はてなキーワード: 自動車産業とは
こんばんは。増田です。最近、元三洋の人が書いたスマホの記事が面白かったので、私も書いてみることにしました。
ちなみに私は電装系サプライヤー勤務。年齢は元三洋の人とおそらく同じくらいです。かつてはホンダ系列だったのですが、今はそこを離れてとある企業の傘下になってます。あのときは結構衝撃を受けましたけど、確実に働きやすくなりましたね。
さて、日本企業はEVに消極的で世界の時流に乗り遅れ、未だに内燃機関に固執している、みたいな話。半分本当で、半分ウソです。世界に先駆けてEVを積極的に取り組もうとしたのは日本でした。(ここで言うEVは純粋にバッテリーで動く電気自動車のことで、本当はBEVと書いたほうが正確なんでしょうが、ここではEVとしておきます。)
それにはいわゆる京都議定書(1997)の存在があります。これは温暖化防止の為の初めての国際的な取り決めでしたが、この会議で日本は2008~2012年に6%の温室効果ガス削減を約束しました。当時はかなり日本に不利と言われたものですが、開催国のメンツもあって政府は本気でこれを達成しようとします。その対策の一つとして推進されたのが原子力発電でした。当時日本は原発を国家をあげて推進しようとします。東芝がウェスチングハウスを買収して(2006)、原発で世界に打って出ようとしたのもこの頃です。
ただ、原発は基本的に24時間一定の効率で発電させるものです。出力調整はできないことはありませんが、かなり非効率です。昼間の電力需要を満たそうとして稼働させると夜間に電力が余るので、揚水発電などで調整するのですが、その切り札として見られたのがEVでした。つまりEVは夜は基本的に充電器につなげておくものであり、大量のEVを普及させて夜間に充電させれば、原発の電力を効率よく使って、車自体から出る温室効果ガスも減らせるわけです。
で、三菱自動車からi-MiEV(2009)、日産自動車からリーフ(2010)がほぼ同時期に発売されます。これはリチウムイオン電池を使った初の量産EVで、三菱はGSユアサと、日産もNECトーキンと巨大な工場を建てて電池の量産体制を整えます。特に日産は実際のところかなり本気の参入で、同時期に全国で充電設備の導入も急ピッチで進められました。
そして、どうだったか。まあ、売れなかったわけです。いや、世界初の量産EVとしてはこの2つは望外にできの良いものだったと思います。売れない理由はいくつか挙げられます。リーフについてはデザインがナマズみたいで全く先進的でなかったこと。エアコンやヒータを使うと走行距離が実質100km程度しかなかった。電池の劣化が想定以上に早く進んで中古市場でも値崩れしていた、トヨタのハイブリッドの出来が良すぎて先進イメージを求める層はそちらに流れた、など。一言で言えば実用的ではなかったのですが、まあそれでも初めて出てきたEVとしては大したものだったのです。でもこの評価は全くエンジニア目線でしょうねぇ。すみません。
ただ、最も大きな要因は東日本大震災(2011)でしょう。これで原発を主軸に温室効果ガスを減らすという国家戦略は完全に頓挫しましたし、それをあてにしたEVの普及など望むべくもなかったのです。実際EVはガソリン供給が途絶えた被災地でかなり役立ったのですが、その後数年間原発を失った日本は電力供給が逼迫することとなり、主戦場である日本でEVは売れなくなりました。日産はその後も地道にリーフの改良を続けますが、もはや主戦場で売れなくなったEVに積極投資はできなくなり、2代目リーフ(2017)は初代から大幅な進化はなし。i-MiEVは一代限りで姿を消します。日産はNECトーキンの電池事業を受け継いだAESCを中国のエンビジョングループに売却します。
