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はてなキーワード: 薔薇族とは

2019-02-16

百合ジャンル歴史現在 前

 本稿では、BL/やおいと比べ論じられることの少なかった「GL/百合ジャンル確立歴史と、その現状について考察する。

 はじめに、「百合」というマンガアニメにおけるジャンルを示す言葉概要説明する。「百合」とは主に、女性同士の恋愛と、それに満たない関係性も含めて描いた作品ジャンルを指す。川崎によれば、定説として語源ゲイ雑誌薔薇族」に由来する。男性同性愛を指す「薔薇族」と対になるよう、女性同性愛者を「百合族」と呼称した「百合族の部屋」というコーナーが1976年から不定期連載されるようになったのが始まりであるとされる(川崎2014:44)。当時はレズビアンを指す用語だったが、徐々にサブカルチャーに輸入され女性同性愛を扱った作品群を呼称する言葉に変化していった。

 まず、日本での「百合」のマンガジャンルとしての成立について述べる。そもそも大正ごろの日本においてマンガとしての形態以外で女性同性愛テーマにした創作物としては、性描写過激男性向けポルノか、少女向けの小説に二分されていた。特に女学生同士の姉妹関係エス」をテーマにした少女小説金字塔として、「花物語」(1925)などが代表される。しかし、大正時代少女文化として流行した「エス」の概念現代の「百合概念とは違い、上田は「自覚的女性を愛することを選択したというよりは、良妻賢母になるための安全なる予行演習という側面もあった」と述べている。(上田 2014:192)

マンガが発展し、女性同士の関係性を主題とした最も初期の連載作品1970年代ごろから山岸涼子「白い部屋のふたり」(1971)、池田理代子おにいさまへ…」(1974)、「ベルサイユのばら」(1972-73)のオスカルロザリーなどにみられはじめる。これらは、「24年組」に代表される少年愛テーマとしたマンガと同時発生的に少女マンガ誌に掲載されたものだ。藤本は、このころの百合マンガの大きな特徴として

 ①対照的な二人の容姿(中性的・くっきりとした美人可憐少女イメージ)

 ②演劇モチーフ(宝塚歌劇の影響)

 ③悲劇的なストーリー(少年愛を扱う作品対照的同性愛による葛藤描写)

を挙げている(藤本 2014:101)。これらの特徴は、1970年代女性の抱えていた抑圧感を反映していたものなのではないかと考えられる。女性作家による「少年愛」が現実の抑圧から解放として、性的未分化存在(少女)の何物にも縛られない感情の動きを描写したものなら、このころの「少女愛」はそれと対照的に、抑圧からの逃避としての悲劇的な結末が設定されることが多かったのではないだろうか。表現手法舞台設定は耽美幻想的でありながらも、当時の日本での女性のおかれる立場に忠実な閉塞感が描写されたものだと考えられる。また、この時代百合マンガ少年愛ほどの大きなムーブメントには発展せず、作品数も多くはなかったため、自然消滅的に衰退していった。

 しかし、1990年代同人誌文化の発達に伴い、百合ジャンルも急速にその勢いを復活させる。

まず、「美少女戦士セーラームーン」(1992-97)によって、女児向けマンガにおける戦う美少女という概念ジェンダー論的な観点においての大きな転換点となる。異性愛的な要素が物語の中心に関与していたにもかかわらず、同人イベントではセーラー戦士同士のカップリングを描いた作品が爆発的なブームとなった。その理由として考えられるのは、消費される客体としてではなく主体としての戦う美少女像が確立されたことではないだろうか。これにより、百合的な描写70年代における悲劇的な結末に向かう物語ではなく、少女が二人で主体的に幸せを獲得していく過程が重視されるようになっていったと推測できる。

そして、物語の中の関係から百合文脈を汲み取っていた時代から、前提として百合のもの主題においた作品も増加していく。代表的なものとして、「少女革命ウテナ」(1996-98)がある。この作品は、古典的少女マンガシンデレラストーリーを基盤に「王子様」と「お姫様」を少女同士に置き換えてなぞりつつ、70年代百合作品に見られた演劇的なモチーフや学園モノ、男装美少女といった設定を取り入れ、また絵柄としても耽美で繊細なものであったが、これらは意図して行われたパロディ化された演出だった。ストーリーの結末も、最終的には二人が離れ離れになる点は悲劇的にも取れるが、その後ヒロインたちの再会が示唆されている。アライによると、「王子様」と「お姫様」が結ばれてハッピーエンド、という構造少女同士で反復するだけではなく、最終的にヒロインたちは「王子様」と「お姫様構造破壊し、自身覚醒させ歩き出すことで、社会的女性規範を打ち砕くことができるのだ。(アライ 2015:57)それこそが「世界革命する力」であり、この結末によって投げかけられたのは、異性愛規範や家父長制へのアンチテーゼと、黒人女性解放運動日本女性ウーマンリブ運動などの背景を踏まえた社会的メッセージだった。

これらの2作品によって、社会的な動きと呼応した百合マンガの潮流が形作られはじめる。「セーラームーン」も「ウテナ」も少女マンガ誌に掲載されており、本来ターゲット層は10代の少女対象にしていたと考えられるが、ここでのプラトニック少女たちの絆がオタク層にも受け入れられ、恋愛的な文脈解釈した成年層による二次創作が爆発的に流行する。これと同時に一次創作オリジナル同人誌においても、「百合」という概念が定着しはじめ、少女同士の恋愛主題にした作品がみられるようになる。

 そして2000年代に入ると、マンガジャンルとしての百合を専門に掲載した「百合姉妹」(2003-2005)が発刊される。その後、「コミック百合姫」(2005-)に統合され、現在刊行中。専門誌の発刊は大きなジャンルの発達の手掛かりとなり、この雑誌に連載されていた作品アニメ化や二次創作流行によって、「百合」というジャンルがはっきりと定義されはじめ、広く認知されるようになっていく。しかし、その定義に関して「男性が主要人物として登場し、恋愛関係に介入する」「性的関係が生じた場合百合ではなくポルノ」などといったさまざまな議論が巻き起こったのもこの時期である

また同時期に、「神無月の巫女」(2004-05)や「舞-HIME-」(2004-05)などの少年誌で連載される百合作品が登場する。これらの作品は、少女マンガ作品よりも直接的な同性間の恋愛としての描写性的表現が強く押し出されていた。ここから現代男性向けと女性向けの要素を同時に内包した現代百合マンガ形態確立しはじめたといえる。2007年には、前述した「コミック百合姫」の姉妹紙として一迅社からコミック百合姫S」と「コミック百合姫Wildrose」が発刊。「S」は本誌よりソフトで繊細な関係性の百合を扱い、なもりゆるゆり」(2008-)が代表するような「日常系百合」の流れを作った。一方「Wildrose」は、それまで成人向けポルノとしての過度な性描写忌避されがちだった(厳密な定義での「百合」ではないとされる議論があった)当時の風潮の中、直接的な性描写掲載した作品を扱う専門誌として独立した挑戦的な試みだった。

