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2024-10-27

ファクトフルネスファクトフルではない

ファクトフルネスの正しいタイトルは「ハッピーになるために事実を選り好みせよ」である

ハンス・ロスリングが「ファクトフルネス」を出し、主に世界人口について書かれており、ビル・ゲイツ米国大学卒業生にこの本を無料で配布している。

マスメディアネガティブニュース報道しすぎる傾向があると、おそらく多くの人が思ったことがあるだろう。

この本の長所は、前世紀に起こった人間の状況の改善について思い出させてくれることである

この本は世界についての13の質問と、読者が選択できる答えで始まる。

その後に、「ギャップ本能」や「ネガティブ本能」など、さまざまな「本能」を中心に構成された11の章が続く。

スリングチームによると、これらの本能は誤解を引き起こす。世界先進国発展途上国に分けられる(「ギャップ」がある)とか、「物事悪化している」(「ネガティブ」)などである

13の質問は各章で再び登場し、グラフ世論調査で間違った答えを選んだ人々の(高い)割合を示している。

13 の質問のうち、11人口問題と人々の生活状況に関するもので、2 つは環境状況に関するものである

したがって、最初から強い人間中心主義の考え方が明らかである

すべての人間依存している環境 (たとえば、食料や淡水) は、ほとんど考慮されていない。

環境に関する質問のうち、1 つは「気温は 100 年以内に暖かくなる」というもの

もう 1 つの質問、トラ、ジャイアント パンダクロサイに関する質問の正解は、1996 年よりも今日の方が絶滅危機に瀕していないというもの。これは誤解を招く質問である。なぜなら、これらは数千の絶滅危惧種のうちの 3 つにすぎないかである

この問題は後のセクションで取り上げられ「人類地球上の自然資源を略奪してきた。自然の生息地は破壊され、多くの動物絶滅するまで狩猟されてきた。これは明らかだ」と書いている。

これは正しいが、その後に「今日レッドリスト世界自然保護基金(WWF)を調べれば、一部の地域個体群や一部の亜種の減少にもかかわらず、トラ、ジャイアントパンダクロサイの野生個体群全体が過去数年で増加していることがわかる」と続く。

ここで話は終わる。ロスリングチームは良いことを強調したいが、特別な注意と保護を受けているこれらの3種の哺乳類を強調するのは非常に誤解を招く。

ネイチャー誌に最近掲載された研究では、レッドリスト掲載されている8,700種以上の情報を集めた。

この研究では、過剰採取野生種繁殖再生で補えない速度で採取すること)と農業(食料、飼料、繊維、燃料作物の生産畜産養殖樹木栽培)が「大きな殺し屋である結論づけている。

種の絶滅は起きているが、多くの植物菌類昆虫については特に測定が難しい。

同様に深刻な懸念は、耐性遺伝子プールや将来の種分化の​​原料となる種内の個体群が絶滅することだ。

PNAS誌に掲載された研究では、1900年から2015年までの177種の哺乳類個体絶滅マッピングした。

いずれも生息域の 30% 以上を失い、種の 40% 以上が深刻な個体数の減少 (生息域の 80% 以上の縮小) を経験した。

もっと総合的に見れば、野生の自然はここ数十年で大きく劣化しており、今後も同様の状況が続くと予測されていることは明らか。

野生の自然保護することに関心のある人は、過去 1 世紀に起こったことや、これからの 1 世紀に起こりそうなことについて喜ぶべきではない。

いくつかの幸せ例外に焦点を当てることは誤解を招く。

この本には「16 の良いことが増えている」という見出しがある。ここにあるグラフの 1 つは理解不能で、「監視対象種: 絶滅危惧種としてリストされている種」というラベルが付けられており、1959 年の 34 種から 2017 年の 87,967 種に増加している (良いこと!?) と表示されている。

別のグラフでは、保護地域1900 年の総陸地面積の 0.03% から 2016 年の 15% に増加している。これもまた、非常に誤解を招く。

まず、保護地域は主に生産性の低い土地(山、砂漠、または高山/北極圏土地)であり、他の生態系は十分に代表されていない。

さら重要なのは1900年から2016年の間に、世界中で自然および半自然生態系の広大な地域人間の集中的な利用のために転換された。

たとえば、スウェーデン北部の半自然北方林の広大な地域は、1950年から2012年の間に、急速に拡大した林道網と皆伐により、生産林に転換された。

2012年までに、数パーセント正式保護されていたが、全体として、スウェーデンの半自然林は大幅に減少した。

この同じパターンは、過去1世紀にわたって世界の多くの国、そして世界全体で繰り返された。

正式保護されている地域は拡大しているにもかかわらず、野生の自然および半自然土地の総面積は減少している。この本の追加グラフでこれを説明するべきであっただろう。

環境運命に対する同様の無視は、他の種と同様、将来を左右されるが、ロスリング チームの長編映画パニックに陥るな」にも見られる。

たとえば、アフリカの川が映し出されているが、この川は灌漑にの使用されているはずであり、このような大河川の他の価値 (生態系サービス、他の種の生息地、釣りレクリエーションなど) については何も触れられていない。

