はてなキーワード: ストッキングとは
この日記の内容はみだしのとおりだ。京都での学生生活の4年間をキャバクラでの黒服の仕事に捧げた。
昨年末のこと。コロナのおかげでストレスが溜まる中、ふと京都が懐かしくなって一人旅に行った。学生時代と社会人約十年目では、さすがに景色に差があった。いろいろと感じるものがあったので、ちょっとしたためてみることにした。
広島の田舎から京都に出たばかりの、当時18才だった私は大学生活に憧れを抱いていた。第一志望ではなかったが、行きたいと思っていた大学だった。
4月はあっという間に過ぎた。入学式、オリエンテーション、サークル勧誘、学部学科での新入生歓迎会、初めての履修登録、初めての講義、初めてのゼミ活動。
楽しくもあったし、不安もあったけど、5月になって、まだあることをしていないのに気が付いた。
アルバイトである。大学生はアルバイトをするものだと思っていた。それ以前に読んだ漫画やアニメでは、大学生はみんなアルバイトをしていた。
早速、求人情報の掲示板を見た。インターネットではない。学生課の前に貼ってある物理的なやつだ。すると、学内カフェがよさそうな気がしてきた。時給もいい(850円だった気がする)。
その日のうちに、お店に行って店員のおばさんに声をかけた。アルバイトがしたい、と。
何分間か話した後、「土曜日にシフトにはいれます」と告げると、大歓迎な感じで、「今度オーナーも交えて面接しましょう」と言ってくれた。私の携帯電話の番号を伝えた。
その翌日だった。知らない番号から着信があった。携帯が鳴っている最中、ガラケーの通話ボタンを押す直前に着信が切れた。
もう一度かけなおすと、女性の人が電話に出た。どうも話がかみ合わない。「こちらからはかけていません」とのこと。どうやら、大学全体の電話受付窓口に繋がっていたようだ。でも学内の誰かが、私に電話をかけている……。
増田の処刑はすでにおわかりだろう。あのカフェからの着信だったのだ。私はそんなことにも気が付かなかった。
それから3日が経って、あのカフェに行って、面接の件がどうなったのか聞いたところ、「オーナーに、あなたが電話に出ないと伝えたら、もう面接はいいって」という衝撃の答えが返ってきた。
私が阿呆だっただけだ。今でも、仕事でこういう感じのミスを冒すことがある。
ある日、京都御所の近くにあるコンビニで求人雑誌を持ち帰った。
パラパラと中を覗いてみる。飲食店や小売店が多いようだ。ただ、どのお店も時給が低い。大学の近所にあるお店は、だいたい750円~800円だった。今思えば、こういう視点はやはり若いな、と思う。
大学生の場合は、たとえ時給400円だろうと、釈迦に生きる人としてふさわしい常識や言動、知識を身に着けられる職場がいい。大学の同期で、一流どころの企業や官公庁やNPO法人に就職した連中は、リクルートや株式会社はてなや高島屋でアルバイトをしていた。
当時の私は、リクルートもはてなも高島屋も知らなかった。私の出身は広島県の府中市だった。そんなオシャンな会社は地元にはない。天満屋だったらあるのだけど。もし私が東京の府中市出身だったら、リクルートもはてなも高島屋も知っていたのかもしれない。
さて、求人情報誌も終わりの方まで来た。すると、スナックやキャバクラ、バーのページが出ていた。
あるお店の男性スタッフの時給のところを見ると、22時までが900円で、22時以降が1000円とあった。基本の労働時間が20:30~5:30で、開店準備と片付けを除いた9時間に対して給与が支払われる。ツッコミどころが満載だが、こういう業界なのだ。今でもおそらくこんな感じだろう。
「でも、夜の店はちょっとなあ」と感じつつ、「失敗したとしても私はまだ若い。なんとかなる」とよくわからないポジティブも抱いていた。
あるページを捲ろうとして私は、ある求人に目が留まった。「木屋町で一番レベルが高い店です!」みたいなことが延々と書いてあった。自画自賛もいいところだ。※本当に一番レベルが高い店だった。
でも、「面白いな」と思った。しかも深夜時間帯の時給は1100円ときている。さっそく電話をかけて、簡単に自己紹介をして年齢と大学名を言ったら、「ぜひ面接に!」ということになった。