 ここで、2008年に行われた「コミック百合姫」の読者アンケートを参照してみる。2008年7月号時点の『コミック百合姫』読者の男女比は男性27%、女性73%であるのに対し、『コミック百合姫S』の方は男性62%、女性38%となっている。つまり現在統合された「コミック百合姫」の購買層は、この男女比を単純に平均すると男女差はほぼ半々で、やや女性読者のほうが多いということになる。ここでは百合マンガの購読層を性別と消費の形態に4つに分類して考察した。

①「傍観」型女性

 女性購読層において基本的には、社会的比率を前提にすると異性愛女性のほうが多いと考えられる。彼女たちは少女同士の関係性に、「現実における異性愛ジェンダーロールによる苦痛から隔絶された「非現実的な同性間による越境快楽」を心の拠り所として愛好するのではないだろうか。なおこれについては、やおいBL ジャンルを愛好する女性においてもほぼ同じ理論適用できる層が存在すると思われる。

②「投影」型女性

 百合というジャンル性質上、他の恋愛形態をメインとしたジャンルよりもレズビアンバイセクシャルを自認する女性が購読層に多い傾向にあることは考慮するべきである彼女たちは、異性愛女性が「少女マンガにおけるロマンティクラブ」を夢見るのと同じように、自身性的指向に一致した自己投影先として「百合マンガにおけるロマンティクラブ」を享受していると考えられる。

③「傍観」型男性

 百合自分投影先の存在しないストーリーを消費するものとして受け取っている購買層。①「傍観」型女性とほぼ同じ論拠が適用できると考えられる。

④「投影」型男性

 百合マンガ登場人物自己投影する男性は、ジェンダーロールから解放と、女性との恋愛の疑似体験を同時に達成できる。この購読層の性的指向に関しては、社会的比率として異性愛男性が多いと思われるが、異性愛コンテンツNL)ではなく百合GL)を愛好する彼らに関しては、③「傍観」型男性よりさらに複雑な感情ルーツを持っていると考えられる。また、TS願望を持つ男性MtFとは区別する)や、同性愛男性共感を持って少女同士の関係性を愛好する例も、この枠にひとまず収めることとする。

⑤「乱入」型男性

 特に男性向けの性的描写の含まれ百合マンガ等においては、その世界の中に没入し登場人物の中に「混ざりたい」という観点で消費する層も存在する。これは上記の4つの例と異なり、少女同士の関係性ではなく「(男を知らない、穢れのない存在として描写される)レズビアンである少女を自らの男性性によって屈服させたい」というマウンティングによる性的欲望や、男性主人公やその代わりとなる女性キャラクター存在しない「ハーレムもの」といった受け止め方に由来するものと思われる。ただし、これらの男性百合ジャンルファンから忌避される傾向にあり、特に近年の百合主題とした作品においては減少している。

これらのファンがそれぞれ百合というジャンル定義について議論を重ね、各需要を満たすような創作物制作していったことにより、百合ジャンルが発展していった時期だった。

次に、2010年代百合文化を振り返る。このころに代表的な作品として挙げられるのはテレビアニメ魔法少女まどか☆マギカ」(2011)だろう。この作品は、「セーラームーン」にルーツもつ戦闘美少女系譜を受け継ぎながら、現代調に前提として百合意識して構成された作品ひとつで、魔法少女同士のカップリングを扱う二次創作が爆発的に流行した。

 また、少女マンガ誌において百合を扱った作品が満を持して再び登場する。70年代以降、異性間のラブストーリー(NL)に偏っていた少女誌において約30年ぶりに百合が復活した形で、「野ばらの森の乙女たち」(2011)や「ブルーフレンド」(2010―2011)が連載された。これらの作品は、少女漫画特有の筆致でありながらも明確な少女同士の恋愛関係としての描写があり、また両作品とも70年代のような悲劇的なラストを迎えることはない。少女向けの要素として、学園設定や疑似姉妹などの設定は残されているものの、これらは批判的なパロディというよりも前時代少女誌における百合作品に対する敬意からくるオマージュ解釈するほうがふさわしいだろう。これは近年において少年誌よりもジェンダーロールの強固だった少女誌界隈に百合ジャンルブームの波及がみられた、極めて注目すべき例である

<続きと参考文献リストこちら>

https://anond.hatelabo.jp/20190216025236

2019-01-30

薔薇より百合の方が有名になったよな。

薔薇派生百合だろうに、肝心の薔薇BLって表現の方が使われてて、もはや薔薇族って何だよって人も多くいて。

百合GLと言って統一するなり、細かい表現の違いを明確にして使い分けるなりしてもいいとは思うが。

それとも界隈では既に自明の理

2018-11-09

恋愛界における百合は綺麗なのに薔薇は汚い。

しかし、薔薇という植物は綺麗だと思う。

薔薇族の編集長は、なぜ薔薇隠語に用いたのか。

2018-08-14

結局LGBT差別される所以は意固地と僻み

心底思うんだけど、世間は君たちのお母さんではないので、

文句を垂れててもしょうがないと思わないのかな?

同棲婚が〜とかマスコミイメージ作りが〜とか、

周りのせいにしたってだ〜れにも相手されないわけよ。

要は与えられた環境下で頑張るしかないわけ。

薔薇族を穴が空くほど熟読するとか、ノンケ普段行かないタイプのお店に通ってみるとか。

結局そういうのは意地になってやらないんでしょ?