ちなみにウェスチングハウスを買収した東芝はその後地獄を見る事となり、今日の凋落につながるのはご承知の通り。日立も海外の原発建設から撤退します。そんな事をしている間に、中国が国家を上げて次世代の原発開発に取り組んで、技術的には完全に抜かされてしまいました。なんだか泣けてきますね。21世紀の日本は完全にツキに見放されたって感じがします。はい。
さて、じゃあ巨人トヨタはどうだったか。トヨタは保守的でEVから距離をおいていると思ったあなた、そうでもないんです。実はトヨタはあのテスラに出資(2010)し、トヨタとGMが共同で運営していた工場(NUMMI)をテスラに売却。テスラを支援していました。実際に共同でSUVのEVを出したりしています。実はテスラのスタートを支えたのはトヨタであり、テスラの主力工場は元トヨタの工場でした。ところが2014年くらいから提携を解消。トヨタのクルマづくりとテスラのクルマづくりが決定的に合わないことが原因だったと言われています。
実際、テスラの車は粗雑極まりないものでした。彼らの作り方は信頼性の高い車載用の電池ではなく、ノートパソコンなどに使われる安価な電池を大量に積んで、それを高度なマネジメントで制御するというものでしたが、クルマづくりは全くの素人。ADAS(運転支援システム)も信頼性に欠けていて、ただの支援システムなのに自動運転と銘打ったので事故が続出。生産技術もかなり問題があり、量産モデルであるモデル3が出るときは大量の予約が入っていたにもかかわらず、ちっともラインから完成車が出てこない有様。イーロン・マスク自身が工場に泊まり込みで生産を指揮したと言われています。このとき生産技術者をあちこちから引き抜いてかき集めますが、その多くが彼のやり方に従えず去っていったとのこと。
まあそんなことで、ぶっちゃけこの頃、テスラが世界をEVで席巻するなんて、私ら業界人で予想できてた人なんていなかったと思います。やっぱり車なんてそう簡単に作れねぇんだなぁザマアミロ、くらいの感じでした。まあでもその予想が全く裏切られてしまったのはご承知の通り。ただ、テスラがいかにすごいと言っても生産台数ではまだトヨタやVWの足元にも及びません。年間数百万台の車を生産するにはまだ乗り越えなければならないハードルは数多くあります。テスラの株があれほど上がっているのは、彼らはそれが出来ると思われているのでしょう。いやホントかな。どうなんだろ。
まあとにかく現状はこんな感じですが、これからEVが本当に普及するかどうか。トヨタも含めて、「世界の自動車の大半がEVになることなんてないよ!」と思っているメーカーは無いと断言してもいいと思います。どこもEVの時代はかならず来ると思っている。問題はその時期です。トヨタはもっとかかると思っていて、それは段階的に移行すると思っていました。テスラは一気に最終ゴールに攻め込んできたわけです。それについて考察してみましょう。
EVの問題点としては航続距離と充電速度。そして電池の資源の問題があります。特にコバルトなどの資源は簡単に供給を増やすわけには行かず、今のような垂直立ち上げみたいなやり方で一気に電池生産を増やすことはできないと思われていました。なのでトヨタはHVやFCVで段階的にそれを進めるつもりだったわけです。特に水素は自然エネルギーとの親和性が高く、風力発電や太陽光発電のように出力が安定しない電源でも、それによって水素を造って貯蔵すれば実質的に電池と同じ役割を果たすことができます。充電速度も航続距離も水素を使ったほうが優位です。ちなみにいまトヨタは水素エンジンをやけに宣伝していますがあれは効率が悪くて話にならない、ただの宣伝用であり、彼らが水素でやろうとしていることはあくまで燃料電池をつかったFCVです。
