はてなキーワード: リンパ浮腫とは
5年前に癌が発覚して抗がん剤治療を受けた。
よく知られてることだけど、抗がん剤治療を受けると髪が抜けてハゲになる。
髪の毛だけじゃなくてまつげまゆげ下の毛も全部。
ある日風呂に入ってシャワーを浴びて髪がごっそり抜けた時は泣いたね。
患者会とかで会った人たちもみんな泣いたって言ってた。
抗がん剤治療で髪が抜けて泣かない人なんていないよ。
幸い経過は良好で治療が終わって髪も無事生えて来た。
でもリンパ浮腫のリスクがあって医療用の弾性ストッキングを履かなきゃいけないんだよ。
医者には「おきている限り一生履き続けるんですよ」と釘を刺された。
この弾性ストッキングっていうのがババアみたいな色で分厚くてクソ暑いんだよ。
クソ暑いのはまだ我慢できるけど、サンダルも履けないし好きな服も着れない。
サンダルに靴下を合わせたりマキシ丈のワンピースで隠したりして工夫してるつもりなんだけど、
事情を知らない人から「そんな格好で暑く無いの」と言われた時はやっぱりグサッと来た。
で、いつも思うのは、ハゲのおっさんは辛く無いのかなってことなんだけど。
自分も治療でハゲてた時は辛かったけど少なくとも同情はしてもらえたよ。
人と会う時はウィッグを付けたし、友達は「うんうん髪が抜けるの辛いよね」と励ましてくれた。
そもそも「かつら」なんて言わないわけ。「ウィッグ」だよ、「ウィッグ」。
おっさんだって髪が抜けて辛いと思うんだけど、なぜ抗がん剤治療の脱毛は同情されて、おっさんのハゲは嘲笑の対象になるんだろう。
ずっと疑問だよ。
男の人は髪が抜けてもそんなことを気にせずに堂々としてることが求められるよね。
かつらとか薄毛治療とか、恥ずかしいことのように言われるのはなんで?
自分がもしおっさんで、髪が抜けたらやっぱり辛いと思うんだけどな。
「ジャニーズの○○が実はかつらだった」とか、それだけでもネットニュースになるけど、それは差別ではないの?
ハゲが気になる人もいれば気にならない人もいるし、顔立ち的にハゲが似合わない人だっているよね。
お笑いでもブスいじりとかデブいじりは叩かれるけど、ハゲいじりはまだ普通にあるし。
ちょっと前ハイヒールを強要されることが差別だとして#metoo運動が話題になったけど、
ヒールが履けない人がいること、世間でどれくらいの人が知ってるのかな。
私は卵巣癌になって卵巣を取った。その時転移を防ぐために脚のリンパ節を取ったの。
リンパ節を取っても細いリンパ線が周りに残ってるから普通に暮らす事は出来るんだけど、リンパ浮腫になる可能性が出てくる。
リンパ浮腫と言うのはすっごくむくんじゃうこと。脚のリンパ節を取った場合は脚ね。
普通に足がむくんだ人はその内もどるけど、リンパ浮腫は治らない。一度膨らんだ風船が萎んでも元には戻らないのと同じだって。
リンパ浮腫になったひとはお婆ちゃんが履くような分厚い医療用のストッキングを夏でも履いてる。手術を受けてまだなってない人は、いつか自分も発症するんじゃないかとビクビクしている。
リンパ浮腫になるからヒールもダメ、ジャンプもダメ、足組むのもダメ、コタツもダメ、正座もダメ。
テレビのファッションチェックなんかでタレントが「あー、靴がダメですね。この服にペタンコ靴とかありえなーい」とか言ってるのを見ると、この人達は色々な事情があってヒールが履けない人もいるって考えたことないんだろうと思う。
女性に人気のシューズブランドがヒールしか出してないと、おいおいデザイナー真面目にやれよと思う。
靴づくりの教室に通って自分で作ろうかと思ったこともあるけど結局やめた。そうやって頑張って作ったって、それは私が本当に履きたい靴じゃないもの。
退院したばかりの頃は、道でサンダルやヒールの人とすれ違うだけでも辛かった。
友達は「私は最近スニーカーばかりだよ」と言ってくれたけど、選択肢の一つとしてスニーカーを選ぶのと、スニーカーしか履けないことは全然違うんだよ。