そういう外側だけしか見ないレイシストとは〜とか言って。

そんな卑屈になってる男なんて内面ダメでしょ。一緒になってもめんどくさくなるのが目に見えてるじゃん。

なのでそういうのがダメな人は、差別しない人を見つけるか、趣味世界に生きるのがいいと思います

がんばれ。

anond:20180814113849

2018-07-02

薔薇族」ってキレイ名前だよね

薔薇が好きな仲間って、きっと素敵な人達なんだろうな

2018-05-04

ヤマジュン

薔薇族の読者からはうけが悪かったらしい

田亀ゲンゴロウみたいな絵を求める人が多かったようだ

言われてみればキャラがびっくりした時の顔が

(☆ワ゚;)って感じで表現少女漫画ぽいんだよな

anond:20180504185121

せめて、薔薇族を読んでって思うよねー

2018-04-23

20年前に上野ゲイ映画専門館へ行った時のこと

隊長のふとした一言と某隊員の熱望により、ついに実現したツアーといえば、「第一東京ブラックツアー」で決まりである東京ディープスポットを探訪していくという、とてもわかりやすいコンセプトが唯一の自慢である。今回は初回であるし、ディープ場所から抜け出せなくなることを避けるため、ツアーは昼間に行われることに決まっていた。それなのにそれなのに、予想通りというべきかいつもどおりというべきか、隊員の集まりは悪い。全然時間どおりに集まらない隊員、この先の我々の運命を暗示するかのような曇天、どんどんと下がるテンション、等々の様々な悪条件の中、我々は出発した。その出がけ、玄関で見知った顔を見つける我々3人。当然のごとく強制参加させ、隊員の数は4人に急増した。4人といえばSPEEDと同じ人数だ、これでもう心細くないね

曇天上野公園、しのばず池にいる鳩や鴨達も心なしかブラックに見える気がしてならない。今にもあの平和使者である鳩が俺達を襲うのでは?、と意味不明疑心暗鬼が次々とわき上がってくるほどに気分はダークである目的地へ近づくにつれ、隊員の緊張は見てとれるほどになり、武者震いなのだろうかしきりと震えだす隊員もでる始末。そう、例の場所に向かう我々の姿を客観的に見れば、怪しい4人組=おやじSPEED(暗黒)といっても過言ではなかっただろう。目指す場所上野某所の映画館である。「ほら、あそこだよ」という隊長言葉に、なんともいえない緊張のさざ波が隊員達を駆け抜けた。その場所は、少し歩けば大通りに出てしまうくらい人通りは激しい所だった。

その映画館はそこにあった。紛れもなく、そこに。映画館は2階らしい。あせるな、と思いつつ上映時間確認する我々隊員。まだ上映開始まで時間があるようだ。合議の結果、若者が集うゲームセンター時間をつぶすことになった。しかし、どの隊員も緊張のせいかゲームには手を出さない。いや出せなかったのだ。あと数分後に行かなければならないあの場所のことを思うと。上映時間が近づき、なにはなくともとりあえずトイレ希望する隊員が続出する。しかし、京成線の駅のトイレには紙がなかった。とても嫌な予感がする。嫌な予感がビンビンするよ!

トイレの事は諦めて、我々はその映画館へ向かった。ちなみに映画は2本立てである。これから約2時間の長丁場であるしかし、隊員1号はそのことを知らなかった。このことがあの悲劇の序章だったとは、全隊員露ほども思っていなかっただろう。年季の入った階段を縦列に並んで登る途中にも、映画を見終わった人達だろうか、次々と人が階段をおりてくる。もう誰も信じられない、あの人もこの人もそういうのなのだ、そうなんだあの中ではすざましい饗宴が繰り広げられているんだ、と思いながら階段を登っていくと、「ヤング薔薇族ショー」という看板が突如現れる。ますます下がるテンション。ふと階段の上を見ると、そこにはいかにもなもぎりのおばちゃんがいた。一番最初階段を登り切った一人の隊員が、おばちゃんに近づくと、何かを指さすおばちゃん。そうである自動販売機切符を買うのであるハイテクである自動販売機へ向かった隊員へ、たたみかけるようなおばちゃん言葉が襲いかかる。「どっち?薔薇族学生さん?」。思わず「は、はい」と答えてしまう隊員だった。実はそこには劇場が2つあり、切符売り場は共通だったのである。もうひとつ映画館ピンク映画館だった。次々と無言のまま切符を、学生切符を買う我々隊員であった。血の契りを交わしあい、相当に団結しているはずの隊員達であったが、その時には既に他の隊員を省みる余裕はなかったようで、会話を交わすこともなくなっていた。そして、ひとかたまりにはならずに、ひとりひとり左奥にある劇場へ向かうのであった。

妙な圧迫感。第一印象はこれにつきている。72席あるという座席は、ぱらぱらとしか埋まっていない。それなのに、壁際にたつ人が異常に多い。なぜだ。と、座席を見渡して、先に着席していた隊員を見つけると、思わず安堵の息をもらしてしま自分がいじらしい。あれ、でも、事前のミーティングでは一番後ろに座ろうと決めたはずじゃあ。。。何故か入り口のすぐ側の列、後ろから4列目ほど、に整列して座っている隊員達であった。その顔は暗い。その場の嫌な感じに、その顔は真っ暗であり、しかも皆うつむいていた。一番最後劇場入りした隊員1号は、既に着席していた某隊員の左隣に座った。隊員1号の左隣は一番端の席である。そう、その時点ではスクリーンに向かって一番左の端の席が空いている状態だった。ふと嫌な予感、突然の頭の回転、第六感で席をうつる。当然、左端にである。それは、隣を空席にしておくのは危険すぎるという判断からだった。身の安全を確保したあと、少し落ち着いて上映開始を待つ間、なにか生暖かい気がしてならない。しかポマードなのかなんなのか、嫌な匂いエアコンから暖風とともに排出されているようだ。もうテンショメーターは左に振り切れ、ほぼ0になっていた。

ブザー、暗転、上映開始。まわりは気にせず映画に集中しよう、と心に決めて観賞を開始する。初っ端から現代映画とは思えないチープ感が漂っている。なんなんだあの貧相な女優は。と思っている間に、例のシーンに。変則的な格好に思わず心の中で笑ってしまう。これがそうなのか、と訳も分からず納得している自分。そしてストーリーは展開を見せはじめるのだが、映画に集中などできなかった。ストーリー自体のしょうもなさもさることながら、それよりも気になったのはまわりの人間達、隊員以外の動向だった。のれん状のカーテンが掛かっているだけの、ドアのない入り口のすぐそばに座っているせいか、上映中にも頻繁に出入りする人々が気になるのである。そして、席に座ったとたんに立ち上がって壁際に立ったと思ったらすぐに別の席に座る客が気になるのである。そして、壁際に立つ人の後ろに立って腕を前の人にまわしている人が気になるのである。その場所で、落ち着いて映画を見ることは不可能であった。このくだらない映画はいつ終わるのか、そんなことばかり考えはじめたのは、まわりの人間模様が気になりはじめたのと同時だったかもしれない。その間にも、入り口付近では相も変わらず人が頻繁に出入りし、通路に出て奥にあるトイレの方へ向う人あり、がら空きなのに人の隣に座る人あり、映画よりもその様子が気になってしようがなかった。いつか、それは我慢の限度を超えるほどに。

