト、五年前ならVtuberTikTokか、いつでもそういう場所存在するのに、いつもおまえは言い訳して飛び込まないよな。

2022-11-22

小説が書けない

子どもの頃から小説が好きで、趣味読書ですと胸張って言えるぐらいには金も時間も本を読むことに費やしてきた。

3年ほど前から、空いた時間にちまちまと小説を書き始めた。消費者で満足せず生産者を目指すべきだ、というはてブ雰囲気にあてられたのだ。

結果分かったことがある。

自分には書きたい物語がない。

書きたいシーンも登場人物も、伝えたいテーマもない。

それでも書くことに憧れがあるので、なんとか短編を書いてみる。正直、苦痛だ。読書の方がずっと楽しい

かにキャラクター妄想楽しいしか妄想だけでは物語は進まない。私の妄想は同一のシーンをひたすら細部を詰めていくタイプだ。一種の設定厨なのだろう。

頭のなかで登場人物勝手に動く、などとも聞くけれども、そもそも執筆中に登場人物の姿が脳内に浮かばない(小説を読むときも同じで、脳内映像が流れたりはしない。文字を読んで脳内流れるのはひたすらに「ことば」である)。

どうやら私には創作を楽しむ才能が欠けているらしい。

小説投稿サイトには数百話、数万字の大作がいくつもある。私が完成させた物語で一番の長編はたったの五万字だ。完成度も低い。

書ける人の脳内はどうなっているのだろう。

どうしたら書ける人になれるのだろう。

ここ2週間ほど、小説の書き方についての本を見つけ次第買っては読んでいる。小説を買うときにはもっと悩んで厳選するのに、購買判断力麻痺してしまったようだ。

しかし、いくら読んでもしっくりこない。

読者の感情を盛り上げるプロットの組み立て方やキャラクター役割効率的物語の生み出し方や視点の考え方、WEBで読まれやすい改行の方法といった細々としたTips

知識は得られた。けれども私の読みたい物語はHOW TO本の中にはない。

私の読みたい物語

つの間にか心の中には野望が生まれていた。

面白い小説は世の中に溢れている。

でも趣味読書20年以上続けていれば、普通に面白い物語では満足できなくなってくる。毎日本を読んでいても、心から面白いと思える本は年に1、2冊しか出会えない。

まだ読んだことのないような物語が読みたい。心から満足できる一冊に出会いたい。

世の中に存在しないのならば、読者としての私の好みをもっと理解している私が生み出すしかない。

これだけ長々と愚痴を書いているのに筆を折らないのは、書き終わった小説時間を置いてから読み返すと、多少は面白いと思えるからだ。アラが多く稚拙文章たち。でも、確かに今の私にも面白がれる。

小説の書き方本にはたいてい「とにかく書くことだ」と書いてある。もっともだと思う。

明日祝日だ。アイデア登場人物テーマも浮かんでいないが、理想の読後感はある。

から、何か少し書いてみようと思う。

(と書きつつも、この文章を書いて満足したのか図書館に行きたくなってきた。私が一番戦わねばならないのは読者としての私自身なのかもしれない)

2022-11-04

anond:20221104182805

エロ小説投稿サイトあったじゃん

名前忘れたけど

あっちなら褒められたのでは

2022-10-23

文章が下手の自省

作文が下手だ。

内容については平均程度はあると思う。

たまたま粗が目立たずに受けた増田とかだと文章力不足に対するブコメは全体の5%ぐらいになったりする。

が、長文でブクマ数十件みたいなのだと、トラバも含めて読みにくいとか(結構小説執筆系の増田とか書くので余計に)文章力ないなと指摘される。

先日もそんな感じになった

自分文章推敲しないと使い物にならないのはわかってる

文章じゃなくて会話でもそう

短文だったら違和感ないが、長文だと途中で接続とかおかしくなって、話はじめと終わりが上手くつながらないことが多い(ただ、世の中にはそれ以前の論理破綻してる人も多いし、真面目な話以外ではネタ挟んで話を切ってるのでほぼ実害はない

理由はそれなりにわかってる

会話はともかう、文章としては

・一文が長くなりがち

・補足入れたがち

・長文書いてる途中で書き始め忘れがち

・一文前の内容忘れがち

推敲さぼりがち

・酒飲んで文章書きがち

みたいな

すべて解消できたら文章力があがるってわけじゃない

が、ビジネスメールとか、小説投稿サイトへの投稿作とかでは多少対策できてた

ツイッターとかでも半匿名とはいえ自分アカウントと紐づけられる投稿なので多少は気を使える(酔ってて推敲せずに投稿したツイートとかは後から消すこと多い)

ただ増田にはそこまでの配慮できない

駄文でごめんなさい

(今回も序盤は推敲せずとも第一稿でそこそこのクオリティをって意識してみたけど、後半というか中盤前からだめだった)