人類に関して言えば、医学進歩教育技術によって極度の貧困が減り、多くの国で寿命が延びたことは事実

これらの成果は大いに強調されているが、ホモサピエンスがすでにすべての生態系支配していることを考えると(直接的または間接的に、たとえば気候変動を通じて)、現在人口過剰と将来にも関係しているに違いない。

国連人口予測では、2100年までに38億人増えると予測されている(中位推計、2017年予測)。

人口が増えると、温室効果ガス気候変動、持続不可能経済成長(本書ではほとんど扱われていない)、食料と淡水に対する需要さらなる増加、汚染と毒素の増加、野生生物個体数の継続的な減少などが生じる。

ファクトフルネス」は、イランにおけるかつての成功した家族計画プログラム描写しており、これは良いことだが、ロスリング チームは、より明るい未来のために世界出生率を低下させる必要があることを強調していない。

このトピックに関する「肯定的事実質問」では、チームは次のように質問できたはずだ。

「2100 年に 2018 年と同じ世界人口にするには、女性 1 人あたり何人の赤ちゃんを減らす必要があるか」。

考えられる回答: 平均して、女性 1 人あたり a) 1.5 人、b) 1 人、または c) 0.5 人減る。正解: たった 0.5 人! これは、よく提示される国連グラフ「低変量」予測確認できる。

スリング研究チームは、出生率低下における女性男性教育役割を強調している。

これは結構だが、異なる国で、異なるレベルの授業で何が教えられているのだろうか。

性や避妊に関する教育の内容について、本当に何を知っているのだろうか。

宗教教育の1つの要因だが、研究チームは出生率の決定におけるその役割を軽視している。

彼らは「イスラム教徒女性は平均3.1人の子供を産む。キリスト教徒女性は2.7人。世界の主要宗教出生率に大きな違いはない」と結論付けている。

しかし、ここでの平均差は0.4人の赤ちゃんだ。上記の0.5人の赤ちゃんの影響と比べてほしい。

さな数字でも長期的には大きな違いを生む可能性があり、研究チームはこれを「運命本能」(「ゆっくりとした変化でも変化は起こる」)で強調している。

エリック・カウフマンが著書で述べているように、宗教人口増加を促進できる。

追加すべき関連する質問は、「1970 年から 2010 年の間に、世界人口のうち宗教に属する人の割合はどのように変化しまたか?」だ。

考えられる回答は、a) 88% から 81% に減少、b) 変化なし、c) 81% から 88% に増加です。正解は c) である

スリング チームが、人口メディア センターの素晴らしい活動について言及していないのは驚きである

この組織は、インターネットや強力なラジオテレビ番組を通じて、貧しい国の人々に家族計画避妊に関する知識を広める活動を行っている。

この組織は、数ある効果的な人口組織の 1 つである

この本には参考文献が多数掲載されているが、その大部分はウェブページ情報源と政府機関報告書である

チームは事実確認したと述べている(より適切な言葉は「データ」、科学者が使う中立的言葉である)。

最良の知識源は多くの科学雑誌掲載された学術論文であるが、「Factfulness」には人口に関する2つの重要論文Nature 2016とScience 2017に掲載)への言及がない。

そこで著者らは、1990年代半ば以降家族計画役割が残念ながら縮小していること、これが将来の食糧不安絶滅危惧種の運命にどのような意味を持つのか、そして何をしなければならないのかを説明している。

スリング チームは批判的思考必要であると指摘しているが、人口増加と環境に関しては、依然として「状況は良くなっている」という本の主なメッセージになっている。

人口増加を抑制し、国際援助を増やすための新たな行動の必要性についての力強い適切なメッセージが欠けている。

対照的に、サイエンス誌に掲載された優れた記事では、温暖化する世界人口増加を遅らせる方法説明している。

ファクトフルネス」ではなく、その記事米国学生無料で配布すべきだっただろう。

紙が減れば、温室効果ガスも減る。

もっと広い視点で、こう問う必要がある。

何が人々を世界改善する行動に駆り立てるのか。

私は、高学歴の人のほとんどは、世界についてかなり現実的見方をしていると想定している。

仮説は、世界についてあまりに強い肯定的 (偏った) メッセージを彼らに伝えると、状況を改善する行動を起こす人が減るということだ。

飢餓に関するメディア否定的報道が、何百万人もの人々を慈善団体寄付に導いたことを思い出してほしい。

何百万人もの人々が、人口増加の悪影響と家族計画プログラム改善効果について明確でバランスの取れた情報を得ることができれば、彼らの多くはおそらく、国際家族計画財団人口メディアセンター、その他の進歩的な組織経済的支援するだろう。