1本目と2本目の休憩時間に他の隊員と一緒に抜け出そう、と決めた。その時決めちゃったのである。とにかくこの場所から早く抜けだしたかった。いつだいつだいつ終わるのだ、と思っているうちに、映画はどうにかスタッフロールまでたどりつく。当然普通映画館でよく見られるような、スタッフロールで立ち上がり帰る客はいない。いつもはそんな客を苦々しく思っていた隊員1号も、この時ばかりは一刻も早く立ち去りたかったのはいうまでもない。終了。「1999(映倫)」の文字驚愕する。最新の映画だったのだ。あの映像感で。それよりも、ようやく帰る事ができることが嬉しいかった。しかし、ライトよ早くつけ、と熱望しているのに、なかなか客席のライトはつかない。ライトがついたら全員で帰ろう、と思っていたのにライトはつかない。そう、その時、次の映画がはじまってしまった。2本立てなのだから当然である。軽い衝撃を受けつつ、あと1時間我慢するか、いますぐ立ち去るか、立ち去るなら他の隊員にはどう伝えるか、数秒の間に色々な考えが渦巻く。そもそも、大抵の映画館なら休憩時間におしゃべりしているうるさいカップル等が必ずいるものだが、この映画館には言葉存在しない。無言のコミュニケーションがその場を支配している。とても他の隊員に話しかけられるような状況ではなかった。もし、今左端に座る自分がいなくなると、某隊員の左隣には二つの空席ができてしまう。それはきつい。自分だったらそんな状況は嫌だ。でも、この生暖かい嫌な雰囲気にあと1時間は耐えることはできない。すまない、と心の中でつぶやきつつ、他の隊員には無言で席を立ち、もぎりのおばちゃんの前を抜け、逃げ去るようにその場を立ち去った。つらい選択であった。すまん。

しばらく映画館付近で待つが、他の隊員が出てくる気配はない。あと1時間耐えることを決めたのだな、と判断して、ツアーからひとりぼっちの帰還を果たした。なんともいえない疲労感をかかえつつ。その頃、あの映画館では、左端に二つの空席を抱えこんだ某隊員に緊急事態が起きていた。その列の左端に座る見知らぬ人。この時点でおかしい。席はがら空きである。そのうち席をひとつ右に移る見知らぬ人。完全におかしい。席を移る意味がわからない。そして、見知らぬ人の右手が某隊員の左膝に。。これ以上は詳細不明のため描写できないが、その隊員が無事帰還したことだけは記録しておきたい。

脱力感、疲労感、倦怠感。どうやら全員無事帰還した我々隊員は、今日の日の事を忘れたくても決して忘れられないだろう。そして、この記録をここに残すことによって、あなたの心の中にもいつまでもこの体験は残り続けるだろうし、どこかの誰かによって語り継がれていくだろう。疲れた

2017-09-30

ゲイだけどフジテレビに抗議してる人がちょっとうっとおしい

リアルタイムで見て笑ってたけどね、 保毛尾田保毛男。

まだ、自分ゲイだって自覚もなかったし。

同性愛者ってのは、「美輪明宏とかカルーセル麻紀」みたいな人か、「おすぎピーコ」みたいな人か、「保毛尾田保毛男」みたいな人くらいしか身近に知ってるロールモデルがなかったから、自分が広い意味でその仲間だとは思わんかったわ。

男の子に凄く興味があるってわけじゃないけれど、あんまりスカートめくりとか、女の子ちょっかいだしたりすることには興味がない子供だったかな。

で、思春期で体が成熟し始めると、エッチなことに興味はあって、一人エッチも覚えたけど、その欲望を同性に向けるって方向にはなかなかいかなかった。

多分、「男を好きになるということは、ロールモデルの人たちみたくなるってことだ」という意識がどこかにあって、それに違和感があったからじゃないかと思う。

で、いつごろから自覚ができてきたかというと、一つにはいろいろAV見てるうちに、男優ちょっとイケてる男で、しかもお姉さんに襲われるような感じの作品だと、妙に興奮して、しかもどちらかというと「女優を見たい」というより、男優のほうに感情移入してる自分に気づいたことと、(もし、ここで止まっていたら、単なるM男で止まっていたかもれんな)、もう一つは、当時、新興だったゲイ雑誌たまたま見かけて、積極的に多様で新しいゲイの在り方をしったから、というのが大きい。

それ以前のゲイ雑誌って「薔薇族」なわけで、それはそれでちょっと自分感覚とは違った。

なお、この「新興だったゲイ雑誌」で編集者をしていたのが、今をときめくマツコ・デラックスだったりするのだけれど。

で、その雑誌で何を学んだかというと、普通にノンケのおしゃれな男」や「イケてるサラリーマン」みたいな同性愛者も世の中には存在するし、一口同性愛者といっても色々なあり方があるっていうことが一番大きいかな。

女装したり、女っぽい仕草でお姉言葉をつかうのだけがゲイじゃない。

保毛尾田保毛男が四半世紀前のテレビにおける同性愛者のステレオタイプとすれば、女装やオネエばっかりだして笑いとるのも充分ステレオタイプだ。

まあ、それでも、四半世紀前に比べれば、ずいぶん世の中の認識は良い方向に変わったもんだ、と思うけど。

もし、今のとんねるずが「あの伝説の保毛尾田保毛男を今夜ふたたび!」とかやったら、さすがに怒るが、かつてのギャグとしてVTR流しただけだしな。

なんというか、あまり向きになって抗議するのって、江戸時代文書から差別用語を削除しろっていってるような感じがしなくもない。

あ、そうか。「このキャラクターには差別的な側面が含まれますが、30周年記念番組という趣旨にかんがみ、当時のまま放映します」とかテロップいれときゃよかったんかな?

マツコ・デラックス感想は聞いてみたいけどね。

まあ、積極的差別偏見を打破するために活動している人たちには敬意を表するけれど、なんだかうっとおしいなあ、とか思ってしまったのは確か。

なんか「巨人の星」に「父ちゃんは、日本一日雇い人夫です!」ってセリフがあるからテレビでそのまま再放送できない、と聞いた時の一抹のうっとおしさと、どこかで通じ合っているのかもしれない。

あ、あと、このネタで「差別糾弾」に熱くなるような女性の中に、結局、ゲイをなんというか興味本位で見ている人がいるってのは、書いておきたい。

ゆがんだ欲望対象にしているというか。

いるんですよ。ゲイ理解があるテイで近づいてきて、妙に男どうしセックスのこととか具体的に聞いてきたりして興奮したりする女。

ほっといてくれ、といいたい。

2017-03-08

http://anond.hatelabo.jp/20170308150856

百合対義語薔薇でしょ。

というか、ゲイ向けの雑誌薔薇族 が発端となって、ゲイ薔薇レズ百合に例えるようになったんだよ。

薔薇族文通欄に「百合族の部屋」が設けられていたのだからね。

2016-11-01

エロ漫画マニア殺人事件(実話に基づく)