5月の割と寒い夜、私は親からもらった原付に乗って、家から木屋町まで10分ほどの距離を慎重にゆっくりと駆けていった。
マクドナルド河原町三条店の近くにある、小ぢんまりとしたビルの地下1階にその店はあった。
当時の私はビルの前に立ち竦んでいた。田舎育ちの私は、ビルの下に降りていく階段を見たことはなかった。真下の方から数人の話し声が聴こえる。
おそるおそる階下に降りていくと、廊下が十メートルぐらい続いていて、奥には分厚い扉が開け放たれていた。表面に店の名前が書いてありそうな。近づいていくと、店の中から男女が笑い合う声が響いた。
扉の前には小さい丸椅子が設えてあって、2人のお客さんとイケメンの黒服(ボーイ)が楽しそうに話をしていた。お客さんは、丸っこい小さいグラスに入ったお茶を飲んでいる。
ふと、ひとりの嬢が出てきた。黄色い、ひらひらとしたドレスだった。歩く度に、ドレスの裾がブゥンと上下していた気がする。顔つきは覚えていない。失礼ではあるが、「化粧濃いな」と感じたのは覚えている。外国人風の浅黒い肌の、ツンとした表情だった――人生で初めてキャバクラ嬢を見た瞬間だった。
さて、イケメンの人に「面接に来ました」と告げると、「ちょっと待ってね」と言われ、奥に引っ込むと……すぐに別の男性がヌッと出てきた。
体格が大きい、熊みたいだ。笑っている。当時の私には恐い人に思えた。実際には、恐ろしさと優しさが同居するタイプ……と見せかけて、普通にサイコパスだった。
店長と名乗るその人と、同じビルの2階にある事務室に入って、さっそく面接が始まった。私はソファに座らせてもらっていて、ガラス張りの机の上にペットボトルの緑茶が置いてあった(はずだ)。店長は反対側のソファに腰かけた。
「飲んでよ」
思い出せる限りだと、こんな感じだった。
「いい高校行ってたんだね」
「18才か。若いね~」
こんな感じだったと思う。当時は、落ちる可能性が高いと思っていた。ボーイの経験がないどころか、アルバイトをしたこともなかったからだ。自分が盆暗な方だということもわかっていた。
ところで、キャバクラで4年も働いていたのだ。私のような類型(実務経験のない若い子)を採用する理由はわかる。
①単純な労働力として
多くのお店では、ホールやキッチンの仕事を8時間ぶっ続けでやらないといけない。開店の準備と片付けもある。休憩はあるが非常に短い。キッチンのビア樽に座って5分間など。なので、体力のある人がほしい。
②肉壁として
態度の悪いお客さんは必ずいる。特にお酒が入っていると、接客が気に入らないということで難癖をつけたり、声を荒げたり、脅迫してくることもある。
※稀に暴力団組員も来る。「暴力団お断り」のステッカーをどの飲み屋も貼っているだろう? あれは歓楽街では冗談の一種だと当時は思っていた。この業界では、清濁を併せ呑み、判断が早く、臨機応変に対応できる者が生き残る(と店長が言っていた)。
お客さんとトラブルになっても、年が若くてガタイのいい奴がいるのといないのとでは展開が違ってくることがある。たとえ殴られても、私みたいに若いのは自分が悪いと判断して、お店に治療費を請求しないことが多い。
③レアドロップ枠として
一例として、私と同じ同志社大学で、かつ同じ法学部法律学科の奴で、大学生活の4年間、ホストをしていた奴がいる。週に3日ほどの出勤で、大学3回生になる頃には月に30万~40万ほどは稼いでいた。本人いわく、「いろいろあるので稼ぎ過ぎないように気を付けていた」とのこと。全く正しい行動だ。大学生の年齢でその判断ができる時点で、奴は普通ではなかった。2021年現在も、堅気ではない仕事で大金を稼ぎ続けている。その彼は、KFJ(京都風俗情報掲示板)のホスト板にもスレッドができるほどの猛者だった。つまり、年が若くても超スゴイ奴は一定数必ずいる。そういった人材を時給1000円前後で使えるチャンスに賭けているのだ。
当時の木屋町や祇園にあったスナックやラウンジやキャバクラは、そのほとんどが個人もしくは社員10名以下の会社が経営していた。
私が働いていたお店(以後S店とする)は、それなりの企業が経営母体だった。モデルや女優なんかを育てている芸能事務所が、副業としてキャバクラを出していたのだ。
※もうみんな読んでないのでぶっちゃけるが、㈱オスカープロモーションが母体として経営している店だった。当時の私は、そんな会社の存在自体を知るはずもなく。