2022-08-29

WEB小説投稿サイト投稿してる作者の中に、すんげぇやつがいる。

副業WEBライターとか漫画原作をしてるワイ。

今度 "すんげぇ嫌な性格で、話も通じないキャラ" を漫画に出すことになったんよ。

もちっと具体的なコト言うと "おれはすげぇんだぞって言う割に、実績が雑魚" で

"それを周りに指摘されると、お前の言い分がおかCってキレてくるキャラ" を出したいのね。

でもさー、周りにそんな奴いないわけよ。

みんな常識人でいい人で、こんなワイにも優しいのさ。

から小説とか漫画とか映画とかで研究したんだけど、こう……もっとピンポイントっていうか

日常的な”おれってこんなにすげぇんだぜ”な発言とか知りたい。

そしたらさ、Twitterにいたのよ。すげぇのが。

そのお方(尊敬してるのでこう呼ぶ)はWEB小説投稿してて、一度だけ何かの賞で最終選考に残ったことがあるっぽい。

でもさ、その同じ作品を別の賞に何回も何回も何回も出して、一次選考とかで落選してんのね。

そのたびに、そのお方は

「(いい作品だが)カテエラで落ちた」

「レギュ違反の判定喰らって読まれずに落とされた(※注 レギュ違反なんしてなかった)」

って言ってんのよ。

さらに驚き! 有名な作品作家を上げて"おれの作品はこれよりすごい"とか"ハリウッドで受ける"とか堂々とツイート

さすがのワイも「でぇじょうぶかこのツイ」って心配になるけど、ことあるごとに"ポスト〇〇(海外の有名作家)"って自称してて

かーっ、メンタル鋼すぎて惚れた////////


でさぁ、"RTしてくれたら小説読む"みたいなタグのついたツイートを見かけては、そのお方、毎日のように

"おれの作品すげぇんです。読んでください"ってリプ送ってるわけ。

からそこそこの数の感想が集まってるわけなんだが、ここでちょっと考えてみてくれ。


自分から"感想ください"って名乗りを上げた結果、ついたレビューPVは、その作品の実力といえるのか?


そのお方は同じ方法プロ作家や有名編集者にも感想をもらってて、

それを毎日ほこらしげに"こんなすげぇ人からほめてもらったんだぜぃ"ってツイート

でもって"みんなおれの作品いいって評価してる。だからおれってやっぱすげー"って言ってる。

ここでまたもや、ちょっと考えてみてくれ。


人の作品感想送るときって、だいたい「面白かったです」って言わねぇか?


ホラ、辛口で書くとモメそうで面倒だしさ。

特にプロ作家とか編集なんて、褒め褒め中心で書くと思うのな。ワイみたいな小心者もそう。

新人賞審査とかならべつだけどさ、そうじゃなきゃダメなとこは触れず、いいところだけ書いて終わりにするわい。

何が言いたいかって、投稿サイトの付き合いで書いてもらった"面白かった"は作品評価じゃねぇのよ。

ただの挨拶なのよ。


もちろん"面白かった"が何万も集まれば話は別よ?

そんならPVも何百万っていってるはずだから、とっくに書籍化してるだろ。

でも投稿サイトのランキングにかすりもしない程度のポイントで、"おれの作品はすげぇ"って、

なぜそう思うんだ。

ワイにはさっぱり分からねぇ。

褒め感想書いた人は、他の作品ももれなく褒めてたんだ。

なのにそのお方は何故か"おれの作品が一番高評価だ"って思いこんでるっぽいのな。

さらにそのお方、同じ作品を賞に出し続けてて、新作は書いてない。

……あ、書いてるけどエタ気味っぽい?

とにかくツイート多いわりに小説書いてねぇのよ。

いか自分作品が素晴らしいかえんえん、えんえん語ってるわけ。

一、二作しか書けてねぇのに、ヒット作たっくさん出してるみてーなノリ。

ワイは思った。


漫画モデルにするなら、このお方しかいねぇ!


上でも書いたけどさ、とにかくメンタルすげえのよ。

落選し続けても自分作品が優れていると思い続けてるのがまずすんげぇし、

最近のツイでは自分天才だと思ってるって! ふへー!

ここまでポジホジなら、怖いもんねぇだろう。

有名どころの作者より俺の方がすげぇみたいなツイしたとき

その作家ファンなんかに「はぁ(#^ω^)?????????」ってさすがにツッコまれてたけど、

馬鹿に絡まれた」と意に介さな姿勢がもうCooooooooooool!!!!!!!!!


ダニング・クルーガー効果だっけ。

それなんやろなぁって思うけど、それでもいいじゃん。

なろうと同じで”おれSUGEEEE”ってなってる方が幸せだよきっと。


実績がないにも関わらず「おれすんけぇ」って言うとき論理展開とか言い回しとか、

何言われても自分を曲げないとき言動とか

ちょっとワイの辞書にはなかった。

漫画原作にかなり参考になった。サンキュー


この調子じゃ一生デビューできないと思うし、Twitterでそっと見かけるだけで腹いっぱいなお方だが、

今後もそのキャラを貫き通してほしいね

こんな漫画みてーなキャラ、いるんだな実際。

2022-08-18

最近読んだ本。

『おたがいさま れんげ荘物語

 

あらすじ

 広告代理店早期退職したキョウコは、今にも倒れそうなボロアパート「れんげ荘」に住んでいる。生活費は月10万円と決めて倹しく暮らすキョウコの楽しみは、猫のぶっちゃんに逢う事くらいだったが、ぶっちゃんことアンディは飼い主の家から出して貰えなくなってしまう。

 キョウコはあまり変化のない日常を送っているが、れんげ荘の若者達は人生にもまれて忙しそうにしている。コナツさんは事実婚相手男性の連れ子の育児、チユキさんは田舎に住んでいる彼氏の所とれんげ荘を往復しつつ、他人に貸している分譲マンショントラブル解決に追われていた。