しかしイーロンはそんなまどろっこしいことしなくても、電線で電気を運んでバッテリに入れた方がいい、そのための障壁となる電池の欠点の改良にリソースを全振りしたほうがいいに決まっていると言うわけです。電池の開発というのは時間がかかり変化も漸進的であり、そんなことは無理だろうというのがわずか5年前までのほとんどの業界人の見解でした。しかしいま世界はイーロンの言うとおりに進んでいます。資源の問題は中国メーカーを中心にリン酸鉄系電池で解決されつつあり、急速充電の問題、それを可能にする電力インフラの問題、自然エネルギーの出力が不安定な問題、これらの問題がすべて電池技術で解決されようとしています。まったく、なんちゅうことでしょう。
今日本はオーストラリアの褐炭を使って水素を取り出して運ぶとかいろいろ考えてやっていますが、おそらくすべて失敗して産業の墓場になる未来が見えます。まあでも、長距離トラックくらいはひょっとしたらFCVの入る余地があるかも知れません。しかしそれも充電技術の進歩によって電池で解決される可能性が高いです。
・トヨタ
電動車についての卓越した技術蓄積を持ち、電池技術も電池への投資余力も持つ稀有な会社。ここが死んだらもうおしまい。パナと一緒に電池の開発と生産に勤しんでいるが、実はパナはライバルテスラに電池を供給する関係でもある。ちなみに傘下の豊田通商は電池に不可欠なリチウム資源をガッチリ握っている。実はEVの技術開発や投資も怠ることなくやってきたが、誤算はその流れがあまりに早すぎたことだろう。今年スバルと共同でEVを投入予定。
・ホンダ
米GMと組んでEVに取り組む。2040年までに内燃機関を全廃すると宣言したが、彼らが満を持して出した量産EV「Honda e」はあまりな出来で全然売れてない。電池は韓国LGケムあたりから買う予定らしい。HVには早くから取り組んできたが、トヨタがTHSを地道に改良していくのに大して、ホンダのHV技術はコロコロ変わり、イマイチものにならないイメージ。企業イメージは先進的だが、実は社風はかなり保守的である。evについての意気込みはすごいが、個人的にはいま最も心配なメーカー。
言わずと知れたEVにおいて世界で最も先行していたメーカー。しかしそのアドバンテージをほとんど活かせず、極めて信頼性の高い電池も持っていたが、コスト的に折り合わず中国エンビジョンに売却。リーフは長年世界トップの売り上げを誇るEV車種だったが、今はトップテンからも外れた。まだアライアンスを組むルノーのほうが健闘している。日産アリアで挽回できるか。無理だろうな。
・マツダ
未だに直6エンジンを開発するなど、一見時代遅れに見えるが、実は割とクレバーじゃないかと思われるメーカー。というのは、EVが普及期に入れば、eアクスルといった駆動システムをメガサプライヤーから買ったほうがいいし、電池にしてもCATLやLGあたりの最も安くて性能の良いメーカーから調達したほうが有利である。ADASもコンチネンタルやモービルアイから買ったほうがいい。要はみんな似たりよったりの車になる。となると、自動車メーカーに求められるのは制御技術とデザイン、そしてブランドである。今マツダはそれを必死に磨いている。マツダくらいの規模のメーカーだと案外この戦略が一番いいのかも知れない。
・スバル
卓越した四輪駆動の技術を持つ。売り上げの大半が北米。多分、トヨタにひっついてその一ブランドとして生き残るつもりでしょう。
コンパクトカーを安く作る卓越した技術を持っていて、100万円以内でアルトやミライースを作れる生産技術はたいしたもの。この点において強力な強みを持ち、ダイハツは東南アジア、スズキはインドで高いシェアを持つ。しかしこの強力な強みを速攻で無効にするのがEVであったりする。ダイハツもスズキも海外市場は中国EVメーカーに席巻されてシェアを失う未来が見える。国内で軽EVを地道に作るかも知れないが、それすらも中国メーカーの台頭で怪しい。将来は暗いだろう。