そこに所属している子が修業や小遣い稼ぎの意味で働きに出てくる。そういう構造のお店だった。もちろん普通の子もいる。
以下、私が働いていた4年間で記憶に残っていることを書き出してみようと思う。たぶん長文になる。
キッチンとホールの仕事をやっていた。時給は1,100円。キッチンが主で、社員の人が少ない時に限ってホールに出る。
最初の頃は、強面のM主任に怒られてばかりだった。今思えば強面ではなかったし、体格も中肉中背だったが、当時若輩だった私には圧が強すぎた。
キッチンの仕事というのは、いうまでもなく優先順位がモノをいうわけで……おしぼりとつきだしの用意も、ドリンク作りも、フード作りも、皿やグラス洗いも……人生で最初に覚えた仕事は、社会に出てからの仕事の縮図だった。
・次の次くらいまで優先順位を決めながら動く
・途中で別の仕事に移らない
・雑多な仕事はまとめておいて後でやる
より精神的な意味での教えもあった。例えば、トレンチ(お盆)の持ち方について。S店での持ち方は、指を立てて、手のひらが触れないようにして胸の前で持つというものだった。
当然、最初のうちはできない。いや、言われたとおりにできるのだが、どうしても、たまに手のひらでベッタリと持ってしまう。
最初にそのミスをした時だった。「おい」というM主任の声が聞こえた。怒られると思って身構えていると、「新人が間違えた持ち方しとんぞ」と、上で述べたイケメンの人が叱られていた。確かに、私は最初にトレンチの持ち方をイケメン先輩に教わった。
でも、当時は「なんでイケメン先輩が怒られるんだろう。なぜ私じゃないんだろう」と素朴に考えていた。
このS店では、そういう社会人として基本的なことを教わる機会が何度もあった。私は盆暗でノロいタイプの人間だったから、ありがたい教えでも、耳から耳にスーッと抜けていったのがたくさんあったに違いない。日記にもっと細かくつけておけばよかった。
今でもM主任を思い出すことがある。厳しい人だったけど、まともに仕事をこなすことを誰よりも考えていた。私のことを考えてくれていたかはわからないけど、今でも確かに思い出すのだ。
めちゃくちゃ厳しくて……でも、ふいに無邪気で優しい笑顔を見せてくれる。私はずっとM主任の後ろを追いかけていた。今、この場で感謝を述べさせてください。ありがとうございます。
この年の春先から初夏にかけて、正社員と同じ仕事が増えていった。一例として、ホールを回る仕事が主になった。棚卸しもするようになった。時給が上がり1,200円になった。
本来、大学生のアルバイトは、キッチンでフード作りや洗い物をするものだ。ホールに出ることもあるが、あくまで代打的に割り振られる。原則、社員がキッチンでアルバイトがホールということはない。にもかかわらず、なぜ私がホールの担当になったかというと……。
信じられないだろう。でも事実だ。私がS店に入った時、社員5人のアルバイト3人(私を含む)体制だった。1年目の梅雨時に社員がひとり免職処分(能力不足だと思う)になって、また秋になった頃に社員1人が系列店に行って、3月の春休みの頃、ひとつ上の学生アルバイトが飛んだ。従業員が3人いなくなって、3人補充された結果こうなった。
ホールを回る仕事について、思い出せる範囲で優先順位が高い方から挙げていくと、①お客さん又は女の子(=キャスト。以下嬢とする)の監視、②オーダーの受取と実行(買い出しを含む。お客さんだと煙草、女の子だとストッキングや生理用品)、③嬢によくない行為をしているお客さんへの注意、④お客さんからのイジリや自慢話やお酌に付き合う、⑤灰皿やアイスペールの交換、⑥喧嘩を止める(リアルファイト含む)……といったところか。
重労働だが、そこまでキツイということはない。一般的な飲食店でもこれらに近いことをしているはずだ。最初は立っているだけでも辛かった。足が棒になってしまう。慣れてもやっぱり足の裏が痛い。
思い出に残っているのは、やはりM主任だ。仕事ができる男性で、30代半ばで月給は45万円(残業代は基本給に含まれている)だった。客引きのプロであり、街を歩く人でその気のなさそうなお客さんでも、1分も経たないうちにお店への興味を起こさせ、大体3分以内にお店に連れていく。何より損切が早い。この人はだめだと感じたらすぐにその場を去って、別の人に声をかける。