 そんな若者達に深入りし過ぎないよう愚痴の聞き役になっていたキョウコのもとに、実家から母の死が報じられ……。

増田感想

 若い人達のすることに上から目線アドバイス批判をしたい欲と内心で静かに闘うキョウコ。その心情が、今にもアウトな方へ傾きそうなギリギリラインに立っている感じで、ちょっとハラハラした。心の裡だって理想現実はかなり違うもんなあ。

 一時流行った丁寧な暮らし系統だが、そういうのは結局豊かさの産物であり、現実日本社会ではもはやリアリティーを喪っているように思う。だが、本作では相変わらずキョウコは節約を頑張れば働かなくても生きていけるという設定のままだ。

 ところが、彼女実家に戻れない最大の理由だった母親他人にとってはいい人だがキョウコにだけは害悪って感じの毒親)が死亡したので、キョウコにはれんげ荘を出て兄夫婦シェアハウスするように同居するという、新しい道が示される。だが、キョウコは全然乗り気ではない。そりゃ長年一人で暮らしてきた人が、いきなり独居の自由気ままさを手離すことはできないよね。

 クマガイさんの生き方や考え方がカッコいいのだが、先のことは知らないなんて、キョウコよりもずっと年長者(敢えて言えば老い先短いともいう)だから言えること。確かに人生を悩まなくてもいい事に悩んで浪費したら勿体無いとは思うけど。

 他人には後ろ指を差されるかもしれないが理想的なキョウコの暮らしは、ずっと手放しで幸せとだけ言えるものではなくて、いつも後悔と不安がついてまわる。

 作中の時間の流れがリアルタイムよりもだいぶ遅いのか、本作は2021年出版されたのにコロナのコの字もない。現実世界はこの数年は酷い事続きだから現在よりも少し昔を生きているらしいキョウコがいっそ羨ましいくらいだ。もし作中の時間2022年に追い付いたとしたら、キョウコの心境はどう変わるのだろう。「先のことは知らない」という言葉の受け止め方は、どう変わるだろうか。私は先のことが知れない事に恐怖しかないけど。

 ラストでぶっちゃんと再会して急に元気になり小躍りするキョウコ。やっぱあれだ……推し世界を救う的な……。何があっても推しが元気でいてくれさえすれば生きれるってことか。

『天官賜福(1)』(墨香銅臭)



 中国Web小説投稿サイト発のライトノベル的なBL小説

 前に今読んでるとこって書いたけど、やっと読み終わった。半月以上かかってしまった。(他に色々読んでたのがいけなかっただけだが)

あらすじ

 舞台古代中国のような世界で、神の住む天界、人の住む下界、そして鬼の住む鬼界がある。

 主人公の謝憐(シェ・リェン)はかつて大国だった仙楽国の王太子。彼は類い希なる才能を持ち、17歳若さ天界に飛昇し神官現代日本で言うところの神)となった。

 だが、彼は自分やらかしによって天界を二度も追放されてしまい、下界でガラクタ集めなどをして糊口をしのぐ暮らしにみをやつすことになった。

 最初の飛昇から約八百年後、謝憐は三度目の飛昇を遂げ神官に返り咲くものの、飛昇した際の衝撃で他の神官達の住居などを壊してしまい、多額の負債を作ってしまった。

 そこで謝憐はまた下界に降りて、人助けをしたり自分を奉る廟を作り信者を増やしたりなどして功徳を積むことで弁済をする事にしたが……。

増田感想

 読み終えるまでに半月もかけてしまった私が言うのもなんだが、かなりページターナー作品

 ただの人間修行をしたり功績をたてたりする事によって神となり、信者を増やして功徳を稼ぐことによってより強い法力を得るという設定が、ゲームっぽくも俗っぽくもあって面白いけど、中国Web小説ではあるあるな設定だったりするのか、それくらい解ってるよね? と言わんばかりにストーリーサクサク進んでいく。でも文章平易なので設定に振り回されて訳がわからなくなるなんてことはない。

 同作者の『魔道祖師』もそうだったが、個々人の心情や集団心理描写が巧み。謝憐の、お人好しなんだけどいつの間にか味方が誰もいなくなるのもやむを得ないような性格……簡潔に言えば空気を読めない独善的でアイタタタな性格とか、権力者ワガママに振り回される下々の人々の様子とか。

 巨陽将軍(ジューヤン将軍日本語にすると巨根将軍)の名付けエピソードなんかかなり風刺が利いていて、えぇ……意外と中国表現の自由あるじゃん……(発禁になりませんように)……と思った。

 ストーリー面白いけどBL作品なので当たり前のようにボーイズがラブする。本作は『魔道祖師』のときみたいに男性同性愛の事を「ホモ」の意の古語で呼んで露骨差別することもない(1巻時点では)。

 メインカプの三郎(サンラン。攻め)と謝憐(受け)は前半くらいでもう出逢い、すぐに打ち解けて仲良く暮らしたり一緒に事件解決しに行ったりする。三郎はなぜか謝憐に対してとても親切で優しく、謝憐は訳もなく親切にされることに戸惑いながらも、根っからお人好しのため受け入れる。

 ところが、謝憐と普通人間達以外の誰もが三郎のヤバすぎる正体を知っていて、でも三郎を怒らせたら事なので、誰も口を挟まない。謝憐と三郎が人目も憚らずに二人の世界に浸っているのを、第三者ドン引きで見てみぬふりを貫く様が滑稽で面白い

