「自動車メーカー」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 自動車メーカーとは

2022-10-24

2022/10/24トヨタEV戦争敗戦の日

自分は3ヵ月前に、https://anond.hatelabo.jp/20220620225630 というエントリで「トヨタEV戦略は明らかにおかしい」(トヨタの主販売市場の動向や競合企業ロードマップ比較して、明らかに展開が遅く、投入車種も少ない)という指摘を書いた。当時は結構叩かれたが、今日ロイターからトヨタがこの戦略見直していることを示唆する報道が出た。

https://jp.reuters.com/article/toyota-exclusive-idJPKBN2RJ0NR

[24日 ロイター] - トヨタ自動車電気自動車(EV)事業を巡り、戦略修正検討していることが分かった。基本設計プラットフォーム(車台)も見直し対象に含めており、2030年までにEV30車種をそろえるとしていた従来の計画の一部は既にいったん止めた。想定以上の速度でEV市場が拡大し、専業の米テスラがすでに黒字化を達成する中、より競争力のある車両を開発する必要があると判断した。



まとめるとこうだ。

・「2030年時点でトヨタ販売車種の1/3をEVにする」路線撤回する(目標が低すぎて死亡確定なので)

・「EVCVより安くクルマを作れる技術」という現状認識に基づいて、EV生産コスト構造を抜本的に見直す

・そのために混流生産向けのe-TNGAは徐々に切り捨て、EV専用の新規プラットフォームを開発・投入する

・追撃のために、なりふり構わずテスラの先行技術を後追いする(ギガプレス、オクトバルブ他)

まりEV時代におけるトヨタ最初の敗北宣言である。おそらくこれからもこうした敗北が積み重なっていく。日本自動車産業にとっては、技術競争力の低下という現実を次々と見せつけられる、暗く辛い時代がやって来る。

2021年年末トヨタEV30車種投入発表会やったときは、ネット上に「トヨタは全方位戦略からリスキーEV一本足打法にしてなかっただけ」「トヨタちょっと本気を出せばEV時代横綱相撲を取れる」という奇妙なファンタジーがはびこった。来るEV時代でのトヨタ勝利を疑わず多幸感に浸る連中がいっぱいいた。蓋を開けて見れば、1年も経たずにこの有様だ。




系列部品サプライヤーを束ねて膨大な構成要素を精緻に擦り合わせるトヨタのものづくりは、内燃系と電装系が複雑に絡み合うCV時代には良いやり方だったが、EVでそのやり方を延長しても性能×コストバランスの最適解には辿り着けない。見た目と機能は似ていても、CVEVは全く設計思想が違うからだ。テスラは多数の部品を高度にインテグレートするという路線ではなく、「大胆な手法で複雑な構造を単純な仕様に変えてしまうような」技術思想全面的に投入している。たとえば導入当初は「大量生産車向けの技術じゃない」と批判されたが、今や新興自動車メーカーが次々導入を始めているメガキャスティングギガプレス)。たとえばバッテリと空調の熱制御統合して、今までの自動車とは別次元効率的なサーマルマネジメントを実現するオクトバルブ。どちらも圧倒的な部品点数の削減とコストダウンを実現する。そして上の記事は、トヨタはそうしたテスラ路線に(プライドを捨てて)追従する、と言っている。

e-TNGAは、EVテスラがもたらした設計思想上のパラダイム移行は全く意識せず、ただ単に「CVEV可能な限り互換化し、安直に投入車種を増やせる手法」として設計された、いわば「過渡的なプラットフォーム」だった。その過渡的なプラットフォームで8〜10年ぐらいは持たせる計画だったのに、2021年の発表から1年足らずで、もはやその思想EVをめぐる現実に追い越されている。未だに「トヨタEV時代制覇」という夢を見ている人たちにも、少しずつこの現実認識してほしい。

https://anond.hatelabo.jp/20220620225630

で書いたことは、以下。

トヨタのBEV戦略2030年に車種の1/3を、販売台数の1/3をBEVにする)は、今の地域別売上からするとかなり奇妙な方針で、額面通りに受け取るなら間違った戦略だと思う。あのトヨタの発表が出たときは、ネットでは「EVでもトヨタが勝つる!」「30車種すげえ」「EU勢ざまあw」みたいな反応が多かったけど、個人的には「えっ、そんだけ?」としか思えなかった。系列企業への配慮などで、あえて低めの発表をしてる可能性があるとすら思ってる。