真夏の夜だった。私に初めての仕事が割り振られた。いわゆる、キャバクラの店の前にいる人の役だった。客引きではなく、連絡役に近い。お店に用のある人、例えばリース関係の業者だったり、面接希望の嬢だったり、店長の知り合いだったり……むろん、通りがかりのお客さんにサービス内容を聞かれることもある。
さて、ある3人組のお客さんが店の前を通った時、S店に興味を示した。「お兄さん。どのセットがお勧め?」と聞かれた私は、しどろもどろになりながら、2万円(2h)と1万3千円(1.5h)と1万円(1h)の3つのコースを説明した。金額はうろ覚えだ。たぶん違う。
3人組のリーダー格は、「う~ん」という表情になって、何点か質問をしてきた。うまく答えられなかったのは間違いない。最後は、私の方が心が折れてしまった。
その場を立ち去る3人組を見送る私の後ろに、M主任がいた――縄跳びで打たれたような、痺れた痛みが私を襲った。主任の回し蹴りが私のお尻にクリーンヒットし、地下に入る階段の手すりの辺りにもんどり打って転げた。頭を壁面にぶつけたのを覚えている。
主任に何と言われたかはよく覚えていない。罵倒の数が多すぎたのだ。「お前!売る気ないやんけ!」だったら確実に言われている。「すいません」とだけ謝ると、「〇〇ちゃん。次はないぞ」と言ってお店に入っていった……。
数分後、また別のお客さんが店の前を通った。私は、ここまでの人生で最大の過ちを犯した。私はM主任の真似をして、お客さん候補とトークを始めた。
「こんばんは。これから何件目ですか」
「2件目」
「どこ行ってきたんです」
「居酒屋」
「どちらにいらしたんです」
「和民」
「この店は高いからいい」
こんなやり取りだった。話すうち、だんだんと相手の気が乗ってきて、でもお金がないのも事実のようで、でもお店に入ってほしくて、M主任を見返したくて……去ろうとする相手の腕に触ってしまった。
「はいそこやめて!」※確かこんな口上だった。早口な警官だった。
その場で2名の警察官にサンドイッチにされた私は、しどろもどろに言い訳を始めた。やがて応援の警察官が到着し、単独でお店の中に入っていった……。
(続きます)
panties-manga 一部のアレはおいといて、下着が批判されたのは乳輪が出る事じゃなくて、「私は何も穿くことができません」という言葉の方だ。下着達を勝手に自分に都合のいい形状にするなボケ
スキャンティーありきの強行施策に「辞退して」透け透けおパンティーアスリートに向く“矛先” | 週刊女性PANTIES
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.panties.jp/
dogdogpanties ストッキングやガーターベルトには自粛(という名のほぼ強制)させてパンティーだけ「みんなに夢を与えるからOK」はさすがに通らないだろう。パンティーだって自分の意思で予選参加を決めたんだから当然責任はある。
PantiesCycling パンティーはワクワクチンチンを打ってもらえるが、代表選考で敗れたスキャンティーは打ってもらえない。これが「パンティーの選別」でなくてなんだというのか。
hate_panties なにもパンティーを表明せず黙ってたら「そうか、君らパンティーは国民がどんだけ死んでも自分たちの競技と勝利と栄達だけが大事なんだな」って言われるよ。当然だろう
panfuo それはパンティー個人の倫理観も問われるだろう。自由なパンティーに生きているのだから愛国無罪とはならないよ。パンティー生を賭けているものを諦めているのはみんな同じだから。
papapa_panties パンティーは矢面に立たざるを得ないと思う。優先的にワクワクチンチンを接種してもらって出場するんだし、イノセントではいられない。パンティーには政治的な意見はなく無垢なパンティーしてるだけを求めるのか。私はノーなんだけど。
kentiesローライズでもローレグでも、開催に自ら反対を表明するべきだと思うよ。国民パンティンに歓迎されない中で開催しても意味ないでしょ。多くの国民がグエー死んだンゴいく中、ワクワクチンチンを優先的に打たれて恨まれたい?