そのような支援は、人々と残りの人生にとってより良い未来創造するために不可欠である

2022-06-16

きのこマニアが「なめこ」の起源について解説するよ

やあ(´・ω・`)

きのこ増田だよ。

日頃ホッテントリ入りしたきのこ関連の記事を、気まぐれで解説しているよ。

なめこ」の起源 “60年前に福島県採取の野生の菌に由来”

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220615/k10013672561000.html

今回はみんな大好き「なめこ」の起源について解説するよ。

起源の誤解を解くよ

ブコメで散々指摘されているとおり、あくま日本栽培されているなめこの99%は、

引用:60年前に福島県喜多方市採取された野生のなめこの菌に由来する

ってことだよ。無論、日本中でごく普通にみられる野生のナメコ起源が全て福島県産というわけではないよ。記事にもしっかり

引用野生の菌では遺伝的な多様性がみられた一方、菌床栽培の菌は1つの系統に分類され、それぞれが遺伝的に極めて近い関係だと明らかになった

と書いてあるよ。まあ、見出し誤読を誘っている感は否定できないけど。

じゃあ結局野生のナメコ起源はどこなの?って疑問が当然生まれると思う。

結論から言うと、実はよくわかっていないんだ。というのもナメコに限らず、菌類全般ほぼ化石に残らないので、どの種類がどの時代に分かれたのかって細かいとこまで、今のところ把握のしょうが無いというのが実情なんだ。

ソースとなる論文を読むよ

ニュースソースとなった論文の冒頭から引用するよ。

どんな自然科学記事にも言えることだけど、せっかく論文が公開されているのにソースリンクがないのは不親切だよね。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/mycosci/63/3/63_MYC570/_html/-char/en

DeepLの力を借りるよ

なめこは、特に日本で人気の高い食用きのこの一つである。本種は白色腐朽菌の一種で、ヒマラヤ中国から日本までの東アジアの冷温帯落葉樹林の枯木や朽木に生育する。記録によると、ナメコ1921年東北地方で初めて人工的に原木栽培され、伝統的にこのきのこを食してきたという。近代的なナメコのおがくず栽培は、食用きのこのおがくず栽培パイオニアである森本彦三郎によって1930年確立された。その後、1960年代から1970年代にかけて木製トレー栽培が開発され、日本における選抜菌株の商業生産が拡大した。1980年代以降は、空調を伴うオガクズ栽培で通年生産可能となり、日本での生産量の99.7%を占める主流となった。その後、1970年代半ばに中国遼寧省南部ナメコ栽培が導入された。それ以来、中国はその最大の生産国となった。最終的に、2012年には中国が70万トン以上、日本が2万トン以上のなめこ生産し、現在アジア各地、北米ヨーロッパへの栽培の広がりを引き起こしている。

もともと日本しか栽培されてこなかったのに、今となってはほとんどが中国産なんだね。

そのため、食用きのこ栽培歴史は、作物植物家畜に比べて比較的浅いことが報告されている。例えば、最も古くから栽培されているきのこの一つである椎茸栽培は、約800年前に中国で行われたようであるしかし、ナメコ栽培は約100年前から行われている。1929年山形県採取された野生子実体から初めてナメコ家畜化株が分離されたが、戦後の混乱期に消失したとする説が唱えられている。ナメコ家畜過程に関する記録はほとんどない。しかし、現在オガクズ栽培に用いられている株は、1962年10月16日福島県山都町市で採集された単一の野生株F27に由来すると考えられる。したがって、市販ナメコの大部分はこの厳しいボトルネック現象に由来すると推定され、その結果、遺伝変異が非常に少なくなっている。栽培種と野生系統遺伝多様性比較は行われていない。したがって、家畜化された種の遺伝資源を利用し、さら品種改良を進めるためには、その進化史を正しく理解することが必要である。そのためには、家畜自然集団遺伝多様性集団構造に関する知識必要である

断片的な資料口伝などでF27という株が起源ということは推測されていたものの、きちんと裏付けがなかったみたい。今後品種改良を進めて継続利用していくためには、そもそも今出回っている株がどこに由来しているのか、また多様性はどうなっているのかを調べることが大切なんだね。

研究により、日本産オガクズ栽培株は自家繁殖または家族内交配に由来していることが示された。これらの結果は、日本のオガクズ栽培生産される商業ナメコ単一祖先の子であるとする単一祖先仮説と一致する。したがって、日本商業ナメコ単一家畜事象に由来するため、遺伝多様性が著しく低いと結論づけられる。