なにが奇妙かといえば、トヨタというグローバル企業の売上構成から考えると、2030年に1/3をBEV化する程度じゃ全然売るタマが足りないはずなんだよね。トヨタ自動車販売台数は、2021年実績で、日本国内が140万台、海外が810万台。海外地域別に見ると、北米が270万台、欧州100万台、中国が200万台。よく「欧米以外の地域には、今後もICEHVニーズが根強くあるから…」と言う人がいるけど、トヨタの国別販売台数は、この北米欧州中国の3地域で輸出市場の70%、全生産量の60%を占めている。つまり発展途上国日本を足した「2030年頃にICEHVを売り続けられる地域」の市場規模は、今の販売先の40%しかない。

「4割の残余市場に向けて、全車種の2/3でICEHVを維持する」というのは、ポートフォリオ戦略としておかしいでしょ?

ちなみにホンダは「2030年に2/3をEV化」、GMは「2030年までに北米生産50%EV化」、フォードは「2030年までに40%をEV化」という構想。つまりトヨタは、ICE規制までまだだいぶ間があるアメリカGMフォードに比べてもEV化に対して慎重な(鈍重な?)動きになっている。

規制が始まるまではICEHVを売ればいい」という人もいるけど、一旦ICE規制禁止法制アナウンスされれば、その実施時期に5〜10年先行してICEHVの売れ行きは落ち始める。消費者は、一定期間乗った車を手放す時点(規制後)で、ICE中古車価格がガタ落ちしていることを予期するから。今の先進国での自動車買い換えサイクルは、日本で平均8.5年、米国も7.3年、欧州もっと長い。最近日本でも「これが最後に買う内燃車かな、次はEVだろうな」なんつって自動車を買う人が増えてるでしょ。海外もそう。

最近欧州ディーラーでは一種のdisclaimerも兼ねて「EVのほうが下取り価格は有利です」と言われることが増えたけど、今後は先進国のどこでもこの傾向が加速し、おそらく2026年あたりからEVか死か」の秒読みが始まる。そんな状況で、「2030年には、なんと全車種の1/3をBEVしまぁす!」みたいな悠長なことを言ってて、まともに戦えるのかな、何らかの思惑含みのフェイクであってほしいな、というのが今の自分トヨタに思ってることです。

2022-09-22

anond:20220921141918

20年以上前大手自動車メーカーの方から貰ったメールのフッターに

"このメールが届かなかった場合、ご連絡ください"って書いてあった

2022-09-11

下方婚する女」の実情って多分、大体はこういうのだよね。

自称弱者男性は女に「下方婚」して欲しければ贅沢言わずに同い年や年上の女性を狙えよ

例に上がっているカップルはどっちも三十代同士だけど、この理系大学院卒の会社員男性が二十代の女に拘っていたら結婚出来なかっただろうね。


https://withonline.jp/love/konkatsu-jyoshi/1jJGV?page=2

ある33歳の男女はともに同じ国立大学出身で、女性自動車メーカー研究職で年収800万円、男性食品メーカー研究職で年収600万円。はじめは「同じ大学なのに男性のほうが、年収が低いのは……」と女性は少々気にしていましたが、「大学までの努力は同じ。たまたま研究分野の違いや就職先の違いなのだから」と交際をすすめてみました。すると、デート大学周辺を巡ると学生時代の懐かしい話に花が咲き、すんなりとご成婚へ。

かにも、女性資産家の生まれ経営者男性理系大学院卒の会社員というお二人も35歳同士。同い年で共通点が多かったこから、3~4時間おしゃべりしっぱなしの仲良しデートが続き、こちらも最短でご成婚。カフェ食事代は、いつも割り勘という対等さもお互い気を遣わず、居心地が良かったといいます。おごり・おごられ問題も、同い年だから割り勘に……としやすいところはあるかもしれませんね。