 本作ではまだ謝憐や三郎の来歴に語られていない部分が多く、楽しそうに交流しているだけなので萌え萌えでいいけど、きっとそのうち超弩級の不幸展開ややり過ぎて引くエロ展開が来るんだろうな……。

 終盤の鬼市に潜入する話が好き。な、なんか鬼市の風景にデジャ・ビュが……『幽遊白書』と『ハリーポッターシリーズ』と『昭和元禄落語心中』と『千と千尋の神隠し』を足して4で割ったような雰囲気。厨二心に刺さる。

 丁半賭博であからさまに謝憐が贔屓されるシーンの糖度が高くてほっこりした。

 

2022-08-16

小説投稿サイト比較

まりなろう系を馬鹿にしてばかりも良くないので、小説投稿サイトランキング上位にくるものをいろいろと読んでみた。

全体のランキングと日時のランキング確認したので、傾向と対策バッチリだと思う。

共通の傾向

流行った話の後追いが多い。多すぎる。

特に女性向けの短編登場人物名前、設定、話の展開と似たようなものが多すぎる。

男性向けも後追いばっかだが、こちらは読んでるとやけに熱が入った描写が出てきたりして、作者の性癖なのかコンプレックスなのかと邪推してしまう。

また、男性向けは似たような設定とは言え独自用語世界観を作るのに対して女性向けはある程度世界観が共有化されている。

とはいえ男性向けでも魔術回路やら真祖と死徒やらTYPE-MOON用語は平気で飛び出すので必須教育なのだろう。

女性向けでは聖女やら竜人やら番やら……


全体としての傾向は似たようなものだったが、それでもサイト毎に傾向は違うと思ったので書いてみる。

有名どころ。書籍化もされているような作品レベルも高く、有名どころも多いので暇つぶしには良い。

とはいえなろう系の悪印象のパブリックイメージは大体通用する。

最近の傾向としては1話完結の短編作品アブストラクションを書いて、それが評価されたら連載版にするのが多い。まあ長々話書いて評価されなかったら悲しいというのは分かるが、保険をかけてる感じであまり好きではない。

ネタはあるがひとまず話は終わり、要望があれば連載版とでいろいろ書きます」とか言うの見ると「最初から書けや!!!」と思う。

なろうにと同レベルくらいには高いかな。

こちらもなろう系のパブリックイメージに従うが、ガッツリオリジナルの中身で勝負するぜという気概を感じる作品比較的多い。気概があるのと面白いのが連動しないのは作品作りの辛いところやね。

最近の傾向としては短発でのギャグ話が流行りがちというか……尺八様が評価されるようなサイトだもんな……と感じる。

インターネットのノリには一番適している。

正直あんまりなろう系っぽいのが多いとは感じない。

中高大学文芸サークル作品群という感じ。

なんというか若者の主張というか……なんかメッセージ性込めたかったんだろうがよく分からない作品を読むたびに背筋がぞわぞわする。



最ヤバ。文章力最下層。

角が立つ言い方だが腐女子のおふざけサイトオメガバースBLのR18比率が高すぎる。それらのジャンルが悪いというわけではないが、作品クオリティや作者の振る舞いが最も低く感じるサイトだった。

まず「完結済み」と書いてある話が完結していない率が高い。投げ出すなー!

作品文字数もめちゃくちゃ少ない。多ければ良いというものではないが2000文字以下が多すぎる。それで何が書き表せる。他の話と似たような話だから問題ないですねそうですね。

今まで見た日次ランキング入りの最低話数は92文字。散文かよ。

セリフ絵文字を使うな!♡とか♪をつかって感情表現すな!

日次ランキング一位のタグに「真剣に読んだら負けw」って書かれてたのをみたときにそういうサイトなんだなと思った。なんだかなあ……

2022-07-20

小説投稿サイトで、各話冒頭につっまんねー作者の一言つけたり、全話の末尾に高評価ブックマーク云々…って延々書いたりするのってなんかプラス効果があると思ってやってんのかな〜

誤字報告は有難いけど、チェックは頼んでないんだよなぁ…


小説投稿サイト小説家になろう』様には、誤字報告機能っていうのがあります


昔はそういう親切なのなかったんですけどね。

たぶん感想欄に書き込む人が多くて作られた機能なんじゃないかなって。


私は報告したことないので、どういう風に使うかわからないんですけど、

作者の元に届くのは、間違ってる文字に取り消し線が引かれて、すぐ隣に赤文字で訂正指摘された文字が表示される感じです。

その指摘を適用するってやると、公開されてる本文の該当箇所が修正される仕組みになってるみたいです。


私、結構うっかり消しちゃったりしてる脱字が多いんで、報告してもらえると大変助かるんですが、漢字変換ミスってる方の指摘ばっかで…脱字はあんまりもらわないんですよね(笑)

変換ミスってるのって何度チェックしてても見落としてるんで、これもまた有難いものなんですが。


そんな有難くも便利な誤字報告機能

文章を書き直させる勢いで添削してくる人もいるらしいです。

幸いにも私はまだそういう人には巡り合ってないんですけども。書き直させるレベルの指摘ってなかなかすごいですね。自分でも書く人なのかな?