日本全国から収集されたナメコ野生株の中程度の遺伝多様性レベルは、他の木材腐朽菌の野生株と同等かそれ以下であると報告されてきた。また、他のきのこ栽培はいずれも複数家畜起源を持つことが研究で示されており、ナメコ自然集団は、おがくず栽培有効な菌株を開発するための新たな遺伝資源となり得ることを提案する。

中国におけるナメコ生産は、日本からの始祖株F27の子孫が一部寄与しているものの、少なくとも一部の中国品種は異なる家畜過程を経たことが示唆された。日本以外での栽培履歴を明らかにするためには、中国における栽培ナメコの全体的な遺伝多様性に関するさらなる調査必要である

他の栽培きのこには複数起源があるのに、菌床栽培なめこ単一から遺伝多様性が極めて低いという評価なんだ。栽培の持続可能性や新たな品種を生み出すためには、野生株や世界中栽培されている株の追加調査必要なんだね。

なめこ栽培歴史

現在国産なめこ種菌を牛耳っている種菌メーカー大手キノックス」のサイトに詳しいよ。

http://www.kinokkusu.co.jp/etc/09zatugaku/hakase/ha-nameko_04.html

品種改良以前に、そもそも種菌の性能維持にもすごく神経を使っているんだね。

http://www.kinokkusu.co.jp/etc/09zatugaku/hakase/ha-nameko_05.html

きのこの分類にはまだまだ謎が多いよ。しいたけなめこ級のメージャーきのこですらコロコロ変わってる。

http://www.kinokkusu.co.jp/etc/09zatugaku/mame/mame02-3.html

その後、引用した論文にもあるとおり、Pholiota microspora (Berk.) Sacc. (synonym P. nameko)というシノニムにnamekoという文字が残ったよ。

菌床栽培原木栽培について

なんだかんだでwikipediaがそれなりに情報量も多くてまとまっているよ。

菌床栽培 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8F%8C%E5%BA%8A%E6%A0%BD%E5%9F%B9

原木栽培 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E6%9C%A8%E6%A0%BD%E5%9F%B9

もしあなたなめこ栽培たかったら、すでに植菌済みのブロック菌床(なめこ栽培キット的なやつ)を買うと1週間くらいはニョキニョキ生えるなめこを楽しめるよ。

原木栽培も、適当雑木と、種駒(今の時期ならホームセンターにたいてい置いてある)と、ジメジメしたちょっとした林があれば簡単にできるよ。

http://www.kinokkusu.co.jp/saibai/sa-g-name.html

自分過去に短木栽培、長木栽培いずれもチャレンジしたことがあるけど、シイタケよりもずっと簡単で収量も確実だよ。長木なら、駒打って日陰に埋めるか腐葉土たっぷりのジメジメした完全日陰に転がしとけばいいよ。シイタケでよく使われるナラクヌギみたいな硬い木よりも、ブナ、シデ、サクラみたいな柔らかい木の方が菌の周りが早くて確実なんじゃないかなあ。

まだまだいろいろ書きたかったけど、夜も遅いしこの辺でやめておくよ。

またどこかで会えたらよろしくね。

追記だよ

ここまで読んでくれた聡明あなたもしかして「なんか物足りねーな」って思ったかな?

実はそうなんだ。業界的にはたぶん、正直そこまでニュースバリューのある話ではないんだよね。

というのも、おそらくごくごく一部の人たちの中では知られていたであろう「新しい品種作りたいけど、クローンみたいなのしかなくて掛け合わせできねー」「正確な記録は残ってないけど、たぶん全部F27が起源なんじゃねーの」ってことの遺伝的な裏付けが取れたってだけだからね。無論、優良株を持続生産するために必要研究が一歩前進したってニュース自体は大変喜ばしいけども。

きのこニュースになるのは嬉しいけれど、見出しにつられて勘違いした人が大量発生するのは嬉しくないし、だから私たちのようなきのこ好きが発信する必要があると思うのね。

当たり前だけど、今流通しているなめこ遺伝的に同じ(中国産については一部国産とは異なる可能性あり)と言ってもいいし、(福島を下げる意図は無いのだけど)特別福島県産のなめこが美味しいなんてことはないので、安心してなめこライフを楽しむと良いよ。

ちなみに、いまだに福島県産のきのこ放射性物質残留しているんじゃないか、なんてことを心配する人がごくごく少数いるけれど、菌床栽培物については全国どこでも似たような産地の原料使っているので変わりないよ。

一方で原木しいたけやホダ木の生産は、まだまだ一部の市町村で出荷制限がなされていたりするんだ。

https://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/kinoko/qa/seigenfukusima.html