2022-09-03

世界レベル自動車メーカー国内に何社もあるのに

若者が車買えずに興味なくしたの勿体なさすぎる気がしてきた

今のエンジンとか過去人間が生み出した製品の中でも最高レベルに洗練されてるし

この先買えなくなるのはほぼ確実なのに

EVについて業界の人が語るよ

業界といっても既存内燃機関の方だけど。

まずは二輪について。おそらく四輪と比べて二輪の電動化はかなり遅く、実現しない可能性も高いと考えている。車とバイクに積めるバッテリーの量は全然違っているし、それに今バイクが売れてるアジアでも都心部は導入可能だろうけど、最も必要とされてる農村部はまだインフラがあまり整備されてないから。とはいえ上海だか北京だかはもう99%電動バイクらしいし、都心電動バイク、それ以外はガソリン使って走るような棲み分けになるかも。

次に四輪について。四輪は近く欧州で導入されるEuro7がマジで内燃機関を皆◯しにするんじゃないかと見ている。とはいいながら実際その目標達成できんの?と大手自動車メーカー懐疑的に見ているのが実情で、株価のことを考えてEVに前向きな姿勢を見せてるようだ。とはいえ世論EVクリーンガソリン車は悪というようなイメージが定着しかけていて、欧州理想現実ギャップに苦しみそう。各国でEV導入を働きかけるために補助金バンバン出してたけど最近あんま乗り気じゃないらしい。原材料価格の高騰の煽りを受けて、今後何か革命的なバッテリーが開発されたら一気に広まるだろうけど、少なくともこの調子なら2040年くらいまではガソリン車も売り続けるだろうな。

2022-09-01

anond:20220901223616

自動運転とか、肉体や人力を使わない部分は進むだろう。

実際自動車メーカーはどこもやってるし。

しかホントに末端の肉体労働は相当長く残ると思う。

そういうのほど難しい。

2022-08-16

ある自動車競技主催団体公式Youtubeチャネルを使ってレースを生配信する話が頓挫した。

原因は公にされるのかはわからない。

サーキットという現場でも治安の悪い人たちがいる。

別のある競技では公式レース配信で毎回空気を壊すのは自動車メーカーHやSのファンだという具体的な指摘も聞く。

また別の競技では数百万からコスト運営が吐き出してスポライブというサブ媒体を確保して隔離環境を用意もしたらしい。

いつまでこんな事をしなければいけないんだろうな。メーカーを名指しして締め出せばいいんだろうか。

2022-08-07

anond:20220805211930

事務に拘ってなくて、正直あんま頭の良さに自信ない、かつ肉体労働でも良いってなら、前に似たような相談増田にあったときにも挙げられてたけど、自動車メーカー期間工がとりあえずおススメだったりするぞ。

だいたい社員寮完備だし、場合によっては引っ越し費用も出してくれたりする。

作業は完全マニュアル化されてるし、夜勤がある前提なのと工場稼働率にもよるけど年収は400はいく。

期間工つっても特に素行問題なくて自分契約更新意思があるなら何年でもやれるし。

まあとにかく、「これだったらやってみてもいいな」て求人が見つかるといね

頑張って。

2022-08-01

日本自動車メーカーなめられてる

日産アリア生産は遅れに遅れ、未だに欧米ではまともに納車されてない。トヨタBZ4Xに至っては、車輪勝手に外れる欠陥があって、未だにトヨタは原因究明も修理もできてない。

中国BYDや英国政府がやたらと強気なのは日本にまともなEVが作れないのを見透かされてるからで、完全に舐められてるんだろうね。

なんとか、見返してほしいところだけど。無理なのかな。

2022-07-14

anond:20220714125148

大手自動車メーカー期間工になろう!

家賃光熱費現物支給処理して現金を貯めながら何らかの個人プロダクトを完成させよう!

その個人プロダクトを持ってフリーランスになるなりIT企業の門を叩こう!

今ならVtuber事務所とか目指すのもアリかもな!トラッキングUnityでやってるみたいだし!

2022-07-01

増田企業Tierリスト

海外就職まで広げるとごちゃごちゃになるのでとりあえず国内法人限定

Tier1:GAFAコンサル、外銀

Tier1.5:トヨタソニー国家公務員

Tier2:自動車メーカーキーエンス給料的にはTier1だけど30で家が建って60で墓が建つからランクダウン)

Tier3:家電メーカー

メガベンチャー系は知り合いが全くいないから知らん

あと文系もよくわからん、四大法律事務所とか言うのがTier1か?