なんで突然こんな話を言い出したかというと、

先日、同じ人から50件以上の誤字指摘を頂くことがありまして……ふふっ(疲)


いや、助かるのは事実なんで有難いんです。有難かったんです。

これは嘘じゃないです。



でもね、

敢えてそっちの字で変換してる部分とか(下と降、上と昇とか)そういうのも全部指摘してきてくれたんですよね。

いや、確かに間違いかも知れないですけど、「一般的にはこっちだけどこっちでもOK」みたいな字にまで指摘入れられてたりしてですね……うん。そういうことよ。


報告通知欄に報告者の名前は出ないんですよ。

登録IDというか、各人に振られた登録番号が表示されてるだけなので(そんなものまでいちいち把握してないし)誰だかわからないもんだから嫌がらせじゃないかと思った次第です。件数件数でしたからね。

指摘はまっとうなものだし、親切心から指摘してくれてるんだろうなってのはわかったんですけど、20件超えたあたりからマジで嫌がらせを疑い始めました(笑)

読んでいる途中で見つけて報告~ってわけでもなく、ページを行ったり来たりして誤字を探しまくってるように見えたし、そこまでしてなにがしたいんよ?ってちょっと恐くなったですよね。

さすがにブロックしようかと思いました(笑)

ID検索してなんとなく知ってる人だって気づいて思い留まりましたけども。


ご本人曰く、別に「わざわざ誤字を探し回っていたわけじゃない」そうなんですけどね。ページを行ったり来たりしてたのに。

誤字チェックしてしまうのは昔からの癖なんだそうです。それで指摘してくださってるそうなんですけども。

それは有難いですし、助かる作者さんはたくさんいらっしゃると思うんで、とてもよいおこないだと思うんです。これからも続けて欲しいと思います


でもね、

私は別に「誤字チェックしてくれ」とは頼んでねぇんだわ…


誤字報告機能ONにしているのは「自分でも定期的に見直してるけどまだまだ見落としてるから、見つけたら教えてくれると嬉しい」って気持ちからなので、報告してもらえるのは本当に有難いんですよ。

でも、探す為に読み直すまではしてくれなくてもいいし、そんなことまではまったく望んでないんです。読んでる途中で気づいたら教えてくれる程度でいいんです。


そのことをお伝えしたのですが、…どうも上手く伝わってないような気がして…。


一度目は面白くて読むのが止まらなくて先に先に…で、誤字報告が出来なかったそうなんですよ。で、読み直してると誤字が気になったから指摘を送ってきてくださったようなんですけど、

なんかもう、途中から読み直すより指摘するのがメインになってないか?って感じでしたけどね。そうでなけりゃページを行ったり来たりしないだろうし、一晩で50件も送ってこないだろ。


ご本人曰く「指摘はあくまでご提案なので、直すのも直さないのも作者様の自由です」とのことですが、

修正するものとしなくてもいいもの確認して何十件もの通知を処理しなければならないこっちの身にもなってくれ…


もう途中からは全部放置してます。悪いですけど。

今も誤字報告一覧に20件ばかりそのままになってます


この誤字報告の所為で、何度かブロック食らっていらっしゃるそうなんですけどね。

そりゃあん件数の指摘送ってきたら嫌がらせ荒らししか受け取られないでしょうよ…。

だって報告者が誰だか確認しなかったらブロックしてましたもん。ブロックする為に入力して出てきたのが見たことある名前だったんで、嫌がらせではないんだろうって判断が出来たから思い留まっただけですし。

作品目の指摘に入ったので、投稿作品全部の報告機能をOFFにしたんでようやく止まったんですけど。


結局2作品合計38万字ばかりに70件近くの指摘を送られてきたんです。そのほとんどが敢えてそっちの字で変換しているどっちの字でもOKってやつの指摘だったんで(件数もかさばって)、またなんともね…(疲)

その指摘も「敢えてじゃなく間違えて覚えてると思った」からしてくださったそうです。曰く「他の作者様は間違えて覚えている人ばかりだったので、指摘したら感謝された」ということで。



なんかもう、この気持ちを上手く言えないんですけどね。小説書きのくせに。


有難迷惑ってこういうこと言うんかなぁ?って感じです。

本当に助かるし有難いのは嘘じゃないんですけど、私が求めてるのは「気づいたときに指摘してくれること」であって、読み直してまで「校正のように誤字チェックをすること」ではないんですよ。



ご本人の誤字チェックが癖になった原因が文芸部所属していたこかららしいんですけど、それって、部員がお互いに誤字チェックし合うことが当たり前な環境からじゃないんですかね。

それは別に悪くないし、小説書きとしてはいい習慣になったんじゃないでしょうか。

でも、それは「お互いに誤字チェックをしてもらうこと」が前提であるわけで、頼んでもいないのに読み返してまで探すのは違うと思うんですよ。そこまでしなくていいわ。

ここまでくるともう「作者さんの為」ではなく、ただの「自己満足」になってしまっているような気がします。


誤字報告機能有効になっている人は「誤字があったら報告して欲しい」とは思っているかも知れないですが(デフォルトONになってるので無効にし忘れてる可能性もあるけど)別に「読み込んで誤字チェックをして欲しい」とまでは思ってないと思うんですよね。

どうにもそこの違いが理解してくれていないような気がする…



誤字チェック習慣自体は悪いことじゃないから止めるつもりもないし、本人がやりたいならやっていればいいと思っているので、なにも言うつもりはないんですけどね。

だったら「またブロックされた」とかブチブチ言うなって話だと思うんですよ。あの報告の仕方されてたら誰だってブロックぐらいしたくなりますもん。



揉めるつもりはないから、こんなことを本人に直接は言わないですけど。

いや、オブラートを何重にもぐるぐる簀巻きにしてここに書いたことをそれなりに伝えはしたんですけど、オブラートが厚過ぎたのか、ご自分の考えに凝り固まっていて聞くつもりがないのか、伝わらなかったみたいなんでした。(だからこんなとこで愚痴ってるんだった)



なんかもう最後捨て台詞みたいに「ご迷惑をおかけしたみたいなので、これからは明らかな誤字を見つけても報告は致しません」というようなことを言われたんですけど(だから別にチェックしてくれとは頼んでねぇって…)

あれを相手迷惑に感じないと思ってた時点でちょっと考え方に相違があるみたいだなって深く思った次第です。



……もぅ、なにを愚痴たかったのかもわからなくなってきたよ。愚痴たかたこと伝わってるかな?