警部、ひらめく。

「わかったぞ!」

「わかりましたか」

「完全にわかった。

 エロ漫画コレクター江口快楽天氏(享年46歳)を殺害した犯人がな! 江口夫人の淹れてくれたお茶を飲んでピンとひらめいたよ。残念ながらキミの出る幕はなさそうだ、探偵くん」

「では、警部の名推理を拝聴しましょうか」

「見ろ。江口氏は『至近距離真正面から』『刃物でめったざし』されている。

 なのに、抵抗した痕跡がない。

 被害者は刺される直前まで犯人に対して油断しきっていたんだ。つまり、顔見知りの犯行だな。

 被害者風呂上がりでタオル一枚の素っ裸だったことからも、それが伺える。

 となれば、事件当夜に現場となった江口邸内にいて、かつ被害者と最も親しかった人物――結婚十年目を迎えた妻の薔薇族氏(41歳)、夫婦の一粒種である絵留王くん(18歳)、古くからの親友であるボブ・ディラン氏(75歳)の三人に絞られる。

 被害者毎日決まった時間帯に入浴していた。犯人は湯浴みをおえた被害者を彼の書斎で待ち受けて凶行に及んだとおぼしい。この時間帯とその直後にアリバイのない人間が犯人だ。

 容疑者三名のうち絵留王くんは自室で夏休みの宿題――ゆうちょアイディア貯金箱コンクールに出品するための貯金箱づくり――に励んでいた。その姿は他ならぬ君によって目撃されている。

 奥さんの薔薇族氏は近所の奥様方と夏コミ同人誌製作の追いこみをしていた。

 アリバイがないのはゲストルーム作曲をしていたディラン氏だけ。

 彼こそ犯人だ!」

「警部。落ち着いて。

 博愛平和ディラン氏が人殺しなんてやるわけないでしょう?

 それに『正面からめったざし』なんですよ? 被害者氏は即死したわけじゃない。

 いくら親しかろうが、殺意むきだしで襲い掛かってきている相手に対してまったく抵抗しないなんておおかしいでしょう」

「む、むう。言われてみれば……では、外部犯の可能性が否定できないということか。またふりだしからだな」

「いえ、警部の目のつけどころはいいと思います

 犯行の難しさ、内部犯であろうと外部犯であろうと一緒です。

 ただ、なにか……欠けているピースが……」



名探偵真犯人を指摘する。

「そうか! 警部、被害者左手に握られたものを見てください」

左手? おっ、この人間工学に基づいたハンドグリップモノリスの叡智を思わせる漆黒のボディーは……


 kindle Oasis


「そのとおり。

 紙のように薄く感じられるよう、これまでの Kindle よりも20%以上軽く、平均で30%も薄くなり、人間工学に基づいた、左右で薄さのことなデザインを採用、最も薄い箇所でわずか3.4mm。

 それでいて、高剛性プレーティングを施したフレームkindle 史上最強カバーガラスを採用し、軽さを追求するとともに、いつでも気軽に持ち歩ける耐久性をも実現した Kindle 最新にして最強のニューモデルです」

ぶっちゃけ、容量とCPUが旧モデルと変わんないから要らないと思っていたが、

 こうして直に触ってみると超欲しくなるな。しかし、これがどうかしたのか?」

「警部、その Oasisダウンロードされている書籍をチェックしてください」

「おう。……んん、立ち上がりが遅いな。

 やはり性能が……うわっ」

「フフ。そこに表示されているのは、無修正エロ漫画ですね? しかも一番破廉恥なシーン」

「!? なぜ、画面を見もしないでそれを!?」

「奥さん。この kindle被害者本人が購入したものですか?」

「い、いえ。それは絵留王が主人の誕生日プレゼントにと昨晩渡したものです。あらかじめ容量いっぱいに購入していたエロ漫画といっしょに」

「でしょうね。つまり、絵留王、キミが快楽天氏殺害の犯人だ!」



名探偵、真相を明らかにする。

「ど、どういうことかね。kindle犯人に何の関係が?」

「警部。死体をよく見てください。被害者は俯けに倒れているのに、タオルは尻の上にかぶさった格好になっている。おかしいとは思いませんか? 普通、タオルを腰に巻いたまま倒れたなら、タオルちんこと床のあいだに挟まれるはずです。

 もうひとつあります遺体発見当時、風呂場から現場となった書斎へ続くカーペット足跡や染みは見あたりませんでした」

「な、なに? なぜ教えてくれなかった」

「訊かれませんでしたから。

 そして、これが一番重要ですが――なぜ風呂上がりの被害者の手に kindle が握られていたか、ということです」

風呂場で使ってたんじゃないか? kindle は防水機能ピカイチだからな。Waterfiの加工が施され、完璧な防水加工となっている。真水でも海水でも、ともかく200フィート以上の深さに時間無制限で耐えることができる。たとえばスキューバダイビングにでかけて、海の底に腰を落ち着けながら『海底二万里』を読むことができるわけだ。これはちょっとした「経験」になり得るかもしれない。

「その割に kindle 本体に水滴はついていません日本人は臆病だから、風呂場で読むなら絶対ジップロックに入れますよ。しかしそのジップロックの形跡も見当たらない。

 わかりますか、警部? あらゆる証拠が『被害者風呂に入っていなかった』ことを示唆しているのですよ。

 では、風呂に入ってなかったとすれば何をやっていたのか。なぜ kindle oasis がここにあるのか。

 裸族でも風呂上がりでもない大の男が裸体を晒す理由――となると、ひとつしかありませんね」


「!! オナニーか!」

「新しいテクノロジーを手に入れたら、まずエロいことで試したくなる。おっさん普遍の心理です。

 ましてや江口氏は斯界でも知られたエロ漫画コレクター

 kindle オナニーを試したくなるのは必然です」

「わかるなあ。だがね、探偵君、風呂オナニーになっただけで何が違うのかね」

犯人にとっては二つ、大きなメリットがあります

 まずひとつアリバイトリックです。

 警部は、風呂に入るなら自慰行為をやる前がいいですか? やったあとがいいですか?」

「そりゃあ、した後だろ」

「そう。被害者風呂に入る前にkinオナを行っていた可能性が高い。

 犯行の推定時刻が『定時の入浴直後』から『定時の入浴前』にずれるわけです。この差は大きい」

「そうか、入浴中〜入浴後にあった絵留王氏と薔薇族氏のアリバイが崩れるわけだな」

「そして、もう一つの大きなメリット。それこそ今回の大きな謎を説明するものです。

 犯人オナニーに夢中になっている被害者を襲うことで、

 真正面から抵抗を受けずに何度も刺す』ことを可能にしたのです!!!

「おお〜〜〜〜!!!