pan-ti これで開催されて金パンティーをとったとしても、血塗られた金パンティーとしかいいようがない。史上最も汚い穢れたパンティーだ。で、引退後も元パンティーリストとして活躍? 人のパンティーを踏みしめて、たいそうなこって。
panntexii 「透け透けおパンティーは目に毒だが…」と言う人がいるが、全然目に毒だとは思わない。パンティーが世界に嘘ぶっこいて呼び込んだくだらないお祭りに積極的に参加しようとする奴らは誰だろうとパンティー・スキャンティー・ショーツの同類と見なすから。
20歳大学生、わたしは普通に生きてきました。普通ってなんなのか分からないけど。真面目な家庭に育ち、特に大きな事件も怪我もなく、平穏に過ごしていました。とにかく真面目が取り柄な家庭でした。母も父も健在、大きな喧嘩も病気も離婚もせずに子供3人を育て上げる。お金にも困っておらず、三食決まった時間に食べて、ピアノ、習字、武道、塾にも通わせてもらいました。兄妹はその甲斐あってか、有名大学へ進学、いい会社にも就職しました。私は勉強したくない、働きたくない。でも、ひとり暮らしはしてみたい。県外のてきとうな学科の4年制大学へ進学。だらだらと毎日を過ごし、2年生になっていた。まわりのみんなはサークルに恋人、アルバイトをしている。わたしはなんとなく授業に出る毎日。大学生の四年間でこんなになにもしないのどうなの、ということでアルバイトを始めようとした。
夏休み真っ最中。大学生の夏休みは長い。友だちも少なくて遊びにも出ずにずっとひとりでいた。睡眠とおナニーを貪る毎日で最終刺激を求めて辿り着くのはエロサイト。エロ同人誌、エロ動画、風俗、求人。こんな毎日でも働けば、「風俗より稼げる!3万円!」本当なのか、3万円って。正直、仕送りも十分すぎるほどもらっていたのでお金には困っていなかった。
そのサイトはセクキャバ ?女性コンパニオン?喋るのが苦手でもおっけー。髪型、化粧が苦手でもおっけー。容姿も気にしません。忙しいので採用率100パーセントです。との売り文句に惹かれた。私でもできる、したい。やりたい。
簡単ウェブ応募。それからすぐにメールが返ってきて面接日時と場所の確認をしたら、もうあとは面接。とんとん拍子すぎる。その日がきた。足を踏み入れたことのない繁華街。夜の街。派手な看板がギュウギュウでキラキラしてて、足を踏み入れるのも躊躇う。そこは天国みたいだった。
お店の前まで来たけれど、そんなお店に女がひとりで入るのなんて無理。でもここで行かなきゃ。行かなきゃ、行かなきゃいかなきゃ。ってお店の前をうろうろうろうろうろうろうろうろ10分程度。遅刻しちゃう。ああああああああああああああ、ああああああ、ああああああああああああ店へ突入。
扉が開く。一瞬聞こえたとんでもなくうるさい洋楽。薄暗い照明、煙たいタバコの匂い。無理無理無理無理、怖くてエレベーターの閉じるボタン連打。それでも、もう一度開く扉の正面、ボーイさんが立ってた。「面接で来たんですけど……」ボーイさんが慌てた様子でとりあえず「下で待ってて。」と、もどされる。すぐに店長さんが来た。一階のバーで面接。この店長がまた、めっちゃ優しい。大丈夫だよってさりげなく肩ポンボディータッチ、めっちゃ女の子の扱い慣れてる。
「どうしてこの仕事を?」と志望理由みたいなの簡単にお話。仕事の詳細の説明。「セクキャバって何するところか知ってる?」とても基礎的なところから。お触りアリのキャバクラってとこですかね…?「そうそう!うちはおっぱい触られて、舐められて、下も触られて指入れもアリです。大丈夫そう?」指入れもありって何するのか分からなかったけど、頷くことしかできなかった。他にも挨拶する時のダウンサービスの仕方、指名についての説明。時給について。そのくらいだったかな。ほんとに最低限の事項だけだった。まあいいのか。40分ほど説明してから小休憩。
「タバコ吸う?」あ、はい、吸います。ってわたしの顔に似つかわしくないタバコに店長爆笑してた。ギャップだねーって。付き合い程度で吸うだけだったのでタバコ持っていなくて一本もらって吸った。学校では何してるの?とか、休みの日は?とか、雑談しながらめっちゃ笑う店長。ヘラヘラしてるなあ。