特にホダ木については事故以前に一大産地だった福島県産ホダ木がほとんど壊滅して、他県に流れてしまったという悲しい事態が起こってしまった。ホダ木の栽培は、20年サイクルくらいで林を皆伐しながら管理するので、一度生産を止めてしまうと再開するには膨大なコストがかかってしまうんだ。福島県のホダ木生産者の方の気持ちを思うと本当にやるせない。

2022-06-12

静岡間伐間伐じゃない件

これ

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/news.yahoo.co.jp/articles/3a1987d18442c5c94ba14e29c6ea166fab1bc42b

報道も含めて適当批判が多いので素人解説する。

今回の作業目的

まず第一に多分多くの人がイメージする間伐目的とした事業じゃない。

先行するこの記事によると、これは静岡県の「森の力再生事業」によって実施されている。

https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1053943.html

事業はこのようなものだ。

http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-610/mirai/mirai-index.html

要綱から事業の内容を見てみると、

第5 事業内容には次のようにある。

(1) 人工林再生整備事業

第7(1)に定める対象森林のうち荒廃した森林について、針葉樹広葉樹との混交林へ誘導するための森林の整備であって、伊豆地域森林計画富士地域森林計画静岡地域森林計画及び天竜地域森林計画(以下「地域森林計画」という。)に定める「特に針広混交林化を推進すべき森林」の整備・保全の方向に即した整備並びに簡易な道及び構造物の設置等を実施する。

とある。((2)は竹藪の話。)

 「間伐」という言葉でよくイメージされる、質の悪い木を選んで切っていい木をよく生育させるとか、間引き的に切って林床を明るくするとかそういう話ではない。報道でも触れられたように「森林公共的な責任が果たせていない」植林地を広葉樹林混じりの山にすることで、山の機能回復させようという事業だ。

 間伐をしないと木の下が裸地化したりして山の水源涵養機能が落ちたり生息する生物が減ったりといいことがないのだが、補助があっても経済的に見合わず間伐できないところが今問題になっている。そういう山をもう植林を減らしてしまって広葉樹混じりの状態にすることで、山の機能を低コスト回復させようという考え方だ。静岡県も他県と同様に間伐補助がある(http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-630/zorin/hojo.html)が、その事業では間伐ができなかったのだろう。私の県でも、少々の補助をもらって間伐しても割に合わないという声は聞こえる。

 国の森林総合研究所が研究結果からまとめた「広葉樹林化ハンドブック」を出しているように、この方向性全国的ものだ。

http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/bl_pro_1/

 なので「間伐」じゃないという批判についてはそりゃ間伐事業じゃないよ、という話になる。しかし、報道の感じでは権利者の人は以前やった間伐事業イメージを今回の事業にも持っている。

 報道に写っている書類は「森の力再生事業実施に関する協定書」だと思われるが、その最初にはこのように書いてある。(R3年版様式)

http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-610/mirai/documents/jisshiyoukou_youshiki.pdf

第1条 静岡県 農林事務所長 (以下「甲」という。)、権利者 (以下「乙」という。)及び整備者 (団体名称及び代表者名)(以下「丙」という。) は、第3条に掲げる森林針葉樹及び広葉樹の混交林又は多様性のある広葉樹林等へ誘導することにより、土砂災害の防止、水源の涵養など森林が発揮すべき公益機能回復させるため、その事業の速やかな実施事業実施後の適正な管理三者が協力して確保することを目的に、次の条項により協定を締結する。

また、協定書の2枚目にはこのように書いてある。

2 前項の丙が実施する整備の内容は、次に掲げる整備であって、要綱等に定める整備計画書に基づくものとする。

(1) 環境伐(広葉樹自然発生目的に、対象森林のおおむね40%にあたる本数のスギヒノキの人工林を伐採するものをいう)

(2) 整理伐(適正な立木密度への誘導や樹種の転換を図るために、竹林広葉樹林等を伐採するものをいう)

(3) 倒木又は倒木の恐れのある立木の処理

(4) 伐採木竹等の林地外への流出を防止するための集積、破砕、搬出等の林内の整理

(5) 広葉樹の植栽

(6) 土砂の流出や土壌の侵食を防止するための簡易な木竹製構造物の設置

(7) 整備作業安全性効率性を確保するための簡易な作業路の設置

(8) その他、知事必要と認めるもの

混交林または広葉樹林に誘導するための事業ですよと最初にきっちり書いてあり、作業内容としても間伐ではなく40%伐採して広葉樹自然発生を目指すことが書いてあるわけだが、書いてあってもご理解いただくのは森林組合の役割だろう。

実際、その後の調査でも説明不足が問題視されている。

https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1073631.html

権利者の人は間伐でないと主張しているので報道もその論調だ。荒らし放置するくらいならいっそ山での針葉樹生産を縮小しませんか、という重要な転換の話なので、丁寧な説明がとても重要だろう。