車載電池のトップを突っ走っていたが、CATLとLGケムに抜かれて現在3位。テスラの株を売却して多額の利益を得たが、なぜかをそれをブルーヨンダー買収に使い、電池の新技術や設備への投資は先をゆく二社に比べると消極的。トヨタはパナソニックを見限り始めていると聞く。
・日本電産
EVモーターやeアクスルで覇権企業を狙う。しかし永守が死んだらどうなるんだろう。
他にもいろいろ書きたいことがあるけど、疲れたのでやめる。ところで、元三洋の人の書き込みをみて、ずっと今までiPhoneを使っていたのを、GooglePixelに買い替えました。なんでかって言うとね、それについたユーザー体験がうんちゃらという大量のブコメを見て、iPhoneを使い続けることが、結局新しいものに積極的にスイッチできない日本人の保守性から来てるんじゃないかと思ったから。それで思い切ってAndroidにしようと思った。中華スマホはちょっと怖いのでPixelです。そんだけ。以上。
恐らく今後何十年かして振り返った時に今回の選挙が最後の分岐点だったな、と思うだろう。
コロナ由来の与党支持率低迷という数十年に一度のチャンスを物にできなかった日本はもうダメだろう。自民は庶民の暮らしに全く興味がない。地元民と経済界の話には耳を貸すがそれ以外はどうでもいいと思ってるだろうね。これから格差は進み金持ち・大企業とそれらの養分になる庶民との2つに大別され、庶民は真綿で首を絞められようにじわじわと殺されていく。
で、搾取側の大企業がどうかと言うと世界に羽ばたくこと無く国内の縮小傾向に有る市場だけでしか通用せずこれまたジリジリと苦しくなっていくと思う。消費税減らして法人税上げると企業が海外に逃げるぞ!とか言ってるやつが居るが今の日本企業程度に逃げ場所有るか?技術力も人材も無い企業にできるのは国内の小さいパイの奪い合いだけ。IT企業は育つ土壌が無いし自動車産業はEV転換が間に合わず落ちぶれそう(その以前に品質偽装で評判落ちてると思うが)他なんか有った?
元々日本て技術で食ってる国じゃなかったっけ?それが科学軽視の末に技術も無くなっちゃった。Facebookがメタバースとかいうのに兆単位で投資するって言ってる時に日本は半導体に億出しますとか言ってるんでしょ?世界市場はゾウ、日本市場はアリって感じだよね。科学というか学問自体軽視の自民が仕切っている間は日本はほぼほぼ浮上しない。
少子高齢化、貧困の拡大、挙げ句に基本的人権も奪われ日本には何も残らないだろう。もう後は滅びの道を行くだけ。
少しは議席伸ばすかなと思ったけど局所的に大勝利をあげたが戦局全体を見れば敗戦。次にワンチャンあるとすれば今後10年20年かけて地道に準備しない限りスタートラインにすら立てないと思う。反ワクチンの候補とか目先の利益に走ってるようじゃ無理の無理。しかも維新が伸びてきてるから仮に自民公明と拮抗できても自民は次は維新を仲間に入れて勢力保持するだろうから敵が増えただけなんだよね。維新が存在しなかったらもう少し伸ばせたと思うんだけどね。そう考えると橋下徹って間接的に日本を滅ぼした人間として教科書に載るレベルだよね。
そりゃ、社会条件が変わっちまったからだね。どんだけ「内燃機の技術は日本が世界一で、660ccのエンジンで高速を難なく、かつ燃費良く走れる車が安価に売られているのは世界的に見れば驚異的」だとしても、それより安く作れて、CO2フットプリントが低い自動車が出てきたら、市場としては蒸発していくしかないじゃん。
日本市場のガラケーの機能的成熟はものすごくて、同時代のセルラーで同等レベルのものは海外市場に全く存在しなかったけど、iPhoneが出てきてから、最初の頃は「バッテリ持ちが悪い」だの何だの難点だらけだったスマホに5年足らずで駆逐されちゃったでしょ。今グローバル市場でトップシェアを持ってるのは、Apple以外は韓国・中国のメーカーばっかり。初期は比較的健闘してたソニーすらもうトップ10に入ってない。