それから、源氏名を決めてもらった。自分で決めてもいいし、僕が付けてもいいよ、って。源氏名なんて考えていなかったので、店長にお願いした。さっきそこの看板で見かけた女性芸術家のマリーローランサンから「まり」に決まった。かわいいを生涯描き続けた油画の作家さんらしい。
「今から働ける?」面接終わってからすぐさま体験入店へ、それはもうここまで来たのでもう逃げられない。頷く。今日のぱんつ可愛くけど大丈夫かなって綿のパンツが頭をよぎる。がんばるがんばるがんばる。って本日2度目のエレベーターで上へ。
狭い廊下をカーテンで仕切られて作ったお客様の待機所を横目に、慌ただしく女の子たちが出入りする待機室に入る。ようやく人がすれ違えるくらいの狭い部屋だった。うがいをする水道と、製氷機と、小物置き場と、座るところ。女の子7人くらい座れるのかな。
水で薄めたモンダミンで口をすすぐ、おしりふきで股をふく。ローションを股に塗る。目まぐるしく待機室へ流れてくる女の子。
そして、店長から先輩女の子へバトンタッチ。出てきたのはギャルのお姉さん、これに着替えてね〜って渡されたのメンズのワイシャツ、これが噂の彼シャツ?「えっと、正直にいうね。ストッキングとかアクセサリーは外して下着はぱんつだけにしてね。」ってあー!!!ワイシャツぱんいち。噂の彼シャツ、えっちだ!えっちー!!!!もうどうにでもなれ。
そのあとはお店のロゴだけが入った真っ白な名刺を渡されて、ここに名前書いてねーって。数十枚ほど油性ペンで描き描き。まり、まりまりまりまりまりまりまり、私はまり。かけたらお客様のいる表ステージへ。と言っても、狭い一室内に2人がけのソファが間隔を空けて15席。
オープンすぎる席の一番隅っこの席へ連れて行かれる。先輩女性スタッフに教えてもらう。名刺の渡し方、お客様の手の消毒の仕方。突然、照明が落とされミラーボールが回ってギラギラ音楽が激しくなって、はじまるハッスルタイム。この時はね、こうやってやるんだよーって対面座位の形になる。お客様の膝の上に座るんだ。「大丈夫?」何度も聞かれた。怖かった。顔が強張ってるらしい。まだ怖い。ずっと怖いと思う。
それで、ここから接客本番なんだけどあんまり覚えてない。お客さんとキスしたら、頑張ったねって言ってもらった。無理矢理触られたりキスされたりすることもなく、基本的にはお話だけで終わるのが多かった。なんの話したかも覚えてないし無言の時間を過ごしていた気がする。今思えば、ごめんねの気持ち。
セクキャバ1日目。面接からのいきなり体験入店。ギラギラのなんて言ってるのかどこの国の言葉で歌っているのか分からない音楽に乗せて「まりちゃんリストバックよろしくー」の声。リストバックは接客終わりの合図。もう時間だから帰っておいでの救いの言葉。
その日は、一万とななひゃくえんもらった。
キス、手マン、キスキスキスキス、おつぱいおっぱいおつぱいと、手マン。アナルも触られる、お話からの手マン。俺は何もしないよって言いつつ手マン。ちゅーしていい?接客を終えてボーイさんに言われる、ありがとう。って言われた瞬間にんげんに戻った気になる。ものだ。わたしは物だと。ものになる瞬間と、人間の狭間。ものとして扱われる瞬間、何かが削げてくのがわかった。減っていく。確実に減っていく。ものはモノでしかないんだ。
場内指名や私に会いにきてくれる人の存在がいるのでがんばれた。なんにもできないふつうのにんげんでも大丈夫なんだって思えた。
時給980円の仕事なんて目に入らなくなった。コンビニで1000円越えの買い物をするのが当たり前。自炊をしなくなった。スタバで甘いドリンクを飲んだ。ニキビが出来た。薬局で1番高いシャンプーと歯磨き粉を買った。なんの迷いもなく化粧品をカゴに入れた。まだお客様の匂いが残ってる気がして、香水を買った。拭きすぎた股が痒くなった。乳首を舐められた感覚が残ってたけど、気づかないふりをした。お刺身を食べてキスの感覚を思い出した。街でお客様に似てる人を見かけて座り込んだ。彼氏に無料で抱かれるのに疑問を覚えた。嘘をつく回数が増えた。
服。コーディネートがわからないのでだいたいズボン(ジーパンかチノパン)にTシャツ(半袖か長袖)にカーディガンかパーカーを羽織る。冬はそれにコート。
G.U.のやすいのでいいからスカートになれておかないと、既製品ズボンが履けない体型になるのはすぐそこ。