 って、い、いや、待ってくれ探偵くん。

 いくら自慰中だったからといって、刺されてるのに気づかないのはいくらなんでもおかしいぞ」

「……警部。あなた、さっき Oasis を立ち上げたときになんて仰ってました?」

「えっ? たしか、『立ち上がるのが遅い』と……ああああああ!!!!」


「そう。Oasis の性能はほぼ旧モデルと変わらない。

 つまり書庫がほぼ満杯ならマンガのページ送り速度はイライラするほど遅くなるのです!

 これはkinオナにあたっては致命的な欠陥となる!

 はやく次のページを見たいのに、まるでフリーズ状態……」

「そのときに発揮される強力な集中力! そして分泌されるアドレナリン被害者に『刃物で刺されている』痛みを認識させなかったんだ!」

犯人はおそらく脳科学の分野にも通じていたのでしょう。

 ところで、ディラン氏、江口快楽天氏はオナニーするとき全裸になる派でしたか?」

「いや。いつもズボンパンツだけを脱いでいた。『全裸オナニーなど文明化されてないサルのやることだ』とね」

「とすると、なぜ被害者上半身まで素っ裸だったのか。

 そう、犯人衣服を持ち去ったからです。どうしても『kinオナの最中に殺害した』と思われたくなかった。

 それはアリバイ工作のためでもあり――そして、Oasis が自らと結びつくことを過剰に恐れたからだ。

 違いますか? 絵留王さん?」


犯人の哀しい過去

絵留「……証拠は……あるのかよ?」

探偵あなたが部屋で作っていた貯金箱……私も直に見て驚きましたよ。

 ――血の付着した衣服があしらわれているんですからね!」

 “!?"

探偵工作に使ったハサミを鑑識に回せばそれが凶器として使われたどうかはわかります。刺すだけではなく、遺体から服を切り離すのにもつかわれたのでしょう」

絵留「……クソッ……俺の負けだよ……」

警部「しかし……なぜだ。絵留王くんはエロ漫画読書界のホープとして、父子鷹でがんばってきたんじゃなかったのか?」

探偵「まさしく快楽天氏の英才教育こそが今回の動機なのでしょう。ですよね? 絵留王さん――いや、絵留王ちゃん?」

絵留「!? ……フッ、名前とヤドクガエル先生の描いたような外見のせいでたいがい勘違いされるんだがな。すると俺の『本当の年齢』も知っているわけか」

探偵「ええ。あなたは18歳じゃない。戸籍上はまだ小学生のはずです」

警部「え、彼――いや彼女小学生だって!?」

探偵「いかにも。貯金箱コンクールの応募資格は『小学生のみ』です。いい大人夏休みの宿題に作るようなもんじゃありません」

警部「だが、なぜ江口一家は絵留王ちゃんがあたかも18歳であるかのようにふるまっていたんだ?」

探偵「さっきご自分で仰ってたじゃないですか。『エロ漫画読書界のホープ』だったって。エロ漫画を読めるのは何歳からですか?」

警部「!? まさか――」

絵留「……そうだよ。あのクソ親父は、この12年ずっと俺を『18歳の成人男子』として扱ってきた。まだハイハイもおぼつかねえころから、朝から晩までエロ漫画エロゲエロ同人漬け……。

 冗談じゃねえ……俺には俺の人生がある。健全小学生女児としての、な。あいつは結局こどもを愛してなんかいなかった……」

探偵「……それは違います。絵留王ちゃん。なぜ快楽天氏はクソ性能の Oasisオナニーをしていたと思いますか? 彼ほどのエロ漫画マニアなら、さっさと合理性を優先して、紙の書籍に切り替えてたはずです。しかし死ぬまで Oasis を手放さなかった――」

絵留「……え…まさか……プレゼントだったからだっていうのかよ? 俺からの誕生日プレゼントだったから、どんなクソ性能でも使ってたんだって……

  そんな……オレは…‥じゃあなんで……うわあああ〜〜(泣き崩れる」



事件のあとで

「今回もイヤな事件だったな……」

kindle は使うものによって悪にも善にもなりますエロ漫画もまたそうなのでしょう」

「そうだな……わかっている……わかっているが……くそっ! やりきれない……」

「ぼくも同じ気持です……もし彼らが kindle Oasis ではなくアレさえ持っていればと思うと」

「アレとは?」

「フフフ、これですよ(バッ」

「あ、黒いシルエットを燦然と穿つ青白い光!!!それは、君、『kindle paperwhiteマンガモデル』じゃないか!」

「いかにも! 通常の Paperwhite の8倍、32GBのストレージを実現し、マンガなら約700冊を保存可能

 快速ページターン機能を使えばマンガのページおくりのスピードが33%アップします!

 さらにはピンチズーム機能で細部まで書き込まれた作品でも簡単に拡大が可能

 まさにマンガ大国ニッポンのために生まれ読書デバイスです!」

「なんてこった、これさえあれば今回の被害者も刺されたときにすぐに気づいて、ちゃんと娘と話し合いの場が持てたはず…‥」

「起こってしまったことは変えようがありません。しかし、新たな悲劇を防ぐことは……あれ? 警部、どうしたんですか? ニヤニヤして」

「フフ、こんなこともあろうかと私も既に購入していたのだよ。マンガモデルをな! ほらここに」

「おおなんて蠱惑的な円筒形のボディ……円筒形?

 警部!

 それ、ダイナマイトですよ!」

「なんだって! ヒエ〜ッ、ほんとだ!!」

「ば、爆発する〜〜〜!!!


 ドカーーーーン!!


「う、うーん……あれ? 生きてる。警部も……」

「どうやら助かったようだな……」

「!? 警部! あの断崖の上ッ!」

「あ、あの人影はッ!」


ボブ・ディラン!!!


(慈愛に満ちた微笑みを浮かべて立ち去っていくボブ・ディラン

「……助けてくれたのか」

「おそらく、ノーベル賞委員会の刺客が警部の気づかないうちにマンガモデルダイナマイトすり替えていたんでしょう。あの場に居合わせていたディラン氏を爆殺するために……」

「あの屋敷に刺客が?」

「警部が冒頭で飲んでいたお茶、あれを手渡すときにすりかえが行われたのでしょう。お茶アンフェタミンを混ぜることで警部の注意を散漫にさせ、違和感に気づかせなかった。

 しかしそれが彼女計算に狂いを生んだ。

 興奮作用普段はにぶい警部が突然推理をひらめいてしまったのです。

 それをきっかけに事件がスピード解決したせいで、かなり遅れてダイナマイトが爆発した」

まさか薔薇族夫人がノーベル賞委員会の手先だったなんて…‥なんてやつらだ。ん? 待てよ?