このままだと乗用車でも同じことが起こる。日本の自動車産業は、余力があるうちにEVに向けて全力でピボットするべきだったんだよ。日産はルノー傘下になったことで、そのトレンドをよく理解してたし、雌伏の時期を経て、今後もグローバルで戦える技術力とブランド力を獲得できた。実際、欧州でのリーフの認知度と販売はすごいよ。長いことEVとCV(コンベンショナルビークル、内燃車)との性能を比較するベンチマークカーにされてるもん。
無理。もうEVには非EV車は勝てない。内燃技術をベースにしたテクノロジーは、純粋にコスト面でEVに太刀打ちできなくなる。ICE(内燃)車もダメ。ハイブリッドもダメ。水素エンジンもダメ。内燃じゃないけどFCVもダメ。
なぜかといえば、EVは、今までのクルマよりずっとシンプルに作れるから。
まず圧倒的に部品点数が少ない。自工会予測では3万点から2万点に減る。内燃車はエンジンだけで7000点ぐらい構成部品があるけど、EVだとeアクスルというモジュールに、エンジンに相当する駆動用モーター・インバーターと、変速系に相当する減速機・デフ・ギアボックス類と、電装系に相当する回路類が全部入ってパッケージ化され、これをティア1のサプライヤーが1社で供給する。極端な話、あとは駆動系・操作系・バッテリー・充放電制御機構があれば、EVは走ってしまう。それぐらいシンプル。自工会が「EV化で雇用の大多数が失われる」と言っているのも結局はこういう話だ。1台の車を仕立てるために必要な部品が圧倒的に少ないのだ。
それから、基本がモジュラー構造。内燃系は、燃料供給・燃焼・変速・出力・駆動などが全部繋がって一体の統合的な(インテグラル型の)システムを構成してる。対するEVは、互いに独立度の高いパーツを組み合わせた、モジュラー型のシステム構成で、全体が密結合じゃなくて疎結合になってる。駆動系の手前までは電気結線だけなので、レイアウトの自由度も高い。違う企業のeアクスルを採用した場合も、制御系を調整すればすぐ乗せ替えられる。つまりコストと性能しだいでどんどんモジュールサプライヤーを入れ替えていける。傘下に何重もの系列サプライヤー企業を抱えて、密に擦り合わせながら時間をかけて車両設計していく、今までのようなやり方が不要になる。現にテスラはイヤーモデル制を排して、年度中でもどんどんモジュールを入れ替えて性能向上やコストダウンを図っている。
あと技術的な枯れ方。内燃系はもう100年近くイノベーションを繰り返して、もうほとんど伸びしろがなくなっている。一方のEVは、バッテリもeアクスルも性能的には発展途上だ。性能が上がるということは、コストが安くなることと表裏一体の関係にある(同じ性能を安く作れる or 同じ価格で高い性能を出せる)。つまり内燃はもうEVを突き放すことはできず、EVのほうは追いつき追い越すための余裕がまだまだある。
こういう背景があって、将来はEVがコスト的に内燃とイーブンになり、下回っていくことが予想されていた。最近は「EVが今までの乗用車と同価格になるのが2025年頃」という予想が出てたんだけど、今年になって、もうEVが価格性能比で内燃車を追い越す事例が出てきている。
①中国・宏光のMINI EV。45万円で9.3kWhのお買い物カー。ローエンド市場向けコミューターEV。日本の軽自動車的な用途。
https://kurukura.jp/car/2021-0813-60.html
②中国・吉利のGeometry EX3。100万円で日産リーフ同等の車格と充電容量、航続距離320km。
http://global.geely.com/media-center/news/geometry-ex3-brings-affordable-evs-to-the-masses/