それぐらい疲れちまったんだよ。


取り敢えず、あの「ご迷惑をおかけしたみたいなので云々」の捨て台詞がとても引っかかってます

あの70件誤字報告を見たあとだったので、やってくれなんてこっちは頼んでもいないってのになんだその言い種?って思ってしまいましたよね。

なんかその一言で、やっぱこの人『誤字指摘出来る程言葉に詳しい自分』に酔ってるだけなんじゃないか、と思いましたわ。



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ちょっとだけ追記

全部で70件ばかりの指摘が送られてたわけですけど、同じ文字に対しての重複指摘がそのほとんどだったので、実質的な誤字指摘としては30件なかったぐらいだと思います

一般的にはAだけどBの場合もある、みたいな変換を採用している部分(私はBと書いてるのをAが正しいとしてくる)の指摘も多かったです。だから別に誤字ではないんですよね。

これは私が「間違えて覚えてる」と思ったから指摘してくださったそうです。

プロ校正さんだとこういう場合確認の赤入れしてくれるものなんでやり取りも出来るんですけど、この誤字報告機能には指摘する機能しかないので、こちから説明もなにも出来ないのがネックだったのかな、と思います。そういう機能があればこんな何十件もの指摘を送られることもなかったかなーと。


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コメント読んでちょい追記(7月20日21時)

・誤字報告機能オフに~ →2作品目に突入した時点で(指摘最中に切ったら感じ悪いかと思ってその作品以外の)全作品オフしました。もうやらない宣言頂いたので今はいくつかまたオンに戻してありますけども。

・報告欲しいくせに文句言うな! →そりゃそのとおりなんですけど、まさかこんな重箱の隅をつつく校正者紛いの人が現れるなんて完全に想定外だったんですよ…

そもそも本職校正者の方にお世話になったこともありますけど、AをBに変換している部分に関しては指摘されたことはありませんでした。だからやっぱりあの部分に関しては特に誤字というわけではなかったと思います

あと、この長文すまんかった。モヤモヤ気分をだらだらと取り留めなく綴った結果3000字を軽く超えてしまったんだ。マジすまんかった。最後まで読んでくれてありがとう

2022-05-30

国生さゆり、“なろう作家デビュー公表に驚きの声 「つたない文章なのですが、、」とSF作品を約200話連載中

 タレント国生さゆりさんが小説投稿サイト小説家になろう」にオリジナル小説投稿していることが判明して大きな話題に。すでに約200話を連載しており、立派な“なろう作家”として物語を紡いでいます

https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2205/29/news046.html

90歳チアリーダーとか93歳エアロビ講師とかもう普通にいるからな

何かを始めるのに遅いということはない

そして逆に、

受け子の豚女になるのに早すぎるということはない

2022-05-08

エロ小説投稿サイト読んでたら主人公架空部活動「弁論パンクラチオン部」の部員ディベートで負けそうになったらパンクラチオンで勝てば何とかなるという設定を見てなんかそっちも見たくなってしまった。漫画で見てえな…

よく考えたらこプラトンから伝統ですとかそういう設定も付けられるな。やべえ由緒正しい

2022-02-11

最近読んだBLと非BL

 数年に一度は自分に襲い来る長野まゆみ作品ブームはまっている最中のため、あまり商業BLを読めていない今日この頃。残り少ないお小遣いも、長野先生新刊(非BL)を買うために温存中。

 ちなみに、長野まゆみ先生の書くものの多くには男×男の恋愛要素があるのだが、「非BL作品扱いなのは何故なのかというと、BLレーベル以外から出版されており、商業BL定義にあてはまるようなBLではないからというだけ。商業BLには面倒臭いルールがあるのだ。例えば、基本的ハッピーエンドとか、攻めの浮気厳禁とか、無駄に女を登場させてはいけないとか。

 まずは久しぶりにちゃんと「商業BL」の漫画から

極夜』(文善やよひ)

あらすじ

 世界は人の住まう「現世」と人ならざる者の住まう「常世」に別れている。主人公天野は、常世から来た者たちが利用する人里離れた旅寓(旅館)で働いている。

 ある日、常世の王・ツクヨミが旅寓に骨休めにやって来た。傍若無人ツクヨミ天野は振り回されるが、ツクヨミにかつて自ら命を断った友人の面影を感じ、気になってしまうのだった。

増田感想

 これはある特定の層にピンポイントでぶっ刺さるやつなのだろうと思うが、生憎私自身はこういう系を好きこのんで漁って読む方ではないので、せいぜいハジ先生の『坊主蜘蛛』を読んだくらい。BL外の作品ではたとえば『千と千尋の神隠し』とか『しゃばけ』とか『蟲師』とか『夏目友人帳』とか『モノノ怪』とか『家守綺譚』とかそこら辺が好きな人向けなんじゃないか。あ、私の好きな『左近の桜シリーズ』(長野まゆみ)もこういう系だな、そういえば。