 おい、今は2017年8月だぞノーベル賞授賞式はもう去年の暮に終わったじゃないか。

 結局、ディラン氏は会場に来なかった。

 約束を違えた、と世間で非難轟々だったじゃないか」

「警部。ボブ・ディランは信義の男です。

 彼は一度結んだ約束を絶対に違えない。

 授賞式に行くといったならば、かならず来ます

「しかし現に――」

「現にディラン氏は去年の10月に『授賞式に来るか?』と訊ねられて、なんと答えていましたか?

 『行くとも。可能ならね』ですよ。

 ――ことばどおりなら、彼には『行くことが不可能になる』可能性があったことになります

「それが委員会による妨害工作だと? ノーベル賞委員会ディラン氏を授賞式に出したかったんじゃないのか?

 そのために受賞スピーチは代わりに歌でやっていいだとか、さんざん譲歩してきたんじゃなかったのか。

 そもそもディラン氏を殺して彼らに何の得があるんだ?」

ノーベル賞委員会はひとまとめにされがちですが、実態は各カテゴリーごとに分かれていて一枚岩じゃない。

 特に文学賞スウェーデンアカデミーが担当しており、科学関連を司る本家スウェーデン王立科学アカデミーからは独立しています

「違うとはいっても、同じスウェーデンアカデミーなんだろ? そんな喧嘩する理由が……」

「あるんです。王立科学アカデミー設立したのはフレデリ一世スウェーデンアカデミーはグスタフ三世です。対立の歴史詳しく説明すると長くなるので省きますけれど、簡単にいえば、二つのアカデミーもつ本家意識のぶつかりあいですね。

 『元祖である科学アカデミーにあの時の騒動に苦々しい思いを抱いていた。ポップ歌手風情に受賞させた上に、ノーベル賞全体の権威をコケにされたわけですからね。

 だから、彼らはこう考えた。


『授賞式にこさせなければ、受賞はできない』。


 彼らは徹底的にディラン氏の出席を妨害しました。

 殺してしまっては『死後受賞』になるので授賞式まで生かさず殺さずにしようとしたんです。

 もっとも、ディラン氏は3万9211人のノーベルニンジャ部隊相手に傷一つ負わなかったようですが――

 ともあれ、目的は達成された。彼は2016年の授賞式に現れませんでした」

「だったらこれ以上ディラン氏に関わり合いになる必要はないじゃないか。何も殺すなんて……」

「歴史上、ノーベル賞を二回受賞した人物は四人います

 ノーベル賞は『複数回』受賞する可能性がある賞なんです。

 文学賞を二度獲った例はありませんが……ライナス・ポーリングの例を考えてみてください。

 彼は54年に科学賞、62年に平和賞という異なるカテゴリーで受賞をはたしています

 愛と平和を歌ったボブ・ディランなら――いつか『平和賞受賞』もありうる」

「そうか。平和賞だけはスウェーデンじゃなくてノルウェーノーベル委員会の管轄だから……」

スウェーデン国内アカデミー同士の対立がからまない。

 科学アカデミーからしてみれば、不安極まりないはずです。

 ふだんからちゃらんぽらん選考をしている平和賞委員会ですから、なおさらね」

「だから二度目の受賞――平和賞に選ばれる前にディランを殺そうとした」

「そう、本年度受賞者が発表される10月までに、ね。去年四万人近い手駒を失ってしまった王立科学アカデミーには、今年のディラン氏の来瑞を止める手立てはありません。

 ディラン氏は今度こそ授賞式に現れることでしょう。それが『可能』なんですからね」


「今回の事件も実はディラン氏が発端だったんです。

 江口夫婦のうち薔薇族夫人は科学アカデミー側の人間でした。かたや夫の快楽天氏は文学アカデミー側。二人は敵対する組織に属しながらも愛によって結ばれた、いわばノーベルロミオノーベルジュリエット

 ところが、夫がディラン氏を科学アカデミーの刺客から匿うことに決めたとき調和は亀裂が走った。

 彼女が何より許せなかったのは『自分への愛』より『ディラン氏への愛』を選んだことだったのかもしれません。その憎しみが彼女の心を悪魔に変えた。


 考えてみてください。

 いくら教育法に難点があったからといって、小学生が父親を殺そうとしますか?

 そう、絵留王ちゃんは悪魔から禁断の果実を知らないうちに与えられてしまっていたがために、あんな凶行に及んだのです。

 ――アンフェタミンという、禁断の果実をね」

「娘を薬物で操ったのか……」

「夫人の親玉世界に冠たるスウェーデン王立科学アカデミー……薬物の調達くらい、朝飯前でしょう」

まさか……そんなことを母親が……」

彼女は実の母親ではありません。快楽天氏と薔薇族夫人が結婚したのは十年前。絵留王ちゃんは十二歳です。

 ……警部、絵留王ちゃんの面立ちは誰かに似ているとおもいませんでしたか? 快楽天氏でも、夫人でもなく――」

「――ボブ・ディランに!」

快楽天氏は十二年前は『彼』ではなく『彼女』でした。絵留王ちゃんはボブ・ディラン氏と(当時女性だった)快楽天氏とのあいの子供だったのです!」

「そんな……娘も夫人にとっては憎しみの対象だったのか」

「あの一家もまたノーベル賞騒動の被害者なのかもしれません……」

「いや、最も憎むべきは……

 アンフェタミンだ!

 こんな薬物さえなければ……」

安易な薬物乱用の恐ろしさを学びましたね…‥。

 薬物乱用は、単に乱用者自身の精神身体上の問題にとどまらず、家庭内暴力などによる家庭の崩壊、さらには、殺人放火等悲惨な事件の原因にもなり、社会全体への問題と発展するといいます

「そうだ……薬物は、使用しているうちにやめられなくなるという"依存性"と、乱用による"幻覚"、"妄想"に伴う自傷、他害の危険性がある。

 一度だけのつもりがいつの間にか中毒となり、一度しかない人生が取り返しのつかないものとなるのだ……

このような薬物乱用の恐ろしさを十分に知っていただき、薬物乱用問題を考える際に以下のサイトを参考にしていただきたいと思います


ダメ。絶対。キャンペーンサイト


「「「ノーモアドラッグ! ダメ! 絶対!!!!」」」


「完」

http://anond.hatelabo.jp/20150911124102

http://anond.hatelabo.jp/20161024003339

2016-08-28

http://anond.hatelabo.jp/20160827161102

会社で俺と同性の同期だけのチャットルーム作って冗談薔薇族ってルーム名にしたら相手が知らなかったらしくて調べたらわかるよwって言って調べさせたらドン引きした様子でいややめろよって言われたの思い出した

2015-03-15

http://anond.hatelabo.jp/20150315184601

ゾーニングマーケットポジション差別は違うだろう。

「あるジャンル漫画を世の中から撲滅すべきだ」と主張しているならともかく、「あるジャンル漫画はうちでは掲載しません」は普通に編集権範囲だろ。また、潜在的にwebBL漫画を発表したい層が可視化されたわけで、ビジネスチャンスでもある。

理想的には「ゾーニングのため c○mic○ BL のようなサービスを立ち上げたので、BLモノはこっちへ移住をお願いします」としたほうがベターだったかもしれないが、まずい対応により結果的既存顧客や潜在顧客を失って商業的に失敗するのだとしてもサービス提供者の自己責任だ。

[追記]

本文に書いた例示で分からない人には何を言っても無駄かなあと思いつつ。

comicoマーケットポジションって何よ?