中国では内燃車の販売に税金かけてEV車生産の補助に廻すEVクレジットというのがあり、それも一部販売原資に廻ってると思われるが、それにしても内燃車より安い。本当の原価はBOMリストで原価計算する必要があるが、とにかく「シンプルに作って、軽く・広く・安くできる」というEVの優位性が生かされ、これまでよりも破格に安く供給されている。
これが意味するのは、もうすぐEVは「通常の内燃車にエコプレミアムが乗せて売る高級車」ではなくなるということだ。どの車格でも、内燃車や、内燃車の発展形としてのHVや、EVとHVの要素を併せ持った複雑な構造のFCVよりも、安くなっていく(水素エンジンはどうかって? あれは燃費が悪すぎて、乗用車としての実用に耐えるレベルまで仕上げられるかどうかすらまだわからない。市販モデルが出ないまま死産する可能性も高い)。
日本でも二輪の業界では、すでにこの傾向が見えはじめている。ヤマハの原付スクーターは20万円、電動原付スクーターは25万円と、もう価格差はわずかになっていて、都内では電動のほうに助成金が10万出るので、購入者目線では電動スクーターの方が圧倒的に安くなっている(この助成金が出るから、メーカー側もあえて差額を付けてるのかもしれない)。
クルマも同じだ。EVは、これからは「環境にいいから」じゃなくて「既存のクルマより安いから」売れるようになる。自工会が何と言おうと、この現実には勝てない。
日本の自動車産業は、米国でマスキー法という厳しい環境規制が敷かれたときに米国メーカーよりも早く規制対応することで、米国市場での橋頭堡を築くことができた。それが今回はどうだ。EVがこれまでの自動車技術とは似て非なる破壊的イノベーションであることを見誤ったまま、「再エネとEVは欧米の陰謀」「EV一本槍では雇用が失われる」みたいな現実逃避を繰り返し、FCVなどのピントがズレた代替技術にBETし続けた。現時点でEVの要素技術をしっかり内製化し、ガチで海外勢と闘える体制なのは、早くからEVシフトを敷いた日産、その傘下サプライヤーのジヤトコとマレリ(どちらもeアクスル事業)、それからeアクスルを足掛かりに自動車産業に参入して海外シェアをガンガン獲得してる日本電産ぐらいだ。それでも自工会は「業界の産業と雇用を守る」と言い続け、沈没しかかった船からティア企業を降ろそうとしない。こんな調子で一体この先どうなるんだ? EV鎖国でもするのか?
中華EVの話をされてもなあ、という指摘があり、確かに「安かろう悪かろうなんだろ」というイメージが拭えないと思うので、テスラをベンチマークにしてEVの利益構造を考えよう。テスラのモデル3の標準グレードであるスタンダードレンジプラスは、いま国内で430万円、米国で400万円弱で買える(助成金抜き)。テスラの直近四半期の販売粗利率は28%。トヨタで車格が近いセダンはカムリハイブリッドで、同等モデルといえる下から2番目のG(2WD)が380万円(助成金抜き)。トヨタの販売粗利率は20%と言われている。テスラの米国販売価格で原価計算すると、既にモデル3のほうが若干安い(290万円<305万円)。つまり、テスラ側はカムリと同じ値付けにしてもまだ値下げ余力がある。今はそうしなくても長い納車待ちが発生してるからエコプレミアムを乗せて売ってるだけだ。
ちなみにテスラは2023年までに「自動運転機能を搭載し、価格を2万5000ドル(1ドル=110円として275万円)に抑えた新型EVを2023年までに市場に投入する」と宣言している(https://president.jp/articles/-/46586)。おそらくCセグメント(ゴルフ同等)で、カローラや同サイズのSUV系と戦うことになる車だ。そしてこの記事中にあるように、この新モデルが275万円で国内導入でき、そこに80万円の補助金が乗ると、実質価格は100万円台に突入してしまう。軽自動車の最高級モデルよりも安いのだ。そういう時代が足元まで迫っている。