(なお、今回のような手法を帯状間伐と主張する事例もあるようで、その場合はこんなもの間伐じゃない、という議論になる。)

手法の適切性

さて、事業としてこの実施手法は適切だろうか。

 報道にあるように、県は15m幅の伐採提案している。帯状の伐採自体は全面の皆伐を避けつつ搬出を容易にするために、次にまた針葉樹植林する場合でも使われている手法だ。帯状伐採とか帯状皆伐とか言う。形状に注目しなければ小面積皆伐一種と言えるだろう。また、目的によって誘導伐、複層林化を目指す複層伐とか、言い方はいろいろある。私の行動範囲内でも50m幅で皆伐し50m幅に植林を残した縞々の斜面が見えるところがある(Googleマップ航空写真で見るとよく目立つ。)

森の力再生事業の要領にも、このように記載されている。

(ア)環境

広葉樹自然発生目的に行う、対象森林のおおむね 40%にあたる本数のスギ

ヒノキ伐採をいう。(略) 伐採手法は、全伐採本数の8割以上を列状又は群状に伐採するものとし、それらを補完するために単木的な伐採施工することができるものとする。 列状伐採場合の1列当たりの伐採幅(伐採区域の短方向の両端に位置する残 存立木列の樹幹間の最短距離)の基準は、おおむね5m以上かつ残存林分の平均

樹高のおおむね2倍未満を原則とする。(後略)

なお、樹高の2倍未満というのは帯状の伐採に関する資料でよく見られる。広すぎると全面的皆伐に近くなるが、狭すぎると日当たりが悪く次の木が育ちにくくなる。

 今回の件について、50m幅のところは事業基準を満たしていないと言える。しかし「ゴルフ場のような」帯状の伐採自体計画通りだ。

 今回の伐採手法に対する批判は、混交林化という目的に対して、列状間伐などによる強度間伐などと比較されるべきものだ。県の判断には動物被害が大きいことを挙げており伐採後をシカネットで囲っていたが、それらの対策やすさなども考慮に入れる必要があるだろう。

木を多く切ったこ自体に対する批判はあたらないと思う。広葉樹林化を目指すならどこかで切らなければならない。災害発生リスクとしては確かに帯状伐採でも表層水が増え災害リスクが多少なりとも上がることがわかっているが、じゃあいつ切るんだ、間伐もできない山を放置しておくのか、それとも個人財産を育てるための間伐さらなる補助をしていくのか、などの論点があろう。

(素人考えだが伐採部分より残った植林の幅の狭さが気にかかる。50m幅の問題といい、区画取りがちゃんとできていたのだろうか。)

さら技術的な論点

 今回の報道で多く見かけた批判はこのように的外れだが、もう1つ重要論点がある。それはこれで本当に広葉樹への更新ができるのかという技術的な疑問だ。(そもそも広葉樹林化で本来目的を達成するのかというさらに難しい論点もある。)

 ここまでは資料を読めばわかる話だが、この先は議論がある部分に分け入るので、2つのことをご了承いただきたい。まず私は林業に関して門前小僧どころか出入りの三河屋程度の知識しかない。もう1つは、このように強引にでも広葉樹林化を目指している背景には既存の補助で間伐できず、ただでさえ貧弱な下層植生が今度は鹿に食われて裸地化するような山がたくさんあって、とにかくなんとかしないといけない状況があるということだ。

 帯状に伐採して跡地に再び木を植える場合は、幅に応じて明るさの問題はあるものの、皆伐跡地に植えるのと同じように考えることができる。これまでの林業のサイクルに近い。全面的皆伐してしまうよりは山としての機能もましだろう。広葉樹林化を目指す場合でも、適切な種類の木を植えるとその木が育ってくる。問題は何も栽植せず自然に任せる場合だ。今回の写真を見ても、これで事業完了後とすれば新たな栽植はせず鹿ネットで覆うことで終了のようだ。

 スギヒノキに覆われている期間が長くなるほど埋没していたタネの発芽は期待できなくなる。風で飛んだり鳥に運ばれたりするタネ供給源との距離問題もある。ササなどが地表を覆って高木が育たなくなってしまうこともある。また、これは栽植する場合も同じなのだが、まだ弱い木を鹿がかじってだめにしてしまうことはとてもよくある。先ほどの広葉樹林化ハンドブックでも、条件の見極めについて記述されているし、他の混交林化、広葉樹林化の資料でも、人工的な植栽前提、あるいは十分な量のタネ供給源となる木や稚樹の存在を前提にしたものが多い。