2022-06-27

トヨタBZ4X レビュー:最大限に良く言って平凡

アメリカテックメディア、The VergeのトヨタBZ4X 評が思いっきりボロかすに言われてて笑ってしまった。日本メディアみたく広告費でコントロールしないと、さらっと本当のことを書かれちゃうね。序章と最終段落だけ訳してみたよ。ただ面白いから全文読んでほしいな。笑えるから

https://www.theverge.com/23180408/toyota-bz4x-electric-suv-review-specs-price

最大級自動車メーカーの一つであるトヨタは、燃料電池車のMiraiや人気の高いプリウスなど、ガソリン車に変わる興味深い商品提供してきた。

しかし、トヨタEV競争への参加は驚くほど遅く、最近になってやっと電動クロスオーバーのBZ4X をリリースした。

電動SUV電気自動車を始めるにはいカテゴリーであるが、この車は競合となるBEVの多くと、Volkswagen ID4Hyundai Ioniq5やGM Bolt EUVなどと比較すると、驚くほど魅力に欠ける。競合よりわずかに長い航続距離、遅い充電速度、先進性に欠けるデザイン総合すると、2023年トヨタBZ4X に50000ドル(現在のレートで670万円)の価値は無い、と結論づけるしかない。(リコールについて触れなくても!)

(中略)

もしあなたがただの移動手段を探していてトヨタファンなら、BZ4X は十分に役割を果たすだろう。しかしながら、競争が激しいEV市場には、もっと先進的で航続距離が長く、さらにいい車は沢山ある。BZ4X はそのレベルに達していない。

2022-06-23

anond:20220623101916

氷河期ではないなあ。

まあ増田EV嫌いだってことはわかったけど、こればかりは世の流れなのでね。EVが今後世界で普及していくことはしょうがないし、もし日本自動車メーカーがそれに適応できければ衰退の道をたどることも、これまたしょうがない。そういう帰趨が見えてきた頃に、「俺もなんであんな意固地になってたんだろうな、何かが見えてなかったのかもな」と思い返してみてくれよ。

スマホはクソ、ガラケー最高」と言ってた人達も、スマホの普及には抵抗できなかった。

2022-06-20

anond:20220620114859

「衝突安全既存自動車メーカー技術的蓄積がないと無理!」って言うけど、テスラはその雄弁な反証だよね。あと、少なくとも欧米販売されてる中国EVやらは、全部日本のJNCAPよりずっと厳格なNCAPやEuro NCAP基準を満たしてるんだよ。

EVコンポーネントの配置自由度が高いから、衝突安全ICEよりずっと確保しやすい。ほんとミニ四駆だよ。

日本負ける論者は車が電池モータだけで動くと思ってるやつ多過ぎ

いやマジでミニ四駆やってる子供以下の理解力だぞ?

現在インターネットで主流の世代子供ではないはずなので1995年に始まった自動車の新しい衝突安全基準のことを認知しているはず。
何ならその当時子供であったとしてもトヨタが「GOAボディ」と銘打ってCMガンガン出していたのを記憶している奴らも少なくないはずだ。
ダミードライバー人形自動車へ乗せて実際に衝突させて登場者の安全性を測る実験CM映像は当時としてセンセーショナル広告だった。

まぁ一部のスポーツドライビング趣味の連中からGOA以前以降として色んな意味で境目である議論の的になる年代でもある。

1995年では「フルラップ前面衝突試験」「ブレーキ性能試験」、1999年では「側面衝突試験」、2000年では「オフセット前面衝突試験」とその当時から段階的に衝突安全基準は引き上げられていっている。
そして2023年には最新の「MPDB試験」が開始されるんだ。日本国内販売するすべての自動車メーカーはこれらの安全基準を超えなければ日本国内公道走行する自動車として販売することが出来ない。
これだけじゃない。日本では2021年から生産販売される新車には「自動ブレーキシステム義務化」が施行されているなど安全装備の規制も段階的に引き上げられているんだ。