テスラはこういう廉価モデルで日本車を淘汰しようなどとは考えてない。そもそも彼らの視野に日本の自動車メーカーは入っていない。米国の一部州ではハイブリッド車は既にガソリン車と同じ環境負荷分類になっている。もうEV以外は対抗馬ではないのだ。彼らはバッテリ技術とEV関連技術に狂ったように投資を続け、中国製EVと性能だけでなくコストでもガチで殴り合う。その時に、日本の自動車業界はまだリングに立っていられるだろうか。
「トヨタはHVとFCVでEVの基幹技術を持っているからまだ戦える」と言う人もいる。確かに「トヨタという企業」は今からでもEVに全振りした生産体制を整えられるかもしれない。一方で「自工会会長の豊田氏」は、EV懐疑論と水素社会という2つのファンタジーを操ってティア2以下のサプライヤーを現実歪曲フィールドに巻き込んできた(ティア1の大半はなんだかんだでEV化が不可避であることを理解していると思う)。「痛みを受け入れてでも産業構造を転換しよう」と言わずに、下請企業を沈みゆく泥船に乗せたままにしている。自分が批判しているのはそこだ。
コアな立憲支持者ではないが、あまりにもこれまで出した政策などを無視した批判が目立つので、一つの参考としてここ2年のうちに提出された法案一覧を記す。話題になった国民民主党も共同提出している法案と、しなかった法案も付随。リンクたくさん貼れないので法案の詳細は下記リンクから確認してください。
https://archive2017.cdp-japan.jp/tag/%E6%B3%95%E6%A1%88%E6%8F%90%E5%87%BA?page=1
https://cdp-japan.jp/visions/submission_bill_by_diet_member
自動車を減らして自転車を増やすと地域から渋滞と重大事故と公害が減って地域が良好化する現実があるんだからさ。
なのでパリやニューヨーク、ロンドン、アムステルダム、オスロなど先進諸国の首都や代表都市は積極的に自転車優遇、自動車抑制を政策レベルで進めているんだよな。
ノルウェーの首都オスロに至ってはマイカーはもっとも有害で最悪な移動手段だと位置づけ。
その為、マイカーの公道走行違法化を進めており、自転車は環境にも健康にも良い善良な移動手段だとして自転車が使いやすい環境整備を次々と進めている。
日本もマイカー禁止と自転車優遇、そして自転車シェアリングも含めた公共交通の整備を積極的に進めたほうが本当は合理的なんですよね。
しかしトヨタやホンダなど自動車産業からの悪しき圧力が癌となって交通行政の改善を阻んでいるのが日本の悲劇。
余談ではありますが「自動車は40年間で3396万円以上も無駄になり損をする負債」というコラムも注目を集めましたね。自動車は持っているだけで損をする金食い虫のお荷物であると。
負債とは、カネを生み出さず、費用がかさんでカネを失わせる持っているだけで損をするお荷物を指す。
更にこういった事実もある。交通刑務所懲役囚人のほぼ全員は自動車運転手、そして自動車乗車中の年間死者数は1200人以上にもなる。
これは国民の保有台数がほぼ同数である自転車と比較して3倍の数字。つまり自動車依存者は短命、早死に。自転車を活用したほうが長生きできるという事実を示す。
資産1億円以上を有する堀江貴文や西村博之、経済評論家の上念司など合理主義の利口な人ほど現代は自動車という負債を所有も運転もしないのが現実。
自動車って個人の所有と運転も割に合わないし社会に害悪がデカいからもっと課税、規制、取り締まり、罰則の強化を進めて減らしたほうが絶対に良いよな?