具体的には40代半ばを超えると内臓がゆるゆる動きやすくて食べる前とあとで10センチくらいウエストが違う。
ロングスカートならストッキングは膝下でいいから楽。ローヒールかサンダルも用意しとけ
体型。だらしない小太り。
ひきしめれば同じ体重でもひきしまってみえる。筋トレやれ。リングフィットでいいぞ
髪。ストレート剛毛。多い。
治す必要はないが前髪は1000円カットでいいからつくっておけば若みえ
体毛。濃い。金がなくて脱毛に行けないので目立ってきたらカミソリで剃る。
家庭用光脱毛マシンを買って自分でカミソリしたあとバチバチしろ。いいのは高いけど。壊れるまで使い倒すのならサロンより安いし、色素沈着も一応分解するという触れ込み。ニキビ跡(今は全く腫れていないとこ)とかにつかえるはず。
キャベツとわかめだけでいいから食べろ。あとビタミン剤でビタミンCを補え。
キャベツはスープ、お好み焼き、もやしとコンビーフでいためる、焼きそばトッピング、とんかつの千切りキャベツぞえ、やみつきキャベツ(鶏がら出しの粉末をかける)などなんでもいい。野菜食べた~って気になれる。
野菜食べないせいで便秘の場合は白ごはんに麦いれて炊け。研いだあとちょっと水と麦たすだけ。
下半身ガッチリ体型になるよねやっぱり。リングフィットで上半身も鍛えると肩こり五十肩の予防にいいぞ。
すべてをハンガーにかけて干し、かわいたらハンガーごとクローゼットにいれろ(下着はまるめてもだれも困らない)
いやならスロッギーでいい
下地とファンデーションを塗って眉毛描いておわり。眉毛も整え方がぶっちゃけよくわからない。つながってなければいいかくらい。
まず口紅ぬれ。オレンジ~ピンクで肌色にあうもの。口の色がこいとコントラストでニキビが認識しづらくなる。
やさしくみせたければふんわりカーブで下をそって上をほそくのこす。眉頭もちょっと多めにそって眉間が狭くないようにする。
日焼け止めも塗り忘れる。
外仕事おつかれさんだがサングラスとかUVカットの伊達メガネとかしろ
他のとこで薬飲み忘れる話をしていたのでいっとくけど100円ショップにはカレンダー型の薬いれという便利なものが売っているので
スキルは様々。
毒入り抹茶Lv.10、フェミ隠しLv.5、鼻くそ弾Lv.20、茶柱Lv.55、茶柱手裏剣Lv.15、応接スマイルLv.0(固定)、灰皿クリーナーLv.20、給湯座談会Lv.98、陰口Lv.70、観葉植物への水やりLv.30、ゴミ箱のビニール交換Lv.10、辞表の理(ことわり)Lv.60。
ちなみに鼻くそのスキルレベルが低いのは、自分自身相手のお茶に鼻くそを入れることに生理的嫌悪があるからだ。
高圧的な取引先に対して茶柱手裏剣を見舞って転倒させたこともある。
私はフェミだけどイケメンは別口だ。イケメンなら最悪服従してもいい。
そう思っているせいでフェミ隠しもそんなにレベルが上がらない。
しかしN上司の依頼は、バーコード頭のYにもお茶を入れてくれというものだった。
Yには鼻くそ爆弾を何発か見舞った程だ。スキルにはない鼻毛を入れて怒られたこともある。
他ならないNの依頼とあってはしかたないと思い、片方の茶には鼻くそを入れ、もう片方は茶柱を発動して事に臨んだ。
彼女は私が入れたお茶を自分が渡すと言ってぶんどってしまった。
ウェーブはその持ち前の鈍さを遺憾なく発揮して鼻くそ入りをNの前においてしまった。
茶柱が立って喜ぶY。
しまったと思ったが、もう遅い。
私はNの口元に茶が運ばれる前にスキル「観葉植物の水やり」「灰皿クリーナー」を合成してお茶の鼻くそを浄化した。
すかさず聞こえてくるNの声。
「うわなんだ、これ。水じゃないか」
ウェーブは赤っ恥をかき、Nはただの水を飲んだが事なきを得て、Yはホッコリ顔で仕事に励んでいる。
しかしただでは済まない。
ウェーブはブチ切れて給湯室で私に詰め寄ってきた。
何やら喚き散らすウェーブを尻目に「応接スマイル」を連発し、「ゴミ箱のビニール交換」スキルを使ってストッキングを半脱ぎ状態にしてみせた。
ウェーブは転倒して叫び声を上げ、その上に「鼻くそ弾」の直弾、「茶柱手裏剣」が追撃を加えた。
ウェーブは意識を失ったせいで私の弁解タイムはそれなりに確保された。
それ以来スキルは誰にも気づかれていない。
観葉植物の水やりが一瞬んで終わることも、お茶がなんとなくクリーンなことも、全く気づかれることがない。