 特定の層にピンポイントでぶっ刺さる系なので、『極夜』のレビューを某BLレビューサイトで見るとけっこう良さげなのだが、泣いたとか感動したは言い過ぎなのではないかと、私は思う。そこまですごくはない。まあまあ良い話だとは思うけど。

 事前調査なし・試し読みなしで買って読んだら、表紙めくって出てきたカラーイラストが『鴆――ジェン――』のフェイ将軍とツァイホンの絵だったので、私は買う本を間違えたのか? と一瞬慌てた。調べたら、この『極夜』というタイトル単行本、文善やよひ先生が『鴆』の大ヒットで人気作家になったために、絶版になっていた過去作品を『極夜』と改題して復活させたものだった。表題作の他に『鴆』の番外編も同人誌から再掲。なるほど、今の文善先生はかなり手練なプロ作家という印象だが、『極夜』は確かに若いなって印象だ。『鴆』はpixivコミックで2話まで無料で読める模様。

 文善先生の大ファンの人で過去作品全部コンプしたい人向け。文善作品ちょっと興味があるくらいなら、回り道せずに『鴆』シリーズか『蟻の帝国』を読むといいのでは。

 エロシーンがしめやかでいいな。私はあまりこれ見よがしな感じのエロシーンは好まないので。それと、ベタスクリーントーンが少ない為にエロシーンの白抜きが煩く見えなくていい。

 しかし、シンプルめな画風でもごっそりと白抜きのかかるのって。以前、某お気に入り作家さんのBL作品シーモア無料になっていたので読んでみたところ、修正レベルシーモアだったのでKindleでは輝く白さに消されるべき所が薄ぼんやり見えていたのだが、薄ぼんやり越しにもそこがかなり生々しい描かれ様なので驚いてしまった。な……BL作家さんって、キャラの顔はめっちゃ漫画でもおちんだけはこんなにリアルに描くもんなのか……なんでここまでおちん描写に執心してるのかわからない……と、電子書籍Kindle使いな私は愕然とした。そんな所どうでもいいと言い切ってしまうのも何か違う気もすると思いつつ、正直どうでもいいよなあ、どうせ消される所なんだし……と思わずはいられない。


『綿柎開(わたのはなしべひらく)』(長野まゆみ



概要

 16ページしかない掌編なので、あらすじは省く。掌編アンソロジー『掌編歳時記 秋冬』に収録された作品サラリーマンのほんのりオフィスラブ。現代現代的な話だから幻想なし。エロもなし。しかし非BLなので安定のインモラル上等ぶり。


増田感想

 普通に現代ものなのでビビった。登場人物ちゃんと今時のサラリーマンだなんてすごい! 漢字字形にやたら拘るところはいもの長野先生だけれども。

 こんな短い文章ボーイズがラブしているのすごい。文章は簡潔だけど、短いなかに情報量が多く、なのに情緒風景描写が死んでいないとは。熟練プロ作家恐るべし。と、これを読んだ時にちょうど小説投稿サイトフジョッシーで開催されていた掌編コンテストに応募すべく四苦八苦していた私は、震え上がり畏れ平伏叩頭したのだった。プロすごい。


ところでBLとも長野先生とも関係ないけど、『掌編歳時記 秋冬』のトップバッターが先週亡くなった西村賢太先生訃報を知ったあとに読むとほろりとしてしまう、切ない掌編だった。


『チマチマ記』(長野まゆみ




あらすじ

 猫のチマキは飼い主のマダム・ロコとはぐれてしまい、まだ赤ちゃん同然の弟・ノリマキを連れての放浪生活ののち、小巻おかあさんの家に流れ着いた。小巻おかあさんの家・宝来家は大所帯。おかあさんの息子でありまかない担当カガミさんの他、おかあさんの亡夫の前妻・マダム日奈子、日奈子の娘の暦さん、暦さんの兄・樹の娘のだんご姫、だんご姫の叔父桜川くん、そしてジャン・ポールが住んでいる。

 そんな複雑な家庭でクセのある人々と共に暮らすチマキは、小巻おかあさんのエッセイコマコマ記』を真似て『チマチマ記』を書くことにした。これはチマキが宝来家にたどり着いてから一年間の記録。

増田感想

 だいぶ極まった感じのロハス生活を描いた作品だが、長野まゆみ先生らしく背景には桜川くん×カガミさんのほんのり(悪魔的な)BLがある。

 長野先生がこんなにふんわりした感じの森ガール死語)が喜びそうな文章を書くなんて意外な気がする。しかも「にゃん語」とか「萌え」とかい単語長野作品に登場するとは、その事自体萌え萌えしい。

 だが、文体はふんわりしているのに、ことあるごとに美味しい食べ物カロリーが高くしか健康に悪いという現実ビシバシ突き付けてくる。なんなの長野先生サドなの? そんなに言わなくてもいいじゃないカロリーことなんて! 普段現実離れした作風なのになんでそこだけリアルシビアなのか謎。極力カロリー塩分を抑えてしかも美味しい料理を作ろうとなった時にまずは極上の食材調達してきてそれを干す、という異様な難易度の高さ。救いなどなかった! しょうがない、貧乏人はポテチ食ってデブしか……。