https://anond.hatelabo.jp/20210616172337
自動車依存者が自転車に乗り換えれば乗り換えるほど、道路から重量約1000Kgの害物が減るわけだから当然だけどね。
ちなみに歩道において最も歩行者を殺傷しているのは圧倒的に多数で自動車が元凶。
歩道上でも圧倒的殺人王なのは自動車 - 大阪交通ニュース(はてなブログ版)
https://delalte.hatenablog.com/entry/20111021/1319158025
2月4日東京都大田区車が歩道に乗り上げ下敷きになった女性死亡
2月14日愛知県東郷町歩道でバックしてきたトラックにひかれ自転車の高校生死亡
3月24日大阪市旭区車がロータリー曲がり切れずに歩道に乗り上げ女性はね店に突っ込むはねられた女性死亡
4月13日神奈川県山北町車とダンプが衝突歩道にいた女性が巻き込まれ死亡
4月16日名古屋市中区車と衝突したバイクが歩道に乗り上げバイクの男性死亡歩道にいた男性重体
4月18日栃木県鹿沼市歩道の児童列にクレーン車突っ込み6児死亡
4月19日川崎市川崎区駐車場からバックしてきた車にはねられ歩道を歩いていた女性死亡
4月21日島根県松江市軽自動車が歩道に乗り上げ女性2人はね1人死亡
5月11日大阪市浪速区トラックが歩道に突っ込み2人はね死なす
6月15日東京都江戸川区車が歩道に突っ込み歩行者4人はね1人死亡1人重体
7月3日愛知県大口町駐車場から出ようとした大型トラックにはねられ歩道を走っていた自転車の女子中学生死亡
7月5日熊本県山鹿市信号待ち中のワゴン車にトラック追突歩道の登校中児童列に突っ込み女児1人重体(のち死亡)
9月25日茨城県鉾田市歩道にいた女性突っ込んできたトラックにひき逃げされ死亡トラック所有者逮捕
一方で、歩行者と自転車が歩道で衝突してどちらかが死亡する事故は餅の誤飲による死者数より少ない。
それほどまでに自転車は歩行者にとって安全な存在。自転車自体の重量が男性と女性の体重差程度しかないので当然。
自動車は重量約1000Kg以上もの害物なので徹底的に減らすのが正義であり、減らせば減らすほど道路の安全は向上し重大事故も減らせる。
歩行者の交通事故死ゼロのオスロ、その秘密は「クルマが走らない都市づくり」にあり | WIRED.jp
https://wired.jp/2021/02/04/oslo-pedestrianisation/
だから昨今は世界中の先進諸国の代表都市で自動車を減らして自転車を増やす政策が進んでる。市街地に自転車専用道をネットワーク整備したりね。
自動車を減らして自転車を増やすほど重大事故も公害も渋滞も不健康も減らせるため。
ちなみに現状においても自転車利用者は自動車依存者より事故率芋死亡率も低く長寿。
自動車 75,169,950台 0.0017% 0.0143% 0.574% 0.59%
自動二輪 3,589,551台 0.0124% 0.1426% 0.777% 0.93%
原付 7,892,793台 0.0029% 0.0749% 0.400% 0.47%
自転車 約71,500,000台 0.0008% 0.0118% 0.124% 0.13%
英国グラスゴー大学が26万人以上を医学的に追跡調査した結果でも、同様に自転車利用者がもっとも長寿だと判明している。
自動車を減らして自転車を増やすと地域から渋滞と重大事故と公害が減って地域が良好化する現実
なのでパリやニューヨーク、ロンドン、アムステルダム、オスロなど先進諸国の首都や代表都市は積極的に自転車優遇、自動車抑制を政策レベルで進めているんですよね。
ノルウェーの首都オスロに至ってはマイカーはもっとも有害で最悪な移動手段だと位置づけ。
その為、マイカーの公道走行違法化を進めており、自転車は環境にも健康にも良い善良な移動手段だとして自転車が使いやすい環境整備を次々と進めている。
日本もマイカー禁止と自転車優遇、そして自転車シェアリングも含めた公共交通の整備を積極的に進めたほうが本当は合理的なんですよね。
しかしトヨタやホンダなど自動車産業からの悪しき圧力が癌となって交通行政の改善を阻んでいるのが日本の悲劇。
余談ではありますが「自動車は40年間で3396万円以上も無駄になり損をする負債」というコラムも注目を集めましたね。
負債とは、カネを生み出さず、費用がかさんでカネを失わせる持っているだけで損をするお荷物を指す。
更にこういった事実もある。交通刑務所懲役囚人のほぼ全員は自動車運転手、そして自動車乗車中の年間死者数は1200人以上にもなる。
これは国民の保有台数がほぼ同数である自転車と比較して3倍の数字。つまり自動車依存者は短命、早死に。
資産1億円以上を有する堀江貴文や西村博之、経済評論家の上念司など合理主義の利口な人ほど現代は自動車という負債を所有も運転もしないのが現実。ひろゆきさん等は自転車には乗るようですね。