まだまだある。欧州が中心となって施行しようとしている「フェーズ3騒音規制」は自動車が路面を走行する際に発生するロードノイズまで規制対象なんだ。つまり原動機や排気の騒音ではなくタイヤが出す騒音であり、いくらバッテリモータが静かになっていっても解決が出来ない。

新興自動車メーカーはこれらの規制を先行研究し続けている老舗や大手自動車メーカーに追いつかなければならないんだ。
そう、ぶっちゃけて言えばこれらの規制消費者を快適にすると同時に新規参入障壁としても機能している。
新興自動車メーカーは事実として先行自動車メーカーと契約をし特許使用料を支払い続けなければ新車を買ってくれるようなおおよその国々では自動車販売できないだろう。

ボディ・フレーム・足回り、先行自動車メーカーがどれだけの特許を掌握していると思っているんだ。
はっきり言うぞ?中国産トヨタ車が日本国内で席巻することがあっても、中国自動車メーカーが日本を席巻することはあと数十年は無い。
なぜなら産業保護のために規制を発動するからだ。欧州はこの手のやり口に味をしめているし、新興国じゃ乗り越えられない規制を発するだろう。
日本もその規制に乗るので中国産トヨタ車が日本を席巻できるかもあと数十年は怪しいと言いたい。

電池モータだけで危機感を煽るには無理がある。

anond:20220620011640

なんかブコメいっぱいついてるけど、賢者っぽくいい加減なことを書くのはいかんよ。

リン酸鉄系もよく引き合いに出されるけど

肝心のリン石油より先に(2060年頃)枯渇するので持続性がない(肥料と取り合いになるため)。



あのさあ、LFP電池が使うリンの量なんて、農業利用される莫大なリン量に比べたらタカが知れてるというか、はっきり言って誤差のレベルでしょ。農業分野での消費量のオーダーは年間1.5億〜2億トンって世界じゃん。「世界推定埋蔵量は700万トン」のコバルトに関して増田がやったような試算をリンでやったら、LFP電池EV何台作れることになるかな?って話ですよ。

しかも、消費とともに土壌や水系原子レベル散逸して回収不能になる農業用途と違って、電池に利用するリンは決して「消費」はされないわけ。そもそもLFP電池自体がNMC系のLiBに比べて長寿なうえに、最後までバッテリセル内に滞留してて100%リサイクルできるからね。今時の自動車産業は、現時点でも途轍もなく高いリサイクル率(重量ベースで99%)を誇ってるわけで、リン資源制約がLFP電池ベースEV生産現実的障害になることはまずありえないよ。

電池技術開発はいエネルギー分野で一番アツい領域ひとつから日本でも海外でも、企業でも研究機関でも、開発ロードマップものすごく充実してる。主となる幹が太いし(現行技術の延長でモノにできる見込みの高い技術がある)、枝も多い(ブレイクスルーになりうる新技術が数多くトライされてる)。資源制約の問題があるから、脱コバルトと脱リチウムはその中でも優先順位が高い。2030年までにはほぼ確実にコバルトフリーLiBが主役を担うようになり、CATLはじめ各国メーカーからリチウムフリー新世電池も出てくる。

そういうタイムスパンで動いている業界で、EV消費量とはほぼ無関係2060年頃のリン資源の枯渇予測を持ち出してEV懐疑論の論拠にするの、たぶん増田も内心(コレ、ちょっと無理があるかな〜…)と思ってるんでしょ? だから、そのへん曖昧な書き方をしてるんじゃない? だったらさあ、

とにかくEVになるとテスラ信者が偉そうになる上に日本オワタ論者が寄ってきてセンセーショナルになりがちな風潮はマジで吐き気がする



とか書かないほうがいいよ。そういう仕掛けに気づかれると、元増田みたいな主張に対して「EVオワタ論者が寄ってきてセンセーショナルになりがちな風潮はマジで吐き気がする」って思う人はむしろ増えると思うよ。




これは増田批判から離れるけど、供給制約がある資源問題解決は、実は市場原理ととても相性が良いんだよ。シンプルに、あるアプリケーションを作るときに、割高な技術は割安な技術に負けるから原材料価格はずっと製造供給コストを拘束する。テクノロジーを高度化することで、安い原材料で同等性能を発揮する製品を作れれば、イニシャル研究開発投資設備投資を回収したあとはずっと製造供給コストを低廉にできるでしょ。