 昔、向田邦子か誰かの随筆で、戦中にこっそり隠れて読んでいた婦人雑誌に「シュウクレエムのいただき方」という記事が載っていて腹を空かせながら読んだが、結びに「淑女はシュウクレエムなど食べてはいけません」と書かれていてがっかりした、とかいう内容のがあったと思うのだが、きっとその時の向田邦子か誰かの気分が『チマチマ記』のお料理場面を読んだ時の私の気分に近いんじゃないかなと思う。

 難易度高過ぎロハス暮らし描写勝手に心折られてしまったが、桜川くん←カガミさんのBLは良さげに納まったっぽいのでいいや。

2022-01-30

BLアワードが始まった。

 けど、推し作品があまりノミネートされていないので、私はショボンとしている(´・ω・`)

 『秋山くん』(のばらあいこ)がベストシリーズ部門ベスト受け部門ノミネートされているのはいいとして、ベスト攻め部門!? 柴くんはどこ行ったんじゃあ……。やっぱりあれか、見た目貧弱な普通スクカー最底辺はいい攻めとしてBL世間では認められないのかうわああああん!!

 スンッ。

 あと、地味に悲しいけどまあしょうがいかなって諦めたのは、座裏屋蘭丸先生作品ノミネートされたのが『シャングリラの鳥』ではなく『コヨーテ』で、朝田ねむい先生作品ノミネートされたのは『スリピングデッド』ではなく『CALL』の方だったこと。

 座裏屋先生作品については、どっちも面白いのだが去年『シャングリラの鳥』は休載が多くてあまりストーリーが進まず、一方『コヨーテ』は佳境に差し掛かった上に圧倒的クオリティで殴ってきたのでインパクトが凄かった。私は『シャングリラの鳥』の方が好きなんだけど、これはもう仕方ない!

 朝田先生の『CALL』はディープ部門とはいえよくノミネートされたなって驚いた。評価は高い一方でレビューが良くないという印象だったので。私はまあまあ面白いと思うんだけど、「主人公クズ過ぎてうけつけない」とかいレビューには、うん、そう言われたらぐうの音も出んなと。あとエロ少ない。しかし、そういう表面上の理由却下されずにノミネートされたのは、朝田先生過去の実績(『マイリトルインフェルノ』のヒット)と掲載紙の人気ゆえだろうな。『スリピングデッド』は来年度に期待。すごく面白いんだからね!!(今年度の私のイチオシ

 次にくるBL部門には、正直、はん、これが次にくるだと? 毎回寝起きセックスしか書描いてねーじゃねーかよ! という作品ノミネートされていて嫌だった。ぺっ。『息できないのは君のせい』(澄谷ゼニコ)がノミネートされているのは、そうだねノミネートされるよねって感じだ。メインカプがセフレ関係という設定ながらエロが全くない・脱ぎさえしないという稀有作品である。『遥か遠き家』(八田テキ)は、これって今年度の作品だったの!? という意味で驚いた。ずっと前から話題作だったような気がして。ということは、単行本発売前、雑誌掲載から話題だったっていうことだ。これはすごいことだ。何しろBL読みはあまり雑誌を読まないので。『副音声はうるさい十分に』(英子)はBL小説投稿サイトfujyossy発の作品。やったねfujyossy! だが、小説投稿サイトなのに人気作品漫画ばかりという現状。腐界での小説の求められなさたるや。

 ベストディープ部門にやはりfujyossy発の漫画『密書でござる!』(斑月)がノミネートされていて爆笑。この作品は腹がよじれるほど面白いけど、ポリティカルコレクトネス? 知ったことかぁ!! な人向き。どうしようもないエロギャク満載。ディープ部門の中で去年いちばん見かけたのが『夜画帳』(Byeonduck)と『ハッピー・オブ・ジ・エンド』(おげれつたなか)。『夜画帳』は私は読んでドン引きしたが、話題作なので賞取る可能性はありそう。『ハッピー・オブ・ジ・エンド』は私は未読だが、私とは一切趣味の合わなそうな人達の支持している作品なので、私には買っても金の無駄になりそうだから手を出すことはないだろう。

 私的ある意味注目なのはベスト小説部門実は私は商業BL小説世界はあまり肌に合わないからほぼ読まない。読むとしたら一般文芸でも書く作家さんか海外作家さんかムーンライトノベルズ出身作家さんくらい。なので、ノミネート作品だいたいあらすじすら知らない。のだけど、今年は商業BLの外部から参戦してきた作品がどんだけ頑張るかというところに注目している。とくに『魔道祖師』(墨香銅臭)。これは「このBLやばい2022年度」で小説部門第1位だったのだが、BLアワード主催するBL情報サイト「ちるちる」での評判は今一つ。そもそも商業BL読みの多くがBL漫画を読むだけで商業BL小説は読まず、商業BL小説を読む層は独特な美意識を持っておられるので、商業BLの掟に添わない作品は読まない。『魔道祖師』は海外Web小説なのでもちろん商業BL小説としては型破りというか邪道しかも「漢字ばかりで難し~いぃ」といってBLファンから広く敬遠されてしまったので、一体その状況でこの超大作が果たして受賞することがあるのか。あったとしたら今後、商業BL小説界は大きく変わりそうなので 、注目なのである

 ベスト官能部門そっ閉じ。これらが官能だと? ふざけんなよ……。

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