 しか静岡県による皆伐後の天然更新についての調査結果では、かなり楽観的だ。再造放棄地(植林を収穫して全て伐採した後に何も植えていないところ)を調査した結果、県内の多くの場所で天然更新が順調に進むと結論づけている。

https://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-850/ar613.pdf

静岡県のR4年度の森林計画書では「天然力を活用した」混交林への誘導が整備保全方向性として挙げられている。難しそうなところは別途「植栽によらなければ適確な更新が困難な森林」として指定するようだ。

 天然更新のできるできないについて、素人が今回ざっと資料を読んだ限りでは可能な条件はかなり限られるように思えたが、しかしこの静岡調査に基づくと、鹿ネットだけで天然更新を目指すなんて無謀だとも言い切れない。歯切れの悪い終わり方で申し訳ないが、この文章目的は、説明不足の報道に対してより詳しく状況を説明することだ。正直今回導入された手法の良し悪しは現地を見た専門家でないとわからないだろうと思う。

 自分は6/8の記事でこの件を知ったが、県が獣害状況などから15m幅の伐採手法として提案し、それ自体は間違いではないような対応であることからこれは「間伐事業ではないのでは、と疑問を持った。一次産業に関しては誤解や考え方の違いによる非難が発生しがちなので、素人自分にも誤解とわかる部分は書いた。そして検索して分かったのだが、プロ解説しても考え方の違いが発生するだろうなとも感じた。混交林化の是非そのものにも様々な考え方の違いがある。

 また、感情面では、植林あくま経営主の持ち物なので、本来きちんと管理する責任は持ち主にあるんだという気持ちと、そんな不利益があるから山なんか絶対相続したくないんだという相反する気持ちも、田舎者なので持っている。

 これは公共機能があるもの個人が所有することの問題とも繋がっている。

 話が広がってしまったが、ともかく、「これは間伐ではない」という単純な話ではないのだ、ということを理解してほしい。

2021-07-07

江戸以前から日本は禿山だらけじゃなかったっけ

土砂崩れの9割は林業が原因 政府が誘発する皆伐を推奨〈週刊朝日

https://news.yahoo.co.jp/articles/74355fb98275c2e4a9933216682d95993c47fa53

植樹は明治政府存在するよりずっと昔からやってるよね

侍の時代より今のほうがむしろ木々が多いのでは

2020-09-20

anond:20200919165809

私は中国向けに、原材料木材販売する仕事をしています初心者向けアコースティックギターですから使用している木材はスプルース材(カナダ産)です。

①何故日本で作られなくなったのか?

楽器向け木材製造する業者がいなくなった。カナダから輸入する木材の塊(長さ4000㎜幅800㎜厚600㎜とか)を、乾燥し、細かく裁断してギター用材の長さ3尺(909㎜)以下にする必要があるが、

90年代後半以降の不況日本において、機械不能の寸法を製造するザ人海戦術する業者はいなくなった。(3万のギター材料販売黒字化しなくなった)

・最終販売単価が変わらない。完成品の単価は、この30年続く不況で変わなかった。これは後述しますが、スプルース一つとっても木材価格はこの30年で2倍~3倍に価格が上昇している。

スプルース材は日本では長らく建築材料世界において桧の代用品でしたが、今年の相場でいうと下手したら価格が逆転してしまっている。

中国製造品質は悪いのか?

発注元が要求する何十年も不変な販売単価にコミットするために、カナダ産スプルースでも品質が更に低い材料使用するようになる(そもそもカナダ産スプルースアラスカ産に比べ質が低い)

品質が低く木筋はねじれている上に、立木の時点や太平洋横断時にブルー(カビ)が入るので、漂白剤の海に漬けて何とかする。やたら白い/ケミカル臭いのはそういった材を使っている場合がある。

日本コストが合っていた頃は、その辺りの品質管理は適切だった(今では材料/人件費不可能だが)木の塊からギター用材を製造するための人件費と人的余裕が中国にある限り、中国製造はやめられない。

日本相対的に貧しくなった

30年日本インフレなし、給料が上がらない間、先進国途上国も年率数パーセントの上昇を続け、日本購買力販売力が落ちたのは事実です。90年前半における世界の中の日本立ち位置は、

米国に次ぐ木材購買力(米50、日40%ぐらい)があり、原産国カナダ米国人間客扱いしてくれますし、単価交渉も用意でした。30年後のカナダ産シェア率は(米50、中30、日10%)です。米国の景気良いので、日本に売る木材ありませんと真顔で言われます

商社マンブローカーアジア北米で暴れていた時代はもはや過去の物で、30年前の武勇伝で時が止まった高齢業界人ゴロゴロ転がっている。楽器も、日本では販売価格を変えられないので、中身の質が低く、人件費が安い所に変わっていく。