これは環境正義の話でも、途上国でのレアメタル生産に伴う労働搾取の話でも、資源安全保障の話でもないよ。単純に、レアメタルを使わないと作れない電池より、コモンメタルだけで安く作れる電池のほうが市場性を期待できるから電池研究開発は後者に向かって進んでる

市場原理に任せれば、自ずとレアメタルは使われなくなっていく。その経由地が、現時点ではコバルトの代わりに供給制約が少ないリンを利用するLFPということ。数年前は「LFPは容量の問題EVには向かない」と言われてたけど、すでにテスラやBYDのラインナップの半分程度はLFPに切り替わっている。なんでかといえば、一生懸命技術開発したことで、安いけど必要十分な性能を発揮できるようになったから。

これからもっと安い方式二次電池が出てくるし、安くなればなるほど、そのアプリケーション社会全体に広がっていく。それぐらいのペースでEVとりま環境は激変してるし、そこには日本研究機関企業も大いに関わっている。




なんか日本でのEV懐疑論って、やっぱり「日本EV時代には勝てない」という悲観論が背後にある感じがするんだよね。でも、トヨタダメでも日産三菱ホンダソニーは頑張るかもしれないでしょ。トヨタエンジン作ってるヤマハ発動機が潰れても、日本電産は世界最大のeアクセルサプライヤーになるかもしれないでしょ。日本の衰退って、技術力の衰退だけじゃなくて、そういう時代の画期を新たな事業機会につなげるポジティブマインド自体消失にあると思うんだよね。

何度か書いてるけど、日本自動車産業って、もともとは環境技術への適応によって世界覇権を獲得してきたんだよ。マスキー法という非常に厳しい排ガス規制に、米国自動車メーカーに先駆けて対応たからこそ、ホンダトヨタ米国市場で急拡大できたわけでね。 https://www.ipros.jp/monosiri/term/%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC%E6%B3%95

そしてEVについて、日本はもともと要素技術を全部持ってたんだよ。リチウムイオン電池産業化は日本が先陣を切った。自動車の電動化技術日本先駆者だった。EVの発売と商用化だって日本リードしてきた。今だって欧州EV性能のベンチマークカーは日産LEAFだよ。いま世界電池技術リードしているCATLはもとはTDK中国子会社だよ。

日本を愛し、日本企業技術に自信があるなら、なぜ変化をおそれるのかなあ。日本けが「いやだいやだ」と言ってても、結局その変化は来ちゃうんだよ。日本けがHVが最適解だ」と言ってても、HVはもう世界中で売れなくなるんだよ。カリフォルニアのZEV規制では、PHEV以外のHVはもうエンジン車と同じ扱いだよ? https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/04642/

もう「日本が誇るハイブリッド車」は、そのうち世界中で法規制で売れなくなる(禁止されたり、クリーン車との販売比率制限を課されたりする)。だったらEVに全振りして、そっちでどんどんイノベーションして、欧州のいけすかない高級ブランド中国のポッと出メーカーと互して戦える「日本が誇るEV」を売りまくればいいじゃない。なんでそっちに発想が行かない? 自動車産業を取り巻く客観的情報から隔離され(あるいは自ら目と耳を塞ぎ)、「EVなんかダメだ」と後ろ向きの大合唱をしてる連中が、日本産業競争力さらに下げ、国際市場での生残可能性を潰しているということに気づいてほしいなー。


追記



…というようなことを書くと、さっそくブコメ自動車産業を取り巻く客観的情報から隔離された(あるいは自ら目と耳を塞いでる)実例採取されたぞ。

id:XYXY EVが売れないのは懐疑論者のせい!は流石に草。どうにかこうにか気に入らないやつを攻撃して自分の見識をアピールしたいという要求しか感じられない

2022/06/20



自分はこのエントリで「EVが売れない」なんて1mmも書いてないよね。というか…いいか、耳をかっぽじって聞けよ。あのな! EVは! 売れてるんだよ! HVより!