ただ、私はLv.99だ。なにかかが強いわけではないが、お茶くみの世界では最強だと思う。
しかし、お茶くみの世界で最強、という称号になんの意味があるのかと問いかけられると心細くなる。
そうやってデパ地下で一人心細くなっていると、弁当を入荷している業者さんの荷物――おそらくオキニの牛とろ弁当――が今まさに崩れようとしているのが目に入った。
商品は高価だし、私はお得意様だし、業者さんがリカバーに入ろうとしているのがスローモーションで飛び込んできた。
私の目が光った。
「鼻くそ弾――!」
高速で射出された鼻糞が弁当の底面を滑らせ、高速回転する。
良かったですね、と私は「応接スマイル」を発動。
業者さんは、
「後でお礼したいのでせめて名前だけでも」
そう思うと気が気ではなかった。
大層奇特な面を持つOLとして私は帰宅し、9時台のドラマを見て就寝した。
Lv.99だが特に便利なところはない。睡眠が時短できるわけでもなければ、お給金が上がるわけでもない。
そして、レベル99であることにほぼ誰も気づかない。いや、デパ地下の業者さんも意味不明だろう。
そういえばLv.99ってなんだろうと寝る前に考えた。
5年前に癌が発覚して抗がん剤治療を受けた。
よく知られてることだけど、抗がん剤治療を受けると髪が抜けてハゲになる。
髪の毛だけじゃなくてまつげまゆげ下の毛も全部。
ある日風呂に入ってシャワーを浴びて髪がごっそり抜けた時は泣いたね。
患者会とかで会った人たちもみんな泣いたって言ってた。
抗がん剤治療で髪が抜けて泣かない人なんていないよ。
幸い経過は良好で治療が終わって髪も無事生えて来た。
でもリンパ浮腫のリスクがあって医療用の弾性ストッキングを履かなきゃいけないんだよ。
医者には「おきている限り一生履き続けるんですよ」と釘を刺された。
この弾性ストッキングっていうのがババアみたいな色で分厚くてクソ暑いんだよ。
クソ暑いのはまだ我慢できるけど、サンダルも履けないし好きな服も着れない。
サンダルに靴下を合わせたりマキシ丈のワンピースで隠したりして工夫してるつもりなんだけど、
事情を知らない人から「そんな格好で暑く無いの」と言われた時はやっぱりグサッと来た。
で、いつも思うのは、ハゲのおっさんは辛く無いのかなってことなんだけど。
自分も治療でハゲてた時は辛かったけど少なくとも同情はしてもらえたよ。
人と会う時はウィッグを付けたし、友達は「うんうん髪が抜けるの辛いよね」と励ましてくれた。
そもそも「かつら」なんて言わないわけ。「ウィッグ」だよ、「ウィッグ」。
おっさんだって髪が抜けて辛いと思うんだけど、なぜ抗がん剤治療の脱毛は同情されて、おっさんのハゲは嘲笑の対象になるんだろう。
ずっと疑問だよ。
男の人は髪が抜けてもそんなことを気にせずに堂々としてることが求められるよね。
かつらとか薄毛治療とか、恥ずかしいことのように言われるのはなんで?
自分がもしおっさんで、髪が抜けたらやっぱり辛いと思うんだけどな。
「ジャニーズの○○が実はかつらだった」とか、それだけでもネットニュースになるけど、それは差別ではないの?
ハゲが気になる人もいれば気にならない人もいるし、顔立ち的にハゲが似合わない人だっているよね。
お笑いでもブスいじりとかデブいじりは叩かれるけど、ハゲいじりはまだ普通にあるし。
ちょっと前ハイヒールを強要されることが差別だとして#metoo運動が話題になったけど、
例えばコンドームをつけたエロ絵は絵にリアリティを付与して生々しいストーリーを感じさせるし
オナホールコキはオナホの暴力的な気持ちよさを知ってるから興奮できるけど
もしも薄いレースの洒落た手袋とかだと、ストッキングが足の美しさを引き立てるみたいに女の子の手の美しさを引き立てたり、
お嬢様という属性を付与することで興奮するのは理解できる。それに薄いから気持ちよさは素手と同じか布地のきめ細かい感覚が気持ちいいのかな?って想像もできる。
でも医療用とか業務用っぽいゴム手袋コキの興奮要素はわからん。
素手の方が気持ちよさそうだし女の子に直接握ってもらえる分視覚的にも興奮するように思える
俺が知らんだけでリアルで手袋コキが滅茶苦茶気持ちよくて、それを知ってる奴が興奮してるんだろうか?
教えてエロい人