日本における木材文化楽器の方向に向いていない

蛇足ですが、日本は数千年前から木材を主要な材料として使用している歴史がありますしかしその利用用途建築資材(や家具)に向いており、西洋楽器製造には厳しい品ぞろえの市場です。

日本における植生は、杉や桧が多く、広葉樹は(建築に)使いにくいという理由戦後皆伐してしまいました。高級アコースティックギター使用される木材南米原産の木が多いですが、それらは旧スペイン領又は旧ポルトガル領で、当然の権利のように欧州のみ優先して供給されます。「どうにかしろ」と一度酒場ラテンギター職人に言われましたが、この文化の違いはどうしようもないと感じています

2019-05-28

anond:20190527083451

 増田さんの疑問はものすごくいいことだと思う。

 まず本筋からずれるんですけど「海から魚を取りつくす」ことと「ウナギマグロが滅ぶ」のがちょっと違う問題だと認識してください。

 一定量栄養分が海に流れ込むということは、それがすべて消費されるということでありまして(生物界は常に飢餓的状況です)ウナギマグロがいなくなればその分の栄養を利用して他の生物が増えます

 マグロの食性ニッチを埋めるのはおそらく他の魚です。

 なので、「ウナギマグロは滅ぶかもしれないが、海から魚を取りつくすことは困難」なんです。

 そして、紙の原料である樹木についてですが、なくなることはないと思いますが、使用量が増大した場合、高価になっていくことで使用量が減っていきます

 はっきり言って、木を伐り出して工場へ運ぶというのはものすごく大変な作業です。

 だから、取りやすいところから取ります

 日本の山林で、蓄材料有史上最大である、というのは日本で木を伐り出して工場へ運ぶのが割に合わないからです。

 もちろん、日本でも伐りやすいところは皆伐して切り出しています

 ところで、切り出しやす場所といえば例えば南洋材、北方材、北米材、中米材、南米材として入ってくる材の生産地がそうです。

 船での運賃を計上しても(木材は無関税日本産のほとんどの木材よりも安価販売できます

 (人件費設備費運賃などの合計が安い。日本人件費単価は安いもの伐採ノウハウが未熟で金がかかる。林業経営が厳しいので伐採用の設備を買えない。道が整備されていないので運賃が割高になりやすい)

 ちなみに、海外では林業事業体ノウハウを集積し、最新の林業機械を揃え、切りやすい山を選定し、国境ガンガン超えてバリバリ切っています

 これは日本でも海外でも共通ですけども、切りやす場所はどんどんはげ山になりつつあり、そういった意味では生産サイクルとは程遠い状況です。

 しかし、少し目をそらせば山の傾斜がきつい場所には木が残っている。

 ですから、まあ低い場所を伐りつくせば、回復した山を伐り、それが間に合わなければ今まで手を出しあぐねていた地形の木を切ることになります

 当然、コストが跳ね上がるので紙の値段も上昇し、どこかで代替物に置き換わると思われます

 また、南洋材の生産諸国ロシア中国はすでに自国木材保護禁輸措置もっと後の方が高く売れるし、生活環悪化費用自分持ちだから)をかけていますので、木材がなくなるよりはコスト上昇圧力で他の物質が用いられる方が早いですかね。

 だから、紙そのもの生産は続きますが、代用可能な場面では代用が進んでいくと思います

 この辺りは石油とよく似ています

2016-07-23

希望絶望

希望

自分が生きているうちに人類火星に到達するかも

絶望

自分が生きているうちに火星テラフォーミングはできそうもない

喫煙者が根絶されそうにない

花粉を発生させる杉が皆伐されそうにない

2014-10-03

保安林に関する誤解について

保安林について誤解している人が、特に建設畑を中心に多いので、もっとも求められないであろう増田で解説。

保安林指定された林地は売買出来ない。

⇒出来る。土地の売買については一切の規制がない。

保安林指定された林地の木は伐れない。

⇒伐れる。保安林指定要件にもよるが、例え禁伐であっても除伐や危険木の伐倒までは禁じていない。

保安林では森林施業を実施できない。

指定要件による。急傾斜、落石防止等の禁伐保安林でなければほとんどの森林で35パーセント以下の間伐が行える。

保安林皆伐することが出来ない。

指定要件による。著しく地力が低く、一度皆伐すると森林再生が困難と判断された保安林などは急傾斜等でなくとも禁伐の要件が付される事がある。しかし、大半の保安林都道府県知事の許可を事前に受ければ皆伐も可能である。ただし、許可要件に必ず再造林が付される。

保安林手続きを踏めば解除できる。

基本的には出来ない。公道の新設等、公共利益に与する施設の新設以外の要件保安林解除が受け付けられることはない。ただし、火山土砂崩れ等によって該当林地が消滅し林地の復元不可能場合は解除される事がある。民間人個人的に解除を行うことは一切出来ない。

 
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