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO59942190T10C22A4MM8000/

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220530/k10013648981000.html

https://www.autocar.jp/post/807594

日本にいて、自分が心地よく感じるメディアばっかり読んでると、そういうことがわかんなくなっちゃうだろ? 「EVエコブームに乗じた高級車で、HVこそがICEの延長のスタンダード乗用車」「EVは大して売れてない」っていう数年前のイメージのままEV批判してるんだろ? それとは違う、自分先入観とは反するファクトを不意に示されると、それは相手が「自分の見識をアピールしたいという要求」なんだと解釈して、肝心の新たな情報自体は見なかったことにするんだろ? そういう要求(正しくは欲求しか「感じられない」理由は、あんたがそれ以外のことを「感じたくない」からなんだ。もう、まんま地面に頭を突っ込んで危機を逃れたつもりになってるダチョウじゃん(ちなみにこれは俗説で、そもそもダチョウにはそういう性質はないのだけど)。何が「流石に草」だよ。なさけない。

もう一度書くよ。こういう風に、現実歪曲フィールドの中で「EVなんかダメだ」と後ろ向きの大合唱をしてる連中が、日本産業競争力さらに下げ、国際市場での生残可能性を潰してるんだよ。

追記追記

元増田https://anond.hatelabo.jp/20220620201004 を書いてくれたので、こちらもリプライ

https://anond.hatelabo.jp/20220620225630

2022-06-18

コンサル会社事件について

コンサル会社が同業の競合他社へ情報漏洩事件やらかした件について、個人的感想を書いてみたい。

コンサルタントの仕事について

あなた自動車メーカーで働きたい若者モチベーション想像することができるだろうか?この問いに答えるのは比較的優しそうである子供のころから車が好きで、自分で憧れのあの車を作りたいとかそういう「夢」があるからだとか、具体的なイメージが沸きやすいのではないだろうか。増田の友人にも、イニシャルDの影響でランエボが好きになって三菱自動車で働くんだと言って入社していったやつがいる。

それに比べるとコンサルタントって、よくわからない業種だったりする。関係ない人から見ればなんか経営アドバイスをするとかそんなふわっとしたイメージしかない。なので始めにコンサルタントとは何ぞやというところから書いてみたい。

たとえ話になるが、あるところにジンバブエとの貿易20年間やってきた商社マンがいるとする。である時急にジンバブエ投資ブームになって、支店工場を作りたい企業がたくさん出てきたとする。だけど日本から見ればマイナーな国なので現地の商習慣や法体系要人へのコネクションを持ってる人がほとんどいない。そういうときにこの商社マン独立して有料でジンバブエビジネスに関するアドバイスを始めたらすごくありがたがられないだろうか?コンサルタントの仕事というのはもともとこういう需要からまれたのである個人もしくは少人数で専門性のある人が何かの必要に迫られているひとに知恵を貸すというような、そんな業態だったのだ。

それが時代を経るにつれて経営戦略立案を手伝う需要が生まれ、様々な専門性を持つコンサルタントが多数在籍する規模の大きな「コンサルティングファーム」が台頭してくる。まあ規模が大きくなったとはいえ、最も知名度の高い戦略系のコンサル会社ですら、東大生京大生を年に数人採用するとかそのくらいの規模感だったと聞いている。難易度の高い課題を迅速に解決する仕事のため、実務に精通したエキスパートがクソ地頭のいい若者をこき使って仕事をぶん回す少数精鋭の仕事であった。スポーツでいえばオリンピック代表のようなエリートアスリート世界増田個人的に付き合いの長いベテランコンサルタントは当時の話として、同僚に優秀な人しかいないのと、20代の若いうちから役員がするような難易度の高い仕事ができることがとてつもなく魅力的であったとよく言っていた。

現代コンサルタントについて

で、現代コンサルタントの守備範囲は前述の例のような専門知識を要する分野や経営戦略にとどまらず、人事、IT戦略といった広い分野に及んでいる。かつて企業正規の平社員仕事、例えば事務員工場作業員プログラマー派遣請負で置き換えていったように、気づいたら幹部社員仕事外注先として重宝されるようになっていった。誤解を覚悟性質を表すと、「幹部社員の高級派遣業」とでもいう感じだろうか。