ヘテロキスシーンも禁止してるんか?

http://anond.hatelabo.jp/20150315195827

例えば上にも挙げたヤンマガが分かりやすく、キスどころかもっと踏み込んだ性表現もOKとしていると思えるけれど、多分そのものズバリBL漫画は載らないか載ってもすぐ打ち切られるだろう。ものすごくステレオタイプに言えば、BL漫画というのは主に女性向けであって、ヤンマガの主たる読者層である若い男性に受けないからだ。ヤンマガは例えば Webでタダで読めるからタダマン なるネーミングのサービスをしていて、これを見て眉をしかめるような人を主たる想定読者にしてないことが分かる(これ自体非難するつもりはないよ)。

BL漫画(これは男性同性愛者向けの漫画とも異なる。例えば今はもう廃刊になったけど薔薇族とかにいわゆるBLが載ったりはしないだろう。)を全面的に歓迎とするのは、ヤンマガ若い男性読者層向けに踏み込んでいるのと同程度には、対称読者を女性読者層向けに踏み込む行為だ。後だしにせよこれを禁止ということにするのは、差別同性愛表現を世の中から消し去りたい)というよりは、マーケットポジション男性向け寄りに変えている、と考えるのが普通社会人のもの見方だと思う。

BLファンから見たらはしごを外された思いだろうし、悔しいのは分からんでもないが、冷静になった方がいいと思うよ。

[/追記]

2015-01-07

[]

第二次世界大戦中の台湾で生まれて、終戦後福岡へと引き揚げ、大学時代より絵を描き始め、

以降独学で作品制作を続けた。1983年に『薔薇族』上でデビューし、

以降20年間にわたり同誌上で少年愛テーマにした作品掲載し続けてきたらしい。

デビューがなんとも言えないと思う。

2010-11-04

http://anond.hatelabo.jp/20101104202832

横だけど、俺ガチゲイカップル見ても驚かないと思うけど、薔薇族だったら声が出ちゃいそうだよ。

ガチホモガタリ

昔、コンビニバイトしているときに、

コピー機のスキャン面に忘れ物として『薔薇族』が置かれていたんだが、

あれは結局なんだったのだろう。

店長はきっとビデオ巻き戻して、客の顔見てたんだろうなー。きっと。

2010-10-18

http://anond.hatelabo.jp/20101017084726

もう15年も前の話だけど。

神戸にずっと住んでいるんだけど、阪神大震災の時に家が全壊しちゃったんよ。

幸い家族全員(父母兄オレ)が無事だったんもんで、ちょとおちついた時に、

くずれた家からもっていけるものを持って行こうとなったんよ。

ほんで、オレは割と律儀だから、自分のモノよりも友達から借りた本とかCDを探すのに必死だったんよね。

時間ぐらいかな。オレなりにいろいろ探してみたんだけど、

まぁ、ほとんど崩れたモノの下にあるから、あきらめたんよね。

まぁ、ゆるしてくれるやろ、こんな地震くらったら。みたいな精神状態でもあったし。

そんなこんなで帰ろうかなと思ったところになんか本が見えたから、

瓦礫の下から引っ張りだしてみたら、薔薇族だった・・・・・・。

え、、、と思って、そこら辺を掘り返したら出てくるわ出てくるわホモ雑誌薔薇族とかサブとか)と、

ビデオDVDはまだなかった)の山山山。。。

一瞬わけわからなくなったけど、あ、ここ兄貴の部屋のあたりやん!って、

しばらくして気がついたんだよな。

ほんで、オレは積年の疑問がやっと解けたんよ。

なんで兄貴がピチピチの革のパンツをはいて、夜な夜なでかけるのか。

この一件は家族全員にしれて、兄貴はどこかへいってしまったわ。

やっぱり、家族にしられるといずらいんやろね。

ちなみにオレはこの時のビデオをたまに観ている。

2008-05-02

http://anond.hatelabo.jp/20080502160311

ヤマジュンのは国会図書館で調べてまでしたから発掘って言えるんだよ.

調べ方がどうであろうと、漫画好きにとっては有名作品であるものをわざわざ「発掘」というのはおかしい。

ブックオフで100円で買えたりコンビニの廉価本で売ってるダミーオスカーとは違うって言ってんだよ.

あのー、古本屋でさぶやらバディやら薔薇族、読んだ事ないの?山ほど置いてあるけど。

とんだ漫画通だな。狭い世界だけの狭い人間が、他人の視点が自分と被ってなかったからって、どうこう言うなっての。

2007-10-07

http://anond.hatelabo.jp/20071007224341

まったく・・・

インターネットってやつは不思議なもんだな


俺はお前を知らない。

お前も俺を知らない。

なのに何だこの胸の高鳴りは。




薔薇族の最終巻を持っていくから 一 緒 に 見 な い か

2007-08-17

Re: http://anond.hatelabo.jp/20070817131539

腐女子はきいたことがあるけど、腐男子ってことばは聞いたことがない。

ボーイズラブが好きな男子ってことかな?

あたしのなかでのホモ好きな男子って『薔薇族』とかを読んでるイメージなんだけどな。

2007-03-09

仮面舞踏会

http://anond.hatelabo.jp/20070309194533

カフェといってもフランスのような知らない人達が談笑できるカフェ

イギリスで言えばサローン。

そんな役割アノニマスダイアリー

さて、日本は文化の草の根になるのはどこなのだろう?

シリコンバレーは自分の専攻に関らず異なる分野の研究室に所属できるという。

日本で異分野の人とつながれる場所はどこなのだろう?

秋葉オタと六本木クラブ代表と渋谷ギャル族をあつめて談笑したい。

この街は住み分けが行き過ぎていてどこにいっていいかわからない。

しかたがないので増田にくるそんなぼくは仮面紳士

にこやかに薔薇をくわえてますが薔薇族ではありません。

人生のウエイティングバー、カフェ・ド・マスダへようこそ。

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