そうした総合コンサル各社は規模も大きくなり、中途や新卒もたくさん採るようになった。とはいえ業務難易度は相変わらず高いため、採用基準は依然として厳しいものだった。6,7年前の状況で旧帝大クラス学生を年に十数人~数十人とかそんなものだったと思う。待遇に不満のある霞が関官僚コンサル業界転職するのが流行りだしたのもこのころだった気がする。この時期のコンサル業界は、スポーツでいえば国体出場選手レベルエリートアスリート集団といったところだろうか。

その状況が変わったのがここ3年ほど。折からデータサイエンスやDXブームに加えてコロナウィルスの影響でITコンサルティングの需要が急増した。それに対応するために総合コンサル各社も一気に規模の拡大に走った。拡大スピードは驚異的で、今回やらかした某社でいえば人員を5年で2.5倍に拡大する計画をぶち上げていたくらいだ。

https://diamond.jp/articles/-/300065

そして今回の事件

さて、これまで少数精鋭で回してきたコンサル会社が規模を拡大するとどうなるか。答えはシンプルで、社員の質の低下が起きる。採用基準でいえば、かつては有名どころのコンサル会社は旧帝クラスが目安だったのに、今ではMARCHクラス学生もどかどか採用するようになっている。単に学歴が(相対的に)低い人材が増えたというだけでなく、新入社員メンタリティも変わって来ている。なんというか、ストイックで求道的なエリートアスリート集団の中に、「プロ野球選手って稼げるんでしょ?」的な不純な動機のやつが混じりだしたという感じだ。彼らは仕事内容に魅力を感じているのではなく、コンサル業界ではたらくイケてる俺らみたいなステータスを重視しているように見える。話は少々脱線するが、最近Twitterタイムライン自称コンサルタントによる「JTC」という発言をよく目にするようになった。「Japanese Traditional Company」の略で、古臭いイケてない日系企業揶揄する一種ネットスラングのようなものだが、こういう言葉流行ること自体自分に酔ってるイきりコンサルの増加を裏付けているような気がしてならない。コンサルティングの仕事顧客あってのものなので、ベテランコンサルは得てして謙虚(に振るまえる)だし、炎上リスクのある迂闊な発言オープンな場でしないのが常識からだ。

少々話が脱線したので本題に戻りたい。もともと少数精鋭で回していたコンサル会社が急に人を増やしました。仕事を取って来れて人事権を握っているベテラン社員はみんな優秀です。抱えてる案件が増えて、相対的能力の劣るメンバーも増えたときに、そんな上層部の人たちが昔から感覚で同じ規模の案件に同じくらいの人数と納期で人を割り当てました。さあ、どうなるか。答えは言わずもがな炎上プロジェクトの多発である

炎上プロジェクトが1つや2つのうちはまだ問題にならない。最悪上層部のドチャクソ優秀なベテランが巻き取って火消しをするからだ。だが会社が拡大路線を続ける限り、新たな火の手はどんどん上がってくる。そして、上層部の目が炎上プロジェクトに向いている間に、モラルの低いコンサルタントが納期に間に合わせるために競合他社の資料を使いまわすという禁じ手を使ってしまった…そんな情景が目に浮かぶのは私だけだろうか。ここ2、3年のコンサルブームが落ち着かない限り、第二、第三の類似事件は必ず起きる。そんな気がしてならないのだ。

2022-06-14

最近F1

本職の自動車メーカーよりもジュース屋のマシンの方が速くて信頼性高いの笑える

PU信頼性ホンダサポートがあればこそではあるけど

2022-06-09

anond:20220609105159

俺もそう思ってたけど、某自動車メーカーに勤めていた親戚のおじさん(定年)が小遣い稼ぎでマガジンXに写真売ってたって言ってたかガチも紛れてたっぽい

anond:20220609104025

でも最近、新型車のリー写真は減った気がする

完全に公道走ってるのをそこらへんの一般人が撮った写真以外は

自動車メーカーは厳しそう

2022-06-05

anond:20220604181331

当方機械設計職だけど、ITエンジニア建築設計士に比べて格段に軽く見られている空気はひしひし感じる。

大手自動車メーカーでも設計職の半分は派遣だったり、同じ頭脳職に比べて給与が少なかったり。あと高齢化ヤバい、「この人しか設計出来ないもの」が中小だとザラにある。他国だとどうなんだろ。

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん